───哀と幽鬼と鬼謀の名の下に───
リヴァ「しかしどうしたものかな」 天界の娘は部屋に閉じ篭もって出てこようとしない。 これじゃあ話にもならない。 彰利 「そういうことなら僕に任せてよ!」 リヴァ「検察官?」 いつの間にか傍に居た検察官がニヤリと笑った。 彰利 「閉じ篭もりさんには地界伝統の方法があるんですよ。     天岩戸作戦って言ってね?とにかく騒ぐんですよ」 リヴァ「あまのいわと?」 彰利 「そ、天岩戸。     昔々、とあるべっぴんな女神どんが岩の中に閉じ篭もってしまっての。     それはそれはべっぴんさんが。     俺も会いたかった。閉じ込めたままお持ち帰りしたかった。     ま、それを引きずりだすために試行錯誤して、ついには引きずりだしたんじゃ」 リヴァ「へえ……騒げばいいのか?」 彰利 「そう、騒ぐんだ。今からアタイが手本を見せるから」 リヴァ「な……わ、わたしもやるのか?」 彰利 「なに言ってるのよ当然じゃない」 リヴァ「あ、いや……わたしは騒ぐというのは苦手で……」 彰利 「やるんです!さぁいきますよ!?」 リヴァ「う………」 検察官はムンと構え、大きく息を吸った。 彰利 「OhYeah!OhYeah!アタイの想いよアナタに届け!     ランラカランランハラショイチキショイ!!OhYeah!OhYeah!」 ガチャゴガシャア!! 彰利 「ギャア!」 突然開いたドアから固い何かが投げつけられ、再び閉められた。 彰利 「あでででで……!め、目覚し時計……?おぉ痛い……」 リヴァ「……今のをやるのか?」 彰利 「いやいや、今みたいに少しでも開いた瞬間、ドアを押さえるのですよ。     そうすれば中にも入れるでしょう?」 リヴァ「なるほど」 彰利 「でも今度は作戦を変えましょうね故。     こんなこともあろうかと、いろいろ考えてあります故」 リヴァ「その故(ゆえ)ってゆうのはなんなんだ?」 彰利 「深くは考えてない故。とにかく実行する故」 検察官はドアの前に立ち、手を挙げた。 ダンダンダンッ! 彰利 「チワーッ!新聞の集金でーす!開けろオラーッ!!」 ダンダンダンダンッ!ガチャッ! サクラ「うるさいですよ!」 彰利 「キャア!今YOリヴァイア!」 リヴァ「え?……あ」 彰利 「え?って……早く抑えるのよ!早く!」 バタン、ガチャン! 彰利 「あ゙……鍵閉められちゃった」 リヴァ「…………すまん」 てっきり検察官が全てをやるつもりなのかと思った。 どうやらわたしはサポートが得意じゃないらしい。 彰利 「ま、いいさね。こんな鍵なんて無意味とも取れるほどの勢いで開けてあげるわ」 リヴァ「壊すのか?」 彰利 「ノンノン、そんな野蛮なことはしませんよ?いいから見といで、アタイの生き様」 検察官が再びドアの前に立ち、自信を持って胸を張った。 彰利 「バカ女ー!ヒス女ー!ラリってんじゃねーよタコ!バーカ半ベソフケヅラ!!」 ガチャッ! 彰利 「ほれみろ!一発YO!?」 サクラ「…………っ!」 天界の娘は鬼のような形相で検察官を睨んだ。 彰利 「あ、あれ?あの、ちょっとボクの話を聞きかない?     落ち着いて話せば誤解だって解ると思うんだ。だからその……テヘッ♪」 バチィッ!! 彰利 「オギャァアアアアアアアアアアアアアアアウォオオオオッ!!!!!」 ───バタンッ!! 検察官に電流が流されたと思った隙に、ドアは閉められた。 彰利 「あ、あがががが……なんでスタンガンなんて……持ってんねん……」 検察官は痙攣している。 彰利 「だが、これくらいじゃあアタイの燃えあがった炎は消えません!     さぁ三度目の正直!いや四度か?まあいいや。