───冒険の書100/モンスターユニオンの戦い───
【ケース298:霧波川凍弥/俺達の聖戦(再?)】 ザァッ! 凍弥 「切り刻む!!」 フフォンッ───ザゴォン!ゾバァン!ゾプシャザバシャズバァッ!! ブルベア『ゴアァアアアッ!!!』 迫り来る敵を刀の閃きで薙いでゆく。 敵の数はまるで無限。 だがそれ故に、斬れば斬るほど自分が強くなっていけるのが解る。 レベルアップシステムなんて、随分都合のいい世界を創ったものだと感心する。 まったく、いつになっても悠介さんや彰衛門の行動には驚かされてばかりだ。 でも、創ったのがたとえ悠介さんでも、考えたのはまるで別の人だろう。 それはなんとなく想像がつく。 悠介さん、遊びに関してはあまり知識が無さそうだし。  ぺぺらぺっぺぺ〜♪ 凍弥 「うおっと!?」 しかし実際、この現状をどう捉えよう。 甘いものに群がる蟻のようにゾワゾワと現れるモンスターの群と、 それに立ち向かう百にも満たない人々を。 数では圧倒的に負けているものの、その勢いはこちらの優位に進んでいる。 特に結婚式以来となる邂逅の原中と呼ばれる集団と、 彰衛門とその妻たちの行動は目を見張るものがある。 結局神父を連れてきた彰衛門は、 “せっかくだから”という理由だけで他の勢力も連れてきた。 他の勢力っていうのはもちろん与一や閏璃凍弥、朝月俊也やその他のフリーマン勢力だ。 紗弥香「うわー、なにもしてなくても物凄い勢いでレベルが上がっていく……」 佐知子「便利といえば便利だけど……」 俊也 「でもまだまだここいらの敵と戦えるだけのレベルは溜まってないんだよな……」 夏純 「……、……(こくこく)」 深冬 「でも……本当なんですか?お父さんがモンスターキングになったって……」 悠季美「実際ここのボスが悠介さんなら、そうなんじゃないですか?」 閏璃 「ふはははは!腕が鳴るわァーーーッ!!よし行け柿崎」 柿崎 「言う前にお前が行け!!」 フォル『稔さま、ここは私にお任せを。“ヴォルテックライト”』 ヂガァンッ!!ズガガガガゴッパァアアンッ!!! モンスターども『グギャアアァアアッ!!!』 謎の女性がパチンと指を鳴らすと、 それだけで魔物の軍勢の中心に荒れ狂う黄色い雷鳴が出現! あっという間に敵の群れを墓石送りにし、数秒だがこの場に安寧を齎した!! フォル『まあ、ざっとこんなものですわ』 総員 『つ……《ゴクリ》……強ぇえ……!!』 閏璃 「よく勝てたな、提督よ」 中井出「そりゃ六人がかりで全力でボコったからな」 鷹志 「夢の無い話だけど、それでも実際のゲームってそんなもんだもんなぁ」 柿崎 「魔王を数人がかりでボッコボコか。     確かにゲームでは確実にあるシチュエーションだよな」 喋りつつも、再びゾロゾロと現れた敵を向かえ討つみんな。 そこには油断のカケラもなく、 ただ純粋にこの状況を楽しんでいるようにしか見えなかった。 オリバ「ヌォオオオォォォオオォォッ!!!!」 ドゴゴバガゴドゴバゴシャドゴシャバゴドゴゴバドガゴパシャォオオオンッ!!!!! モンスターども『オギャーーーーッ!!!』 特に凄いのが褐色の肌をしたあそこの怪力無双だろう。 襲い掛かる敵を確実にワンパンチで殺し、 しかもその拳の速さといったらまるで刀術の居合い抜きだ。 岡田 「おおすげぇええ!!さっすが僕らの怪力無双!!」 田辺 「やっちまえぇ!藍田───いやさオリバーーーッ!!」 清水 「その調子でワンピースのOPのフランキーみたいに敵をブッ潰しちまえぇっ!!」 蒲田 「OPと違うのは、ワンパンチで敵が吹き飛んで絶命するところだけか……。     吹き飛ばされては別の敵が突っ込んでくるから、     オリバだけを見るとフランキーのナックルアーチだけど」 中井出「よし!この調子でどんどんコロがせ!利用できるものはとことん利用する!!     そう、あたかもドラゴンボールZ超サイヤ伝説で、     ラディッツが自ら突っ込んでくるまで死からの脱出でレベルを稼ぐ悟空のように!     俺達もここで上げられるだけのレベルを上げるのだぁああっ!!!」 総員 『サーイェッサー!!』 原中は本当に元気だ。 もちろんこっちも負けてはいられない。 なにもしなくてもレベルが上がる現状で、 それに見合った敵を探しては攻撃を仕掛けている。 