───夜華さん、倒れる───
───……。 彰利 「たのもぉーーーっ!!」 そして晦神社。 母家には居なかったから、多分ここに居る筈だ。 彰利 「たのもぉーーーっ!!」 ………………。 彰利 「…………道場破りじゃぁーーーっ!!勝負せぇーーーっ!!」 夜華 「なにぃっ!?わたし相手に道場破りとはいい度胸───って、なんだ彰衛門か」 道場破りの言葉に反応するなんて……さすがだ夜華さん。 キーホルダーの件も落ち付いたし、今の夜華さんには落ち込んだ様子など……あった。 彰利 「……なんですかその疲れたような溜め息と落胆」 夜華 「疲れているんだ、実際」 彰利 「お〜っ!?なんじゃコラ!わりゃわりゃ〜〜っ!!     まるで俺の相手をするのが疲れるみてぇなものの言い方じゃねぇか〜〜っ!!」 夜華 「そうだと言っている」 彰利 「へへーーん!言われてねーもん!やーい夜華さんの痴呆症〜っ!!」 夜華 「…………だから疲れるんだ、構うな」 彰利 「む?」 あらやだ、ほんとにお疲れ? 彰利 「どうした相棒!何があった!?やったのは誰だ!」 夜華 「貴様の相棒になった覚えはない……」 彰利 「あっはっはっは、やだなぁ夜華さんたら。     一緒にあんなに悠介を笑わせたパートナーじゃないかっ!」 夜華 「ぱーとなーだかなんだか知らないが、貴様の相手を出来るほどに余裕がない。     少しほっといてくれ……」 彰利 「むぐおお……!!」 どうしたというのだっ……! 一体っ……!なにがっ……!なにが起きたっ……!? 彰利 「などどカイジやってる場合じゃないよね」 さて考えよう。 彰利 「………………あー!」 夜華 「なんだ……うるさいぞ、いちいち……」 彰利 「あれだね!?おなごならば月に一度はくるってゆう……通称『あの日』!」 夜華 「───……」 あ、ビクンって肩が撥ねた。 しかも夜華さんの周囲の景色だけがグニイイと曲がって……あれ? もしかして図星?そしてやばい?地雷踏んだ? 夜華 「き、ききききさまはぁああ……!!どうしてそう……!!」 彰利 「ご、ごめん!デリカシーがなかったね!よし、今日は赤飯だ!!」 次の瞬間、アタイの目の前に拳が飛んできました。 彰利 「ぶへっ!ぶへへっ!ぐあ……歯が折れた……!」 夜華 「う、うぐぐ……!気持ち悪い……!」 アタイを散々殴った所為で、夜華さんはもうフラフラだ。 彰利 「だがこれで夜華さんの狂言は実証されたわけだ。     経験豊富ってのはウソだったんだね夜華さん!」 夜華 「あれはきっちりと否定しただろう……!!うぅ……っ」 彰利 「ほっほっほ、ザマァないな夜華さん!     今の貴様なぞ、指先ひとつでどうにでも出来るわ!」 夜華 「〜〜っ……!ぐ……だ、だめだ……もう貴様と話している余裕などない……!     用がないなら帰ってくれ……ほんとに辛いんだぞ……」 彰利 「いえいえ、こげな夜華さんをひとり放っておける、この彰衛門か。     任せなさい、現代医学の恐怖、思い知らせてくれる!」 夜華 「ば、馬鹿か貴様は……!恐怖させてどうするんだ……!」 彰利 「軽い冗談ですじゃ。というわけで、よかですね?」 夜華 「ほんとに直るんだろうな……」 彰利 「まーかせて」 ………………。 …………トントントン、トントン……トントントントントン。 夜華 「なぁ、彰衛門……」 彰利 「んー?なにかな」 夜華 「これはその、ほんとに……効くのか?」 彰利 「ふむ、えーと……」 トントントントントント…… 彰利 「ハッ!しまった!旋毛(つむじ)を押すとなるのは下痢だった!」 その瞬間、夜華さんの頭がドアップになってコパキャアッ!! ───……。 彰利 「いてぇ〜〜っ!いてぇよォオオ〜〜〜っ!!」 鼻が折れてしまった。 夜華さんの痛恨の頭突きが決まった証拠だ。 