───祝おう友よ!/名誉ブリタニア人と日本人(イレブン)の戦い───
【ケース367:弦月彰利/会社戦争その1】 ガガゴシャバキゴキドガバキゴシャバキャゴバシャォオオオンッ!!!! 全員 『ウォオオーーーーッ!!』 総員 『ディエエーーーーーーッ!!!』 全員 『ズオリャァアーーーーーッ!!!』 総員 『ディエエーーーーーッ!!!』 そんなこんなで既に始まっている猛者VS名誉ブリタニア人。 べつにブリタニアとは関係ないのに、既にそういうことになっている。 というか猛者どもと閏璃凍弥は既にそうとしか呼んでない。 麻衣香「悪しき魂に神の裁きを!“セイクリッドブレイム”!!」 ギシャァアアアアッ!!! 閏璃 「うおっ!?綾瀬が空飛んで光ぎゃああーーーーっ!!!」 鷹志 「ヤバイぞこれ!この光、攻撃判定がある!!」 来流美「や、そんなことは黒コゲになってる凍弥を見れば解るから」 綾瀬が跳躍と同時に体から眩い光を放って敵勢力を一気に攻撃! てゆゥかね!光!光はヤバイってマズイって!!俺の方にも無駄にダメージある!! 凍弥 「負けてられるか!いくぞ篠瀬!」 みさお「一対ニでも遠慮はしませんよ!」 夜華 「躊躇などせずかかって来いっ!わたしは逃げも隠れもせん!」 フィンッ!ヂャガガガガガガガガギィインッ!!! 光が消えると同時にそこら中で剣戟や火花が弾ける。 そんな中でも夜華さんは小僧とみさおを相手にして、それでも捌ききっている。 いや、ほんに強ぅなったのぅ夜華さん。 小僧に敵わなかった時代が懐かしい。 とはいえ…… ゼット    『ハッハッハッハァッ!!どうしたぁツゴモリィイイッ!!!』 悠介     『かっ……くそっ!力が思うように出せねぇっ……!!』 ライン    「どうした王よ!貴様の実力はそんなものか!!」 悠介     『お前ら弱った相手によってたかってひどいとか思わないのかぁあっ!!』 ゼット&ライン『微塵にも思わん!!』 悠介     『てめぇらなぁああああっ!!』 悠介の方には負けるでしょうな。 なにせ相手がゼットとシュバルドラインだし。 かく言う俺も─── ゼノ 『我と戦えぇええええっ!!!』 彰利 「ホキャアーーーッ!!?」 こうやって、心底しつこい相手に襲われてるわけですがね。 俊也 「敵わないまでも、せめて一人一殺!!」 佐知子「修行した場所が同じなら条件も同じ!そうそう負けないわよ!」 夏純 「!《こくこくっ》」 田辺 「甘いッ!貴様らとはくぐってきた死線が違うのよ!!」 清水 「修行が同じならば、それ以前に経験した物事で貴様らより一歩を先んじる!!」 岡田 「来るがいいブリタニアの犬ども!名を剥奪された日本(イレブン)の力、見せてやる!」 広い庭先で喧嘩しつつ叫ぶことじゃない気もするけど、 いまやこの庭もかなりデカく歪められている。 お蔭でどれだけ暴れようが屋敷には届かないし、周りからも見えやしない。 ちなみにお嬢……中井出がこう呼んでおったからそう呼ぶけど、 あの小娘は今頃屋敷で我らの戦いを見て唖然としていることでしょう。 こうなったらヤケだということで、包み隠さず全てを教えましたからね。 けど両親が実は生きてました、なんて誰が信じるでしょう。 ま、お嬢次第ですな。 藍田 「“空軍・(アルメ・ド・レール)パァワシュゥッ”!!」 ドッゴォオオオンッ!! 佐古田「ふぎゃあああーーーーーっ!!」 凍弥 「おわ馬鹿っ!こっち飛んでく《ドグシャア!》うげぇはっ!!」 みさお『えっ!?あ───』 夜華 『隙ありだ!!』 みさお『《ズバアッシャアッ!!》けはっ……!!』 藍田くんの蹴りによって飛ばされた魔王サコタヨーシェが弾丸となって小僧を奇襲!! それに意識を奪われたみさおが夜華さんに斬られ、その場に伏した。 フフフ、何故僕がこげに周りに詳しいかって? 何故なら空中でゼノと戦っているからだヨ!! 彰利 『どぉーーーーしたぁーーーカカロットォオーーーーッ!!     こんな程度じゃ───ない筈だぁーーーーっ!!』 叫びつつ、迫るゼノと攻防しながらさらに上空へと飛ぶ! そして一定以上の高さにくると 両手で作ったスレッジハンマーでゼノを地面へと叩き落とす! ゼノ 『グッ……ヌウ……!!』 ゼノが落下してゆく先にある景色は、もう戦争状態だ。 80人近くの人々が入り乱れ、各々が手加減無しで戦っている。 けどまあこの空間はスッピーが作ったものであるため、 悠介への負担は相当なものなわけですがね。 だから余計に力を上手く使えない悠介はかなり苦戦しています。 むしろ一方的。 いやしかし皆様ほんに強くなったものです。 マクスウェルに戦いの基礎から学ばせてもらってるだけはあって、 戦い方がちゃんとサマになっております。 もちろん中には戦い方が滅茶苦茶なヤツもおるのですが、 中井出「続けて食らえ!!震天烈空斬光旋風滅砕神罰割殺撃ィイーーーーッ!!!」 ドゴゴシャゴキィンゾシャドッゴバガシャシャドッガァアアンッ!!! 名誉ブリタニア人『ほわぎゃあああーーーーーっ!!!』 ……それでも滅茶苦茶強いです。 