───たわけモン道中記02/リズムでいこう───
【ケース05:過去悠介/ハルニバル】 ───……。 悠介 「で……」 ルフィ『黄金牡丹ンンンーーーッ!!!!』 ドゴドゴドゴドゴ!!! 彰利 「キャーーッ!!ゴッドが!ゴッドがぁあーーーっ!!!!」 悠介 「あー……」 凍弥 「はっはっは、さっきまでの勢いはどうしたのかねユミハリくん。はっはっはっは」 彰利 「ギッ……ギィイイイイーーーーーーーーッ!!!!」 悠介 「……はぁ」 話にもならんわ。 ゲームに熱中するなとは言わんが、あの音量はなんとかしてくれ。 悠介 「あ、そういや───なぁ閏璃」 凍弥 「このっ!このっ───くはっ……ん?あ……なんだ?」 再び彰利が操るエネルを倒した閏璃が、コントローラを置いて俺を見る。 そんな閏璃に、ひとつの疑問をぶつける。 悠介 「お前の姉、もう帰ったか?」 凍弥 「いや知らん。ってそうか、悪い。ウチの修羅が迷惑かけた」 悠介 「あれは……気にするな。済んだことをグチグチ言っても仕方が無い」 そう、気にしても仕方が無い。 好きで死神化したわけじゃないんだ、どうしようもない。 凍弥 「しっかし惜しいよなぁ〜、     俺も姉さんと同じ家系に産まれてりゃあ、能力とか手に入ったのに」 鷹志 「だから……。無責任な軽口叩くのはよせって言ってるだろ?」 凍弥 「なにぃ、貴様いつから常識の奴隷になった。     男として異能力に憧れるのは当然のことだろうが」 彰利 「そうだ!」 遥一郎「その通りだ!」 悠介 「よく言った!」 凍弥 「さらに言えばその能力を生かせる最高の舞台が欲しい!     そう、平たく言えばファンタジー!あれほど最高の舞台があるだろうか!」 鷹志 「ある訳が無い!俺だって手に入るなら能力もそんな場所も欲しいわ!」 遥一郎「敵はもちろん『ゴブリン』なわけだ」 凍弥 「おおっ!話が解るじゃないか客人その1!!」 遥一郎「いつの話だよ!!」 鷹志 「懐かしいこと言ってるなぁ。あれもうどれくらい前だ?     ていうかよく馬鹿な凍弥が客の名前覚えてたもんだ」 凍弥 「そらお前、メイド服着た女を連れて蕎麦屋に入ってくるヤツ忘れるわけないだろ」 鷹志 「確かに」 遥一郎「ノアの印象が強すぎたのか……」 まあ頭を抱えて苦悩している穂岸は放っておこう。 彰利 「ちなみにファンタジー世界ならありますよ?」 凍弥 「マジか!?」 彰利 「ウソじゃ」 ───……その次の瞬間彰利は、 その場に居たファンタジーに憧れる男達にボコボコに殴られるのであった……。 ───……。 ───。 悠介 「で、ファンタジーの話だけど……ほんとにあるぞ」 凍弥 「マジか!?あ───ゴ、ゴブリンは!?」 悠介 「行ったことが無いからなんとも言えないが……     リヴァイアの部屋のドアから見たあの景色は、間違い無くファンタジーだ。     な?彰利」 彰利 「グビグビ……」 …………。 悠介 「実際、ゴブリンの存在するかも強いのかも解らないわけだが……」 彰利 「イヤァ無視しないでぇえーーーっ!!」 凍弥 「シカトしたんだ」 彰利 「同じじゃあ!!」 凍弥 「なにぃ、違うぞ。ホレ文字が」 彰利 「へ?あ、あらホント……ってそうじゃねぇ!!」 凍弥 「何言ってんだ、お前が同じじゃあとか言い出すから違いを教えたんだろ?     そうじゃねぇもなにも無いだろ」 彰利 「む───言われてみれば……ってチガウチッガァアアウ!!」 凍弥 「なにぃ、どうしても違うというのか。     ならば何がどう違うのか、ソムリエ風に述べてみろ」 彰利 「ソムリエ!?……え、えーと……」 いや、そこで考えるなよ彰利。 彰利 「お、俺の口から醸し出される2秒間寝かせたお前への文句が、     えーとえーと……無視という名のシカトへと長い時を経て味を変えて……     ってワケ解んねぇよ!!」 凍弥 「俺もお前が何を血迷ったのか問いただそうとしたところだ」 彰利 「キミが述べろって言ったんでしょ!?つーかなんでソムリエ!?」 凍弥 「ちなみにソムリエってのは、     『ソムスカ・リエパロウルラピュタ』って人が発案したからソムリエなんだぞ」 彰利 「そうなの!?」 凍弥 「ああ。そもそもソムスカさんは、     あの『ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ』氏の子孫なんだ。     