これさえ唱えりゃ一発よ!」 しかしあっさりと蘇り、ドアの前に立つ。 彰利 「やーいガキンチョー!ロリータ小娘〜っ!」 ところが検察官は言葉を放つと同時に駆け出した。 それと同時にドアが思いっきり開け放たれ、そこから鬼が飛び出した。 サクラ「懺悔ェエエエエエエエエエエッ!!!!!」 彰利 「きゃっ……キャーッ!?」 その形相を見て驚いた検察官は懸命に逃げたが何故かバナナの皮を踏み、転倒。 そののちにあっさりと掴まりドゴッ!ボゴシャ!!メリリッ!ゴキャッ!! ……───……。 彰利 「………」 リヴァ「な、なぁ検察官。わたしも今のをやらなければいけないのか?」 彰利 「………」 リヴァ「検察官?」 アタイは体力の回復に専念していた。 そう、まるで格ゲーで体力ゲージがミリミリと増えるが如く。 彰利 「……よし、回復!」 リヴァ「回復?」 彰利 「オウヨ〜、これでいつでも作戦再開できるぜ!?というわけで───」 俺様はドアの前にズシャアと立ち、息を吸った。 背筋をビッと伸ばすと、そっとドアをノックする。 彰利 「おい女ァ、用があるから出てこいや」 ……しーん。 彰利 「無視か!?おのれ!俺の拳が火ィ吹きますよ!?」 ……しーん。 彰利 「いい度胸だこの野郎……!なら実力行使ぞ!?     煉精化気煉気化神……煉精化気煉気化神……くらえ、打透勁!!」 手に月醒力を込めて、連続で発射した。 結果、ドゴココココココォオオンッ!!という音とともにドアが崩壊する。 崩れ落ちるドアが煙を醸し出し、それが晴れる頃…… サクラ「………」 彰利 「……あ、あのー」 そこには阿修羅(怒り面)が如き形相をしたオナゴがおりました。 その手には淡い光を放つ天界の杖が───! 彰利 「と、とんずらーっ!!」 俺様は逃げ出した! ガシィッ! 彰利 「キャーッ!?」 しかしあっさり掴まドカッ!ゴシャメシャッ!ゴッキャベッキャゴシャーアアア!!! 彰利 「うぐぐぐぐ……なんてことしやがる……」 せっかく回復した体力がミソッカスだ。 しゃあない……月生力……。 彰利 「通明賢気…骨禎拘根…黄考延口…!」 ……ムゥ!完全回復! 彰利 「あんの小娘め……!よくも好き勝手に殴ってくれおって……!     いくらアタイが女を殴れないからって……限度があるぜよ!?後悔させたる!     天に三宝、日、月、星!地に三宝、火、水、風!ォオオオッ!!龍炎拳!!」 片手ずつに月醒力と月切力を込めてその手を合わせ、頭上から一気に振り下ろした。 もちろん、オナゴの部屋目掛けて。 ズバァッシャァアアアアアアアッ!!! 彰利 「フッ……決まった」 俺が放った力の亀裂は俺の頭上からオナゴの部屋、そして俺の足の下まで裂けた。 彰利 「ここまですればもうビビって殴るどころじゃ」 サクラ「───……」 彰利 「キャーッ!?」 覗いた部屋から彼女が仁王立ちしている姿が見えた途端、 心の中で『ドガシャーン!』という、雷鳴が落ちるような擬音が聞こえた。 ……しかもオナゴがさっきより殺気を放ってる。 彰利 「あ、あの……僕と語らいをしません?」 ひとまず説得に出てみた。 が、オナゴは手に持っていたボロキレを握り締めて震え出した。 サクラ「わたしの……天界の法衣をぉっ……!!」 ……キャア、アタイってばナイスコントロール……。 彰利 「えと……ごめんね?」 サクラ「天誅ッ!!」 オナゴが杖を振りかざして襲いかかってきた! 彰利 「と、とんずらーっ!!」 パンッ! 彰利 「ギャア!?」 逃げようとしたがあっさりと足払いをされた。 こ、このオナゴ……!闘いを刻み込まれてやがる……!? もしや闘い方を教えた輩でも居るのか……!? とか考えてる間に杖が振り下ろされボゴシャア!! サクラ「───っ!」 