───冒険の書141/上手くいかない世界───
【ケース397:中井出博光/“N・H・K”(中井出ヘヴンスキングダム)にようこそ!】 オォオオオ……オォオオオオオ……!! 聞き飽きた木々のざわめきがいい加減鬱陶しく思えるようになった頃─── 俺は飽きもせずまるで鬱葱と生い茂る雑草のように伸びた木々の間を、 溜め息交じりにゾルゾルと縫うように歩いていた。 なにがどうしてこうなったのか、実のところなんにも解ってちゃいない俺なのだが…… はてさて、このまま俺は何処とも知らぬ森の中で朽ち果ててゆくんだろうか。 そんなことを思うと、歩いても疲れない世界の理だけが唯一無二の親友に思えた。 だから俺は小さく語ることにした。 中井出「愛も勇気も要らん。ただ俺にパンをくれ」 アンパン食いたいな……どうしてだろうか。 そんなことを考えても無駄なわけだが、思わずにはいられないのは何故だろう。 と、こんな思考問答をもう何度も何度もやっているわけだ。 話相手が入ればまだよかったんだが……ああいや、一人だけ居たな、話相手。 ネビロス『もういい加減諦めたらどうだ。大人しくこの世界で私と永遠を生きるのだ』 このカオス空間の主、ネビロス元帥だ。 ちなみに元帥ってのは俺が勝手につけた。 ネビロス『どうせここからは逃げられない。      逃げられたとしてもその途中で生気を狭間に吸収され、      この世界の養分となって長生き出来ずに死ぬのさ』 中井出 「うぉーそうか」 ネビロス『……真面目に聞く気はないのだな』 中井出 「楽しくないからなー」 そう、ここには楽しさが欠けている。 こんな薄暗い場所で一人残され、なにをどうすれば面白いというのかちくしょう。 中井出 「よしネビロス元帥、貴様なにか昔話をしろ」 ネビロス『なに……?』 ウゾルウゾルと蠢くネビロスが訝しげに俺を睨む。 いや実はね?こいつこの森の中の真ん中に立つ闇の大樹の根っ子から伸びてきてるのね。 なんでもこの場所が世界から乖離されるとき、 逃げ遅れてからずっと、ここに閉じ込められてるんだそうな。 つまり一番最初にこの世界の養分になってしまったカワイソーな娘ッ子らしい。 訪れる者全てが自分を恐ろしがるから、人間不信になってしまっていたらしい。 そんな時に訪れたのが俺なのだが…… 怖がるどころか砕けて話し掛けてきたのがいたく嬉しかったらしく、 こうしてゾルゾルと付いてこられてるわけで。 ネビロス『お前にはもう全てを話しただろう』 中井出 「だって退屈なんだもんよぅ」 ちなみに俺のことも話した。人とまともに話をしたのは久しぶりだって言って、 暗かった顔が明るくなってゆく様を、俺は話を続けながら見てきたわけだが…… いい加減話のネタが尽きた。 むしろ食料ももう尽きそうだ。 いっそレイジングロアで破壊しつくしてくれようかとも思ったものの、 この森がネビロス元帥と同化してしまっているため、無茶は出来なかった。 けどまあ嬉しいことがあったのは確かなんだが…… 相当数の旅人がこの場に迷い込み、やっぱり出られずに死んでしまったようで─── そういった人々の遺留品とか金がかなりあったわけだ。 特に旧時代の武器とか発見した時は素直に喜んだものさ。 黄金とか金塊を見つけた時も喜んだものさ。 お蔭で俺のバックパックからは食料が消え、アイテムがかなり増えたのだから。 でもやがて、外に出られないという事実を体が確信していくにつれ、 その喜びの分だけ悲しみを背負ったわけで。 中井出 「今日でほんと、森の全てを探索し終えちまうよぅ……」 ネビロス『正直ここまで気を確かにしたままで保ったのはお前が初めてだぞ……』 中井出 「まあ最後まで諦めるつもりはないし」 様々なアイテムを見つけた。 これを売ればかなりの金になり、武器も鍛えられるというもの。 死んでたまるもんですかい!死んで金が半分になるのなんて冗談じゃあねぇ!! ……餓死した場合、金は誰に半分奪われるんだろうか。 もしや神? よしかーさん、チェーンソーだ。 ……この場合の“かーさん”は麻衣香になるわけだが、ヒロラインではまだ会ってない。 というかここで麻衣香に会いたいって願っても無茶が過ぎる。 あ〜くそう、人恋しくなるなぁ。 なんていうか時々、麻衣香を思いっきり抱き締めたくなることがあるんだよな。 みんなの前では恥ずかしくて……いやそれもあるんだが、 そもそも抱き締めたりするとエロマニアンデビル扱いされるから。 中井出「………」 だが今最大の問題はそんなことではなく───ただただ退屈! 