───地上最強猫列伝『第十三章◆胸囲!彰利ランドへの誘い!の巻』───
───……それは悪夢とでも言うんでしょうか。 俺の目の前に、あの場所があった。 悠介 「ここって……」 真穂 「あそこ、だよねぇ……」 春菜 「……!」 夜華 「丁度いい……」 俺の過去を見た面々が、それぞれ特殊な顔つきになる。 ……そう、こここそかつての未来の時代でもなお(そび)
え立つ、 『胸囲(誤字にあらず)』のワンダーアイランド……『彰利ランド』。 中井出「や、お前と同じ名前の場所選んだらお前驚くと思って」 悠介 「………」 真穂 「………」 中井出「あれ?」 悠介 「とりあえず殴らせろ」 真穂 「わたしも……」 中井出「え?あ、あれ?なんでふたりとも嫌そうな顔して」 ボゴチャア!! 中井出「ぽぺぃ!!」 ふたりは知っているのだ……ここがどれだけ血に染まった場所なのか。 普通に考えて、同窓会なんぞで来る場所ではない。 藍田 「おい……なんかヘンな臭いしねぇか……?」 夏子 「うん……サビついた鉄の臭いっていうか……」 それは血の臭いってやつです。 すげぇよ……まだ入場もしてねぇのにこの臭いだ……。 中井出「ゲフッ……!そ、それでは報告した通り、男女一組のペアになってくれ!     あ、彰利に至っては何人でもOKだから!」 悟り猫「ややっ!?これ!なにを申されるか!」 中井出「大丈夫だって。猫を彼氏だなんて思うヤツが居るかよ。     しかしその慌てよう……ここがどんなところか知ってるのか?」 悟り猫「まあ、ね」 中井出「そか。頑張ってマッサのゴールドカード手に入れようぜ!」 悟り猫「それが狙いですか……」 勘弁してほしかった。 ガガッ!ガシッ!! 悟り猫「おや?」 春菜 「いくよ、弦月くん!」 夜華 「いくぞ、彰衛門!」 悟り猫「ア、アレレーーーッ!!?」 先輩殿と夜華さんは俺を奪い合うように抱えて歩き出した。 『動物の持ち入れは禁止』とかそういうのを期待したんだが、 俺を見るふたりの視線を見た『彰利』がニヤリと笑み、許可を下してしまった。 すげぇ……恋の眼差しに敏感なのは相変わらずですよ……。 真穂 「じゃ、晦くん。いい?」 悠介 「ああ、俺達はのんびり出来そうだ」 真穂 「そだね。別に好き合ってなんかないもんね〜」 そげな言葉で談笑するふたりは、なんとは無しにてくてくと歩いてゆくのでした。 ……親友に殺意を覚えた瞬間でした。 ───彰利ランド内部/乱闘の場 ドゴシャアーーーンッ!! 佐野 「ホゲェーーーッ!!」 三月 「きゃあっ!佐野くん!」 彰利1「うむ!身を呈しておなごを助けるその心意気や天晴れ!!     しかし否!我に勝てねば最後に待つ結果は同じ!さあ立ち上がれ男よ!     この戦場を生き抜き、見事『漢』となってみせよ!」 佐野 「ベッ!……やってやるぜ!三月は───俺が守るんだぁあああっ!!!」 三月 「さ、佐野くん……!!」 ───彰利ランド内部/コーヒーカップ 彰利97「彰利会館三段……末堂彰利ってモンだ……!」 夏子  「わっ!なんか出てきた!藍田くん!ゴー!!」 藍田  「いや、なんつーか……カップで轢こう」 夏子  「あ、そっか。はいやぁーーーっ!!」 ドゴシャアッ!! 彰利97「ギョエェエエエーーーーッ!!!!」 夏子  「あははははっ!!」 藍田  「おー、飛んでった飛んでった」 夏子  「……ねぇ藍田くん」 藍田  「ん?なんだよ」 夏子  「『彰利』が襲い掛かってきたってことは……      わたしたち、カップルに見えたのかな」 藍田  「あ……し、知らねぇよそんなの」 夏子  「そっか。