───超天然色男児オタ子───
凍弥 「あの……今のは神の子の力が無ければ死んでましたよ……?」 椛  「ご、ごめんなさい……」 彰利 「まったくばい、なにを考えちょっとか、こん娘ッ子は」 椛  「あなたが似せた声で妙なことを口走るからです!」 彰利 「わ〜、怒った怒ったオ〜コッタ〜♪小さい小さい人間小さ〜い♪」 凍弥 「………」 遥一郎「………」 椛  「………」 彰利 「アレ?どったの?」 いや……勘弁してみんな……俺を見ないでくれ……。 穴があったら入りたいよ本気で……。 凍弥 「仕方が無かったんだ……『俺』を保つためには仕方が無かったんだよぉ……」 遥一郎「あー、解ったから泣くな。こんなヤツと比較されりゃあそら泣きたくもなるわ」 椛  「まったくですよ。気にしちゃいけません」 彰利 「あの……話が全く見えない上に、     すごく言いたい放題されてる気がするんですけど……」 遥一郎「事実だ」 椛  「事実ですね」 彰利 「なんじゃあおらぁ!誰が事実だこの野郎!」 遥一郎「いや、名前じゃなくてな」 彰利 「だったらなんだと言うのかね!?」 遥一郎「だ、だから」 彰利 「だからなにかね!言いたいことがあるならハッキリ言いたまえ!!」 遥一郎「それは」 彰利 「なにかね!私には言えないようなことを影でコソコソ話していたのかね!?」 遥一郎「だからそれはお前が邪魔して」 彰利 「だから!なんだというのかね!     キミの言っていることは私にはさっぱり理解できんよ!     不愉快だ!私はこれで失礼するよ!」 遥一郎「待ちやがれこの野郎」 がしぃっ! 彰利 「なにかねこの手は!離したまえ!無礼ではないか!!」 ベシッ! 遥一郎「いてっ……!」 彰利 「まったく汚らしい!キミはなにかね!?人と話す時の礼儀も知らんのかね!?」 遥一郎「それはお前だろうが!って、触ったとこをハンカチで拭くなよ!     それすごい失礼だぞ!?」 彰利 「たわけ!」 遥一郎「た、たわっ……!?」 彰利 「私のスーツは一着1980円のバーゲンセールで、     人込みに紛れてかっぱらってきた唯一無二の品なのだぞ!     貴様のような庶民が触れていいものではないのだよ!解るかね!?」 遥一郎「……どっちが庶民だよ」 彰利 「貴様だ」 遥一郎「うがぁああっ!キリがないわぁっ!」 がしぃっ! 彰利 「な、なにかね!暴力はやめたまえ!貴様、このスーツが一体いくらすると」 遥一郎「1980円だろうが!」 彰利 「馬鹿め!これは原価こそバーゲンで安値だったが、     私はかっぱらってきたのでタダなのだよ!     フハハ!そんなことも解らなかったのかね!馬鹿め!馬鹿め!」 遥一郎「こ、このっ……!精霊パンチ!」 ぼごぉっ! 彰利 「あ〜ん?蚊でも止まったかね?」 遥一郎「死ねぇえええええっ!!!!」 彰利 「うわっ!うそっ!ごめんなさい!マジで痛いですヤメて!あんた何者!?」 遥一郎「よく覚えておけ!俺は」 彰利 「つけものだ」 遥一郎「………」 彰利 「ブフゥッ!」 遥一郎「うがああああああああああっ!!!!」 彰利 「キャッ……キャーッ!?」 その後、彰利は与一にボコボコにされた。 遥一郎「……精霊の力をナメるな」 そう言った与一の傍らには、ボコボコにされてノビている彰利が。 凍弥 「……何者?」 遥一郎「精霊ってのはな、精神への干渉が得意なんだ。ようするに内面だな。     そこを攻撃されればどんなヤツでも立ってられないってことだよ」 例外はあるけどな、と笑う与一。 ……見えない。 