───体験版/やってみよう!ヒロライン!───
【ケース38:弦月彰利/初心者修練場】 彰利 「オ───?」 景色が輝いたと思ったらいつの間にか草原に立っとった。 やぁ、なんでしょうなこりゃ。 などと思いつつ辺りを見渡してみると─── 俺の他に中井出、丘野くん、真穂さん、悠介が居た。 丘野 「おお……ここが博光の野望オンラインでござるか!!」 中井出「なぁ……ただの『創造空間』ってことにしないか?」 丘野 「嫌でござる!」 中井出「て、てめぇええ……!!」 見た目は普通の草原……つーかすぐ近くに妙な建物がある。 建物っつーか城みたいな場所だけど。 彰利 「なぁ悠介?あの建物ってなに?」 悠介 「ん……要望の中にあった“初心者修練場”だが」 彰利 「なんと!?」 なんとまあ……しっかりと作ってくれるとは。 こりゃあ試してみるしかありませんよ? 彰利 「悠介!行こう!悠介!!先行こう!ね!?はい!ね!?」 悠介 「解った、解ったから慌てるな……。     今のところこの初心者修練場しか創ってないから、お前らは体験してきてくれ。     俺はこれからいろんな場所の創造をしていくから」 彰利 「あ、あらそうなん?一緒に回りたかったんだが」 悠介 「あのなぁ……ゲームマスターはゲームを監視するために居るんだろうが。     一緒に旅することは無理だ。諦めろ」 彰利 「グ、グムゥ……あ、じゃあスッピーにゲームマスターやってもらうとか!」 悠介 「問答はいいからとっとと行け。他のやつら、もう橋渡って城に入っていったぞ」 彰利 「なんと!?」 ぐるぅりと振り向いてみれば、既に誰も居ない草原。 野郎……このオイラを無視して先に行くとは……!! 彰利 「グワバババ許せ〜〜〜ん!!!!あ、じゃあ楽しんでくるッス!!」 悠介 「ああ、頑張れよ〜」 悠介に手を軽く振るわれながら駆け出した。 その途中、橋を渡ったんですけどね? そっから見える景色とか海の様子がまるっきり本物なのね。 いや……やっぱ悠介すげぇよ、よくここまで再現できるもんだ。 こりゃあ中が楽しみじゃわい!! ───……。 ……。 ドバァン!! 彰利 「たのもぉーーーーーーーっ!!!!」 巨大な扉を開け、いざ初心者修練場へ!! したっけ……いやぁ広い広い!!初心者のために設けられた場所とは思えんほどの広さだ! 中井出「お、来た来た」 丘野 「遅いでござるよ弦月殿」 真穂 「ほら弦月くん、早く早く」 彰利 「むっ!?」 その先の方……ひとりのナイトさんの前で、皆様が僕を待っておりました。 おお、人の温かさがここにあります。 彰利 「お待たせしてすまんす。で、このおっちゃんがどしたの?」 中井出「うむ。このおっちゃんがいろいろ説明してくれるそうだから、     とりあえずじっくり聞こうってことでな」 真穂 「それなら弦月くんが来てからのほうがいいかなってことになったの」 彰利 「ムウ、なるほど」 丘野 「おや?ところで晦殿は如何された?」 丘野くんがふと、この場に居ない悠介のことを疑問として口に出した。 入り口のほうをキョロリと見るも、やはりそこに悠介はオルランドゥ。 彰利 「ああ、悠介ならゲームマスターとしての仕事があるから〜とかで、     ここには来ませんよ?」 丘野 「そうなんでござるか。いやはやなんともかんとも」 少し残念そうにする丘野くん。 まあその気持ちは俺も解るし。 中井出「じゃ、話し掛けるぞ?」 真穂 「話し掛けないと物事が始まらないのはゲームって感じだよね」 丘野 「いくら走っても疲れないところもステキでござるよ」 彰利 「そうなん?」 真穂 「ほら、やっぱり移動手段って歩くか走るかなわけだからさ。     そうなると疲れるって概念が邪魔でしょ?晦くん、それを撤去してくれたみたい」 彰利 「ほへー、考えとるのぅ」 でもなんでしょうね?