───世界駆逐の魔人様/大虐殺風景───
【ケース627:弦月彰利/僕らの勇気、未満都市〜大虐殺地獄変〜】 むか〜しむかしのこと〜じゃったぁ〜〜……ドゴォーーーン!! 声  『ほぎゃあああああああああぁぁぁぁ…………!!!』 せっかくだからと町の大きなデパートまで買い物に来ていたアタイとルナっちは、 遠くで何かが爆発するのと、悲鳴めいた声を視覚と聴覚で捉えたのです。 うん、昔は関係ねー。 ……と、ルナっちと顔を見合わせてから駆け出そうとした時、 バァッ!と俺達を飛び越すような跳躍とともに駆けてゆく姿が。 刀と剣を持つ私服の二人……悠介と夜華さんだった。 わあ、私服にラグって似合わねー。 夜華さんは既に巫女装束が私服みたいな感じだけど。 彰利 「ルナっち!オイラたちも───」 ルナ 「ちょっとゆーすけー!なんでしのっちと一緒なのよぅー!」 既に物凄い速度で追っていってました。 ウヌウ、やたら元気よのう! 悠介 「って、彰利!?ルナも───どうしてここに!?」 彰利 「きさんこそこげなところでなに抜刀しとんじゃい!ポリス呼ばれるぜ!?」 悠介 「えらく現実的な話だな!っと、それどころじゃない!     重要書類が盗まれた!今、倉に落ちてた髪の毛と同じ気配を追ってるんだよ!     反応はあっちのほうで止まってて───煙?」 彰利 「OH?」 見れば、遠くの方でモウモウと上る煙。 建物だらけの場所でもソレはまあ目立つもんで、 騒ぎと相まれば事故が起こったってことくらいは解る。 悠介 「急いで逃げてて事故でも起こしたか───     燃える前に回収したい!手伝ってくれ!」 彰利 「オウヨ!ではいくぜ!アタイに掴まりなさい!───プレイスジャンプ!」 月空力を解放するとともに三人がアタイの肩に手を置く。 直後、アタイは転移をビジュンと発動させ─── バルバトス「───」 四人   『ア』 騒ぎの渦中に転移した途端、あっさりと思考がブッ飛んだ。 ア、アルェ……?オカシイナ……ナンデコイツガ……? 岡田   「つっ、晦に弦月!離れろ!ブッコロがされるぞ!」 悠介&彰利『言われるまでもないわぁああーーーーーーっ!!!』 絶叫!そして即座に月空力! 普通に下がったらブチノメされるから転移で距離を取って、 バクバクいってる心臓を落ち着かせ───ギャアア落ち着かねぇええ! 夜華 「な、何故あの男がここに!?」 彰利 「そんなのアタイが訊きたいワYO!!」 ていうかもう逃げたい!!今まさに逃げたい!! で、でもですネェィ!? 通行人1「み、見たかあいつ!片手で車投げ飛ばして……!」 通行人2「うそでしょ!?世界びっくり人間!?」 周りは自分は死ぬわけねーとか思ってる、 愚劣なる野次ヒューマンでいっぱいになってるわけで。 べつに見殺してもいいんだけど、 巻き込まれてジェノサイドブレイバー食らうのは勘弁だ。 彰利 「みさお!椛!みずき!レッツ異翔転移!」 みさお「わかってます!」 椛  「うん!」 豆村 「………」 彰利 「みずき!?これ豆野郎!」 豆村 「えっ……あ……」 考え事でもしてたのか、どこか青い顔したビーンに喝を入れる。 すぐに月空力の展開を始めたが───ウウム、何事だ豆よ。 ……と、見れば刹那小僧もどうにも顔色がよろしくない。 柾樹ボーヤが心配して話し掛けているが、返事もおざなりというか、反応が薄い。 昨日の撮影会ン時はまともだった筈じゃが───ハテ? 夢見が悪かっただけだ、なんて聞こえたが、二人一緒に夢見が悪かったと? ……もしやイケナイ世界に入り込んでしまった!? 