───冒険の書71/嵐の前に静けさを───
【ケース242:清水国明/BOOK・ONのヘビーユーザー】 ゴコォオオン……!! ソナナニス「レイナート様の!おなぁ〜りぃ〜〜っ!!」 清水   「最近世界観無視してないか?ヒロライン」 岡田   「や、あのお堅いソナナニスが時代劇風に喋ってくれるのは面白い」 田辺   「まぁ、放置するのが妥当だな」 さて……まぁ〜た国に呼び出された我らは、こうしてエトノワールに戻ってきていた。 もういい加減にしてくださいってなモンだったが、稼ぎがいいから断れない。 今日は王様が別件で忙しかったらしく、謁見の間にはまだ来訪していなかった。 だからこうして待ってるんだが───あ、来た。 レイナート『………』 レイナート王が謁見の間に現れた。 だ、だが───ゲエエ!あの微妙に上げた両手と独特の歩法は!! 清水 (タッ……『タモリ』だ!!) 岡田 (『いいとも』のタモリが出てくる時の手つきだ!!) 田辺 (シヴくてかっこいいのに……) 清水 (タモリじゃあなあ……) なんてことをやっている場合ではなく。 玉座に腰を下ろしたタモリ───じゃなかった、 王様を確認してから、早速用件を聞くことに。 毎度思うんだが、他の兵士にはこういうことを話そうとしないゲームの中のお偉い方を、 俺達はどう受け取るべきなんだろうか。 聞いたことを言い触らす?むしろtellで世界に散らばる猛者どもに知らせる? そんな打ち首獄門確定の行動をささやかに思考の隅で展開しつつ─── ようやく、話を聞く体制は整った。 レイナート「今回ここに呼んだのは他でもない……」 清水   「思ったんだけどさ、       “他でもない”って言うわりには毎度毎度違った注文押し付けてくるよね」 ソナナニス「う、うるさい!王の前だぞ貴様ら!!」 岡田&田辺(図星か……) レイナート「今回呼んだのは、獣人勢力についてのことを話そうと思ってな」 清水   「獣人?あー……そういや最近かなり数が増えたとか聞くな」 岡田   「そいつらをブッ潰せと?」 田辺   「勘弁だろ。獣人たちって妙に強いぞ?」 レイナート「もちろん同盟国に話を通し、ともに戦うことを願うつもりだ。       兵力は惜しまん。今のうちに叩いておかねば、やがては危険な勢力となる」 清水   「や、だから今でも十分危険なんだってばよ」 岡田   「もうちょい早目にその言葉が聞きたかった気がする」 ソナナニス「同盟のことで色々と民の反発や問題ごとが起きていたんだ。       それを沈静するために時間がかかった」 田辺   「そうなん?ソナっち」 ソナナニス「馴れ馴れしく呼ぶな!!」 相変わらずノリが悪い大臣だった。 名前もヘンテコだし。 清水   「それで……具体的に俺達はなにをどうすればいいんだ?」 レイナート「同盟国であるセントールに話を通してきてほしい。       ここに書きとめた書状が───」 清水   「あー、ちょっと待った」 岡田   「ああ、アレな。tell:橘鷹志……っと。       あーもしもし?橘?ああうん、そうそう、そうなんだよ。       ありゃ?そっちセントール兵を降りたのか?それじゃダメだなぁ。       ああ解った、いきなり悪かったー。       ……ダメだ、橘たち、セントールやめたってさ」 田辺   「ぬお……いい手だと思ったのに」 レイナート「……?なにをしたのだ?」 清水   「実は我ら、離れた知り合いと会話が出来る手段を持っていましてな」 岡田   「ですからキミの攻撃も経絡秘孔に届く前に全て肉の塊に吸収されるわけです」 田辺   「わしゃああらゆる拳法をこの身体で潰してきたのですよ!!」 清水   「……なんでいきなりハート様の口上になるんだ?」 岡田&田辺『なんとなく』 意味はないらしい。 まあいいんだけど。 丁度いい息抜きになったし。 清水 「そんなわけで───」 ガコォンッ!! 清水 「お?」 話の最中、突如として謁見の間の扉が開かれた。 その先から歩いてくるのは───白い鎧に身を包んだ騎士さんだった。 騎士   「失礼する、エトノワール王。       私はセントール騎士団が団長、レオン=アルバレート。       故あって、セントール王からの言伝を預かり参上した」 レイナート「レオンか。久しいな。どうした?」 