基礎がどうとか関係無い。 荒削りすぎる感は確かにあるんだけど、彼だけの我流が確かに完成しつつある。 しかもここはヒロラインじゃないため、 属性の戒めに左右されることなく好き勝手に放てるようで…… 見事な震天烈空斬光旋風滅砕神罰割殺撃をやって、 名誉ブリタニア人を吹き飛ばしまくっている。 柿崎 「ちょちょちょちょっと待てぇえーーーっ!!中井出ってヤツ強すぎだろおい!!」 彰利 『当たり前だ!僕らの提督は貴様らのように修行だけしているヤツらとは違う!     純粋に冒険し、高みへと登っていっているのだ!!     修行だけしかしていない貴様らと、冒険の度に様々なアイテムなどを手に入れ、     武器や己を強化している我らが提督が貴様らなァアアんぞに負けるものかぁっ!』 柿崎 「お前だって修行ばっかじゃねぇか!!」 彰利 『あら耳が痛い!!』 鷹志 「くそっ!けどこのままじゃダメだ!誰かが特攻して───!」 雪音 「それならわたしにお任せだよーーっ!!といやぁあーーーっ!!」 鷹志 「おおっ!?メイド服姿の馬鹿が駆け出した!!」 雪音 「むぐー!!馬鹿って言うなーーーっ!!」 いっそ上からアルファレイドでも放ってあげましょうかと思ったけど、 あのエセメイドさんには中井出に天誅を下してもらいましょう。 こっちはまだまだ食い下がるゼノとの戦いで忙しいッスから。 中井出「相手が女でも一切手加減無し!!霊章輪・炎の闘法(モード)!!」 唱えるや、中井出の周りで小さく渦巻いていた炎の円が猛りだす! しかしお馬鹿な娘ッ子はそのまま突貫し、手に持った鈍器で中井出を攻撃! ───した途端!バゴォッ!!ボゴォッファァアンッ!! 雪音 「いたわっちゃぁああーーーっ!!!」 衝撃のようなものが馬鹿を襲った次の瞬間、炎が燃え盛りおなごを燃やす! いやいやはてはて……!?燃えるのは解るけど、さっきの衝撃みたいなのはいったい……? 中井出「無駄、無駄無駄無駄……。     貴様が力を込めれば込めるほど、それは貴様へと返るのだ。     これぞヘッジホッグスキルと火円能力の相乗技。     攻撃と防御!この二つを兼ね揃えた今、そう簡単に負けはせん!!」 鷹志 「ヘッジホッグ!?───ハリネズミ……そうか!攻撃反射能力か!」 中井出「相手からのダメージを半分返すだけだが、     それもこの火円とともにならば威力は相当!!     火とボマーのスキルがあれば火円に触れただけで大ダメージだ!」 柿崎 「うーあ……!こりゃ厄介なことに……!」 田辺 「余所見は禁物!いくぜ抜刀!」 ゴコォッキィインッ!!! 柿崎 「景色の暗転───秘奥義!?」 田辺 「ご名答!くらえっ!“飛燕虚空殺”!!!」 ヒンッ───ズガガガガガガバッシャアアアアッ!!!! 柿崎 「ぐおあぁああーーーーーーっ!!!」 フォル『───!?稔さまっ!おのれよくもっ!!』 田辺 「へっ!?ちょ、待《ドゴォオオンッ!!!》ギャアアアアアアアッ!!!!」 一気に仕込み杖を閃かせた田辺がパーシモンを見事撃破! しかし秘奥義の硬直時間を狙われた田辺はフォルっちに爆破され撃破。 恐らくSTRに全てを注いでいたんでしょうな、あっさり撃破されました。 清水 「ウオッ!田辺がやられた!くそぉ!負けるなっ!」 総員 『ウオォオオオーーーーーッ!!!』 遥一郎「こっちもまだまだ負けられないぞっ!義は我らにありっ!!」 全員 『おぉおおーーーーーーっ!!!』 ほんにもう戦争です。 いつかヒロラインでもこんな戦いをする時が来るのでしょうか。 そうなのだとしたら……その時が楽しみです。 ゼノ 『闇よ閃け───!ダークネスフラッシャー!!』 彰利 『のわっと!?』 余所見厳禁! いつの間にか目前に迫っておったゼノの黒衣から無数の闇の刃が放たれる!! 彰利 『甘し!闇と影と黒を身とするこの俺に!今更闇属性の攻撃が効くとでも───』 ゼノ 『思わんな。何故ならそれは囮なのだからな───!!』 彰利 『なんと!?』 全て打ち落としてくれようと、大きく構えたのがマズかった。 ダークネスフラッシャーが俺に届くより早く、ゼノの野郎が俺の眼前に───!! 彰利 『かっ───こ、ンのっ───!』 ダークネスフラッシャーにタイミングを合わせて振り上げた腕が咄嗟のことに反応しない。 だが構わんこのまま振り下ろせば───間に合わねぇ!?  ザゴォシャアッ!! 彰利 『いぎっ───!!』 ゼノの卍解である巨大な爪が俺の体を横に両断する。 相変わらず力と鋭さを重視した能力───さすがの威力だ。 咄嗟に体を完全に黒化にしてなかったらと思うとゾッとするわい……! 彰利 『大した威力だがダメージは小さなものだ───残念だが《ゾバァッ!》ギッ!?』 黒化した我が身が思い切り両断される。 そこに現れたる痛みは───かなりのものだ。 ゼノ 『黒に染まれば攻撃が避けられると思ったか。浅はかなことだな弦月彰利よ。     本来死神の鎌とはそういったものを斬るものだということを忘れたか』 彰利 『げはっ……!