───冒険の書75/九頭竜(くとうりゅう)の戦い───
【ケース253:殊戸瀬睦月/特攻6】 ゴォオオオオ……!! 独特の、風が通る音が耳に届く。 城の通路の作りは雑音を高めるには上等らしく、 洞穴に風が通るが如く、妙な音を立たせていた。 そんな雑音にいい加減耳が慣れてきた頃、通路はそのまま進む道と階段とで分かれた。 麻衣香「これは……」 睦月 「この階は多分提督か藍田くんが調べると思う。わたしたちは上に」 麻衣香「うん」 意見が一致すると再び走る。 ゲームの性能上、走っても疲れることはない。 けれど、それでもこの城は疲れを引き立たせるには十分なくらいに広かった。 獣人 『ギギッ!コノ階、通行止メ!ココ通ル、許サナイ!!』 殊戸瀬「許可を貰おうなんて思わない!」 タンッ───フォギヂィンッ!! 殊戸瀬「───!行って、麻衣香!早く!」 麻衣香「ラジャー!でも必ず追いつくこと!いいね!?」 殊戸瀬「言われるまでも!」 獣人 『ギギッ!?通行止メ、言ッテル!』 ギシィッ!! 獣人 『グッ!?』 殊戸瀬「なにを余所見しているの……!?あなたに用があるのはわたしよ……!」 階段を登りきった場所に立っていた獣人……おそらくこの場所の番兵みたいな存在。 是非も問わずに奔らせた突きは、拳によってあっさりと弾かれた。 けど、それでも槍を突きつけて麻衣香を先にいかせた。 ……恐らく敵のレベルはわたしより上。 それでも二人で戦って梃子摺って時間を食うよりは、 一人を先に行かせたほうが効率がいい。 そして……わたしは多分、無様に負けるんだろう。 そこまで予想がついていて、何故こんな行動を。 少し前のわたしが、今のわたしに語りかける。 いつだって冷静に振舞って、引っ込み思案なわたしを奮い立たせていた仮初の二重人格。 クラスメイツたちに“用意周到”と呼ばれているほうのわたしだ。 普段のわたしなんて“目立たない”と呼ばれていた典型。 でも、それでも───やろうと思えた時にはやれるんだって信じたいじゃないか。 獣人 『オ前、愚カ。俺、獣人空手ノ達人。     諸刃カウンター、最初ニ教ワッタノ、俺。オ前、生キテココ出ラレナイ』 殊戸瀬「っ……」 クジ運も最高だ。 どうしてこう、“わたし”がでしゃばると悪い方悪い方に風が流れるのか。 それを変えたくて立ち上がっていうのに、これじゃああんまりにも辛い。 ───でも、変わるって誓った。 提督に自分の過去の話をした時、自分はきっと変われるって思った。 眞人以外の人に自分のことを話すことが出来たんだ、それはきっと進歩だった。 だからきっと、いつかはと。 勉学ばかりを押し付けて、わたしを道具としてしか見なかった両親に、 わたしを解ってもらおうなんて思わなかった。 でも、それなのに、家族なんかよりも知ってもらいたいって…… 受け止めてもらいたいって思える場所を見つけた。 その場所は笑みに溢れていた。 わたしもその中でなら笑っていられたし、みんなもわたしをわたしとして見てくれていた。 純粋に楽しかったのだ。 浮き草のようだった自分の人生が、その時確かに変わってくれた気がした。 だから─── 殊戸瀬「今度は……わたしの番なんだ……!」 みんな───少なくとも今のメンバーのために何かをしてあげたい。 普段のわたしはどうしようもなく不器用だけど、 こんなわたしでも努力することでこうやって力を得ることが出来た。 報われる努力は確かに存在して、誰かのために何かをすることがようやく出来るのだ。 殊戸瀬「はぁあああああっ!!!」 だから駆ける。 負けることなど二の次にして、動けるうちは何度だって攻撃をパガァンッ!! 殊戸瀬「けはっ……」 ……否。 現実はそんなに甘くない。 努力をすれば報われる環境があったとしても、その上を行く者は必ず居る。 そうじゃなかったら、こうまで綺麗にカウンターを貰った理由が見つからない。 自分の力量不足はとっくに計算に入ってるんだから。 殊戸瀬「かはっ……い、っつ……!!」 獣人 『……オマエ、弱イ。威圧感モ蛮勇サモ、戦ニ必要ナモノ全テガ足リテイナイ。     選択ヲ誤ッタ。オマエ、ココニ来ルベキジャナカッタ』 そんなことは解っていたつもりだ。 わたしは他のみんなほど器用じゃない。 “用意周到”なわたしならともかく、 “普段は目立たない”わたしはヒロラインに生きた時間があまりに短い。 たった一発殴られたくらいで震えるなんて馬鹿げてる。 これじゃあただの臆病で弱い女の子だ。 