彰利 「……捉えたぜ。この時を待っていた!」 顔面で杖を受け止め、それに手をかける。 彰利 「これぞ白華の奥義のひとつ!白華爆虚拳!!」 説明しよう!白華爆虚拳とはわざと攻撃させ、伸び切ったその腕をへし折る奥義よ! 腕!……腕を…… 彰利 「……───杖じゃん!」 サクラ「……覚悟は決まったようですね……」 彰利 「ひゃぁあああああああああああっ!!!!!」 ───……。 リヴァ「生きてるか、検察官……」 彰利 「がぼっ……がぼっ……」 ひどいことしやがる……全身がボロボロだ……。 だがこれしきでアタイは諦めないのだ。 リヴァ「お、おい……まだやる気か?」 彰利 「当然だ。ここまでボコボコにされて引き下がれるか」 こうなったらもう方法なんて知ったこっちゃねぇ。 絶対に引きずり出してやる……! 彰利 「おんどりゃあドア破壊されたのにいつまで篭ってやがる!     いい加減にせんと屠りますよ小娘が!出て来い幼児体型!」 ───ズシンッ。 彰利 「───!」 空気が重くなった。 く、来る……! サクラ「…………」 ギャア!?口から蒸気のような息を吐きながら登場してきましたよ!? 彰利 「だが今度はさっきまでのようにはいかんぞ!     崛山務墨門子五城五白霊丹日興華……くらえ!白華ァ!龍歩撃掌!!」 説明しよう!白華龍歩撃掌とは対象となる相手を気で縛り、 動けなくなったところに痛恨の一撃を叩き込む奥義よ! ちなみにアタイは気なんて使えんので月然力の重力操作で動きを封じてみました。 彰利 「死ねーーっ!!」 SO!あとは動けないオナゴを思いっきり攻撃してやりゃあいいのよ! 後悔するなら今が旬! サクラ「くっ……うぅううううう……っ!!」 彰利 「ふはは!無駄!無駄だよ!     諦めたまえ!それはどんな輩だろうと逃げることなど不可能だ!     我が華麗なる脚さばきを見よ!くらえ!白華擺脚!!」 サクラ「幼児体型って……!幼児体型って……言ったなぁあああああっ!!!!」 ガカッ───パキィイインッ!! 彰利 「ゲェーッ!?月然力を張った空間が破られた!?うそでしょう!?」 サクラ「グルルルル……」 彰利 「ひゃーっ!?言語中枢がすっかりと野性的になってらっしゃるーっ!!」 サクラ「懺悔なさい……」 彰利 「と思ったらすっかり直ってらっしゃる!?」 サクラ「懺悔なさい!」 彰利 「ごめんなさい」 サクラ「だめです、許しません」 彰利 「えぇっ!?な、なんのために訊いたの!?」 サクラ「うるさいです!たった今天に召されなさい!」 オナゴが杖を回転させる。 わぁ、遠心力つけてブン殴る気だ。 彰利 「だがアホよ!あなたアホ!     そんなことしてたら逃げてくださいって言ってるようなものじゃない!     オホホホホホ!とんずらーっ!!」 サクラ「───イマンシペイト」 ───ズシンッ! 彰利 「あ、あらっ……?」 なに……?体が急に重く……!? てゆうか生きる喜びが消えてゆく……? アレ……アタイ、どうしてこんなことしてるんだろ……─── サクラ「ふふふっ……知ってますか……?     人というのは不意を突くよりも、     抵抗出来なくなったところを攻撃した方が何倍もダメージが大きいんですよ……」 アレー……?アレレー……? どうしてこの女の人、アタイに向かって杖振り上げてんのー……? ……いいや、考えるのもめんどい……。 サクラ「───デストロイ」 オナゴが杖を振り下ろした。 その光景がスローモーションで流れてゆく中、ふと……あいつの顔が頭に浮かんだ。 彰利 「…………───ッ!!」 