───FantasticFantasia-Set56/大賢者さまと愉快な仲間たち───
【ケース125:晦悠介(再)/ぼくらにステキな休息を】 ───それは、丁度アカデミーに入学してから二週間が経とうとしていた頃だった。  ヂギッ……キ、キン……パキィイイイインッ!!! 悠介 「───……!!」 ノート『………』 全ての材料、全ての諸力を用い、さらには全ての精霊の加護の中で行われた錬金。 その中心にはたった今出来たばかりの、 薄っすらと緋を混ぜたような一握り程度の大きさの石が存在していた。 ノートが静かな動作で石の鑑定を始めると、 俺と精霊や召喚獣や飛竜たちは一斉に喉を鳴らした。 そして─── ノート『……よく、やり遂げた。純度100%の賢者の石だ』 悠介 「ッ───!!」 その言葉が耳に届いた時、 俺や精霊や召喚獣や飛竜たちは心をひとつにするかのように歓声を上げた。 その声は咆哮が如く。 引き締めていた気を緩めてなお治まらず、 そう広くはない工房の中で、小さな状態だった全ての仲間が通常の状態に戻った。 その途端───ドガシャゴッパァアアアンッ!!! 総員 『オギャアアアアーーーーーーッ!!!!』 調合物から始まる素材や、衝撃を与えると危ない材料が一気に爆発を起こした。 もちろんその後、俺は院長室から呼び出しをくらったわけだが───
───クグリューゲルス独立魔術アカデミー報告書。 本日未明、寮の西側にある工房で爆発事故が発生。 なんでも工房の主が喜びのあまりに油断し、 全力で力を解放してしまったのがそもそもだとか。 が、それよりも驚いたことに、なんと院生が『賢者の石』を錬成してしまったのである。 この事実は我がアカデミーに大変な驚愕を齎すとともに、大変な希望さえ残した。 いや───残す筈だった。
院長 「……なんだって?もう一度、言ってみてはくれないか」 悠介 「何度も申し上げるように、賢者の石の錬成方法をお伝えするわけにはいきません」 院長 「何故かね?その功績があれば、     キミは何不自由の無い暮らしが約束されるというのに」 悠介 「何不自由無い暮らしなんかに興味はありません。     そもそも俺が錬金術を続けられたのは、純粋に楽しかったからです。     それに───賢者の石は大多数の人が持っていていいようなものではありません。     故に、錬成方法をお伝えするわけにはいかないのです」 院長 「……やれやれ……キミは欲の無い人だね。     いいだろう……それではもう賢者の石については訊かないようにしよう。     だが……どうかね?このアカデミーで教授として教鞭を握ってみるつもりは……」 悠介 「賢者の石に辿り着けても、まだ魔導錬金術が残っているので。     未熟な部分が数多くある以上、教える側に立つなんてことは有り得ません」 院長 「…………そうか……。     惜しい、実に惜しいが……無理強いをするわけにもいかないな。     解った。気が変わったらまたいつでも来なさい」 悠介 「……はい」 ───……。 ノート『錬成方法も素材も教えなかったのか。存外にケチなんだな』 悠介 「ケチで結構だ。大体、この賢者の石はちょっと危ない。     分析も出来ない上に信じられないくらいの力が存在してる」 ひし形のクリスタルのような石を握り締める。 すると石は形を変え、薄く緋い首飾りに変わった。 悠介 「まさかなぁ……ノートがつけてた首飾りが賢者の石だったとはな……」 ノート『わざわざ言うほどのことでもないだろう。それとも汝は見せびらかす気か?』 悠介 「冗談だろ?そんなことしたら捕まって錬成方法教えろって拷問かけられる」 ノート『それ以前に捕らえようとした者が、     ウンディーネとウィルオウィスプにボコボコにされるだろうがな』 ……少し想像してみて、やめた。 簡単に想像出来てしまったからだ。 確かにボコボコだ。 それに今はヴァルトゥドゥスも居る。 こいつもこいつでどうしてか俺に拘って、俺の敵であるヤツを許さない。 忠誠を誓ってくれてるらしいけど……これじゃあウィルとあまり変わらない。 嫌ってわけじゃないんだが……なんというか狙われた相手がちと可哀相に思えてしまう。 悠介 「───ん」 首飾りをもう一度握ると、今度はそれが思った通りの形になる。 この時俺がイメージしたものは錫杖。 それが賢者の石へと伝わったかのように、以前ノートがそうしたようにそれは杖となった。 悠介 「……これ、色んな能力が向上するんだな」 ノート『ああ。魔力諸力から始まる魔法的なものから、     腕力や体力といった身体的なものまで広く向上する。     さらに賢者の石のみに関わらず、様々なものの物質変換が可能になる』 悠介 「物質……変換?