中井出「ンマー……」 ガサガサ……ゴソ、ザショザショ…… アイスバーグさんの真似をしつつ、前に前にと進む。 が、とんでもなく道が長い。 道なんてものがそもそも無いんだけどさ。 広すぎるんだよなぁこの森。 それでいて、中心の大樹以外に目立つ目印が無いし。 なんてことを考えながら歩いた先で───俺は、一つの祠を発見した。 中井出 「……?ホコラ?…………ホーコラびっくり!」 ネビロス『……?なにが言いたい』 なんだろう。 だがともかくここに来てようやく何か変わったものを発見できたのだ。 ここから抜け出す方法が、これにかかっているかもしれない。 中井出「………」 ま、まあとりあえず中だな。 えーーーーと……………… ───…………。 …………特に何も無かった。 中井出「ウソでしょう!?」 ただ台座のようなものがあったくらいで、本気で何も無い。 いや……まいったなこれは。 どうしよう、このまま餓死なんて嫌だぞ俺は。 中井出「台座……台座……?何かを置くと時空の扉が開かれたりするんだろうか……」 よし!何ひとつ解らない! じゃなくて考えろ俺のブレイン! このままではいかん! 中井出「…………よ、よし!ひとまず祠は放置!     この先に進んで何か無いかを徹底的に調べる!」 生きる希望が沸いてきた! ワハハハハ!見ていろゲームマスターめ!俺はこんなところでは死なんぞぉお!! ───……。 ……。 30分後。 中井出「………」 僕の心はただただ深い絶望に飲まれておりました。 中井出 「えーとさぁネビロス元帥よぅ……。あの祠の台座ってなにがあったの……?」 ネビロス『ドリアードの宝玉があったと言われている』 中井出 「宝玉……?マジでか」 ネビロス『ああ。この森を豊かな自然として保つため、      ドリアードが宝玉を作成、安置したとされている』 中井出 「宝玉……」 無理だろ。 高位精霊は宝玉を作っても、それを人間に渡したりしない。 俺がこの元素の宝玉を貰えたのは偶然の重なりのお蔭だし、 なんというかナギーが宝玉を精製する姿は想像するのが難しい。 ……でも待てよ?ナギーって確か自分のことを二代目とか言ってたよな。 この森自体も古の時代から時間が乖離されているような場所なわけだし─── 中井出 「以前ここから出たヤツってのは居なかったのか?」 ネビロス『居た。オカネモという男だった』 中井出 「そいつはどうやって外に?」 ネビロス『それがよく解っていない。台座に何かを置いていったわけでもないのに、      気づけば虚空に開いた穴から外に出ていた』 中井出 「………」 まいったなぁ。 どうすれば出られるのやら……。 中井出 「この世界灰燼と化させていい?」 ネビロス『ヤケになるな。そんなことをされたらわたしが消滅する』 中井出 「そう言われてもなぁ……そもそも貴様は闇の大樹に取り込まれた人間なんだろ?      だったらなんとかして人間に戻る方法とか」 ネビロス『………』 中井出 「元帥?」 ネビロス『大樹に戻ろう。なにか解るかもしれない』 中井出 「だったらまず最初に言おうよ!なんだったのこの一週間!!」 ネビロス『“かも”と言っただろう。期待はするな』 中井出 「期待なんかもう何度裏切られたか解らないからそもそもしないっつのくそう」 他のみんなは今頃どうしているんだろうか……。 もしや俺に内緒で面白いクエストとかイベントをやっていたりするんだろうか。 それともまだ闘技場で修行してるんだろうか。 そんな悲しみを胸に歩く俺の横で、ふと木々が蠢いた。 ネビロス『……、来たぞ』 中井出 「あいよー」 もうこんなものは慣れっこである。 そしてこれが、俺の唯一のストレス発散状況。 フォレスト『オググオォオオオ……!!』 とある周期が来ると森がバケモノ化して襲ってくるのだ。 どうやらこの森で迷いながら朽ち果てた者の魂が、木々に宿って悪霊化しているらしい。 ……そこで俺は一言言うわけだ。 中井出「俺ってどうして集団戦闘とアンデッドに縁があるんだろうなぁ……」 と。 中井出 「元帥、貴様が繋がってるのって大樹とだけなんだよな」 ネビロス『……?そうだが』 中井出 「オウケェイ……!」 だったら今回のこの周期で……この世界にある木々全部破壊してくれる!! 中井出「唸れ灼紅(しゃっこう)!“エクスプロードブレェーーード”!!」 ジャゴォン!と両手に出現させたジークムントから火属性のキャリバーを放つ! それはジュガァッフィィン!という鋭い音を立て、 視界を覆うバケモノフォレストどもにヒットするや否や、 敵を貫通しながらも鋭い爆発を起こして破壊してゆく!! ネビロス『お、おい……あまり無茶は……!』 