ドガァッ!! 大層な音が鳴ったが、破壊されたのは床だった。 サクラ「……どうして!?」 彰利 「フッ……アタイの幸せを奪った上での攻撃とは手が込んでるが……甘し!     アタイはダーリンの顔を思い出せば幸せになれるのよ!     さあ幸せの渦よ!ぼくを守っておくれ!」 アタイはダーリンの、滅多に見せない笑顔を思い浮かべた! 彰利 「しっ……至福!!」 アタイの幸せメーターが無限大になった! 彰利 「オーウ!メビウス!故に貴様は俺には勝てん!」 サクラ「くっ……それなら全部奪ってやるっ!イマンシペイト!!」 オナゴが俺に駆け寄り、機械のヒスイの部分をアタイに当てた。 彰利 「ムオッ!?」 その瞬間、アタイの中から何かが流れてゆく……が、製造もされてゆく。 やがてギギギギギィッ……!という、機械の悲鳴のような音が聞こえる。 サクラ「そんなっ!たったひとりの幸せでイマンシペイトが限界なんて!」 彰利 「クォックォックォッ……どうした?もう終わりかね。     まったく期待外れだよ。その程度の浅知恵でアタイを屠ろうなどと……。     ボディも貧相なら頭も貧相なわけかね?え〜?この幼児体型が」 サクラ「───……」 バキャァッ! 彰利 「ややっ?」 何もしてないのに壁に亀裂が!? てゆうか……なんかオナゴさんの戦闘力が増えてるんですけど!? 12000……14000……ば、バカな……!! 天界のボンボンどもがこれだけの戦闘力を……!? サクラ「……………」 カチャリ……と、杖が持ち直された。 そして戦闘力は……───45000! し、信じられん!スカウターの故障だ! そうだ!そういうことにしておこう!セオリー通りに! でも実際、一度として故障したことなかったんだよね……。 彰利 「あのー……ムスメサン?アタイとハンブラビの生態について熱く語らない?」 サクラ「ガァアアーーーーッ!!!」 彰利 「キャーァアアアアアアアアア!!!!!」 ドンガラガッシャンドカバキゴワシャアアアアアン!!!!! ───……。 彰利 「修羅です……あの娘ッコ……修羅ですよ……?」 リヴァ「け、検察官?」 彰利 「どうして教えてくれなかったんだ……?     殺人許可証を持ってるのはアタイだけじゃないじゃない……」 リヴァ「なんのことだ?」 彰利 「……なにも言ってくれないのかい?」 リヴァ「言ったが」 そうですね。 彰利 「うーっしゃあ!気力充実!さーて引っ張り出すぞー!」 腕をブヒョヒョヒョォオオオゥウウンと振りまわしながら、壊れたドアの前に立った。 さて、今度はどうやって出してくれようか。 彰利 「グウウ……ムムウ……」 なんか目的があった気もするんだが、思い出せないからいいや。 ということで、えーと……月醒力だな。 彰利 「三花聚頂天下乱墜……三花聚頂天下乱墜……くらえ!百歩神拳!!」 ゴウッ───ドカァアアアアアアアアアアアンッ!!!!! 彰利 「イィヤッハァーッ!!イチコロだぜーっ!!」 月醒力を凝縮させた砲撃はオナゴの部屋の大半を削り取り、吹き飛ばした。 ……これではあのオナゴも生きてはいまい……。 彰利 「……俺は忘れない……。オナゴ……貴様のような強敵が居たことを……」 サクラ「ケホッ!コホッ……!」 彰利 「キャーッ!?」 なんと!オナゴは無傷で砂埃の中から現れた! 彰利 「ば、バケモノが……!」 サクラ「……バケモノはぁああ……!あなたでしょうがぁあああああああっ!!!!」 彰利 「ひっ……ひゃぁあああああああっ!!!!」 バカベキャゴシャゴシャガンゴンゴキベキ…………─── ───……。 リヴァ「…………なぁ検察官。お前は一体なにがやりたいんだ?」 