レオン  「は。恐らくエトノワール王も考え至っていることとは存じ上げますが、       近頃の獣人の動きは目に余るものがあります。       そこで、セントールとエトノワールで手を組み、       獣人勢力の本拠地であるオルクヴィレッジ……       現・魔王殿ウォズトロヤに攻め込もうという算段を託って参りました」 レイナート「ふむ……レックナートも同じ考えだったか。       解った、この書状をレックナートに届けてくれ。       私の意志はここにある。躊躇することもなし、ともに獣人勢力と戦おう」 レオン  「───ハッ。その御心、確かにレックナート様に届けましょう」 屈んでいた身体を立たせると、レオンは今一度頭を下げてから歩き出す。 え……なに?もしや用件が終わってしまった? レイナート「……すまなかったな、用件が無くなってしまった」 清水   「や、そりゃべつに構わんのだが」 岡田   「もしや我らも兵として獣人勢力と戦うことに?」 レイナート「嫌がる者を連れてゆくことは出来ない。嫌だというなら降りてもいい」 田辺   「いいや、俺はいくぜ?       誉れ高き原中の戦士として、こんな乱戦状況から逃げ出すのは恥!!       たとえコロがされても、俺は最後まで戦うんだ!!」 清水   「おお……!田辺がカッコよさそうなこと言ってる……!!」 田辺   「そこは普通に“カッコいいこと言ってる”って言おうよ」 岡田   「よし、俺も行くぜ」 清水   「お、俺もだ〜〜〜っ!!」 レイナート「そうか。準備期間として一日を有意義に過ごしてくれ。       事は一刻を争う。これ以上やつらが強くならないうちに叩く」 清水   「了解した!」 田辺   「我ら原中───」 岡田   「全力を以って国のために戦おう!!」 おおっ、と周りに居た衛兵たちも、持っている槍を掲げて高らかに叫んだ。 こういうやりとりは嫌いどころか好きであり、 むしろ中学時代から大好きの部類に至っている俺達は、 まだ名前も知らない兵士たちと腕をたたき合わせるようにして今一度叫ぶ。 なにがどうというわけでもなく、こんな時に冷静さは無必要であり、 そんなヤボは戦闘準備が済んでからで十分なのである。 さてそんな中、ふと小走りに謁見の間を駆ける兵士と、 その兵士に小さく囁かれている大臣を確認。 愛の告白か、などというヤボを是非とも言ってみたかったものの、 相手が男である以上は大臣がキレかねないので暖かく見守っておこう。 ソナナニス「王、新たな情報が。少々込み合ったことなのですが……」 レイナート「構わん、ここに居る者たちは我が国の同志だ。声を大にして言うのだ」 ソナナニス「ハッ。実は敵勢力……獣人どもの中に、       ふたりの子供を確認したとの情報が……」 レイナート「子供?……もしやなにかしらの儀式の生贄として攫われたとでも……?」 ソナナニス「いえ、どうにもおかしな状況のようで───       なんでも、一方の子供が自然の精霊ドリアードのようだったとの情報が」 レイナート「ドリアードだと?馬鹿な、高位精霊が獣人に遅れを取る筈が無いだろう」 ソナナニス「ハッ。ですから見間違いではないかと思われるのですが……。       もしやなにかを盾に獣人勢力に加担させられているのだとしたら───」 レイナート「……なるほど。自然を愛するドリアードだ、       人質などの脅迫には弱いと考えていい。だがそうなると───」 ……ドリアード? いや待ちたまえよ王様と大臣よ。 ドリアードっつーたら提督と一緒に冒険をしている存在の筈だが? むしろ俺達だってキミたちからの邪魔な通達が無ければ、 普通に提督たちの足取りを追ってだな。 岡田 (……どうなってんだ?こりゃ) 田辺 (さあ……) 清水 (あ……じゃ、ちっと提督にtellしてみるか。     もしかしたら今度は繋がるかもしれない) 岡田 (あ、そだな) tell:中井出博光、と……どうだ? ブツッ─── 声  『俺が原沢南中学校提督、中井出博光であるーーーっ!!』 出た。 しかも訊いてもいないのに堂々と名乗ってくれた。 さすがは我らの提督だ。 清水 「おお提督か。こちら清水国明だ。ちと訊きたいことがあるんだが」 声  『おお清水二等か。どうした?』 清水 「今そこにドリアードって居るか?」 