───冒険の書222/後始末・外───
【ケース545:藍田亮/トニ=イ=ラギュラ】 フォッ、フリュッ……! 藍田 「よっ、ほっ……はぁ〜〜……!」 幾度かの蹴りを虚空に突き出し、脚を揃えると息を吐いた。 一応、天空城を降りたあともやっている足技の鍛錬の一つだ。 いやしかし、いいもんだなこの装備。 機能性に長けてるっつーか、体伸ばしてもつっかかるところがない。 体術にはもってこいの装備だ。 さすがはグラーフ、力の求道者。 どこぞの戦いの殉教者みたいにマントとズボンだけとかじゃなくてよかった。 今思えば、上半身マントだけって物凄いスタイルだ。 清水 「よっ、やってるな」 と、そこへ現れたのは清水。 両手に水を注いだ木のコップを持って、てこてこと歩いてきた。 その一つを俺に渡すと、近くにある木の根元空いた手で促して、とっとと座った。 俺もまず一口水を飲むと、それに続く。 清水 「そっちどうだ?」 随分と漠然とした物言いだが、その意味はまあ解る。 藍田 「だめだ。一日程度で伸びるほど甘いもんじゃないらしい」 だから俺はそう答えて、壊れかけの篭手を見おろした。 ……俺達がやってたのは能力限界の保持時間延長だ。 きっと出来るに違いないと頑張ってみてたんだが……や、これが難しい。 そもそも出来るかどうかも解らなかったわけだが、メールによれば可能……らしい。 そんなわけだから滅びの母の力を解放していろいろ試してみてたんだが…… や、これがとても難しい。 俺の能力限界は滅びの母の力の持続力。 清水や田辺は変身だな。 藤堂は鉄分消費で、岡田が小手先連続使用限界。 で、丘野が炎髪灼眼状態の維持時間。 上手くいかねぇもんだが、それでも楽しくやらせてもらってる。 やっぱゲームってのはいいもんだ。 現実世界で言えばつい最近までただの人間だった俺達が、 今じゃ岩をも砕く戦士だ。 その事実を振り返ると、時々おかしなもんだなって笑いたくなる。 ……いろんなやつらが変わってゆく。 もちろん内面的には変わらないんだろうけど、 大体のやつが空界の回路を受け取って空界人になった。 俺も夏子も例に漏れず、他の猛者連中だってそうだ。 仲間と呼べるやつは全てって言っていいほど、地界の回路を捨てた。 けどその中で……律儀というかさすがというか、一人だけ地界の回路っていう、 なんの能力も持たない回路を未だに大事にしてるヤツが一人。 みんな力や能力に憧れて、地界以外の回路を手に入れた。 だけどそいつは何も出来ない……魔術も魔法も式も召喚も法術も鎌操も神術も、 な〜んも使えない地界の回路なんかを大事にして、 ただの人のままでこの世界を飛び回ってる。 ろくに特訓も修行もしないで、体捌きは滅茶苦茶なド素人のまま。 ……ゲームってのは楽しむもんだ。 楽しむためなら、地界人であることくらい捨ててもいいかなって思ったから捨てた。 実際、空界の回路は戦いに向いている。 なにも魔法や式に限ったことではなく、戦闘技術向上力ってのがある。 訓練を積めば“戦い”ってのを体が覚えてくれる。 それは当然誰だってそうだろうが、覚える速度、馴染む速度ってのが桁違いだ。 ファンタジーの中で生きていくために必要ってことなんだろうか、 筋肉とかの付きの速さも地界人とは違ったものがある。 細く、けどしっかりとした筋肉だ。 外見からはゴリモリには見えないくせに、そのくせ機能は地界人よりも長けている。 晦がゴリモリマッスルじゃないのに力があるのには、こういう理由もあったんだろう。 藍田 「………」 見下ろしていた拳を開いたり握ったりしてみる。 ……ほんと、面白いところまで来たもんだ。 昔は……小学生時代とか高校の時は、人生ってつまんねーな……とか思ってたのに。 学生生活があんなに楽しいもんだって知ることができたのは、結局原中でのみだった。 だから高校なんて余計につまらなさの塊だった。 時々猛者どもと連絡をとったけど、ただの学生でしかなかった俺達は、 そうそう会うことなんて出来るわけもなく。 全員が同じ学校だったらよかったのにな、なんてつまらない愚痴をこぼし合ったもんだ。 まだ高校生だったってのに、同窓会が待ち遠しかったのを覚えてる。  でも……時々に思う。 こうして俺はまた、楽しい日々に身を置けている。 つまらなかった地界人であることもやめて、 この夏を乗り越えれば多分空界人としての生活を始める。 初めてのことだらけで、しばらくは楽しく過ごせるだろう。 ……いや、猛者どもも一緒ってことを考えると、 ずっと遊んだままで暮らすのかもしれない。 それはとても楽しいことだろう。 でも……いつか。 時々振り返ることがあるんだろうか。 