だから女の子は平気でグーで殴るし、人をゴミのようにも見る」 彰利 「ムスカくんの子孫なのかっ……!ってソレ実在するわけねぇじゃねぇか!!」 凍弥 「いまさら気づいたのか……」 彰利 「ギ、ギィイイイーーーーーッ!!!」 ……やかましいのはほっとこう。 悠介 「で、ファンタジーは置いておくにしてもだ。     彰利の言う通り、なんだって俺達に会いに来たんだ?」 遥一郎「俺は言うまでもないと思うけど、     俺の記憶にある未来が実際のものかどうか調べたかったからだ」 澄音 「僕もだね」 遥一郎「で、この馬鹿が腰巾着だ」 雪音 「ホギッちゃんそれヒドイ!澄ちゃん!なにか言ってやってよもー!」 澄音 「雪音は腰巾着なんだ」 雪音 「澄ちゃーーーーーーん!!!!!」 凍弥 「俺は普通にお前らとは神社で会ったし。     でも……ま、映像に自分が映ってたってのが最有力候補というかなんというか」 鷹志 「あ、そうそう、霧波川のヤツどんな感じだった?     自分の老いた姿見たんだ、かなりショック受けてただろ」 凍弥 「いや。むしろ『もっと美しく生きてやるーーっ!!』って、     コエンザイムQ10を摂取しまくろうと心に誓ってたぞ」 鷹志 「……あいつらしいな。で、支左見谷は?」 凍弥 「死んだってことはショックだったみたいだ。     ……けどなぁ、『凍弥くんと同化しちゃってるんだぁ……』とか言って、     顔を真っ赤にして溜め息吐いてたぞ」 鷹志 「……思考するのが簡単すぎるな……」 凍弥 「ていうかさ、お前」 鷹志 「そうそう、お前」 雪音 「え?え?なにかな」 話が盛り上がったり盛り下がったりしている中、 閏璃と橘が……確か観咲、とかいったか? まあそいつを見てズビシと指を差した。 で─── 凍弥&鷹志『あの佐古田好恵とかいうの、絶対にお前の娘だろ』 とまあ、そんなことを言ったのだ。 遥一郎「いや、それはない」 澄音 「ないね、うん」 悠介 「……?よく解らんが、どうしてだ?」 遥一郎「断言しよう。こいつは絶対、生涯独身だ。だから有り得ない」 悠介 「………」 雪音 「………」 本人の前でそれを言うか。 固まってるじゃないか、観咲。 雪音 「ほ、ほほほホギッちゃん!?わたしだって結婚くらいするよ!!」 遥一郎「馬鹿っ!!地球を崩壊させる気か!!」 雪音 「どうしていきなり地球崩壊問題に繋がるの!?」 彰利 「ようするにキミが結婚するのはそれほど有り得ないってことデショ。     それこそ怠け者が掃除すると雨が降る〜とか、     不真面目なヤツが真面目なことすると雨が降る〜とか言われるみたいに」 遥一郎「そうだ。こいつの場合惑星が降ってくるんだ」 凍弥 「よっ!人殺し!」 雪音 「殺ッ!?こ、殺してないよわたし!!」 遥一郎「もう解っただろう……お前が結婚するだなんて言っただけでこの騒ぎだ……。     お前は結婚には向かん。大人しく孤高に生きろ」 雪音 「ホギッちゃんそれ差別だよ!わたしだって結婚のひとつやふたつ、するよ!?」 凍弥 「よっ!浮気者!!」 雪音 「へっ!?あ、あぅう!!そういう意味じゃないよ!?」 遥一郎「お前……そんなに男に飢えてたのか……」 雪音 「う、うぎぎぎ……!!男に飢えるなんてことしないよ!ホギッちゃんのボカ!」 遥一郎「うっさいSTB」 雪音 「むぎぃいーーーっ!!えすてぃーびー言うなぁああーーーっ!!!!」 STB?なんだそりゃ……。 彰利 「さて……実況の澄音さん、STBとは?」 悠介 「あ」 今まさに訊こうとしたことを澄音に訊ねる彰利が居た。 ……こういうことには訳も解らず素早いんだよなぁこいつは。 しかし気になるのは事実である。 澄音   「STBっていうのは、Sが『救いようの無い』で、Tが『てっぺん』。       極めつけのBが『馬鹿』なんだ」 悠介&彰利『あぁ〜あ納得』 雪音   「むぐっ───しょ、勝負だぁーーーっ!!!」 一瞬にして納得したのが気に入らなかったのか、観咲が俺と彰利に勝負宣言。 もちろん俺と彰利はふたつ返事で頷いてみせ、やがてグランドバトルに走るのだった。 ……ちなみに、すぐさま閏璃が乱入してきた。 【ケース06:閏璃凍弥/リズミカルさん】 ───……でんでげでん!でんでげでん!