───冒険の書89/牧師をする者=ボクサー?───
【ケース278:弦月彰利(再)/ガルキマ・セーラ】 ハワァーーーーーッ!!!! 中井出「まっいにっち〜がっ!!」 総員 『カァーニバァーーール!!!』 中井出「さあ踊ろう!歌おう!心開いて!!思い吐き出せ!」 総員 『夢のカァーニヴァーーール!!』 皆様元気です。 特に原中が。 パーシモンくんの結婚式だ〜ってことで、みんな大いに騒いでる。 港町の人々にとっちゃいい迷惑だろう。 猛者どもは結婚パーティーにつけこんで騒ぎたいだけみたいだけど。 中井出「準備はいいかぁーーーい!?」 総員 『ヒゥ!ウィーッ!ゴォーーーゥ!!』 中井出「右手を挙げてェッ!!」 総員 『UPUPUP(アッパッパァ)!!』 中井出「左手挙げてェッ!!」 総員 『UPUPUP(アッパッパァ)!!』 中井出「エルボォッ!!エルボォッ!!」 総員 『IN!OUT!IN!OUT!(インッ!アウッ!インッ!アウッ!)』 中井出「エルボォッ!!エルボォッ!!」 総員 『IN!OUT!IN!OUT!(インッ!アウッ!インッ!アウッ!)』 中井出「両手を回して!」 総員 『LEFT,RIGHT,LEFT(レフライレェフ)!!』 中井出「ヒップも回して!」 総員 『LEFT,RIGHT,LEFT(レフライレェフ)!!』 中井出「LEFTオォン!!RIGHTオォン!」 総員 『LEFT,RIGHT(レェフラァイ)ジャァーーンプ!!』 中井出「肩もォッ!使ってェッ!!」 総員 『歩いてジャァーーーーンプ!!!     ハワァーーーーーーーッ!!!』 パチパチパチパチ……!! 一斉に拍手をする皆様はそれはもう楽しそうでした。 や、かくいう俺も楽しんでおりますがね。 凍弥    「いやー、おめでとうおめでとう」 鷹志    「とうとう貴様も旦那になるのか」 柿崎    「いやぁはは、ありがとう、ありがとう」 フォルネリア『私たち、幸せになりますわ』 真由美   「お幸せに、キャス子さん」 来流美   「キャス子さん、頑張って」 由未絵   「え、えとえと、お幸せに、キャス子さん」 フォルネリア『……私、キャス子ではありませんわよ?』 来流美   「キャス子さん、外見若いのにその喋り方してると年寄り臭く聞こえるわよ」 フォルネリア『あの?ですから私は……』 彰利    「おめでとうキャス子!!」 フォルネリア『………』 キャス子が物凄い形相になった。 でも柿っちの手前、野蛮なことはしたくないらしい。 やあ、愛されてるねぇパーシモン。 中井出「さあ飲めや歌えや騒げや群集!!今日は無礼講さ!     なにをやったってきっと許され《ゾブシャア!》ルヴォアァあアああアッ!!!     な、なに!?だからなんで急にサミングすんの!?     見えない!また景色が真っ赤でなにも見えないよう!!」 殊戸瀬「え?なにをしても許されるって」 中井出「キミはなに!?いつだって俺の目狙ってるの!?     許可がおりたらすぐにでも目潰ししたいの!?そうじゃないでしょ!?     物凄い音が鳴ったよ今!目潰しの音じゃないよ!!みんな何処!?何処なの!?     僕だけ独りなんてやだぁあああーーーーーっ!!!」 殊戸瀬「大丈夫、提督は一人じゃない。     ほら、いつだって肩の後ろに透明で血まみれの落ち武者が」 中井出「怖いよそれ!!それなら独りのほうがマシだよ!!     あっ!いやっ!なにか耳元に生暖かい吐息が!助けてぇえええ!!」 無礼講を唱えた途端に猛者のみなさまに囲まれてる中井出はまあ、 お気の毒というか慕われてるというか。 元気があって大変よろしいってことにしておこう。 もちろん彼の未来は無視という方向でだ。 鷹志 「あっちは盛大に賑やかだな。     それなのに結婚式をする主役のこちら側ときたらなんと静かなことか」 来流美「あっちが無駄に元気がありすぎるのよ。     わたしたちより騒ぎ慣れてる人達なんて初めて遭ったわ」 由未絵「来流美ちゃん、“あった”の部分に災厄的な感情を感じたんだけど」 来流美「気の所為よ」 彰利 「えー、では柿崎=パーシモン=稔よ。     キャス子を妻とし、生涯ともに生きることを誓うか?」 柿崎 「ちょっと待て!キャス子じゃないだろ!」 彰利 「えー?だって名前が長くて覚えられないんだもんYO。     だったらキミは言えるのかね!?覚えておるのかね!!」 柿崎 「リグレス=フォルネリア=テオゲートだ。ほら、言い直せ」 彰利 「キミには本当に失望させられたよ!」 柿崎 「へ!?な、なんでだよ!」 凍弥 「パーシモン!そこは敢えて“キャス子だ”と言ってボケるところだろう!」 彰利 「ええい不甲斐なや!貴様は原中の何を見て成長したのかね!!」 柿崎 「俺ゃ原中とは関係ねぇだろうが!!」 鷹志 「ていうか弦月よ。お前ってキャス子のフルネーム知ってるのか?」 彰利 「知らんよ?」 その日、僕は鬼の形相をしたパーシモンくんと魔王様にボコボコにされた。 ───……。 ……。 彰利 「ゲホッ!お、ごげ……!え、えと……ハイ、すんません……     口の中が物凄ェ鉄サビの味がするんですけど……」 凍弥 「よかったな!鉄分が豊富な証拠だ!」 彰利 「遠回しに痛ェって言ってんですよあたしゃあ!!」 まいったぜ、この魔王さま確かに強ェ!! 魔王と呼ばれるだけのことはあるよ! ま、まあボクも本気出してなかったしね!?ね!? 彰利 「ウハー、言い訳くせぇ……」 やっぱ負けた時は負け惜しみはいかんよなぁ。 まあよいです、傷もとっとと塞がったし。 彰利 「で、俺がボコボコにされて転がってるうちにとっとと結婚式やっちゃったワケ?」 凍弥 「そうだ」《どーーん!》 彰利 「や、わざわざ胸張らんでも」 ぬう、これはしまった。 気絶してたもんだからなにが起こったのかも解らん。 原中の猛者どもも結局は中井出と遊んでて結婚式なんて無視してるし。 ああいやそれとも俺が気絶してる間はちゃんと祝ってたのか? グ、グムー、妙なところで意識を失ったことを後悔。 でも皆様この勢いに乗じて今日一日騒ぎ続ける気満々だね。(特に原中) さて、これはどうしたものか。 彰利  「む?そういやダーリンがおらんとね。ダーリン見んかった?」 凍弥  「お前のダーリンならホレそこに」 ダニエル「マッソォゥ!!《ムキキィッ!!》」 彰利  「ほぎゃあああああーーーーーーーーっ!!!!」 サブタイ:振り向けばそこに・リターンズ 彰利 「ななななんでー!?どしてー!?なんでここにダニエルが居るんだぁーーっ!!」 凍弥 「俺が呼んだ」 ズドドドドドガシィッ!!ズドドドドドドシュパァーーンガボシャァーーーン!!! 閏璃くんが猛者どもに担がれ、大海原へと放り投げられた。 声  「ぷあっ!ちょ、な、なにをするーーーっ!!」 声  「黙れクズっ……このクズ……っ!なんてことしやがるこのクズが…………っ!」 声  「まっこと……正真正銘……人間のクズ…………っ!ダメ人間の代表…………っ!     カスっ……ゴミっ……クズ…………っ!!」 声  「楽しい祭りの日にっ…………!災厄を呼ぶ馬鹿がどこにいる………………っ!」 声  「散れ………………っ!」 声  「言いながら海に電流流す《バヂィッ!!》ギャアアーーーース!!!」 声  「素直になぁれっ……!素直になぁれっ……!」 声  「素直に……素直に……素直になぁれっ……!」 声  「悪魂退散悪魂退散…………っ!綺麗な魂戻ってこいっ…………!!」 声  「《ジババッ!バリバリ!!》あがぢぢぢっ!!ちょちょちょちょっと待て!!     シャレに《バヂィッ!!》あがぁああーーーーっ!!?     シビレて溺れるって言ってるんだっ!頼むから待《ビヂィッ!》ギャーーーッ!」 声  「こんな日が来るであろうと、     全員分手に入れておいた電撃ロッドが役にたった…………っ!」 声  「愛情……注入…………っ!」 声  「《バリバリバリバリ!!》しぎゃあああーーーーーーーーっ!!!!」 声  「おー、沈んだ沈んだ」 声  「おー、横からシャークさんが」 声  「おー、食われてる食われてる」 声  「おー、光になって飛んでったな」 声  『な〜む〜』 声  『呼んだほね?』 声  『まだ居たのかよお前!!』 実に賑やかだ。 既にみんな、我が目の前のダニエルのことなんて すっかり忘れてるんだろうなぁ〜、ちくしょー。 ダニエル「ボォ〜ゥイ、ハッピーカーイ?」 彰利  「え、あ、ああその……ハッピーでしたよ?キミが出てこなけりゃ」 ダニエル「ソーカソーカ、デハソコノ宿デユックリ話シアオウジャナイカ」 彰利  「けっ……!けけけけ結構デス!!ほんと結構!勘弁してください!!      ひえっ!?あ、あの、なんで肩をそっと抱くんですか!?      あのっ……結構ですよ!?ほんと、もう間に合ってますから!!      人を!人を呼びますよ!?た、たたた助けてぇえええええっ!!!」 ボクは周りの人全てに救いの手を求めた!! するとどうでしょう! まるでボクとダニエルさんがこの場に居ないかのような振る舞いがそこにあった!! 皆様、意図的にボクという存在を視界から抹消してやがります!! 特に原中の我関せずぶりといったらナウヴェル賞ものですよ!? 悠介!?悠介ー!キミならボクを助けて、ってあのヤロウ全力で逃走してやがる!! こうなりゃ意地でも巻き込んでやるコノヤロー!! ひとりだけ我関せずじゃなかったことは素直にアリガトウだけど 全力で逃げられるほうがまだイテェ!! GO!ボクの黒!!影を通して悠介を操る!! 悠介  「《グキキッ!!》あでぇっ!?おわっ!?な、なんだぁっ!?      体が勝手に───ってお前か!!やめろ離せちょっと待て!!      他のものとならなんであろうと戦うがそいつだけは嫌だ!!」 彰利  「クォックォックォッ……!逃がさん……!ボクとキミは一心同体サ!!      素直に逃げた貴様を誰が逃がすかコンチクショウ……!!」 