こういうのってとってもワクワクします。 まだ見ぬ世界がこの先に待っているのです。 やっぱやったことのないものって少なからずワクワクするよね?怖いってのもあるけどさ。 中井出「っと、なぁ。新発見新発見!こっち見てみろ!」 丘野 「む?どうしたでござるか提督殿」 中井出「たった今わかった。     このゲーム、『こいつと会話する』って意思を持つと会話が自動発生する」 彰利 「あれ?そうなん?」 真穂 「まあ……話し掛けない限り行動しない人に『おーい』とか言うのってヘンだし」 丘野 「現実ではそれが普通なのでござるが、どうしてでござろうな。     こういう世界に来るとそれが普通に感じられないでござる」 ああ、その感性はなんとなく解るかも。 などと思っている間にも、ナイトさんが説明をしてくれる。 ナイト「ようこそ、博光の野望オンラインの世界へ」 中井出「とりあえず殴っていいか?」 真穂 「なんていうか提督さんがここに居るのに、     『博光の野望オンラインへようこそ』って言われるとヘンな感じ……」 彰利 「俺もそう思ってたところ……」 丘野 「まるでラスボスと一緒に冒険をしているような感覚でござる。     新鮮ではあるのでござるが、     普通の冒険者としての感覚も味わいたかったでござる」 中井出「俺の所為か!?俺の所為なのかよ!!」 真穂 「あ、あはは……あぁほらっ、ナイトさん一生懸命説明してくれてるからさ、     ちゃんと聞いてあげようよ、ね?」 彰利 「………」 なんつーか悠介が真穂さんをメンバーの中に入れた理由が解った気がする。 俺と提督と丘野くんだけじゃあ絶対に騒ぐだけで、止める人が居ないからだ。 そういう意味じゃあ、この体験版では真穂さんは苦労人になるということで…… えーと……南〜無〜。 南無 『呼んだほね?』 彰利 「呼んでねぇっつの!!つーかなんで出てきてんのキミ!!」 南無 『む、失礼なヤツほねね。そこんとこは今このナイトさんが説明してくれてるほね』 彰利 「なんと!?」 考えごとや騒ぎばかりでシカトしてたナイトさんに向き直る。 すると─── ナイト「この世界はゲームマスター、晦悠介の力で創造された『精神空間』です。     つまり精神と精神を繋げる巨大空間であり、     その巨大空間に皆さんの精神を繋げることでこのゲームは成り立っています。     当然皆さんの精神もひとりひとりと繋がっていますので、     発言設定を変えれば何処でも、誰とでも会話することが可能です。     それゆえに『オンライン』という名前がつけられています」 彰利 「えーと……南無さん?これの何処が理由になると?」 南無 『馬鹿ほねねぇ……精神空間ってんなら、     貴様と一体化してるこの南無も自由に出入り出来るってことほねよ』 彰利 「む……なるほど」 しかしかつて自分だった者に馬鹿とか言われると、情けなくなるもんだなぁ。 だってそれって自分を馬鹿って言ってるようなもんだし。 ナイト「次の説明に入る前に、まずはこれをどうぞ」 彰利 「ウ、ウィ?」 ナイトさんから妙な首飾りを貰った!! ナイト「それを首に下げて、“ステイト”と言ってください」 中井出「あー……ステイト?」 提督がまず首に下げて、ステイトと言った。 するとその首飾りの宝石が光り、目の前の空中にステータス画面が開かれた。 中井出「おお……!なんか素直に感動……!やっぱこういうゲームっていいなぁ」 ナイト「ステータス画面が開きましたね?では───はっ!」 ペペラペッペペ〜♪ 中井出「?な、なんだ今の音───って、レベルが2に変わった?」 丘野 「おお!こっちも上がったでござるよ!」 ナイト「ステータスが変わったのが解りましたか?     