息子が!息子が阿部さんの虜に!? 彰利 「目ェ覚まさねぇかこの愚息ゥウウーーーッ!!!」 豆村 「《バチコォーーン!!》ニーーーーチェ!!」 気づけば接近してビンタしてました。 その勢いに体を預けるように、 バキベキゴロゴロズシャーーアーーッ!と転がり滑ってゆくマイサン! 夜華 「い、いきなりなにをするんだ彰衛門!」 彰利 「僕じゃない!この手が勝手に!」 ルナ 「真顔で物凄いウソつかないの!」 彰利 「ウソじゃねー!事実だ!なんで信じねーんだよてめーら!!」 なんて言った矢先に転移が発動。 俺たちはどっかで見たことあるような場所に飛び─── って弦月屋敷前の約束の木の草原じゃん! 彰利 「あれぇ!?なしてここ!?」 みさお「広いし人目につかないので!」 マアもっともな意見! と、そこまで言って、僕らフルメンバーはゲーティアの魔人を見つめた。 バルバトス「貴様らァア……雁首揃えてなにをぼさっとしているゥウ……。       武器を持つ者同士が顔を突き合わせたのだァ……!       やることなど一つだろうがァア!!       臆病風に吹かれたかァ!調子が悪いとぬかす気かァ!!       突っ立ってねぇでかかってきやがれェエエエエエイイ!!!」 彰利   「ヒィイイッ!!イヤァアアアすげぇ殺気!!僕もう帰りたい!!」 ゼノ   「威圧感が尋常ではないぞ……!」 遥一郎  「お前たち、俺達が刻震竜と戦ってた時にこんなバケモノと戦ってたのか!?       殺気だけでいったら刻震竜なんて目じゃないぞ!?」 殺気だけでもう身震いが止まらねぇ! だがしっかりせねば! 彰利 「スッピー!」 ノート『案ずるな、既に手は打ってある。この草原の中でのみ、     一時だけゲーム空間と同じく何度死んでも蘇るよう細工した。     私たち精霊はドリアード……ああ、ニーヴィレイのことだが、     こいつの回復をしなければならない。そっちは任せたぞ。     ただしあまり長引かせるな。世界創造とは違うんでな、消費が激しい』 彰利 「だったら創造すりゃ───ってだめだぁーーーっ!!     やったら一瞬にしてそのワールドがデストロイされる!」 イヤァアよほんとこのアナゴさんたら! 滅茶苦茶強いくせにジェノサイドカウンターばっかで戦いづらいったらないわ! リヴァ    「とにかく先手だ!威圧感で強さは解るが、ホウケていては始まらない!」 リオナ    「まず式で敵の実力を測───」 バルバトス  「術に頼るかクズどもめがァアアアッ!!!」 リヴァ&リオナ『え───うあぁあああっ!!?』 キュヴォッ!と風を穿つような音とともに振り下ろされる巨大斧が地面を砕く! そしてその衝撃波で空中に吹き飛ばされた二人目掛け、 振るわれた斧からさらなる衝撃波が放たれる! バルバトス「くたばりやがれィ!!」  ドッガォオオオオオンッ!!! ……そして、塵だけが残りました。 飯田   「逃げんべ」 蒲田   「んだ」 バルバトス「漢に後退の二文字はねぇええええええい!!!」 総員   『いやぁあああああああっ!!!』 思わずだろう、一歩下がってしまった飯田に反応したバルバトスが激走し、 ぶちかましののちにジェノサイドブレイバーを発射!  ヴォガガガガァアアォオオオンッ!!! 声  『ギァアアアォガァアアァァァァ…………!!!』 その直線状に居た者全てを巻き込む波動が人垣を削り、 奔流に飲み込まれたものたちは吹き飛びながら消滅した。 