───冒険の書187/混戦乱舞!猫なアイツは魔王さま!───
【ケース496:藍田亮/ほぼ足しか使わない借金執事のごとく】 執事猫『そりゃそりゃそりゃそりゃあぁああーーーーーっ!!』 ブンフォンシェイシェイブシャスカブフォンッ!! 執事猫『当たらねぇえーーーーーーーっ!!!』 ハッキリ言おう!猫の体での体術行使は無謀の極みである!! 馬鹿みてぇに突っ込んでくるヤツには当たってくれるんだが、 バーサクが効かなかったらしい召喚獣たちにはこれがもう避けられる避けられる!! いっそ人間の姿に戻っちうかとか考えたが、それはこの状況に似つかわしくない!! 俺達ゃ亜人族としてこの戦いに参加したのだ! 常識破壊をモットーとする我ら原中だが、 一度こうと決めたらそう簡単には意見を……変えるね、うん。 だがこの戦いだけは絶対に変えん! ようは一瞬にして近づいて避けられる前に蹴ればいいのだ! 執事猫『“クイックチャンネル”!!』 ならばと早速、老婆から購入したクイックチャンネル使用!! すると俺の脳内で何かが蠢き覚醒したような気がした! このアイテム、脳内の波長の一部分を好きな波長に変えることが可能。 ただし、ここを変えたいと最初に思ったところのみ変更可能なもののため、 一度決めてしまうと取り返しがつかない。 たとえば脳内麻薬の波長解放で疲れを知らないパワフル野郎になれるとか、 筋肉へ送る指令のリミッターを解除する波長を流すとか、いろいろ可能のようだ。 俺が解放したいと願ったのはまあ、チャンネルって名前で解るヤツも居るだろうが─── 執事猫『“1”!!』 烈風脚を用いて、さっきから一定の距離を保ちつつ、 俺をひきつけてやがるムカツく召喚獣へ一気に接近!! サキュファー『ギ!?』 サキュファーと呼ばれる目玉に羽根が生えた気色の悪い召喚獣は、 突如距離を詰めた俺に予想以上お驚愕を示し、十分すぎるくらいに動きを止めてくれた。 理想的な展開をありがとう!! 執事猫『弾けろ俺の脳内チャンネル!───“パワーポイント”!!     “バズーカチャンネルゥウウーーーーーッ”!!!』 そう!解放したのはこの波長! 普通は有り得んであろうこの波長を解放したいと願うことで、 俺は“ただの蹴り”を“技”に昇華させることに成功した!!  ゴヴァンガガガガドンチュゥウウウンッ!!! サキュファー『クギャァアアオオォォォォ……ォォ…………!!!』 そして一度シュートすると、爆裂しながら敵を巻き込み吹っ飛んでゆくサキュファー!! おお……面白い!なんと面白い!! やっぱシュートと言やぁバズーカチャンネルだろ! 詳しくは“超機動暴発蹴球野郎リベロの武田”をどうぞ! 執事猫『よーしよしよし!これでシュート系の技が増えたぜ〜〜〜っ!!』 思えばアルメドレールパワーシュートくらいしかシュート技が無かった。 シュート技ってのは、蹴った相手をボールに喩えて飛ばす技な? 執事猫『しっかし何人居るんだよ実際……!     黒猫が撃ったビッグバンかめはめ波で大きく削れたのは間違いない筈なのに……』 ひとまず、バズーカチャンネルで大きく穿てた人垣の中の空間を通して、 辺りを見渡してみる───……と、 執事猫『……エ?いやちょっと待てぇええええええっ!!!』 なんと、暴走状態にある人間どもに混ざって、怪しく蠢く存在が居るではないか!! つーかゾンビだ!兵士のゾンビが居る!! 魔術師「ホホホホホホ!!さぁいきなさいコマたち!あなたたちがいくら死のうが、     その躯を使っていくらでも戦わせてあげるわ!わたしは百魔導士!     当然ネクロマンサーの術も知っていてよ!」 声  『外道ですねェィ♪』 声  『うん外道だねェエィ♪』 声  『こんなところで“Sadacoが戦う”の途中の歌を歌ってる場合か!!』 声  『うるせー!!だったら殺したあとちゃんと食え!     見なさい!アタイの周りにゃ兵士ゾンビなぞおりませんよ!?     これもアタイが敵を殺すたびに食ってるからナリ!     ゾンビどもは貴様らの所為だこのクズどもめが!!』 声  『なんだと羅武てめぇ!!』 執事猫『羅武てめぇ!このクズが!!』 声  『だから羅武てめぇ言うなっつーとるで《ザブシャア!》ギャーーーーーッ!!!』 ……やばいにはやばいかも。 そもそも準備不足すぎたのだ。 もうちょっと考えて準備をしときゃあよかったと大後悔時代。 