悠介  「そ、そのまま無視してくれりゃあいいだろうが!!      俺ゃダニエルなんて存在はミノタウロスよりも嫌いなんだよ!!」 ダニエル「HAHAHAHA!!元気ガイイナァボォ〜ゥィ」 悠介  「《カプリ》ぎょぇぁえええぁあああああっ!!!!」 総員  『ウオッ!?』 中井出 「ど、どうした!?今晦一等兵の尋常ならざる悲鳴を聞いたがっ……!」 彰利  「えーと……まあその、ダニエルに耳噛まれた」 総員  『しぎゃああああーーーーーーーーっ!!!      聞いただけで寒気がぁあーーーーーーーーっ!!!!』 悠介  「い、いやだぁあ!!離せ!離せえぇえええっ!!!」 ダニエル「ウヴナトコロモ夢ノママカネ。HAHAHAHAHA!!」  ざわっ……! 皆川 「おおお……!あの晦があそこまで恐怖するとは……さすがダニエル……!」 綴理 「や、普通は怖いでしょ」 美奈 「わたしも出来れば関わり合いたくないし」 田辺 「い、いや!しかしヤバイぞ!?     ダニエルがどんどんと晦の顔に己の顔を近づけて……!」 蒲田 「チィ!こんな時に空き缶さんは何処に行ってるんだ!?」 清水 「フラットさんならさっき、     晦に頼まれて道具屋に要らないアイテム売りに行ってたけど」 岡田 「なんとまあもったいのない。ここに居る状況ってのを見てみたかったんだが」 中井出「それではみんなでヒーローを呼んでみようかなぁ!?せーのぉっ!!」 総員 『空き缶さーーーん!!』 ルナ 「空き缶言うなぁああああっ!!!」  シュゴォッフィゾガフィィイインッ!!! 総員 『ギャアーーーーーーーッ!!!!!』 速ッ!!もう来た!! しかし悲しいかな!ルナっちは猛者どもに怒りを撒き散らし、 卍解鎌での斬殺劇場を繰り広げるあまり、悠介の危機に気づいていない!! 血飛沫を巻き上げつつ吹き飛ぶ猛者ども!悠介へと近づくダニエル!! 恐怖のあまり力が出ないらしい悠介!おお、これぞ奇妙空間!! え?ああ、ちなみにボクはダニエルの意識が悠介に向かった時点で逃走しました。 スケープゴート万歳。 ダニエル「ジュッテェ〜ム」 悠介  「や、やめっ───」 南無。 ややあってダニエルの熱いベーゼ(?)が悠介の頬へとクリーンヒット。 悠介 「《ぴししっ……!》」 悠介は刹那、動きを硬直させ───ゴコォッキィイインッ!!! 総員 『ウオッ!?』 なんと次の瞬間、港町を黄昏の草原で塗り潰した!! しかも景色が変わったかと思えば突然虚空に武具が創造され、 ダニエルに向けて一気に飛翔するじゃないですか!! しかし悠介くん!?そのダニエルがキミを抱き締めてるって解ってます!? このままじゃキミまで串刺し……ってちょっと待て!! え!?なに!?インフィニティ・バレット・アームズ出来るようになったの!? そういや“壁は越えた”って……  ガガガォン!!ガォガォガォオオンッ!!!  ゾガガガドシュゾガゾガシャォオオンッ!!! ダニエル「OOOOOOHHH!!?」 中井出 「ヒィイ!!空襲警報発令空襲警報発令!!総員退避ぃいいっ!!」 永田  「さ、サーイェッ《ゾブシャア!!》ギャアーーーーーーッ!!!!」 田辺  「ああっ!永田がロングソードの餌食に《ゾブシャア!》ギャアーーーッ!!」 岡田  「永田!?永《ゾブシャア!》ギャアーーーーッ!!」 総員  『ヒィイ!!た、たすけっ……助けてぇええ!!!』 鷹志  「おおお……華やかで賑やかだった結婚式があっという間に血みどろ劇場に……」 凍弥  「良かったな柿崎!一生忘れられない結婚式になるぞ!!」 柿崎  「わざわざそんなこと言うために戻ってくんなよ!!」 凍弥  「や、正直陸近くにシャークさんが来るとは思ってもみなかった。      さすがファンタジー。現実世界とはまるで違う」 柿崎  「……お前、あのまま死んでたほうが世界平和のためだったんじゃないか?」 凍弥  「悪の大魔王か?俺は」 そげなこと言ってる場合じゃないんだけどね。 まあでもダニエルも逃走してくれたし、結果オーライ? 悠介 『誰が逃がすかこの野郎……!!“伎装弓術(レンジ/アロー)
”!』 彰利 「いやあぁあああ待て待て待て!!余計な攻撃加えて足止めすんなぁっ!!」 中井出「あのまま行かせてやれ!一分一秒でも見ていたくねぇ!!」 悠介 『ふふふ……ダメだよサド隊員……私はもう我慢の限界だ……。     何もかももういいじゃないか……あいつを殺そう……』 言いつつ、キュバァアア!!と手の平にゲイボルグを創造する悠介くん。 って、やっぱ光の武具創造出来るようになってやがる!! しかもすっかり眼が真紅眼で───って 彰利 「ウオッ!?眼が据わってやがる!!」 中井出「止めろォ!晦を止めろォッ!!」 総員 『オオオーーーッ!!!』 ボゴシャア!! 中井出  「オゴォッ!?い、いや俺じゃなくて!《ドボォッ!!》ウギャーーーリ!!       ちょっ……なにすんの!?あ、あのね!?僕じゃなくて晦をね!?」 友の里陣営『オレたちも入れろーーーっ!!』 