わたしはそんなのが嫌いだから、“用意周到”なわたしを造ったというのに。 わたしはそんなのが嫌いだから、なんでもありの原中を好んでいるというのに。 こんなんじゃだめだ。             だったらわたしと代わりなさい。 それもイヤだ。わたしは変わると───             そんなものは一時の陽炎。どうせすぐに現実が嫌になる。 そんなことない。わたしはみんなと一緒に居られる時間がなによりも───             それは何故?安らぎたいから?それとも過去から逃げたいから? それは……             それとも今さら怖くなった?彼が好きになったのが、             あなたではなくわたしなんじゃないかって事実に。 それは……構わない。わたしはあなた、あなたはわたしだ。             だったら何故拒むの。あなたに今必要なものはなに? …………             もう一度だけ言うわ。代わりなさい。あなたがここで死ぬのは、             他のみんなの足を引っ張ることに繋がるだけよ。 ───……でも。             力が欲しいなら欲しいと言えばいい。             そのためにわたしは造られて、そのために存在している。             自分が敵わないから誰かに頼るのは間違いじゃない。             あなたはちゃんと変わろうとしている。             でも人は急には変われない。 ───うん。             なんでも利用して、辿り着けるところには辿り着きなさい。             それが原中の猛者として第一に覚えること。             互いに遠慮して好機を逃すのは自分にも相手にも失礼だわ。             そしてわたしは遠慮しない。             わたしは、あなたを守るために造られた人格なのだから。 ───……。 ───ゆっくりと、ずっと外していた眼鏡をつけた。 吐く息はゆっくりと。 そして、握る槍には必要な力を。 獣人 『隙ダラケ!オマエ、ヤッパリ弱イ!!』 殊戸瀬「───……そう。だったらその認識は改めてもらう」 ヒュオゾプシャアッ!! 獣人 『ギィッ!!?ナ、ナニ……!?』 殊戸瀬「……現状察知開始───頬にダメージ大。HPに問題あり」 頭の中で計算をする。 どうすればスムーズに、かつ迅速に目の前のノイズを破壊出来るか。 ああ、けどまずは回復だ。殺されるのはロスでしかない。 獣人 『……?雰囲気ガ変ワッタ……?』 殊戸瀬「御託は要らない。いますぐ消えて」 ヒュフォンギギギギギィインッ!!! 獣人 『!?速イ!!』 既に“妙技”も“竜騎槍”も発動完了。 あとは無理矢理にでも一撃を食らわせて、隙を出したら塵と化すまで突き尽くす。 それだけ。 獣人 『ダガ甘イノ変ワラナイ!イクラ攻撃ガ速クナッテモ俺ニハカウンターガアル!』 奔らせた槍を身に受けてなお、強引に身体を前へ出しての拳。 タイミングといい、ダメージを恐れない覚悟といい相当だ。 そうこう考えているうちに、拳はもう目の前にあって───トンッ。 ブオォゥウンッ!! 獣人 『───!?ナニッ!?』 けど、わたしは獣人の後ろに回り込むと槍を輝かせた。 獣人 『キ、キサマ!?』 殊戸瀬「そうくることは解ってたから。これくらいのこと、わけないことだわ」 AGIに全てを込めたステータスをSTRに注ぐ。 そして獣人がこちらに振り向いた瞬間、その開いた口の中に“飛竜槍”を叩き込む。 ゾバシャォゥンッッ!!! ……ザアァァッ…… 殊戸瀬「……戦闘、終了。目立つ傷は……もう無し。計算に一切の狂い無し」 塵になった獣人を見送ると、静かに身体を“目立たないわたし”に返してやる。 傷がないならそれでいい。 元々わたしは造られた人格だ、身体に執着なんてない。 二重人格の片割れ、作られた人格は、自分が本当の人格だ〜なんて言って騒ぐものだが、 正直わたしは自分になんか興味無い。 純粋に本体を応援しているし、 わたしがしゃしゃり出ることで睦月の助けになるならむしろ結果オーライだ。 わたしはつけていた眼鏡を外して、それをバックパックの中に入れた。 吐く息はゆっくりと。 そうやって、身体を睦月に返した。 殊戸瀬「はぁ……」 ───走らなきゃ。 敵は倒せた。だったら先を急がなきゃ嘘だ。 怖くなったからって逃げるわけにはいかない。 わたしは原中の猛者のひとりだ。 