でも……ねぇ、またいつかこうやって一緒に回ろうね。      ここじゃなくても、どこでも……」 藍田  「木村……」 夏子  「ね、約束……してくれる?」 藍田  「……しゃ、しゃあねぇなぁ」 夏子  「顔赤くして……なにが仕方ないの?」 藍田  「う、うっせ!!」 ───彰利ランド内部/不思議の国のノリス 彰利35「行くよグリポンくん!」 グリポン「黙れクズが!!」 彰利24「死ね!」 永田  「足踏んだってだけで喧嘩してっけど……」 沢村  「多分、ストレス発散出来れば誰でもいいんだと思うよ……」 ───彰利ランド内部/破局流ジェットコースター シュゴォオオオオオッ!!!! 麻衣香「きゃあああ〜〜〜っ!!」 彰利8「ハハハハ!怖かったら俺の手を掴んでいるといいよ!」 中井出「よし麻衣香!こいつ殴るぞ!顔がムカツク!」 麻衣香「え?いいの?」 中井出「原則事項に書いてある!     『一、この彰利ランドに入った者、武器の使用以外、一切の暴力を許可する。      一、この彰利ランドに入った者、一切の殺人行為を罪とする。      一、この彰利ランドに入った者、彰利からの攻撃も許可するものとする。      一、この彰利ランドに入った者、漢として勝ち抜きたまえよ』って!」 麻衣香「そうなんだ。それじゃ───」 中井出「おうっ!!」 彰利8「なにっ!?ちょ、ちょっと待───」 ドガゴチャグシャボゴドカバキ!!! 彰利8「ギャアアアアアーーーーーッ!!!!!」 ───彰利ランド城内 彰利100「き、緊急警報発令!!城内にバケモノみたいな男が出現!       ただちに救援を───」 ドゴシャッ! 彰利100「ごげっ!!」 どしゃっ……。 悠介 「誰がバケモノだ、誰が……」 真穂 「でで、でも実際に13人近くを片腕ひとつで……」 悠介 「ったく……恋人でもなんでもないんだから放っておいてくれりゃいいのに……」 真穂 「ありもしないこと捏造して襲ってくるんだもんねぇ〜……。     まるでからかいモード全開の弦月くんだよ」 悠介 「あ〜……あいつならやりそうだ」 ───彰利ランド城内/二階 春菜 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァアアーーーーーッ!!!!!!」 ズドゴドドドドドドドド!!!!! 彰利29「ほげぎゃげごげがげぶべらべらぁああーーーーっ!!!!」 夜華  「飛燕龍───」 彰利79「ま、待て!この彰利ランドでは武器の使用は───」 彰利44「と、取り押さえろぉーーーっ!!!」 夜華  「───-散葉-!!」 ドパタタタタタタタタ!!!!! 彰利×7「ギエェエエーーーーーーッ!!!!」 悟り猫 「………」 『彰利』が滅ぼされてゆく……。 家系の身体能力を利用したマッハパンチに、峰打ちでの飛燕龍-散葉-…… ありゃあ相手が可哀相すぎるわ……。 悟り猫「って、待て……」 確かここって、最後に告白するんだったよな? で、フラレるかフラレないかを確かめてから、最後にマッサカードが…… ……やばいじゃないですか。 俺ゃ告白する気なんてありませんよ? 夜華   「彰衛門!」 春菜   「弦月くん!!」 夜華&春菜『次ッ!!』 ……なんだか不毛だった。 ───さて、城の三階に辿り着いてから約1分。 悟り猫  「とんずらぁああーーーーーーーっ!!!!!」 春菜&夜華『あっ!』 俺は全速力でふたりの魔の手から脱走した。 ───俺は自由を手に入れた……。 だが……その代償はあまりに大きかった。 夜華 「彰衛門!何処だ!