ドガバキドスボゴバゴドゴゴスドガ!! 中井出「ギョェエーーーーーッ!!!!」 どういう状況なのか、何故か中井出がボコボコにされてゆく。 しかもその現場に気づき、ようやく正気に戻った悠介もそれに混ざっての乱闘騒ぎである。 えーと、これに対して俺はどういう反応を示せばよいのでしょうか。 やっぱり混ざるべき?当初の目的である悠介を止めるってことは完了したわけだし。 中井出「ケ……ケビ〜〜〜ン我が息子〜〜〜っ!」 彰利 「オレも入れろーーーっ!!」 ドガッ!ガシィィッ!ズガッ!ドガァッ!! 中井出「ギャアーーーーーーッ!!!」 ノリの良さが災いしたというべきでしょう。 こんな時でもしっかりと臨機応変にロビンマスクの真似をしてくれた中井出は、 皆様に余計にボコボコにされるハメとなった。 中井出「っていい加減にしろてめぇらぁあああああっ!!!!」 ドゴォオオオンッ!!! 総員 『ギャアーーーーーッ!!!!』 さあいざストンピングをって時でした。 突如中井出の体が炎に包まれ、それに触れた途端に爆発したのです。 彰利 「な、なんだ〜〜〜っ、あ、あれは〜〜〜っ」 藍田 「て、提督の武器スキル、火円とボマースキルだ〜〜〜っ!     あ、あれをやられては迂闊に触れねぇ〜〜〜っ!」 彰利 「ボマー?」 藍田 「火や爆発系の威力にさらに爆発を織り交ぜて威力を増すスキルだ〜〜〜っ!」 彰利 「そうか〜〜〜〜」 蒲田 「や、べつにこんなところでバトルロイヤル時に時間超人打倒を心に決めた     ニュージェネレーションの真似せんでも」 彰利 「だが勝つのは依然!このディアヴォロだ!!いい機会だ中井出この野郎!!     闇黒の影状態の俺と今の貴様、どっちが上か勝負だ〜〜〜っ!!」 総員 『おお〜〜っ!!やれやれ〜〜っ!』 皆川 「提督に1ギミルだ!」 藍田 「なんの!俺は提督に1ギミルだ!」 岡田 「甘い!俺なんか提督に1ギミルだぜ〜〜〜っ!!」 彰利 「全員中井出な上に全員1ギミルじゃねぇの!!賭けにもならんよそれ!!」 だがもちろんバトルはするつもりさ!! この大勢の前でどっちが上か見せ付けてやるぜ〜〜〜っ!! 【ケース279:晦悠介/ジョン=L=サリマン先生】 ゾゴォッフィゾッパァアアアンッ!!! 彰利 『ギャア強ぇええええええっ!!!!』 彰利が炎に包まれつつ、錐揉みしながら吹っ飛んでいった。 パーティーが始まる前に呼び出しておいた、 みずき率いる猫の店のアイルーに鍛えて貰った中井出の武器は、 それはもう悪魔的に強かった。 加えてあのレベルだ、そりゃ魔王にだってなれるってもんだ。 彰利 『チィくそう!こうなりゃ亀戦法だ!ガードを続けて相手の隙を伺うんだ!!     僕の黒よ!僕の腕により密度を送れ!!     破れるもんなら破ってみろ!伝説のピーカブーブロック!!』 中井出「徹し奥義!マイトナックル!!」 彰利 『《バンガァッ!!》オギャーーーリ!!な、なに今の!!     ガードの上からでも響く!!で、でも耐えなきゃ!     耐えて活路を見出すんだぁああっ!!!』 中井出「鷹村さん流ガード破壊秘技!徹しアッパー!!」 彰利 『《バガァンッ!!》ゲ、ゲェーーーーーーッ!!!!』 皆川 「おおっ!ガードが弾き飛ばされたぞ!!」 彰利 『ガ、ガードが間に合わない!このままじゃ喰らっちゃう!!』 悠介 「なぁ。ところであの馬鹿、     なんだって幕ノ内一歩みたいな喋り方になってるんだ?」 田辺 「ピーカブーだからなんとなくじゃないか?」 ああ、その線が一番か。 だって彰利だもんなぁ。 田辺 「っと、それだったらちゃんとそれっぽく応援してやらんとな!」 岡田 「まっくのっうち!まっくのっうち!」 皆川 「おっと、じゃあこっちも負けてらんねぇな!」 蒲田 「おおっ!!」 総員 『エッロマッニア!エッロマッニア!!』 中井出「語呂は同じなのになにこの屈辱的声援!!」 彰利 『───来た!!ここだぁあああああっ!!!』 中井出「ハッ!!し、しまっ───」 彰利 『デンプシィイイイ・ロォオオルだぁあーーーーーっ!!!』 皆川 「おお!あの体を“寝かせた8の字”を描くように振るウェービングは!!」 彰利 『《バゴシャォオオンッ!!》ウギャアーーーーーッ!!!!』 丘野 「おぁーーーとぉっ!!カウンター一閃ンンンン!!!!     それはそうです!せっかく見つけた隙を、     わざわざデンプシーロールで潰そうとしてては世話がありません!!」 田辺 「アホかてめぇ!!」 岡田 「このクズが!!」 彰利 『うるさいやいっ!千堂くんはちゃんと待っててくれたもん!!』 体を勢い良く振っていた彰利は、 ものの見事に顔面にカウンターを合わされて体が一回転するほどに吹き飛んだ。 多分STRマックスだ、かなり足にキてることだろう。 本当に後先考えないからなぁ、あいつ……。 丘野 「ワァーーーン!!ツゥーーーッ!!スリィーーーッ!!フォーーーッ!!」 彰利 『な、なにカウント取っとんねん!     