彰利 「いてぇよォオオ〜〜〜〜ッ!!!」 夜華 「う、うるさい、黙れ……!!     ただでさえ辛いというのに、貴様のやかましい声を聞くと余計に辛い……!」 彰利 「夜華さんが頭突きなんてするからでしょうが!!」 夜華 「黙れと言っている……!大体貴様、ここに何の用があって来たんだ……!     別の用があるならわたしに構うな……!!」 彰利 「むー、でもね夜華さん?     アタイは親しい人を見捨ててとんずらする趣味はないよ?」 夜華 「いっつも人を盾にして逃げようとしているのは誰だ……」 彰利 「夜華さん」 夜華 「お前だっ!!───ぐ、ううう……!!」 うーむ、ほんとに辛そうだ。 彰利 「しかしこう見ると、まるで二日酔いをした酔っ払いみたいだな」 夜華 「うるさいっ……!」 彰利 「ままま、夜華さん落ち着いて。えーと……月清力」 月清力を発動させて、夜華さんに流す。 夜華 「……?少し、楽になった……」 彰利 「悪いね夜華さん。その辛さは男には解らんのだろうからさ。     でもまあ、軽減してやることくらいは出来ると思うんで。     また辛くなったら言っておくれ?」 夜華 「……最初から素直にこうしてくれたら、少しは感謝をしたものを……」 彰利 「感謝されるより騒ぐことの方が好きな性質でして」 人をからかうのはやめられません。 彰利 「でももう大丈夫ですな?親しい人が苦しんでるのってほっとけないからさ」 夜華 「……ああ。大分楽になった」 彰利 「うむうむ。そんでちょっと訊きたいんだけどさ。     ルナっち見なかった?重大な用があるんだけど」 夜華 「悠介殿の生涯の伴侶の方か。あの方なら滝の方で見たが」 彰利 「ふむ、滝ですな?了解了解」 夜華 「………………さっさと行け」 彰利 「……あら?夜華さん、顔色悪いよ?」 夜華 「うるさい、早く行け」 むう、もしや無理してた? 彰利 「夜華さん、無理はいかんでしょ!どうしてウソなんてついたの!!」 夜華 「う、うるさい!これはそういうものなんだ!     貴様の『能力』がどんな効果があるとしても、これはそういうものなんだ!     だからわたしには構うな───うぅぅ……?」 ぼてっ。 彰利 「ややっ!?夜華さぁーーーん!!」 ギャア!夜華さんが倒れた!! 恐るべし貧血パワー!? 彰利 「あわわ、どうしよう……!月操力が効かんとなると……!!     グ、グムーーーッ!!どうすることもできーーーん!!」 い、いかーーーん!! 最近月操力に頼ってばっかだったから、 こういう時ってどうすりゃいいか解らーーーん!! しかも『コレ』がどういう苦しみなのかも解らんし……!! 彰利 「誰かおなごに訊くしかあるまい……!して、誰がよいか……!!」 エイィ!!ここでじっとしてても仕方ない!! まずはルナっちを探して訊いてみよう! ───……。 ルナっちは滝壷の上の方に浮きながら、その澄んだ空気を吸っていた。 アタイはアタイの声を無視し続けるルナっちに石を投擲してボコボコにされた。 ───……。 彰利 「なんばすっとよ!あんたが無視すんのが悪いんでないの!!」 ルナ 「だからって普通、石投げる!?痛かったんだからねっ!?」 彰利 「絶対俺の方が痛かったわい!!貴様の痛みくらいなんぼのもんじゃい!!」 ルナ 「うるさいわね!せっかくいい気分で心が落ち着いてたのに!     なんの用なのよ!ホモっちのくせにわたしに話し掛けるなんて!」 彰利 「なにかねその態度は!!それが人にものを訊く態度なのかね!?」 ルナ 「ホモっちに言われたくないわよ!」 彰利 「いい加減ホモっちやめてよもう!!」 い、いや!今はそれよりも夜華さんを! 彰利 「ル、ルナっち!一生のお願いだ!!     どうしても知らなきゃいけないことがあるんよ!!」 