こんな彼が、勉強が得意だった好青年だったなんて。 遥一郎「それにしても……こいつ、現れる度に人のペース狂わせてないか?」 椛  「以前、人をからかうのが生き甲斐よぅ!とまで言ってましたけど」 遥一郎「うあ……」 与一がしこたま呆れた顔をした。 気持ち、解るよ。 遥一郎「ま、まあいい。とにかくこいつは外にでも放り出してなにぃ!?」 与一が驚いた。 なにかと思い、見てみれば……そこに転がっていたのはカーネルサンダースだった。 遥一郎「こんな一瞬で何処に!?」 凍弥 「───!そこだ!」 俺は気配を感じ取って、ヤツの潜伏する場所を指差した。 すると…… 声  「クォックォックォッ……バレてしまっては仕方が無い」 客席の椅子の陰からゴソォと現れるその男。 そいつは 遥一郎「……誰だよ」 おかめ納豆のパッケージに存在する、おたふくさんだった。 ?? 「わたし、おかめ納豆のパッケージに魂が宿って、     現世に災いを齎しにきたチャーミングなキリングボーイ、オタ子よ♪」 椛  「オタクみたいな名前……」 オタ子「や、やかましい!」 遥一郎「一応自覚はあったみたいだな」 オタ子「だ、黙れ!」 凍弥 「それで?その変態おたふく野郎がなんの用だよ」 オタ子「ひどいわ野郎なんて!オタ子は暦としたオナゴよ!?」 凍弥 「キリングボーイって言ったじゃないか」 オタ子「言葉のアヤだ」 凍弥 「そうかオカマか」 オタ子「オカマ言うな!変装姿までオカマだなんて言われたかないわい!」 凍弥 「解った、悪かったよホモ」 オタ子「解ってねぇーーーーっ!!あんた微塵にも解っちゃいねぇよ!」 凍弥 「解ったよオタ子……邪険にして悪かった。     謝罪とともにお願いがあるんだけど……いいかな」 オタ子「まあやさしい人。なに?オタ子に出来ることならなんでもするわ」 凍弥 「今すぐ失せろ」 オタ子「ゲェーッ!!すっげぇ邪険!悪いって思ってないじゃん!」 オタ子が叫んだ。 凍弥 「どうしたオタク」 オタ子「オタ子じゃい!今わざと間違えたでしょ!?」 凍弥 「うるさいな、真面目な話してるんだから別のとこに行ってくれよ」 オタ子「ま、待ってくれ!その話にゃあこの俺も興味あんのよ!     月操力全部持ってるって!?そりゃあ聞かないわけにゃあいくめえよ!」 そう言って、オタ子は体に力を込めた。 椛  「……さっき現れた時、『話が見えない』って言ってましたよね。     まるでさっきまでの話は知らない、って言うかのように」 遥一郎「ようするにウソだったんだろ」 与一が身も蓋も無い結論をズバっと出す中、オタ子が力を解放するように構えた。 オタ子「ハァーッ!!」 カッ! オタ子「やあお待たせ。それじゃあ話し合おうか」 凍弥 「なにをやりたかったんだオタ子」 オタ子「オタ子?はっはっは、何を言ってるのかね。俺様のどこをどう見てオタ子などと」 凍弥 「全部」 オタ子「はっはっは、何を馬鹿なことを」 オタ子が笑いながら、額に手を当てて俯き、更に笑った。 よくある『くだらんジョークだ』とか言うときのアレだ。 オタ子「……あれ?」 ペタペタ。 オタ子「あ、あれ……?」 ペタペタペタ。 オタ子「おたふくのまま!?」 ペタペタとおたふくフェイスを触っていたオタ子が叫んだ。 オタ子「うわぁオタ子じゃん!どうして!?さっき力を解放して微塵にしたと思ったのに!     もしかして愛情と月操力込めて縫い繕ったのが悪かったの!?」 ……馬鹿だ。 なんか改める必要もない筈なのに、改めてしまうほどに自然的な馬鹿だ……。 