創造の理力の創り替えと似たようなものか?」 ノート『アレは存在そのものを創り替えるものだろう。     だが賢者の石で行う物質変換はそれとは違う。     【本質をそのまま】に、形のみを変えるもの、と言えば解るか?』 悠介 「……それって」 ノート『そう。花であろうが剣に変えられるが、時間が経てば枯れてしまう。     刃であろうが布に変えられるが、触れれば切れることもある。     つまり、【とある事柄】を変換させる力を手に入れられるのだ。     たとえば今例にあげた【花】であれば【強く触れれば折れる】という事柄を、     剣のように硬くなるだとか【花】という造型を剣に変えるだとか。     持ち主の考えた通りにその効果は働く。     百聞は一見に如かずと言うからな、やってみるといい』 そう言うと、ノートは工房の傍らにあった産業廃棄物…… というか壊れたマテリアの欠片を俺に投げ渡した。 突然のことに危うく落としそうになるが、なんとか持つとノートを見た。 だがその目は『自分で理解し、自分でやってみろ』という顔だった。 悠介 「………」 左手に賢者の石、右手にマテリアの欠片を持った状態でイメージする。 いや、イメージしようとしたが─── 手にあるマテリアを意識した途端、その物質の事柄が俺の中に流れ込んできた。 つまり壊れてしまったマテリアの内部、物質構造、その隅々に至る全てが流れ込んでくる。 壊れてしまってはいるがまだ使える部分があるだとか、 ある部分は完全に壊れてしまっているだとか。 そういった事柄がまるで目の前に文字の羅列として表示されているかのように、 俺は壊れたマテリア『そのもの』を見た気がした。 悠介 「こ、これって……」 ノート『文字の羅列が見えるか?ならばあとは意識してそれを書き換えればいい。     慣れてくれば文字の羅列ではなく物質としてのイメージが浮かぶ。     あとはそれをそれを交換する、などといった風にイメージすれば書き換えも楽だ』 悠介 「………」 ゴクリ、と自然に喉が鳴った。 緊張しながらも文字の羅列に意識を飛ばし、慎重に文字の羅列を書き換えてゆく。 ───その時、俺が行った『書き換え』とは『生きている部分』の抽出。 その書き換えを終え、書き換えるという意識を閉じてみると─── 壊れたマテリアは精霊石の反応を感じさせる砂と化した。 悠介 「うおっ!?え……し、失敗か?」 ノート『いいや、違うな。     汝は今、そのマテリアの中で『生きている部分』のみを抽出しようとしたな?     つまりマテリアの元の材料である【精霊石】に戻そうとしたんだろうが、     精霊石としての【在り方】が砕けてしまっている。     故に精霊石ではなく精霊欠片……つまり砂となったわけだ』 悠介 「……じゃあつまり、     『石』としては生きてなかったけど『砂』としてなら生きてるってことか?」 ノート『少々違うな。その砂は言うなれば【精霊の諸力の結晶】だ。     だが【石】としての存在概念が砕けてしまっている以上、     それはもう【石】にはなれない。だから砂として変換されてしまったんだ』 悠介 「………」 マテ、ちと難しいぞこれ。 つまりなんでも思った通りに変換できるわけじゃなくて、 既に壊れた『事柄』には変換することは出来ないってことか? 『石』の中の『石』という事柄が壊れれば二度と石にはなれないってことか? ……いや……それはそうかもしれない。 砂や土を合わせて結晶化してもそれは石じゃなくて、『砂や土を結晶化させたもの』だ。 即ち、『もう石じゃない』。 たとえ元が石だとしても、砂や土に変わった時点でそれは石ではないのだ。 ……この世に万能なものなんてない。 けど、この賢者の石は万能じゃないものでも最大限に生かせる能力を秘めた石、なんだ。 悠介 「は……はは……」 体が震えた。 『無駄なものなんてきっと無い』という『理』が、結晶として手の中にある。 その事実に、体が震えた。───途端。 タラララスッタンタ〜ン♪ 悠介 「どわぁっ!?」 突如鳴り響いたランクアップの音にしこたま驚いた。 悠介 「くっは……!つくづく人の喜びの瞬間を破壊する音だな……!!」 でもランクプレートを見てみる。 と───ブレイバーランク、ランクネームが一新されていた。 ブレイバーランクは“天上天下唯我無双(アルマデライズブレイバー)