三島 「……お前ら、よくこんなやつに勝てたな」 藍田 「いや……ほぼお情けで見逃してもらったようなもんで……」 三島 「だろうなぁ……」 レイル「お前さんが強いのはよぉく解った!     けど倒さなきゃどうにもならないんなら攻撃するしかないだろっ!     うぉおおおりゃぁっ!!」  ゴギィンッ!! レイル  「ゴッ───!?人殴ったのにゴギンって《グワシィッ!!》うごっ!?」 バルバトス「這い蹲れェィ……!!」  ゴドッガァアンッ!!! レイル「《バギギメギビギィッ!!》がっ……ぐあぁああああっ!!!」 殴りかかったがあっさりと顔面を掴まれたレイル野郎が、 物凄い速度で地面に叩きつけられる。 軽くクレーターが出来る勢いだ……隕石が落ちたわけでもないのに、 それはなかなか大きなものでヂガァンヂガァンヂガァンッ!!! ……起き上がる暇もなく、トランプルで雷撃踏み付けされた彼は昇天。 アル 「……、一つ訊きたい。“勝てる”のか?あれに」 悠介 「こればっかりは気の長い話になるだろうな……」 草原の先の約束の木から、塵になった人々が出現する。 すぐ近くだからすぐに参戦できるとはいえ、これは─── 麻衣香  「とにかく出来るだけ回復するから、みんな頑張っ───」 バルバトス「回復晶術だとォ……!?ぬぁああんじゃくすぎるわぁああああっ!!」  ギャフィィンッドンガガガガガガォオオオンッ!!! 麻衣香「えっ!?いやっ!うわっひゃああああーーーーーーーーっ!!!」 回復術を軟弱と謳った彼が、斧を振り払って放ってきたのはなんと魔神剣! でもなんか爆発しながら滑ってきてる上に規模がデケェエエエエッ!!! ってダメだ麻衣香ネーサン!怖いからって下がったらバゴォンッ!! ドガァアガガガガォオオオンッ!!! 声  『ホギャァアォオオオオオオオォォォ…………!!!』 あ、あーあ……予想通り……。 イビルチャージのあとのジェノサイドブレイバーで、また何人も巻き込んで死亡確認……。 しかしまいったね、この調子じゃ バルバトス「余裕かましてんじゃねぇえええええい!!!」  ゴヴァァアチュチュチュチュゥウンッ!!! 彰利 「ホアアアアーーーーーーーッ!!!?」 様子を見るためになにもせずに遠目に見ていた俺目掛けて、 バルバトスの体から無数の闘気の塊が放たれる!! 彰利 「う、うおおぉおおおっ!!!」 即座に左手から“竜の手”を出現させて殴り落とす殴り落とす!! ───ってダメェエエエ!! 数がハンパじゃボガガガガガガォオンッ!!! 彰利 「ギィイイイヤァアアアアアアーーーーーーーーッ!!!!」 邪悪なる炎の塊がアタイを焼いてゆく! つーかそれだけじゃなくて、次々と飛んでくる炎が俺を空中に打ち上げてゆく! と、そんな中で俺が見下ろした景色に、一人の馬鹿野郎がヤツを後ろから攻撃しようと! 彰利   「うわぁ馬鹿!!そいつの後ろに立ったら」 バルバトス「俺の背後にィイイ───立つんじゃねぇ!!」  ガシルヴォァドッガァンッ!!! 水島さん家の美空っちが大地に叩きつけられ、それだけで昇天。 ああ……頭からだったし。 彰利 「キミたち!もうこうなったら何度死んででも攻撃しまくるんだ!     相手のHPは無限じゃない上に回復は絶対にしない漢だ!故に───」 美奈 「いやぁああ無理無理無理ぃいいいっ!!攻撃当てても全然怯まないぃいいっ!!」 リアナ「連撃を無視して突撃してく《ゴギャァッキィンッ!!》