それでは次はステータスとレベルアップボーナスの割り振りの仕方についてです」 真穂 「わくわく……♪」 彰利 「真穂さん、それキリュっちみたい」 真穂 「うぐっ……!い、いいのっ!わくわくしてるのは本当なんだから!」 彰利 「グ、グウムッ……」 怒られてしまった……。 ナイト「ステータス割り振りはステータス画面を開いた状態で、     上げたいステータスいくつ振り分けるかを強く意識します。     一度やってみてください。最初のボーナスは5程度ですが」 彰利 「ふむん?」 しからば…… ナイト「なお、[STR]はSTRRENGTH(ストレングス)
、即ち“腕力”を示し、     [VIT]はVITALITY(バイタリティ)、即ち“体力”を。     [DEX]はDEXTERITY(デクスタリティ)、即ち“器用さ”を。     [AGI]はAGILITY(アジリティ)、即ち“機敏さ”を。     [MND]はMIND(マインド)、即ち“精神”を。     [INT]はINTELLIGENCE(インテリジェンス)、即ち“知性”を。     [CHR]はCHRRISMA(カリスマ)、即ち“魅力”を表します」 彰利 「ふむふむ……」 ナイト「STRを上げれば力が上がり、物理攻撃力などにボーナスが入り、     VITを上げれば最大HPと防御力が上がり、     DEXを上げればクリティカルヒットの確率が上がります。     AGIを上げれば身体速度が上がり、     MNDを上げれば回復魔法や補助系の魔法の効果が高まり、     INTを上げれば攻撃魔法や弱体系の魔法の効果が高まります。     CHRを上げると魔物を仲間にしやすくなります」 四人 『魔物を仲間に!?』 僕らは同じ部分で大変驚きました。 ナイト「DEXの説明についてですが、     通常、ゲームなどではDEXは命中率として判断されます。     しかしこの博光の野望オンラインは皆様の命中精度は皆様次第です。     故にクリティカル率や、武器自身の力を引き出すための能力となっています」 彰利 「いやそんなんいいからCHRの説明もっとしろ!!聞いてんのかてめぇ!!」 ナイト「次にMNDとINTの説明ですが───」 中井出「そんなことはどうでもいいんじゃあっ!!!     CHR!CHRの説明しろ!どうやって魔物を仲間にするんだコラ!!」 ナイト「魔法には様々な種類のものがあり───」 丘野 「それ以前にきちんと目を合わせて話すでござる!!     貴殿はレベルEのハマジリの町の案内係りでござるか!?」 ナイト「次にCHRの説明ですが」 真穂 「静粛に!!」 三人 『応ッ!!』 騒ぎは刹那に消えました。 ナイト「魔物を仲間にするには少なくともCHRを20以上上げなければなりません。     もちろんCHRは装備などで上げることも出来ますが、     基本として20まで上げておくのも悪くはないでしょう」 彰利 「う、うむ!それで!?」 ナイト「続いて魔物を仲間にする方法ですが、これは単純です。     魔物と戦って、その魔物を倒すこと。     その際、高威力で相手を消滅させるような攻撃は厳禁。     トドメとなるほどの威力の攻撃も厳禁です。     その他に魔物の好物を使い、     餌付けする方法や友情を築いて仲間にする方法などがあります。     立ち回り次第では交渉などで仲間に出来る魔物も居ますが、     前提として人語を解す魔物以外には通用しませんので気をつけてください」 丘野 「おお……当然でござるな」 ナイト「なお、魔物にも空腹システムというものがあるので気をつけましょう。     空腹のまま旅を続けさせたり、     HPが少ないのに無理矢理戦わせると評価が下がります」 真穂 「評価?」 はて。