つまらなかったけど、楽しいことは確かにあった、地界のことを。 藍田 (はぁ……) 生まれも育ちも地界。 けど、回路はもう地界のものじゃない。 提督の意見も一理あるんだろう、 俺はたまに、俺も地界の回路のままゲームしてりゃ良かったかなって思う。 なんにも出来ない地界人のまま“なにかが出来るようになる”なんて、 それはとてもとても面白いことだ。 魔法が使える世界のやつらの回路を受け取って魔法を使っても、 根本に戻っちまうと“魔法が使える?当然じゃん”って風になっちまう。 や、もちろんそんなつまらん考えをいつまでも持つほど、 我ら原メイツはつまらん集団ではない。 しかし惜しいと思う気持ちも確かにあるわけだ。 藍田 (それ考えると、提督……中井出は上手くやってるよな〜) ようは武器に様々な能力をつければいい。 武器と防具とレベル、それが全てだRPGとはよく言ったもんだが、 自分自身が動くともなると技術も必要になってくるわけで。 なのにあいつときたら、ろくに修行もしないで猪突猛進。 耳に挟む噂はいっつも無鉄砲な村人の話だ。 どうして村人スタイルで旅して魔王呼ばわりされてんだろうな、あいつは。 藍田 「なぁ清水。中井出ンこと、どう思う?」 清水 「へあ?いきなりだなおい。     しかも話の内容がまったく見えん。まあ馬鹿だとは思うが」 話し掛けた途端にストレートだった。 まあ、頭はよくないだろう。それは俺達にも言えることだが、ヤツは一層だ。 清水 「や、素直にスゲーだろ。俺達ゃ空界の回路使って、     まあ強化人間みたいなことになってるわけだけどさ。     地界の回路だけでこの乱世を生きるとは……」 強化人間……なるほど、間違いじゃない。 俺達の回路は隠しジョブになることで、潜在的なものを一気に向上させられた。 お蔭で攻撃力や速度なんてものが飛躍的にアップしたし、 強敵とも随分と戦えるようになった。 最初は田辺の強さの豹変っぷりに驚いたもんだが、これなら納得だ。 加えて、さっきも確認したように空界の回路ってのはファンタジー向きだ。 それが強化されれば強くもなるってもんだ。 藍田 「そういや……隠しジョブが回路の力を向上させるってのはナビで確認したよな?     じゃあもし地界人である提督が隠しジョブ手に入れたら、どうなるんだ?」 清水 「より一層凡人になるんじゃないか?」 藍田 「…………提督だしな」 清水 「提督だしなぁ」 なんつーかあいつは頑張ってもあまり報われない人のような気がする。 武器強化しても呪われたり、レベル上げても試練に巻き込まれたり。 それでも楽しんでるところはさすがなわけだが。 藍田 「は……しかし水が美味い」 清水 「ああ、猫たちが綺麗な水がある〜って。     猫の里の外れに湧き水が出るところがあってさ、そこで汲んできた」 藍田 「……出っ放しの湧き水汲んで飲めるなんて、この世界ならではだよな……」 現実世界じゃ妙な虫が入ってやしないかって不安で、飲めたもんじゃない。 ……と、そんな風に水を見ていたら、ふと思うところあり。 藍田 「……水の守護竜ってさ、海ン中でなにやりたかったんだろ」 清水 「知らんが」 海ン中で誰かが戦い挑みに来るの、待ってたんだろうか。 どちらにしろ退屈そうだ。 清水 「ああそうだ、守護竜で思い出したんだけどさ。     どうだ?これから俺達で火の守護竜でもブッちめに行かねぇか?」 藍田 「火の?……そういや他の通常クラスの属性の守護竜はもう倒したんだよな」 清水 「提督がせめて火だけは最後に〜って残してたけど、ほら。     もうボマーとかが使えないんじゃ、火属性が残ってても仕方ないだろ?」 そういやそうだ。 提督はジークフリードで斬りつけた際にボマーが発動することや、 火属性の力を思う様振るうのが面白くて残していたのだ。 それが呪いの所為で不可能となった今……そうだ。 今こそ俺の中に宿るイフリートの力を解放し、精霊武器を手に入れる時! おまけに火属性の力も向上して、俺……パワーアップ! 藍田 「行きたい!俺は是非行きたいぞ!」 清水 「よっしゃあ!じゃ、まずホギーに憑いてるマックス爺に話し掛けて、     宝玉の属性を水に変えてもらおう。やっぱ効率考えるなら水属性だろ」 藍田 「俺は主属性が火だけど───おお、変えられるそうだから変える」 清水 「で、火の属性が解放されたら全員で一度属性改めてみるんだよ。     丘野とお前は火属性として、俺は雷、岡田は……風か?     田辺は……火だな。藤堂は……なにがいいだろ」 藍田 「纏めてみっか。えーと……」 落ちていた木の枝を使って、カリカリと土に図を描いていく。 