───ラーメン戦争/中編───
【ケース60:悟り猫(再)/ネコミミは眠らない】 ───トカカカカカカ!!! 悟り猫「ゴニャァアアアア〜〜〜〜ォオッ!!!」 世界猫「ばかっ!二足より四足で走れ!こうなりゃ形振りなんて関係ない!!」 悟り猫「オオッ!一番そういうこと言いそうに無いキミからそんな言葉を聞けるとは!!」 数十匹の猫が道路を疾駆する。 もちろんバスを目当てに疾駆するのが僕らの役目! つーかそれが私の天命!! 提督猫「チィイ!しかしほんとに速いなあのバス!規定速度守ってんのか!?」 忍者猫「提督猫殿!ここはこの忍者猫に任せるでござるよ!!」 提督猫「おお……行ってくれるか忍者猫!」 忍者猫「いくでござる!!」 忍者猫が駆ける!! その速度はステータス割り振りで強化されていたらしく、 かなりの速度でドグシャア!! 忍者猫「ゴニャアアアーーーーーーーッ!!!!」 提督猫「に、忍者猫ォオオーーーーーーーッ!!!」 ……かなりの速度で、対向車に撥ねられた。 総員猫『お、俺たちは忘れない……。忍者猫……貴様のような、     対向車が来るであろう隣の車線に移った途端に脱落した猫が居たことを……』 つーか普通反対車線に行けば車が来ることくらい解るだろうに。 バスの横に張り付こうとして駆けたらしく、忍者猫……というか丘野くん、あっさり脱落。 忍者猫「勝手に殺さないでほしいでござる!!」 提督猫「なにぃ忍者猫!?」 清水猫「き、貴様……生きていたのか!?」 忍者猫「咄嗟に世界猫殿が衝撃吸収の膜を張ってくれたでござる!     危うかったでござるよ!」 提督猫「そ、そうか……!よくぞ無事に戻《ドゴシャ!》へぶうっ!!?」 悟り猫「て、提督猫ォオーーーーーッ!!!」 中村猫「提督猫が信号で止まったバスに気づかず、     頭から排気管に突っ込んだぞぉーーっ!!」 提督猫『ゲホォッ!ゴォッホ!!ゲ、ゲェエエーーーッ!!抜けねぇ!!』 蒲田猫「そ、そうこうしている内にバスが発車したぞぉーーーっ!!!」 田辺猫「て、提督猫ーーーーっ!!!!」 世界猫「完全に発車する前に飛び乗れ!!提督猫の無念を無駄にするな!!」 提督猫『つーか誰かひとりでも助けようって思わねぇのかよ!!     ムホォッ!オホェッホ!!く、くっせぇええーーーーっ!!!     助けてぇええええーーーーーーーっ!!!!』 提督はバスの排気管に頭を突っ込んだままもがいた!! だが誰も助けてくれなかった!! 悟り猫「発車してしまったからには助けようとしても大変すぎる……。     そしてこの前足は何かを掴むには適さない……」 総員猫『誰だって自分が一番可愛いのさ。あんただってそうだろ?」 提督猫『てめぇらぁあああああっ!!!!』 そうしてバスは本格的に走り始めた!! 提督猫はその速度が速まる毎に足を引きずらんように地面を掻いては走っていた!! 悟り猫 「おお見ろ!排気管から飛び出した提督猫の足が      まるでロバート=ガルシアの幻影脚のように!!」 忍者猫 「す、すごいでござる提督猫殿!……忍術!?それは新種の忍術でござるか!?」 田辺猫 「すげぇ……転んでもタダでは起きねぇ」 蒲田猫 「さすが俺達の提督猫だぜ……」 夏子猫 「ステキ……」 麻衣香猫「惚れ直しちゃった……」 提督猫 『助けろよ!!』 とはいっても、こちらもバスに爪を引っ掛けてなんとか保っている状態。 ヘタに動こうものなら落下し、後続車にズバァムと轢かれることだろう。 そして、そうこうしてる間にバスは右折。 それはバスの癖に結構な速度を保ったままのもので───その遠心力を以って、 とうとう伝説の提督猫が排気管からの脱出に成功しメゴシャア!! 提督猫「ゴギャア!!」 悟り猫「て、提督猫ォオオーーーーーーッ!!!」 世界猫「て、提督猫が遠心力で吹き飛ばされた提督猫が対向車線に吹き飛び、     制限速度を完全に無視した車に撥ね飛ばされたぁああーーーーーーっ!!!!!」 排気ガスの所為か顔面だけ真っ黒になった提督猫が、 まるで舞い降りた木葉のようにキラキラと回転しながら飛んでった。 しかし見事に着地すると、なんと物凄い速度で追ってくるではないか!! 悟り猫「なにぃ貴様不死身か!?」 提督猫「ステータスを全部防御に回したんだよ!!それでも全身痛ぇわ!!」 そして今は全てのステータスを速度に回しているらしい。 猫本来の速度にプラスされ、物凄い速さだ。 そんな提督猫に世界猫は癒しの霧を創造して振りかけ、器用に親指を立てた! ……傷は癒しても、バスに引き上げる気は無いらしい。 提督猫「くっそ───止まれぇえええええっ!!!」 キキィイイイッ!! 提督猫「へっ───!?オ、オワッ───」 提督猫が願った途端、バスは急に止まった! 当然速度重視の提督猫は急に止まれる筈もなく、バスの左後輪に頭から突っ込むと───  ギュイイイイイ!!ジョリジョリジョリ!!! 提督猫「ゴニャァアアアアーーーーーッ!!!!!」 本能としてか、猫本来の絶叫を上げて姿を消した。 というより、バスにへばりついた状態では提督猫の姿は見えない。 見えるとしたら、絶叫とともにガタガタと震える尻尾だけである。 ……どうやら、車体とタイヤの部分に挟まって、 止まろうとしている車にどこぞを削られているらしい。  ……そうして車が止まった頃。 それが目的地近くのバス亭と知ると僕らは降りて、バスの後方へと向かった。 すると─── 提督猫「くまかかかかかかか…………」 額の毛という毛が完全に無くなった提督猫が、 タイヤと車体に挟まった状態で泡を吹いていたとさ……。 Next Menu back