評価とな? ナイト「ということで次は評価の説明にいきましょう。     評価とはこの世界におけるあなたの評判のことです。     町の中でイベントをこなしたり、     頼まれたことをきちんと成功させると僅かずつですが上がっていくものです。     これが高いと町の人たちに無償でアイテムを貰えることがあったり、     武器防具、道具や魔法屋などの価格も負けてもらえたりとお得です」 中井出「おお、それはなかなか画期的なシステム」 ナイト「しかし逆にそれが低いと、     町を歩いている最中に石を投げつけられたりしてダメージを受けたり、     店の価格が高くなったり、     宿屋においては泊めてもらえないなどという事態もあります」 中井出「………」 丘野 「………」 真穂 「………」 彰利 「あの……なんでみんな、     『真っ先にそうなるのはこいつだろうな』って顔で僕を見るの?」 ナイト「しかしそうなった時にはヤケクソになれるシステムもあります。     評価が低い時のみのシーフのジョブスキル、     『食い逃げ』や『泥棒』、『ピックポケット』などが例です」 中井出「………」 丘野 「………」 真穂 「………」 彰利 「いや……だからさ……。なにその『あぁ……絶対やるだろうな』って顔……」 ナイト「もちろん『食い逃げ』があるということは、     プレイヤー自身にも『空腹システム』があるということです。     これは普通に空腹を満たすものではなく、     精神を休ませるための補強剤とでも思ってください。     さすがに長時間精神だけをむき出しにしたままで動くのは辛いですからね」 丘野 「む……?ではそのまま放置していたらどうなるのでござろうか?」 ナイト「空腹が最高値に達したのち、      30分以内に食事を取らなかった場合は餓死ということで、     セーブした場所まで戻されます。食事は常に持ち歩くのがよいでしょう」 中井出「……なるほど。これは覚えておこう」 ナイト「もちろん料理スキルとサバイバルスキルがある方ならば、     旅の途中で料理を作ることも可能です。     森などで果実を食べても空腹は満たされます。     ただし果実のある場所には魔物も多く生息するので気を付けましょう」 真穂 「うわー……そこのところはしっかりしてるんだぁ……」 彰利 「悠介だし」 ナイト「それでは基本的なことはこれくらいにして、早速闘いの場へいきましょうか。     それともまだ訊きたいことがありますか?     質問、行動などといった問いを出された時は、     『はい、いいえ』などの『肯定、否定』の意の篭った言葉で返答してください」 彰利 「む。えーと……訊きたいことがあるか?って質問だから……NO!!」 ナイト「了解しました。それでは装備を渡しましょう」 彰利 「おお!英語でも通じた!エングリッシュエングリッシュ!!」 中井出「晦ならこれくらいやってくれるだろ。それよりこれ……」 ナイトさんが全員分の装備をくれました。 それは初心者用装備一式。 刃渡り90センチほどの鉄製の長剣が四つに、 皮の帽子と皮の盾と皮の鎧と皮の手袋と皮のズボンに皮の具足が四つずつ。 なんでどれもこれも皮なんだか……。 ナイト「最後にひとつおまけ的なことをお知らせします。     強い武器を手に入れたからといって、以前の武器防具などは捨てたりしないこと。     武器防具合成システムというものがあり、     たとえば皮の盾を鉄の盾などに合成すると、     空腹になりにくくなる鉄の盾が完成します」 中井出「おお……風来のシレンみたいなもんか」 ナイト「武器防具には様々な効果が付加されたものがあります。     頑張って最強のオリジナル武器防具を創りましょう。     