彰利 「……あのオナゴめを……引きずり出して……謝らせてやりてぇんでさぁ……」 リヴァ「部屋をここまで破壊しておいて謝るヤツが居るなら……見てみたいな」 うう、ちくしょう……。 白華のリーサルウェポンまで通用しねぇなんて……。 こうなったら最終奥義使うしかない? そうよね? 彰利 「煉精化気虚室生日天眼…三花聚頂赤蛇帰身花…天下乱墜煉神還…     煉心収己還虚日……大成捷経避指……煉気化神還虚…大成趙避四柱推命…     星平会海果老星宗…麻衣相法奇門遁甲太乙神…     狐狸適天髄雲谷棲霞肥……!」 リヴァ「……───!力の圧縮発動……!?     やめろ検察官!そんなことをすればここら一帯が荒野に───!」 彰利 「ちゃんと加減するから安心せい!───爆!!」 体の中に眠る全月操力を光に換える。 ゼノとの戦いで最後に使った奥の手と同じものだが、20分の1の力だ。 これなら全然安心YO!もう最強よ最ドォッッッゴォオオァアアアアアアンッ!!!! 彰利 「キャッ……キャァーーーーーーッ!!!!????」 景色が!景色が崩壊してゆくよママン!! 計算ミスですか!?アイヤーァアアア!!! リヴァ「な、なにをやっているんだ検察……くっ!う、うわぁーーーっ!!」 彰利 「リヴァイアさーん!?」 リヴァイアが爆風に吹き飛ばされていった。 てゆうかアタイを中心とした景色が本当に吹き飛んでいってる。 こりゃ早く止めないとエライことに……! 彰利 「……止め方が解らん」 あ、でも人には無害だから最強よ?爆風とかの自然現象はどうにもならんけど。うん。 というわけで。 ───その日、アタイは灰燼と化してゆく鈴訊庵とやらを目に焼きつけながら気絶した……。 ───…………。 彰利 「えーと……」 今回ばかりは頑丈なアタイボディが恨めしい気分です。 せめて気絶した〜とか考えれば気絶できると思ったんですが。 リヴァ「………」 サクラ「………」 彰利 「いやぁ、ふたりのオナゴに見守られて、アタイってばモテモテですね」 ぱぐしゃあっ! 彰利 「はぶっ!」 サクラ「誰がモテモテですか……?」 彰利 「俺」 ぱぐしゃあっ! 彰利 「おごっ!ご……おごごごご……」 あ、顎狙ってきおったわ、この小娘……! サクラ「あなたは何がやりたかったんですか!鈴訊庵をこんなにしてしまって!」 小娘が元鈴訊庵を指差す。 でもまあ、そこには塵しか無いわけで。 彰利 「な、なにを仰られますか!     キミが出てこないのが悪いんでしょう!?     ぼく悪くないもん!なんでも人の所為にしちゃいけないんだぞ!?」 サクラ「だからっ……!わたしを呼び出して何をしたかったんですか!     そもそも怒らせてばっかりで話を聞くとでも思ったんですか!?」 彰利 「そうでもしないと出てこないと思ったからそうしたんだい!」 サクラ「う〜……!!」 彰利 「ぬ〜……!!」 この小娘め……!是非とも俺の所為にする気じゃぜ……!? なんて極悪非道なんだ! リヴァ「あー……天界の娘」 サクラ「なんですかっ!」 リヴァ「ひとまずは落ち着け。お前に言いたいことがあったのはわたしだ」 サクラ「………」 彰利 「ホレみろ!だから言ったじゃない!ぼく悪くなんかないもん!」 リヴァ「静かにしてろ検察官」 彰利 「ゲッ……ひ、ひどいや姉さん!」 リヴァ「誰が姉さんだ」 彰利 「グ、グウム……」 怒られてしまった。 リヴァ「凍弥が意識不明だってことは穂岸ってやつに聞いたな?」 サクラ「同調ならしませんと言った筈です」 リヴァ「人の話は最後まで聞け。同調のことを断るのは当然だとわたしも思う。     そこでだ。