俺───グラーフ…………………火 清水──仮面ライダー……………雷 丘野──フレイムヘイズ…………火 田辺──妖魔………………………火 岡田──ブレードスナッパー……風? 藤堂──ARMマイスター………? 提督──村人もどき………………元 ……と。 藍田 「こんな感じか?」 清水 「や……提督ってもう村人でいいんじゃないか?     きっと村人が滅茶苦茶強くなるとああなるんだよ」 藍田 「村人最強伝説だな。魔王呼ばわりされてるけど。     えーと……ピポパポプポポペ……っと」 かる〜くメールを打って、特定のメンバーに送信。 しばらくするとこの場に素晴らしき6人が集まり、 水を汲んできては俺たちと人心地ついていた。 どうやら呼ばれるまでずっと、能力限界の壁に挑戦してたらしい。 藍田 「それでな。訊きたいことってのは他でもない」 清水 「お前ら主属性なににするか、決めたか?」 丘野 「臨機応変にでござるな。まあ火が主体になるでござろうが」 岡田 「俺も火だ」 田辺 「お、俺もだ〜〜〜っ」 藤堂 「俺もだ〜〜〜っ」 藍田 「…………じゃ、なんだ」 清水 「え?俺だけ雷?ちょ、ちょっと待てよ岡田、     お前小手先重視なら風のほうがいいんじゃ───」 岡田 「定石なんてクソ喰らえだ」 清水 「それもそうだな」 納得はとても早いものだった。 藍田 「……じゃ、全員火属性でいいってことで……いいのか?」 総員 『オウイェーーーイ!!』 藍田 「よっしゃ、じゃあ本腰入れて火の守護竜ブッちめに行くぜぇっ!!」 田辺 「命令してんじゃねぇこのクズが!」 岡田 「我らに命令していいのは提督のみだぞこのクズが!」 清水 「ナメったらねぇぞこのクズが!!」 藍田 「ちょっと言ってみただけだろうがクズどもが!」 藤堂 「黙れクズが!」 総員 『死ね!!』 藍田 「人のこと言えねぇけどほんとお前ら(俺達とも言う)容赦ねぇよな!!」 丘野 「当たり前ェだろうがこのクズが!!」 総員 『死ね!!』 藍田 「クク〜〜〜〜ッ」 総員 『ムウウ〜〜〜ッ』 などとカオスチックなことをしてる場合じゃあねぇ。 もう今日という日は無くなりかけているのだ。 藍田 「じゃ、じゃあ今日中にさっさと終わらすか」 清水 「そだな。って、案外提督が戦ってたりしてな」 岡田 「あ、そか。そういうことも在りうるんだよな。ちとメール飛ばしてみるか。     ……“俺達これから火の守護竜コロがしに行くけど、提督今なにやってる?”と」 藍田 「わざわざ口に出すなよ……」 岡田 「バカヤロ、頭の中に浮かんだ言葉ってのは、口に出したほうが脳にいいんだぞ」 そんなもんか? ……ともかく少々の間はあったものの、提督からの返信はすぐにあった。 今現在は闇の精霊と戦うべく、各地に回って準備をしているんだとか。 その準備ってのが、 どうしてグレイドラゴンの脅迫だったりするのかはさすがに理解の範疇を越えていたが。 ともあれ、天使がどーとか、 亜人族だから自然要塞に来てもらうとか書いてあったのは事実だ。 いつからグレイドラゴンを脅迫できるくらいまでビッグな人になったんだろうか、彼は。 まあ、そんなわけで、俺達がレッドドラゴン討伐に出ることは確定した。 ブッ転がしたら遺体はそのままにしといてくれー、ってのは提督の言葉だ。 闇の守護竜の遺体もそのままにするって条件で、互いに了承。 そのままっていったって、剥ぎ取るモンは剥ぎ取るが。 互いに間に合いそうにないと思ったら、 互いが剥ぎ取っておいたものと交換ってことになってる。 ……倒して、いつ塵になるかなんて解らねぇしなぁ。 とりあえず俺は闇の守護竜の素材が欲しい。 しかし火の封印も解きたいのだ。 このイベント(?)には俺のパワーアップ要素が盛りだくさんだ……ああ楽しみ。 藍田 「ぷはっ……ふう。そんじゃ、水も飲みまくったし……行くか?」 岡田 「フレイムマウンテンか……うへぇ、行きたくねー……」 清水 「岡田、暑いの嫌いだもんな」 田辺 「クーラードラリンク作っていきゃ平気だって」 丘野 「なんでござるか?その無駄に響き渡って繋がってそうな名前の物体は」 田辺 「あ、いや……クーラードリンクって言おうとしたら舌がもつれた」 藤堂 「フレイムマウンテン……こっから北東か。     結構距離あるな。今日中にカタつけられそうか?」 …………無理だな。 やろうと思えば出来なくもないけど、今はちと休みたい。 ……な〜んて思ってると、目の前にゲートがごしゃーと降りる。 自然に囲まれたこの場所だ、何処にだってゲートは作れるらしいが、 まさか目の前に降りるとは思ってもみなかった。 