執事猫『提督ーーーッ!!俺、猫の状態じゃ大して役に立てねぇ!どうすりゃいい!?』 提督猫『うむ!藍田二等よ!ならば上に上がってくるのだ!!     貴様に狙撃手の任を授けよう!ファイクミー!』 執事猫『サー!イェッサー!!』 提督猫『忍者猫!貴様はどうする!     砲台はまだ残っているから好きなだけ使って構わんぞ!』 声  『砲台があっても弾が無いのではござらぬかーーっ!?』 提督猫『構わーーーん!!俺が許す!!じゃなくてこの博光がなんとかしよう!     さっきから撃っている弾も、     この博光とナギーとで作り上げている粉塵砲弾である!     消費ゼロ!そして高威力!ナギーに木製の弾を作ってもらい、     その中に粉塵を込めて飛ばすのだ!火種は中に装填済み!     対象に接触後、中で着火するようになっている!』 おお素晴らしい! つーか提督、人間なのにいろんな面白い能力持ちすぎだ。 かなり羨ましいぞオイ。 執事猫『よしみんな!俺上登って大砲撃つわ!もちこたえてくれ!』 声  『い、行けーーーーっ!!お、俺に構わずーーーーっ!!』 声  『所詮貴様の攻撃は当たらなければ意味がない!     敵を倒せないなら邪魔なだけだ〜〜〜っ!!』 執事猫『うっわヒデッ!!ハッキリ言うなよコノヤロー!!』 だが事実なので言い返しもそこそこに大木目掛けて烈風脚を行使。 浮いているソレに爪を立てると、ゾルゾルと登っていった。 その途中、結構よじ登ろうとしていた兵士を見つけたので、 カーテンコールキックで落としながら登った。 執事猫『よっしゃ!提督、大砲の使い方教えてくれ!』 やがて登りきった先に待っていた、砲弾の山にの前に立つ提督に物申す。 提督猫『うむ!よく来た藍田二等よ!やり方は至って簡単だ!     このよく回転する砲台を器用に動かしつつ、ここ……ここだぞ?     ここにこの砲弾を入れて、ここを叩けば飛んでゆく!』 執事猫『……ほんとに簡単だな』 提督猫『うむ!コツなどは撃ちまくって覚えよ!砲弾は腐るほどある!』 執事猫『サンキューサー!!それで提督はこれからどちらへ!?』 提督猫『うむ!せっかくだからジークフリードを思う存分暴れさせてくる!     いいか藍田二等よ!この砲台はここに居る亜人族全てを守る要と捉えよ!     ホギッちゃんの魔法でも、晦の弓でも、     そしてこの砲台でも落とせなかったら攻撃をされてしまう!責任は重大である!』 執事猫『さ、サーイェッサー!!』 提督猫『では任せたぞ!砲弾が無くなったら叫ぶか、tellで報せるように!     ナギー!シード!しっかりやるのだぞ!!』 ナギー『任せるのじゃー!』 シード『必ず父上のご期待に応えます!!』 提督猫『うむよし!ではゴ−!ゴッゴッゴーーーッ!!《ズバァーーーッ!!》』 提督が大地に向けて飛び降りてゆく。 そうしてから砲台の前を陣取るに至り、急に緊張が湧き上がってきた。 責任重大……おお、この俺が亜人族最後の砦となるとは……! ナギー『ではいくのじゃ藍田!』 シード『よく狙え!外したら許さないぞ!』 執事猫『フッ……誰にものを言っているのだ?俺は原中が猛者、藍田亮だぞ?     こういうシューティングめいたものはゲームで散々極めたわ!!     見ているがいい!俺のコントロールを!!───シュートヒム!!』 筒に砲弾を入れ、照準を合わせ、 さらに相手の行動を予測した上で───発射スイッチを殴る! するとドッガァアアアアアンッ!!! 黒猫 『ギャアーーーーーーーーーーッ!!!』 執事猫『GLOOVY(グルービー)!!(よし)ッ!腕はまだまだ鈍っちゃいねぇ!! 一撃で見事に狙い撃ちだ! 黒猫 『なっ……なにしやがるテメェエエエエエエッ!!!』 執事猫『発射練習!』 黒猫 『だったら敵狙いなさい!なんなのキミたちなんで僕のこと狙うの!?』 執事猫『敵を狙ったんだがミスった!すまん!』 黒猫 『グ、グーヴ……!!だったらしゃあねぇけどね……!!     ていうかあのー、さっきグルーヴィーとか言ってなかった?』 執事猫『前だ!敵が来てるぞ!』 黒猫 『ぬおお!?《サクシュッ!》ギャアーーーーーッ!!』 了!なんとか誤魔化せた! なにやらダメージ負ったようだが知ったことじゃあねぇ! 俺にはやらねばならんことがあるんだ! ガーゴイルA『グェエキェキェキェ!!』 