お前、あの美紀とかいう女の場になれ」 サクラ「場……わたしが?」 リヴァ「強化したとはいえ、あいつにふたり分の場を勤めるのは難しい。     だから頼まれてくれないか」 サクラ「………」 ……はぁ〜ん……?よぅ解らんズラ。 しっかし……見事に崩壊したもんズラねぇ。 ん……崩壊? 彰利 「あのー、熱弁してるところを悪いんですけど」 リヴァ「なんだ検察官。今大事な話を」 彰利 「あのメェ〜ンは?誰かが連れてったりしてたん?」 リヴァ「メェ〜ン?なんだそれは」 彰利 「えーと……確か、凍弥くんってヤツ」 リヴァ「………」 サクラ「………」 オナゴどもが灰燼と化した荒野を見た。 サクラ「あ……あーーーっ!!」 リヴァ「しまった!盲点だ!」 彰利 「え?なに?なんなの?アタイにも解るように平明に教えておくれよバーバラ」 サクラ「誰がバーバラですか!」 彰利 「え?じゃあゲラ=ハ!?」 サクラ「───……」 あ、あれ?なんかオナゴさんが杖持って歩いてくるんですけど……。 彰利 「あ、あの……平和的な解決をしましょ?     アタイ、アナタと話し合いたいなー……」 サクラ「ツガァアアアアーーーーーッ!!!」 彰利 「キャーッ!?」 ドカグシャベキボキガンゴンゴシャメシャ…………─── ───……。 リヴァ「…………はぁ」 リヴァイア殿が溜め息を吐いた。 イマンシペイトとやらの潜在能力を引き出して、家を無理矢理再構築したらしい。 サクラ「せいぜい人の簡単なデータくらいしかロード出来ないと思っていたのに……」 リヴァ「あのな、わたしは魔術師だ。それくらいの魔導は扱える。     データを書き換えたり追加したりすればいくらでも機能を増やせるさ」 サクラ「………」 灰の中に埋もれてたメェ〜ンを掘り起こし、現在に至り…… オナゴどもはメェ〜ンを座敷に寝かせた上で、その傍に座っている。 ちなみにアタイは何故か正座を強いられていました。 彰利 「あのー、脚が痺れるんですけど」 サクラ「うるさいです、静かにしてください」 彰利 「取りつく島も無いんスカ……」 ムゴイなぁ。 彰利 「じゃあ僕じっとしてるからこの縄だけでも解いてよ」 サクラ「だめです」 彰利 「解けこの野郎」 サクラ「修正」 バチィッ! 彰利 「アガァゴガガァアアアアアッ!!!!」 再びのスタンガンさんとの対面にアタイのボディが痺れた。 ああ、この全身を駆け抜けるような痺れ……!これが……これが恋!? 彰利 「アガゴガガゴガゴオゴゴゲガァアアアアアアアッ!!!!     い、いい加減堪忍してぇえええええええっ!!変になっちゃぅううっ!!」 死ぬ!死んでしまう! サクラ「静かにしてください」 彰利 「無理無理!絶対無理だよ!     スタンガン押しつけられて黙れるわけないでしょ!?馬鹿ですかアナタ!」 サクラ「誰が馬鹿ですか!」 彰利 「馬鹿に馬鹿って言って何が悪……ギャアアア!脳が!脳が焼けちゃう!     助けてリヴァイア!アタイ天に召されちゃう!!」 リヴァ「やれやれ……おい天界の娘、そのくらいにしておけ」 サクラ「ダメです」 バリバリバリバリィイイイイイッ!!!! 彰利 「ほぎゃあああああああああああああっ!!!!!」 ああ!髪の毛が逆立ってゆく!怒髪!?いや違う、これは静電気! なんか静電気って言葉が懐かしい!てゆうか───紅丸さん!? なんか紅丸さんが微笑んで……なにぃ虹丸!?紅丸さんじゃないのか!? てゆうかどっちにしたって天国が見え始めてる!ヤバイ! サクラ「…………はぁ」 ようやくスッとスタンガンが離される。 なんのつもりかは解らんが、ひとまず助かったわい……。 サクラ「……解りました」 彰利 「ほげ……?」 