目的のためなら手段を選ばず、利用するものはなんでも利用する。 だけどそれが本当に誰かの迷惑になるというものは絶対に利用しない。 今からだって間に合うんだ。 わたしの時間は始まったばかりだけど、それでもまだ“みんなここに居る”。 同じ時間を生きて、笑って、はしゃいでいるじゃないか。 自分はまだ原中の猛者として成長していくことが出来る筈だ。 だから追いつかなきゃいけない。 全てを“用意周到なわたし”に任せていた時間の分、わたしは走らなきゃいけない。 恐怖なんて置いていけばいい。 死んでもこの世界なら生き返れる。 だけど置いていかれたら、もう立ち上がることは出来そうにない。 だから走るんだ。 自分にできることを、精一杯やるために。 【ケース254:中井出博光/特攻1.5】 中井出「オーレのパンチーはー!ダイナマイトーーーッ!!」 ボゴッシャァアアアンッ!!!! 獣人 『ギャアーーーーーーッ!!!!』 急に飛びついてきた獣人をマイトグローブで爆裂させる。 オーケー、ボマースキルがマックスなお蔭で、マイトグローブの威力も相当に上がってる。 しっかしこの城、どれだけ入り組んでるんだよ。 結構走ったつもりが、まだまだ奥がありやがる。 しかも奥に行けば行くほど獣人が強くなっている。 それがとにかく厄介だ。 鬼人化をすればそりゃあ勝てるが、ストックをそうそう削るわけにもいかないし。  ザッ─── 中井出「っと……ここは……広間か?」 かなり高い位置にある天井を見上げられる場所へと辿り着いた。 ようやく中腹ってくらいだろうか。 こういうのは建物の中心にあるのが相場だと勝手に思い込んでおく。 中井出「……なるほど、ここでは二階も三階も四階も見れるのか」 どうやらここは本当にそれっぽいところらしい。 よくデパートの中でもあるだろう、 上の階などの一部分を見上げることのできる広い場所が。 それと同じだ、ここは。 が───それと違う場所ってのは。 獣人1『おや……これはこれは』 獣人2『敵がこんなところに一人……』 獣人3『野郎ども!敵を発見した!ただちに一切の遠慮なしにコロがすぞ!!』 見上げることが出来て、広かったとしても───周りに居る存在が全て敵だということだ。 当たり前だよなぁ、だってここデパートじゃねぇもん。 ともあれ、現れた獣人ども……数はおよそ27体。 獣人にしてはキリキリ喋るやつらだと思いながらも、 獣人にだってそういうヤツは居るだろうと、さっさと考えを切り替えた。 中井出 「どけぇい貴様ら!!我は原中が提督、中井出博光!!      貴様らが攫ったナギーとシードを取り戻しに来ただけである!!      素直に返すなら兵士たちと存分に戦え!だがしかし返さぬのであれば───」 獣人ども『返さん!!』 中井出 「即答!?お、おのれ……!俺は最後のチャンスをやったんだぞ……!!」 獣人2 (……提督がフリーザ戦最終章の時の悟空みたいなこと言ってるけど) 獣人1 (構うか、侵入者は全て滅ぼせってのが獣人王の言いつけだ) 獣人3 (原中大原則ひとつ、郷に入りては郷を捻じ曲げつつ従え。      自分に都合のいい部分だけ言いつけを守って楽しむ!それが原ソウル!) 獣人4 (いい機会さ) 獣人5 (1対27……卑怯とは言うまいね?) 獣人ども(どう考えても卑怯だろ……) 獣人6 (まあどうせ提督ひとりだし、捕虜にして遊ぶのもまた───)  ドォンッ!!! 獣人ども『来たァーーーーッ!!そして速ェエーーーーッ!!!』 地面を強く蹴り弾き、獣人どもの軍勢に突っ込む。 一気に走り抜くために鞘に納めておいたジークフリードを抜き、 間合いを詰めるまでに双剣化を完了させておくのを忘れない。 この数だ、相手の力量が解らない以上は全て全力でブッ潰す覚悟で向かう!! 中井出「セェエエエエエィッ!!!」 獣人1『甘いわぁーーーっ!!太刀筋もなにもかもが不器用!     そんな攻撃では受け止めてくださいと言っているようなもの!!』 ガギィンッ!! 獣人1『それみたこと───かぁああああああっ!!!?』 中井出「ぬぅううううぁああああああああああああっ!!!!!!」 ヴオッ───ギャリィインッ!!! 獣人1『あぁーーーーーっ!!!《メゴシャアアンッ!!》うわらば!!』 獣人2『ああっ!武器を受け止めた永───ナゴウリアスが勢いのままに壁画に!!』 獣人3『ナゴウリアス!?ナゴウリアスーーーッ!!!』 攻撃を受け止めた敵を、勢いそのままに壁まで切り弾いた。 そうだ、一撃一撃全てを全力で。 