”、 ランクネームは“無属にして総属なる大賢者(ホーリーオーダー)”になっていた。 悠介 「……アノ。大賢者ッテ(タレ)……?」 ノート『汝だ。世にある万物に最初から無駄なものなど無いと理解したんだろう?     ならばそれが賢者の境地であり、魔導に手を染める者が夢に見る大賢者の称号だ。     しかし夢に見るのみで、未だその場所に辿り着けた者など居ない。     つまり───汝が初めての賢者という意味だ』 悠介 「───………………ハッ!?」 いかんいかん!思いっきり意識が飛んでた!! 悠介 「だぁっ!ちょっと待て!いきなり賢者だとか言われたって知るか!!     俺にはまだ研究してないものもあるし、賢者なんて称号は───」 ノート『賢者の石を純度100%で錬成し、世の在り方に気づくことが条件だ。     汝はそれに至ったのだ、称号を得て当然だ』 悠介 「当然って───ってマテ。今までずっと気になってたんだが、     このランクシステムを空界に広めたのって───」 ノート『私だ』 ……やっぱりだよ。 おかしいと思ったんだ。 ドラゴンを倒したこともない空界人たちの間で、 どうしてドラゴンスレイヤーって称号があるのかとか─── スピリットオブノートと契約したことも無い空界人たちの間で、 どうしてスピリットオブノートと契約した途端に エレメンタルマスターなんて称号が現れたのかとか…… どうしてランクが上がった程度でモンスターが避けて通るのかとか。 ノート『基礎を私が編み、それを空界に広めた。     もう千年以上前のことになるが、     まあ……今はその基本をもとに空界人たちが広めているようだ。     精霊といえど暇を感じることはあるからな。ちょっとした遊び心というものだ』 悠介 「いや、よく創ってくれた」 それは素直に感謝。 このプレートのお蔭で、かなりこの世界での楽しみ方が変わったのは確かだ。 悠介 「でも、なぁ……。俺が賢者って、物凄く違和感あるぞ?     ブレイバーはこの世界での冒険者みたいなものだから平気に受け取れたけど」 ノート『気にするな。汝が完成させたものはそれほど高等なものだということだ。     純度100%の賢者の石など、通常どのような者が錬成しようとも不可能だ。     汝が空界の全ての精霊と契約し、己を鍛え、     錬成出来る状態に至ったからこそ可能になった。     ───胸を張れ。人であり死神であり神であり竜人であり皇竜王であり、     魔術師であり魔導術師であり錬金術師であり、     召喚師であり創造者である汝であればこそ可能だったのだ。解るな?』 悠介 「……解るな、っつーか……     逆に自分がとんでもない存在だってことを再認識しただけなんだが……」 死神、神、竜人、皇竜王、魔術師、魔導術師、錬金術師、召喚師、創造者─── トドメに大賢者ときたら、もう自分の存在を疑うしかないだろ……。 ああ……この世界に来たばっかりの俺は本当の意味で若かった。 べつにこうなったことを恨んでるとかそういうことはないんだが、 さすがにここまで超人大原則が揃ってると泣けてくる。 悠介 「けどまあ、これで高位錬金も終わりなのかな。     あとはその知識を魔導錬金術に持っていって───」 ノート『そうだな。魔導錬金は魔導武具の錬成を主としている。     なにか望む武具があるのであれば、それを作ってみるのもいいかもしれん』 ……だな。 でもそんなにまで時間をかけるわけにはいかない。 もう二週間経つ頃だし、元々二週間以上このアカデミーに居るつもりはなかった。 何故二週間なのかといえば、入学前にノートがそう言ったからだ。 『二週間後に黒竜王に明らかな動きがある』と、ノートは言った。 だからこそ二週間の間に自分を強くするためのものの錬成と、 さらに諸力と魔力の強化を努めた。 結果は───よく解らん。 自分が強くなったのかなんて、そうそう解る者は居ないだろう。 それでもシェイドのお蔭でカオスの波動もモノに出来たし、 諸力も魔力も今じゃ安定している。 竜人の力は……未だに不安定なままだが、 アカデミーに入る前よりは明らかに上には行けているのは確かだ。 悠介 「なぁノ−ト。竜人の力はどうすれば制御出来るようになる?」 ノート『【今までと同じ】だ。一度思い切り暴れれば、嫌でも抗体が出来る』 悠介 「……それって、皇竜化して暴れろってことか?」 ノート『うん?ああ、その通りだが。     だがこれだけの魔力や諸力や賢者の石を手に入れた状態の汝が竜化すれば、     ここら一帯は確実に何も残らないだろうな』 マテ。 それって間接的に『打つ手なし』って言ってるようなものじゃないか? ノート『なに、ようは気をつければいいだけのことだ。     黒竜王との戦いの際、あまり長い時間を竜人の状態で戦わないことだ。     特に神魔竜人はやめておけ。