はぐぅぃっ……!!」 力任せに振るわれた斧を双剣で受け止めるリアナ嬢だが、 勢いに負けて思い切り吹き飛ばされる。 すぐに体勢を立て直して疾駆して連撃を連ねるが、 頭を掴まれたのちに、顔面と膝とを衝突させられ虚空へ打ち上げられ、 浮いた体を斧で叩き落されて絶命。 常時ハイパーアーマーはどうやら今回も健在のようだった。 清水 「うおおおお!怯むな怯むなぁああっ!!」 だが諦めない! 勇猛果敢というよりはヤケクソに走った猛者たちを中心に、皆様が一斉に襲い掛かり、 バルバトス「貴様に朝日は拝ませねぇえええええええい!!!」  ドヴァァッシャァアアッ!!! 総員 『ぎゃあああああああああああ!!!!』 バルバトスが地面を殴るとともに噴き出した紫色の炎が皆様を焼く!! 死にはしなかったもののダメージは深刻で、しかも全員毒状態! 滅茶苦茶です!ほんとこいつ滅茶苦茶です! 遥一郎「どうなってるんだこれ!」 彰利 「《スタッ!》ポイゾニックヴォイドざんす!     熱毒を発生させる波動を巻き起こして敵を攻撃する厄介な技さね!」 遥一郎「まず状態異常を回復する必要があるっていうことか───!」 後衛だったホギーの隣にシュタッと降りる。 過程の会話で状況把握をしたホギーがすぐさま詠唱に入るが、 バルバトス 「いぃつまで術に頼るかァアッ!!《ズギャオッ!!》」 彰利&遥一郎『うわぁ来たぁあああああっ!!!!』 術に反応したらしい彼が物凄い形相で疾駆してくる! 攻撃する猛者どもや他の皆様なぞ完!全!無視!すげぇ!凄すぎですこの人! 遥一郎「くっそ!あとは任せたぁああーーーーっ!!」 彰利 「おおっ!?」 ホギーが魔法を発動させる! それは全員を癒す魔法と、全員の状態異常を治す魔法の同時行使で─── バルバトス「死ぬかァッ!!消えるかァアアッ!!       土ォオ下座してでも生き延びるのかァアアアッ!!!」 直後、叩っ斬り、斬り払い、膝蹴り&叩き落しコンボでホギーは昇天した。 ……す、すげぇ……ヤツは男……!男だ─── バルバトス「まごついてんじゃねぇええええいっ!!!」 総員   『ほぎゃあああああああーーーーーっ!!!!』 でも回復してもらってなんだけど、長続きはしそうになかった。 息をつく暇もなく襲い掛かってくるヤツはもはや猛獣の類だ。 彰利 「ええいままよっ!確かにまごついてる場合じゃねぇ!!」 竜の手に力を込める。 いや、込めながら疾駆して、肉迫するや迷いもなくそれを振るう! 彰利 「おぉおらぁあっ!!」  ドゴォンッ!! おっしゃ!これ以上ないってくらいのクリーン、……ヒット…… バルバトス「ぬぅうううりやぁああぉおおう!!!」 彰利   「うえぇっ!?ききき効いてねホワァアアッ!!?」  キュヴォドッガァアアンッ!!! こっちの攻撃完全無視で振り下ろされた斧を咄嗟に避ける! が、砕けた大地から弾けた石が俺の右目に突き刺さり、体が強張ったその瞬間! バルバトス「微塵に砕けろォ!!」 ガシャンッ!と構えられた斧から巨大な波動っつーか手っ取り早く言えばジェノサイドブレ ア゙ァアアアアアアーーーーーーーッ!!!!!  ドンガガガガォオオオオンッ!!! 彰利 「ぎあぁああぉあああああぁぁぁ……───!!!」 凶々しい波動に体が飲み込まれた。 当然立っていられなくなり、飲み込まれるがままに遥か彼方へと───ビジュンッ! 彰利 「ぐはぁっ───!こンのっ……野郎ォオオッ!!」 奔流の中でなんとか月空力を発動! 