彰衛門ーーーっ!!」 彰利3「居たぞ!取り押さえろ!」 夜華 「邪魔を───するなぁっ!!!」 ベゴシャバキベキドカドス!!! 彰利3「ひょえぁあああーーーーっ!!!」 春菜 「弦月くんを見たでしょ……!?     何処にやったの……!言わないとお仕置きだよ……!」 彰利6「は、はぁあ……!!し、知りません!俺は知りませ───」 ボゴチャッ!! 彰利6「ゲブラ!」 春菜 「逃亡者を匿う人はねぇ……共犯なんだよ……?」 メキメキメキメキ…… 彰利6「ギョエェエエエーーーーーーーッ!!!!!」 彰利6が鼻を殴られたのちにアイアンクローで宙に浮かされている。 なんたる腕力……!! うわー、彰利6の足が地面を探して彷徨ってるよ……! まさか俺が逃げ出しただけで『原中の修羅』が目覚めるとは……!! すまん彰利6よ……せめてやすらかに眠ってくれ……。 ───……。 声  『緊急警報緊急警報!!お客様ならびにランド内の彰利たちに告ぐ!!     全力で【弦月】という名の猫を探してください!     さもなくば全員死ぬことに───あ、ひあっ……ひゃああああああっ!!!』 ゴゴチャッ!!……ピー…… 中井出「……なに、今の物騒な放送……」 麻衣香「すごい嫌な予感がする……」 悠介 「───中井出!」 中井出「おう晦。いったいどうなってんだ?     なんか急に『彰利』が襲ってこなくなったんだけど」 悠介 「そ、それがな……」 真穂 「実は……篠瀬さんと更待先輩と一緒にいた弦月くんが途中で逃げちゃってね?     それを探そうって、ふたりとも躍起になって周りが見えなくなっちゃって……」 中井出「見えなくなって……それで?」 悠介 「……ふたりだけでランド内の彰利全滅させた」 中井出「……冗談?」 悠介 「マジだ」 中井出「………」 麻衣香「じょ、冗談でしょ……?     あの『彰利』って、着ぐるみ着てる所為ですごくしぶとかったのよ……?」 悠介 「ハッキリ言おう。     あいつらにとっちゃここに居る『彰利』なんて喋る赤ん坊みたいなもんだ」 中井出「救いがないな……」 悠介 「気をつけろよ……。姉さんも篠瀬ってやつも、     彰利の行方を訊いてきては、喋らないヤツをボコボコにしてる」 中井出「どうしろっていうんだよ!」 悠介 「逃げろ!逃げられるとは思えないけどとにかく逃げろ!!     掴まったら……死ぬと思え!これは本気の警告だ!     今の姉さん、『原中の修羅』状態になってるから何言っても無駄だ!!」 中井出「マジかぁっ!!?ああもう……なんだってこんなことに……!!」 悠介 「桐生!こっちだ!彰利を探す!」 真穂 「うんっ!!」 中井出「麻衣香、逃げるぞ!」 麻衣香「オッケ!!」 ───……ガサッ。 夜華 「そこだぁっ!!」 ザコォッ!! 清水 「ひゃぁあああああっ!!!!」 夜華 「……!?ちぃっ……彰衛門ではないのか……!おい貴様!彰衛門は何処だ!」 清水 「あ、あきえ……?だ、誰……!?」 夜華 「言え!隠すとためにならんぞ!」 清水 「し、知りません知りません!勘弁してください!殺さないで!」 夜華 「どもったな……?貴様!何を隠している!答えろ!!」 清水 「ひぃいいいいっ!!!!」 ───ずしーん……ずしーん…… 春菜 「コーホー……コーホー……」 ずしーん……ずしーん…… 藍田   (……よし、通り過ぎたな) 夏子   (ああもう……なんだってこんなサバイバルゲームみたいなことに……!) 春菜   「人ノ気配……」 藍田&夏子((───!!)) 春菜   「アハハハハ弦月クン……逃ゲタリナンカシタラダメダヨォ……?」 