そして、その光輝くゲートから舞い降りしは───!! 中井出「天象(てんしょう)……降臨」 どこかうっとりとした表情で、左右に両手を軽く上げながら現れた、僕らの提督だった。 その後ろには、エィネが居たりどっかで見たことあるヤツが居たり、 ……なんか頭の上にパルック浮かせてる翼人が居たり。 今度は何処でなにやらかしてきたんだよ提督……。 エィネ 『なにか他に言うことはないんですかっ……まったくもう』 中井出 「い、いいじゃないか、一度やってみたかったんだ」 俊也  「ああ……妖精界への感動台無し……」 シェーラ「感動?この男に感動を望むことになんの意味がある」 中井出 「期待はずれという名の絶望をくれてやる!それが意味であるわこのクズが!!      で?ン?意味がなんだって?ン?ンン〜〜〜ッ?」 シェーラ「そのようなことで意味を唱えるなこの愚か者が!」 中井出 「愚かとな!くそう丘野くん!ハーバルない!?      こいつ感動に飢えてるらしいから、      感動シャンプー体験でイエースって言わせてやるんだ!」 丘野  「拙者らになんの前触れもなく、      拙者を会話に混ぜようとしないでほしいでござる!」 それと、それ言うなら快感シャンプー体験な。 丘野  「あ、でも以前泊まった宿屋にハーバルエッセンスがあったでござるよ。      ……さすがに強奪してこなかったから、手元にはないでござるが」 中井出 「なんで強奪してこないの!!」 丘野  「無茶言うなでござるーーーっ!!」 シェーラ「まったく、辿り着いて早々、やかましい男だ……」 総員  『まったくだこのクズが!』 中井出 「あれぇ!?なんで俺がクズ呼ばわり!?だって聞いてくれよみんな!      こいつ我が儘なんだよ!?口を開けばやれわらわはそんなものはいらんだの、      わらわはそんなものは食べぬだの!こいつほとほとお姫様だよ!      レイピア以外に上手く出来るものが一切ないんだからもう!」 シェーラ「なっ、なにを言うかっ……!      わらわ───じゃない、わたしはそのような───」 中井出 「ほら聞いた!?ねぇ聞いた!?こいつわらわ弁使うんだよ!?姫だよ!      それ隠してたのこいつ!なんで隠してたのかは知らねーけど!」 藍田  「落ち着け提督。とりあえずわらわ弁ってなんだ」 そしてなんでそんないっぱいいっぱいに喋ってんだ? シェーラ「仕方がなかろう!わらわは姫であることを隠さねばならない立場にあるのだ!      天使の姫は代々月の巫女と呼ばれ、月の輝きを守るという使命がっ……!」 中井出 「うるせー!今はそんなことどうでもいいんだよ!」 藍田  「わらわ弁ってなんだって訊いてんのが解んねーのかこのアマ!!」 シェーラ「なッ……なんだと貴様らぁあああっ!!」 中井出 「大体隠すにしたってバレバレじゃあねーかぁっ!!      男天使に姫とか呼ばれたり高飛車だったり!」 藍田  「なんだそりゃ本気で隠す気あったのかよ!空気読めよテメェエエエエッ!!!」 シェーラ「くっ……ぅうううっ……!どいつもこいつも無礼な者ばかりっ……!      これだから人間という種族はっ……!」 藍田  「おぉっと俺を人間と言ってくれるなよ!?      我が名はグラーフ!とうに人間など越えた存在よ!」 岡田  「俺も人間と言ってくれるなよ!?      我は既に空界人にして強化人間!とうに人間など越えた存在よ!」 清水  「おぉっとならば俺も人間と言ってくれるなよ!?      我が名は仮面ライダー!とうに人間など越えたハイブリッドソルジャーよ!」 藤堂  「ならば俺も人間ではないな!      我が名はARMマイスター!とうに人間など越えた存在よ!」 田辺  「ならば一層俺を人と言ってくれるなよ!?      我が名は妖魔!とうに人間など越えた存在よ!」 丘野  「そして拙者も人間と言ってくれるなよ!?      我が名はフレイムヘイズ!とうに人間など越えた存在よ!!」 中井出 「そして何を隠そう我こそ人間!      我が名は原沢南中学校迷惑部が提督、中井出博光である!      人を越える気などさらさらない凡人よ!」 シェーラ「ならば貴様には文句を言ってもいいというわけだな?」 中井出 「あれ?」 提督が首を傾げていた。 ノリに乗っていろいろやったら、いきなり追い詰められたような心境なんだろう。 レイピアをピッと突きつけられ、おどおどとたじろいでる。 シェーラ「ふんっ……無様だな。やはりわらわの思い過ごしであり偶然だったか。      