ルナ 「え……?」 アタイの真剣さが通じたのか、ルナっちは真面目な顔でアタイを見た。 ルナ 「……悠介の友達だし、ゼノに勝てたのもホモっちが居たからだし、ね。     いいわ、なんでも訊いて」 彰利 「ルナっち……てめぇってヤツは……!」 ルナ 「『てめぇ』って……ねぇホモっち?真面目に訊く気あるの?」 彰利 「超絶に!!」 ルナ 「………」 彰利 「なんだコラその『早まったかな』ってツラは」 ルナ 「ホモっちの言葉通りよ……」 ひでぇ、あんまりだ。 だが訊きたいことがあるのは事実ですし。 彰利 「んじゃ、訊いておくれルナっち」 ルナ 「……ええ。上手くノセられた気もするけど、二言は無いから」 彰利 「おお!漢だねぇ!」 刹那、アタイの顔面目掛けて拳が飛んできた。 彰利 「うげっ!ぶげっ!ぶふへはぁっ!」 鼻が殴り潰された。 ひでぇ……鼻がぐちゃぐちゃだ……! 血が……止まらねぇさ……! ルナ 「誰が漢よ……!」 彰利 「い、いや……よく言うじゃないですか、『男に二言はない』って……。     ルナっちがキッパリと『二言は無いから』って言うもんですから、     つい言っちゃっただけなんですけど……」 鼻からチュー……!と血が出てる。 ティッシュごときじゃ間に合わない。 ルナ 「……あのさ、まず気持ち悪いからさっさと治してよね」 彰利 「あんさんが殴ったんでしょ!?」 なにこの人!最低YO!! まあ治しますけどね? 砕けた鼻に月生力を流して、鼻を治す。 彰利 「よっしゃ完治!というわけでルナっち!本題に入らせてもらうぞ!」 ルナ 「余計なことを言わなければ、血なんて流さずに済んだと思うけど」 彰利 「あんさんが我慢することを知ってれば俺も血を流さずに済んだわ!!」 ルナ 「あーはいはい。さっさと言ってよ、何が知りたいの?」 彰利 「……てめぇ、さっさと解放されたいって思ってるだろ」 ルナ 「ホモっちにしては察しがいいじゃない」 彰利 「俺の察しの良さは常時ですよ?今頃気づいたのかカスが」 刹那、視界が拳でいっぱいになった。 ───……。 彰利 「あぁ〜〜〜っ……!!目がぁ〜〜っ……目がぁ〜〜〜っ……!!」 ルナっちによって、アタイの両目が殴りつけられた。 あまりの大激痛に目が開けない。 ルナ 「……はぁ。夜華の苦労がよく解ったわ……。     カスにカスって言われることほどムカツクことはないからね……」 彰利 「目がぁ〜〜〜……目がぁぁああ〜〜〜〜〜……」 目の部分を押さえると、ぬるりとした感触。 彰利 「ひっ!?ち、血ィーーーーッ!!!?」 ルナ 「涙が出てるだけよ」 彰利 「あ、あらそうなの?よかった安心」 でも相変わらず目は開けませんけど…… 彰利 「目がぁ〜〜〜……目がぁ〜〜〜……」 ルナ 「遊んでないで治しなさいよ」 彰利 「言う前にまず殴るのをやめましょうよ!!」 ルナ 「ならホモっちも不用意なことを言わないこと。いい?」 彰利 「御意」 ルナ 「どういう返事よ、まったく……」 ルナっちの言葉を耳にしながら、目に月生力を流して開く。 ああ、景色が見えるってステキ。 彰利 「じゃ、今度こそちゃんと訊くザマス」 ルナ 「ん、どうぞ」 彰利 「あのさ、ルナっち。……生理って、どんな感じ?」 ───訊いた刹那、阿修羅面(怒り)でボコボコにされ、滝壷に捨てられた。 彰利 「いででででで……ヘェエエエックシ!!!いたやぁーーーっ!!!!」 体中が大激痛な上、体が冷えた所為でくしゃみが出て、その衝撃でさらに痛い。 彰利 「うう、畜生……!なにもここまですることないじゃないか……。     あぁあ……いででで……!!一挙一動が体を蝕んでいるようじゃわい……!!」 とりあえず滝壷から上がり、文句を言おうとルナっちを探す。 が…… 彰利 「なんと!