力を解放しすぎればそれだけ竜化に繋がる』 悠介 「……けどさ、それでも勝てないんだったら話にならないだろ」 ノート『案ずるな。今の汝は通常の状態で以前の神魔竜人程度の力は持っている。     普通に戦うのならそれで十分だ。     その状態で相手の隙を探り、絶好の好機のみに神魔竜人を解放しろ。     武器はヴィジャヤがあれば十分だろう。むしろ不安なのは弦月彰利だ』 悠介 「………」 そういえばあいつ、何処行ったんだ? 賢者の石の錬成に取り掛かる前は工房の隅で複製したダークマテリアをいじってたのに。 悠介 「心配ならもうひとつ賢者の石を錬成して渡すか?材料はすぐに創造出来るけど」 ノート『やめておけ。汝以外がその賢者の石を持てば大変なことになる』 悠介 「え……なんでだ?」 ノート『忘れたか。その賢者の石には全属性純度100%のマテリアが使用されている。     そんなものを持てば、闇属性にしか抗体の無いあいつは大怪我以上の怪我をする』 悠介 「あー……」 なんていうか、話が進むたびに 『俺はバケモンだ』と認識させられてる気がしてならないんだが。 でも確かに、光のマテリアを彰利に近づけた時は大変だったな。 いきなり漂流教室の唯一の生存者のような顔をして、 『ギャーーーッ!!ギャーーーッ!!』って叫んで逃げ出したし。 近づけただけでアレだ、持ったらそれこそ大変なことになるだろう。 悠介 「まああいつのことは今は置いておくとして」 彰利 「いやいや第一に考えましょうよ!     ていうか気づいてよ!さっきから近くに居たのに!」 悠介 「おわぁっ!?あ、彰利!?キサマどこから沸いて出た!!」 彰利 「キミの影から沸いて出た」 悠介 「普通に出て来いたわけっ!!」 言って、光のマテリアを近づけると彰利が『ギャーーッ!!』と叫んで離れてゆく。 彰利 「な、ななななんてもの持っとんの!捨てなさいバッチィ!!」 ウィル『それは私が汚いということか人間!!』 彰利 「オイラにとっちゃ光属性なんて天敵以外の何物でもないぞクラースくん!!     つーわけで近寄るな!そのままインビジブルっててよもう!!」 悠介 「ところでノート、     賢者の石って地界じゃあ『液状のもの』って喩えもあるんだけど。     今さらだけどこれって本当に賢者の石なのか?」 ノート『地界での知識がどうであろうが、     空界で錬成された賢者の石がそれならば、それは紛れも無く賢者の石だ。     それを理解させた上で訊くが、地界には【錬金術】は存在するのか?』 悠介 「うぐっ……」 ノート『存在しないのならここで起こる錬金の全てが答えだ』 悠介 「……ノートって『それを理解させた上で』って言葉好きだよな」 ノート『あぁ好きだぞ。悪いか』 悪くはないが。 彰利   「ってそこーーっ!!       オイラ無視してほのぼのくっちゃべってんじゃねィェーーーッ!!」 悠介   「気になることを優先させるのは人としての特性だろ?」 彰利   「人間やめてるキミが言っても説得力無いよ……」 悠介   「俺だって既に死神というより黒なお前に言われたって説得力無い……」 彰利   「そうね……」 悠介   「まったくだな……」 悠介&彰利『親友(とも)よ……!』 ガッシィと両肩を掴み合うようにして互いの非人間っぷりを悲しんだ。 なんと言っていいやら、夢の場所に辿り着いたら辿り着いたで、 その夢の場所でどんどんと人間をやめていっている事実が時折悲しい。 空界自体が悪いなんて言うつもりは無い。 むしろ変わっちまったのは俺達の方なわけだし。 彰利   「これでみさおさんが人間やめれば『黒い三連星』になれるぞ」 みさお  「やめてくださいよ……わたし今のままで十分ですから。       誰も好き好んで人間やめようだなんて思いませんよ?」 悠介&彰利『チィイ組織の犬め!!』 みさお  「だから……!なんなんですかそれはっ!」 悠介   「人じゃない者達からの激励の言葉だ。素直に受け取れ」 彰利   「そうだそうだこの人間!人間め!!にん……ウグッ……ウウーーーッ!!」 悠介   「彰利……その罵倒の仕方は余計に悲しくなるからやめような……」 彰利   「そうね……ほんとそう……」 何気ない罵倒の言葉が俺達の心の深く突き刺さった。 いやな、本当に空界に来たばっかりの時はこんなことになるなんて夢にも思わなかった。 だってそうだろう。 ワクワクする世界に降り立てば、 それはワクワクするだけであって自分が竜人になるなんて答えにイコールしない。 それが、どこで間違ったのか……。 彰利 「フフフ、知ってるかい親友……。     ファンタジーってやつぁね、理不尽に人を強くしてしまう世界なんだぜ……?     