でん・でん・でんっ!! 彰利   「準・備は・いいかぁい!?ヒゥ・イィ・ゴーッ!!」 凍弥   「右手をあげてェUP!UP!UP!!左手あげてェUP!UP!UP!!」 彰利   「エルボォッ!エルボォッ!IN!OUT!IN!OUT!       エルボォッ!エルボォッ!IN!OUT!IN!OUT!」 凍弥   「両手を回してleft right left!!ヒップも回してleft right left!!」 彰利   「left on! right on!?left、right、ジャァンプッ!!」 凍弥   「肩もォッ!使ってェッ!!歩いてジャァンプッ!!』 彰利&凍弥『ハワァアアーーーーッ!!』 パチパチパチパチ……!! 彰利   「もっとォ!大きな声でェ!ヒゥ・イィ・ゴーッ!!」 凍弥   「右手をあげてェ!アッパッパァッ!左手あげてェ!アッパッパァッ!!」 彰利   「エルボォッ!エルボォッ!イン!アウッ!インッ!アウッ!       エルボォッ!エルボォッ!イン!アウッ!インッ!アウッ!」 凍弥   「両手を回してレフライレェフッ!!ヒップも回してレフライレェフッ!!」 彰利   「レフトォンッ!ライトォンッ!?レェフ!ラァイ!ジャァンプッ!!」 凍弥   「肩もォッ!使ってェッ!!歩いてジャァンプッ!!』 彰利&凍弥『ハワァアアアーーーッ!!』 パチパチパチパチ……!! 悠介   「だぁぁっ!!気が散るだろうが黙ってろ!!」 凍弥&彰利『すいま千円……』 現在、晦と観咲のバトル。 暇だった俺と弦月は適当なことを語り合い、 つい先ほどリズミカルパレード(?)のことで息が合って踊ってた。 ……ものの見事に怒られたけど。 凍弥 「しっかしお前って、ほんとなんでも知ってるよな」 彰利 「ふっ……キャリアだけならどの地界人にも負けねぇぜ?」 凍弥 「それは認める。1000年は凄い」 彰利 「すげェだろ」 凍弥 「……凄いって言ったばっかりだろうが」 彰利 「まったくだ」 掴みどころがない、だけじゃ済まされないモノをこいつは持っているけど…… まあ純粋に嫌いになれない馬鹿野郎だ。 ……正直な話、確かに俺はあの映像の中の絶望に恐怖した。 でもそれで、こいつのことが怖くなるってのはお門違いもいいところだ。 実際、こいつが人を殺しちまった罪を微塵にも背負わずに、 さらに人を殺すような人なら俺も恐怖しただろう。 でも違うんだ、こいつは。 自分が背負うべきじゃないなにもかもまで背負っちまって、 それでも誰かのために微笑むことが出来る馬鹿野郎だから。 そんなヤツだから、もう映像を見ていただけで『恐怖』なんて無くなっちまった。 同情なんかじゃなくて、純粋にこいつと馬鹿をやりたいって思えたんだ。 凍弥 「ほんと惜しいよなぁ、     産まれた家がもっと近けりゃあ一緒に馬鹿やってこれたのに」 彰利 「馬鹿こくでね!俺の幼馴染になったって禄なことがありませんよ!?」 凍弥 「ボケ者。それ決めるのは俺だろ。     多分もう誰かに言われたんだろ?友達になりたいとか親友になりたいとか」 彰利 「……エスパー!?よし今日から貴様のことをエスパーマミと呼んでやろう!」 凍弥 「やめぃっ!」 エスパーマミはとにかくとしても、やっぱり図星だったみたいだった。 そりゃそうだ、例え今のこいつがニセモノの感情で俺にぶつかってたとしても、 俺は本心で友達になって、 その上で仮面を外してゆっくりできるような状況を作ってやりたいって思えた。 ……こいつはもう頑張りすぎたから。 あの映像の中は、俺なんかが口出し出来るような地獄じゃなかったから。 だからこそ、少しだけ。 ほんの少しだけでも羽を休ませてやれるような『場所』になってやりたかった。 凍弥 (……これって同情かな) 心の中に訊いてみる。 が───答えはてんで浮かんで来やしなかった。 ただ、頭をガリッと掻くその仕草の先の景色で、晦が小さく笑ってた気がした。 だからやめた。 知り合いってだけで十分だって思えた。 コイツの友達は多分、晦だけで十分なんだろう。 そう思った俺は再びリズミカルに叫び、弦月ともども晦に怒られるのであった。 【ケース07:弦月彰利/ハルマゲドンブラザーズ】 凍弥 「くはっ……お前ってゲーム結構上手かったんだな……」 悠介 「それなりには」 えー、実況を開始します。 