声  『……………』 清水 「?……ありゃ?なんで黙るのさ」 声  『ドリアードなら一緒に居たけど、謎の勢力に攫われたのだ。     我らは今、その勢力の存在を追って旅を続けている』 ……ウヒョオ、どうやら提督、妙な情報に流されているらしい。 まあわざわざ“我らが攫いましたYO”とか言うのは、 よっぽどの馬鹿な勢力か自信過剰な勢力だけか。 そういう点では俺は、 脅迫状紛いのものを残してゆく犯罪者の気持ちがちと解らなかったりする。 やりたいことは解るんだが、まあその、いろいろと。 声  『っと……それがどうかしたのか?あ、もしかして加護が欲しかったのか?     だったらスマン。俺達も今、全力で探してるから』 清水 「いや……今情報を得たんだけどさ。ドリアードらしき人物を見たって」 声  『なに!?マジかテメー!!』 清水 「いきなり喧嘩腰になられても困るけど、ドリアードとあと一人、子供が居たって」 声  『もう一人の子供……シードか!!     何処だ!?どの勢力だ!言え!言うんだ清水二等!!』 声  『提督!?情報を得たの!?ロドは!?ロドはどうなってるの!?話させて!!』 声  『おぅわっ!?ちょ、待て殊戸瀬二等!落ち着けぇい!!     ───話をしたいのならばワシの肩に手を置いて話すんじゃ』 声  『や、どうしてそこで界王様風に喋るんだ?』 声  『もしもし?こちら殊戸瀬睦月。清水くんね?』 清水 「……タレ?(訳:誰?)」 声  『……殊戸瀬だって名乗ったけど』 清水 「───ウソだ!!」 岡田 「清水、よく解らんが“ひぐらしのく頃に”を真似てる場合じゃない」 そうだね。 清水   「どういう心境の変化だよ。       確かに現実世界で変わるようなこと言ってたけどさ。       “普段は目立たないが用意周到”がモットーの殊戸瀬が、       そうやってテキパキ喋るとある意味怖い」 声    『そんなことはどうでもいいの。ロドは?』 清水   「ロド?誰?ソドム?残念だが俺にターちゃん系の知り合いは居ないんだが」 声    『ルルカ。ルルックナイトになる際、仲間にしたルルカなの』 清水   「んー……ちと待て。───ソナっちー、       二人の子供の他にルルカが居たとかそんな情報は無かったかー?」 ソナナニス「馴れ馴れしく呼ぶなというのに!!       ……ああそうだな、確かにそのような情報も入っているが」 清水   「……ルルカも発見されてるそうだ」 声    『───!誰!?何処!?何処の勢力だか今すぐ言って!!』 声    『おぉその通りだ!!全力を以ってブッ潰してくれる!!言え!!』 声    『ちょっと、睦月もヒロちゃんも落ち着いてよ』 声×2  『ダメね!!断るね!!』 声    『どうしてこういうときばっかり息が合ってるの二人とも!!』 清水   「オ、オーケー、言われなくてもちゃんと教えるから落ち着いてくれ」 さてどうしたものか。 そりゃ、教えると言ったからにはもちろん教えるつもりではある。 しかし自由奔放な提督軍のことだ、進むべき道を知ったら今すぐにでも突撃するだろう。 それはなんとなくよろしくない。 もし突っ込んでいって提督軍が敗走でもしたら、相手は“また来る”って身構えちまう。 それは避けたいし、むしろ油断しているところを一気に刺したい。 だったら─── 清水 「提督、頼みがあるんだが」 声  『なんとヒヨッ子貴様!情報料が欲しいと言う気か足元見やがって!!』 声  『まさかロドを攫った勢力の黒幕があなたなんじゃないでしょうね!!』 清水 「違うわ!!ンなわけあるか!!     むしろ逆だよ逆!明日、エトノワールとセントールとでそこに攻め込むんだよ!」 声  『なにぃ!?まさか貴様ナギーとシードの身欲しさにその勢力を潰す気か!?』 声  『な、なにが望みなのコノヤロー!!』 清水 「人の話は最後まで聞けてめぇら!!     あと最後まで聞かずにコノヤローとか言うな殊戸瀬!!」 声  『よし解った』 清水 「はぁ……」 よ、よし、仕切り直しだ。 ちゃんと言わないとあとあと怖いし、きっちり言おう。 それでどうなろうともう責任取れんわ。 清水 「提督たちには俺達と一緒にそこに攻め込んでほしいんだ。     