起きる!起きるからちと待てや!!ぬ、ぐ、ぐぐぐ……!!』 田辺 「ダ、ダメだぁっ……!完全に足にキちまってる……!」 岡田 「立てェーーーーッ!!千堂ォーーーーッ!!」 悠介 「……なぁ。ここっていつからボクシングになったんだってツッコムところか?」 真穂 「原中だもん、あんまり気にしないほうがいいよ」 ……か。 だよなぁ、原中だもんなぁ。 彰利 『立て!ええい!立たぬかこの足め!!』 丘野 「ファァーーイブ!シィーーーックス!セブン〜〜〜〜ヌ。     エェーーーーーイトゥ!!!」 悠介 「……なぁ。今セブンだけヤケにエセアメリカン風じゃなかったか?」 真穂 「うん……わたしもそう聞こえた」 彰利 『ヌッ……ぬぐがぁああああああああっ!!《ゾリュンッ!!》』 丘野 「おぁーーーっとぉ!?弦月選手、体を黒で塗り潰し、     立った状態を再現することでカウントから逃れたァーーッ!!……やれるかね?」 彰利 『やります!!』 悠介 「なぁ丘野よ。解説とレフェリーの一人二役って大変じゃないか?」 丘野 「正直思いっきり大変でござる。ボックス!!」 彰利 『よォも無様な姿晒させてくらおったのぉ!!くらぇやぁあっ!!』 田辺 「い、いかん!頭に血が昇って辺りが見えなくなっとる!!」 岡田 「止まれぇ!落ち着くんだ間芝ァーーーッ!!!」 悠介 「………」 真穂 「ツッコんでもどうせ聞かないから。ね?     幕ノ内くんだったり千堂くんだったり、     ラオウだったり間芝さんだったりで滅茶苦茶だけどさ。     原中で、しかも弦月くんなんだから、ね?」 なにが微妙かって、それで納得出来てしまうのがものすごく微妙なわけだが。 はてさて、突っ込んでいってはボコボコにされる我が麗しの幼馴染を眺めつつ、 頭の後ろを左手でコリコリと掻いてみた。 右腕には寄生虫のように取り憑いて離れない死神が居るもんだから、右手は使えないのだ。 さっきからなにを黙っているのかと思えば、 どうやら俺の近くに居られるだけで幸せらしい。 極上の笑みを浮かべつつ、ニコニコと彰利が吹っ飛ぶ様を眺めていた。 つくづく思う。 なんだって俺なんかを好きになったんだろうかと。 しかしそれを訊いてみても返ってくる返事など“悠介だから”だけなのだ。 だから時々に思うわけだ。 拠り所になるって他の誰かが俺の前に言ったのなら、 こいつはそいつを好きになったりしたのだろうかと。 まあそれはそれとしてだ。 どうせそんなことを考えてみたところで答えなど出やしないのだ。 それを訊いてみたところでこいつはそれを否定するだろうし? そもそもこいつが俺以外の男に抱きついている場面を想像するのは何故だか腹が立つ。 これって嫉妬か?ああ、それならそれでいい。感情があるってのは素晴らしいことだ。 彰利 「ゲッ……オーダーが切れた……!ば、馬鹿な、この俺が……!」 田辺 「構わん突っ切れぇええっ!!     あっちももうマグニファイの効果が切れたぞーーっ!!!」 彰利 「そ、そうだ〜〜っ!恐れるものはなにも───あるよ!!     レベル100以上離れてるだろうがてめぇ!!」 岡田 「なんだと……っ!」 田辺 「死ね……っ!」 清水 「お前に賭けたんだぞ…………っ!死んでも戦えカス…………っ!」 彰利 「だ、だったらなにか賞品とか決めない!?     ステキな武器とかさ!そしたら僕もっと頑張れそう!     そ、そうだ!勝てた念願さに感動出来るようにアイスソードを!」 田辺 「馬鹿っ……!まっこと馬鹿っ……!」 清水 「だったら死ぬ気で戦えっ……クズっ……!」 岡田 「アイスソードは…………命より重い………………っ!」 彰利 「俺の命1ギミルコイン以下かよ!《バゴシャォオンッ!!》ギャアーーーッ!!」 再びクリーンヒットである。 既に中井出も拳のみで戦っているのだが、 どうやらあの爆発するグローブが相当に彰利を追い詰めているらしい。 田辺 「ガード!ガード!」 清水 「ガードッガードッガード!!」 彰利 「う、うるせー!ちっとは黙りなさいキミら!!」 田辺 「なんだとっ……!」 岡田 「死ねっ……!」 彰利 「どうしろっつーのキミたち!!《ドバァンッ!!》ブファーーーリ!!     こ、このっ……!いい加減にしくされーーーーっ!!」 清水 「おお!彰利の反撃!」 彰利 「《ドボォッ!!》オギャーーリ!!」 清水 「がっ…………ダメ…………っ!」 田辺 「失敗…………っ!」 岡田 「痛恨の……失敗…………っ!そして…………」 佐東 「カウンターを受ける弦月…………っ!」 清水 「カスっ」 田辺 「ゴミっ」 岡田 「クズ…………っ!」 彰利 「う、うるせーーーっ!!いいから!頼むからちょっと黙っててよもう!!」 カンカンカン! 丘野 「ストォーーーーップ!!第一ラウンド終了です!」 悠介 「ラウンド分けまであるのか!?」 丘野 「なんとなく弦月殿の頭がパニック状態だろうと思ったので、     一分のハーフタイムをと。