浩介 「ふはははは!羽を掴んだぞ蜂のバケモノめ!     飛べなければなにも出来まい!さあ同志!ブラザー!     トライアングルフォーメーション!アルファアッ!!」 凍弥 「ワンッ!!」 ザゴシィンッ!! 浩之 「ツー!!」 バゴシャアッ!! 浩介 「スゥウウリャァアアアアアッ!!!!」 メゴッチャアアア!!! ブルビー『ピギィイイッ!!』 囲んだ敵を刀と鈍器とハンマーで斬り砕いてゆく。 佐古田は……もちろん単独行動取りまくりで手に負えないので放置。 塵となった蜂型モンスターを見届け、俺達は次へと駆け出した。 清水 「我らもそろそろ本腰を入れねば!!     ウェイクアァーーップ!!《メギャアーーーン!!》」 岡田 「デミルーンエコー!!」 田辺 「抜刀連技ィイイッ!!!」 しかし、本当に物凄い乱戦状態になっている。 それでも未だ誰も死なないのは、ひとえに回復役が上手いからなのだろうか。 雪音   「地獄の九所封じその一!!大雪山落としぃーーーーっ!!!」 ブルモンク『《ドゴーーン!》ギャアーーーッ!!ゲエ……!背中の感覚がねぇ!!』 雪音   「わっ!この人狼さん喋ったよ!?」 遥一郎  「狼が喋るより狼に大雪山落としやるヤツの方が異常だろうが!」 雪音   「そんなことないよー!」 遥一郎  「大体お前っ!空手やるんじゃなかったのか!?」 雪音   「どうせ体術ならそれもアリだよー!!」 滅茶苦茶な理屈だった。 雪音   「地獄の九所封じその二!その三!スピンダブルアームソルトーーーッ!!」 ブルモンク『《ドゴーーン!》ギャーーッ!おわぁーーっ!両腕がーーーっ!!』 雪音   「わっ!わっ!この狼さんわざわざ実況までしてくれるよー!!」 遥一郎  「いいから戦いに集中しろーーーーっ!!!」 雪音   「地獄の九所封じその四!その五!ダブルレッグクラッシャー!!」 ブルモンク『《ベッキャア!!》ウギャア両脚がぁーーーーっ!!』 雪音   「地獄の九所封じその六!兜割りぃーーーっ!!」 ブルモンク『《ゴボォンッ!》グゴォーーーッ!!』 空中に投げた相手をリバースロメロスペシャルのカタチで背中から落として 背中の機能をマヒさせ、ダブルアームスープレックスの状態で自らごと相手を横回転させ、 その勢いのままにスープレックス。 腕の機能をイカレさせ、しかし無理矢理起こしたのちに自らの膝で狼の両脚を砕き、 さらにフロントスープレックスで狼の頭を地面に埋め込んだ。 そこから自らも後転の容量で狼の上を通過するとその足を取り、地面に突き刺す。 さらにそこから跳躍し、頭から敵の腹部へと落下! 雪音   「地獄の九所封じその七!ストマッククラァーーッシュ!!」 ブルモンク『《ドッボォオオ!!》ウゴァアーーーーーッ!!!』 見ていて痛々しいが、これも戦い。 情けは無用だろう。 とか思っていると今度は埋まったままの狼の手を取り、 握手する形で力任せに起き上がらせる。 ブルモンク『グ、グオッ!?』 雪音   「フフフ、どんな気分だ?」 ブルモンク『だ、だんだん……思考回路が……鈍くなってゆく……』 雪音   「手には超人にとっての弱点、思考回路を低下させるツボがあるのだ。       これぞ地獄の九所封じその八、握手!       そして地獄の九所封じのラストワンはこれだぁーーーーっ!!!」 握手を離すとすぐにダブルアームスープレックスの体勢に入った彼女は、 やはり再び横回転を開始。 その速度が真に迫った時、その場に竜巻が……ああいや、 原中の女のひとりがサイクロンを実行させて空に飛ばしていた。 やがて空の重力点まで辿り着くと彼女は手を離し、狼の首に自らの膝を引っ掛ける! 雪音 「地獄の九所封じラストワン!!地獄の断頭台ーーーッ!!!」 ゴォッ───ドッゴォオオオオオッ!!! ブルモンク『……グヘッ……!!』 雪音   「いきゃぁあああああっ!!!!」 浩介   「おお!ブルモンクが消えてゆく!!」 浩之   「おお!娘ッ子も膝を砕いたようで地面を転がり回ってるぞ!!」 志摩   『愚かな……あの高さから膝をしこたま打ち付ければ、       関節や筋がどうなるか解りそうなものを……』 雪音   「痛い痛い痛い〜〜〜っ!