藍田   「イヤァアアアーーーーッ!!!!       既に言語中枢がイカレてらっしゃるぅーーーーっ!!!!」 夏子   「ば、ばかっ!逃げるのよ!早く!」 ドシュンッ!! 夏子 「速ァアーーーーッ!!!!??」 春菜 「ハルルルル……弦月クン……ドコ?」 夏子 「し、知らない……知りません……!」 春菜 「……ウソツキハ嫌イダヨ……!」 夏子 「ほんとに知らないんですぅーーーっ!!!」 ドカァッ!! 春菜 「グルッ!?」 木村に手を伸ばした先輩にタックルをして押さえ込んだ。 だが───くっそ!なんて力だよ!押さえ込んでられねぇ!! 夏子 「あ、藍田くん!?」 藍田 「木村!逃げろ!早く!」 夏子 「で、でも……!」 藍田 「いいからっ!!お前だけでも逃げてくれ!早くっ!!」 夏子 「───っ……ま、待ってて!誰か呼んでくるから!絶対に戻ってくるから!」 木村の走ってゆく姿……遠ざかり、やがて見えなくなる。 それまで、暴れようとする先輩をなんとか押さえつけた。 藍田 「へへっ……馬鹿だな俺も……。でも……惚れた弱みってやつだよな……」 ───約束したよなぁ、木村……。 いつか、またふたりでいろいろな場所に行こうって……。 春菜 「ウウウウ……!!」 お前がここに戻ったら……動かない俺を見てどう思うかな……。 もう少し待て……必ず伝えるから……。 藍田 「先輩さんよ、ここは通さねぇぜ……。通りたけりゃ……俺の屍を超えていけ!!」 もう一度会って、伝えたいことが山ほどあるんだ……。 春菜 「ガァアアアアアアアアッ!!!!」 同じ空の下、いつの日かまた一緒に歩こう……。 藍田 「シャンドラの火を灯せぇえええええっ!!!!」 ───……。 悟り猫「藍田……」 その場所に風が吹いていた。 既に動かなくなった藍田は、それでも倒れることもなく…… 必死になって、気絶した今も立ち続けていた。 だが時既に遅く。 一度獲物として睨んだ木村を先輩殿が放っておく筈もなく。 恐らく、木村はもう…… 悟り猫「漢だった……お前、漢だったよ……」 初めて見た立ち往生。 まさかそれをクラスメイツのひとりがやるとは……。 ……いや、死んでませんけどね? 悟り猫「月生力」 俺はそんな藍田に力を流し、傷を癒した。 死なせてしまうには惜しい漢だ。 悟り猫「きっとお前なら、普通に進めばマッサカードを貰えたんだろうな……」 傷を癒すと、藍田がようやく膝を崩した。 その場に倒れそうになる藍田を抱え、ゆっくりとその場に寝かせる。 悟り猫「さて……死屍累々ってのはこういう時に使う言葉だろうね」 先ほどまで騒がしかった彰利ランドは静寂に包まれていた。 時折に聞こえる絶叫が、先輩殿と夜華さんの恐ろしさを知らしめている。 シャレにならんな。 まずは異翔転移で夜華さんと先輩殿以外の輩をここに転移させるか。 悟り猫「───異翔転移」 ───フィキィインッ!! いつもより力を強く放出させて、その場にクラスメイツどもを転移させた。 いやはや、上手くイメージが纏まってよかった。 夏子 「あ、れ……?ここって……───藍田くん!?藍田くん!!」 キョロキョロと藍田を探す木村を前に、俺はそっと藍田の顔に白い布を被せた。 夏子 「───え?」 その時丁度いいタイミングで藍田を見つける木村夏子さん。 悟り猫「残念です……。藍田のヤツ、最後まで『木村を守るんだ』と言って……」 夏子 「そ、そんな……!そんなのって……!」 中井出「んあ……あれ?ここどこ?」 悟り猫「シッ!」 中井出「あ───あぁっ!?あきと───もごっ!?」 