───腐敗州倒壊城主ダルメシアン・カンタロス───
───……ズズ……! 彰利 「真紅眼の黒竜(レッドアイズブラックドラゴン)の攻撃!黒炎弾!アックスレイダー撃破!!」 冠太郎「ぐわあああああ!!!」 注文を終えたアタイとカンタロスは、 暇だったから遊戯王デュエルモンスターズをやっていた。 悠介とリヴァっちの協力の元に創造開発したデュエルディスクだから、 ちゃんとモンスターが立体化されるスグレモノです! 冠太郎「俺のターン……ビッグシールドガードナーを守備表示にして、     さらにリバースカードを置いてターン終了……」 彰利 「ぬう……!」 ビッグシールドガードナー……ヤツの守備能力は侮れん……! ザコどもを向かわせたら、こっちのライフが削られてしまうわ。 だがアタイに後退の文字は無い!多分! 彰利 「魔法カード発動!突撃指令!!」 冠太郎「なにっ!?」 これで守備表示のカードは攻撃表示になる! 彰利 「さらにレッドアイズの攻撃!黒炎弾!」 冠太郎「かかったな!リバースカードオープン!ミラーフォース!     これでお前の攻撃を跳ね返す!」 彰利 「ゲゲェーーーッ!!」 ドゴォオオン!! 彰利 「おわぁーーっ!!レッドアイズがぁーーっ!!」 冠太郎「俺のターン!砦を守る翼竜を攻撃表示にして設置!     ビッグシールドガードナーとともにダイレクトアタック!!」 ズバァッ!! 彰利 「ごわぁああああ!!!」 ……ライフ0。 アタイの負けだ……。 彰利 「フッ……流石だ殿……。伊達に頭を輝かせちゃいないな……」 冠太郎「それはもう忘れろっ!!」 しかし、意外にもカンタロスは中々のゲーム好きだった。 まさか遊戯王を知っているとは思わなんだ。 おなご「あの……店内でそのようなことをされては……」 彰利 「なにを申される!殿が暇だと申されたのだから仕方なかろうモン!     俺への文句は殿に言え!」 冠太郎「いきなり俺の所為かよ!!」 おなご「め、迷惑です!出て行ってください!」 彰利 「そうだ出てけカスが!」 冠太郎「俺を固定目標にするのヤメろ!!」 おなご「ふたりともですっ!!出て行きなさい!!」 冠太郎「なっ……お、俺は剣」 マキィン! Akitoshiの不意打ち!! ジョパァン!! 冠太郎「オギャーーーッ!!」 ウェイトレスのおなごに向き直り、アタイに背を向けたカンタロスへ不意打ち一閃。 クリティカルとDEXボーナス修正の威力を見よ! ……ドサッ。 彰利 「ややっ!?」 Kantarosは、Akitoshiに倒された……。 彰利 「ゲゲェエーーーッ!!!」 なんと!カンタロスが戦闘不能状態に!! 彰利 「と、殿が倒れたァーーッ!!おのれ貴様!料理に毒物を入れたな!?」 おなご「そんなっ!まだ料理も運んできてないのに!」 彰利 「そうでした。……ということはお冷に毒物を!?」 おなご「あなたが思いっきり殴ったんでしょう!?」 彰利 「無礼者!家臣であるアタイが殿にそげなことするわけねぇでしょうが!」 おなご「さ、叫ばないでください!迷惑です!今すぐ───出ていってください!」 彰利 「む!?退去命令かね!     ならば───殿の知り合いである『美和』というおなごを献上しなされ!     さすれば退こう!!」 店長 「どうぞ」 美和 「ええっ!?て、店長!?」 店長がシュゴオと現れ、美和っちを献上した。 彰利 「ウム!ではさらばじゃあーーーっ!!」 アタイは殿と美和っちを担いで、喫茶から逃げ出したのであった───。 ───……。 冠太郎「勢いとはいえ……とんでもない生き恥をさらしちまった……」 彰利 「そんな格好しといて、まださらせる恥があったんだな……」 冠太郎「やかましい!!」 さて、カンタロスと美和っちを強奪(?)してきたアタイは、 目覚めたカンタロスと攫ってきた美和っちとともに路頭を彷徨っていた。 冠太郎「いい加減これ、外せよ」 カンタロスがヅラを指差して言う。 しかしそげなことをしては殿の威厳が皆無である。 彰利 「日本人でありながら黒髪を捨てた貴様にはそれがお似合いさ!」 