人間ごときがわらわに勝つなどありえるはずもないだろうに……」 中井出 「───!今だ!やれっ!」 だがその時である! 提督が姫さんの後方をちらりと見て、そう叫んだのは! その先に居るのは───朝月俊也っていったか? いつだったか晦たちが道に迷った際に出会った男だった───! シェーラ『なにっ!?《バゴドォンッ!!》ぷぺぇぃ!?』 姫さんもその気配に気づいたのか、咄嗟に振り向───いた途端、 その隙を突かれて提督に殴り飛ばされた。 しかも、そうして倒れたところへデストロイダブルニープレスを腹に食らわされ、 次いで顔面を 中井出 「ムキムキムキムキムキムキムキーーーーッ!!!!」 シェーラ『《ドゴゴゴゴゴゴ!!!》ぶべらはべら!!』 ……これでもかってくらいボコボコに殴られてた。 男天使『貴様ァア!姫になにをする!』 中井出「え?なにって……武器突きつけられたからバトってるんですが」 男天使『だからといってやりすぎだろう!     顔を殴った上に、女性の腹部に全体重を乗せた両膝落としなど!     しかもそのうえ顔をそこまで殴るとはどこまで最低なんだ!』 中井出「だから何度言わせりゃ気が済むんだテメェエエエッ!!     武器突きつけてきた時点でもう殺し合いは始まってるのさ!」 男天使『なにっ!?貴様姫を殺す気でいるのか!?』 中井出「いやさすがにそこまでは」 ほら、と姫の上からどいてみせる提督。 と、そこには大した外傷もない姫さんが横たわっているだけだった。 中井出「大丈夫!仲間になったというのにボコボコにするほどこの博光、外道ではない!」 男天使『……加減したというのか……そうか。だがそれでは何故姫は気絶しているんだ?』 中井出「え?最初の一発がホンマモンナックルだったからじゃない?」 男天使『ホンマモン?なんだそれは』 中井出「気絶効果のあるやさしい拳って意味さ!」 男天使『そうか!』 クズだった。 さすが提督……まさかああも平然とウソをつくとは。 それに途中のあのダブルニープレス、本気だったろ。 藍田 「それで……なんだってこっちに来たんでありますか提督。     tellでは闇の守護竜退治に行くと言っていた筈でありますが?」 中井出「うむ。グレイドラゴンを脅迫して、とっととやるべきことを終わらせてきたのだ。     それというのも、話せば長くもないんだが───」
【Side───提督】 中井出    「ご〜じゅう六億年後にあ〜ら〜われるぅ、         みっろっくっさっまぁ〜〜〜っ♪」 グレイドラゴン『帰れ』 即答だった。 中井出    「やあ。今日はちょっとお願いがあって来たんだ。         どうせ貴様はいいと言うだろうけど、         こればっかりは確認が取れなきゃイヤだって言うから仕方なく」 グレイドラゴン『願いだと?今さらなにを願う。         貴様との邂逅など先ほど一件だけで十分だ、失せろ』 中井出    「天使たちを下界に下ろしたいんだけど、許可ちょーだい?」 グレイドラゴン『人の話を聞け貴様!!』 中井出    「人じゃねーだろうがてめぇ!!もっと自種族を誇りに思えよクズが!」 グレイドラゴン『ぐっ……ぐおおお……!!《ミチミチミチ……!!》』 中井出    「……と、このお方が言っておる!!」 俊也     「え?……えぇえええええええっ!!?」 グレイドラゴン『貴様ァアアッ!!!貴様命が要らんようだなァアアアッ!!!!』 俊也     「ひぃいいっ!!?なになになんだなんで俺睨んでんだこの竜!!」 ガオオオ!と吼え猛るグレイドラゴンを前に、彼はガタタタと震えている! え?俺?俺はもうからかうと決めたら震えてなどおられぬ修羅ですから。 ……戦うより、からかうことを心に決めたほうが強くいられる俺ってなんなんだろうね。 中井出    「というわけで、許可を!!」 グレイドラゴン『最初からくれてやるつもりだったがな……!         貴様らの態度で気が変わったわ……!』 中井出    「よっしゃあ許可もらったぞさあ行こう!」 グレイドラゴン『許可はやらんと言っているのだ!!』 中井出    「なんで!?言ってなかったじゃないか!!」 グレイドラゴン『それくらい会話の中で悟ることくらい出来んのか貴様は!!』 中井出    「出来るがやらん!何故ならば!その方が面白いからだ!(俺が)」 グレイドラゴン『くっ……!貴様ほとほと腹の立つ人間だな……!!』 中井出    「素直に許可くれれば俺だって穏便に済ませてたさ!         ソレをキミが───!キミが台無しにしたんじゃないかぁっ!!」 