〜〜っ……確かに……!少々力に溺れてたかもしれんね……!     原初を忘れた馬鹿は負ける、ね……!悠介が言ってた言葉は正しいかもな……!』 死神の鎌は、そりゃあ生身も切れる凶器だ。 だがその本質は魂や霊体を斬るための武具。 つまり───どれだけ身を黒にしようが、魂までは庇いきれない……そういうことだ。 死神相手じゃ肉体を曖昧にして攻撃を避けるってのは無理そうだな……こりゃまいった。 声  「“反行儀(アンチマナー)キックコォーーーース”!!!」 ドゴォッパァアアアンッ!!! 来流美「ふぎゃっはぁああーーーーっ!!?」 ゼノ 『《ドズゥッ!!》グフッ!?』 彰利 『ややっ!?』 突如!向き合っていたゼノに下方から飛んで来たクルーミング大佐が激突!! 聞こえた声からして、藍田がアンチマナーで吹っ飛ばしたらしいが───ナイス!! 彰利 『隙ありゃぁあああっ!!!』 ゼノ 『ぬっ!みすみす喰うか!!あまり我を甞めるな!!』 手に持つルナカオスが鈍く輝く!! やがてそれを武器に、相変わらず綴じ目の死神へと突貫!! 対するゼノはぶつかったクルーミング大佐をドゲシと蹴落とし、さっさと構えを取る! 何気にひでぇけど流石ゼノ! 彰利 『オォラァッ!!』 ヒュオガギィンッ!! ゼノ 『ぬうっ!!』 振るった剣がゼノの巨大な闇の爪に弾かれる。 攻撃に適してるだけじゃなくて防御面にも優れてやがるよゼノの卍解! くそう、ちょっと羨ましい! 彰利 『思えば貴様とも長い付き合い……。     俺の中じゃあ“運命”ってのはまさにてめぇのことだった……』 ゼノ 『フン……運命破壊の死神王にそこまで言われるとは。     ここは光栄だとでも言うべきか?我は』 彰利 『うんにゃ……今はぶつかるだけで十分だ!』 ゼノ 『ハッ───!いいぞ来い!存分に楽しませろ!!久しく忘れていた高揚だ!!     我が身が!爪が!黒衣が!貴様の血肉を求めている!!』 ギパァッ!!と鋭い紅蓮の瞳がとうとう開かれる! その途端にゼノから放たれる殺気と力は格段に上昇し、 俺を睨む目に更なる気迫が乗せられる! それと同時に、出来れば思い出したくなかったあの頃の緊張感が俺を包み込む。 こういうのをトラウマっていうなら、俺のは間違いなくそうだ。 この目を見ると、どうしても何度も殺された時のことを思い出しちまって……! 相性ってあるよなぁ……どれほど強くなっても、苦手な相手とかが居るっていう相性。 俺の場合、それは絶対にゼノかレオだと思うんだ。 彰利 『フンガァアアアッ!!!』 ゴガァッキィインッ!!! ゼノ 『ぬうっ……!!』 彰利 『ぬぐぐぅ……!』 けど弦月彰利よ。 いい加減に気を強く持て。 過去は過去、今は今だ。 今の俺は無力だったあの頃とは違うだろ? だったら今は、何度だって立ち向かうのみだ! 彰利 『せいやぁあっ!!』 ギャリィンッ!と、打ち鳴らすように合わせた爪を剣で弾く。 巨大爪の卍解……“魔人漆黒鎌”(ディマンズダークネス)。 巨大な爪の一つ一つが鎌となっており、 一つとってもその殺傷能力は数ある鎌の中でもトップクラス。 それが全十本となって襲い掛かってくる……これほど嫌なものはない。 しかもまるで指を動かすくらい精密に動かせるため、 こちらの武器が一本の場合は圧倒的に不利だ。 片腕の爪一本を受けたとしても、相手側はそれでも四本の鎌が残っている。 操り方が巧みであればあるほど、それこそ片腕だけで相手を倒せる力を持っている。 離れればダークネスフラッシャー、近づけば十本の鎌爪。 どっちに転んでも一筋縄じゃいかないのは相変わらずなわけだ。 だがしかしこちらももう前までの俺じゃない。 かなり鍛えたし、さらにヒロラインでのパワーアップもした。 が、それはもちろん相手も同じか。 ヒロラインをやってないだけ俺に分があるのは確かだが─── ゼノ 『どうした、来るがいい。     忌々しいことにこちらの敗北は動かないが、終わらせるのは手間だぞ。弦月彰利』 彰利 『……ケッ、カッコイイこと言うじゃねぇかい。     ならば命を賭してかかってこい!俺の方こそかつてのようにはいかんぞ!』 ヤツの眼光はマジモンです。 ならばこっちもマジにならなければ失礼というもの。 戦とは!決闘とはそうあるべきなのだ───! 【ケース368:穂岸遥一郎/会社戦争その2】 ドンガガガガガガガゴッパァアアアアンッ!!!! 総員 『ギャイヤァアーーーーーッ!!!』 蒼木とともに放った二人掛け魔法、コメットがエレクトロニクス勢力へと降り注ぐ。 小さいとはいえ隕石系魔法。 相手側のダメージも結構なもので、HPが減っていたヤツは次々と脱落していった。 だがHPが残ってるヤツはムクリと起き上がると再び襲い掛かってくる。 澄音 「これは困ったね。相手の方がまるで攻撃を恐れないで向かってくるよ」 遥一郎「聞けば中学時代から無茶の連続だったらしいからな……。     こっち側より“攻撃されること”に慣れてるんだ」 中でも中井出から始まる提督軍に、 弦月とその妻たちに晦とルナ嬢といった輩たちは相当だ。 