冠太郎「てめぇ……」 美和 「そういえば冠くん、髪の毛染めちゃったんだね……」 彰利 「お、そうそう、それじゃよ。     のう村娘よ。そのカンムリクンとはなんのことぞね?」 美和 「え?なにって……」 冠太郎「冠 太郎。俺の本名だ」 彰利 「なんと……カンムリ、タロウという名前なのか……。     俺ゃてっきりカンタロスかと……」 冠太郎「そりゃお前が勝手に言ってるだけだろがっ!!」 彰利 「まあややこしいからカンタロスでいいか。幸い、誰も困らない」 冠太郎「俺が困るわぁーーっ!!」 相変わらずよく叫ぶ殿ぞ。 もしかして馬鹿なのか? 彰利 「この馬鹿殿が……」 冠太郎「いきなりヒドイ言い様!?お、お前失礼だぞ!     ほんとに礼を失ってるヤツなんて初めて見たぞ!?」 彰利 「よく言われる」 冠太郎「いっ……言われんなァーーッ!!どういう生き方しとんじゃあーーっ!!」 彰利 「まあまあ、そげなことよりこの太鼓を持て。     そして鳴らしながら『あー!あー!』と言え!」 冠太郎「誰がやるかっ!お前がやればいいだろっ!?」 彰利 「誰がやるかこんな恥ずかしいこと」 冠太郎「じッ……!自分でも恥ずかしいって思うモノ奨めんなァーーーーッ!!!!」 彰利 「だがまあサービスだ。ここは殿のために一肌脱ごう!」 冠太郎「へ……?」 彰利 「すまんかったのう、貴様にだけ恥ずかしい思いをさせて……。     じゃあ、苦汁を飲んでアタイが太鼓を鳴らすとしよう……」 冠太郎「な、なんだよ……ヤケに消極的じゃねぇか……」 ドン!ドン! 彰利 「あー!あー!」 ドン!ドン! 彰利 「あー!あー!」 太鼓を鳴らして歩く。 その音を聞いた誰もが、 アタイを見てから視線をずらし───最終的にはカンタロスを見る。 彰利 「こちらにおわすは腐敗州倒壊城の主、     ダルメシアン・カンタロス様にあらせられーーーる!!」 その言葉に、今まで見て見ぬフリをしていた者どもの視線までもが、 カンタロスに集中する。 彰利 「今だ殿!一発かませ!」 冠太郎「なにをじゃあ!!」 美和 「あうう……みんな見てるよぅ……」 アタイは剣術道着に似た和服(嗄葉の時代のモノ)、 カンタロスは乱闘殿様レプリカ、美和っちはメイド服。 そげな集団に目が行かないヤツなど、おるまいて。 ちなみに美和っちのメイド服だが、 メイド服のスカートが短くなったようなウェイトレス姿が許せなかったので、 アタイが常備しているメイド服を着せた。 完璧だ……完璧すぎる。 ドン!ドン! 彰利 「あー!あー!」 ドンドン!! 彰利 「あーあー!!」 冠太郎「い、今すぐやめろっ!恥ずかしいだろうが!」 彰利 「大丈夫だって。ホレ」 アタイはこちらを指差しながら笑いまくっている男へ向け、カンタロスの頭を捻った。 すると太陽光がギシャアと反射し─── 男性 「ごわぁっ!!め、目がッ……!目がァアアアッ!!!」 太陽拳の出来あがり。 彰利 「な?」 冠太郎「お前絶対殴る」 物騒なことをキッパリと言うカンタロスを促しつつ、さらに先へ進むアタイ。 ふと、美和っちが口を開いた。 美和 「あの……どこに向かってるんですか?」 彰利 「んむ?おお、ホラ、結局メシ食えなかったからさ。ファーストフードにでもと」 冠太郎「ファーストフードってあれだよな?ハンバーガーがある場所」 彰利 「見栄を張るなカス殿。その言葉だけで、     お前がファーストフードに入ったこともないヤツだってのは解った」 冠太郎「ぐっ……!悪かったな!俺が住んでたところじゃこんなの無かったし、     有名になってからはメシはマネージャーが買ってきてたんだよ!」 彰利 「毎日弁当か。有名人も大変だな」 冠太郎「うるせぇっ!」 彰利 「まあまあ、そう言うなって。いろいろな初体験はしておくものぞ?     俺が買い方とか教えてやるからさ」 冠太郎「お前……あ、そ、そんなこと言って、デタラメ教える気だろ!」 彰利 「俺がそんなことをするヤツに見えるか?」 冠太郎「そんなことをするヤツにしか見えんわっ!!」 