グレイドラゴン『我が悪いように言うな!!         元を正せば貴様が我をクズだどうだと言うからだな!!』 中井出    「なんだとてめぇ!!それ言うならそれ以前に         人の話も聞かずに失せろとか言う貴様が悪いんだろうが!!」 グレイドラゴン『人の話をまず聞かなかったのは貴様だろう!!』 中井出    「だからてめぇは人じゃねぇっつってんだろうが!         人ナメんなよこの灰色ドラゴン!!         燃え尽きたドラゴン!燃えカスドラゴン!」 グレイドラゴン『ギィイイイイイイイイ!!!!』 俊也     「俺もう帰りたい……」 エィネ    『どうして付いてきたいなんて思ったんですか……。         後悔するに決まってるのに……』 なんかすげぇ言われ様ですね俺。 でもなんつーか、うん。 エィネはきっと、みさおちゃんと仲良く出来ると思う。 中井出    「それで気が変わった貴様はどうするの?         お山にHIKIKOMORUの?それともお山の頂上で愛を叫ぶの?         それとも愛しの月光竜さんに思いを馳せて、今日もポエムを書くの?」 グレイドラゴン『ふっ……ふー……!はっ……は、ふー……ふぅううう…………!!』 俊也     「ひやぁあああいいぃぃ怖い怖い怖いってぇええええっ!!!         頼むからそれ以上神経逆撫でするようなこと言わないでくれぇえっ!!」 中井出    「なにを言うんだ!僕らには急ぎのようがあるからさっさとしようって!         どんな手段でもいいから許可を取れってキミが言ったんじゃないか!!」 グレイドラゴン『キサマ……』 俊也     「だだだだからなんで俺睨んでんだ!?い、言ってない!言ってないって!         もし言葉通じるんだったら理解してくれぇえっ!!《ポム》……え?」 中井出    「通じるんだったらここまでこじれてないって……」 俊也     「こじれさせてるアンタが言うなぁあああああっ!!!!」 彼はもう泣いていましたとさ。 だがこのままではいかん。 中井出    「いいから許可おくれよぅ!意地悪すんなよぅ!」 エィネ    『どのツラ下げればそんなこと言えるんですか……』 中井出    「うわ何気にヒドイ……このツラは僕が僕たる証なのに……。         だがたとえツラを上げても私は私!         記憶喪失にでもならん限り、僕はずっと博光さ!だから許可クラサイ」 グレイドラゴン『……ああ、いい。もう好きにしろ……。         貴様と話をしていると頭が痛くなる……』 中井出    「痛いついでに鱗剥がしていい?」 グレイドラゴン『つくづく態度太いな貴様!!」』 中井出    「武器強化をしたいんだ!そのためには貴方の協力が必要なんだ!         頼む……!世界を救うっていう建前のために、お前の鱗を俺にくれ!!」 俊也     「たっ……頼み込んでいるくせに建前だと断言してやがる!!』 グレイドラゴン『フンッ……断る!そこまでしてやる義理が何処にある!』 中井出    「この卵に」 グレイドラゴン『ゴハァ!?き、きさっ……貴様ァアアア!!!』 ひょいと引っ張った村人の服から飛び出てくるのは月光竜の卵。 それを手の上に乗せ、ニコリと紳士的に微笑んでみました。 すると、歯を思い切り食い縛って、コメカミをバルバルと躍動させるグレイドラゴン。 グレイドラゴン『こっ……小僧がぁああ……!         いつまでも我がそんな脅迫に乗ると思うなよ……!?』 中井出    「知ってるかい竜よ……赤子ってね、卵の中や母胎の中で、         外から聞こえてくる音や声をちゃんと認識して産まれてくるんだよ……?         やさしい声も暖かい声も、怒りに震える声も黒い声もだグオッフォフォ」 グレイドラゴン『わわわわぁーーーれに任せろォオッ!!         我は心優しい守護竜だからな!         人の願いくらい聞いてやる余裕程度持ち合わせている!         ああ持ち合わせているとも!』 中井出    「おお!なんと器の大きい竜族だ!         産まれてくる月光竜も、きっと貴様の背中を見て育つに違いない!」 グレイドラゴン(っ……我の───背中をっ……!?《きゅんっ……》) 中井出    「ヒィッ!!?」 なんか一瞬、グレイドラゴンの顔が政さんに出会った永澄くんみたいにサワヤカに……!! とか思ってたら突然ブギメギと己の鱗を剥がしたり爪を剥がしたり、 牙を折ったりする灰竜さん! そして、血の滴るそれらを僕の前にドチャアと差し出すと、ニヒルに笑ってこう言った。 