受け止められようが、その全てをフィニッシュブラストとするが如く!! この城の何処かでナギーとシードが待ってるんだ……!! 獣人2(く、くそ!数では圧倒的にこっちが有利だ!     それに提督は攻撃する際にいずれかのステータスを犠牲にしてる筈!     それを突いて一気に潰すぞ!!) 獣人3(オーケー!!) ダタタタタッ!!!───獣人たちが俺を囲み、一気に襲い掛かる!! だが構わん!強引にでもブッ潰す!! 獣人2『タックルは腰から下ァーーーーッ!!!!』 ガバシィッ!! 中井出「オワッ!?なっ、なにしやがるこのっ!!」 獣人3『()ったァーーーーッ!!!』 獣人の一人が俺の腰にしがみついた次の瞬間、別の獣人が俺に向かって飛び掛ってくる!! 中井出「甘いわこのタコ!!」 だが俺はしがみついた獣人をSTRマックスにして持ち上げると、 飛び掛る獣人目掛けてスローイングブラスター!! 獣人3『えっ?おわっ、おわぁーーーーっ!!』 獣人2『《ゾブシャア!!》ギャアーーーーーーーッ!!!!』 投げた獣人は飛び掛った獣人によって斬られ、絶叫していた。 獣人4(───ここだ!) 獣人5(STRをマックスにした!突くならここだ!!) 獣人6『死ねぇえーーーーっ!!!』  シュゴォッフィィインッ!!! 中井出「つっ───剣閃!?」 頬を掠めた剣閃が城の一部を破壊する。 驚いた……獣人にも秘奥義使えるやつが……いや、居て当然だろうが! 気を引き締めろ!負けるわけにはいかないんだ!! 獣人6 『避けた!切り替える隙を与えるな!』 獣人ども『オオッ!!』 中井出 「〜〜っ……ちぃいいっ!!!」 フフォンザプシャアッ!!フオッザクゥッ!! 中井出「かっ……!づはっ……!!こ、このっ……!!」 剣の軌跡が雨のように降り注ぐ。 それを弾き、応戦するが───敵の数が多すぎる。 早く行かなければという焦りと、 無事だろうかという不安で頭がこんがらがっている時に訪れた乱戦は、 嫌が応にも自分本来の行動を鈍らせた。 無事なのか?酷い目に遭わされてないか? 俺がここでやられたら、あいつらは───…… 中井出(───なにうだうだ考えてやがる!それを今確かめに行くんじゃねぇか!!) ギヂヂヂヂヂヂヂィイイイイインッ!!!! 獣人8『えっ……う、受け止めた……?』 獣人7『偶然よ!呆けてる暇があったら一気に───』 中井出「ハァアアアア……!!!」 一瞬の躊躇が命取りになるのが戦いだ。 迷いがあれば戦う気力も逃げるだろう。 だが、もう迷わないし躊躇もしない。 中井出「背水の陣……発動」 散々斬られ、弱りきった身体に活力が溢れる。 さらに応戦の中で敵を斬りつけたことで発動するのは鬼靭モード。 そして─── 中井出「……マグニファイ」 武器を交差させ、発動させるのは剣士最高のアビリティ。 己が鍛えた武器の潜在能力を引き出す、武器に信頼の全てを委ねる力である。 獣人9 『な、なんの効果があるのか知らねーがそんなコケ脅しに怯むか!!』 獣人10『野郎ども!やっちま───《ゴファアンッ!!》あっちぃいいいっ!!』 獣人11『な、なんだぁ!?ヤツを守るように火の輪が……!?』 中井出 「……邪魔を───するなぁああああああっ!!!!!」 ゴコォッキィイインッ!!! 獣人12『暗転!?やべ───』 中井出 「“斬光烈空刃”!!」 キィイイイイ─── ゾガシャシャシャシャシャシャキィンッ!!! 獣人ども『ぎゃああああああああああっ!!!!!!』 極光のこもる双剣をこれでもかというくらいに全速力で振るう!! そこから放たれる極光剣閃は固まっていた獣人どもを斬り、裂き、吹き飛ばしてゆく!! 獣人18『ち、ちっくしょおがぁああっ!!死ねぇええっ!!!』 中井出 「───!甘い!!」 しかしそんな剣閃の中、果敢に飛び掛ってくる獣人が居た。 そんな相手目掛け、双剣だった武器をジークフリードに戻してただ一閃を!! 中井出「“黄竜剣”!!キィンッ───ギシャゴバァアォオオオオンッ!!!! 獣人18『ぎいぃいいやぁああああああああっ!!!!!』 剣でガードされた───が、 飛び掛ってきていたソイツはそのまま二階の天井まで吹き飛び、 激突すると同時に消滅した。 ……己の武器の理は熟知しているつもりだ。 マグニファイを発動させたなら、効果時間中はどんな潜在能力も引き出される。 それは長剣化、双剣化が可能な武器も変わらない。 黄竜斬光剣を放ったからといって、 黄竜剣のマグニファイが消えるかといったらそうじゃない。 