執事猫   『うおっと!?考えてる傍からこれだ!        砲弾セットイン!構えェーーー筒!───撃ェエーーーーッ!!』 ドォンッ───ドッゴォオオオオンッ!! ガーゴイルA『ギェエエーーーーーーッ!!!』 筒を動かしながら砲弾を詰め込んで、勘のみを頼りに砲弾を入れてさっさと撃つ! それでも砲弾はガーゴイルの翼を破壊し、ガーゴイルを下方の戦場へと落下させた。 あ、危ねぇ……!集中しないとあっさり襲われるぞこれ……! しかしこの砲台、随分と楽に動かせる。 これならいけるところまでいけるかもしれない。 ナギー『藍田!後ろなのじゃ!後ろ側に召喚獣が集中しておるぞ!』 執事猫『後ろ!?ってまさかここの砲台全部使って全方向から守れってのか!?     ドワーフとかアイルーはなにやってるんだよ!』 シード『下方でバリスタを使って戦っている!     アイルーやドワーフでは瞬時に砲台を動かすことが出来ないんだ!     何故父上一人が大砲を扱っていたのか考えてみろ!』 ナギー『バリスタの弾ならばわしがいくらでも作り出せるからの。     それよりも藍田!敵が来ていると言っておるであろ!     シャキっとするの───じゃっ!』 ゴォどぉっがぁああああんっ!!! サキュファー『クギャーーーーーゥ!!』 執事猫   『うおおぅ!』 俺にキツケ言葉を放っていたナギーが振り向きザマに巨大ハンマーをフルスウィング!! 背後に迫っていた浮遊生物サキュファーを一撃で粉微塵にしてみせた! つーかなんだアレ!破壊力が半端じゃねぇぞ!? シード『まったく情けない……!貴様それでも原ソウルを持つ者なのか!?     ほらそこ!僕らのことはいいから敵に集中しろ!───オーランドストリーム!』 ピシュンゴガァアガガガチュゥウウウンッ!!! ガーゴイルども『ケギャァアアーーーーーッ!!!』 執事猫    『お、おおう……』 突き出された傘の先端から放たれたレーザーが、 ガーゴイルどもを横薙ぎにして滅ぼしてゆく。 こっちの破壊力も満点だ……どーいう鍛え方してんだこりゃ。 ああいやいや集中集中!! ようは浮遊してる敵全てを打ち落としゃいいんだ。 っていっても適当に撃ったところで躱されるだけだ。 敵だって馬鹿じゃない、ちゃんと狙って撃つべきだ。 だったらどの範囲に侵入したら撃つかを決めときゃ結構いけるかもしれないな。 シューティングはそういった判断力が決め手! ナギー『よいか藍田。わしとシードでおぬしに速度上昇の魔法をかけるのじゃ。     この砲台では速度と正確さが命なのじゃ。よく狙い、しかし素早く撃つのじゃぞ』 執事猫『任せておけ!』 覗く景色は既に乱戦劇場だ。 そんな中で、俺は空中から迫る敵を落とさなきゃならない。 気合入れ直さなきゃな───よし!! 執事猫 『けどこの砲弾を全部俺が撃つってのは骨すぎるぞ……』 声   『フフフ……そんな時の生分身の術!拙者が居れば超安心!』 執事猫 『───!そ、その声は……!』 忍者猫A『そう!拙者でござる!』 聞こえた声に振り向けば、なんとそこに居たのは忍者猫! …………なのだが。 忍者猫B『おっと、拙者を忘れてもらっちゃ困るでござるぜ?』 忍者猫C『なにを隠そうこの拙者こそが拙者!』 忍者猫D『拙者も居るでござる!』 忍者猫E『フフフ……おっと、拙者も居るでござるよ?』 なんだかごっちゃり居た。 執事猫  『…………いや……もういいから配置につけてめぇら』 忍者猫ども『ひでぇ!』 だがこれは渡りに船ってやつだ。 俺は提督に教わった砲術を丘野にも手短に教えて、早速配置についてもらった。 その上でナギ助と種坊主に速度上昇魔法をかけてもらい、行動開始! 砲台からあぶれた丘野には砲弾準備の修羅として構えてもらい、 俺達はただひたすらに飛翔する敵を狙うことに専念した。 【ケース497:穂岸遥一郎/強きを挫き弱きを挫き、ついでに足をも挫いてみせろ】 魔術猫『悪しきを滅ぼす飛輝(ひるい)矢雨(やざめ)!“プリズミックミサイル”!!』 キュゥウイイイイイイッ───ズドガガガガガガガガガォオオオンッ!!! ゾンビども『グゥウエェエエゥウウ……!!』 群がる兵士ゾンビどもを光属性の魔法で滅ぼしてゆく。 ゾンビ相手なら光属性攻撃で完全に殲滅出来ることは確認済みだ。 通常攻撃では腕がもげようが足がもげようが、 動ける限りは襲ってくるという厄介なヤツだが、 こうして光属性でトドメを刺せばしっかりと消滅する。 