オタ子「あ、ま、まあ普通に脱ぎゃいいのよね。ふんっ!」 グミミミミ……! オタ子「ぐぎゃああああ!く、首がもげる!」 おたふくの顔が伸び、どうやら中身も伸びたらしい。 オタ子「あ、そ、そうよね。こういうのってまず体の部分から脱ぐのよね」 ゴソゴソ…… オタ子「……あら?チャックがない」 ゴソソ…… オタ子「……いやーん!」 オタ子が叫んだ。 オタ子「そう言えばからかった後にかっこよく破り捨てて登場しようって思ってたから、     チャックなんて付けなかったんだった!」 ……悲惨だ。 涙が出るくらいに悲惨なヤツだ……。 オタ子「うおっ!蒸れる!暑い!喉が乾く!     てゆうかどうして俺ってこんなんばっかり!?」 …………。 遥一郎「話、続けるか」 凍弥 「そう……だな」 椛  「極力賛同します」 俺と与一と朧月は客席に座りなおして息を吐いた。 オタ子「あ、あれ!?ねぇみんな待ってよ!ぼくを助けてよ!とっても苦しいんだ!」 遥一郎「だめだ」 オタ子「慈悲がねぇ!?貴様俺を助けろ!     この俺を時空の覇者、弦月彰利と知っての狼藉か!」 凍弥 「うるせぇぞオタ子。オタ子のくせに何を人様の名前騙ってやがる」 オタ子「オ、オタ子のくせに、って……オタ子が急激に格下扱いに!?」 椛  「うるさいですよ、部屋の隅で納豆でもかき混ぜててください」 オタ子「すげぇ罵り方!てゆうかそれ寂し過ぎ!」 …………無視。 オタ子「ね、ねぇ!ぼくを助けてよ!」 無視。 オタ子「助けろこの野郎!ハゲ!タコ!!」 無視。 オタ子「う、うう……」 無視。 オタ子「もういいやい!貴様らなんかに頼まないもん!     アタイひとりでなんとかしてやる!このクズめ!」 オタ子、逆ギレ。 やがてオタ子は衝撃をもって破壊しようとしたのか、壁へと走っていった。 オタ子「ハイヘヤハイヘヤハイヘヤハイヘヤワンツースリーフォーファーイッ!ハァッ!」 ドゴォーーーーン!!! オタ子「ギャアアアーーーーッ!!!!」 …………どしゃ。 遥一郎「……な、なんか今……危険な角度を首から衝突しなかったか……?」 凍弥 「うわ……体はちゃんと倒れてるのに首だけ変な方向に……」 椛  「……自業自得でしょう」 なんにせよ静かになりました。 一応結果オーライ? オタ子「ムンム〜ン♪ム〜レム〜レわ〜きの〜下〜♪     ムンムンム〜レム〜レ胸の谷〜♪」 ボギャアッ! オタ子「ぐわぁああーーーっ!!!」 オタ子の熱唱はあっさりと与一の蹴りによって中断させられた。 オタ子「な、なにすんのよ!舌噛んじゃったじゃないの!オタ子プンプンよ!?」 既にオタ子として君臨することを決めたのか……どうやらヤケクソになったようだな。 遥一郎「凍弥、ちょっと縄持ってきてくれ」 凍弥 「え?ああ、いいけど」 オタ子「ええ!?縄!?オタ子、そんなプレイ初めて!」 ゴシャア! オタ子「ギャア!」 遥一郎「頼むから黙ってろ……」 オタ子「オタ子負けない!」 遥一郎「俺が許す。負けろ。てゆうか負けてくれ」 オタ子「わぁ、お願いされちゃった。でもオタ子、死んでも負けてあげない。     こうすることによって、     相手はオタ子が気になって気になってどうしようもなくなって、     いつしかふたりはフォーリンラブ」 ボギャア! オタ子「ダニーッ!?」 遥一郎「黙れっての!」 凍弥 「ほい縄。どうすんのさ、これ」 遥一郎「猿ぐつわの要領だ。黙らせる」 凍弥 「ああ、なるほど」 与一が縄をオタ子のフェイスに巻きつけようとする。 が、どこが口なのか解らずに手探りで探してゴリッ! 