悟り猫(まあ待て中井出。今いいところなんだ) 中井出(……?おおっ!) 見れば、中井出以外が固唾を呑んで木村と藍田の行く末を見守っている。 ちなみに転移させた時点で、皆様には月生力を浴びせておきました故、もう安心です。 夏子 「待って……待ってよぉ……!わたし……ずっと言えなかったけど……!     中学生の頃から、藍田くんのことが───」 全員 『ゴクッ!』 再び固唾を呑む皆様。 我らは総員で木村と藍田を全力で見守り、次の言葉を待った……! 夏子 「藍田くんのことが───好き……好きだったの……!!     だから……だからっ!!」 中井出(……?)-OK? 悟り猫(……!)-OK! 全員 『ハワァアアーーーーーーーッ!!!!!!』 夏子 「ひやっ!?」 中井出「おめっとさーーん!!晴れて新生カップル誕生だな!」 麻衣香「やー、まさか我がクラスからカップルが生まれるなんてねー!」 夏子 「え……?え……?」 増田 「おめでとー!」 清水 「祝福するぜっ!」 夏子 「祝福……?おめでとう……?───なに言ってるのよ!!」 全員 『ややっ!?何故怒るのです!?』 夏子 「なんでって……解らないの……!?藍田くんは……藍田くんはもう……」 悟り猫「ノープロブレム。あたぁっ!」 ドスッ! 藍田 「うごっ!?」 脇腹に地獄突き(猫手だからやりづらいが)をして、藍田を起こした。 藍田 「あいででで……な、何事?」 夏子 「え───えぇええええええええええっ!!!!?」 藍田 「え?なに?なんの騒ぎだ……?あ───木村!?無事だったのか!?」 夏子 「あ、藍田くんこそ……」 藍田 「〜〜っ……よかったぁっ!!」 がばしっ!! 夏子 「ひゃっ!?」 全員 『おおっ!!』 藍田、木村を熱く抱擁。 抱きしめつつ、頭をやさしく撫でてます。 本気で愛しそうに。 夏子 「あ、藍田くん……やめてよ……恥ずかしいよ……」 藍田 「……いいからこのままで聞いてくれ……。     俺……俺さ、ずっと言えなかったけど……中学の頃からお前のことが……」 全員 『───ゴクッ!!』 またまた固唾を呑む皆様。 藍田 「木村……お前のことが好きだった……いや!今でも好きなんだ!!     その、俺不器用だけどもっと努力していい男になるから!     だから───だからっ!その、つまり───お、俺と付き合ってくれ!!」 全員 『おっ……おぉおおおおおおおおおっ!!!!!』 藍田 「───はっ!?う、うわっ……お前らいつからそこに!?」 中井出「いつからってお前……お前が目覚める前から」 藍田 「め、目覚める……前って……う、うあ……ぎゃあああああああああっ!!!」 島野 「うわっ!?ど、どうした藍田!」 中井出「恥ずかしさに耐えられなくなったんだろう。肝の小さいヤツめ」 島野 「でもま、良かったな、藍田。晴れて両思いだ」 藍田 「ぎゃあああああ───あ?え……え?     両思いって……だって俺、返事貰ってないし……」 中井出「あのな、実はお前が気絶してる時、既に木村がお前に告白した。     それも、お前とまったく同じ文句で」 藍田 「えっ───えぇぇっ!?ま、マジか!?木村ぁっ!!」 夏子 「……いいよ。わ、わたしなんかでよかったら……その、付き合って……ください」 藍田 「……───あ、あはっ……えへっ!     いっ……いやぁああああっほぉおおおおおおおおおぅっ!!!!」 どぉっかぁあああああああああんっ!!!! 全員 『ざわ……』 突如、藍田の喜びの絶叫とともに背後の方で鳴り響く轟音。 振り向けば……先輩殿。 