さすがの弦月もゾンビを食う気は無いらしく、 ゾンビどもは普通にミンチにして復活できないようにしていた。 ───んだが。 魔術師「ホホホホホ!それでゾンビ対策をしたつもり!?     駄目よ駄目駄目!そんなんじゃいつまで経っても終わらないわ!」 少しだけ景色が見えるようになったこの戦場において、 無駄によく通る魔術師の声が聞こえた途端だ。  ドゴォンドゴォンドゴォンドゴォンドゴォオオオオンッ!!! 魔術猫『うっ……!?』 光属性以外で潰されたりバラバラにされたゾンビの死骸が掻き集められ、 ところどころで巨大なゾンビとなって復活してゆくのだ。 魔術師「さあ足掻きなさい?足掻いて足掻いて魔力を消費し続け、     カラになったところをコマどもに八つ裂きにされるがいいわ」 ……いやなヤツだ。 せっかく倒しても次から次へと敵を作ってくる。 しかもその躯には召喚獣のものまでが混ざっており、 その強さは既にただのデカいだけのゾンビじゃないとくる。 強化されたものの躯から作られたソレは、 まるで上位に位置する巨人族の戦士のごとき殺気を放っていた。 声  『ギャアもうキリがねィェーーーーーッ!!中井出!?中井出ーーーッ!!     もういいからレイジングロアいったれ!こいつらなんとかしてーーーーっ!!』 声  『断る!そんなことしたら一撃くらっただけで死ぬだろーーがーーーっ!!』 声  『じゃーじょーぶじゃーじょーぶ!     痛くしじゃーからおいさん言うことききゃーせー!!』 声  『お前が殺す気満々でどうするんだよ!』 声  『だってYO!!……ってそうじゃねェの!!     とっととガーサブッコロがせば全て丸く治まるじゃん!!     つーわけでみなさまザコよろしく!オイラガーサコロがしてくる!!』 声  『うむ!そういうことならばこの博光が     ガーサが居る場所までの突破口を開いてみせよう!     聞けェいヒヨッ子ども!これより大技使う!     くれぐれも巻き込まれんよう気をつけろ!』 総員 『サーイェッサー!!』 よく解らんがサーイェッサーと叫び、自分の周りの敵だけに集中しつつ衝撃に備える。 なにをするつもりかは知らないが、巻き込まれて死ぬわけにはいかない。 声  『紅蓮に火炎!蒼碧に元素!束ねて一つの力と為す!“義聖剣”!!     ───真の姿を現せ!業炎の剣ィイイイイイッ!!!!』 キュゥウバボゴォオオッファアアアンッ!!!! 敵勢力『ぐぎゃぁああああーーーーーっ!!!!』 総員 『うおぉおおうあぁああっ!!?』 っ……な、なんだぁっ!? 声が聞こえた方で、物凄い火柱が立った……い、いや!あれは火の渦だ! 火の渦が地面から空に向けて伸びていく! その渦のてっぺんには業火渦巻く剣を手にした中井出が! ───と、そんな景色の中、地上では慌ててこちらへ走ってくる猫の姿が。 黒猫 『うおぉおおおっ!!ちょっと待ったちょっと待った!!───おおホギー!』 黒猫……弦月だった。 その横からは白猫、晦が走ってきている。 魔術猫『ホギーはよせ!って丁度よかった!これどうなってるんだ!?』 白猫 『そんなのこっちが知りたいくらいだ!』 黒猫 『おやホワイティン』 白猫 『ホワイティンはよせ!』 見上げれば、天に昇る火の渦に飲まれ、焼かれながら宙に舞う兵士やゾンビども。 だがそれで終わることはなかったようだ。 渦が消えるとともに落下を開始する人垣の中、 まるで火の鳥をその身に宿すように業火を纏い、 燃え盛る紅蓮の剣を逆手に構えて落下してくる中井出の姿が。 提督猫『その身に焼き付けろォッ!!』 ゾガッバァアォオオオオオンッ!!! ゴバァアッファバンガガガガガガァアアアォオンッ!!! 魔術猫『くぅうぅううっ!!?』 黒猫 『ぐおおものすげぇ風圧だ───つーか熱ッ!熱いよこの風!!』 剣が地面に刺さると同時に業火が大爆発を起こす。 それはさながら、エクスプロードをさらに爆発させたような大爆発だ。 当然一緒に落下してきていた敵さんたちは爆発に飲み込まれ、その大半が死滅した。 ───だがまだ終わらない! 地面に降りた隙を狙ったのだろう、 召喚獣どもが一気に中井出目掛けて飛翔、疾駆し、その姿を滅ぼさんと襲い掛かる! 提督猫『───奥義ィッ!!』 バガゾガァッフィバガガガガォオンッ!! ……が。 