遥一郎「いてぇ!!」 ボゴォッ! オタ子「ギャッ!」 どうやら噛まれたらしい。 オタ子「縛るがいいさ!でもぼくは屈服しないぞ!堪えてみせるぞ!     ぼくは誓う!たとえこの身が痛めつけられようとも、ぼくは倒れない!」 ぐるぐる……きゅっ。 オタ子「オグオ!?」 喋っているうちに、縄は結ばれた。 噛まれた時には口の場所は理解出来ていたのだろう。 遥一郎「じゃ、話を戻すけど」 オタ子「オグォオオ!ゴボ!ボグゴゴゴ……!」 遥一郎「うるさいぞオタ子、観念して黙ってろ」 オタ子「オゴォアーーーッ!!」 めげないヤツだ。 どうやら『屈服しない』という誓いを果たしたいらしい。 オタ子「……………………」 ゴトッ。 凍弥 「あ」 オタ子、転倒。 オタ子の『倒れない』という誓いはあっさりと幕を閉じた。 遥一郎「うわっ!?縛る場所間違えた!思いっきり首締めてた!」 ……もはや何も言うまい。 凍弥 「つまりさ。俺には前世の記憶があって、飛鳥……楓巫女の記憶も多少ある。     神の子の能力と月操力は飛鳥が死ぬ時に譲り受けたものだ。     反発作用が出ないのは、奇跡の魔法のおかげだそうだ。     神の子である楓はそのことを知って、     いつかその魔法を宿すことを願いながら転生を続けてたみたいだ」 遥一郎「あ〜……聞けば聞くほどしっちゃかめっちゃかだな……」 俺の頭の中でも結構こんがらがってるし。 椛  「それで、あの……月蝕力もあるんですか?」 凍弥 「月蝕……月を蝕む力だな?んー……」 思考を回転してみる。 だが…… 凍弥 「……ありゃ?無いみたいだ。他のやつはあるのに」 椛  「どうしてでしょうね……」 オタ子「そんなの貴様に才能がねぇからに決まってんでしょうクズが」 遥一郎「嫉妬すんなオタ子」 オタ子「けっ、けっ。貰いモンの力でウカレおってからに。     アタイみたいに雄々しく開花させてみせろってんじゃい」 遥一郎「リヴァイアに転移の式を貰ってたの、誰だったっけなぁ……」 オタ子「………」 オタ子が部屋の隅で納豆をかき混ぜ始めた。 よほどショックだったらしい。 再びの墓穴だ。 オタ子「練る練る練るネは……クォックォックォッ……!     練れば練るほど糸が増えて……納豆のタレをかけて……」 ベチョリ。 オタ子「食えねぇ!」 パーパッパラー♪ オタ子「お決まりの音楽まで鳴らして、なんという無様な……。     ところで、ねるねるねるネのCMが変わったことに怒りと落胆を覚えたの、     絶対アタイだけじゃねぇぜ?     それとアニメのオープニングソングとかがラップ調的な歌なのって勘弁ノリスケ。     アニメっぽくないじゃん全然。     そういうのはアレです、実写ドラマかなんかでやってください」 遥一郎「なんの話だ」 オタ子「あ、これはこれは失礼。アタイの時代の話なんザマスがね?     『超合金腕アトミック』のオープニングテーマがアニメっぽくないんですよ。     あたしゃアレがショックでしてねぇ」 遥一郎「よく解らんが」 オタ子「アタイの高度な知識に付いてこれんかったか。     ま、解る解る。所詮凡人には理解出来ぬ知識ぞ」 遥一郎「納豆臭いから寄るな」 オタ子「ギャア!?ナチュラルディスリガード!?しかも納豆臭いとな!?     ……ああ、そういえばさっき着ぐるみ越しだったから食えなかったんだっけ」 遥一郎「よーし、さっさと話の続きをしよう」 オタ子「イヤァかまってーっ!暇なのよアタイ!」 遥一郎「外でランニングでもしてこい。