そりゃどこぞの村人も勇者になれるわい……」 悠介 「そうだな……」 考えてみれば答えはあっさりとしたものだった。 ここ、空界が俺達が憧れていたような世界ならば。 そしてその空界が憧れていた通りの世界ならば、俺達はどんどん変わっていってしまう。 そりゃあな、村人だって勇者になるよ。 考えてみれば俺だって地界じゃあただの一市民だ。 ただ特殊な能力を持っていたことが糧となって、こうしてこの場に立っている。 もちろん……そんな能力が無かったのなら、 シュバルドラインはおろかミル・ミノタウロスにも───いや。 下手をすればリザードマンにだって勝てなかったかもしれない。 だから余計に納得する。 俺は自分の力だけでここまで来れたわけじゃなくて、 いろいろなものに助けられた上でここに立っているんだと。 悠介 「……サンキュな」 彰利 「ほえ?なんぞ言ゥたかや?」 悠介 「んにゃ、なんでもない」 きっと一番感謝しなきゃいけないヤツが傍に居る。 そして、こうして笑ったり落ち込んだりの馬鹿をやっていられる。 ……正直『幸せ』ってのがどんなものなのか、俺にも解らないけど─── それでも、曖昧なままでもいいからと訊かれれば、俺は今、きっと幸せなんだろう。 悠介 「じゃあ、これからどうしようか。一応錬金の方は段落がついたわけだし」 彰利 「そうじゃのう……アカデミーに退学届けを出すとか」 悠介 「卒業目前で自主退学かよ……。お前な、もう少し相手の都合ってものをだな」 彰利 「学ぶことが無くなったんならここに居ても意味無いっしょ。     大体二週間で卒業するって言ったのはキミで、     二週間経つ前に全ての勉強やり終えて成果も出せた。     アカデミー憲章にだって     『学ぶべきことを学び、成果を出せたなら卒業して良し』     ───って書かれてるんだしさぁ」 悠介 「……それはそうなんだが」 このアカデミーに昇学制度がある時点で予想出来ることだが、 アカデミーでは勉強し、知識を高め、成果を出せれば出せるほどクラスが上がっていく。 実際俺は二週間経つ前に通常二年かそれ以上かけて上がってゆくべき三回生となり、 その三回生で覚える知識からさらに上の知識まで覚えた。 さらにこうして、純度100%の賢者の石っていう これ以上無いってくらいの成果を出してみせたわけだ。 だからもう学ぶべきことなんてこのアカデミーには無く、 むしろ独立した魔術師として勉強した方が身のためではある。 彰利 「それにさ、俺達『体裁』を気にするような学生してこなかったっしょ。     周りのこと気にするなんて今さらだぜ、不良2」 悠介 「───……」 ……いろいろ考えている時には、その無邪気な笑顔は不意打ちだった。 不覚にもポカンと思考停止してしまい、 けれどそれが解けると俺は自然に吹き出し、笑っていた。 悠介 「っ……はははは……そ、そうだな、確かに今さらだ。     不良やってた自分が今さらなに真面目ぶってんだか……くはははは……」 小学、高校の頃の俺達は本当にどうしようもない子供だった。 何をするにも一緒だったけど、他の子供と一緒だったことなんてまず無かった。 それでも彰利は桐生親子と、 俺は晦の姉妹と一緒で毎日をそれなりに楽しく過ごしていたと思う。 俺達の子供の頃ってのは不思議なもので、 べつに大勢で居る方がいいとかは考えることもなかった。 ただ一番仲のいい馬鹿者が傍に居るだけで、 大勢ではしゃぐよりももっと楽しめたんだと思う。 けど───そんなことを考えていた俺達でも、 やっぱり大勢で居た方が楽しいって思えた瞬間があった。 それが───中学時代だ。 悠介 「……本当に、中井出達に会えて良かった」 彰利 「んだな。今キミが何を考えてるのか大体予想はつくさね。     あの頃と今の青春は見事に輝いておるよ」 例えば中学に出会う筈だった中井出達─── あいつらと出会わない並列世界があったとしたら、俺達はどうなっていたんだろうか。 それを考えると、様々な偶然の中で辿り着いたこの世界にふと感謝したくなる。 もちろん誰かさんが言うように、この世界には一本道の『運命』ってのがあるんだろう。 例えば俺達が月の家系に生まれ、ゼノと戦い、勝つか負けるかしても先には一本道が残る。 並列世界ってのがあるのなら、確かにそれは当然だ。 その時その時で彰利がゼノに負けてしまう未来があったとしても、 『ゼノと戦う』という大筋は消えたりはしないんだ。 俺達にしてみればそれが人生の一本道であり、様々な可能性を秘めた偶然の宝庫でもある。 けれど人生は一度しかない。……まったく、人生ってやつは難しい。 可能性があるのにチャンスは一度だけだなんて、しみったれたものだ。 