考えてみればすぐ解ることだったのだ。 この世界は、自由度こそがウリなのだから。 獣人16『や、やべぇ……!!こいつ強ぇえよぉ……!!』 獣人21『怯むより敵に集中なさい!      マグニファイを使っているとはいえ、こっちの数はまだまだ居るんだから!』 獣人22(そ、そうよそう!相手は一人!加えてここはビーストキングダム!!      わたしたちは死のうがすぐに蘇ってこれる!!) 獣人23(おおそうだった!ならば恐れるものはなにも───) 中井出 「どぉけぇええええええええっ!!!!!ゴゥンッ!!ゾバシャゴバシャベゴシャゾッパァアアンッ!!!! 獣人ども『ギャア恐ぇええーーーーーーーっ!!!!』 再び双剣化させた武器をさらに六閃化。 群がる敵を一振りで一気に滅ぼしてゆく!! 獣人24『だ、だめだ強ぇえ!!冗談抜きで強ぇぞ提───こいつ!!』 獣人25『あんだけデケェ武器をまるで紙細工みたいに振るってる!!      いったいステータスどうなってんだ!?』 獣人26(サ、サーチライト、オーン……      《ピピンッ♪……中井出博光はとてもとても強そうだ》ッキャーーーッ!!?) 獣人25(ど、どうした吾妻!?) 獣人26(む、むむむ無理無理無理!!とてもとても強そうだって!!) 獣人24(バカモン!FF11を忘れたのか!?      あれはどれだけ強くてもみんなでかかればなんとか勝てるゲームさ!きっと!      だからこのままみんなで攻撃を続けてればいつか───) ズシャア……!! 中井出 「あとはてめぇらだけだな……!!」 獣人25『え?あ、あれ?…………う、わっ……うわぁあああーーーーーーーっ!!!!』 獣人26『あれだけ居た精鋭がものの数十秒でぇえええーーーーっ!!!!』 中井出 「ナギーは……ドリアードは何処だ」 獣人24『へ……ふ、ふっ……?お、俺たちゃ戦闘民族だぜ?      訊かれたから、脅されたからってペラペラ喋《バッゴォンッ!!》へぶお!!』 獣人26『キャーーーッ!!?』 中井出 「やっぱり自分で探すから今すぐ散れぇええええっ!!!」 獣人26『む、無茶苦茶だぁーーーーーーっ!!!!』 ヒュオゴバシャォオオンッ!!! ───……。 トドメには丁度良かったのかもしれない。 偶然出た会心は残りの三体を一撃で屠り去り、その場に敵は居なくなった。 ……急ごう。 体の鬼人化が残っているうちに、全てをAGIに託して高速移動する。 一階一階に時間を取られてるわけにはいかないんだ。 一分、一秒でも速い救出を───!! 【ケース255:弦月彰利/騒動掌底覇】 ワァアア……!!ウワァアアア……!!! 彰利 『おーおー、元気に争っちゃってまあ』 外の景色を窓の無い枠から見下ろす。 や、すげぇ人数だ。 城の裏ッ側は壊滅的だぁね。 やっぱあのレオンとかいうヤツ、只者じゃねぇわ。 彰利 『俺も案外適当だしね。西側守ると言いつつ三階の後方におるし』 ちなみに西側の警備は娘たちに任せました。 なんつーかね、どうせやるなら一人でやりたいし。 しかしこうまで誰も来ないとは───どれ、ちと下に降りてみっかね。 幸い、この城には一階から三階までを繋ぐ空洞広間がある。 そこを飛び降りゃあすぐだ。  ワァアアアアアアッ!!! 彰利 『っと、敵か!?』 聞こえた声に身構える。 と、その長い長い通路の先からうざったくなるくらいの兵士が。 彰利 『うへぇ……まるでゴキブリだな』 だが一直線にこちらへ向かってくるその意気や良し!! 彰利 『肩慣らしには丁度いいぜ〜〜〜っ!!かかってこい!!』 兵士1「獣人を発見!セェイイッ!!」 彰利 『遅いわ!』 ヒュオパガァンッ!! 兵士1「ブゲェッ!!」 襲い掛かる敵にカウンター一閃。 オーケー、こんくらいの敵ならアビリティもなんも使わなくてもコロがせる。 彰利 『我はモンスター大幹部No.4、ゴルベーザ!     倒せるもんなら倒してみろコラァ!!』 兵士2「幹部だかなんだか知らねぇがこの人数相手に勝てると思ってんのか!」 彰利 『勝てる!!断言するね!!』 集中しろ、集中。 大丈夫、僕なら出来る!! 向かってくる敵の一挙一動、足の運びすらも察知し、攻撃を返してゆけ! 相手の影の動き全てを察知できてこそ黒の秩序!! 将軍  「敵は一人だ!突撃ぃいいいいっ!!!」 兵士ども『オォオオオオオオッ!!!!』 彰利  『へっ、一人は一人でも───!!』 タンッ───パァンッ!バゴォッ!!