合成した際に名前の変更は自由に出来るので、愛着も上がりますよ」 丘野 「最強にした武器に『忍刀ナガネギ』と付けるのも自由ということでござるな」 真穂 「それ、いい名前なのかな」 ナイト「刀鍛冶のスキルもあれば、それこそカタチも自由に変更可能です。     ───さて、堅苦しい説明はこのくらいにして戦いの場へと向かいましょう。     渡したアイテムの装備は済みましたか?」 四人 『おうさーーーーっ!!!!』 ナイト「それでは博光の野望オンラインの始まりです。あなた方の健闘を祈ります」 中井出「俺の第一の敵は貴様だぁああーーーーーっ!!!!」 彰利 「なにぃ!?」 なんと提督が『博光の野望オンライン』の名前に反応し、ナイトに襲い掛かった!! ドゴシャッ!! ナイト「うぶっ!?」 中井出「おっ───おお!攻撃当たるぞこれ!!」 丘野 「おお!それは画期的なシステムでござ───あ」 彰利 「あー……」 真穂 「えっと……」 ふと気づけば、僕らは初心者修練場の係りの皆様に囲まれてました。 彰利 「……あのさ。もしかしなくてもこれって……」 ナイト「なめたらかんでぇ!!」 四人 『やっぱりぃいいーーーーーーーっ!!!!』 どうやらきちんと村人バトルシステムも搭載してくれたようでした。 しっかりと音楽も初心者修練場の音楽から、 “初代熱血硬派くにおくん”のバトルテーマに変わってる。 しかも俺達はしっかりと提督の仲間と認識されているらしく、 刹那に敵として認識されて───……ボコボコにブチノメされました。 ───……。 ……。 神父 「おお旅人たちよ!死んでしまうとは情けない!!」 四人 『………』 で、気が付けば妙な神父のおっさんの前に立っていた。 どうやら初心者修練場で死ぬと、強制的にここに飛ばされるようだ。 彰利 「これは教訓ですな……。村人には絶対に手を出さんほうがいい……」 中井出「さすがにナイトとかに囲まれたら生きて出られないしなぁ……」 真穂 「それはそうだよ……。ナイトって剣士のクラスチェンジ後の姿なんでしょ?     普通に考えて、まだ本職になってないわたしたちで勝てるわけないよ……」 丘野 「ふむ?ではこの神父とかなどはどうなんでござるか?」 などと言いつつペシペシと神父のデコを叩く丘野くん。 すると─── 神父 「なめたらかんでぇ!!」 丘野 「え───」 三人 『馬鹿あぁあああーーーーーーーーっ!!!!』 神父さまが突如として叫び、襲い掛かってきた!! しかも聖職者とは思えんスピードで動き、拳を繰り出してくる始末……!! 全力で走ったところで『規定のステータス』ってもんがあるらしく、 俺と提督とかとの走る速度は同じでして…… あっさりと神父さまに追いつかれた僕らは再びボコボコにされました……。 ───……。 ……。 神父 「おお旅人たちよ!死んでしまうとは情けない!!」 三人 『うるせぇよ!!』 そして僕らは、目覚めた途端に僕らを殺した相手に情け無いと言われました。 中井出「いいか丘野二等兵!!軽く叩くのもダメ!!始めたばっかで二回も死んで、     しかもその二回とも魔物以外にやられたなんてただの笑い話だろ!!」 丘野 「楽しいならそれでよしでござるよ!!」 真穂 「神父さまに殺されて神父さまに説教されてちゃ世話がないよぅ……」 まったくでした。 彰利 「ちなみに『神父』ってのはアコライトの上々級職らしいよ?     ステータス画面に『ジョブチェンジシステム』ってのがあったから見てみた」 中井出「勝てるかっ!!」 彰利 「勝つつもりだったん?」 中井出「普通に考えて無理だろそれ……」 丘野 「それは違うでござる提督殿!     考えてみれば拙者たちは『戦おう』という気すら起こさなかったでござる!!     ここは初心者修練場……!まずはそんな心こそを持つことが大事なのでは!?」 