グレイドラゴン『ぬっ……ぐううう……!持っていけ……!餞別だ……!!』 中井出    「……俺、アンタのことフツーに尊敬するかも……。         なんかごめんね……脅迫とかしちゃって……」 俊也     「フツーに謝った!?」 エィネ    『もっと寄越せとか言うと思ってたのに!』 中井出    「当たり前じゃないか!これから言うところだったよ!」 俊也&エィネ (あぁクズだ……) ともかくこの元素の竜さん、子供が居たら親馬鹿になれるよ絶対。 などと、心に暖かいものを感じつつ、僕は元素竜素材を手に入れた。 中井出(……でも俺の印象ってどんどん悪くなってるよなぁ……) 中でもエィネの中では特に。 別にいいんだけどね、俺十分楽しんでるし。 そんなことを思いつつ、僕の頭の上でちょいんちょいんと跳ねている卵を、 慈愛の瞳で見つめる元素竜を前に、ただ安堵の息を吐くのでございました。 月光竜が産まれたら、この竜の反応見て遊ぼうと心に決めつつ。 【Side───End】
中井出「……と、そんなことがありまして」 藍田 (クズだ……) 岡田 (クズだ……) 中井出「竜宝玉も戒めの宝玉ももらっておいてなんだけど、     やっぱり竜素材も欲しいな〜って思ってたんだよね」 清水 (クズだ……) 藤堂 (クズだ……) 丘野 「普通にクズでござるな提督殿……」 田辺 「さすがの我らも守護竜を脅迫なんてこと、想像だにしなかったぜ……」 中井出「え?や……す、するでしょ!?するよねみんな!だって戦わなくて済むんだよ!?     これほどまでに美しい理解が他にあって!?」 俊也 「脅迫の何処が美しいんだか逆に訊きたいぞ」 中井出「己よりもよっぽど強大な相手を脅迫する……その生き様よ、美しい」 岡田 「なるほど美しい!」 清水 「そうか!そりゃあ美しい!!」 藍田 「美しいぜ生き様が!」 田辺 「なんて美しいんだ!生き様!」 総員 『提督は無様だけど!』 中井出「一言余計だよもう!!」 逆に否定しない提督も提督だが。 ……と、原点回帰。 藍田 「それで提督、結局闇の守護竜はどうするんだ?」 中井出「うむ、ソレなんだが。今日はもう遅いから、     メシ食ってたっぷり寝て、明日にしようと思っているのだ」 俊也 「一応サチ姉ぇたちにも連絡入れといた。ロドリゲス、だっけか。     それに乗って今こっち向かってるってさ」 岡田 「場所解るのか?ここは我ら素晴らしき7人と亜人族たちのエルドラドだぞ?」 俊也 「あ……現在地マーキングしたマップ飛ばしたんだけど……まずかったか?」 清水 「マズイに決まってるだろ!そんなお前、白目だなんて!」 俊也 「会話がかみ合ってないんだが!?」 田辺 「なに言ってんだ!我らの言葉に耳を傾けるんだ!!」 藤堂 「マーキングっていったら白目だろ!」 俊也 「理解しようと耳を傾けたのに、さらに訳が解らなくなったんだが!?」 ちなみにマーキング+白目はワイルドハーフな。 ジャンプコミックスなので、機会があったらどうぞ。 って、誰に言ってんだ俺は。 俊也 「あーもう……纏めるとどうなんだよ……。     マップを送ったことはよかったのか悪かったのか」 中井出「私は一行に構わん!!旅とは自由!     敵の本拠地に物見遊山で現れようが、この博光はそれを許そう!」 俊也 (お、おおっ……?意外に懐のデカイやつ……) 中井出「もっとも来るのを許すだけで、     敵であるならコロがして金品まきあげるがなグオッフォフォ……!!」 俊也 (いや……やっぱクズだった……) ああ……あの男の心中が目に浮かぶようだ。 だからってフォローはしてやらんが。 中井出「大丈夫。この博光に付いてきた時点で、貴様は既に捕虜だ」 俊也 「捕虜!?」 中井出「ああ違う違う仲間だ仲間!依頼者と契約者だもの、仲間仲間!」 俊也 「俺これから用事があるからこれで《がしぃっ!!》うわぁ離せぇえええっ!!!」 中井出「獲物を捕らえたぞぉーーーっ!!」 藍田 「よし!これから来るって仲間どもから金を巻き上げるんだ!」 岡田 「腕が鳴るぜェ……!」 俊也 「鳴らさないでくれぇええーーーーーーっ!!!」 こうして我らの熱い夜は、夜を待たずして始まったのだった。 【ケース546:弦月彰利/スプラッターほうせ】 ズダダダダダダダダ……!! 彰利 「ただいまダーリン!」 悠介 「ダーリン言うな」 やあ僕彰利! 今日はそう、この夜にステキなキミとカレーうどんが食いたくなるここ、 エコナ平原の近くにある盗賊団の洞窟からお送りするYO!! 彰利 「ゴハハハハ!