解ったってなにが? リヴァ「いいんだな?」 サクラ「構いません。美紀ちゃんなら断る理由がありませんから」 彰利 「なにいきなり納得しとんじゃい!     アタイにスタンガン叩き込む意味があるのかがまず謎じゃない!」 サクラ「あなたの苦しむ様を見てたら落ち着きました」 彰利 「ヒデェ!!ヒデェよ!あなた無慈悲!貴様には情ってものがねぇのか!」 サクラ「あなたにかける情なんてありません」 おいおい……時を越えてまで言われてんぞ俺……。 サクラ「でも問題はありますよ。天界においそれと霊体を連れるわけには……」 リヴァ「あー、大丈夫だ。シェイドから情報は得ておいた。     天界にはわたしに心当たりがある。許可なら簡単に降りるぞ」 サクラ「……何者ですかあなたは……」 リヴァ「リヴァイア=ゼロ=フォルグリム。魔術師だ」 サクラ「……じゃなくて!どうして天界に心当たりがどうとか!」 リヴァ「居るものはしょうがないだろ。なに怒ってんだお前」 彰利 「そうだこのボケ」 サクラ「懺悔ぇえええっ!!!」 彰利 「ひゃあぁあああああっ!!!!!」 ドガッ!ボゴシャッ!メエキキッ!ゴリッ! ───……。 彰利 「あごごがが……顎が……ジョーがイカレた……」 リヴァ「……検察官。お前は少し黙ってた方がいいと思うんだけど……」 彰利 「そんなの俺じゃ……うおお、血が止まらねぇさ……」 顎が馬鹿になっちまったみてぇに血がダバダバと流れ出る。 彰利 「つ、通明賢気…骨禎拘根…黄考延口…!」 ギシャアアアアン!!! 彰利 「ウヒョオ!内養功ってば最強!」 内養功とは全身の気を放出して体を直す業である! ……アタイは気のコントロールなんか出来ないので月生力を使ってるだけじゃが。 サクラ「……お願いがあります」 彰利 「キミも人の顎砕いておいて平然と話進めないでくれる!?」 サクラ「自業自得です」 彰利 「グウウ……ムムウ……!」 リヴァ「なんだ、願いって」 彰利 「……もういいや……」 悪口ばっかり耳に留めやがって……。 サクラ「今ここで、天界の許可をとってもらえますか?」 リヴァ「心配か?」 サクラ「ええ」 彰利 「騙されるとでも思って!?」 サクラ「どうでしょうね」 思ってるじゃない。 リヴァ「ま、いいさ。じゃ、ちょっと呼び出すぞ」 サクラ「呼び出す?」 リヴァ「いーからいーから」 リヴァイアが指に光を点し、空中に何かを描く。 リヴァ「発動せよ式。その法を持って、虚空に歪みを生み出せ───印!!」 式とやらで虚空に歪みを作ると、その歪みに手を突っ込み───何かを引きずり出した。 男  「な、なんだこりゃあああ!?って……」 リヴァ「よっ、久しぶりだな」 男  「リヴァ───ぁああああああああああああっ!!!!!?????」 サクラ「レイルさま!?」 レイル「おろ?サクラ……って、どうして……あら?     ここって地界だよな?それとも空界?」 レイルと呼ばれた男は驚愕の表情をした。 それは主にリヴァイアに向けられている。 リヴァ「……ふむ。お前も変わらんな」 レイル「あーこれか?天大神に成長の時間止められてるからな」 リヴァ「まあそれはいい。お前にひとつ頼みがある」 レイル「断る。大体だな、お前の頼みってのはどうにも毎回厄介ごとばっかりで」 リヴァ「聞・い・て・く・れ・る・な?」 レイル「……ハイ」 よう解らんが、この男はリヴァイアの知り合いの上に苦手と見た。 とか思ってる時だった。 声  「ただいまー」 という声とともに、ひとりのメェ〜ンがやってきた。 遥一郎「メルさんを連れてきたぞ〜……って」 レイル「あれ……お前って」 リヴァ「ん?知り合いなのか?」 Next Menu back