俺達が先に行って、もし負けても相手はガードを硬くするし、     もし提督たちが乗り込んで負けても、相手はガードを固くする。     それなら一緒に攻め込んだほうがいいに決まってる。     決行は明日、ウォズトロヤ城を囲んでから一斉にだ」 声  『そんな悠長なことは言ってられーーーん!!今すぐ行くから場所を教えろ!!』 清水 「だからそれがマズイんだっての!!そっちにもそっちの事情があるように、     こっちにだってこっちの事情ってもんがあるんだよ!!」 声  『グ、グウウ……ムムウ……!!』 清水 「こっちは知り合い仲全員当たってみるから、誰かを救いたいなら確実に救おうや!     下手に刺激したら人質ってのは殺されちまうもんだろ!?」 声  『しかしそうこうしてる間にもナギーたちがコロがされるかもしれんのだぞ!!』 清水 「焦ってるわりにコロがすとか言ってられる余裕があるなら一日くらい待とうや!」 声  『ぬぐっ……じゃああれだな!?今日一日は準備期間っつーことだな!?』 清水 「その通り。だからまず落ち着こう提督」 声  『やだぁ』 清水 (健に似てる……っ!!) つーか十分余裕がありそうなのは気の所為か? いいや違う気の所為なんかじゃねー。 余裕というより気を持て余してる感じだ。 これからどうしてくれようか、っていう感じだな、つまり。 声    『まあ……解った、突っ走った真似はしないから場所だけ教えろ。       間に合わなかったら笑い話にもなりゃしない』 清水   「あっと、了解。ソナっちー」 ソナナニス「馴れ馴れしく呼ぶな!!……なんだ!」 清水   「出発はいつごろになるんだ?」 ソナナニス「ふむ、そうだな……翌早朝になるだろう。       朝霧が消えないうちにそれに紛れ、ウォズトロヤを囲むものとする。       戦略としてはそれが妥当だと思われよう」 清水   「なるほど。んじゃ提督、明日の朝までにエトノワールに来といてくれ。       なんだったらセントールでも構わないから」 声    『……解った。それまでは俺達は資金稼ぎでもしてるさ』 清水   「ありゃ?金無いのか?巨人の里でたんまり稼いだって聞いたけど」 声    『武器に全てを注ぎ込んだ末に尽きた。でも後悔はしてない』 思い切り至福に満ちた声質だった。 提督の武器、ジークフリードっつったっけ。 見るからに強そうだったもんな、あれ。 清水 「あー、まあいいや。     提督もさ、もし誰か暇そうなヤツが居たらスカウトしといてくれないか?     こっちも橘あたりに連絡してみるから」 声  『橘?ああ、それならここに居るぞ?』 清水 「ありゃ?ってそうか、提督追って行ってたんだから会うのも当然か。     提督今何処に居るんだ?こっちはエトノワール王国だけど」 声  『ノースノーランドの宿だ。外でいろんな技を試してたら橘に捕まってさ。     だからチェックアウト済ませてなかった宿に転がりこんで現在に至る』 清水 「そ、そか」 そういやガヤガヤと賑やかだ。 どんなことをしてるのかは解らんが、それはそれで楽しそうで羨ましい。 声  『いいかー、俺達ゃ全力でナギーとシードを助けに行く。     そのための準備期間が一日なら、それまで俺達は全力で準備をするぞ。     レベル上げるのもよし、休むのもよし、アイテムを揃えるのもよし。     なんにせよまず金が必要だから敵を狩りまくるが。     狩ってレベルも上げられるならそれが一番!つーことで───え?なに?     お得意様だから付いていく?や……俺達ペットを養う金は───』 声  『ペットじゃないニャ!!』 声  『オ、オーケーオーケー。んじゃあそういうことで、俺達は俺達で準備しとくわー』 清水 「ほいりょーかい。んじゃ切るぞー」 声  『おー』 ブツッ…… 清水 「ふう……」 思いっきりヒートアップしてたなぁ提督。 ああなった提督はちと怖いからな。 思い出すなぁ、中学ン頃の体育祭。 原中……というよりは月詠街に点在する学校の伝統行事“騎士戦”にて、 恐ろしいまでに食い下がったのが提督だ。 ヤツは一度暴走するとある意味で怖い。 原中無差別級騎士戦バトルロイヤルで、 晦や弦月にこそ勝てなかったものの───提督は善戦したと言えるだろう。 提督は両親を亡くしていたことで、 自分がじいさんに迷惑かけないようにと身体を鍛えてた。 