───FantasticFantasia-Set23/ゆけゆけ僕らのタイニーインパクト───
【ケース51:タイニー彰利/スペッキオ】 〜前回までのあらすじ〜 錬成工房とやらから出てきたオイラは、自然風景の間を流れる風を浴びて 目を閉じていたみさおさんのデラックス変身ベルトのスイッチをオンにした。 いきなりのことに大変驚いてたみさおさんをよそに、みさおさんを変身させるベルト。 しかしこう……同じ姿だからといって二号とか呼ぶのもどうかという思考に辿り着き、 オイラはマンドラゴラになったみさおさんに『ピグマイオイ』という名をつけた。 ピグマイオイというのは某オンラインゲームのタロンギ大峡谷に生息するマンドラゴラ。 愛称は適当に……タイニーマンドラゴラが『タイニーさん』ならば、 ピグマイオイは『ピグモン』ということにしておこうと僕は思ったのです。本当です。 でもそう呼ぶと別の物体になってしまいそうなので『ピグマイ』で行こうと思います。 さあ、渋るピグマイオイを誘い、いざ遙かなる旅へ!! ───じゃがじゃんっ!! タイニー「さあ準備は整った!行くぜピグマイオイ!」 ピグマイ「はぁ……どうしてまたこんな姿に……」 タイニー「ブブリム半島に生息するマンドラゴラ、シルベストルの方が良かった?」 ピグマイ「そういう問題じゃなくてですね」 タイニー「いやいやそげなことはどうでもよかギン、ちゃっちゃと乗れ!      でないとデスティニーブレイカー使ってあげませんよ!?」 ピグマイ「彰衛門さんが勝手にスイッチ押したからこんなことになったんじゃないですか!      あぁああ……わたし馬鹿です……!ここに戻ってきた時点で、      こんなベルトさっさと破壊しておくべきでした……!!」 葉っぱのような手で頭を抱えるピグマイオイ。 ううむ、ステキだ。 マンドラゴラってどうしてこうステキなんだろうか。 タイニー「ともかく行きますよ!この物体が動くかどうかは解らんが、      この頭部の穴にはマンドラさんの体がジャストフィットするのだ!!      しかも丁度穴は低い位置と高い位置にひとつずつある!最強!」 ピグマイ「悠介さんごめんなさい……わたしが悪かったですから帰っていいですか……」 タイニー「中途で投げ出すと悠介怒るぜィェ〜?      というわけでパイルダーッ!オォーーンッ!!」 シュパッ!クルクルクルクル───ガッキィインッ!! アタイは跳躍とともにクルクルと回転し、 見事ロボ───タイニーインパクトの中に入った!! タイニー「さあピグマイ!貴様も入れ!」 ピグマイ「うう……」 渋りながらも乗るピグマイオイ。 何が不満だというのか、こんなにカッコイイ乗り物(?)を前に。 ロボへの搭乗は男のロマンですよ? タイニー「ではまいりましょう!タイニーインパクト〜〜〜ッ!!」 ブォゥォ〜〜、ブォゥォ〜〜〜ッ!!! 叫んだあとにホラ貝を吹く……コレ、インパクト呼ぶ時の基本ネ。 や、乗ってるんだから呼ぶ意味ないんだけどね? なんて思ってると、体が妙なレバーに当たった───瞬間、 タイニーインパクトがゴシャンと動き出した。 タイニー「お、おお!動き出したぞ!これが操作レバーか!」 ピグマイ「こうなったらもうヤケですよね……」 ガションガションなんて走りじゃなく、 タイニーインパクトは足に付けてあったローラースケートで走っていた。 そのためか地面などだと結構揺れる───が、気にせん!! ドパタタタタタタ!!! タイニー「ぬおっ!?」 ピグマイ「わっ……!」 いきなりです。 タイニーインパクトのボディ前面についていた穴から妙な弾が発射され、 木々に穴を空けた。 ピグマイ「うわぁ……わたしの方は攻撃用の装置みたいです……」 タイニー「なんと……攻撃まで出来るとは……!!」 やべぇ……やべぇよこれ!