その視線の先には倒れた状態から頭を押さえつつ立ち上がる悠介。 ……あらら、そこまで暴走しちゃってますか。 悟り猫「悠介!ダメもとで『ラグナロク』レッツゴー!!」 悠介 「すまん!もうやってみてダメだった!!発動の感触すら無し!!」 悟り猫「ゲェエエーーーーーーッ!!!!」 春菜 「グルッ!?」 悟り猫「ゲッ……は、はぁあ……は、ははははは!!     なにかねその目は!今の俺がひとりだと思ったら大間違いだぜ!?     俺には───今さっき固い絆で結ばれたクラスメイツ達が居るんだからなぁっ!」 言って、後ろに目をやる。 が……皆様は既に居なかった。 悟り猫「あ、あれ?あれちょっと……ねぇ!?みんな!?恥ずかしがらずに出ておいでよ!     ねぇ!?あ……あれぇえええええーーーーーーーっ!!!!!!?」 悠介 「随分とクラスメイツ思いのクラスメイツだな……」 悟り猫「せっかく回復してやったのにとんずらしやがった……むっ!?」 そんな中、ひとり逃げ遅れたらしい中井出が走ってるのを見た。 俺は瞬時に駆け寄ってその肩をワシッっと掴んだ! 悟り猫「待て!なんで逃げるんだ!」 中井出「誰だって自分が一番可愛いのさ……アンタだってそうだろ?」 悟り猫「だからって一目散に逃げるヤツがあるか!このトルネコめ!」 中井出「やかましい!     大体にしてお前が逃げなけりゃあんなことにはならなかったんだろ!?     責任取ってボコられてこい!!」 悟り猫「なんと!?俺に死ねと!?もっと気の利いた台詞は吐けんかねキミは!!」 中井出「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……」 悟り猫「気が利きすぎじゃあ!!」 ドゴォンッ!! 悟り猫「ややっ!?」 夜華 「ふ……ふふふふふ……!見つけたぞ彰衛門……!!」 悟り猫「ゲゲッ!?夜華さん!?」 何故か近くにあった管理室っぽい建物の扉をブチ破って夜華さん登場。 何故あげなところに……? 悟り猫「こ、これ中井出!麿を守れ!中───居ねぇ!!」 なんと!少し目を離した隙に消えおったわ! 悟り猫「悠介!協力してふたりの魔王を───居ねぇ!!」 なんと!少し目を離した隙に親友が消えおったわ! 春菜 「クックックックック……」 夜華 「あぁ〜きぃ〜えぇ〜もぉ〜んんん……!!」 神よ……俺、なにか悪いことしました……? マジで勘弁してください……! レタスは残らず食べてます!歯も磨いてます! 寝る前にはクソして寝てます! キャベツはきちんと一欠けらも食べてません! なにかおかしいなら直すからこの状況なんとかしてください! オイラ……オイラただ自由が欲しかっただけなんです! 春菜 「人を困らせる困ったちゃんにはお仕置きが必要だよね……」 夜華 「もう逃げられないぞ……!こっちへ来い……」 悟り猫「う、うう……!!お前らイカレてる!どうかしてるぜ!     どうしちまったってんだよ!この状況を見ろ!みんなコワレちまった!     ……お前らがやったんだぞっ!解ってるのか!?」 俺は映画などで出てくる黒人男性のように身フリもつけて熱弁した。 が─── 春菜 「お仕置きぃいいいいいっ!!!」 夜華 「ごちゃごちゃ言って逃げる気だなっ!!!許さんぞ!!」 悟り猫「アイヤァアアーーーーーーッ!!!!!!」 神様ってのはやっぱり無情でした。 ドカベキザシュゴシャガンゴンガン!!!! 悟り猫「ぎょよわぇあよぉあおガァアアアアアアッ!!!!!」 神様に出会えたら絶対に斬殺しようと心に決めた秋の日の惨劇でした……。 Next Menu back