ところでハーフタイムってなんでござるか?」 悠介 「競技とかでの休憩時間のことだと思ったが。っと、彰利」 彰利 「な、なにかね?ちと休みたいのだがね」 悠介 「中井出の動きにゃ一定のクセがある。そこを突いて一気に戦況を覆してやれ」 彰利 「クセとな!?何処!?何処かね!?そこをついて今度こそデンプシーロールを!」 悠介 「それはやめとけ。絶対に潰される」 彰利 「あ……う、うん、そうだよね……」 どうしてそこまで残念そうに言うかねこいつは。 悠介 「あのなぁ、デンプシーロールなんて、本当は大層な技じゃないんだぞ?     満足にインフィニティも描くことのない、左右の連打だ。     レベルじゃ完全に負けてるんだから、正攻法でいけ」 彰利 「正攻法ねぇ……逆にヤツに虚を突かれる気がするんだけど」 悠介 「ん……確かに。なんなら代わるか?」 彰利 「おや、やる気かね?よいデショ、変わりましょう」 丘野 「ターーイム!弦月選手が負傷したために急遽リザーバーの晦選手が出場します!」 蒲田 「な、なに〜〜〜っ!?」 島田 「ふ、ふざけんな〜〜〜っ!!晦は無傷じゃねぇか〜〜〜っ!!」 丘野 「皆様の怒りももっともです!     というわけでアンドレアノフ=ガーランド方式に則り、     晦選手には敵と戦っていただきます!よろしいですか!?」 悠介 「よしっ!どんとこいだ!」 丘野 「大変結構な返事です!では誰が───」 夏子 「亜空召喚───おいでませ!リビングアーマー!!」 ドォッゴォオオオオオンッ!!!! リビングアーマー『ルォオオアァアアアッ!!!』 夏子      「この子と」 丘野      「ハイ!大変元気な選手ですね!」 悠介      「ちょっと待て!!そりゃあんまりすぎだろオイ!!」 夏子      「じゃあバーサーカーと」 悠介      「人間を出してくれ頼むから!          なんだってそんなバカデカいヤツらと戦わなけりゃならんのだ!!」 総員      『そりゃ……だって晦だし』 悠介      「てめぇらぁあああああっ!!!!」 ああくそ……久しぶりに頭痛ぇ……!! 俺だって好きでバカデカいヤツと戦ってきたわけじゃないって解ってるくせに……! 藍田 「ジョワジョワジョワ〜〜〜ッ!!ではこの藍田が相手になるぜ〜〜〜っ!!」 丘野 「大丈夫かね藍田選手!この戦いはボクシングだぞ!?」 藍田 「ああ大丈夫大丈夫、きちんと拳も鍛えてあるし」 丘野 「や、そうじゃなくて勢い余って蹴り技出さないかを心配してんのさ」 藍田 「えーと、多分大丈夫」 丘野 「よし!ではこのボクサーグローブを。晦選手、キミもだ」 悠介 「中井出みたいに自分の武器は使えないのか?」 丘野 「最初が最初だったからね、まあ気にしない気にしない」 柿崎 「……ひとついいか?これって結婚式だよな?」 総員 『…………………………え?』 柿崎 「結婚式だってこと自体忘れてたのかよオイ!!」 すまん、正直俺も忘れてた。 丘野 「足技、バッティング、肘攻撃以外の全てを認めます。それでは───     ジャッジ!ジャッジ!ジャッジ!!ラウーーーンドワァーーーーーン!!」 スカァン!! ファイトの言葉と同時にゴング(調合道具か?)が叩き合わされる。 どうしてK−1方式で喋るのか。 それはそれで謎だが、ともあれ俺は適当なボクシングスタイルで前進を開始した。 藍田 「僕ノ勝チダァッ!マクノウチィッ!!」 悠介 「いきなり勝利宣言かよ!」 いきなり振るわれるフルスウィングでのフック! しかしこんな大振りなのはって速ェ!!  ブォゥンッ!!! 悠介 「とわっ……!」 彰利 「バードンミー!バードンミー!!」 清水 「ザ・バイソン右だ!!」 悠介 「贈るならもっと解りやすい声援贈るダァホ!!」 彰利 「駄阿呆とな!?」 忘れてた。 相手のレベルは相当上だった。 この世界じゃレベルの高いモン勝ちだ、確かにこれはちと難しい。 けどリズムさえ覚えれば─── 藍田 「フンフリャソリャヘアオラオラオラァーーーーーッ!!!」 丘野 「おぁーーーっとぉ!!藍田選手、物凄い猛攻だぁーーーっ!!     この素早さに、晦選手は手も足も出ないーーーーっ!!」 悠介 「足使ったら反則なんだろうが!!」 丘野 「こ、言葉のアヤでござるよ!?決して忘れていたわけじゃないでござる!」 シュバフォンブフォフォフォフォフォフォフォンッ!!! 丘野 「ラァーーッシュラッシュラッシュラッシューーーーッ!!!     どうする挑戦者!この猛攻をどう…………おぉ?」 田辺 「なぁ……」 清水 「あ、ああ……」 丘野 「い、いえ!これは……っ!!反撃出来ないのではありません!!     全ての攻撃を避けてみせているのです!!」 藍田 「こ、このやろ!当たれ当たれ当たれ当たれぇえっ!!」 丘野 「あ、当たりません!これだけの手数を全て避けてみせています!!     なんという反射能力!伊達に戦い慣れをしておりません!!」 