中井出 「うーーーるーーーせーーー!!      こちとら同じ景色見続けていい加減ストレス溜まってんだ!      発散した矢先に空になった堪忍袋にすぐさまストレスが貯蔵されてんだよ!!      未開封の炭酸飲料ペットボトルを落としちまった時くらいにパンパンなんだよ!      唸れ迅雷!“七星雷鳴剣”!!」 ヂガガガォオンッ!!バシャシャシャシャォオオオオンッ!!! お次はジークリンデから雷のキャリバーを放つ! 放たれた雷の剣閃がヒットするとその場に七つの雷が落ち、 周囲の木まで巻き込みながら飛翔する! 中井出「オラオラどうしたこの野郎!!     楽しみに飢えた原中が提督の怒り!よもやこの程度だとでも思うたか!!     シャァアンドラの火を灯せぇえええええっ!!!」 もはや自分で自分を抑え切れなかった。 あまりに退屈すぎる時間が俺のハートをブレイクショット。 俺は我慢の限界を向かえ、きっとキレたんだと思う。 フォレスト『ルゥウェエエエエゥウ……!!』 中井出  「遅いわドカスがぁ!!唸れ剣風!“ソニックブレストォ”!!」 ゴォッ───ズォファファファファァアアンッ!!!! フォレスト『ギギャァアアアアッ……!!』 ブッ飛ばして破壊しても次から次へと視界を埋めようとする大木どもを、 風のキャリバーで吹き飛ばす。 スリースターズのお蔭でTPはまだまだある……! もちろんグミだってあるんだ、この一時に我が全てをかけてくれるわ!! 中井出「唸れ闇月!“魔王三日月剣”!!」 ゾフィフィフィフィィインッ!! お次は闇のキャリバー───だが、やっぱり他の属性よりダメージは低い。 それでも相手との距離を空けるのには役だった。 だったら次! 中井出「エネルギー───全開!!“ジュースティングスラッシャー”!!」 光のキャリバーを発動! 剣閃系ではないが、その分威力は高いのがこれだ! 中井出「ブチ抜けェエーーーーーーッ!!」 ゴォザガガガガガォオンッ!!!! フォレスト『グェエエエエ……!!』 蠢く大木を何十体も一気に刺し貫いて破壊する! ……でもその数はまだまだ鬱陶しいほどに居る。 まるでファンタシースターオンラインのラスボスと戦ってる気分だ。 ビットみたいなヤツの中から火が灯ったヤツだけを狙うアレな……嫌いだったなぁアレ。 中井出「水よ!俺に力を!“ブラストヒーリング”!!」 バケモノ大木との距離が大分開いたところで、剣に水の属性を込めてキャリバーとする。 これは地のキャリバー、ブレイブチャージと同じで攻撃系じゃないが、 戦闘中でもTP回復を計れる能力だ。 ただ使用中は動けないのが難点であり─── フォレスト『カォオ……!!』 中井出  「ホワッ!?《ドゴォンッ!!》あ、あぶっ……!!」 構えを解くとTP回復が途絶えてしまうのだ。 けど危ない。 もう少しで顔面を枝ラリアットで砕かれるところだった。 木ってかなり硬いから、やられれば高ダメージは否めない。 それにステータスは攻撃力と速度主体だ。 今攻撃を受けると、いくらレベルがあろうがかなり危険なダメージを負うことになる。 中井出「紅蓮に炎!蒼碧に地!連ねて一つの力と成す!“メテオレイン”!!」 だったら触れられる前に滅ぼすまでだと、 双剣にそれぞれ別の属性を込めてジークフリードに変換。 キャリィンッ!と素早く回転させるとともに跳躍し、 大木どもを見渡せるくらいの位置に至ると───無遠慮にキャリバーを放ちまくる!! ドガガォンガォンガォンガォオオオンッ!!! 声  『…………!!!』 剣から放たれる炎を纏った隕石型のキャリバーが落下する地点から、 物凄い爆発と轟音、そして掻き消えるような悲鳴が聞こえる。 だがこの博光、容赦せん!! 中井出「ストック解除!“義聖剣”!!“シャイニングフレア”!!」 ゴカァッキィンッ!! ヴァンガガガガガガガォオオオンッ!!!!! さらに光と火の義聖剣をストックから解放。 空中から闇を照らす光を剣から放ち、それを浴びた者悉くを炎上、爆殺してゆく。 やっぱりこれは高いところでやればやるほど広範囲に爆発を起こせる。 普通なら炎上効果しかないキャリバーだが、 ボマーがあるだけでこうも効果とダメージが違う。 しかし中にはやはり光を浴びずに済んだ者も居て、 さっさと塵になっていくやつらの塵を潜り抜けるように、 やがて大地に降り立った俺へと向かってくる! 中井出「───次!ストック解除!“義聖剣”!!」 大分少なくなったとはいえまだまだ居る敵を出来るだけ誘導。 