面白いよ! タイニー「行こうピグマイ!      僕らの手でこの世界にマンドラゴラの強さを思い知らせてやるんだ!」 ピグマイ「わたしはさっさと目当ての人を見つけて元に戻りたいだけですよ!      余計なことはしなくていいんです!」 タイニー「場のノリと雰囲気は人類の至宝!構わん行くぞ!!」 ピグマイ「あぁもう……」 こうして僕らは本当の意味で旅に出たのです。 タイニーインパクトの操作性は大変面白く、ちと揺れますがそれでも突き進めます。 弾はどうやら魔導術で作られているらしく、いくら撃っても無くなりません。 まあそれはそれとして、俺が操作の練習をしてタイニーインパクトが軽やかに動く中、 ピグマイオイが攻撃の練習をしている時───とある事態は起きました。 ピグマイオイがボタンを適当に押していると、 振り回していたキセルから紅く光った弾が飛んだのです。 それは視界の先の平原へと落ち───ドォッゴォオオオオッ!!!! タイニー「ゲェエエエーーーーーーーッ!!!!」 ピグマイ「わぁあーーーーっ!!!!」 ……半球を作りつつ爆発したのです。 すげぇよ悠介……まさか『キセルボム』の機能をつけてくれるなんて……。 まさに俺の願い通りの機能だよ……。 いや、ってことはだ。 タイニー「ピグマイ、キセルでの攻撃ボタンを押しっぱなしにしてみてくれ」 ピグマイ「え?あ、はい」 下の段に居るピグマイオイが、ふたつあるトリガーのうち右のトリガーを強く握る。 どうやらトリガーの外側に攻撃グリップがあるらしく、 見事にキセルが振られ───ジャララララッ!!! ピグマイ「わっ!?伸びました!」 タイニー「おおやっぱりだ!」 キセルは中にチェーンが内臓されていたようで、振るい終えたと同時に見事に伸びた。 ステキだ……ステキすぎだぜ親友……!! タイニー「よっしゃあ行くぜピグマイ!      このタイニーインパクトさえあれば俺達に怖いものはねぇぜぇ〜〜〜っ!!!」 ピグマイ「ほんとに無いと思ってるんですか!?」 タイニー「案ずるな!このスピード、このパワー、圧倒的火力に対抗出来る者など皆無!      さあ!旅が我らを呼んでいるぜ!?キミよ激しい風になれ!!」 ピグマイ「はぁ……前途多難です……」 声   「あー……ちょっと待てお前ら」 タイニー「何ヤツ!?」 いや、ほんとは言うまでもなく解っておりますが。 タイニーインパクトがガシャガシャと動く中、 錬成工房の入り口前を見てみると悠介が立っていた。 ……つーかこっち見て呆れてる。 いやはやなんとも呆れ上手な方で。 タイニー「ややっ!?悠介でねが!!どぎゃんしたとよ!」 悠介  「どうってこともないんだけどな。暇だし俺も付いていく」 タイニー「暇って……修行はどうしたのかね?」 悠介  「少し考える時間が欲しいんだよ。      俺だってさすがに年中無休で修行に励んだりなんかしない」 タイニー「え……そうかぁ?」 悠介  「マテ。なんだその『修行の鬼が何言っとるんだ』って声調は」 タイニー「なんだもなにも、今キミが言った通りじゃけど」 悠介  「………」 タイニー「………」 ピグマイ「………」 沈黙。 そして開口。 悠介  「だったら俺も言った通りだ。年中無休で修行するつもりはないよ、俺は」 タイニー「ウソつけこの野郎」 悠介  「よし解った、聞く気が無いなら俺も聞かん。それでいいんだな?」 とかいいつつ『言』を唱える悠介くん。 その背後には巨人よりもバカデカイ竜の影がボンヤリと出現してきて─── ってギャアバハムート!? タイニー「やっ……!ま、待ちなされキミ!」 悠介  「聞かん。弁解の言葉を聞き取らんクズ野郎はくたばれ」 タイニー「マジでくたばるっつーか消滅するでしょうが!!」 ピグマイ「そうですよ!やるなら彰衛門さんだけにしてください!!」 