ルナっちがおらん!」 野郎!逃げやがった!! 彰利 「フッ……俺の恐ろしさに尻尾を巻いて逃げおったか……」 ……カー。 彰利 「なに鳴いてんだカラスこの野郎!!     てめぇに鳴かれるとアタイの言葉がすげぇ虚しく聞こえるじゃねぇか!!」 ……………………。 ごめんなさい、鳴こうが鳴くまいが、すっげぇ虚しいです。 彰利 「てゆうか、ルナっちを小僧のもとに連れ出さなきゃならんかったのに……」 思いっきり忘れてました。 あの怒りはどこへ行ったやら……まあまずは夜華さんだ! こうなったらおなごの知人に手当たり次第訊いてやる!! ───というわけで、レイヴナスカンパニーに来ました。 さっそくおなご歴を100超えてそうなオチットさんを捕まえて質問。 彰利 「生理ってどんなのなん?」 チット「まあまあ!女性にそれを訊くのは無礼というものですよ!修正!!」 ボゴシャア!! 彰利 「ギャアアーーーーッ!!!」 ─── 彰利 「そこのガール!生理ってどんなのなん!?」 シルフ「な、なんてこと訊くんですかっ!!」 メゴシャア!! 彰利 「ギャアアーーーーッ!!!!」 ─── 彰利 「───あ!訊いてよメイさーーーん!!     久々に来たのにみんながボクをグーで殴るんだーーーっ!!」 メイ 「彰利さま……?どうかなさったんですか?」 彰利 「ひどいと思わない!?俺、ただ知りたいことがあっただけなのに!」 メイ 「……彰利さま、まずは落ち着いてください。     そして……よろしければ、わたしにそれを訊いてください。     答えられることでしたら、お答えいたしますから」 彰利 「お、おお……!やっぱりメイさんは他のおなごとは違うぜ!!     じゃ、じゃあ訊いてメイさん!」 メイ 「はい」 彰利 「生理ってなに!?どんなもんなの!?」 メイ 「───……」 急に笑顔が凍りついたような顔のメイさんが、傍に垂れていた縄を引いた。 ガコォッ!! 刹那、床が割れて───アタイは落下した。 彰利 「あらっ!?ア、アレェエーーーーーーーーーーー……………………───」 ああ、初めてみたな、メイさんの怒り顔……。 訊かれたことには答える義務があるとか言ってたのに、ヒドイや……。 ───…………。 ふと目覚めるとアタイは、闇よりも深い地の底の底の獄、地下労働施設に居たっ……! 彰利 「ああっ……!それにしても金が欲しいっ……!!」 ざわ…… ……などとカイジやってる場合じゃなくて。 彰利 「随分と落下時間が長かった気がするけど……むう。     あの屋敷の地下にこげなところがあったとは」 それよりもメイさんに落とされたってのがショックだけど。 ま、斜面になっててよかった。 普通に落ちてたら投身自殺も真っ青なスプラッタ劇場になってただろうなぁ。 彰利 「さて、どうしたもんかな」 見たところ、拷問室ってわけでもないらしい。 てゆうか……普通の部屋だ。 ちゃんと電気も通ってるみたいだし。 彰利 「…………?」 謎だ。 彰利 「……さっさと出るか」 さて出口はっと……あった。 部屋はそう広くないもので、すぐに扉も見つかった。 てゆうか……なにこれ、エレベーターじゃないか。 声  「いらっしゃいませ〜、反省室へようこそ〜」 彰利 「むむっ!?」 誰ぞ!? てゆうかなに!?この緊張感のない間延びした声!! 何処!?どこぞ!?───って、居た。 床に正座してる所為で見えなかった。 彰利 「な、なにーーーっ!?お、お前はーーーっ!!」 おなご「はぅ……?どこかでお会いしましたっけ〜……」 彰利 「ど、独眼鉄ーーーっ!!」 おなご「わたし、独眼鉄ではありませんよ〜?バク転も出来ませんし〜」 正座をしていたおなごさんが言う。 てゆうか……この時代で、この若さで男塾を知ってるとは……マニア!? おなご「わたし、反省室の主、南城菜苗と申します〜」(ペコリ) 彰利 「ギャア!?」 