烈風脚、だったか?で地面を蹴り弾き、 隙を狙った筈の敵の隙を逆に突くと、高速の突きで前方の敵を殲滅。 提督猫『───“業魔(ごうま)ァッ!!』 バガゾンガガガガガガガォオオオンッ!!! さらに振り向くとともに再び地面を蹴り、戻す斬り降ろしで後方から迫っていた敵を斬滅! 蹴り弾く度、地面がバガバガと砕けるが、 砕けたと思った時にはその姿は敵を斬り滅ぼしていた。 提督猫『───灰燼剣(かいじんけん)”!!』 そして最後だ。 魔術師が仕向けたのだろう、 巨大ゾンビがその姿に似合わず勢いよく中井出を狙い疾駆する中で、 中井出はその場で跳躍して見せると鋭く回転を始めた。 体を丸め、まるで自らをヨーヨーにするかのごとくだ。 それとともに燃え盛る剣の奇跡がともに回転し、夜の景色の中で灼熱の赤を彩った。  ───それがキレイだ、なんて思ったのはその一瞬だった。 シュゴズガガゴバシャシャシャォオオンッ!!!! ゴババババババドッガァアアアアアッ!!!! 魔術猫『……、……───』 黒猫 『う、うお……お……!?』 白猫 『おいおい……!!』 身を回転させ、着地とともに剣を地面に叩きつけた。 中井出がやったのはそれだけだ。 だが、叩きつけられた剣から放たれた地を這う業火は 巨大ゾンビどもを刹那に黒く燃やし尽くし、 それだけでは飽き足らずに爆破させ続け、 それこそ木っ端微塵という言葉が似合うほどに破壊し尽くした。 ……唖然とするしかない。 そこに残ったのは、舞い散る桜吹雪のように夜の景色を彩り続ける火の粉だけなのだ。 黒猫 『……ネェ、白?キミ、アンナヤツニ挑戦スルノ……?     彼、試練ガ終ワッタラアノ倍ノ威力モアル攻撃繰リ出スンダヨ……?』 白猫 『ア……イヤ……チョ、チョット考エナオソウカナ……』 驚愕は当然だ。 あれだけ居た敵が本当に一気にごっそりと消滅したのだ。 弦月は魔術師を狙うという目的さえ忘れ、ただ呆然とするだけだ。 提督猫『さあ黒よ!道は開いた!一気に魔術師のもとへゆけ!』 黒猫 『開きすぎじゃあああ!!     ちょ、ちょちょちょちょっとちびるところだったじゃないかぁーーーっ!!』 提督猫『そんなことは知らーーーん!!いいからさっさと行け羅武てめぇ!!』 黒猫 『ギィイイイイイ憶えてろこの野郎!!     レベル追い越したら真っ先にツブしてやらぁな!!』 魔術猫『……晦、俺達も!』 白猫 『ああ!』 中井出の言葉にそれぞれが疾駆する。 今のでかなり削れたのは確かだが、まだまだ敵は居るのだ。 気を抜き続けることは命取りになる。 黒猫 『つーかキミあんな技持ってたの!?』 提督猫『うむ!ギガボマーとの相性は究極だ!     正直この博光もあそこまで威力が上がっているとは思わなかった!』 黒猫 『え、えーと……僕と戦う時は使わないでね?』 提督猫『───敵はすぐ目の前だ!ゆけ!』 黒猫 『オウヨ!って頷いてぇえええっ!!!』 この場に居た全員が思ったことだろう……“あの武器は強すぎだ”と。 だが、これが武器のために全てを費やさんとする者の武器なのだろう。 あの強さだ、大事に大事に育てられたに違いない。 ……とはいえ、猫の姿であんな大技見せられると、さすがに驚きばかりが沸いてくる。 魔術師「こんな……まさか!!何者なのあの猫!」 黒猫 『何者!?何者とな!!』 白猫 『聞いて驚け見て笑え!!』 黒猫 『この方こそ我ら原中が誇る最強の提督にして!』 白猫 『この全フェルダールを支配せんと目論む存在───!』 総員 『その名も!魔王・中井出博光であるーーーーっ!!』 どどーーーん!! 魔術師「……!?な、なあっ……!?そ、それじゃあその猫があの伝説の……!?」 黒猫 『イエス・エロマニア!』 提督猫『違うよ!なに当然みたいに返事してるの全然違うよ!!』 黒猫 『クォックォックォッ……!魔王エロマニアさんにかかれば、     貴様のような三下魔術師なぞあっと言うまに手篭め状態よ!!     貴様の知らないあげなことそげなことを拷問のようにされ続けるのだ!!』 魔術師「ひっ……!?《ババッ!》」 提督猫『ちょっ……待ってよ!違うって言ってるでしょ!?     なにその自分で自分を庇うポーズ!!     やめてよ!そんなことばっかり真に受けないでよ!     え?そんなこと言って油断させる気……?違うよ!!そんなつもりないよ!!     