けどまあ……そんなチャンスの中で掴み取れた未来だ、大事にしなくちゃならない。 悠介   「……よし。じゃあ───ってやっぱり退学は無しだ。       その代わり、院長に掛け合って今すぐ卒業する。       確かにもう学ぶことなんてないし、工房はいつでも開けるからな」 彰利   「オウヨオウヨ。んじゃあ早速院長室に殴りこみだ!レッツハバナーウ!!」 悠介   「よっしゃあ行くぜ親友!!」 彰利   「オッケン親友!」 悠介&彰利『原中ゥウーーーーッ!!ファイ!オウ!ファイ!オウ!ファイ!オウ!!       グゥウウウウッレイトォッ!!!!』 向かい合って叫び合い、工房を駆け回ってゆく。 近頃は難しいことばかり考えていたから、こうして無邪気に叫び合うのも久しい気がする。 みさお  「……やっぱり悠介さんって、       彰衛門さんと一緒に居る時が一番崩れてますよね」 ノート  『まあ、【らしい】のはいいことだ。しかし未だに信じられん。       あんなに砕けた顔をした男が、       何故戦いになるとああも豹変するんだろうな』 みさお  「不思議ですよねー……」 悠介   「オーレーのー兄ー貴はー!唐獅子ファーイーターーーーッ!!」 彰利   「平和を愛ーしてー!血反吐をーゥォ吐ーくーぜーっ!!」 悠介&彰利『吐くぜーーーっ!!』 みさお  「ああもぅやかましいです!!院長室に行くならさっさと行ってください!!」 彰利   「ロンドン帰りのあの人に多量の昆布で出汁を取り!マジでオレッチ本気だぜ!       ときめきサンデーファミリーパーンーチーーィーーイーーイーーイーーッ!!       サンキューショージ兄さーーん!!」 悠介   「中井出のブルースメェーーーン!!」 彰利&悠介『ありがとう若さぁああーーーーっ!!』 精霊   『ありがとう若さぁああーーーーっ!!』 召喚獣  『ありがとぉおおおお若さぁああーーーーっ!!!』 総員   『ありがとう若さぁああーーーーーーーーっ!!!!』 みさお  「……聞いてませんね……って!       精霊や召喚獣や飛竜のみなさんも一緒になって騒がないでください!!」 総員   『ワンダフルトゥナイトこの夜にステキなキミと       カレーうどんとかを食うぅううーーーーーっ!!!!!』 みさお  「あの……なんでカレーうどんなんですか?」 ノート  『知るか』 彰利   「『鵜』が爆発して出来るものは!?」 みさお  「え?えっと……う、うどん?」 彰利   「ブフゥーーーッ!!ンなもん鵜の死体に決まってんじゃねぇの!!       うどんだってようどん!うどーーん!!ブフゥーーッッ!!」 みさお  「……ノートさん、力を貸してください」 ノート  『いいぞ、今のは酷く苛立った』 彰利   「なんと!?このすこぶるステキなハイテンションが解らんとは!       よしいけ伊藤!蹴りいれてやれ!!」 彰利がみさおの後ろに視線を向けながら言う。 みさおも反射的に振り向いてしまうが、そもそも伊藤チャンなどここには居ない。 ……ちなみに伊藤ってのは『今日から俺は!』に出てくる伊藤チャンである。 それはそれとして。 悠介&彰利『とんずらぁあああーーーーーーーーっ!!!!!』 俺達はその小さな隙を一部も逃さず逃走していた。 溜め息を吐くノートに向けて笑みをこぼしながら、 こんな子供っぽい行動に思わず大きな笑いが押し寄せる。 それでもアカデミーの中を駆け抜け、俺達はみさおとノートから逃げ続けた。 が───ノートにはあっさりと回りこまれ─── 悠介&彰利『キャーーーーーーッ!!!!』 ……その日私たちは精霊スピリットオブノートにボコボコにされた。 もちろんその後、『ちくしょ〜〜』と言ったのは言うまでもない。 ───……。 ……で、後日。 悠介&彰利『お休みが欲しい!!』 俺と彰利は口を揃えて言っていた。 なんのことはなく、 無理矢理アカデミーを卒業した俺は今現在修行しかすることが無くなってしまったのだ。 そこで彰利に提案をされたわけだ。 二週間経過まであと一日。 それならその一日を有意義に過ごさないかと。 考えてみれば気力充実のオフ日だと謳ったその日に精霊と契約したりしたもんだから、 事実上俺達には休みなんて無かったわけだ。 だからその旨をノートに持ち出したわけだが─── ノート『そんなものは汝らの勝手だろうが……。何故わざわざ私に訊く』 彰利 「へ?だって……ねぇ?」 悠介 「いや……言われてみればなんでだ?」 ノート『……まったく……しっかりしろマスター。     事実上で言えば汝の方が私よりも決定権は高いんだぞ。     