タイニー「素でヒドイぞキサマ!!俺が言おうと思ったのに!」 ピグマイ「それは普通に彰衛門さんもヒドイってことじゃないですか!!」 タイニー「なんだとてめぇ!この俺さまを誰だと思っていやがる!!」 ピグマイ「賞金泥棒」 タイニー「なんで!?」 ガォオンッ!!ボガガガガァアアアアアンンッ!!!! タイニー&ピグマイ『キャアアアーーーーーーーッ!!!!!!』 ───……。 ……。 タイニー「ゴメンナサイ……真面目に聞くからもう撃たないでください……」 ピグマイ「どうしてわたしまで……」 バハムートのメガフレア(どっちかっていうとギガフレア)が ボクらの頭上を通り過ぎていきました。 結果的に森は完全に破壊され、続いていた道はえぐれて何も残っちゃいません。 タイニー「で……どうすんのコレ」 悠介  「月癒力で治す。……そのためには道を辿らないといけないんだけどな。      一応斜め上に撃たせたから、途中でえぐれは消えてる筈だからそこまで行こう」 タイニー「え〜?めんどくせェYO〜」 悠介  「だから……お前がそういう態度取らなければいいんだよ……」 タイニー「なんだと!?人に罪を擦り付けソーリー!!」 高い位置にあるバハムートの目が紅く輝いた刹那、 アタイはからかうのを全力でやめてました。 あぶねぇ……ありゃあ本気の目だったぜ?高松くんの真似もままならねぇや……。 悠介  「……?よく解らないけど納得してくれたならそれでいいか。      じゃあさっさとフォードってヤツを探そう」 タイニー「御意……」 ピグマイ「……なんでしょうね、この犯罪者の人質にでもなったかのような気分は……」 タイニー「あ……ピグマイも感じてた……?」 悠介  「人聞きの悪いこと言うなよ。      お前が話を真面目に聞かないから実力を行使したんだろ?」 ピグマイ「いえ、それは解ってますけど……つまり彰衛門さんが悪いんですね?」 タイニー「なんでもかんでも俺の所為にすんなや……」 事実だけどさ。 ───とまあなにはともあれタイニーインパクトはようやく発進した。 悠介は自分用にデラックス変身ベルトを創造し、マンドラゴラ……シルベストルに変身。 タイニーインパクトの背中にさらに座る部分を創造してそこに乗った。 つまり、今やタイニーインパクトは三人乗り!! 思わずニヤリとしてしまった───次の瞬間、のんびりとした声に引き止められた。 じいさん「言い忘れとった。おぬしら、地上ではあまりスピードは出すでないぞ〜」   で、それだけ言うと引っ込むじいさん。 ……なんのこっちゃい。 タイニー「なんだろね、あれ」 シルベス「なにかの忠告……だろうな」 ピグマイ「忠告ですか。……彰衛門さん?言われた通りスピードは」 タイニー「全力疾走レッツゴー!!」 ───ゴウンッ!! シルベス「おわっ!?」 ピグマイ「ひゃっ!?ちょ、ちょちょちょちょっと彰衛門さんっ!?」 タイニー「馬鹿野郎〜〜〜っ!!      これだけのモノに乗っておいてスピードを出さねぇ手は無ェぜ〜〜〜っ!!」      ホハハハハハ!!僕らは今から風になるんだ!      ホレ悠介!じゃなかったシルベス!月癒力展開!台地を復活させるんじゃい!」 シルベス「ん?ああ、もうやってる」 ピグマイ「随分余裕ですね……」 タイニーインパクトが滑走すると、そこらの景色がみるみる内に治ってゆく……。 嗚呼、まるで夢を見ているみたい♪ タイニー「パパレポパパレポドミミンパ〜♪」 ピグマイ「光合成してないで真面目に運転してくださいよ!      前座席って凄く怖いんですよ!?」 タイニー「ややっ!?これは失敬!ではさらに加速して!」 ピグマイ「やめてください!!───ってなんか来ましたぁああっ!!」 タイニー「むっ!?」 