現在悠介と閏璃のバトルが済んだところです。 敗北者は意外にも閏璃。 その横で、観咲が感心したように悠介の手を見ていた。 雪音 「むー、見事な指捌き。一瞬の瞬発力がハンパじゃないね」 悠介 「まだまだだ。まだイメージに追いつけてない」 雪音 「イメージ?……あ、そか。えーと、ニチマイくんだっけ?」 悠介 「ツゴモリだ、晦」 雪音 「あ、そっか。じゃあミソちゃん、えーと」 悠介 「誰がミソちゃんだ!!」 雪音 「え?だってほら、このツゴモリって字ってさ、大晦日って字の……ほら」 悠介 「大晦日を人の苗字にあてがった上にミソちゃんかよ……」 雪音 「訂正は利かないよ?」 悠介 「しろ」 雪音 「ヤ」 悠介 「ヤじゃない、しろ」 雪音 「ダメー。もうインプット完了だよー!」 悠介 「………」 雪音 「よろしくね、ミソちゃん」 悠介 「……穂岸。お前って苦労してるんだな……」 遥一郎「解ってくれるか……」 雪音 「んん?なにそれ」 悠介 「よろしくって言ったんだ、STB」 雪音 「STB言うなぁっ!!!」 あ〜っと、今どうやら観咲嬢の呼び方が決まったようです。 STBですSTB!なんとステキで呼び辛い名前なんでしょう! これなら普通に『馬鹿』と呼んだ方が楽そうです! 凍弥 「どうでもいいけどな、弦月。声出てるぞ」 彰利 「へ?」 雪音 「うぐぐぐぐ……!!」 彰利 「あらら……」 目の前に、アタイを潤んだ目でみつめるおなごがいらっしゃいました。 まいったな、これは…… 彰利 「一目でワカッた。ビリビリ来たね。アンタ俺に惚れてる」 雪音 「惚れてないよっ!!」 ムキーーッ!と激怒するお嬢。 なんと反応が素直なものか。 雪音 「わ、わたし誰かに言われるほど馬鹿じゃないよーーっ!!」 彰利 「なにぃ!?ならば1+1!」 雪音 「2!」 彰利 「馬鹿野郎!41に決まってるだろうがこの馬鹿!馬鹿め!」 雪音 「そんな懐かしいこと言われたって解るわけないよ!」 遥一郎「どうして41なんだ?」 澄音 「ああ、うん。説明してあげようか。     この問題はね、『=』が無いのが鍵なんだよ」 遥一郎「ふむふむ……」 澄音 「それで、『1+1』を紙にでも書いて、     左側の『1』を文字として『+』にくっつけるんだ。そうすると───」 遥一郎「……おお、『4』の字になった……ってそうか。     あとは残った『1』を横につければ───」 澄音 「そう、41になるわけだよ」 遥一郎「なぞなぞみたいなもんか。中々に侮れない」 雪音 「あ───じゃあなぞなぞで勝負だよーーっ!!     これなら自信あるよーーっ!!ホギッちゃんにも負けないよ!」 遥一郎「一瞬にして間違えたくせに、この触覚が……!」 雪音 「ホギッちゃんなんか言った!?」 遥一郎「なんでもないぞSTB」 雪音 「STB言うなぁっ!!」 なんともやかましいおなごよ……。 今まで、ここまでやかましいおなごが居ただろうか……いや居ない。……反語。 彰利 「では僭越ながら、アタイが出題をしましょう。     解った方から───えーと、悠介頼む」 悠介 「解った。音違いのブザースイッチが出ます」 適当な数の小さな機械を創造する悠介。 その手際の良さは、さすがダーリンといったところでしょう。 悠介 「じゃ、これを───彰利、半分頼む。俺も出題者側に回るわ」 彰利 「オウヨ。ではでは〜」 半分渡されたスイッチを皆さまに配ってゆく。 おお、まるで街頭ティッシュ配りのおなごのようだ。 美しい。 真由美「えっと……これを押せばいいのかな」 遥一郎「そうなるかな。どれ」 カチッ───ア゙ァーーーッ!!! 遥一郎「…………ナニコレ」 雪音 「ああっ!それは!」 凍弥 「し、知っているのか雷電」 雪音 「雷電じゃないっ!!とにかくそれは、『凶徒の拳』の子鬼の泣く町で、     お尻に角が刺さった時にキスケが出した声っ……!」 凍弥 「……結構マニアックなんだな」 真由美「じゃあ、わたしは……」 カチッ───ゲェーーッ!! 真由美「…………えっと」 雪音 「はああっ!そ、それは!」 凍弥 「し、知っているのか雷電」 雪音 「だから雷電じゃないってば!」 凍弥 「だったらわざわざ驚くなよ。お前はナワヤか?それともイケダか?」 雪音 「そんなのじゃないよ!」 凍弥 「そうか……コイブチだったのか……」 雪音 「それも違うぅっ!!MMRから離れてよ!」 