閏璃 「だぁっはぁっ……!!こ、これ孔明!これからどうするのでおじゃる!」 遥一郎「誰が孔明だ」 澄音 「黒コゲになってたのによく平気だったね」 閏璃 「実は俺は脱皮が出来るんだ」 その割にはところどころコゲてる。 閏璃 「それでどうする軍師。悲しい事実だがこのままではこちらがヤバイぞ。     あいつら本当に一人一殺の意気で向かってきてる。男だけじゃなく女までだ。     こっち側にはそこまで豪気な女はそうそう居ないっていうのに」 声  『ルォオオオオオオオゥウウッ!!!』 ザゴゴシャバキゴキザシュゾシュドッパァアアンッ!!! 声  『うぎゃぁああーーーーーーっ!!!!!』 そうこう言ってる間に新たな犠牲者。 一気に吹き飛ばされることとなった理由は目に見えて解る。 人垣の先の方に巨大な生命体が二体も出現してる。 声  「バーサーカー!リビングアーマー!やっちゃいなさい!!」 声  『グオオォオオオッ!!!』 声  『ガァアアアアアッ!!!』 声  『ちょっと待てぇええーーーーーーーっ!!!!』 そして始まる炸裂劇。 暴れる巨体と防ぐ巨体とがぶつかり合い、やはり火花と剣戟が高鳴る。 遥一郎「ミルハザードとシュバルドラインとゼノとみさお嬢が     こっちに回ってくれたのはありがたかったが……」 閏璃 「他の部分で圧倒的に負けてる気がしてならないな」 遥一郎「悪い閏璃、まず召喚主……木村夏子を打倒するようにけしかけてくれ」 閏璃 「おっ?了解だ軍師」 閏璃が走りだす。 よし……あとは回復と通達、両方をなんとかこなして─── 遥一郎「我が仲間達に癒しと力の加護を。“漢神の祝福”!!」 キィンッ───モンシャンシャンシャンシャンシャァアアンッ!!! 俊也 「おっ……ありがたいっ!」 来流美「あいたたた……はぁ、お空の旅があんなに怖いとは思わなかったわ」 閏璃 「やったな!初体験だ!」 来流美「うるさいわねっ!!」 祝福がそれぞれを癒し、さらに力を5%引き上げる。 そうなると負けムードだったレイヴナス勢力に活力が沸き上がり、 一気に反撃を開始する! 閏璃 「木村だぁっ!木村を狙え!それが軍師殿の通達だ!!」 全員 『おぉおーーーーーーっ!!!』 夏子 「えぇっ!?やっ───ちょっ───!」 藍田 「───!アナクスナムゥ〜ン!!」 夏子 「ちょっと亮!?状況が似てるからってそれはあんまりなんじゃないかな!?     ってキャアアーーーーーーーッ!!!!」 ドスドガザシュドシュガゴドゴゴコシャア!!! ホシュゥウウウ…… サクラ「敵将討ち取ったりですーーーっ!!」 閏璃 「おぬしこそ!万夫不当の豪傑よ!!」 丘野 「ややっ!?なんということ!木村殿がやられたでござる!!」 佐東 「なにぃ!?」 藍田 「夏……子……?うおおおおおおおおっ!     貴様ら!殺す!骨の一欠片もこの世に残さん!」 由未絵「ふえっ!?なんだかすっごく怒ってるよぅ!」 ノア 「戦闘力低下───のちに上昇を確認。なにかしらのスキルを発動させた模様です」 閏璃 「それでも唱えてる言葉が真・三国無双のネタってあたり、さすが原中だよな」 本当にそう思う。 けどこれによって藍田が怒りの呂布が如き力を発揮するのも事実。 これをどう対処するかだが─── 遥一郎「レイヴナス勢力各員に通達。藍田はなにかしらのスキルを使ってる。     それが治まるまでなんとか防いでくれ」 tellで仲間全員に言葉を放つ。 今の状態の藍田を相手にするのはかなり危険だ。 ここは防御に徹したほうがまだいい。 主を無くした時点で───ってそうか、独立執事か! TPが無くなりきれば効果も切れるだろうけど、 それを待ってるんじゃあ全滅も有り得る……よし! 遥一郎「魔法使い各員に通達。藍田からタクティカルドレインでTPを奪い続けてくれ。     あいつの強さの原因はTPにある」 声  『了解!』 かく言う俺もタクティカルドレインを発動。 暴れる藍田からTPを奪ってゆく。 藍田 「“悪魔風脚─(ディアブルジャンブ)──画竜点睛(フランバージュ)ショットォッ”!!!」 ギシャシャゴバシャオォオンッ!!! 由未絵「ふきゃあーーーーーっ!!!」 夏純 「───!!」 紗弥香「あきゃあーーーーっ!!!」 深冬 「……っ!!」 悠季美「きゃああーーーーっ!!」 が、それでもTPがある限りは暴れてくれようって魂胆なのか、とんでもなく強い。 跳躍し、オーバーヘッドキック状態から放たれる竜闘気の一撃で5人もっていかれた。 閏璃 「つっ……強ぇえーーーーーーっ!!!」 鷹志 「くっ、こうなったら───!」 藍田 「《ガッシィッ!!》ぬあっ!?き、貴様!なにを───」 鷹志 「や、やれーーーっ!オラが押さえている隙にーーーっ!!」 着地時の隙を上手く狙い、橘が藍田を羽交い絞めにした。 STRをマックスにしての特攻だろう、藍田も剥がしにかかるが、取れる雰囲気はない。 閏璃 「よっしゃ死ねぇええーーーーーっ!!!」 で、そこへ全力疾走して武器を振るわんとする閏璃。 藍田 「オワッ!?