シルベス「お……」 ジャガジャンッ♪ モンスターが現れた!! ピグマイ「月奏力で音鳴らして遊んでる場合じゃないですよ!」 タイニー「このたわけモーン!!こげな乗り物に乗っておいて遊ばない手はねぇだろう!      よしシルベス!思いっきりハシャぐぜ!?」 シルベス「了解!」 ピグマイ「悠介さぁああああああんっ!!!止めてくださいよぉおおおっ!!!」 シルベス「馬鹿お前!地上滑走する乗り物に乗りながら戦えることなんて、      人生でどれくらいあると思ってるんだ!」 ピグマイ「一生無くてもいいですから真面目にやってください……」 シルベス「ロボに乗っての戦いは男の浪漫だ。意地でも譲れん」 タイニー「よっしゃあよく言ったシルベス!!      さあピグマイ、見せてやるんだ!俺達の力を!」 ピグマイ「え?え?い、いきなりそんなこと言われても……!」 攻撃操作のピグマイオイはオロオロしている!! じゃなくてドゴォンッ!!! 巨大蟻   「ギィイイイイイーーーーーッ!!!!」 マンドラゴラ『あ』 ロボに乗った状態での初めての戦闘であった筈の相手モンスター、 巨大蟻が弧を描いて大地に沈んだ。 やべぇ……轢いちまった。 シルベス「ロボに乗ってでの初めてのモンスターを轢殺(れきさつ)
って……痛すぎだろオイ……」 タイニー「なんだろね……こう、冷たい空気が心を打つというか……」 ピグマイ「ふたりはまだいいですよ……。      わたしなんて轢殺現場を本当に目前で見てるんですよ……?」 タイニー「キミがさっさと攻撃しないからでしょうが!」 ピグマイ「そんなこと言われても知りません!」 シルベス「馬鹿っ!それより前見て運転しろ!前見ろ前!!」 タイニー「へ?ギャア!!」 シュゴォンッ!!───目前に迫っていた木をなんとか避け、しかしさらに進む。 ううむ、奥が深いぜタイニーインパクト。 ……ただ俺の操縦が下手なだけかもしれんけど。 シルベス「ふう……じゃ、適当な打開策を出すか。攻撃には種類はあるのか?」 ピグマイ「え?あ、はい。光の弾丸を発射するものと、      キセルで攻撃するものと、あとはキセルボムがあります」 シルベス「そか、じゃあ───よし、俺がキセルを担当しよう。      みさおには遠距離攻撃を任せる」 言って、タイニーインパクトを分析して操縦桿を複製するシルベストル。 ピグマイ「えぇっ!?本気ですか!?別に無理に戦わなくても逃げれば───」 シルベス「たわけでアホウ!!ロボに搭乗しての男の戦いに『撤退』の二文字はない!!」 ピグマイ「そうだ!その通りだ!よく言った!!さすがだぜ親友!!」 シルベス「任せろ親友!さあ突貫だ!」 ピグマイ「うわぁあああん!!悠介さんがコワレちゃったよぉおお〜〜〜っ!!」 シルベス「人聞きの悪いこと言うなっ!!」 ───こうして僕らは森を抜け、草原を走りました。 ……どうでもいいけどこれ、揺れすぎ……。 ───……。 ……30分後。 タイニー「ヘイテリー!敵さんのおでましだぜ!」 ピグマイ「もうヤケです……発射(フォイエル)!!」 ガガガガガガガァンッ!!! タイニー「状況報告!弾───一発も当たってません!」 ピグマイ「そんな報告しなくていいですよぅ!」 タイニー「よしシルベス!いけ!」 シルベス「任せとけ!ホォオオァアアアアアアアアアアッ!!!」 タイニーインパクトのアームが、伸びきったキセルの両端を掴む。 やがてそれをヌンチャクのように振り回し───ベゴドゴバキャメキャガンガンガン!! オーク「ギョェエエエーーーーーーッ!!!!」 逃げ惑っていたオークを滅多打ちにして上空へと飛ばす。 シルベス「行け彰利!トドメだ!」 タイニー「オーライ親友!くらえオーク!      これが僕ら三人の合体技───や、ひとり全ての攻撃外したけど合体技!!」 ピグマイ「ひ、一言余計です!!」 タイニー「奥義!!