そもそも不法侵入だぞお前」 オタ子「アンローフルインヴェイジョン」 遥一郎「どうでもよくないからとっとと失せろ」 オタ子「グウウ……ムムウ……!覚えてろこのハゲー!!」 ああ、オタ子が逃げドバァアン!! オタ子「ギャーーーーッ!!!!」 出ていった途端、車に轢かれた。 遥一郎「……現れると車に轢かれるなぁ、あいつ……」 凍弥 「普通ならもっと慌てるところだと思うけど」 椛  「構いません。どうせすぐ復活します」 常識を超えていることが当然となっている人も珍しい。 凍弥 「じゃ、話を戻しますか」 遥一郎「だな。起きあがって元気に走っていったことだし」 椛  「ですね……」 再び客席に着いた時、俺達はそれはもう深い溜め息を吐いた。 ドゴーン!ドゴーン! 浩介 「はぁっ!はぁっ……!は、……ハラ減ったぞブラザー!!」 浩之 「それは我のセリフだブラザー!ええい鈴訊庵はまだか!」 昨日から跳ね続けている我らは、それはもう息も絶え絶えだった。 学校で教師に追われ、それから逃げるために全力を発揮しすぎてしまったのだ。 ジャンプしたところで、昨日のようには跳べない。 言うまでも無く、我らはまだ保健室ご用達のベッドに縛られた状態にある。 浩介 「頑張れブラザー……!!あと……あと少しぞ……!」 浩之 「お、おうともさ……!」 ドゴーン!どごーん! ジャンプ自体は大したことはないのだが、ベッドというものは重いものである。 小さなジャンプでさえドゴンドゴンと音を奏でる。 浩介 「……おお!あれに見えるは鈴訊庵!ブラザー、とうとうやったぞ!」 浩之 「おうともブラザー!さあ食と自由を堪能する憩いの場へ!」 浩介 「憩いの場へ!」 ドゴーン!ドゴーン!ドバァアン!! ???「ギャーーーーッ!!!!」 浩介 「ぬおっ!?」 鈴訊庵から出てきた謎のビッグフェイスが車に轢かれた。 素晴らしいほどに高速回転をして、空中を漂い……やがてゴシャアと落下。 およそ人とは思えないその物体からは、何故か緑色の汁がコポコポと流れてくる。 こ、これが噂に聞くUMA……!? 運転手「ひ、ひぃい……警察沙汰はごめんだ……!とんずらぁーーっ!!」 ギョキキキィッ!ブォオオオオオオオン……!! 車の主は素晴らしい速さで逃走。 しかし ???「こんの……クソジャリがぁああああああっ!!」 おたふくヅラをしたUMAが起き上がり、 これもまた喩えようの無い速さで車を追っていった。 浩介 「………」 浩之 「………」 しばらくして炸裂音。 天空に火花と煙とおたふくUMAが吹き飛ぶ中、 我は合掌したのちに鈴訊庵に侵入することにしたのだった。 凍弥 「……お前らさ、一体どんな面白いことしたらそんな格好になるんだ?」 目の前に聳え立つベッド星人ふたりに言う。 浩介 「これは佐古田好恵の陰謀だ。我らの所為ではないわ、たわけが」 浩之 「その通りだ。だからこれを解いてくれ。そして我らに食事を。     昨日から何も食してないのだ」 凍弥 「………」 はぁ。 溜め息を吐いて、縄にカッターを通した。 すると縄はあっさりと切れ、志摩兄弟は解放された。 凍弥 「与一、料理何か頼んでいいかな」 遥一郎「それはいいが……いいのか?話を中断することになるが」 凍弥 「いいよ。話も大事だけど、友達は無二だから」 遥一郎「……まあ、いいさ。じゃあちょっと早い夕食といこうか」 志摩 『オォオオッス!!』 志摩兄弟は雄々しく猛った。 その叫びとともに鳴り響く腹の音が、 猛禽類の雄叫びのソレと酷似していたのは別の話である。 Next Menu back