凍弥 「なにぃ、じゃあ雷電」 雪音 「……ホギッちゃぁああ〜〜〜ん!!この人融通が利かないよぉお〜〜〜っ!!」 遥一郎「じゃ、始めるか」 雪音 「あぁっ!無視した!ホギッちゃんヒドイよ〜〜〜っ!!」 凍弥 「ちなみに今の『ゲェーッ』は、     キン肉マンのキン肉星王位争奪編でバッファローマンが言ってたものだ」 雪音 「知ってるなら茶化さないでよぅ……」 凍弥 「場の雰囲気は人類の至宝」 鷹志 「……つくづく馬鹿が好きだよな、お前って」 凍弥 「任せろ」 さてさて、場が落ち着かないというか騒がしい内にとっとと進めましょうか。 彰利 「第一問!過去は4本、現代は2本、未来は3本。これな〜んだ?」 カチッ───でやぁああーーーっ!!! 凍弥&雪音『ジャファーッ!?』 彰利   「ハイ橘氏!」 鷹志   「人間!!」 ブッブーッ!! 鷹志 「あらっ!?」 カチッ───シャケェッ!! 凍弥&雪音『北本!?』 鷹志   「誰だよ!て、それより答えは!?納得出来ねぇ!」 雪音   「えっと、ナメムナゲ星人!」 ピンポーン♪ 彰利 「そう!答えはナメムナゲ星人です」 鷹志 「誰だよ!!」 凍弥 「なにぃ貴様、     『超次元生物ザクロトトボソ』に出てくるナメムナゲ星人を知らんのか」 雪音 「常識だよ?」 遥一郎「常識か……?」 鷹志 「……なぁ、俺……間違ってるかな……」 遥一郎「いや……お前は正しい。あそこの三人の周りが異常空間なだけだから」 彰利 「ちなみにこのナメムナゲ星人、産まれたばかりの頃は四本足。     成長するにしたがってニ本足になり、やがて三本足に変貌します」 悠介 「……聞いたことあるか?」 鷹志 「いや……」 彰利 「では第二問!第二問は悠介に出していただきましょう!」 悠介 「俺か?じゃあ───海水に濡れても平気なパンはなんでしょう」 カチッ───ツッコむところはそこじゃねぇーーーっ!! 凍弥&雪音『クロマティ高校の前田くんだ!』 悠介   「いや、スイッチの音を当てるモノじゃないから」 澄音   「えーと、スカシカシパン」 ピンポーン♪ 悠介   「ん、正解」 凍弥&雪音『そんなパンあるの!?』 悠介   「いや、そういう名前のヒトデが居るってだけ。       なぞなぞなんだから固定概念に縛られるなよ」 鷹志   「あ〜、知ってたのになぁ……」 彰利   「第三問!大人気店、マクドナルドのマスコットキャラ(?)で、       皆様もよく知る白顔のアフロメンの名前は!?」 カチッ───リフレクトッ……姉さぁあーーーん!! 凍弥&雪音『ギガウィング2のカートさんのリフレクトレーザーの空耳アワー!!』 悠介   「いや、だから……」 凍弥   「ドナルド!ドナルド・マクドナルドだ!」 ブッブーッ! 凍弥 「ぬおっ!?真面目に答えたつもりだったのに……!」 カチッ───ゲェーーーッ!! 真由美「ロナルド・マクドナルド」 ピンポーン♪ 彰利 「正解!」 凍弥 「ロナルド!?」 悠介 「そう。日本ではドナルドと呼ばれているこのキャラクター、     実は日本人には『ロナルド』という名前は発声しづらいということで、     『ロナルド』ではなく『ドナルド』と呼ぶことにしたんだ。     だから本名はロナルド。ていうかこれなぞなぞじゃねぇだろ。     ちなみに似た名前の店であるマサクゥル・ドナルドとは全然関係無い。     というわけで第四問だ。あるところに一頭の馬が居ました。     ですがこの馬、頭に角があり体は真っ白で、さらに翼がありました。     さて、この存在の正体はなんでしょう」 カチッ───ナァポリタァ〜ン♪ 凍弥&雪音『パルコ=フォルゴレ!?』 悠介   「……いいから答えてくれ」 雪音   「はいはいは〜い!えっと、ペガサス!」 ブッブーーッ!! 雪音 「あれっ!?」 カチッ───ゲェーーーッ!! 真由美「ユニコーン?」 ブッブーッ!! 真由美「あ、あれれ?」 カチッ───リフレクトッ……姉さぁあーーーん!! 凍弥 「やかましい!えーと……ユニコーンペガサス!?」 ブッブーッ!! 凍弥 「ぬおぉっ!?」 遥一郎「あのな……お前ら馬鹿だろ……」 真由美「うわっ!与一くんヒドイ!」 雪音 「解らないよ!?ホギッちゃん解ったの!?」 