纏まるように誘い込み、ストックを解除。 風と元素を合わせたキャリバーを発動させ、一気に放つ! 中井出「永劫なる風よ……我が意志に集え!!───逃がさん!!」 まず何も無い虚空へ風の塊を発射! それは高い位置で破裂するとともに、その下に居る敵へと斬撃の雨となって襲い掛かる! そして俺は、斬撃の雨によって進もうにも進めないオバケ大木どもに向かって追撃を開始! 中井出「“皇舞旋煌閃(こうぶせんこうせん)”!!」 ヂュガキキキキキキキィイインッ!!!! フォレスト『ギアァアアアアアゥウウッ!!!!』 上と正面からの、元素の力によって圧縮された風の刃での攻撃。 持てる限りの速度で風の刃を放ち、 射程範囲内に居たフォレストどもの全てを粉微塵に刻んでやった。 中井出「叫べ叫べヒーーーホホホホホホ!!!レッツマグニファイ!     皆コロがしにしてやるからどんどんかかってこんかぁーーーい!!!」 今日の僕は一味違う。 というよりはむしろ、 この森に漂う瘴気に頭のあたりをスコーンとやられたのかもしれません。 率先して破壊行動に出てるあたり、なんとなくそんな感じが。 というかもう暴れまわってる自分を客観的に感じられるような……ねぇ? 中井出「オォオオオオオオ!!!!ザン!ザゴォ!バギャア!ゾシャア!ザガガガガァ!!! 無遠慮にジークフリードを振るってゆく。 一撃で破壊する数は一体や二体の騒ぎではなく、 振るう範囲が敵に届けば確実に一撃で屠っていた。 剣自体に宿る炎と風の属性が敵を焼き、刻んでいっていた。 思えば双剣ガザミの頃から随分と成長したもんだ。 そんなことを、敵を斬り刻みながら、チリチリと火種がちらつく思考で考えていた。 ……なにか妙だ。 この森に来てからずっと誰かに見られてるような感じがしてるのはもとより、 ずっと誰かに呼ばれてる気がする。 そしてそれは、大樹に近づけば近づくほど─── 中井出「荒廃の世の自我、斬り裂けり───二刀流居合い……“羅生門”!!」 ギギィッフィヴォガガガガォオオオンッ!!! 中井出「───、……い、つっ……!!」 やがて、ハタと正気に戻る。 羅生門を放った時点でようやく視界が自分の物に戻ったかのような錯覚を覚え、 ニ三度瞬きをして自分を確認した。 ……なんだ今の。 中井出「………」 見渡してみると、既にフォレストは一体も残っちゃいなかった。 あるのは遠くにある大樹一本だけ。 あれほど鬱陶しく存在していた大木は全て滅び、 ただただ広い闇の草原だけが広がっていた。 ネビロスも居なくなっており、 唯一辿り着けるのは……やはり大樹と、祠の二箇所のみだった。 ───……。 ……。 心に不安を抱えたまま、大樹へと歩いた。 辿り着いたそこには虫も鳥もおらず、ただ鬱葱とした雰囲気だけが纏わりついている。 中井出「……俺を……呼んでたのはお前か?」 大樹 『……いかにも』 中井出「うぉわ喋った!!だ、誰だてめぇ!!あ、俺中井出博光。提督と呼んでくれ」 大樹 『我は……ガイアフォレスティア。     もはやこの世界そのものとなった、意志を持つ大樹なり……』 中井出「ほほう……で、そのアーマーナイトヘロスィーがなんの用だ」 大樹 『……ガイアフォレスティアなり……』 中井出「そ、そうすか。長い名前はどうも苦手で……。それでそのガイアがなんの用だ?     も、もしや俺の中で囁き、熱き魂を……!すまん、続く言葉が思い浮かばん。     やっぱりこの森って人を疲れさせるよ……」 森っていっても、この大樹以外にもう木なんて無いんだが。 大樹 『……礼を……言おう……。     おぬしのお蔭で……呪われた木々たちが……ようやく召された……』 中井出「呪われた木々?     ああ、さっきのやつらのことか……ってやっぱり呪われてたの!?」 大樹 『この場が乖離された時より、     既に時空の歪みから漏れる瘴気によって異常に至っていたのだ……。     もちろん私も例外には及ばず……     当時森に迷い込んでいたネビロスを取り込んでしまった……。     しかし悲しいかな……それが吉となり、私は自我を取り戻し……     然の宝玉を取り込むことで、     こうして何年もの月日の中を正気を保ったままに生き長らえている……』 中井出「宝玉ってあんたが持ってってたのか……」 道理で見つからないわけだ。 でも……じゃあ、この大樹の中に然の宝玉……しかも初代ドリアードの宝玉が……? 大樹 『……頼みがある』 中井出「頼み?」 大樹 『私を破壊しては……くれないだろうか……』 中井出「え……」 どうして?