ホギッちゃん治してぇええ!!」 遥一郎  「これに懲りたら普通に戦えよな……“ヒール”」 相変わらず、おっさんはいろいろと大変そうだった。 巻き込まれ型の体質は治っちゃくれないらしい。 雪音 「《コォオ……シャキィン♪》わぅー!復活ー!     よぅし今度はイロハ地獄巡りだよー!!」 遥一郎「人の話を聞け!!     しかもなんだって敢えて自分にダメージの降りかかるものを選ぶんだお前は!」 雪音 「ホギッちゃんてば解ってないなぁ。難度の高いものほど燃えるものなんだよ!?」 遥一郎「……一度お前の性別を遺伝子レベルで調べてもらいたくなった」 雪音 「女の子がステキ技に憧れて何が悪いのさホギッちゃん」 夜華 「貴様ら!御託を並べている暇があるなら武器を取れ!!はぁああっ……!!」 ヒュオッ───ゾガガガガガガガガガフィィイインッ!!!ボシュゥウンッ!!! 閃速の疾駆から放たれる連撃。 一撃で的確に敵の芯を穿ち、裂き、斬り殺すその手腕は相変わらずだ。 沢山居た魔物を数体倒すのに5と掛からない。 こりゃまた、随分と差をつけられちまったもんだ。 鮠鷹の時代が懐かしいな、くそ。 彰利 「よっしゃあ夜華さんその調子!ホレ粉雪も!     見せてやりんしゃいこの世界唯一のモンクの強さを!!」 粉雪 「常に溜める&錬気解放!!“千歩氣攻拳ーーーッ”!!!」 促された彼女の右手に物凄い気が凝縮されてゆく! やがて突き出された拳からは気で象られた巨大な拳が飛翔して、 直線上に居たモンスターどもを一気に破壊する!! ナギー『おお、なかなかやりおるの。わしも負けてはおれんのじゃー!』 夏子 「争いは好まないんじゃなかったの?」 ナギー『降りかかる火の粉を払わん我慢坊主などわしは知らんのじゃ』 夏子 (乗り込んできたのはわたしたちなんだけどなぁ……それでも降りかかる火の粉?) 彰利 「オォッホッホッホ!!細かいことは言いません!ただコロがせ!力の限り!!     煉精化気煉気化神……煉精化気煉気化神!“打透勁(だとうけい)
”!!」 ドチュチュチュチュチュチュチュ!!! ドゴゴゴゴゴッパァアアンッ!!!! ブルギガンテス『ゴォオオオゥウウオオオッ!!!』 彰利     「どうだぁ染師範の得意技は!百歩神拳よりもステキだろぉ!!」 凍弥     「そんな数多く光弾ってもあんまり効いてないみたいだぞ!?」 彰利     「なにをぅ!?だったらこれでどうだぁ!!ブラックオーダー!!」 ゴォオッ!モファァアアン!!! 叫びとともに彰衛門の体が漆黒に包まれる! と、途端に光弾の威力が恐ろしく上昇! ブルギガンテスが数発で塵となり、 その後ろに居たモンスターたちも次々と滅ぼされてゆく! 彰利 『俺の技は全ての能力が一段も二段も強くなるんだ!貴様なぁあんぞに負けるか!』 春菜 『それはいいけどちゃんと狙ってる?』 彰利 『オウヨ!もう狙いまくりYO!!』 粉雪 『でも、倒しても倒してもキリが無いね』 真穂 「それでもレベルは物凄い速さで上がっていってるからオーライ?」 鷹志 「原中の猛者どもが暴れまくりすぎてんだよ!どういう強さだあいつら!」 聞こえた言葉にそっち側(モンスターが次々と湧き出してきている方向)を見る。 と、 中井出「ついて来いヒヨッ子ども!」 丘野 「遅れるなぁ!テリー教官に続けぇ!!」 清水 「訓練とはいえ命懸けだぜ!!」 中井出「六閃化解放!さらにマグニファイで全力を込めて敵をコロがす!     そぉおおらららららららぁあああああっ!!!!」 オリバ「いいじゃないかソノダッ!全員に勝ったらブラックベルトだッ!!」 ゾバシャシャシャシャシャシャドゴォンバゴォバゴシャボゴシャゴバァン!!!! モンスター群『ギャアアアアアアス!!!』 巨大なモンスターどもが次々と吹き飛ばされて塵になっていくじゃないか。 なるほど、確かにあれは強すぎだ。あれならこのレベルアップの速さも頷ける。 清水 「おお強ぇえ!!モンスターの群れが吹き飛ぶ吹き飛ぶ!!     その調子だ提督!オリバ!!!」 丘野 「拙者も負けてはおれんでござるな!     提督に貰ったこの忍刀の力を見せてやるでござる!100身分身&杓死!」 タンッ───ゾゴォッフィィイインッ!!!! モンスター×678『グゥォオオオオオッ!!!!』 