悠介 (右、右、左、右、左左左───ここっ) パァンッ!! 藍田 「オッ───!?」 悠介 「オォラァッ!!」 ドボォンッ!! 藍田 「OUCH!!」 丘野 「おぉああーーーーーーっとぉおおーーーっ!!     なんと挑戦者!藍田選手の右を思い切り殴り弾き、     その間隙にリバーブローを潜り込ませたァーーーーッ!!!」 藍田 「おががなんでやねん……!!」 蒲田 「OOH!!尾妻!大振りではなくコンパクトにせめるンダ!!」 灯村 「そンだジェイソン!オメならでぎる!!」 藍田 「好き勝手言うなよ!マジで全然当たらねぇんだぞ!?」 蒲田 「なんだとっ……!」 灯村 「死ねっ……!」 藍田 「言い返しただけで死ねとな!?」 悠介 「どんどん行くぞ!」 藍田 「ぬぐっ!こいやぁあーーーーーっ!!」 振り被る相手の動作であらかたの先読みは出来る。 まずストレート、潜り込んで来た俺にアッパー、 それを躱されたらがむしゃらナックル、ってところか。 よし! 藍田 「フンッ!」 ストレート、よし、躱した。 藍田 「ほりゃっ!」 アッパー、これも躱す。 藍田 「かかったなボケが!!」 ここでがむしゃらナックル───って、合ってたけど手数が半端じゃねぇ!! 藍田 「おぉおおお!!どうなっても知らんぞぉおーーーーっ!!」 突如藍田の体から謎の物体が飛び出し、 藍田の拳に合わせて間隙を潰すかのように連撃を放ってくる!! って待て!なんだこいつ!! 丘野 「おぁーーーっと!藍田選手、ガーディアン・メタトロンを召喚しての猛連撃!     さすがの晦選手も引かざるをえないーーーっ!!」 悠介 「ガーディアン!?って、現実世界で言ってたあのガーディアンか!!     ありなのかオイ!!反則じゃないのか!?」 蒲田 「ノー!足技頭突き肘攻撃以外の全てを認めると言った筈だ!     妙ないいがかりはよしてもらおう!」 悠介 「普通こんなの出すなんて思わないだろ!」 総員 『当たり前だ!我ら原中は常識破壊集団なのだから!!』 悠介 「くっは……!」 レフェリーである丘野まで熱心に頷いていた。 こんなのアリか?アリなのか? 藍田 「フフフ、バトル中一度きりの奇跡、その体で味わうがいい……!」 悠介 「……なぁ。足技頭突き肘攻撃以外ならなんでもいいんだな?」 丘野 「その通りだ!」 悠介 「そか。そっちがその気なら遠慮する必要はないよな」 丘野 「あ。あと刃物もダメ」 悠介 「最初に言っとけよ!!     今さら追加するなんて思いっきり俺向けに取ってつけたルールだろうが!!」 丘野 「言いがかりはよしてもらおう!あまり楯突くと減点だぞてめぇ!!」 悠介 「あのなぁあああ……!!」 藍田 「ふはははは!ではいくぞ晦!」 悠介 「はぁ……ったく、このたわけ……!」 そうくるならこっちにだって考えがある。 ステータスをスピード重視に、あとは“眼”を使わせてもらう。 エキストラスキルを使っちゃダメとは言われてないからな。 あとはこの、左右から襲い掛かるたわけどもを───! 藍田   「フラッシュピストンマッハパァーーーンチ!!」 メタトロン『───ム!』 悠介   (発動しろ……“千里眼”!!) 眼に集中力を注ぐ。 そうして見る景色は現状の一手先を映し出し、未来の在り方を俺の脳に叩き込む!  シュバババババババシュボヒュシュフォンドシュンッ!! 丘野 「これはもの凄いラッシュだぁーーっ!!……って、え、えぇーーーっ!!?」 清水 「す、すげぇ!全然当たらねぇ!!」 田辺 「二人相手じゃ普通避けられねぇだろオイ!!」 岡田 「つーかメタトロンの声がBLEACHの之芭と同じなことに地味に驚いてる」  ヒュバゴヒュバシュドシュブンブンブンブンブンッ!!!! 藍田 「かっ……こんのっ……!ンな馬鹿な!     なんで当たらね───うおっ!?眼が───」 悠介 「ホイ隙ありぃっ!!」 藍田 「《ドパァンッ!!》ぶっはっ……!!」 藍田が変異した俺の眼を覗き、数瞬体が硬直したところへ拳を叩き込む。 集中しろ、まだまだ機会は絶対にある。 ───けど、前と後ろからってのはちと無茶がある。 ここは二人とも正面に対峙させる体勢に─── 藍田 「させん!」 ブフォォンッ!! 悠介 「どわぁっと!?」 集中を別の方へ向けた途端にこれだ。 こりゃまいった、一撃喰らったら相当なダメージだぞありゃ。 彰利の言うとおりだな、いったいどんなバトルすりゃここまでレベルが上がるんだ?  パゴォンッ!! 悠介 「いてぇっ!!」 しかも予定より体勢が大きく揺らいだ所為で、後ろのメタトロンに後頭部を殴られる始末。 結構なお手前だ、こりゃまいったな、本当に。 藍田 「貴様はこのバトルにゃ勝てやしね〜〜〜っ!!     そしてその勝者とはこの俺だぜ〜〜〜っ!!」 蒲田 「バカヤローーーッ!!勝気は損気だこのタコ!!」 島田 「そうやって油断してるヤツが毎度負けるんだこのクズが!!」 藍田 「優位に立ってるのになにこの声援!!こうなりゃすぐに決めるぜ!     九頭竜闘気!