まるで躊躇せず!?」 鷹志 「こんな場面で言うのもなんだけどちょっとは迷えドアホォーーーーーーッ!!」 藍田 「ヤバイ───避けられん!こうなったら───変ッ!し───」 遥一郎「彼の者に沈黙の戒めを!“サイレンス”!!」 藍田 「《コキィインッ!!》───!?……、───!!」 ここまでくれば変身するのは読めていた。 だから変身の言葉自体を封じてやれば、もうヤツは終わりだ。  ゾブシャアッ!! 藍田 「───!!」 鷹志 「ハァッ!脱出!!」 しかも橘も案外狡猾で、藍田に攻撃が降りかかる瞬間に離脱した。 さらにはバランスを崩した藍田へと、閏璃と二人掛かりで前後から攻撃。 これを見事打倒してみせたのだ。 佐東 「うおっ!?馬鹿な!あの藍田がっ……!」 丘野 「お、おのれ許さんでござる!生分身+分身!さらに───“百身杓子”!!」 だがそれに激怒した丘野が分身! さらに閃速から繰り出される斬撃の暴風、杓子を発動! 全員に防御を固めろという指示を出すと同時にところどころに光の軌跡が走り、  ジョゴォッパァアアアンッ!!! 声  『ほぎゃああああーーーーーーーっ!!!!』 パワーポイントの移動が間に合わなかった者が宙へと吹き飛ばされた───! ……何故か猛者連中も。 丘野 「ゲェエエーーーーーッ!!     頭に血が上ってて無差別に攻撃しすぎてしまったでござるーーーっ!!」 中井出「丘野二等!キッサマ少しは周りを見て攻撃せんかぁっ!!」 丘野 「し、失礼しましたサー!!」 暴発したらしい。 しかも大半が今のでリタイアしたので、こっちとしてはとてもありがたい事故だったが。 中井出「チィイッ……!丘野二等の所為で大半がリタイア……!     もはや残されているのは貴様と晦一等と彰利一等と篠瀬さん、     そして空き缶嬢にこの博光だけではないか……!」 丘野 「め、面目ないでござる……まさか他の者たちがそうもHPが減っていたとは……」 中井出「それ以前に巻き込むなバッカモーーーン!!」 丘野 「イ、イェッサー!!」 閏璃 「ふはははは!自爆しおったわ!」 鷹志 「今こそ好機!全軍討って出る!」 全員 『ハワァアーーーーッ!!』 遥一郎「あ───」 待て、って言っても聞かないよな。 こういう時こそ深追いすると大変な目に遭うんだが……。 ……正直、綾瀬をツブせたのは幸運だった。 彼女のチェーンスペルはこっちをとことんまでに無力化させるとんでもない魔法だ。 ジョーカーさえ潰せればなんとかなる。 原中の思考パターンを考えるに、 こういう事態に陥ると大抵ヤケクソの特攻を仕掛けてくる筈。 そこを全員で叩けばいい。 中井出「ちぃくそう!こうなりゃ突貫だ!いくぞぉ丘野二等!」 丘野 「あ、拙者晦殿を手伝ってくるでござる!既に篠瀬殿も弦月殿もそのご様子!     ゼノ殿もまだ打倒できていないのならば、     隙をつくるくらいは拙者にも出来るでござるよ!」 中井出「なにぃ!?あれちょっと!?丘野くん!?丘野二等ォオーーーッ!!?」 あまりに予想通りだった上に、そこから丘野が外れた。 相手は中井出一人───これならなんとかなるだろう。 閏璃 「殺ったぁーーーーッ!!」 中井出「ぬうっ!小賢しいわこのベナウィヘアーめがぁっ!!!     ブッ飛べカラミティイイイーーーーッ!!!!」 ザゴフィゾガバボォンッ!!!! 閏璃 「ぎあぁああああっ!!!」 鷹志 「うおっ!?と、凍弥!?凍弥ーーーーっ!!」 閏璃……リタイア。 閏璃の攻撃を完全に無視した中井出のカウンターブレードが、 閏璃の体を切り裂いて内部から爆裂。 あっちゃあ……ペシュメルガスキルのこと忘れてた。 完全攻撃無視のハイパーアーマー……効果時間は短いが、 痛みも衝撃も通らない厄介なスキルだ。 しかも確かにダメージを受けた筈なのに、カウンターヒットと同時にHPが回復してる。 攻撃と同時にHP回復……武器に“回復”のスキルでもついてるんだろう。 中井出「いいだろう……ブリタニアの犬ども。     散っていった仲間のためにも俺が最後の砦となろう。     ───臆さぬならば!かかってこい!!」 ゴシャァッキィンッ!!と中井出が振り上げた双剣が輝く。 そして右手の紅蓮大剣には炎が、左手の蒼碧大剣には風が吹き荒れ、 それぞれが怪しく残像を残し始める。 確か……六閃化、ってやつだったか? 鷹志 「ぐっ……!あ、相手は一人だ!怯むな!義は我らにあり!!」 全員 『お、おぉおおおーーーーーっ!!!』 中井出「アトリビュートキャリバー解放!“精霊斬”!!」 キュバァンッ!! 中井出が放つ言とともに、炎と風が弾けるように輝く。 途端に沸き上がる嫌な予感───! 遥一郎「各員に通達!防御を固めて逃げろぉおーーーーっ!!」 全員 『───!』 中井出「おぉおおらぁあああああっ!!!」 キュバァアアカカカカカカカカカギィインッ!!! 全員 『はうわぁあーーーーーーっ!!!!』 全員が咄嗟に踵を返して台地に飛び込むように伏せた───途端、 景色が剣閃の煌きに埋め尽くされた。 