凍弥       「おぅわっ!?」 こ、こりゃいったい……!? 嫌になるくらいのモンスターの軍勢が一瞬にして滅殺された!? 丘野 「ムフゥウウ……!!今日も我が忍法は冴え渡っているでござるよ……!」 佐東 「すげぇぜ丘野!あれだけの数を!!」 藤堂 「で、結局提督に貰ったっていう武器の効果ってなんなんだ?」 丘野 「攻撃の瞬間残像が出て、さらに攻撃が追加されるのでござる!     まさに忍者な拙者にはうってつけの武器でござるよ!!     さらに特種秘奥義を戦闘中任意に一度だけ発動させることが可能!     ただし完全再現は無理らしいでござる。故に龍虎滅牙斬とまではいかないものの、     龍刀虎刀融合状態の極光剣の発動くらいは出来るでござる!!」 中井出「よっしゃあ丘野二等!敵が再びもっさり出てきた!一気にキメたれぇい!!」 丘野 「イェッサー!!“解放”(レリーズ)!はぁあああああっ!!!!」 忍者姿の彼の二刀が一本の巨大な光の剣に変異する! それとともに彼は駆け出し、 振り下ろし、横一閃、突き、横一閃、突き、振り下ろし、 跳躍回転振り下ろしの順に巨大な極光剣を振るい、 丘野 「これでぇええっ───決まりだぁあああっ!!!!」 再び現れた敵を一気に一網打尽にする! 攻撃終了と同時に二刀に戻る刀は輝きを無くし、彼の両手の中に納まっていた。 丘野 「ざっとこんなもんでござる!!」 清水 「おお……一気に殲滅させる方向では丘野は相当に役立つな……」 岡田 「けど妙だな……こちとらかなりレベルアップしていってんのに、     敵までどんどん強くなっていってるような……」 閏璃 「お?でも貰ってる経験値はてんで変わってないぞ?」 岡田 「……ってことは?」 遥一郎「敵は復活するたびに強くなるが、経験値は変わらないってヤツか」 総員 『うわひっでぇ!!』 中井出「死ぬだけでパワーアップしておいて、経験値は増えないなどと……!     グワバババ許せ〜〜〜ん!!」 凍弥 「けどそれ言ったらここで限界レベルいっちゃうだろ!」 中井出「限界なんて無ぇ〜〜〜っ!!     我らの冒険は敵が強ければ強いほど楽しいものとなる!     レベル制限!?ハン!冗談ではないわ!     そんなものはゲームの素晴らしさを失くすためにあるのだ!     プレイヤーはなぁ!RPGをやっているとレベルアップの瞬間にこそ心躍らせる!     そして覚える技や魔法!その瞬間が嬉しいんじゃないか!!     普通のゲームで世界観を見て美しい……とか思うヤツなんざそうそうおらん!     だからこそのレベル!だからこそのバトル!     しかしこの世界では景色を美しいと思うことが確かに出来る!     嗚呼素晴らしきかなこの世界!冒険とはロマン!     レベルアップで強くなるのは旅人の夢!強くなれることは嬉しいことだ!     だが強くなっても敵が居なけりゃ意味がない!     即ちこの状況はそれをかなえてくれる状況だったはずなのに!     敵が強くても経験値が少ないのでは我らが劣勢になってゆくだけじゃないか!」 凍弥 「や……そう熱弁されてもな」 オリバ「ソレダケコノ冒険ニ熱意ガコモッテルッテコトサ」 凍弥 「ぬおっ!?怪力無双!?」 丘野 「提督殿!倒せるギリギリまでレベルアップに励み、     そののちは晦殿抹殺に向かうでござる!」 中井出「おおもちろんだ!では引き続きバトルを続けるものとする!     イェア・ゲッドラァック!ライク・ファイクミー!!!」 ザザァッ!! 総員 『Sir(サー)!!YesSir(イェッサー)!!』 自然と体が動き、敬礼とともに全力で叫んでいた。 なるほど、確かにこのノリは悪くない。 全力で楽しもうって気になってくる。 ……そっか、そうだよな。 いくら死ぬことや危険なことがあっても、これはゲームだった。 それを精一杯楽しもうとする彼らの行動は全然間違ってなんてなかったのだ。 ───よし、俺も思いっきり楽しんでやるぞ!! 【ケース299:中井出博光/アイラブ殺戮劇場】 いつまで経ってもやまない炸裂音を聞いたことがあるだろうか。 俺は現在進行形で聞いている。 