と訊こうとした。 が、相手も相手なりの考えがあっての言葉だ。 今俺に必要なのはイエスかノーか……どっちかなんだろう。 けど俺がそれに対しての答えを出すより先に、大樹は語りだした。 大樹 『もう……疲れた。ただ呪われ、衰えてゆくだけの景色に……。     あの溢れる緑に囲まれていたフォレスティアはもうない……。     訪れた旅人によれば、既にドリアードは死去したらしいではないか……。     継いだ二代目は初代に比べ、随分と劣ると聞く……。     そうなってしまった今では、もはやこの森を再生させることも不可能……。     疲れたのだ…………そう、全てに…………疲れたのだよ……旅人よ……』 中井出「………」 大樹 『今まで……ここに訪れる旅人に呪い退治を依頼した……。     しかし悉くが敗れ、この地に屍を埋める度……呪いは増える一方……。     それでも懸命に戦ってくれた者には自然の加護を与え、     一時だけでも外へ通じる穴を作る能力を齎したが……』 中井出「加護……?もしかしてあの台座、加護で作動するのか?」 大樹 『ああ……小さいものではあるが、穴が開くようになっている……。     外から入るのは容易いだというのに内側から外へ出るには条件が必要なのだ……。     そんな異常な空間に、様々な夢を持った旅人たちが志半ばで力尽きてゆく……     そんな景色をもう何年、何十年、何百年と見てきた……。もう……疲れた……』 中井出「………」 破壊してくれ……か。 そんなことを頼まれる日が来るなんてな……。 力を持つっていうのは、やっぱり嬉しいことばっかりじゃないってことだよな……。 中井出「……解った。でもネビロス元帥はどうなる?」 大樹 『彼女も十分に生きた……。私とともに消えることを拒む気はないようだ……』 中井出「そっ……か。じゃあ最後に……俺に力を送ったのは貴様なのか?」 大樹 『力……?』 中井出(……あら?知らない……?それじゃいったい……) 大樹 『……いや、心当たりがないわけでもない。     そうだな……せめて餞別でも送ろうか……』 大樹がそう語ると、大樹に出来た小さな穴から、妙な指輪がゆっくりと飛んで来た。 そしてそれは俺の手の平に収まると、黒色の宝石を輝かせた。 ……指輪だ。しかも黒い宝石……オニキスかなにかで出来た。 いや、それよりも深い黒……?いや、完全な黒いじゃない。 どちらかというと黒と赤が混じったような…… そう、喩えるなら闇の炎を宝石に仕立て上げたようなもの。 大樹 『狂戦士の指輪だ……。     古の頃、力と戦いを何より求め、力無きものを否定した狂戦士を     古代の技術で指輪に封印したものだ……。     その中には今も狂戦士の自我が眠っているのを感じるが……』 大樹が言うように、受け取った指輪からは嫌な気配がする。 そしてそれは、俺が思う以上になにかしらの激情を以って───“行動”を起こした。 中井出「とっ、わ───!?」 きちんと持っていた筈の指輪が手の平から落ちたのだ。 慌てて拾おうと体を曲げ、手を伸ばしたが─── 中井出「え───?」 それは落下の軌道を変え、俺の指に…………納まった。 中井出「───!待───!」 て、と言っても遅い。 俺の指に嵌まった指輪は以前の指輪がそうだったように指の中に溶け込むと、 どれだけ外そうと試みても、もう指輪の外輪すら見えなくなってしまっていた。 中井出「……冗談だろ……?」 狂戦士が自我を持って俺の内側に潜むなんて冗談じゃないぞ……? もし乗っ取られでもしたら…… さっきみたいに戦っている自分を客観的に見てしまうこともあるってことなのか……? 冗談じゃない……自分の意思で動かない体なんて、既に自分のものじゃないじゃないか。 大樹 『やはり……それが原因か……』 中井出「ど、どうなってるんだよあの指輪!意志があるみたいに動いて……!」 大樹 『戦士とはより破壊力のある戦士に惹かれるもの……。     あれほど居た木々をこの短時間で全て破壊する力を持ったお前に、     狂戦士は惹かれたのだろうな……』 中井出「……で、隙あらば自我を乗っ取ろうと……?」 大樹 『狂戦士が望むことは自我の略奪でも体の乗っ取りでもない……。     “ただ戦うこと”。それのみだ……』 中井出「………」 そんなやつが体の中に潜り込んだ事実に、正直ゾッとした。 なんだってこんなことに……。 大樹 『……さあ、私を破壊してくれ。既にデカいだけの的だ。     狙うのは難しくないだろう……。     