双剣六閃───合計十二閃から放たれる軌跡の数はとんでもなく、 行動が遅れた浩之が直撃をくらい、爆裂とともに吹き飛ぶ。 だがリタイアにならなかったのはVITへのステータス移動が間に合った故だろうか。 鷹志 「───!剣閃が止んだ!今ァッ!!」 数にして12回、だろうか。 中井出が剣を振るうと、剣閃はピタリと止んだ。 もちろんこちらもただでは済まなかったが、 今この瞬間があの技の硬直時間なのだとしたら突撃するなら今───! 鷹志 「うおぉおおっ───お、あ───!?」 中井出「紅蓮に光!蒼碧に風!連ねて破壊の暴風と為す!“義聖剣”!!」 キュバァンッ!! 光が弾ける。 光輝く双剣を長剣にした中井出の手の中で、輝く風を吹き荒ばせる光。 やがて、なにかがヤバイと踏みとどまった橘の前で、光は弾けた。 中井出「“エェクスッ───キャリバァーーーーーーッ”!!!」 ゴゴォッキゾガシャシャシャァッフィィインッ!!! 全員 『あぉわっ───はぎゃぁあああああっ!!!!』 横薙ぎに振るわれた輝く風の巨大剣閃は、固めた防御ごと俺達を吹き飛ばした。 防御が間に合わなかったなんて次元の問題じゃない。 きちんと間に合ったっていうのに、 それでも防御の上からとんでもないダメージを俺達に与えた。 直撃を受けた橘はリタイアだ……遠くに居たやつらも瀕死の状態。 とんでもない能力だ……これが純粋に、 修行じゃなくゲームを楽しんで冒険してるヤツの強さか……! なるほど……備えてある武具の時点で偉い違いだ……。 中井出「む……?手応え無し。あの間合いで逃げるとは中々の腕前───お見事。     出会った相手が私でなければ今少し長生きも出来たでしょう。     ……後悔なさい。あなた方には十数える間だけ後悔の時間を差し上げます」 遥一郎「悪いが後悔はしてやれないな……ストック解除!“漢神の祝福”!!」 中井出「ヌッ!?」 モンシャンシャンシャンシャンシャアアアアンッ!!! 解除したストックから祝福が齎され、弱っていたみんなに活力が漲る。 遥一郎  「こっちにはまだまだ祝福のストックがある。       俺を倒しても蒼木にも、他のやつにもだ。悪いがそう簡単に終いはこないぞ」 中井出  「コココ……!なるほど、流石はブリタニア側随一の頭脳よ……。       パワーファイターばかりのこちらとは訳が違う」 悠介&彰利『お前にだけは言われたかないわっ!!』 中井出  「俺だって晦はまだしも彰利には言われたかないわ!」 彰利   『ななななんですとぉーーーっ!!?』 中井出  「ともかく!回復役がそんなに居るのなら先に回復役を滅ぼすのみだ!」 遥一郎  「そう簡単にはさせないぞ───各員に通達!回復役を守りつつ戦ってくれ!」 全員   『応ッ!!』 前衛が前へ、魔術師系が後衛という形になり、中井出を完全に包囲する。 相手が複数ならまだしも、こうして囲んでしまえば一人ってのは弱いものだ。 中井出「フフフ……囲めば勝てると思考するのはもはや過去の思考。     我が流儀は我流にして、対一ではなく対多数!むしろこの状況は望むところよ!     さらに───!いくら後衛にしようが我が剣からは逃れられん!!」 ゴキィンッ!! 中井出が持つ長剣が紫色の輝きを帯びる。 それを確認すると、中井出は大きく振り被って─── 中井出「スーパーウルトラスペシャルストロングマッスルDX(デラックス)トンボ切り2006!!     略して“閃速螺旋槍(フォアストール)”!!!」 なんと剣を投擲した! 投げられた剣は物凄い速度で軌跡を描き、 何かが閃いたと思った次の瞬間には後ろに立っていた蒼木の体を貫いていた……! 澄音 「あ……か、は……?」 遥一郎「蒼木っ!?」 しかも貫いた剣はその場で消えて見せ、 気づけば中井出の手に双剣として治まっているじゃないか。 どういう能力だ、いったい……。 中井出「貴様らがいくらでも癒されるというのなら、この博光はいくらでもコロがそう!     手加減はせんンンンッ!!!」 刹那 「くっそ!原中側にこんなバケモノが居るなんて聞いてねぇぞ!     レ、レッツゴービーン!貴様の力、見せてやれ!!」 豆村 『おおよ!くらえ奥義!アルファレイドッ───』 中井出「“神威クラァーーーーッシュ”!!!ドグルシャドッパァアアーーーーーン!! 豆村 『ふぎゅっ───』 刹那 「《ゴォウゥンッ!!》───へ?」 何かを放とうと構えた豆村が光速タックルされ、刹那の頬を掠めて星になった。 柾樹 「ど、どういう強さっ……!?え、ええいくそっ!だぁあああっ!!」 果敢に向かっていく柾樹だが───振るわれる巨大双剣を前に、少々退け腰だ。 あれじゃあ─── 中井出「フゥンヌッ!!」 ブオォンッ!! 柾樹 「たわっ!?《シュピィンッ!!》いつっ───!?     あ、危なっ……なんとか躱し……《ガクンッ!》あ、あれ……?」 刹那 「オワッ!?ま、柾樹!?どうした柾樹!」 柾樹 「い……や……、体が……動かない……」 刹那 「な、なにぃーーーっ!!?」 