そりゃいつかはやむのだろうが、現時点ではもう少し鳴らしたままでいられそうだった。 粉雪 「界王拳ーーーーッ!!!」 ギャオッ!!ドゴゴシャバキドゴゴシャベキャドッカァアンッ!!! ブルトロル『ブゲェエエエッ!!!』 粉雪   「うぁあっ……!そろそろ一体倒すのも辛くなってきたかも……!」 彰利   「がんばれーーーっ!まっなっ《ぶっ》」 粉雪   「彰利も真面目に戦ってよね!!」 彰利   「し、失礼な!俺ゃいつでも真面目で真剣ぞ!?」 中井出  「ヌッハッハッハッハ!ハァーーッハッハッハッハッハ!!       まだまだ甘いな日余二等!!       その程度の相手に梃子摺るようでは未熟未熟!未熟千万!!」 粉雪   「提督たちがレベル高すぎなの!どうして解らないかなぁっ!!」 中井出  「失礼な!レベルだけのお蔭ではない!武器があってこそだ!!       ああ……キミはなんて美しいんだ……イッツビューティフォゥ……」 島田   「おおっ!?提督が武器をうっとりした目で撫でてる!!」 灯村   「ハーネマン教官だ!!ウォートラントルーパーズの闇の訓練のボス、       武器マニアのハーネマン教官の顔だ!!」 中井出  「う、うるせーーーっ!!ともかく敵を蹴散らすのだぁっ!!」 総員   『サーイェッサー!!』 とはいえ、確かに他の猛者たちだと手に負えなくなってきたのも事実。 そろそろ潮時なのだろうか。 しかしなぁ。 夏子    「アサシン!どんどん直死しちゃって!        ランサー!存分にゲイボルグを使いなさい!        バーサーカー!思うさま破壊しちゃいなさい!!」 七夜    『……ようこそ、この素晴らしき斬殺空間へ』 ランサー  『ようやく使用許可が下りたと思えば無尽蔵の敵相手か。ま、いいか。        存分に暴れさせてもらうか!その心臓───貰い受ける!!』 バーサーカー『■■■■■ーーーーー!!!!』 夏子    「ああもうめんどい!亜空召喚!おいでませ、リビングアーマー!!」 ドォッゴォオオオンッ!!! リビングアーマー『グゥォオオオオオゥウ!!』 夏子      「モンスターの軍勢を好きなだけ破壊しちゃいなさい!          手加減一切無し!!ただしゴッドハンドクラッシャーはダメ!          TPは全部ランサーに回すから!!」 殊戸瀬     「エル!空中から好きなだけ敵を殺して!          ロド!あなたも好きなだけ暴れなさい!わたしも、存分に───!!」 木村夏子方面も、殊戸瀬方面もまだまだ十分に暴れられそうである。 そうなれば当然、丘野くんやビスケット=オリバもまだまだ余裕のようで。 振り向いてみれば、思う様敵をコロがしまくってる二人の姿が確認できた。 麻衣香はもっぱら回復に専念している。 さすがにこの人数だ、レベルのバラつきのためにダメージを多くくらうヤツが多いのだ。 豆村       「ナマクラァーーーッ!!」 ブルウッドゴーレム『《シュカァン!!》グオッ!?ゴォオオオッ!!』 刹那       「おお!木人ゴーレムが一撃じゃねぇか!」 豆村       「どーだ見たかわりゃわりゃーーーっ!!           俺だってやれば出来るんだーーーっ!!って!刹那後ろ!!」 刹那       「へ?おぉわっ!?」 ブルサイクロプス 『グゥウウォオオッ!!』 ゴォッ───ゾゴォッパァアン!!! 巨大な拳をおもむろに振るい落とすサイクロプス! だが…… ブルサイクロプス『グ……?グギャアアアアアアッ!!!』 破壊など完了していない。 何故ならその振り下ろした腕は肘から先が無くなっていて、その近くには…… レイラ「あまり乱暴を振るうと、罰を与えますよ?」 身の丈以上の巨大な剣を肩に担ぐどこぞのオネーサンが居た。 その後ろには少々ちっこいヘルメット少女も。 ノア 「パンツァーウェポン解放。シュートヒム!!」 ドッコォンッ!!!ドゴボガシャァアォオオンッ!!! 総員 『オワァーーーーーーーッ!!!!』 一撃である。 メイドさんが構えたロケットランチャーから放たれた一撃が、 バカデケェサイクロプスを一撃で葬った。 おおお……あれ面白そうだ……是非使ってみてぇ。 彰利 「んでー!?いつまでここでこうしてんのさー!     