土・下・座!?OH!あの最低の謝り方ネ! ……ってなんだ、挨拶か。 ならば応えねばなるまい。 彰利 「拙者、盾男でダテ男でイブシギンなナイスガイ、弦月彰利と申す者。     以後、よろしくお願いしマッスル」 菜苗 「はい〜、よろしくお願いしマッスル〜」 彰利 「………」 やべぇ、ノリいいよこの娘。 菜苗 「パールさんが好きなのですね〜」 彰利 「いや、別に……言ってみたかっただけだから」 菜苗 「そうですか〜。では〜、罰を与えますね〜」 彰利 「……へっ!?ば、罰!?」 いきなりなんすかっ!? 菜苗 「とぼけようとしたって無駄なのですよ〜?     この反省室に落とされたということは〜、     あのメイさんに落とされたということなのですから〜。     あのメイさんが落とすだなんて、よっぽどの悪人さんに違いないのです〜」 彰利 「いや、あの……俺、これでも夜華さんのために……」 菜苗 「問答無用なのです〜。では、罰を与えますです〜」 彰利 「………」 まいったのう……。 まあいい、罰がどんなものなのかは知らんが、さっさと終わらせてもらおう。 菜苗 「罰は〜……わたしとオセロをすることです〜」 彰利 「……へ?オ、オセロ?」 菜苗 「そうなのです〜。     わたしに勝てなければ、エレベーターの鍵は渡せないのです〜」 彰利 「………」 な、なんだ、なにかと思えばそげなことか。 どう見えるかは不問にするが、こう見えてもアタイはオセロ魔人よ。 おなごなぞ、ちょちょいのちょいぞ!?うはははははは!! ───……パタ。 彰利 「………」 菜苗 「勝ちました〜」 強ぇ……めっちゃ強ぇ……。 盤面の全てが真っ白に染まってしまった……。 彰利 「も、もういっちょ!」 菜苗 「はい〜、何度でもお相手するのです〜」 ───……パタ。 彰利 「………」 菜苗 「勝ちました〜」 彰利 「さ、さて……そろそろ本気を出すかな……は、はははは……」 菜苗 「はい〜、存分に本気を出してくださいませ〜」 ───……パタ。 彰利 「………」 菜苗 「勝ちました〜」 彰利 「…………………」 強ぇ……こいつ強ぇよ……!! 菜苗 「もう一度、やりますか〜?」 彰利 「う、ぐむむ……!勝負方法の変更を要求する!」 菜苗 「はい、なにで勝負いたしましょう〜」 彰利 「ジャンケンあっち向いてホイ・デコピン大戦!」 菜苗 「解りました〜」 ───……。 彰利 「ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!     ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!     ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!     ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!     ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!     ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!ジャンケンホイ!あっちむいてホイ!     ジャンケンホイ!あっちむいて───うがああああああああっ!!!!!!」 菜苗 「どうなさいました〜?」 なにこの娘ッ子!! ジャンケンめっぽう弱いのに絶対に負けが無ぇ!! 尽く指差した方向とは別の方を見るし!! 彰利 「ダメ!これはダメだ!!トランプある!?」 菜苗 「はい〜、なんでもありますよ〜」 彰利 「よっしゃあババ抜きだ!!イカサマされちゃあ困るから、シャッフルは俺ね?」 