中井出「我が剣には毒と麻痺と眠りの加護が宿っている……。掠っただけでも致命的だ。     さらにマグニファイスキル“猛毒”により、     麻痺している貴様の体は苦しみを知らぬまま、ジュクジュクと毒に侵されてゆく」 刹那 「んなぁあーーーーーっ!!?」 中井出「さあ来い人の子らよ!我が名は原中が提督、中井出博光!!     状況によっては逃げも隠れもする凡人だが、     威信をかけたものごとにおいては逃げ出したりなどせん!!」 中井出はもうノリノリだ。 だっていうのに弦月みたいに余裕かまして隙ダラケになるようなことをしない。 近くで動けなくなった柾樹に情け無用の会心の一撃をフルスウィングで振り下ろすと、 一撃で仕留めて見せた。 刹那 「ア、アワワ〜〜〜ッ!!」 中井出「脆弱なり名誉ブリタニア人!!震えて待たずにかかってこい!!」 刹那 「フ、フフフ……!その手は食わねぇぜ!えーと提督とやら!     そうやって誘って攻撃させて、カウンターきめる気なんだろ!」 中井出「だとするならば貴様はどうする!男ならば語ってみい!!」 刹那 「え?そ、そりゃ───……ぐ、軍師殿!?軍師殿ーーーっ!!」 刹那がこっちを見て叫ぶ。 あの馬鹿っ、せっかく聞こえないように詠唱してたっていうのに……! 遥一郎「ええいままよっ!“コメッティックミサイル”!!」 キンッ───コキュキュキュキュキュキュキュゥウウウンッ!!!! 言を唱え、魔法陣を弾けさせると、 俺の周囲に現れた無数の小さな隕石のような炎がミサイルのように中井出へと飛翔する! 奇襲は出来なかったがホーミング能力もある魔法だ、そう簡単には避けられない筈! 中井出「───!」 ドガガガガガガァォオオンッ!!! 鋭く襲い掛かる炎が中井出を襲う。 直撃───!これならさすがのあいつも一溜まりもないはずだ! 遥一郎「どうだ……!?」 巻き起こった爆煙が風に流されてゆく。 やがて晴れたその場に俺が見たものは───!! 中井出「原中奥義───刹那バリアー!!」 全員 『なにぃいいーーーーーっ!!?』 刹那を盾にした中井出提督の姿だった───!! 中井出「説明しよう!刹那バリアーとはただ近くに居た刹那坊主を盾にした奥義!     その防御力は坊主の生命力が続く限り持続し、     俺への攻撃をイージスの盾が如く防ぎきるのだ!!」 遥一郎「おっ……お前にゃ容赦ってものがないのかぁあーーーーーっ!!」 中井出「容赦!?アホか!!     そんなもんは原中時代にポリバケツに便利に収納してゴミに出したわ!!     さあ来るがいい!魔法は全てこの新イージスの盾で防ぐぞ!!」 全員 (すげぇ……!本気で鬼だ……!) 俊也 「どうするんだ軍師!このままじゃ───!」 遥一郎「ええいもう!どうにでもなれだ!全軍突撃!!」 全員 『ウオォオオオーーーーーッ!!!』 中井出「来るがいいブリタニアの犬どもめ!     俺は正々堂々と戦って刹那ロケットォーーーッ!!!」 シュバドゴォオオンッ!!! 俊也 「うげっはぁあっ!!?」 正々堂々がどうたら言ってる途中に中井出が刹那を投げ飛ばした! しかも力任せに投げられた刹那はまるで弾丸のように朝月の腹に激突し、 走ることで勢いをつけていた朝月がカウンターをくらったように吹き飛ぶ! 遥一郎「ちょっと待て!正々堂々戦うんじゃなかったのか!?」 中井出「もちろんだ!そしてこれが原中流の正々堂々!!     知るのだ井の中の蛙よ!!勝てばいいのだよ勝てば!!」 遥一郎「言ってることが滅茶苦茶だぁあーーーーーーっ!!!」 中井出「これより二分で貴様らを追い詰めよう!ストック解除!レッツマグニファイ!!     アァーーンドッ───“斬光烈空刃+双牙旋空衝+精霊斬”!!」 ガガガガギヒィインッ!!!! 景色の暗転、武具の閃き、滅茶苦茶な光が入り乱れる中、 もはや立ち止まっている方が危険と察知した俺達は走った。 なによりもまず倒さなければこちらがヤバイと体が理解したからだ。 ヂガァアガガガガガガガガカッフィィインッ!!! 全員 『うわぎゃぁああーーーーーっ!!!!』 どれだけAGIにステータスを振り分けても、相手の速度に勝てなかったのだ。 さすがに……倍以上のレベルがあるだけのことはある。 ていうかこんな風に冷静に思考してる場合じゃないっ! 視界がとんでもない数の剣閃に埋め尽くされて……っ!!!  ゾバゾシャバシャヂャガギガガガァンッ!!! 全員 『…………っ!!』 たっぷり10秒。 その間、視界をこれでもかってくらい埋めた剣閃がようやく終えると、 リタイアせずに居られたヤツの数なんて一目で確認出来るくらいの人数になっていた。 レベルの差はもちろんだけど、なによりもあの武器───あの武器の攻撃力が異常だ。 ゼット『ぬ……ぐ……!不意打ちとはやってくれるな、中井出博光……!』 ライン『人の身で我が身を斬るとは……なかなかやる』 中井出「スキルだけは無駄に持ってるんでね……もちろんドラゴンキラーも混ざってる」 彰利 『偉そうに言う前にもっと周り見て撃ちんしゃい!!     