遥一郎「解ったかもなにも、晦のヤツ問題の時点で答え言ってるだろうが……」 真由美「え?」 鷹志 「……あ、そっか!」 カチッ───でやぁあーーーっ!! 鷹志 「ドナルド!!」 全員 『それは絶対に違う!!』 鷹志 「あれ?」 遥一郎「はぁ……それじゃ」 カチッ───ア゙ァーーーッ!!! 遥一郎「馬」 ピンポーン♪ 悠介 「正解!」 全員 『なんですってぇえーーーっ!!?』 総員唖然……アタイも解らなかったってのに……! 雪音 「なんで!?だって角も翼もあるんだよ!?おかしいよ!?」 悠介 「最初に言っただろ、あるところに一頭の『馬』が居ました、って。     その時点でそいつは『馬』であり、角があろうが翼があろうが馬なんだ。     なぞなぞってのはそういうもんだろ?」 凍弥 「……まいった。完全に裏かかれた……」 真由美「うう……」 彰利 「さあ落ち込んでいる暇はありませんよ!?第五問です!     ある泥棒がある人に背後から襲いかかろうとしました。     しかし、背後から襲い掛かり、     その人は手をポケットに入れていたにも関わらず、     振り下ろした刃物は白刃取りされてしまったのです。何故でしょう」 ざわっ……! その場にカイジ風の雰囲気が漂った。 そげな中で、悠介だけは『この馬鹿……』といった感じに呆れてる。 おお、さすが悠介。 彰利 「ちなみにこの問題、スイッチを押さなくても回答権があります。     早い人勝ちですのでどんどん答えを言ってください」 雪音 「はいはいはーい!」 ブッブーッ! 彰利 「違います。他の人は?」 雪音 「『はい』って手を上げただけだよ!?答えるから待ってよぅ!」 彰利 「ではどうぞ。答えは?」 雪音 「足で白刃取りしてたんだよきっと!」 ブッブーッ! 彰利 「違います。他の人は?」 雪音 「あれ……?」 鷹志 「あ、じゃあこうだ。ガードマンが居た」 ブッブーッ! 彰利 「違います。他の人は?」 鷹志 「……?」 遥一郎「…………襲い掛かったってのは建前で、     振り上げた本人が独り白刃取りした、ってのは?」 ブッブーッ! 彰利 「違いますじゃ」 遥一郎「……解らん」 真由美「あ、それなら……白刃取りって意味自体が違ってるってことは……」 ブッブーッ! 彰利 「うんにゃ、きっちり真剣白刃取りです」 真由美「……?」 澄音 「ガードマンじゃない人が助けてくれた、っていうのはどうかな」 ブッブーッ! 彰利 「いえ、きっちり本人です」 澄音 「あはは、難しいね」 凍弥 「……みんなダメだったか。ならばこの問い、俺の独壇場だな」 彰利 「オウ?大きく出たなコノヤロウ」 凍弥 「こればっかりは自信あるぞ?答えは───……だろ?」 閏璃がアタイの耳に口を寄せて、小さく呟く。 その答えは─── 彰利 「オウ正解ネーッ!!」 見事正解でした。 さすがだ、常識に囚われすぎちゃいないようだ。 鷹志 「むぐっ……凍弥に解って俺が解らない筈はっ……!」 凍弥 「頭がいいと逆に発想に行き当たらないと思うぞ」 鷹志 「……自分で自分を馬鹿にして悲しくないか?」 凍弥 「悟りは既に開いてる。辛くない」 鷹志 「そ、そうか」 彰利 「さあ!他に答えられるヤツはおらんかね!」 残党 『………』 居ないようでした。 馬鹿な……観咲にはなかなか期待した問題だったんだが。 彰利 「ちなみに観咲さんや?『三つ目がとおる』は知ってるかね?」 雪音 「え?当たり前だよそんな───あっ!」 彰利 「ハイここでタイムア〜〜ップ!!」 雪音 「ええぇっ!?ず、ずるいよーーーっ!!わたし解ったよ!?」 彰利 「シャラップ。タイムアップっていったらタイムアップですじゃ。     それでは悠介、答えをどうぞ」 遥一郎「え……解るのか?」 悠介 「一応……。えーとな、第五問の答えは『天津飯』だ」 残党 『え……?』 雪音 「あぅーーっ!解ったのにーーーっ!!」 遥一郎「ちょ、ちょちょちょちょっと待て!なんでそこで天津飯!?」 悠介 「知らんのか?天津飯は両腕の他に二本の腕を出せるんだぞ?     だからポケットに手を入れたまま白刃取りだって出来る」 鷹志 「四妖拳かよ!!」 真由美「ま、まあまあ、鷹志……」 悠介 「ちなみに『三つ目がとおる』とは『三つ目』繋がりだ。     そんなわけで第六問といこうか」 彰利 「アタイ達この後用事があるからこれでラストですじゃ」 遥一郎「そうなのか?」 