ライジングシューーート!!!」 ピグマイオイの言葉を無視して跳躍!! 上空に吹き飛ばされているオーク目掛けて素晴らしい構えとともに蹴りをキメこんだ!! オーク「ギャーーッ!!」 ボシュンッ!───オークは塵になった! 俺達は経験値5を手に入れた!! ガションッ! タイニー&シルベス『ハァッ!ざっとこんなもんッ!!』 そんでもって着地とともに構えを取って勝利宣言……クハァこたえられん!! やはりロボでの勝利はこうでなくては!! 勝利台詞と構えが棒中国格闘家のものなのは気にしないでくれ。 ピグマイ「あの……決めポーズしてるところで悪いんですけど……。      目的忘れてませんか……?」 タイニー「へ?目的ってなんだっけ。これに乗って敵と戦うことなんじゃないの?」 シルベス「地面の修復は済んだんだ、あとはフォードってやつを探すだけだろ?」 タイニー「あ……あーあーあー、そうだったそうだった」 ピグマイ「本気で忘れてましたね……悠介さんとは偉い違いです」 タイニー「よせよ……照れるじゃないか」 ピグマイ「言っときますけど……褒めてませんからね」 タイニー「なんと!?俺が悠介に劣っていると!?」 ピグマイ「はい。思考回路の時点で」 タイニー「うわ()ッたぁ」 何気にグサリと来たんだが……。 まあいいコテ、今回ばっかりは目的忘れてた俺の失態! さあ音速を超えて塵と化そう!! タイニー「最大出力!!全速力にてフォードとやらを探そう!!」 シルベス「ちゃんと操縦しろよー」 タイニー「任せろ!!」 ドガシャドカバキベキャーーーンッ!!!! マンドラゴラ『キャーーーーーッ!!!!!』 豪快にコケて先の方にあった木を体当たりで破壊しました。 シルベス「言って一秒経たずにコケんなぁああーーーーっ!!!」 タイニー「足元に小さな花があったんだ……潰せないだろ?」 ピグマイ「こ、これだけの巨木を破壊しておいてなんて言い草!!」 シルベス「自分の言葉に酔った顔してねぇで真面目に運転しろたわけ!!」 タイニー「わ、解っておるわい!そりゃーーーっ!!全速力ーーーっ!!!」 レバーを思いっきり倒して最大速力!! 辺りの景色があたかも線のように流れていく!!おお速い!ベラボー!! ピグマイ「ちょ───速いです!怖いですよ!先頭の気持ちも考えてください!」 タイニー「断る!!」 シルベス「そんな即答せんでも」 タイニー「さぁああーーーっ!!フォードってヤツは───……えっと、何処?」 シルベス「知らんが。      この広大な世界でたったひとりを探すってのは流石に無理があるよなぁ」 ピグマイ「ゼロさんならなにか知ってるかもしれないですよ?      行ってみませんか?コレここに置いて」 タイニー「よし!ならばリヴァイアの工房へレッツビギンだ〜〜〜っ!!コレで」 ピグマイ「こんなもの置いて転移しましょうよ!わたしもう嫌ですよ!」 タイニー「断る!!」 シルベス「容赦ないよな、お前」 タイニー「娘に遠慮なんぞしてやりません!!故に愛してる!!」 ピグマイ「うぅうう……」 先頭座席に座っているピグマイオイが顔を赤らめて複雑な表情をする。 きっと『みさお』の状態だったら可愛らしかったんだろうが、 マンドラゴラ姿じゃあ引くものがあった。 シルベス「ン───メーデー!大変だ親友!後方より謎の物体接近!かなり速いぞ!」 タイニー「おおっ!ノってきたな親友!      貴様のそういう状況に応じてハジケてくれるところって大好きぞ!?」 言葉とともに振り返ってみると───おお!確かに謎の物体が接近!! つーかこっち全速力なのに追いついてくるなんて……何者!? シルベス「リヴァイアに“送信(トランス)”」 タイニー「オ───ってそうか」 どうにも俺、送話の存在忘れがちだ。 べつにリヴァイアのところに向かう必要なんぞなかった。 