中井出「え……いや、そうかもしれないけどさ」 丘野 「というわけで……トハッ!!」 ヒュッ───ドゴス!! 神父 「おごっ!!」 丘野くんがそのへんにあった燭台を神父に投げつけた!! 三人 『って!なにやってんのぉおーーーーっ!!!!』 丘野 「挑戦状でござる!!さあみんな!     みんなで力を合わせて神父をやっつけるでござる!!」 中井出「これってそういうゲームなのか!?って来たぁあああーーーっ!!!!」 神父 「なめたらかんでぇ!!」 真穂 「わ、わたしっ、一抜けたっ!!」 ザカザカザカ!! 真穂さんは逃げ出した!!───しかし逃げられない!! 真穂    「あれぇっ!!?な、なんか見えない膜みたいなのが───!!」 丘野    「こっ……これは……あの伝説の状況でござるか……?」 彰利    「し、知っているのか丘野くん……」 丘野    「弦月殿もゲーム好きならば知っているでござろう……!        ボスからは逃げられないという法則を……!!」 彰利&中井出『この神父何者だよ!!』 そのあとはヒドイもんでした。 ヤケクソで闘いはしたものの、一度も攻撃が当たることなくボコボコ……。 特殊な結界を張っていたらしく、逃げられなかったのはどうやらその所為らしかった。 ───……。 ……。 神父 「おお旅人たちよ!死んでしまうとは情けない!!」 四人 『やかましい!!』 今度は真穂さんも叫んだ。 さすがに怒ったらしい。 真穂 「もういいよ……普通に魔物と戦お……?そもそもどうしてわたしたち、     ファンタジー世界で神父さまにボコボコにされてるの……?」 彰利 「いや……まったくで……」 もういい加減夢のあるバトルをしたい。 こんなところで神父と戦ってる場合じゃないのだ。 丘野 「いや!諦めるのはまだ早いでござる!!     考えてみれば『一撃目は必ず当たる』のでござるよ!!     ならばえーと……例えばこのロープなどで縛ってからボコれば!!」 中井出「あ……そうか!その手があった!!さすがに俺もこの神父にはムカッ腹だ!!」 彰利 「よっしゃあそういうことなら俺も乗ろう!!さぁ真穂さんも!!」 真穂 「や、やめといたほうがいいと思うけどなぁ……」 ともあれ、ぼくらはそれぞれロープを構え、合図と同時に神父さまを一斉に縛り上げた!! 神父 「なめたらかんでぇ!!」 すると発動するバトルモード!だがロープは城の支柱に括り付けてある! 神父は動けない!! 中井出「ふははははは!!なにがなめたらかんでぇだこのクソ神父が!!」 丘野 「聖職者が少し触ったくらいで相手を殺すとはなにごとでござる!」 彰利 「貴様こそが懺悔しろこのカス!!カスが!カスめ!カスめ!!!」 あとはもうボコボコです。 身動き取れない相手を三人でボコり、 しかし1ずつしかダメージを与えられないことに驚愕した。 彰利 「このっ……しぶてぇなこの!!」 中井出「拳で殴ってもビクともしねぇ!」 丘野 「さすがに剣で攻撃するわけにはいかんでござるからな……!」 などと言いつつ、大体総合で百回くらい殴った頃だっただろうか。 ふと何かの気配に気づいて振り向くと─── 真穂 「あ、あわ───」 彰利 「へ?あ、あぅわぁあああーーーーーーーーーっ!!!!」 中井出「なんだ?どした───キャーーッ!!?」 遠くから神父の大群が空を飛んでくるではないか!! そこで思い返されたのが『ゼルダの伝説-神々のトライフォース-』のニワトリ……!! 確かニワトリを叩きまくってると、ニワトリの大群が飛んでくるというあのシステム!! 丘野 「つ、晦殿ぉっ!!なんというシステムをギャアアーーーッ!!!」 彰利 「ああっ!丘野くんが!!」 丘野くんが無表情で飛んできた神父に頭突きをされて吹き飛んだ。 