あたしゃさっさとモンスターキング様をブチノメしてぇんだけどー!?」 中井出「レベル上げといた方が効率いいだろ!」 彰利 「じゃけんどそろそろ経験値が最大値のクズ程度しか入らなくなってきおったよ!?     どうすんのこれ!そろそろいいんでない!?     奥の方にモンスターが復活する場所があって、     そこに巨大な大木があったさっ!それ破壊すりゃ終わると思うにょろよ!?」 中井出「おおそうか!じゃあそれの破壊を頼む!」 彰利 「オーケー!見事破壊してくるわい!それまで辛抱しておるのですよ!?」 中井出「おー!解ったー!!」 といってもまだまだ我らに勝機はあり!! さっさと塵になるヤツを見送ったり、 塵になる前に剥ぎ取りを実行したりとこちらも忙しいが、 それでもまだまだこちらには余裕がある! しかし……ククク、晦め、レベルアップした我ら全員をどう相手するつもりなのか。 これはこれで楽しみというものよのぅお〜〜〜っ!! 神父 「おお旅人よ!死んでしまうとは情けない!!」 佐古田「うるせーッス!!妙な槍使いに敵とみなされて心臓貫かれたッス!     情けないのはアチキじゃねーッス!!」 浩介 「む?それはつまりあのランサーとかいうのに敵と間違われたということか?」 凍弥 「よッ!魔物!!」 佐古田「激うるせーッス!!」 しかし何処もこの状況を楽しんでくれているようでよかった。 やはりゲームとは楽しむものでなければ。 目的がレベル上げだけになるとゲームとしては終わりなんだろうなぁ。 やはりその先には強敵と素晴らしき冒険が存在しなければ。 清水 「お、おぉおおい!あっちすげぇぞ!?」 佐東 「どしたー!?」 清水 「オリバが三面六手の怪物になってモンスターの群の中心で戦いまくってる!!」 総員 『ウギャア気持ち悪ぃいいいいいっ!!!』 本当だった。 オリバが敵の群れの中で三面六手になって、 群がる敵をバッタバッタと……いや、バゴシャボゴシャと殴り飛ばしている。 いやぁ……恐ろしいほど強いなぁ。 あいつが仲間勢力で本当によかった。 っと、こうしちゃおれんな。 俺も頑張らねば。 中井出「六閃フルスイングスラァーーーッシュ!!」 ジークムントとジークリンデを六閃化させた状態でフルスイング! この攻撃こそこの武器の真価となったといえましょう!! ちと重いがそこは我慢さ! さあ!どっからでもかかってきやがれぇえええっ!! ───……。 ……。 あれから5分ほど経った頃だろうか。 いつしか敵は数を減らし、やがて潰えた。 気が付けば争っているヤツらは居なくなり、その場には静寂が訪れた。 中井出「はぁっ……はぁっ……」 藍田 「だはぁ〜〜……あー、疲れた……。変身しっぱなしって妙に疲れる……」 遥一郎「敵が居なくなったな」 閏璃 「あのホモ男くんがやってくれたのか?」 凍弥 「ホモ男くんって……」 なんにせよ、敵が居なくなったってことはそういうことだろう。 彰利が大木だかなんだかを破壊してくれたお蔭で、こうして何もせずに立っていられる。 が、さて……レベルはどれほどのもんだろう。 500はいったか?……おお、520だ。 随分コロがしたからなぁ。 彰利 「いやすげぇすげぇ、大木破壊してる時でもレベルアップの嵐さね。     おかげで僕、420レベル」 藍田 「俺ゃ524だ」 彰利 「ゲゲェエーーーッ!!って、前に聞いた限りじゃ平均420じゃなかった!?」 藍田 「500からはレベル上がりづらくなってるみたいだぞ?     その分ステータスの伸びもいいんだけど」 彰利 「そうなん?俺としてはレベルは今まで通り上がりやすくて、     ステータスの伸びも今まで通りだったらよかったのにと」 藍田 「いやいや、ポンポンとレベル上がるよりも、     やっと上がったレベルと大きく伸びた瞬間なんてサイコーだぞ?」 彰利 「ム。そりゃ解るかも。     苦労してレベルアップしたのにレベルアップボーナスが少ないと悲しいよな。     で、キミは今回の戦いの中で何か閃けたかい?」 藍田 「いやぁ、ずっとオリバ状態での戦いだったしな。     でもそれ以前になら閃いた技があるぞ。     この世界の閃きシステムじゃなくて、普通に俺が閃いたってだけだが」 彰利 「なるほど?