もちろんそんなに熱中したり集中して鍛えたわけじゃない。 素人が適当にやるような、見た目に浮き上がるほどの成長が解る鍛え方じゃない鍛え。 でもそんな僅かな差とハングリー精神の差かねぇ。 祭りごとではヤツは輝いていた。 清水 「厄介ではあるが……こりゃ、久々に見れるかね」 キレるとかそんなのではなく、本気を出した提督を。 や……キレたらキレたで転校生になるから怖いんだけど。 なんなんだろうな、あの“転校生”って。 キレると何を問いかけても“転校生!”って返事して襲い掛かってくるんだよな、提督。 中学の頃から既にそうだったし、小学の頃に転校生になにか嫌な思い出でもあるのかねぇ。 訊いてみても本気で知らないって言うだけだし。 解らん。 まあいいや、今はこっちも明日に備えることだけ考えよう。 清水   「提督と連絡ついた。       やっぱウォズトロヤに居るのはドリアードで間違いなさそうだ」 ソナナニス「それは本当か!?……王、やはり……」 レイナート「ああ。どうやら弱みを握られている方向で見てよさそうだ。       元来ドリアードは戦を好まん。それが血気盛んな獣人勢力に居るなど、       それこそなにか重大なことが起こらない限り有り得ぬこと」 清水   「じゃあ俺達アイテム補充したり武器強化したりしてくるんで」 岡田   「アイテムの経費って国から下りるんかな」 田辺   「そりゃ無理だろ」 ソナナニス「ま、待たんか貴様ら!!王がまだ話しているというのに!!」 レイナート「構わん。今は助力してくれるだけでありがたい」 ソナナニス「しかし王っ……それでは他の兵に示しがっ……!!」 清水   「それは貴様が憧れてる王様像を見せ付けたいだけだろー、コノヤロー」 岡田   「示しなんて王様自体が決めることだぞー、コノヤロー」 田辺   「それに付いてくるか来ないかは民任せだー、コノヤロー」 ソナナニス「なっ……」 レイナート「はっはっはっはっは!一本取られたな、ソナナニス。       その通りだ。自然に振る舞おうとしない王は偽りの王だ。       そして、そんな王についてこれない兵や民がどうして国のために戦える」 ソナナニス「う……」 レイナート「全兵士、全騎士団、全魔法戦団に告ぐ。各自翌朝まで好きに動け。       休むもよし、戦闘に参加せぬもよし、訓練をするもよし。       ついていけないと思ったら国から出て行くのもいいぞ。手配ならしよう」 ソナナニス「なっ!お、王!!それはっ!!」 清水   「へえ、話が解るんだな、王様」 レイナート「実は私はな、ここの王になる前は町に下りては遊び放題の馬鹿王子でな」 岡田   「ほほう……すると遊びの方も?」 レイナート「外見は老いたが腕はまだまだ錆びてはいないさ」 田辺   「よっしゃあ!では我らとオセロで勝負だ!!」 レイナート「オセロ。それはどんな遊びだ?」 岡田   「ククク、家庭で出来る一般的な遊びから、       原中における心の巴里を掲げる熱きバトルを極めんと、       修羅の道を歩んできた我らに……用意出来ぬ遊びは無し!!」 清水   「これから様々な遊びを紹介するから1から学んでくれるとありがたい」 レイナート「よし、物覚えと器用さは私の武器だ。受けて立とう」 ソナナニス「王ーーーッ!!?いったいなにをお考えか!今がどんな時か───」 レイナート「ソナナニス、お前はどうする?兵たちは遊ぶ気満々のようだが」 ソナナニス「ぬぐっ……わ、私はいつでもこの国のために戦うことを誓っております!!       そのような遊びになどうつつをぬかすことなど断じて───」 清水   「へー」 岡田   「負けんのが怖ェエエエんだ」 田辺   「ダッセェエエエィ」 ソナナニス「黙れ小童どもが!!いいだろう!       このエトノワールの猛将と呼ばれたソナナニスに喧嘩を売るとはいい度胸!!       そのオセロとやら、今すぐここで説明するがいい!!」 チョロイやつだった。 そんなこんなで、それどころじゃないってのに国や城下町を巻き込んでの、 超巨大オセロトーナメントバトルが開催されてしまった。 アイテムとか揃えようと思ってたけど……こりゃ出来そうもないな。 全力は尽くすが、ダメそうな場合は他の勢力に期待を持つか……。 Next Menu back