面倒だと思うのなら、中の狂戦士に頼むのもいい……』 中井出「う……」 大樹 『頼む……。私は滅びを望んでいる……』 中井出「………」 …………。 中井出「……、解った」 大樹 『……ありがとう、感謝する』 ゲームっていうのは楽しいことばかりじゃない。 そんなこと、ガキでも知ってることだ。 でもガキがやるゲームは“自分はあくまで客観的に命令を下すだけ”で─── 自分がこうして破壊を齎すなんて自体には絶対になりえない。 それでも自分にそれを求められた時、 どれだけ怖く思うのかを……今、俺は知ったんだと思う。 ……俺は臆病な“人間”だ。 人を殺すのは怖いし、やさしい意志を持ったものを破壊するのも正直怖い。 でも……俺がこの世界で決めた覚悟には、 きっとそういったものも混ざっていた筈で……だから…… 自分が決めた覚悟がウソになってしまわないためにも、俺はやらなきゃいけないんだ。 中井出「………」 ジークフリードを両手で掴む。 すると両手持ちのスキルが発動して、より確かな破壊の力が剣に宿る。 しかし─── 中井出「っ!?」 “破壊”をイメージした途端だった。 肘までしか無かった霊章が腕を伝うように広がり、肩までの肌を一気に染め上げたのだ。 そしてその霊章が、あの狂戦士の指輪と同じ色…… 闇の炎を彷彿させる色で鈍く光り出したのだ。 思わず悲鳴をあげそうになった。 けどそんなものはあげない。 歯を喰いしばって、自我を乗っ取られないように務めた。 それが、本当に自我を食らうものなのかも確認してないっていうのにだ。 声  『……、……?』 声が…… 声  『……、……か……?』 頭の中……いや、腕……霊章から、深淵から語りかけるような静かな、けれど重い声が…… 声  『力が……欲しいか……!?』 我を欲せよと。 我は力の象徴なりと。 俺に、語りかけてきた。 中井出「要らん!!」 だから俺は全力で応えてやった。 というか、こういう状況でこう言ったらどうなるかを考えてみたら面白そうだったから、 実際にやってみた。 すると……実力行使に出やがった。 中井出「くぁがっ!?いっ……がぁあああっ!!」 霊章から闇の炎が吹き出る。 腕を焼かれているわけじゃない……ただ頭が酷く痛む。 抵抗はしているが───だがそんなものは長くは続かなかったのだ。 相手は内側に居て、しかも俺の力の源たる霊章に潜みやがったのだから……。 中井出「───……」 ゴォッ───ジャギィインッ!!! そうして意識が外に飛ぶ。 俺は再び自分の体なのに自分の体じゃない場所から世界を見ていて、 勝手に動く体を違和感を覚えたままに振るわれていた。 視覚も感覚も、全て奪われた。 けど見ている景色は同じらしい……嬉しいのか嬉しくないのか。 でも……静かな恐怖が、俺の中には存在していた。 そんな不安の中で……“俺であって俺でないもの”が、ゆっくりと動き出したのだった。  バガァンッ!! 疾駆。 どういう飲み込みの速さなのか、俺の中から俺の情報を読み取ったらしいソイツは、 ステータス移動まで器用にこなして移動を開始した。 破壊対象は目の前の闇の大樹のみ。 霊章から吹き出る闇の炎を腕に纏う状態のまま、姿勢を低くして疾駆。 自分の大きさの何十倍はあろうかという大樹の幹まで走り、 辿り着くや剣にまで闇の炎で包み、それを風の力でさらに炎上させ───一閃させた。  ヂガァッフィィンッ!!  バガガガガォオオンッ!!! その一閃は、巨大な大樹の裏側まで貫通するほどの破壊を齎した。 剣閃なんて使ってない……ただの斬撃で、巨大建築物の倍以上はあろうかという大樹を。 さらに闇の炎は斬り口を爆砕させ、炎上させてなお爆発を続けさせる。 だが狂戦士は止まらない。 次から次へと狂ったように剣を振るい、塵さえ残すつもりもないのだと唱えるが如く、 獣のような咆哮を俺の喉から搾り出し、剣を振るってゆくのだ。 己の身よりも巨大な剣を軽々と振るい、 その剣よりもさらに巨大な樹をまるで菓子でも砕くかのように斬り刻み、滅してゆく。 攻撃の度に腕の火闇(かえん)が燃え上がり、 さらに自分を包んでいる火円(かえん)さえもが闇色に染まり、大樹を焼き、爆砕してゆく。 既に大樹全体を包んだ闇の炎はまるでよく出来た楽器のように爆発音を高鳴らせ、 狂いし者はその炎と爆発の中でも飽きることなくジークフリードを振るっていた。 ───体は焼けない。 焼け、爆発を起こすのは敵のみであり、己はそれに含まれず、 炎の中で呼吸に苦しむことなく破壊を繰り返していた。 飛び散る木片が火闇に焼かれ、砕く度に確実に痩せてゆく大樹。 