シルベス「───リヴァイアか?ああ、ああ。……ん、ノヴァルシオでは助かったよ。      あのままじゃあ確実に死んでた」 ピグマイ「あのー……悠介さん?談話してないで確認しましょうよ」 シルベス「冗談だ」 そうは見えなかったが。 シルベス「リヴァイア、今ヘンなヤツに追われてるんだけど……知ってるか?      ……いや、べつに食い逃げしてるわけじゃないし、そういうことは彰利に言え」 ピグマイ「良かったですねー彰衛門さん。      既にゼロさんにも食い逃げ犯として認識されてますよ」 タイニー「………」 どこらへんに『良かった』要素があるのか聞きたい気分でござった。 シルベス「乗り物に乗って、大地を全速力で滑走中だ。……うん?      地上で速度を出すのは危険?スピードイーターに襲われる……?」 ゴォウゥンッ!!! ピグマイ「わっ……!?」 タイニー「いや〜〜ん凄い風!!」 突風が我らを襲いました。 何事かと見渡してみれば、いつの間に前に出たのか─── タイニーインパクトの前をゆく謎の物体が存在していた。 タイニー「速ッ!!い、いつの間に!?」 ピグマイ「わっ、わっ……こ、こっちに近づいてきますよ!?」 シルベス「───!彰利、みさお!戦闘体勢取れ!      あいつはスピードイーターっていう敵だ!」 タイニー「なんと!?ピグマイ、レッツファイア!!」 ピグマイ「御意です!」 ピグマイオイが照準を合わせてスピードイーター……奇妙に略して『早食い』を狙う!! だがしかし!放たれた弾の全てが凄まじい速さでかわされる!! タイニー「ヘイテリー!そっちじゃない!      右だ右!アー!右すぎる!左左!馬鹿野郎そっちは右だ!あぁ今度は右!      ザ・バイソン右だ!!バードンミー!バードンミー!!」 シルベス「落ち着け!全然関係無い方向に逸れていってるぞ!」 オウ!俺としたことがなんてバッドな!! しっかし速ェなオイ!!こりゃ弾撃っても当たらねぇよ!! タイニー「どういう脚力してんのあいつ!!速すぎるっしょ!!」 シルベス「俺に訊かれても知るかっ!リヴァイア!?おいリヴァイア!      なに!?忙しい!?それどころじゃない!?      レファルドが大変ってどういうことだよオイ!───かっ!切りやがった!」 オウバッド。 しかし……こりゃ凄い。 大変驚いたことに、謎の物体とは黒い姿のモンスターなのですよ。 相当な速度を出してるってのにそれに余裕で付いてきてる。 こげなモンスターも居るんだねぇ。 タイニー「よし!ロマサガ3に曰く!このような状況なら体当たりがオススメ!!      儚く散れよピグマイ!体当たりの衝撃は主にお前にかかる!」 ピグマイ「ちょ、やめてくださいよ!!殺す気ですか!?」 タイニー「大丈夫!痛いのは最初だけだから!すぐ昇天して気持ちよくオサラバさ!」 ピグマイ「それって死んでるじゃないですか!!行くなら自分だけで行ってくださいよ!」 タイニー「ええい注文の多いやっちゃね!      ははぁ〜〜ん?さてはパパを困らせて楽しんでるんだなぁ〜?」 ピグマイ「寝言は寝てから言ってください……」 タイニー「うわヒッデェ!!愛娘にまで言われた!くそう貴様の所為だぞ親友!      キサマが寝言は寝て言えとか何度も言うから      この子が覚えちゃったじゃないザーマスの!!      キィイイこのタイニー、辛抱たまらん!」 シルベス「たまらなくても前見ろ!後ろ向くなって!!」 タイニー「む!?なにかね!風でよく聞こえんのだがね!      それともなにかね!?私に聞こえないように言っておるのかね!!」 シルベス「前を!よく見ろ!!」 タイニー「前を、よく煮ろ……?ば、馬鹿かねキミは!      そげなことしたら男じゃなくなるじゃないか!!      