ドボォッ!!ぱぐしゃあっ!! 兵士ども『ぶへぇああっ……!!』 彰利  『力と技術は並々ならぬ一騎当千よォ!!』 向かってくる敵の波へと自らを投じ、攻撃の全てをカウンターで返す。 いい調子だ……今日の俺は輝いてる。 彰利 『オラどしたぁっ!!かかってこないならこっちから行くぞぉ!!』 兵士 「こ、こぉおのぉおおおっ!!!」 彰利 『遅ぇ!!』 ガギバゴシャドゴォオオンッ!!! 兵士 「ギ……」 片手で剣を振り下ろしてきた兵士だったが、 その剣を右手で弾き左の拳を顔面にくれて地面に叩きつけると動かなくなった。 兵士ども『ざわ……!!』 将軍  「な、なにをしている!敵は一人だぞ!進め!進めぇえええっ!!!」 兵士ども『う……うわぁあああああっ!!!!』 彰利  『アホだねぇ……ここは素直に退くところだろうに。      突撃嗜好の上さんを持つと寿命縮めるな!』 身体を振る。 向かってくる攻撃を全て避け、さらに遠心力で力を上乗せするために。 彰利 『オォラァアアアアアアッ!!!!』 バゴシャドゴシャバゴォンドゴォンバッガァアアアアアッ!!!! 兵士ども『ぎゃあああああああっ!!!!』 自分たちから向かってきてくれる敵を、デンプシーロールの要領で殴り飛ばしまくる。 それでも止まらない兵士たちは錬気を込めた勁で吹き飛ばす。 彰利 『天に三宝、日、月、星!地に三宝、火、水、風!!───龍炎拳!!』 両手に込めた闇の力が炎をとなり、合掌させて振り下ろすことで巨大な刃と化す!! ゴウッ───ゾバァッシャァアアアアッ!!!! 兵士ども『ぐぎゃぁあああーーーーーーっ!!!!』 長い通路では逃げ道もないほどの攻撃だ。 事実、立っているヤツなんて将軍さまだけだ。 彰利 『ちったぁ退屈は凌げたが、これで終わりだ!!』 将軍 「ひっ───!!《バゴシャアッ!!》げはぁああああっ!!!!」 将軍の顔面をストレートで打ち抜いた。 拳のキレ、角度、力の流れ、全てが一体となった時─── 将軍は一回転したのちにぐしゃりと崩れ落ちる。 彰利 『ッシャア!!身体の調子はすこぶる良好!!」 ドリ子と魔王の力の加護もあってか、体が驚くほど軽い。 これなら俺一人でだって敵を全滅できそうだぜ!? 彰利 『我ら原中、祭り騒ぎの中では落ち着いてなどおられぬ猛者!!     俺の拳が血を求めている!!』 そうなれば身体はうずくのみ。 俺は地面を蹴ると一気に中央空洞広間まで駆け、そのまま跳躍。 一番下まで降りず、二階の反対側へと着地してそのまま駆け出した。 すると─── 藍田 「っ!?獣人か!」 彰利 『ゲッ……』 出来れば会いたくなかったヤツにいきなり出くわしちまった。 だが!今の俺に敵など居ねー!! 彰利 『我はモンスター大幹部No.4、ゴルベーザ!     倒せるもんなら倒してみろコラァ!!』 藍田 「ゴルベーザ……またお前か!いい加減しつけぇぞ!!」 彰利 『うるせぇ!好き勝手に人のシマぁ荒らしやがって!俺、お前、ぶっちぎり!!』 藍田 「ごちゃごちゃぬかすな!そこ通させてもらうぞ!     俺はナギ助たちを助け出さなきゃならねぇんだ!!」 彰利 『あ〜ん?あああの二人か。あれなら俺が攫った!それがどうしたー!!』 藍田 「───犯人はてめぇか!!ブッ殺す!!」 モシャアンッ!!《潜在スキル・“怒り”が発動!藍田の力があがった!!》 彰利 『マズったぁーーーーーーっ!!!』 わざわざ相手にパワーアップの機会与えてどうするよ!! ああいや!どちらにしろブッ潰すのみ!! 全力を出した相手をブッ潰してやったらさぞ面白いことでしょう……ええ!! 彰利 『いざ《バッゴォオオオオンッ!!!》うげぇあぁあああっ!!!!』 え───な、なに!? なに喰らった!?速くて見え─── 藍田 「“三級挽き肉”(トロワジェムアッシ)!!」 タタンッ───ドガガガガガッ!!! 彰利 『うっ!ぐっ!げはっ!!』 頬への衝撃によろめいた次の瞬間には既に攻撃が追加されていた。 側転の勢いをつけた連続蹴りが俺の顔面を打ち抜き、たまらず仰け反ったところに 藍田 「“粗砕”(コンカッセ)!!」 ギュルゴチャアッ!! 彰利 『ブゲェッ!!』 高速回転から振り下ろされるカカト。 〜〜……なんつー威力だ、頭がクラクラする。 だが不意打ちされてそのまま負けるほど、本気の俺は馬鹿じゃねぇ!! 藍田 「“整形(バラージュ)───」 彰利 『いつまでもラッキーショットが続くかよ!!』 藍田 「《バゴシャォンッ!!》