ちとやってみ?」 藍田 「相手が居ないと出来ないものなんだが。投げ技(?)だし」 彰利 「そうなんか。よしよし、では朕が特別に受けてやるでおじゃる。     別に死にはせんでおじゃろう?」 藍田 「お前次第じゃねぇかね」 彰利 「ぬう!それはこの俺への挑戦と受け取った!!かけてみろー!     今の俺にはアルティメット阿修羅バスターでも効かねぇぜ!?多分!!」 藍田 「ホホー!いい度胸だー!!」 中井出「おーい、突入するんじゃないのかー?」 藍田 「いや、弦月にジェネラルストーンの力を見せてからだ!!」 ジェネラルストーンって……アレか。 丘野にあげた二刀の柄に嵌まってたあの宝石。 二つとも藍田にあげて、稀黒装に合成したわけだが…… そういやあれの特種能力ってなんだったんだろうな。 それ以前に特種能力があったかどうかも解らんのだが。 でも藍田はジェネラルストーンがどうとか言ってるしなぁ。 藍田 「ではいくぞぉっ!!」 彰利 「おうさ来いぃっ!!」 ガッシィイッ!! 彰利 「オッ!?なんとそのまま組みつくとは。もしや寝技?」 藍田 「否!もちろん跳躍してからの技だ!!“疾風の如く”!!」 ギュリィッ!ドッゴォオンッ!!! 藍田が彰利を掴んだまま、空高く跳躍する! さらに三面六手になると不適に笑った! しかし彰利はアルティメット阿修羅バスター対策を見い出しているのか、 余裕の表情でニヤリと笑っている! 彰利 「なにかと思えば。三面六手になったということはやはり───」 藍田 「それはどうかな!そりゃぁあーーーーっ!!」 バババババッ!! 彰利 「ウヌッ!?」 藍田が空中で彰利の背後を取った! そして彰利の足と腕を起用に固めると、独特のカタチへと変形させる! これは─── 彰利 「あぁ〜〜〜ん!?なにかと思えばナパームストレッチじゃねぇか〜〜〜っ!!」 藍田 「ただのナパームストレッチじゃねぇーーーーっ!!」 なにぃ!?どう見たってナパームストレッチじゃ───い、いや!違う!! 一番上の両腕で掴んだ足は己の背中から肩に担ぐようにして掴み、 真ん中の両腕は彰利の腕を背中側から頭の方へとガッシリと捻るように掴み、 一番下の両腕では彰利の首を持ち上げるようなカタチ……即ちキャメルクラッチ!! さらに両脚を肩甲骨と肩の間を圧迫するように押し付け、 完全に動きを封じた状態で固めた!! これは───ど、独特のカタチではあるがどっかで見たことがある! あ、あぁーーーっ!!こ、このカタチはぁーーーっ!! 藍田 「これぞ変則ナパームストレッチ!またの名を───将軍家三大奥義のひとつ!     “アルティメット大江戸ドライバー”と言う!!」 彰利 「ゲッ……ゲェエエエーーーーッ!!うおっ!全然体動かせねぇええええっ!!!」 藍田 「“将軍石”(ジェネラルストーン)よ!俺に力をぉおおっ!!     鳴り響け!!将軍家のメロス!!アルティメット大江戸ドライバァーーーッ!!」 彰利 「いっ……イィイイヤァアアアアアアアッ!!!!!」 落下を始める藍田と彰利の前に、大気圏に突入した時のような炎が出現する!! そう、まるでメテオのように二人が落下してくるのだ!! おそらくこれが将軍石と書いてジェネラルストーンと読むの力!! ボッカくんがモンスターキング様にやった、 ファイナル大江戸ドライバーと同じことが今起きているのだ!! 彰利 「ギャヤヤアアア!!体が焼けるゥウウウウ!!!」 藍田 「これぞ自分へのダメージを無くした最強のバスターバリエーション!!     自分の体を打ち付けて敵にダメージを与えるくらいならば、     自分の体重ごとダメージを与えたほうが、     自分へのダメージも無い上にダメージも向上する!そこを追求したのだ!!     くらえ!これが将軍家、大暴れ将軍のフィニッシュホールドだぁーーーっ!!」 ドグシャォオオオオンッ!!!! 彰利 「グボハァーーーーッ!!!」 彰利の胸部が地面へと激突する! それとともに彰利は胸部を粉砕され、大量の血液を口から吐き出した! 恐ろしく凄まじい技だ……アルティメット大江戸ドライバー……!! 自分へのダメージを一切無くし、しかも己の体重を効果的に敵へと送る大技……! 