悠介 「悪い、約束があるんだ。どうしても抜けられない約束が」 鷹志 「……そか。ま、いつでも遊びに来いよ。     俺達はお前らのこと嫌いじゃないから、遠慮なんていらないぞ」 彰利 「じゃあ夜中にこっそり忍び込んで、夫婦のベッドの間に潜り込もう」 鷹志 「少しくらいは遠慮しろ!!」 真由美「あ、あはは……」 悠介 「さ、第六問だ」 ジャカジャン!! 悠介 「ある洋館に肝試しに行ったカップルが居た」 全員 『え?』 唖然。 皆様が首を傾げる中、アタイもしっかりと首を傾げました。 始まり方が変だと思ったからです。 悠介 「その洋館は、人が居なくなって10年以上は経つと云われた洋館だ。     もちろん良くない噂も流れている。やれオバケがでるだのなんだのと。     そんなものを試す、というわけでもないのだが、     とにもかくにもそんな洋館に行ったカップルが居たんだ」 雪音 「そ、それで?」 悠介 「手にはライト。予備としてバックにも、     ロウソクとライターを2本ずつ用意していた。     そんな状態でふたりは洋館のドアを押し開き、中へ入っていった。     ───だが。その刹那に、誰も居ない筈の洋館の中から悲鳴が聞こえた。     ふたりが怯えるのは当然だ。     それはどう聞いても、驚いたからとかいう悲鳴ではないのだ。     そう、それこそまさに断末魔。死に際の叫びというヤツで、     それを聞いた瞬間にふたりは悟ったのだ。     ……助けに行っても、死体を見るだけだと」 全員 『───……ゴクリ』 雪音 「え、えっと……こういう怪談話って、霊を呼びやすいんだよね……?」 ガタッ! 彰利 「どわぁっ!?」 雪音 「ひきゃあっ!?」 真由美「な、なにっ!?」 な、なにかね!?いきなり背後から謎の音が!! 悠介 「しかし調べないわけにもいかなかった。     もし生きていたら、『見殺しにした』と後悔することになるからだ」 雪音 「へ、平然と話を続けないでよぅ〜!」 ……ヒタッ。 遥一郎「ぞわぁああああっ!!!!」 凍弥 「くわぁああっ!!?」 遥一郎「ななななんだぁっ!?今なにかに首触られたぞ!?」 凍弥 「お、俺は耳を……!!」 雪音 「え……ちょ、ちょっとやめてよ……!」 真由美「うう……」 いや……マジで何事? なにやらこの部屋に霊気が漂ってきてるんですが……。 悠介 「男は『帰ろう』と泣く女を振り払い、洋館の中へと歩んでいった。     女は自分ひとりで帰るのも怖くて、仕方なく男の後に続く。     やがて明かりのついている場所を発見すると、     ふたりは暗がりから逃げるようにその場に走った。     だが───!その明かりの先にあったのは、     浴槽に浮かぶ血塗れ生首だったのだ───!!」 雪音 「きゃわぁああーーーーーっ!!!!」 真由美「ひゃああっ!!?」 悠介 「ふたりは恐ろしくなって、持っていたもの全てをバラ撒きながらも走った。     きっとこの洋館には殺人鬼が居るのだと、そう思ったから必死で逃げた。     途中、女が転んでも男は気づかずに走って逃げてしまった。     女はそのまま腰が抜けてしまい、     だがどれだけ叫んでも男は振り向こうともしなかった」 凍弥 「ひでぇヤツだな」 遥一郎「冷静にツッコミ入れるなよ」 悠介 「女は這ってでも逃げた。まだ姿も見ていない殺人鬼から。     泣き叫びながら息を荒げ、それでも逃げた。しかし───」 凍弥 「お、おいまさか……?」 悠介 「そう。その女が気づくのと、背中に巨大な斧が振り下ろされたのは同時。     女は咄嗟に横に転がり、その斧を避けた。     そして見たのだ。返り血でビショビショになっている、斧を持った男を。     男の体には内臓のようなものや眼球がへばりついていて、     その姿を見ただけで女は吐いてしまった」 遥一郎「うえっ……!」 悠介 「それでも死への恐怖が先に勝ち、すぐに這って逃げた。     後ろからは、床をブチ破った斧を持った男がゆっくりと近づいてくる。     女は錯乱しかけないくらいの恐怖に追われ、     手に当たったものを手当たり次第に投げた。     