それが何故私に答えを求めたりするんだ……』 彰利 「お……そういやそうだね。キミ、マスターだもの」 悠介 「む───ノート?そういうのはダメだ。     マスターだから決定権があるとか、そんな考え方は俺は頷けないぞ」 ノート『かと思えばこれだ。まったく、威厳があるのか無いのか』 彰利 「まあ……悠介だからね」 悠介 「お前にそういう言い方されると悲しい気がするのはどうしてだろうな」 彰利 「あたしゃキミらしいって言っただけでしょうが、なにを悲しむのかね」 ……解らん。 考えても無駄だなこりゃ。 ノート『それで、ようするに汝らは何がしたいのだ』 と、溜め息を吐いた時にノートの確認の質問が飛ぶ。 俺と彰利は視線を合わせるとニィと笑い、 悠介&彰利『地界で思いっきり休んでくる!!』 そう叫んでいた。 みさお「地界ですか……そういえば長い間戻ってませんしね」 ベリー「わたしも行っていい?」 彰利 「だめだ」 ベリー「むっ!べつにツンツン頭になんか訊いてないわよぅ。ね〜、悠介?」 悠介 「だめだ」 ベリー「むごっ!?な、なんでー!?」 悠介 「俺達は俺達の時間を大切にしたいんだ……だから、すまないが遠慮してくれ」 ベリー「う……ま、まあ……そういうことなら仕方ないけど……」 彰利 「訳:俺達は仲間内で休みたいんだから     キサマみたいなチンチクリンは邪魔なだけだそれくらい理解しろ、COOLにな」 ベリー「悠介ぇえええっ!!?」 悠介 「だぁあっ!ばかっ!!誰もそんなこと言ってないだろうがっ!!     お前もっ!わざわざ話をややこしくするようなこと言うな!」 彰利 「ナイスでグッジョブ!?」 悠介 「やかましい!!」 ノート『あー……汝ら。少し静まれ、落ち着いて話も出来ない』 彰利 「だったら今すぐイエスかノーで答えてノーちゃん!     オイラたちは地界に戻ってもいいのか否か!3、2、1、キュウ!?」 ノート『構わん。先に言った通り、それを決定するのは汝らであり私ではない。     あまり物事に囚われるな、自由に生きることを望めばいい』 唐突な質問だったが、ノートは思いのほかあっさりと頷いた。 悠介 「それじゃあ───」 ノート『ああ、言っておくが地界には私も行くぞ。     なにせ契約してしまったのだからな。そうしたからには汝の傍が一番落ち着く』 悠介 「ああ、それはもちろん構わないけど───」 ベリー「精霊はよくてなんでわたしはだめなのさ!」 悠介 「……そうなるとやかましいヤツが居るんだ」 ノートが指輪の中に消えてゆくのを見ると、ベリーはムキー!と顔を赤くして怒鳴った。 どうやら仲間外れが嫌らしいが…… 悠介 「今までウェルドゥーン山にひとりで暮らしてた魔女が何を……」 ベリー「魔女かどうかなんて関係なーい!仲間外れなんて絶対嫌!」 彰利 「ではキミを我らの仲間に任命する!」 ベリー「え?いいの?」 彰利 「馬鹿者!このヒヨッコめが!そういう時は『サー・イェッサー!』だ!!」 ベリー「さ、さー?」 彰利 「サー・イェッサー!!復唱!!」 ベリー「サ、サー・イェッサー!」 彰利 「うむ!!常にそう叫ぶことを心がけよ!いいなヒヨッコ!!」 ベリー「サー・イェッサー!!」 彰利 「では仲間であるキサマに最初の任務を授ける!!」 ベリー「サー・イェッサー!」 彰利 「空界で留守番してなさい」 ベリー「サー───……って!ふざけないでよ!!」 彰利 「なんだと貴様ヒヨッコこの野郎!!ヒヨッコの分際で上官に楯突くか!!」 いや……今のは誰でも楯突くと思うが。 結局仲間外れってことには変わりは無さそうだし。 悠介 「じゃあ───っと、俺まだ地界への道の開き方知らないんだよな……。     まあそれはリヴァイアに教えてもらうか。     というわけで俺はリヴァイアの工房に行ってるから、あとよろしくな彰利」 彰利 「なんと!?それってただの押し付けじゃあ───」 悠介 「お前を真の男と見込んでのことだ……出来るか?」 彰利 「任せとけっ……!!」 ベリー「騙されてるーーーっ!!」 彰利 「む……?失礼だなキミは!これは美しき友情だ!!     そげなことも解らんキミだからいつまで経ってもヒヨッコなのだ!!」 ベリー「そもそもそのヒヨッコってなんなのよ!!」 悠介 (……いくぞ、みさお) みさお(なかなかヒドイですね、悠介さんって) 悠介 (相手が彰利じゃなければもっと遠慮するさ。親友ってのは重くないからいいんだ) 言い合いを続ける彰利とベリーを横目にみさおに話し掛けると、 俺は静かにリヴァイアの工房へと続くブラックホールを創造し、転移を実行した。 ───……。 ……。 悠介 「……とまあそんなわけで。