我が右手に九頭竜よ宿れ!竜撃砲ォーーッ!!!」 藍田の周囲に九つの光が出現し、それを拳に集束させ、俺目掛けて一気に放つ!! 巨大な大砲は藍田がバックステップすることで開いた距離をあっという間に消し、 俺の目の前へと接近してくる!!───が。 悠介 「そういう大砲を待ってた!イメージ、凌駕にて解放!“鏡面盾(イージス)”!!」 藍田 「エ───あ、おわっ!ちょっと待」 キュバドゴゴバッシャァアアアアアッ!!!! 藍田 「あぶろぎゃああああああああぁぁぁぁーーー───…………」 ドッパァアア〜〜〜ン………… 田辺 「お〜〜、飛んだ飛んだ」 清水 「お〜〜、沈んだ沈んだ」 岡田 「お〜〜、早速シャークさんに……おおっ!?食われる前に殴り殺した!!」 悠介 「……はぁ」 やれやれだ。 博打に出ないで待っててよかった。 あのまま拳だけの戦いでいってたら確実に負けてた。 けど待ってれば、正攻法よりも派手さを選ぶ原中なら絶対にデカいのでくると思ってた。 最初っからこれしか狙ってなかったし、 ああいう大砲を持ってるってウォズトロヤの戦いで知ってたから出来た方法だ。 あの時、彰利の加勢に回らなかったら今回上手く立ち回れなかっただろう。 出来ればもう戦いたくないな、うん。 蒲田 「せっかく賭けたのに…………っ!お前の所為で損……!大損っ…………!」 灯村 「敗者に情けは無用…………っ!愛情……注入………………っ!」 藍田 「ちょ、ちょっと待て!     あんなの予測できるわけが《バヂヂィッ!!》ギャアーーーッ!!」 蒲田 「素直になぁれっ……!素直になぁれっ……!」 灯村 「素直に……素直に……素直になぁれっ……!」 島田 「悪魂退散悪魂退散…………っ!綺麗な魂戻ってこいっ…………!!」 藍田 「いぢぢぎゃあああああっ!!!ま、待てぇええ!!     お、俺だって足さえ使えりゃ《バヂィッ!》ギャアーーーーーッ!!!」 灯村 「言い訳っ……そんな言い訳が通るものかっ…………!     敗者は敗者っ…………負けた時点で終わってるんだ…………!     一貫の終わり……っ!ダメっ……終わりっ……全て終わりっ……!散れ………!」 悠介 「……あっちのほうが大変なことになってるんだが……どうする?」 中井出「続行ッッ!!ククク、次はこの大魔王ヒロミツが相手だぜ〜〜〜っ!!」 ナギー『頑張るのじゃヒロミツー!!』 シード『父上、ご武運を!!』 や、そういう意味じゃなくてだな。 このままだと藍田がドッパァアアアアアンッ!!!! 声  『ギョアァアーーーーーーッ!!!!』 ……やっぱり。 彰利 「な、なにごキャーーーーーッ!!?」 オリバ「私の筋肉の厚さは世界一だ。こんな電流ごときではとてもとても内臓までは……」 彰利 「筋肉で電気に耐えたの!?え!?どうやって!?」 聞こえた悲鳴にもう一度振り向いてみれば、そこには海から這い上がる怪力無双が居た。 水を浴びた筋肉が陽の光を受けて隆起を際立たせていた。 そしてその周りには先ほどまで愛情を注入していた猛者どもの屍。 ひでぇ、一撃で教会行きだ。 彰利 「怪力無双……」 皆川 「トランクス一枚になると一段とスゴいな……」 中井出「胸が……まるでケツだ……」 丘野 「腕が……頭よりデカい……」 飯田 「だいたい技が通用するのか……?」 総員 (ていうか……ああ……やっぱりヒロラインでもパンツ一丁なんだ……) オリバ「選手交代ダ……アトデモヨカッタンダガ、ワタシハセッカチデネ」 悠介 「なっ……!」 ちょ、ちょっと待て。 まさかこの怪力無双とやれってのか? 丘野 「お、おおおっと、では選手交代でござるな!?     選手交代!晦選手に代わってビスケット・オリバ選手!!」 中井出「な、なんですってぇーーーーーーっ!!?」 オリバ「理想ノ展開ダ……」 中井出「ええっ!?そうなの!?や、ちょ、待って!?     おかしいよこれ!ねぇ!?おかしいよね!?     普通ここは僕とオリバが交代するんじゃないの!?ねぇ!?」 丘野 「ジャッジ!ジャッジ!ジャッジ!ラウゥーーーンドワァーーーン!!ファイッ!」 スカァン!! 中井出「ま、待って!お願い待ってぇえーーーっ!!ギャアーーーーーーッ!!!!」 バゴシャォオン!! メシャベキャガッシャア!! ドゴッ!ゴシャッ! バキベキゴロゴロズシャーーーアーーーッ!!! ごしゃっ……ぐしゃっ……ガクッ。 清水 「ヒィイイ!!中井出がスプラッタなことにぃいいいっ!!!」 田辺 「中井出!?中井出ーーーーーーーっ!!!!」 岡田 「今、大木二本貫通して民家の窓破壊してって壁の先の先まで飛んでいったぞ!?     だ、大丈夫か!?生きてるか!?生きてたらマジですげぇぞ!?」 彰利 「………」 悠介 「………」 彰利 「空が……綺麗だね……」 悠介 「そうね……」 彰利 「ほんとそう……」 俺達はもう振り返ることはしなかった。 そして俺達は見上げる空に、夜でもないのに流れる星を見た気がした。 Next Menu back