吊り上げられた両脚は衝撃により砕かれ、捻り上げられた腕も折れ、 胸部も粉砕し、首も折り砕く……! さらに力強く吊り上げられた足と、 引っ張られた腕と首の所為で背骨までもが折られている……! すげぇ……すげぇよ将軍家のメロス!! 対一用だけど、ここまで強い技を開発できるとは……! 彰利 「がぼっがぼっ……」 田辺 「ああっ!弦月がスモーキーのように!」 清水 「大丈夫か弦月!……ヒィ!破壊された胸部が焦げてる!」 岡田 「す……《ゴクリ》……すげぇ……!恐ろしい技だぜ大江戸ドライバー……!」 藍田 「ジョワジョワジョワ〜〜〜ッ、これもジェネラルストーンのお蔭だ〜〜〜っ!!」 夏子 「将軍は将軍でも、悪魔将軍じゃなくて大暴れ将軍なんだ……」 藍田 「さあ……立つのだ弦月よ。戦闘体勢は解除した。もう傷も塞がってきている筈だ」 彰利 「ウ、ウググーーー……物凄い技だ、アルティメット大江戸ドライバー……。     これはナパームストレッチにOLAPとキャメルクラッチと     スコーピオンデスロックを複合させたような技だ……並みの人間では抜けられん」 藍田 「投げモーションにさえ入ってしまえばSTRで無理矢理あの世へ送れるからな。     これぞ力の投げ技の最高峰といっても過言じゃないかもしれん……」 蒲田 「藍田……俺はお前を見直したぜ」 島田 「また珍妙な変身能力を身に付けたもんだと思ったもんだが、     まさか自分で杉平健一氏の大技を改良してみせるとは……」 遥一郎「それはいいんだが……なぁ、進まないのか?」 中井出「だな。そろそろ晦も痺れを切らしてる頃だろ。     正々堂々と集団ボコリンチにしてやろう」 遥一郎「容赦ないな」 だってこれもゲームの醍醐味だし。 思うんだが、人数決めて旅に出るなじゃなくて最初から大勢だったら、 魔王なんてすぐ倒せるんじゃないかと俺は思うのだ。 ルイーダの酒場には腐るほど仲間が居るんだし、どうせならみんな連れていっても、なぁ? とまあそんなわけで、俺達はようやくモンスターユニオンの奥へと歩を進めるのであった。 ───……。 ……。 と……案外軽い気持ちで遠足気分的なノリとともに、テクテクと奥まで来た俺達だったが。 鬱葱と生える木々の中、唯一木の影のない陽が差す自然の玉座に、ヤツは居た。 悠介 「……おー、ようこそー」 そして物凄くやる気がなさそうに軽く手を上げていた。 大丈夫だろうか。いや、なにがってなんとなくだが。 悠介 「おーおー、ぞろぞろとみんなお揃いで」 彰利 「ふはははは!とうとう追い詰めたぞモンスターキング!     今日が貴様の年貢の納め時だぁーーーーっ!!」 悠介 「俺はお前の下で働く民じゃないから年貢を納める義理がない」 彰利 「え?あ、そういえば」 中井出「言いくるめられてるなよ!!」 彰利 「え?あ、ギャア!!お、おのれこの野郎!     この俺を言いくるめるたぁ中々やるじゃねぇか!!     そうやって自分のペースに持っていくつもりだろうがそうはいかねぇ!!」 悠介 「おお?戦うのか?」 総員 『もちろんだ!!』 彰利 「ブチコロがしてやるぜてめぇ!!1対大多数!卑怯とは言うまいね!?」 悠介 「あったりまえだ。いいから全力でかかってこい。……俺も、全力で潰しにかかる」 ギン、と晦の目が変異する。 ああ、ありゃあ間違いなく本気の目だろう。 冗談抜きで殺気が込められてる。 睨まれただけだってのに嫌な汗が出てきやがった。 悠介 (……嫌われるのが目的だ。悪いが、一切の容赦無く潰させてもらう) 彰利 (───!!) 悠介 (まあ、最初は力量測らせてもらうだけだ、遠慮なく来てくれ。     もちろん俺も一切の油断もしない。最初は防御に回らせてもらうだけさ) お?なにやら晦と彰利が見詰め合ったのちに驚いたり笑ったり? 何事だ?もしやアイコンタクト?───まあいい。 今はともかく目の前のモンスターキングをブッ潰すのみ!! 中井出「ブッ潰せーーーっ!!」 総員 『Yah(ヤー)ーーーー!!!!』 こうして我らの戦いは始まった!! プレイヤーほぼ全員対モンスターキング! さあ!卑怯と呼ばれようが全力でブチノメーションだ!! 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