彰利 「フ……貴様のどんな勘違いが俺をそう見せたのかは解らんがな。     今の俺は一味違うぜ?」 冠太郎「だったらまず人の所為にするのをやめろっ!!」 彰利 「まず最初に、カウンターの者がおなごだったら『スマイル』を注文するんだ」 冠太郎「そうなのか!?」 美和 「いきなりウソ教えないでください」 いきなりバレてしまった。 思わぬ伏兵だ。 冠太郎「一味違うヤツがいきなりウソ教えんなぁーーーっ!!」 彰利 「チッ、わぁったよ。いいか、カウンターのおなごが可愛かった場合、     『キミをテイクアウト』と言わなきゃいけないんだ」 冠太郎「確かめる必要もなくウソだと解るわ!!」 彰利 「初めての客はチーズバーガーしか頼んじゃいけないんだぞ」 冠太郎「なっ……そうなのか!?」 美和 「そこは騙されちゃうんだね……」 ───……。 ───……。 そんなこんなでファーストフード。 彰利 「じゃ、俺が適当に買ってくるから。それでいいよな?」 冠太郎「あ、ああ……正直勝手がわからないからな」 彰利 「カスが」 冠太郎「ここぞとばかりに罵ンなァーーッ!!」 美和 「ま、まあまあ冠くん……解らないなら、この人の近くで見てればいいんだよ」 冠太郎「あ……そっか、そうだよな」 なんでしょう、この態度の違い。 ま、いいけど。 おなご「いらっしゃいま───うあ」 彰利 「………」 冠太郎「………」 美和 「わたし……帰りたいかも……」 また『うあ』って言われてしまった。 おなご「い、いらっしゃいませ〜……えと、お持ち帰り……ですよね?」 冠太郎「……何気に持ち帰りを希望されてるみたいだぞ」 解ってます。 ひでぇや、このおなご。 倭人と殿とメイドさんがそんなに奇妙か? 彰利 「否!ここで食してゆくでござる!」 おなご「うあ……」 彰利 「ぬう!スマイルひとつ!」 おなご「ぐっ……え、えへへぇえ……」 すっげぇ無理のありすぎるスマイルでした。 おなご「ご、ご注文を……」 彰利 「てりやきマッサセットふたつ。飲み物はコーラで。     それと、こちらの殿に水道水を単品で」 冠太郎「こッ……!ここまで来て水道水ッッ……!!!」 彰利 「それと、殿がスマイルをテイクアウトしたいそうだ」 冠太郎「さも当然のようにウソ言ってんじゃねぇーーっ!!」 おなご「ご注文は以上で?」 彰利 「ハイ」 冠太郎「そっちも軽く受け入れてんじゃ───ヒィ!!     店員の顔が物事を流して聞く現実逃避者の顔に!!」 彰利 「キミ、五月蝿いよ?     いくら初めて来たからって、その歳にもなってハシャぐなよ。     これだから世間知らずの殿様有名人は……」 冠太郎「年齢知られてもいねぇのに『その歳』とか言われたかないわァーーッ!!     大体俺の名前も知らなかったお前が『世間知らず』とか言うなァッ!!」 おなご「お待たせしました、てりやきマッサセットです!」 ズシャア!! 冠太郎「早ッ!?」 彰利 「おー、来た来た。早さもファーストフードの基本じゃよ?     じゃ、あそこの席で食しますか、美和っち」 美和 「は、はあ……」 冠太郎「あ、おい!ちょっと待てよ!俺には何もないのかっ!?」 おなご「殿様には水道水単品とスマイルのテイクアウトを」 冠太郎「ほッ……ホントに水道水出され───ヒィ!!     人の顔の皮みたいなの渡され……イヤァ!!     なんか『ゲッゲッゲ……』って笑って───イヤァ!イヤァアアーーッ!!!」 彰利 「なにやってんだカンタロス、さっさとこっち来い」 冠太郎「ちょ、ちょっ、待───ヒィイ!     グニグニしてしかも人肌風に生暖かァーーッ!!」 ───…………。 ───……。 グビグビグビ……コトン。 冠太郎「……ゴチソウサマデシタ」 カンタロスがタンプラーに注がれた水道水を飲み干して、 凄まじい鬱オーラを放ちながらゴチソウサマ宣言。 彰利 「『ご馳走』と言ってもらえて嬉しいよ。俺も奨めた甲斐があった」 冠太郎「皮肉くらい受け取れッ!!」 彰利 「それよりさ、その鬱オーラなんとかしてくれない?     