ぎっ───!?」 踏み込んだ藍田の体が俺の拳を軸に回転する。 渾身諸刃カウンター……これを受けて立っていられるやつなんてそうそう─── 藍田 「〜〜〜っ……ショットォッ”!!」 彰利 『なっ《ズパパパパパパパァアンッ!!!》くあぁあああああっ!!!!』 なんてヤロウ!! 吹き飛んだにも関わらず、 一回転が終わる頃にその衝撃の反動を殺さずに蹴りこんできやがった!! 甘かったのは藍田じゃない!甘かったのは───!! 彰利 (もう一撃で満足しねぇ!動かなくなるまで───!!) 考えてみれば当然だ。 相手は俺の倍はレベルのある藍田。 俺の中で上位の攻撃だからって、一撃で仕留められるなんて甘かった……!! 彰利 (なんの力も持たなかったキミがよくここまで這い上がってきた……!!     素直に尊敬するぜ藍田……!!     けどな、本気バトルで負けるわけには───いかねぇ!!) 藍田は本気だ。 だったらこっちも本気で行くのが男の魂であり、原中の魂。 互いに遠慮なくぶつかり合うのが俺達のルールだ。 だから───本気の本気でぶつからせてもらう!! 彰利 『“解除”(レリーズ)……』 藍田 「……?」 死神として“黒”を解放する。 この所為で正体がバレようが構わない。 全力には全力を以って応える───以前までの俺と思うな!! 彰利 『うおぉおおおおおおっ!!!!』 藍田 「───っ!!“解除”(レリーズ)!!」 ジュワァッ!! 彰利 『っ!?』 驚いた。 藍田が解除を唱えると同時に、地面が焦げたのだ。 宝玉の力のひとつで、常に解放されている力や隠しておきたい力を封印しておける。 が───ありゃあなんだ? 足がまるでマグマみたいに…… 藍田 「“悪魔風(ディアブル)──( ジ)(ャン)(ブ )」 彰利 『……!!!』 コケ脅しだ! 惑うな、このまま振り抜け!! 死皇に至りし鎌獄の死神───この力のお蔭で、俺は一時だけ藍田のレベルを越えられる! だったらなにも恐れることなんか無い! このまま吹っ切って─── 藍田 「ストック全解放!!“四五竜闘気”!!“画竜点睛(フランバージュ)───」 ───否!? 灼熱色の脚に加えて、藍田の体の周りに幾つもの光の球が───!? 彰利 『かっ───く!!』 藍田は蹴りの体勢に入ってる! その灼熱色の脚に、光の球の全てが集まって──────マズイ! このまま振り切ったら───だめだ、出した拳を止められるか!! ギリィッ……!! 彰利 (耐えろ!こっちだって全力を拳に乗せてるんだ!!     これに負けるなら最初から勝ち目なんてなかった!!) 歯を喰いしばる。 振り切ろうとする拳はそのまま更なる加速を込め、風の壁を穿ちながら藍田の顔面へ!! 彰利 『ルゥァアアアアアアアアアアッ!!!!』 藍田 「───ショットォッ”!!」 バガギシャァアォオオオゥウンッ!!! 彰利 『〜〜〜っ……!!!』 大気、大地、城の全てが激震する。 振り切り、黒竜の力全てを込めた拳は藍田の顔面を打ち抜いた。 結果、藍田は吹き飛び壁を貫き、見えなくなるまで吹き飛んだ。 だがそれは俺も同じで─── 彰利 『ぶっ……げはぁっ!!』 ……まいった。 黒状態の俺には物理攻撃なんてそうそうダメージが無い筈なのにこれだ。 体の半分、もってかれた。 しかも中途半端にHPが残ってるもんだから辛すぎる。 咄嗟に身を捻って躱してもこれだ……まともに喰らってたら、確実に消えていた。 彰利 『かっ……くそっ!!』 こんなところで倒れてたら、兵士たちのいい的だ。 早く回復して、それで───…… 彰利 『……?お、おい……なんで回復しないんだ?』 戦闘終了すれば自動回復する筈だろ? なんで───…… 彰利 『……まさか』 ジャリッ…… 藍田 「勝手に……終わらすな……クソヤロウ……!!」 彰利 『───!!』 冗談だろ!?こっちは全力で───それこそ頭吹き飛ばすつもりで殴ったってのに!! 全力で…………い、や……待て。 確かに攻撃は当たった。 だけど手応えはそこにきちんとあったか……? 藍田 「……蹴り込んだ反動で後ろに飛んだんだよ。     威力が高すぎて自分が吹き飛んだって言ったほうがいいんだろうけどな」 あぐ、とグミを噛みながら前進してくる藍田。 その猛者っぷりに……俺は心底武者震いした。 まだこっちには鎌獄の死神の効果が残ってる。 対して、あっちはストック全部を使ったんだ。 さっきみたいな高威力の技は出せない筈だ。 