灰になることさえ許さず、灰さえ焼き尽くす炎は地獄の炎にも似た無情の炎にも見えた。 やがて……狂いし者は通常の斬撃をやめると、ふとジークフリードに元素の力を注入した。 すると発動する冥空斬翔剣。 その、長剣状態で四閃化を実行させる能力を以って、彼は高く高く跳躍した。 そして……一定の高さまで飛ぶとギシリと笑い、剣を回転させたのだ。 そう───アレをするために。  ガオォオンッ!!! 大気を震わせたそれは風の力。 物凄い速度で大樹に向けての鋭い落下をする狂いし者と、 剣の回転を止め、ぐりんと反動を付けて両手持ちをする彼の手。 やがて流星のように一直線の闇の光となったソレは、 大樹に衝突するか否かの刹那、剣を振るっていた。  ギシャゴババグシャォオオオオンッ!!! 四閃状態での……黄竜剣だ。 大樹は塵も残さず滅焼され、闇の炎とともに虚空へと消え去った。 そう、跡形も無くだ。 狂いし者の力は俺がストレングスマックスで放つ攻撃よりも明らかに強力な力を出し、 さらに考えもしなかった恐ろしい方法であれだけ大きかった大樹を破壊してみせた。 そうして───灼闇色に染まった黄竜の波動が激しく飛び散る中。 狂いし者はザンッ……と大地に降り立つと、 剣にまとわりつく炎をブファァン!と振り払うと、剣と俺を守る火闇と火円を消し去った。 中井出「…………?」 それでひとまず満足してくれたのか───意識を俺に戻すと、さっさと沈黙してしまった。 それとともに肩まで染まっていた霊章は再び肘まで戻り、闇の炎も消えてくれた。 ……はぁ、焦った。 一時はどうなることかと……。 と安堵の溜め息を吐くと、ふとコツンと足に当たる何かの感触が。 見下ろしてみるとそこには、然の宝玉が落ちていた。 中井出「おお……」 これがあれば出られる筈。 俺は早速それを広い、いざ祠がある方向へとズキィーーーン!!! 中井出「かぐわぁあーーーーーーっ!!!!」 ……走り出した途端、体に物凄い痛みが……! な、なに……!?なんなのこのガッコのセンセに 無理矢理腕立てと腹筋を続けさせられた時に感じた以上の筋肉の痛みは……! き、筋肉痛……!? いやでも、こんなすぐ出るものか……!? 中井出「《ズキィッ!》ギャアーーーーッ!!」 アッ、ア、アァ───ッ……! わ、解った!これ、狂いし者の無茶な動きの報いだ……! ていうかどうして僕が報いを受けなきゃいけないの!? 理不尽だよこんなの!あ、い、痛っ!痛い!ほんと痛いよこれ! これって本当に筋肉痛の痛みなの!? 中井出「ててて敵対する者が居ないのに痛みが引かない!?なんの冗談なのこれ!」 逃げなければ! この空間から逃げなければ! そう決断するや、根性を出して祠まで走りだした。 ……途中、何度も痛みにコケながら。 ───……。 ……。 そうして辿り着いた祠の台座に宝玉を置くと、 ギキュィイインッ……という音とともに台座が反応を見せる。 まるで宝玉から然の魔力を吸い出しているかのように。 大丈夫だろうか、壊れたりしないだろうかと少し心配になりながらも見守っていると、 祠の外で妙な音が鳴り始めた。 中井出「ぬう!?」 宝玉を手に取って慌てて外に出ると、祠のすぐ外に空間の歪みのようなものが……! ここに入れば外に出られるに違いない! 中井出「と言いたいところだが」 だが待て博光よ。 このまま外に出てもいいのか? 確かに体は軋んでいるが、もっとやることがある筈だろう? 中井出「ふっ……ふ、ふふふふふふ……」 そんな思考に今度こそ笑った。 いやぁ……俺ってほんと馬鹿な……。 そうやって心の中で自分を嘲笑うと、歪みに飛び込まずに走り出したのだった。 ……取り逃した宝が無いかを探すために。 中井出「はっ……ハハッ……ウハハハハハ!!バーーーハハハハハ!!!」 どんな危機的状況でも無茶が出来る! それがFF6クオリティ! まるで秒単位で迫る崩壊の時の中でシャドウを待ち続ける人々が如き心持ち! うわぁああん体痛いよぅ!! 笑わば笑えこんちくしょう! それでも俺は志半ばで死んでいった者の遺留品ぐらいは回収してやりたいんだ! 悪いかこの野郎!! …………。 そうして走り回ってると、案外遺留品は存在していた。 それを拾ってバックパックに詰め込めるだけ詰め込むと、 次は自分の脱出を優先させるために走る。 走るたびに足に自分の体重がかかり、ミシミシと筋肉が軋むけど、 歯を食い縛ってそれを耐えた。 けどそんなものは長続きはしない。 激しい痛みに耐えられずに、ちょっと走っては歩きを繰り返していた。 