僕は変態じゃないよ……たとえ変態だとしても変態という名の紳士だよ……え?     変態であることには変わらない?変わるよ変わりまくってるよ!!     真の変態であることよりもただ名前が変態であるほうがいくらもマシだよ!!     ちょ、やめてよ!指差して変態変態言わないでよ!状況解ってるの!?     僕ら今───違うよ!襲おうとしてるとかじゃないよ!どういう状況なのそれ!!     そっちの方がよっぽど解ってないじゃないかぁあっ!ねぇ!?そう思うよね!?』 魔術師「よ、寄らないで!」 提督猫『うわひでぇ!猫をつかまえて“寄らないで”なんて、     貴様それでも《ドゴォオオン!!》ギャアーーーーーッ!!!』 魔術猫『うわっ!?』 突如、中井出が爆発とともに吹き飛んだ! 何事!?と誰もが動揺する中で、ただ一人魔術師だけはニヤリと笑って見せた……! 魔術師「うふふふふ……!本当、喋るのが好きな猫たちだこと。     誘導されたことにも気づかずにベラベラベラベラ……。     お蔭で魔法使いを配置するのがとても楽だったわ」 黒猫 『なんと!?』 魔術猫『魔法使い……?───!』 その言葉を耳に、遠くを見れば───確かに居た! 高台に乗り、こっちへと魔法を放ったらしき黒フードの何者か! ───が、なにもしてないのにドサリと倒れて動かなくなった。 魔術師「あの距離からの連続魔法に耐えられるかしら!?オホホホホホ……ホ?」 黒猫 『可哀相に……背中さえ狙わなけりゃ、まだ生きてられただろうに……』 白猫 『アホだなー、レベルは下がってもヘッジホッグスキルが生きてる提督に対して     背中への攻撃なんて自殺行為にもほどがあるだろ……』 魔術猫『あ、あー……つまり……』 あいつ、死んだ? 魔術師「な、なななななぁああーーーーーっ!!?」 黒猫 『キミさ、もうそろそろ諦めない?もはや貴様らの敗北は目に見えとるよ?』 ……確かに、弦月の言うとおりだ。 既に初期の頃と比べてごっそりと消えた人の数を見れば、 あまりに多勢に無勢なのが丸わかりだ。 ……多勢が向こうで無勢がこっちなのは確かだが、力的な意味で。 ───だが。 魔術師「───お断りね。わたしはわたしさえ無事ならそれでいいのよ。     あとは誰が死のうが知らない」 魔術師は、それこそ魔女という呼称が似合う笑みでそう言ってみせた。 なるほど、これは相当性根ってやつが捻じ曲がっているらしい。 ……と、そんなことをたった今まで思っていたのだが…… 背中の痛みが治まったのかキリッと真面目顔になった中井出が言い出した言葉に、 俺は少し悪の在り方というのを考えさせられることとなる。 その言葉ってのが───これだ。 提督猫『じゃあとりあえず死なない程度にボコボコにしよう』 総員猫『御意』 魔女の黒さも霞む無情さ。 そしてあっさり頷く猛者どもら。 そんな状況を目の当たりにするに至り、 俺は少しどころかかなり、目の前の魔女がちっぽけな存在に見えてきたのであった。 魔術師「なっ!?あ、あなた魔法の直撃を受けた筈じゃ……!」 提督猫『ナギーが全力で癒してくれました!では死ね』 魔術師「くっ……甘くみないでもらいたいわね!《キィイ……!!》」 黒猫 『ぬう!?次元の歪みを感知!てめぇまさか次元干渉まで出来るの!?』 ビジュンッ!───答える必要もないと踏んだのか、自らが危険だと感じたのか。 魔女は弦月に返事を返すこともなく空間転移を実行してみせ、 ここから離れた場所にある岩山の上に降り立った。 すぐさま弦月が追跡に駆けたが、 あっという間に目の前を暴走兵士やゾンビどもに埋め尽くされ、 進もうにも進めない状態に陥った。 力任せに吹き飛ばしたいところだろうが、俺達は猫だ。 姿に比例して武器の大きさまで小さくなってしまった今、 物理攻撃で吹き飛ばせる人数なんて決まっている。 魔術師「そうよ、足止めをなさいわたしの可愛いコマたち。     その隙にわたしがとっておきの召喚獣を呼び起こしてあげる。     せいぜい足掻きなさい?猫《ドゴォオンッ!!》ふぎゃああーーーーーーっ!!」 総員猫『ホワァアーーーーーッ!!?』 偉そうに口上たれてた魔女がいきなり吹っ飛んだ! な、なんだ!?いったいなにが─── 声  『ふはははははは!そんなものこの俺が見逃すと思うかーーーっ!!』 提督猫『ぬう!この声は!』 