岡田くんにうっかり不覚を取ってしまったアタイだがもう大丈夫!     ヤツの力は見切ったぜ!?だから貴様らに命ずる!     素晴らしき7人をコロがすなら今しかねぇと!」 蒲田 「命令してんじゃねぇ一等兵風情が!」 飯田 「何様だテメェ!!!」 彰利 「なんでキミ達一等兵に対して物凄く厳しいの!?」 島田 「黙れクズが!」 飯田 「黙れクズが!」 蒲田 「黙れクズが!」 総員 『黙れクズが!!』 彰利 「ギィイイーーーーーーイイイイイイ!!!!」 あれからなんとか皆様を説得し、味方を増やしたオイラ。 説得には麻衣香ネーサンがかなり大活躍してくれたんだが、 オイラってばモノスゲー罵られ様です。 いやー……提督夫人って肩書きはダテじゃねぇ。 ひょっとしたら中井出より人望厚いんじゃなかろうか。 飯田 「あーあ……田辺と岡田と藍田、今なにやってっだろうなぁ……」 島田 「最近、田圃ファミリーも勢ぞろい出来る機会が減ったよな……」 そげなことを言いながらンビンビと酒をあおるのは田圃(たんぼ)ファミリー。 その隣で一緒になって飲んでるのは我らが王、イーヴィルバーグ。 そう、ここは元盗賊団アジト。現在では獣人族の本拠地となっている。 ここしばらく放置していたわけだが、 そこは修行を積んでましたってことで獣人王は納得してくれた。 実際あの頃からしてみれば、随分と強うなったし。 ……それもこれも中井出の自爆のお蔭だが。 ともあれ、放置されてる間、獣人王もさぼっていたわけじゃない。 どういう原理かはツッコまないが、 獣人たちの数を増やして、このアジトをかなり大きくしていたのだ。 そう、このアジトは山の洞窟を利用していただけの場所。 つまり洞窟の奥を掘ればアジトは拡張可能なわけであり、 ある意味第二のビーストキングダムが完成されようとしているのだ。 悠介 「それで、収穫は?」 彰利 「オウヨオ……!だめでした」 麻衣香「わー……じゃあ結局わたしたちだけってことになるの?」 彰利 「ノウ、一応小僧率いる未来人類や聖は勧誘に成功したぜ?     遅れるけどちゃんと来るそうな。     でもね、空がほら、ヤバイことになってるっしょ?     他のやつらどもは村救出イベントとかで忙しいみたい」 悠介 「村救出って……どっかの村が襲われてるってことか?」 彰利 「オウヨ。水の神殿ってのがある場所の近くの村が襲われとるらしいのよ。     なんつったっけ……名前忘れたけどさ」 悠介 「水───、っ!?」 彰利 「オウ?」 木彫りの椅子に座っていた悠介が、突如としてゴタタッと立ち上がる。 ハテ?いったい…… 悠介 「水の神殿って!ドリアードが居た場所……じゃないよな!?」 彰利 「お、おお……なんか辺境にある、寂れた教会の近くの村だっつーけど」 悠介 「っ───用事が出来た!俺はその村に行くからあとは任せる!」 彰利 「なにぃ!?ちょ───」 声をかけようとしたアタイをコンプリートシカトして、 悠介はごしゃーと洞窟の外へと走っていってしまった……! 当然それにはルナっちも付いてゆき─── 彰利 「ゆってくるのです夜華さん!」 夜華 「なにっ!?───き、貴様はどうするのだ!?」 彰利 「アタイはちとここで作戦会議してますから」 夜華 「ならばわたしも───」 彰利 「ノウ!それがいかんのです夜華さん!     最近のアタイたちは近くに居すぎている……!     一方が一方を気にしすぎて、双方が上手く身動きが出来なくなっているのだ!     だからこれを機会に少し距離を置く練習をするのです!」 夜華 「なんだと!?き、貴様それは……貴様っ……本気で言っているのか!?」 彰利 「オウヨ本気じゃい!だからGO夜華さん!     俺の分まで悠介を助けてやっとくれ!」 夜華 「うぅ……わ、わたしは……」 彰利 「ギャアもう女々しい!!もっとズバーンといきなさい!     あたしゃハキハキしないお子は嫌いだよ!素直なお子が大好きさ!」 夜華 「くっ───わ、わかった!行けばいいのだろう!?     ……だ、だがその、その前に一つだけ答えろ」 彰利 「オウ?なにかね?」 夜華 「貴様は、その……す、すすす……素直な女性が、好きなのか……?」 彰利 「ふむ……そりゃねぇ?手間がかかるよりは素直なほうが……」 夜華 「悠介殿を手伝ってくる!《ごしゃーーーーっ!!》」 彰利 「───ありゃ?」 返事を最後まで聞かずに、 夜華さんは風に乗るように物凄い速度で悠介たちの後を追ってった。 ……ま、いいか。 アタイはアタイで、獣人の明るい未来を考えねば。 Next Menu back