地界へのゲートの開き方を教えてほしいんだが」 リヴァ「………」 悠介 「えーと……リヴァイア?」 ……それで、まあ……リヴァイアの工房に来たはいいんだが、 リヴァイアは開口したまま愕然なる表情で動かなくなってしまっていた。 ……何事? リヴァ「───ハッ!?あ、ああ……いや、うん、あー……なんだ?」 悠介 「へ?いやだから、地界へのゲートの開き方を教えてほしいんだ。     いろいろ学びはしたけど、次元干渉についてはまだそう詳しくないんだ。     アカデミーでも基礎学しか教えてなかったくらいだからな、     独自で開発していくくらいでしか理解に至らない方法なんだろ?」 リヴァ「それは───ああ、それは確かにそうだが……なぁ悠介、ひとつ訊いていいか?」 悠介 「うん?ああ、べつに構わないが」 リヴァ「そ、そうか。ん゙、んん゙っ!」 リヴァイアは一度間を置いてわざとらしい咳払いをすると、俺の見て言ってきた。 リヴァ「その……後ろに居る存在は一体なんだ?」 悠介 「へ?なにって───」 後ろを向いてみる。 が、そこには俺が契約した精霊と召喚獣に加え、五色の飛竜しか居ない。 悠介 「……質問の意図が見えないんだが。こいつらがどうかしたのか?」 リヴァ「ど、どうかしたのか、じゃないだろう……!!     最近姿を見せないと思ったら、お前……!」 悠介 「……送話で言わなかったか?精霊と契約してたんだ」 リヴァ「そんなことは見れば解るっ!!わたしが訊いているのはその数だ!!」 悠介 「数?」 数って…… 悠介 「契約したんだからその分居るのは当たり前だろ?」 リヴァ「〜〜……ああもういい!だったら次の質問だ!     お前のそのプレートの……そう!その賢者っていうのはなんだ!」 悠介 「落ち着け、まず落ち着け。喋り方が荒くなってるぞ」 リヴァ「荒くなるなというのが土台無理だ!!なにがどうしてそうなった!」 悠介 「えっと……実はな。     スピリットオブノートと契約して、その教えを素に賢者の石を錬成したんだ。     で、まあその、いろいろあって勝手にネームが書き換えられてな……」 リヴァ「……待て。今、なんて言った?」 悠介 「へ?だから賢者の───」 リヴァ「そうじゃない!……誰と契約したって言った?」 悠介 「スピリットオブノート……だけど」 リヴァ「スピリットオブノートって……あれだな?     無の精霊、全ての始まりにして終わりなる者と言われている───」 悠介 「ああ」 リヴァ「そ、そっ……そそそそうか……。     それで、さっきからずっと気になっていたんだが……そっちの黒い飛竜は……」 悠介 「ん───ああ、リヴァイアなら当然知ってるだろ?     黒竜王……というより全ての竜の長である皇竜王の側近である飛竜、ジハードだ」 リヴァ「か゜っ……!!」 リヴァイア、変な声を出して硬直。 悠介 「なぁリヴァイア、そろそろ話を戻していいか?次元干渉力学の話なんだが」 リヴァ「そんなのはあとにしろ!!」 悠介 「うおう……」 みさお「長くなりそうですね……わたし、先に行っててもいいですか?」 悠介 「あー……気をつけてなー……。     さすがに俺はノートとジハードだけ置いて行くわけにはいかないから……」 みさお「そうですか……じゃあえーと、ここに居ない彰衛門さんの分まで激励しますね?     なんだかさっきまでと違って調子が出て無さそうですから」 悠介 「へ?」 秘め事を言い当てられたかのように、俺はギクリとした。 確かにさっきほどの調子は無かったが、あまり表に出していたつもりはなかったからだ。 なんてことを思っているとみさおは少し宙に浮き、俺の肩にポンと手を置くと─── みさお「ガンバレよ」 輝かしい笑顔でそう言った。 それを彰利に重ねるに至り───あいつの極上ガイアスマイルを思い出すと、 その言葉がどうしても屈辱的に受け取れてしまう。 みさお「似てました?」 悠介 「狂おしいほどにな……」 俺のやりきれない表情を見るとみさおは満足げに微笑み、 工房のドアをノックして出て行った。 未来の地界に戻り、現代に時空転移するつもりなんだろう。 俺もさっさと向かいたいんだが……リヴァイアが逃がしてくれそうもなかった。 悠介 「はぁ……」 ───結局。 俺が現代の地界に戻れたのはこれから一時間後。 彰利がようやく訪れ、リヴァイアをからかってくれたお蔭で話が逸れた時、 彰利と一緒にとんずらしたのだ。 なんでもベリーは影に閉じ込めておいたから大丈夫なんだとか。 って……考えてみれば俺だけで地界に戻っても、 時空転移が出来ないから現代には戻れなかったんだ。 いや、今さらだがいい時に彰利が来てくれたもんだ。 Next Menu back