これは酷い侮辱だぞ悠介くん!キミは男を侮辱しているのかね!!」 シルベス「だから前を───だ、だわぁあああーーーーーっ!!!!」 ドゴシャアアーーーン!! タイニー「ギヤッ!?で、でかいぞ!ついに来た!東京大地震だ!」 とか言いつつ空を飛ぶボクら。 何故かってーと、再び目の前に現れた大木にぶつかったからである。 しかし見事に着地したオイラたちは再び滑走。 フオオ、このスピード感がたまらねェYO!! シルベス「なぁ……こいつ殴っていいか?いい加減呆れも最高潮だ……」 ピグマイ「殴ったら運転手が居なくなりますよ!      そんなことになったら───って、だから訊いたんですか」 シルベス「そんなとこだけどな。もういい、彰利抜きで戦うぞみさお!」 ピグマイ「望むところです!というより切望します!彰衛門さん何もしなくていいです!      そこでずっと漂流教室の真似でもしててください!」 タイニー「なんと!!トランストラーーンス!!もしもしダイヤルQ2!?      娘がグレたんです!なんとかしてください!」 シルベス「キューツーとか言ってリヴァイアに迷惑送話送るのやめような」 ピグマイ「で……悠介さん。スピードイーターとかいうの、      さっさと遠くの景色に消えていっちゃいましたけど」 シルベス「へ?」 タイニー「うおう」 見れば、スピードダウンした我らを無視して何処かへ消えてしまった謎の物体。 ……なんだったんでしょうね。 タイニー「……どうする?今のでタイニーインパクトが故障したみたいで、      どんどんとスピード落ちていってるんじゃけど」 シルベス「破棄しよう。レファルドの方でなにかあったみたいだから、      レファルドに向かった方がいいと思う」 タイニー「そげにあっさり破棄とか言わんでも……否!      やはりこれはオイラ用の乗り物にする!もちろんピグマイも一緒さ!」 ピグマイ「辞退します」 タイニー「だめだ」 ピグマイ「なんでですか!わたしもうこんなのに乗りたくないですよ!」 タイニー「ほっほっほ、まあまあそう怒らんと。攻撃系は全てキミに任せるから、ね?」 ピグマイ「……逃がすつもりはないんですよね?」 タイニー「当然だコノヤロウ」 ピグマイ「コノヤロウは余計です。……じゃあわたしに操縦させてください。      彰衛門さんに操縦任せると疲れます」 タイニー「ほほっ、よいじゃろ。じいやの腕前、見せてやるぜ〜〜〜っ!!      つーわけで月癒力♪」 タイニーインパクトを止めて、月癒力の光を流し込む。 まったくこげなところで大破なんて冗談じゃあありませんよ? などと考えておった頃、シルベストルがトタッと大地に下りた。 タイニー「シルベス?」 シルベス「お前、意地でもこれに乗っていくんだろ?だったら俺は自分で行くよ」 タイニー「その格好で?」 シルベス「そんなわけあるかっ!!」 怒られてしまった……OHバッド。 ───シルベストルはベルトのスイッチをカチリコと押し、人型へと戻った。 それから珠からディル殿を出して、一気にひとっ飛び。 その速さたるや、まるで弾丸のようでござる。 タイニー「わぁ〜〜〜っ、速い速い〜〜っ。いけぇ〜マッスルドラゴ〜〜ン」 瞬時に離れてゆくディル殿を見て、何気なく言った言葉にピグマイが溜め息を漏らす。 ───その途端、なにやらディル殿が怒り顔で戻ってきた。 タイニー「聞こえてたぁあああああーーーーーーーっ!!!!!」 ピグマイ「キャーーーーッ!!!?」 慌ててとんずらキメこもうとするも、 先ほども思った通りその速さは弾丸のようでござった。 タイニーのままで逃げられる筈もなく、 我らは超高速ビッグバンタックルをされることとなったのでした。 ピグマイオイにしてみればいい迷惑だったことだろう……。 Next Menu back