彰利 『残り20秒で───ケリをつける!!』 そうと決まれば早い。 俺はグミを噛むと地面を蹴り、半身を復活させて一気に間合いを───っ!? 藍田 「“二級挽き肉(ドゥジェムアッシ)”!!」 タタンッズガガガガガガガガァッ!!!! 彰利 『いっ……ぐ!』 完璧に狙われた。 疾駆し、体が移動から攻撃に移る前を狙っての連続蹴り。 勢いに乗った身体を逆に押し返され、思わず大きくたたらを踏んでしまう。 そんな俺目掛けて、再び側転する藍田の姿が目に映る───!! 藍田 「“悪魔風脚!(ディアブルジャンブ)一級挽き肉(プルミエールアッシ)”!!!」 ヒュゴジュガガガガガガガガァアアッ!!!! 彰利 『げがっ!ぐあっ!熱っ───!!』 〜〜……この脚、なんて熱持ってやがる!! 触れるだけでダメージだぞこれ……!! 彰利 『んのっ……!!ナメんなぁっ!!』 蹴りの一つが拳に当たった瞬間を狙って大きく弾き飛ばす。 今度は藍田がバランスを崩す番だ。 大きく回転しながら吹き飛ぶ藍田が地面に落下する瞬間をこの拳で───!! 彰利 『砕けろぉおおおっ!!!』 ドゴォンッ!!───地面を踏み砕いての加速!! 一歩、二歩と進むごとに風の壁を何層も破壊し、 やがて目の前に回転しながら吹き飛ぶ藍田を捉えた瞬間、 ストックを解除して“溜める”を解放した拳を───!! 藍田 「“九頭竜闘気───悪魔風脚”(ディアブルジャンブ)」 彰利 『!!』 え───なに!?また光が集まって─── それは秘奥義かなんかじゃ───!? なんで何発も───ストックは全部使った筈……!拳が出……!止められ─── 藍田 「画竜点睛(フランバージュ)ショットォオオッ”!!!!」 ルオバギシャドッガァアアアアアアアッ!!!! 彰利 『ぐあぁあああああああっ!!!!!』 完全に油断した。 力を持っていた自分に対して、 相手は最近力をつけ始めた相手なのだと、きっと何処かで見下していた。 だけどこれが現実。 どこまでも油断などせず、最後まで勝ちに執着する者こそが勝ち─── 吹き飛ばされて回転したのではなく、 自分で回転していたことに気づけなかった俺が……この一瞬のみ敗北者だった。 散々遠心力をつけたオーバーヘッドキックは俺の肩を打ち抜き、 まるで竜の牙でえぐり喰らったように肩を殺した。 だがそれでも引かない。 勝ちに執着する者が勝つのなら、ここで引いたら負け犬だ!! 彰利 『かっ……ぐっ……!!』 動く身体でグミを口に放り込む。 そしてストック解除───!! ブラックオーダーを解放し、無くなりかけていた効果時間を延長させる!! 彰利 『この勝負───俺の勝ちだ!!卑怯と言われようが負けるわけにはいかねぇ!!』 藍田 「どんな手段を使おうと負けるわけにはいかないのは俺だって同じだ!!」 ヴオドッガァアアアアアアアッ!!! 振り切った拳が、今度こそ藍田の身体を殴り穿つ!! あまりの威力故か巻き起こった砂埃が視界を濁らせ、 だがやがて砂埃が消える頃、そこには─── オリバ「卑怯ト言ワレヨウガ、負ケルヨリハコッチヲ選ブゼ……」 彰利 『なっ……!!』 くそっ!そうだ、こいつにはこの反則的な変身能力がありやがった!! ───だが効いてないわけじゃない! 現にあの無敵の防御力を誇ったオリバがフラついてやがる!! 彰利 『うあぁああああああっ!!!』 オリバ「ヌオォオオオオオオオッ!!!!ドゴォン!!バガァッ!バゴチャア!!ズガァンッ!! 殴り、殴られる攻撃のぶつかり合い。 そこにはやはり防御などという言葉はなく、 互いがのけぞりながらも殴るのをやめず進んでゆく───!! 彰利 『なにかの悪夢かちくしょう!!この力で殴ってんだぞ!?     倒れろ……!倒れろ倒れろ倒れろ倒れろぉおおおおおっ!!!』 バガァッ!!ドボォッ!!バギドゴォッ!! オリバ「ヌッ……グッ!!フンアァアアアアアッ!!!」 ボリュバゴチャアッ!!ドゴォン!!ぱぐしゃあっ!!! 彰利 『げぶっ!がっ!えはっ……!!』 とんだバケモンだ。 殴っても殴り返される。 だが確かに攻撃が徹ってる。 今まで散々攻撃を弾いていた身体に、この攻撃は効いている。 だがそれはこちらも同じだ。 これでもかってくらい身体能力を高めたというのに、 相手の攻撃はまるで俺の内側を穿つかのように芯に響く。 だが倒れてなんかやらねぇ……!!倒れるのは───てめぇの方だ!! 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