中井出「くそ……なんなんだよこれ……」 それにしても気にかかるのが、祠を出た時から俺を追うようについてくる時空の歪み。 まるでさっさとここに入れとばかりに追ってくるそれは、 祠を出てすぐに見つけた時は出口に見えたものだが─── 今となっては俺を食い殺そうとしつこく食い下がるブラックホールにしか見えなかった。 これはなにか違う……そう思えたのだ。 考えてみればこの世界はとっくの昔に歪んでいて、 来る者は拒まないけど出てゆこうとする者は全力で食おうとする魔の森だ。 それなのに宝玉を置いた途端に目の前に出口が現れるか……? ……いいや、やっぱり違う。 よしんばこれに飛び込んで外に出られたとしても、魂を食われてしまいそうな気さえする。 それこそネビロス元帥が言っていたように、 外に出ることが出来ても狭間で生気を吸い取られ、長生きが出来ないに違いない。 ネビロス元帥がどうして外に出た者の末を知っていたのかなんて知らないし、 知っても仕方の無いことだと思う。 大樹に取り込まれて以来、きっとあいつはこの世界と同化していたんだろうから。 多分、それが答えでいいんだ。 中井出「───、歪み見ぃいーーーーっけ!!」 しんみりした気持ちから一転、俺はようやくホーミング歪み以外に歪みを発見した! ───途端、ホーミング歪みが襲い掛かってきた!! 中井出「な、なんて素直な歪みなんだこいつ!」 逃げられると判断するや否や、いきなり襲い掛かってきやがった!! 中井出「ふふふ、だがよ……貴様には一生、俺に追いつくことは出来ん!……多分」 だが自信があるのよ! まずマグニファイを発動! そしてAGIに全てを注ぎ込むと、僕の足はチーターさえ凌駕する速度を─── いや、べつにマグニファイしなくても それくらいの速度を出せるくらいにまで成長したんだけどさ。 中井出「貴様がパワーなら俺はスピードだ!一生かかっても追いつけんぞ!!」 そう言った途端にピッコロさんを思い出した俺なわけだが─── 嬉しいことに、歪みはフリーザ様のように “これはこれは……おひさしぶりですね”と言って回り込むようなことはしなかった。 この世界、時々僕にやさしくないからさ……。 ともかく俺はそうやって遠くにある歪みに飛び込んで─── なんの障害もなしに、ようやく外の空気を吸えたのだった。  ガゴォンッ!! ナギー『ふぎゅうっ!?』 何故かその先に居たナギーに頭突きしつつ。 中井出「あ、あれっ!?ナギー!?貴様ァ……何故ここに!って、穂岸も?」 ようやく吸えたシャバの空気……美味! いやそれよりも、どうしてか今まさに ガイアフォレスティアに侵入しようとしていたらしい二人を俺は見た。 穂岸はパンパンのバックパックを見て溜め息を吐いてるし、 ナギーはなにやらピクピクと痙攣中。 その横には……おやロドリゲス! 中井出「えぇと……あのー……状況が読めないのですが……?……っと、おおナギー。     もう立って大丈夫なの……か……?あ、あれ?なんで僕を涙目で睨んでるのかな。     いや、今の事故、事故だよ?べつに好きで頭突きしたわけじゃないし、     この森の中で妙な物体に終われて宝慌てててさ……───ウソじゃないよ!     どうしてみんな僕の説明聞くと真っ先にウソだとか言うの!ウソじゃないよ!!     大変だったんだよ!妙な力が体に流れ込むわ大木が邪魔だわで!     ちょ、やめてよ!握り拳を震わせないでよ!なんでそんなに力んでるの!?     平和を愛してるがキミの信念なのにこんな時ばっかり解き放っちゃだめだよ!     僕が頼んでもモンスターを攻撃してくれた試しもないのに僕の時だけなんて!     ほ、穂岸も黙ってないでなにか───え?請求書?なにこの金額!!     だ、だめだよ!こんなの払えないよ!     僕武器のために一生懸命お金溜めてたんだよ!?     この中でも筋肉痛と戦いながら死ぬ思いでいろいろ拾ってきたんだよ!?     確かにこの一週間、節約のためにろくなの食べてなかったけど───えぇ!?     そのバックパックの中全部食料なの!?え、あ、ちょ……話逸らすなって!?     別に逸らしてないよ!だから頭突きは事故だって言ってるでしょナギー!     な、なにその膨大に蓄積された魔力!シャレになってないよ!     やめっ……ほんとやめヴァーーーーーーーーッ!!!」 その日僕は……散々な苦労の末に、 尋常ならざる力の波動をその身に受け、この高く蒼い大空を飛びました。 けどれも僕はそんな状況の中で、やっぱり空は蒼い方がいいなぁと思ったのでした。 Next Menu back