中井出を筆頭に、俺達は目の前に迫る敵をも無視して構わずに振り返り、見上げた! そこに居たのは煙を吐き出す砲台に立つ一匹の猫だった……!! というか藍田だった。 黒猫 『キャアステキよ藍田くん!その調子で上からどんどん撃っちまえ!』 執事猫『言われるまでもねぇんだが召喚獣が思った以上に邪魔くさくて上手くいかねぇ!     今のはなんとか出来た程度だからあとは頑張ってくれーーーっ!!』 黒猫 『な、なにーーーーーっ!!?』 ギシャーーーーーンッ!! 魔術猫『んっ……!?』 弦月が声高らかに驚愕する中で聞こえた妙な音。 俺達はその音に導かれるように再び向き直ると、 ───そこにはあの爆発をくらってもまだ立っている魔術師の姿が……! 魔術師「は、はぁ……!これほどコケにされたのは初めてよ……!!……けどいいわ。     せっかくの隙をわざわざ見物のために使うほどの愚か者たち、見せてあげる。     これがわたしの召喚獣よ!!」 魔術猫『───!?しまった!』 見れば、爆煙を遮るように展開されている障壁。 恐らくはあれで砲弾を防いだのだろう。 敵ながら注意深いやつだ……狙い撃ちされるのを予測してたってことか……? 白猫 『……なにか来る!ヤバイぞ!』 黒猫 『お、おおお……!ものすげぇ気だ……!オラの……何倍だろ?』 白猫 『知るか!』 虚空が渦巻く。 空は闇夜にも関わらずさらに黒く染まり、 そこに現れた渦からゆっくりと二体のバケモノが姿を現してゆく。 ───いい予感なんて当然する筈もない。 どうする───なんて考えるより攻撃だ! 召喚の最中なら、それを邪魔すれば帰すことが出来るかもしれない! 魔術猫『“着火(イグニス)”!!』 指を弾き鳴らし、種火を作って詠唱を連ねる。 とにかくあの魔女が続けている詠唱を妨害出来ればザブシャアッ!! 魔術猫『ぎっ!?』 兵士 「グァアアアォオオオオッ!!!」 魔術猫『つっ……この!!』 肩を斬られた刹那に種火が消滅した。 集中力を欠いた所為だ。 ……くそ!焦りで頭が上手く働かない! 目の前に居る敵を無視して別の敵を攻撃なんて出来るわけがないのに! 黒猫 『ギャアもう邪魔くせぇーーっ!!どうすんのコレ!!《ガギィンッ!》ぬおっ!?     このままあの召喚獣っての出されたら面倒だよ!?《ゴギィンッ!》ギャア!!     うおおほんと邪魔くせええーーーーーーっ!!!』 白猫 『お前、影伝って《ズバシュゥッ!》いづっ……!このっ!』 ゾンビ『《パガシャアッ!》グェエエゥウ……』 白猫 『はあっ……!───影伝ってあいつの後ろとかに出れないのか!?』 黒猫 『試してみたけど全然ダメ!野郎、腹黒いくせに光のバリア張ってやがる!     やるなら貴様がやりなさいよもう!』 白猫 『解ってるんだが     こう矢継ぎ早に攻撃されたんじゃ纏められるイメージも纏められん!』 黒猫 『何処まで経験不足に陥りゃ気が済むのキミ!     以前のキミならパパーと出来たっしょ!』 白猫 『ドやかましい!!以前の俺がどーたらとか言ってたお前がそれ言うか!?     悟ってる俺が嫌いだったんだろうがお前は!!』 黒猫 『それでも求めてしまうのが人の卑しい心』 総員猫『人じゃねぇだろ羅武てめぇ!!』 黒猫 『だとしても羅武関係ねぇでしょう!?』 魔術猫『頼むから戦いに集中してくれぇえええっ!!』 なにもこんな時に言い争いなんてしなくてもいいだろうまったく! 晦が胃炎持ちな理由が本当に解る状況だよ! 魔術猫『中井出!さっきの爆裂攻撃また出来ないのか!?』 提督猫『同じものを何度も使ってるとつまらなくない?』 魔術猫『だったら他のでもいいから頼むよ!     これで召喚されたあのバケモノが強すぎたらどうするんだよ!     猫や妖精やドワーフを守れないまま終わるんだぞ!?』 提督猫『だったら風の宝玉をさっさと破壊するなよぅ!     あれ僕の強さの源の片割れだったんだぞ!?     あれの所為で僕がどれだけ弱くなったと思ってるんだ!』 魔術猫『だから!言ってる場合じゃ───あ、あぁああーーーーーっ!!!』 黒猫 『あ〜〜〜ん?……ゲ、ゲェエーーーーーッ!!』 時既に遅し。 視界の隅に違和感を感じて振り向いてみれば、 虚空の渦からズシャリと出てきた、二体のバカデカい召喚獣が……。 あぁ……俺の人生ってほんと、誰かの面倒ごとに巻き込まれ続ける人生なのかも……! 