丘野くんが直撃受けて死んでもうたじゃないの!!』 中井出「ゲェエーーーーーッ!!!」 悠介 『それより彰利!前見ろ前!』 彰利 『お、おうさーーっ!!いきますよ夜華さん!!』 夜華 『解っている!!』 ゼノ 『ちぃっ……忌々しい!!』 向こう側は相変わらずのバトルをしているらしい……晦のやつ、よく保ってるもんだ。 こっちはもう勘弁してくれってくらいに困ってるっていうのに。 俊也 「お、おい……みんなっ……げほっ!……全滅しちまったぞ……!」 遥一郎「レベルと武器の強さが違いすぎる……条件があまりに厳しすぎたんだ……」 俊也 「どうする、って訊いていいか……?」 遥一郎「……悪い、この状況で勝てってのはちょっと無理だ……」 俊也 「……はぁ、やっぱりか───《ゾゴォンッ!!》ぶっ───ぐ……!?」 遥一郎「おっ───あ……!?」 何かが光ったと思った次の瞬間、朝月の体を剣が貫いていた。 これは───さっき蒼木を貫いたそれと同じものだ。 中井出「余所見注意報フォアストール……隙を見せれば殺しますよ」 遥一郎「………」 まいった……修行で結構強くなってたつもりだったんだが、そうだよな……。 自分だけ強くなっても意味が無い。 あのゲームは武器も一緒に強くしてこそ自分も強くなれるのだろう。 戦ってみて解った。 中井出はそれを上手く利用して強くなっている。 実際、相手に武器が無ければそうそう苦戦はしなかっただろう。 攻撃したところでヘッジホッグもボマーも発動せず、 剣閃乱舞で一気に殲滅させられることもなかった。 この勝負……最初から見えていたってことか。 中井出「ウヌ……?ホールドアップか?」 遥一郎「まいった、俺達の負けだ」 両手を軽く挙げた俺を見て、中井出が困ったような顔をする。 どうしてか、とも思ったが─── あっちで暴れまわってるやつらを見たら、妙に納得してしまった。 俺がまいったって言ったところで、あの戦いは終わらないだろうから。 でもまあ、今回の戦いはいい教訓になったな。 たとえば─── 中井出「おーいキミたちー、戦いはもう終わったのだよー」 遥一郎「───《ギシャア!》」 どんな手を使ってでも勝てばいいのだということとかな!! 遥一郎「死ねぇえーーーーーっ!!」 中井出「なにぃ!?」 俺に背を向け、晦たちに声をかけていた中井出の背にストック解除の大魔法を解放!! 既に戦闘解除をし、武器を腕の紋章に収納していた中井出は反応しきれず、 解放された大魔法をまともにくらい───!!  ゴバババゴバァッシャォオオオンッ!!!! 中井出「ゲラァハァアーーーーーッ!!!!」 激しい炸裂音とともに、まるで人形が吹き飛ぶように素っ飛んでいった! ふ、ふふふはは……確かに……確かにな……。 遥一郎「お前の言う通りだ中井出……勝てばいいんだ」 吹き飛び、ぐったりと動かない中井出へと歩み寄り、その散り様を看取る。 せめてもの授業料、といったところだ。 学ばせてもらったから、これくらいは。 と、覗き込んだんだが─── 遥一郎「へ───?な、なぁああああっ!!?」 吹き飛んだそれは、なんと等身大マスオ人形!! 人形のように吹き飛んだんじゃなく、人形だったのだ!! 声  「残像だ」 遥一郎「な《ザゴォッフィィンッ!!》がっ……!!」 背中が熱を持った。 斬られた───?熱い、とんでもなく……! 遥一郎「〜〜〜っ……!」 だが痛みを堪えて振り向いた。 すると───そこには無傷の中井出が……! 遥一郎「か、はっ……!いつの間に……!」 中井出「氷の加護と水属性のキャリバーで空気密度を変えて蜃気楼を作りました。     詳しくはONEPIECEのナミのクリマタクトをどうぞ。     残念だがね、穂岸くん。この博光はそう簡単には油断などしてはやらんのだよ。     何故ならその油断の所為で無駄な傷を負い、     血を流してきてしまった友人を映像で見てきている。     そんな俺がどうして油断などできるだろう。     俺はなによりもまず教訓として、それを第一に頭に入れているのだよ。     “油断だけはするな”、“一撃で仕留められると思うな”と」 遥一郎「な、るほど……ね……っ───」 ドシャアッ……! 体が自分の意志とは関係なく倒れた。 いや、麻痺していて動かすなんてことがまず出来ない。 しかも強烈な眠気が頭を支配する。 本当に……とんでもない種類のスキルがあるみたいだ……。 それだけ冒険に費やした時間が俺達より多いってことか……。 遥一郎「……、……」 なんとか頭を動かして見上げた視線の先。 中井出が俺を仕留めるために長剣を振り上げていた。 ああ、まいったな……本当にちっとも油断してくれない。 気が逸れたんなら魔法を使って状態異常くらいは消せたっていうのに。  ザゴォンッ! やがてその音は、まるで他人事みたいに別の何処かから聞こえたみたいに鳴った。 それでも俺の意識は音とともに途切れて、 それが自分に振り下ろされた剣が立てた音なんだなって、そうなってから自覚できた。 Next Menu back