こっちまで溜め息が出るだろカスが」 冠太郎「鬱にさせてる原因にカスとか言われたかないわァーーッ!!!!」 彰利 「クズが」 冠太郎「こッ……言葉変えればいいってもんじゃねぇーーーッ!!!!」 美和 「まあまあ……」 美和っちは仲介のようなことをしながらも、中々に楽しそうだ。 まあ折角こういうところに来たわけだし、 くだらない日常のお話に華を咲かせるのも悪くない。 彰利 「そういやさ、こういう店とかの牛肉ってどうしてんだろ。     狂牛病とかって大丈夫なんかな」 美和 「狂牛病が話題になったのって、随分前のことじゃありませんか?」 彰利 「ム……」 なるほど、この時代にはもう狂牛病は無いのか。 彰利 「カンタロス、バーガー食え。俺、ポテトだけでいいから」 冠太郎「へ?な、なんだよいきなり……」 彰利 「いーから」 カンタロスにてりやきマッサをトレーごと渡して、ポテトを食う。 揚げたてはやはり最強だ。 彰利 「見ろ!手が汚れてしまった!」 冠太郎「いきなりなんだよ……」 彰利 「むう、どっしりした歯応え……」 冠太郎「ポテト食いながら言うことじゃねぇぞ、それ……」 彰利 「解っとるわい。ただ海原雄山の真似したかっただけだし。     で、カンタロスよ。なにか雑談とかないか?」 冠太郎「馴れ馴れしいよな、お前。     普通さ、俺と食事できるなんて滅多なことじゃ有り得ねぇんだぞ?」 彰利 「思い上がるな、人の子が」 冠太郎「なっ……」 彰利 「貴様に問おう!貴様は家族とメシを食うのをどう思うね!?     特別なことか!?否!それは結局『人とメシを食う』と同義!     よ〜するにだ、俺にとっちゃあ誰とメシ食うのも一緒ってこと。     キミさ、自分と相手との間にそこまで壁作って、なにか楽しいことあったか?」 冠太郎「え……そ、そりゃ…………───」 考える素振りをするカンタロスだが、口篭もった時点で答えなど見えていた。 彰利 「お前がどうして殿様の格好してまで人を避けるのかは知らんが……」 冠太郎「俺を殿様にしたのはお前だろうがっ!!!」 彰利 「似合ってるぜ?すっぴんのお前なんかより100倍マシだ」 冠太郎「真顔で言うな!!」 彰利 「だから話し掛けないでくれ。俺達も全力で他人のフリするから」 冠太郎「『雑談はないか』とか言い出したのはお前じゃーーッ!!!!」 彰利 「怒るなって。ほら、スマイルあげるから」(ゲッゲッゲッゲッゲ……) 冠太郎「いらねぇよそんなもん!!」 彰利 「お前がテイクアウトしたんだろうがァーーッ!!」 冠太郎「お前が勝手に注文しやがったんじゃあーーーッ!!!」 ふたりして叫ぶ中、美和っちはひとり、他人のフリをしながらコーラを飲んでいた。 ───……。 彰利 「ふー、ごっつぉさん」 冠太郎「ま、まあ……悪くない味だったかな」 美和 「気に入ってくれたみたいだね」 冠太郎「そ、そんなんじゃねぇよ!」 彰利 「さてと、では帰りますか。     あ、殿、ゴミはそのゴミ入れにトレーごと入れるんだぞ」 冠太郎「そうなのか?よっ……」 ゴトンッ、ガササ…… 言われた通り、トレーごとゴミを捨てるカンタロス。 と、そこへそれを見た店員のおなごが駆けてきた。 おなご「お客様!困ります!」 冠太郎「へ?な、なんだよ」 彰利 「なにをしているのです殿!あれほどトレーはゴミではないと言ったでしょう!」 冠太郎「なっ───て、てめぇ!騙しやがったな!?」 おなご「あなた、この人の連れの人ですか!?」 彰利 「全然知らない人です。誰ですかこのカス」 冠太郎「は…話に混ざってきたクセに堂々と他人のフリすんなァーーーッ!!!!!」 おなご「あなたたち……」 彰利 「気にしないでください。きっとこの人、頭あったけェんです。     殿様の格好しながらスマイル持ち歩いてるような人ですから」 冠太郎「殿様もスマイルも全部お前が原因じゃあーーーッ!!!」 騒ぎ立てるカンタロスを無視り、アタイはおなごに向き直る。 おなご「正直に話せば許しますから。誰が最初にやろうとしたんですか」 彰利 「解りました、正直な話をします。     こいつです。