菜苗 「はい〜、どうぞ〜」 ───……。 菜苗 「終わりました〜」 彰利 「……マジすか」 配った途端に勝負がついた。 同じ札はさっさと捨てられ、俺の手元にジョーカーだけが残った。 彰利 「し、神経衰弱だ!何を隠そう、俺は神経衰弱のプロだぁーーーっ!!!」 菜苗 「はい〜」 ───……パタ。 菜苗 「終わりました〜」 彰利 「あの……俺、一度もめくってないんですけど……」 娘ッ子、最初の一番手で全部当てちゃった……。 彰利 「ポーカーで勝負だ!」 菜苗 「はい〜」 ───…… 彰利 「どうだっ!ストレートフラッシュ!!」 菜苗 「ロイヤルストレートフラッシュです〜」 彰利 「ギャアアアアアア!!!!くそう!ブラックジャックで勝負だぁっ!!」 ───…… 彰利 「どうだっ!!20だ!」 菜苗 「ブラックジャックです〜」 彰利 「ゲゲェエーーーーッ!!!くそう!スピードで勝負だぁっ!!」 ───…… 目の前に二枚の札を置き、高スピードで札を重ねてゆく。 いわゆる、スピードというゲーム。 彰利 「はいはいはいはいはいはいはいはいぃいっ!!どうじゃあっ!!」 手持ちの札を全て叩きつけ、アタイは一息! 菜苗 「二番目に置いた札、数が合ってませんでしたよ〜」 彰利 「なんと!?む、むむむ……ギャアほんとだ!!くそ!やりなおしか!」 菜苗 「はい〜、あがりました〜」 彰利 「ギャアアーーーーーッ!!!!くそう!麻雀で勝負だぁっ!!」 菜苗 「はい〜」 ───……。 菜苗 「あがりました〜」 彰利 「へっ!?」 牌を配った途端、娘ッ子がそう言った。 そして、打つ前にあがる役っていったらアレしかないわけで…… 彰利 「ムガァーーーッ!!!次だ次!!ダーツで得点勝負だ!」 菜苗 「はい〜」 ─── ルールは至って簡単。 3つのダーツを投げて、その点数の合計で競うだけ。 彰利 「ほぅりゃあっ!そりゃあっ!せりゃあぁっ!!」 ───……タァン!トタァン!コタァン!! 彰利 「うっしゃあ!高得点!」 ダーツには自信があった。 こういう遊びって結構やってるしね。 菜苗 「菜苗、いきます〜」 彰利 「ほっほっほ、嬢ちゃんのようなおなごに出来るかのぅ」 菜苗 「たぁ〜っ」 へろへろへろ〜……トタン。 菜苗 「たぁ〜〜っ」 へろへろへろ〜……トタン。 菜苗 「たぁ〜〜〜っ」 へろへろへろ〜……トタン。 菜苗 「あら〜、全部ド真ん中ですね〜」 彰利 「ギャアーーーッ!!つ、次だ次!!将棋でいこう!」 菜苗 「はい〜」 ───…… 菜苗 「む、むむむ〜……なかなかやりますね〜」 彰利 「フッ……悠介と相手をしてたおかげで、これにはまあまあ自信があるしね」 パチン…… 彰利 「む、そうくるか」 パチン…… 菜苗 「これは〜……危険です〜……」 パチン…… 彰利 「フッ!もらった!飛車取り!!」 パチン。 菜苗 「王手なのです〜」 彰利 「ギャアアーーーーーーーーーッ!!!!!」 飛車は囮だったのね…… 彰利 「次ーーッ!!次次次次次次ィーーーーッ!!碁だ!碁をやろう!!」 菜苗 「はい〜」 彰利 「フハハハハ!!何故今まで碁を出さなかったかというとだなーーーっ!!     俺の最も得意とするものは囲碁だからだーーーっ!!     これで貴様も俺に負けることになるのだ!!ふはははははは!!」 ───……パチン。 彰利 「ありません……」 開始5分も経たずに惨敗。 すげぇ強ぇ……。 菜苗 「碁は一番得意ですから〜」 彰利 「う、うぐっ……うぐぐ……」 やべぇよ……この娘ッ子、遊びの天才だ……! このままじゃこの部屋から出れないじゃん……! 彰利 「こうなったらとことん勝負じゃああああああああ!!!」 菜苗 「はい〜、お相手しますよ〜」 ───……………… Next Menu back