しかし木の破片も石も、そこらに落ちていた何かの骨も叩き割られ、     火のついた蝋燭がついた燭台も、その三つの先ごとヘシ折られた」 彰利 「鬼ですな……」 ガタタッ。 凍弥 「おわぁっ!?またガタって鳴ったぞ!?」 悠介 「けれど這う。命は惜しい。だから這った。這い続けた。     だが───その手に再び当たった何かを投げようとそれを掴んだ時、     彼女の這いは止まった」 遥一郎「え……?」 雪音 「ど、どうして?逃げなきゃ死んじゃうのに……!」 悠介 「何故なら……女の手に当たった何かとは、     先ほどまで確かに一緒に居た筈の男の生首だったのだから───!!」 全員 『ホキャーーーーッ!!!!』 澄音 「……それは怖いね」 全員 『軽ッ!!もっと怖がろうよ!!』 悠介 「やがて振り下ろされた斧を避けることも出来ず、女も絶命したのだった」 雪音 「うぃい……っ!」 遥一郎「救いが無い話だな……」 悠介 「で、だ」 全員 『……え?』 悠介 「ここで問題です。物語の中に『ロウソク』は何本登場したでしょう」 雪音 「え───」 真由美「えぇ……?」 開口。 しばらく開いた口が塞がらず、やがて─── 彰利&凍弥&遥一郎&鷹志『うぅわ汚ぇ!!』 我らは同時に叫んでいた。 彰利 「あ、ちょ、ちょっと待てよ……?最初男が何本か持ってたような……」 遥一郎「物語に熱中したり、怪奇現象に驚いたりでこんがらがってる……!」 凍弥 「えーと、男が持ってたのが二本……いや、三本だっけ……?」 真由美「え、えーとえーと……」 雪音 「うああああ……!思い出したくないよぅ……!」 鷹志 「いや、男が持ってたのは二本だったろ……で、確か……」 澄音 「───5本だね」 全員 『そんなあっさり!?』 悠介 「ほい正解。男が持ってた二本と、燭台に付いてた三本の計五本だ」 全員 『………』 なんつーか……なんか納得いかんというか。 澄音とやらは、こういう話に動じないヤツなのかね? 彰利 「ちなみにさっきの怪奇音は……」 悠介 「ああ、音なら俺が創造した」 凍弥 「な、なんだ、そうだったのか。じゃあ俺の耳触ったのも……」 悠介 「……へ?なんだそれ」 遥一郎「へ?って……なにか創造したんだろ?俺の首に感触を残すなにかとか」 悠介 「……知らんぞ?」 遥一郎「………」 凍弥 「………」 雪音 「………」 全員 『キャーーーーッ!!!』 絶叫。 あまりの謎の恐怖に、民達は騒ぎ出したのであった。 悠介 「もちろん冗談だ」 全員 『性質悪いわっ!!』 教訓。 あまり冗談を言わない人が言う冗談は、真実よりも恐ろしい時がある。 普段嘘に慣れていない人は、言う冗談の限度を知ろう。 全員 『はい!吾郎さん!!』 彰利 「誰が吾郎だこの野郎!!」 遥一郎「お前さ、小さな隠し事って出来ない性質だろ」 彰利 「エスパーマミ二号」 遥一郎「誰がだっ!!」 悠介 「まあまあ。んじゃ、そろそろ行くか?」 彰利 「ウィ?……ああ、そうね」 騒ぎをしてから一息ってやつだ。 俺と悠介は騒ぎの輪から抜けるようにして、管理室の出入り口の襖に手を掛けた。 鷹志 「あ、行くのか?」 遥一郎「またな〜」 雪音 「次はオセロ、負けないよーーーっ!!」 それぞれが思い思いの言葉を投げかけてきおります。 おお、なんとも心優しき方々。 彰利 「オウヨ〜、気が向いたらまた会いましょう」 悠介 「楽しかった。それじゃ」 こっちも軽い挨拶をしてから、サッと部屋を出た。 悠介 「………」 彰利 「………」 やがてふたりして、小さく溜め息を吐いてから月空力を発動させた。 まったく、らしくない。 孤独を選んだ筈が、受け入れてくれそうな人が居るとすぐこれだ。 孤独に慣れてる筈なのに、いつまで経っても喧噪の中は暖かい。 そんな誘惑に勝てなかった自分達がちょっと情けないんだと思う。 悠介 「おかしなやつらだったなぁ」 彰利 「だな。まさか俺達のことを知っても、     まだ一緒に騒いでくれるヤツが居るなんて」 本当に呆れるしかなかったのだ。 嬉しくないわけじゃないけど、純粋に『どうしてかな』って疑ってしまう。 別に、悪いことじゃないんだろうけど……受け入れ辛いものは誰にもある。 悠介 「じゃ、行くか」 彰利 「ああ」 語る言葉も少なく、アタイは月空力を完全に発動させた。 光の粒子は俺と悠介を包むと、やがて─── あの広い草原へと、俺達を飛ばすのだった。 Next Menu back