その神父は無表情のままにそのまま飛んでゆき、城の景色の果てに消えた。 どうやら弾丸のように飛んでくるだけで、意思は無いらしい。 ただしきりに『天誅天誅』言ってることもあり、どうにもボゴシャア!! 彰利 「うぶぇえっ!!」 ダメ!無理!よけることもままならん!! 数が多すぎるんだよこれ!! 屈んだところで低空飛行で飛んできやがゴコォッ!! 彰利 「ぶべっぷ!!」 考え事をしている暇も無し。 そうこうしてるうちに神父さまは腕力にものを言わせてロープを千切り、 物凄い速さでぼくらに接近すると、ぼくらをボコボコにブチノメしました……。 ───……。 ……。 神父 「おお旅人たちよ!死んでしまうとは情けない!!」 四人 『………』 この時、ぼくらの心はひとつになったんだと思います。 ゲームの中のラスボスがなんであろうが関係ない。 俺達のラスボスはこいつなのだと。 彰利 「力が必要だ……こいつを倒せる力が……」 中井出「精進あるのみか……」 丘野 「だがいつか必ず強くなり、このエセ神父をブチノメすでござる……」 真穂 「エセっていうか、なにもしなければ普通の神父さんなんだけどね……」 なにはともあれ、ぼくらはバトルフィールドに向かうことにしました。 どうにもこうにも強くならんことには始まらんので。 南無 『ほねぇいっ!!』 ザブシャアッ!! 神父 「ギャア!!」 四人 『ってなにしてんのぉおおーーーーーーっ!!!!!』 南無 『拳だけで強敵には勝てねぇほね!!だから鎌で───』 神父 「なめたらかんでぇ!!」 南無 『って効いてねぇほね!!なにこいつほね!?───って誰も居ねぇほね!!』 神父 「オォオオーーーーーーッ!!!!」 南無 『ちょ、ちょっ───待……!!』 ドカバキベキゴキゴシャガシャメシャアア!!!!! 南無 『ほねぇええええええええーーーーーーーーーーっ!!!!!!』 ───……。 ……。 丘野 「とりあえず逃げ出したでござるが、これからどうするでござるか!?」 彰利 「まだ逃げるんだ!あの野郎は絶対に追いかけてくる!!     相手が南無だろうがこの世界に来たなら能力は初期化されてるっしょ!?     どうせ一瞬でブチノメされる!だから走れ!走るンだッッ!!」 真穂 「もうやだぁっ!!なんで神父ばっかりと戦わなきゃならないのーーっ!?」 中井出「とにかく走れ!逃げなきゃ殺されるだけだ!!逃げ───」 ドンッ!! 中井出「とわっ!?な、なにぎゃあああああーーーーーっ!!!!」 神父 「なめたらかんでぇ!!」 彰利 「速ェエエエーーーーーーーッ!!!!」 信じらんねぇ!! この神父いつの間に目の前に!? これ既に神父とかそんな次元の話じゃねぇよ!! 中井出     「ど、どうするんだ彰利!あきと───」 彰利&丘野&真穂『とんずらぁああーーーーっ!!!!』 中井出     「なっ───てめぇらぁあああーーーーーーっ!!!!!」 彰利      「ごめんよ!僕怖かったんだ!!」 ドンッ!! 彰利 「オワッ!?───って」 神父 「なめたらかんでぇ!!」 彰利 「ゲェエエーーーーーーーーッ!!!!」 速ぇえ……!!え……?だ、だってさっき提督の前に……!! なんて思っているうちに神父は襲い掛かってきて─── ドカバキドゴゴシャガンガンガン!!!! 四人 『ギャアアアアアーーーーーッ!!!!』 ……僕らはボコボコにされた。 ───……。 ……。 神父 「おお旅人たちよ!死んでしまうとは情けない!!」 四人 『カァアアーーーーーーッ!!!!!』 マゴシャドゴシャボゴシャメシャア!!!!! 神父 「ブゲボゲオゴゴヘァッ!!?」 もうキレました。 ブチノメされてもいいから全力で殴りたかったので全力で殴りました。 ええ、もちろんその後ボッコボコにされて死にましたが。 Next Menu back