説得なんかに回らないで自分だけでも魔法を連発してればよかった……! ……かくなる上は、もう敵どもに八つ当たりして、 このどうしようもないストレスを発散させる他ないだろう。 魔術猫『おーい……俺も大技使うから……巻き込まれても文句言わずに成仏しろよー……』 総員猫『か、かまわーーーん!!や、やれーーーっ!!』 ……よし、了承は得た。 じゃああとは爆裂させるだけだ。 なんだかんだでストックも溜めたし、TPも十分。 アイテムも持ってるし……───じゃあ、始めよう。 魔術猫『一体はなんとかしてみるからもう一体頼む!───“Chant(チャント)”!!』 黒猫 『なに!?マジかテメー!よし!断言したからには任せるぞ!     我らはヤツに一切攻撃せん!あれは貴様の敵だ!絶対に一人で倒すのだ!』 魔術猫『何処かの意地張った悪ガキみたいなことを言うなぁーーーっ!!』 早くも集中力が尽きそうだった。 しかも目の前には敵がごっちゃり居て、 詠唱なんていつまでも唱えさせてはくれなジョガァアッフィィインッ!! 兵士ども 『グギャァアアアアアッ!!!!』 ゾンビども『グエェエエエゥウ……!!』 ……いや、唱える時間はありそうだった。 提督猫『フフフ……貴様の漢気、見せてもらおう』 中井出だ。 この群生の渦の中、わざわざ俺のところまで来て周りの敵を吹き飛ばしてくれたのだ。 ……そうだ、他の誰にも多勢吹き飛ばし能力が無かろうが、 こいつの武器はそういった能力だけは腐るほど蓄積されているのだ。 妙な方向に話が逸れると付き合っているのは辛いが、 後衛に専念するために、こうも頼りになる存在はそう居ないだろう。 提督猫『クライシスハート!全開ィイイイッ!!《ドッゴォオオオオンッ!!!》』 中井出の戦い方は我流にも程がある。 何かのスキルを溜めたたと思いきや武器を霊章に仕舞うと腕を突き出し、 その腕に出現したボウガンを撃ったり大砲を撃ったり、 敵との間隔が一定以上開くと再び武器を取り出し、 長剣化ののちにギミックで柄を伸ばして槍状にすると、 そこに目が潰れるような光属性を込めキシャバボォオンッ!!! 敵勢力『ギアァアアァァァ……ァ…………!!』 間隔を狭めようと襲い掛かってきた敵勢力の大半を抹消して見せた。 黒猫 『うおおなに!?なに今の!』 提督猫『竜撃砲である!15秒に一回放てる属性大砲だ!     今回は光属性を込めてブッ放してみました』 黒猫 『す、すげぇ!いいねそれ!くれ!』 提督猫『だ、誰があげるもんか!ジークフリードは僕の相棒だぞクズが!!』 白猫 『悶着してる場合じゃないぞ!召喚獣が要塞に向かって進み出した!     あのデカさだ……いくらあの要塞が頑丈でもそうそう耐えられるもんじゃない!』 提督猫『ぬう!よし!ならばあの巨体の一方はこの博光が請け負おう!     晦一等兵!弦月一等兵!』 白黒猫『サーイェッサー!!』 提督猫『貴様らはこの、大分減った兵士やゾンビを滅ぼすのだ!     この数なら二人でも十分いけるだろう!     空を舞う者は藍田二等や丘野くん、ナギーやシードや亜人族に任せるのだ!』 白黒猫『サーイェッサー!!』 提督猫『辛いかもしれんがホギッちゃんを守るのも忘れるな!     そして奥に居る魔法使いや弓兵などのことも忘れるな!     今は待機しているが兵士やゾンビが尽きた途端に襲い掛かってくることだろう!』 白黒猫『サーイェッサー!!』 提督猫『うむよし!では貴様らの健闘を祈る!     イェア・ゲッドラァック!ライク・ファイクミー!!』 ザザァッ!! 白黒猫『Sir(サー)!!YesSir(イェッサー)!!』 ババァッ!!───叫ぶや、三体の猫が目の前から散開する。 中井出は要塞方面へ向かう一体の方へ、晦は俺の前方を、弦月は俺の後方を守るように。 そして俺は、こちらへ向かって前進してくる巨体を見据えたまま、 ただひたすらに詠唱を続けていた。 ……正直、成功するかどうかは賭けなんだが─── 成功させなきゃいけない時っていうのがあるんだとしたら、それは今だ。 だから───成功させなきゃならない!! 大丈夫、今なら出来る気がする……! この、妖精や精霊や魔王の子が力を齎し続けてくれている状況なら───!! 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