こいつが勝手にやりました。俺は無関係です。誰ですかこの変態」 冠太郎「『解った』とか言った途端にウソつくなァッ!!!」 彰利 「すいません。こいつ、字も満足に書けないヘタレなんです。     この図体とスネ毛でまだ小学校低学年級の知識で……許してやってください」 冠太郎「アレはサインだって言ってンだろうがァーーーッ!!!!     これ以上ないってくらい可哀相なものを見る目で俺を見るなァッ!!!!」 スネ毛はOKらしい。 彰利 「すんません、この通りどうしようもないくらいスネ毛なヤツなんで、     勘弁してもらえませんか……?」 冠太郎「はッ……袴の裾持ち上げンなァーーッ!!!!イヤァ見ないでェーーッ!!!」 ───…………。 ───……。 笑いが堪えないマサクゥルドナルド(マサクゥル=皆殺し=皆殺しドナルド)を出て、 美和っちと合流する。 彰利 「美和っち、思いっきり他人ヅラして外に出てましたな……」 美和 「恥ずかしくて、一緒に居られる方がどうかしてると思いますけど……」 そうか? まあいいけど。 美和 「それで……どうなりました?」 彰利 「店内を爆笑の渦に巻き込んだ挙句、     店長にこっぴどく叱られてゲンコツを頂きました。まったく、なんで俺まで」 冠太郎「そりゃあ俺のセリフだっ!!」 彰利 「うるせぇスネ毛」 冠太郎「な…投げ遣りなのになんてヒドイ中傷を!!」 彰利 「じゃ、次は定番のショッピングだな。行こうかぁ」 冠太郎「……俺、お前が悪魔に見えてきた」 彰利 「今更か。随分遅い見解だったな」 冠太郎「そうかもな……」 ───……。 ───……さて。 美和 「わっ、この服カワイイ!どう?似合うかなっ」 冠太郎「ああ、いいんじゃないか?」 美和 「ほんと?じゃ、試着してみよ〜♪」 パタパタと美和っちが試着室へと駆けていった。 彰利 「うおう、この服ナウイぜ。どうだ?似合うか?」 冠太郎「あ?どんな服ギョギャーーッ!!!???」 ホワイト感満載のウェディングドレスを着ながら、カンタロスに訊ねた。 冠太郎「ど、どこに嫁ぐつもりだてめぇ!!!」 彰利 「いや、驚くかな〜って」 冠太郎「驚いたわぁっ!!!この上ないほどに驚いたわァーーーッ!!!」 彰利 「ふう、やれやれ……ちとコルセットがキツイな……よっと」 ゴシャアン!!!! 冠太郎「ヒィ!!こ、コルセットが床を破壊した!?何キロあるんだよコレ!!」 彰利 「はっはっは、こんなもん花嫁業界では当然だぜ?」 冠太郎「う、ウソつけェーーッ!!!     床砕くようなモノ着て結婚式に出られるわけねぇだろうがあぁっ!!」 彰利 「お前はなにも知らないんだな……」 冠太郎「ウソを無理矢理真実みたいにして人を哀れむのはやめろ!!!」 シャアッ! カンタロスを華麗に無視しいていた時、試着室のカーテンが開いた。 美和 「ど、どうかなキャーーッ!!?」 可愛らしい服を着た美和っちがそのカーテンの先に居た。 彰利 「うーむ、可愛いんでないかい?よく似合っとうぜ?」 冠太郎「……相手の驚愕を無視して普通に語るなよ……」 彰利 「いやほら、気づいてても触れてほしくないことってあるじゃない。     今がその時かなぁと、アタイなりに美和っちに気をつかってだね」 冠太郎「……半日も経たずに、お前がどういうヤツか解ったよ……」 彰利 「ほほう。では次にアタイがどこに行こうとしてるか当ててみい!」 冠太郎「歩きまわりながら遊ぶ場所を探すんだろ」 彰利 「実は俺は勇者で、これからドラゴン退治に行くんだ」 冠太郎「あッ……当てられたからって無理矢理作ンなァーーーッ!!!!!     しかもよりにもよってガキでも騙されないような戯言を!!」 彰利 「いやぁ〜美和っち、それ似合ってるよ〜」 冠太郎「無視すんなァーーッ!!」 おなご「お客さまァーーッ!!店内で騒ぐつもりなら出て行ってくださいっ!!」 彰利 「ゲゲェーーーーッ!!!!」 やべぇ、店員だ!!とか思う暇も無く。 ウェディングドレスを剥ぎ取られた上で、まるでゴミのように追い出された。 Next Menu back