転移するや、竜の手に九頭竜闘気をセットしてブースト完了!と同時に振り切る!! ジェット噴射まがいに発射された竜の左手がバルバトスの脇腹を殴りつけ、 とうとう、というべきか。 バルバトスを吹き飛ばすことに成功したんだが、 倒れることもなく着地して、やはり怯むことなく疾駆してくる! 悠介 「“伎装弓術”(レンジ/アロー)!!グニンティール!!」 そこへ、ラグを開き弓にした悠介が、 かつての空界の雷の聖堂で拾ったって言ってたソーサラーリングで雷を発生! 巨大な雷の矢にして、合成されたヴィジャヤのメガレールカノンの能力ととも射出する!! 俺もそれに続くように左握り拳を突き出し、その手首に右手を重ねて力を解放!! 残り八発分の九頭竜闘気を全て圧縮させ、竜の左拳から渾身のフルブレイクを放つ!! ───直後に轟音! 鋭い破壊音が草原に響き渡り、 余波をくらった猛者どもが立っていられずに吹き飛ぶほどのボファアッ!! バルバトス「ぶるぅううあぁああああああっ!!!!」 彰利&悠介『ホォオオオーーーーッ!!!?』 雷撃の矢とフルブレイクの波動を無視して突っ込んできた姿に素直に絶叫!! しかもそれが隙になって、ぶちかまされた悠介が俺目掛けてってオワァーーーーッ!!?  ドゴォッ!! 彰利 「ぶえっふぇ!」 悠介 「がっ───、って彰利!来るぞ!」 彰利 「わわわ解ってキャーーーーッ!!?」 二人してSTRマックスで身構え、振るわれる斧を受け止めガドォッ!! 彰利&悠介『っ……!!い───』 足が地面に埋まる一撃。 振り下ろされた斧は途轍もなく重い一撃を繰り出し、 それを受け止めた俺達は体の芯に深い一撃でも受けたかのように体を硬直させた。 じょっ……冗談だろっ……!?二人がかりで受け止めてこれかよ! 彰利 「っ……しぃっ!」 両手の篭手で斧を受け止めたまま、竜の手で斧を掴み、バルバトスを持ち上げる! そうしてから地面に叩き付けドシィンッ!! 彰利 「……うそぉ」 ……る筈だったのに、強引に身を捻ったバルバトスは地面に足を踏み落とし、 逆に俺を竜の手ごと振り回してってうわああああもうこいつ信じらんねぇえええっ!! 彰利 「う、うわわ!ゆっ!どけっ!悠介!」 悠介 「そんな急に動けるかごわっ!?」 どっかーーん!!と、振るわれるままに悠介に叩きつけられ、  ゴボガゴァッ!! 彰利&悠介『ぶげぇああっ!!』 大地と平行に素っ飛んでいって屋敷に突っ込んだ。 もう、ぶつかるどころじゃなく、壁をブチ破って内部まで。 障子を破っただとか窓を破壊したとかじゃない、壁をブチ破ってだ。 彰利 「えほっ……げ、は……!!」 悠介 「ぐわ……!な、んて、力……!」 屋敷の一部をガラガラと崩しながら血反吐を撒き散らす。 なんとかガバゴバと壁から抜け出ても、体がメキミシと軋んでて満足に立てやしない。 既にバル様は他のやつらと激闘中。 フルパワーゼットが真っ向から勝負を挑むが、 バルバトス「今死ねぇぃ!!すぐ死ねぇぃ!!       骨まで砕けろォオッ!!!」 斬り上げで落ちたところにトランプル、 それに弾かれた無防備な体への斬り払いで、あっという間にボロボロ状態。 もう……勘弁してください。 ゼット『がぁっはぁああ……!!っ……ば、馬鹿な……っ!!     これがっ……これが人間の力だとでも言うのか……!?常軌を逸している……!』 ええほんと……キミじゃなくてもそう思うよ。 みさお  「ゼットくん!今回復───」 バルバトス「こォオオの軟弱者がぁあああっ!!!」 みさお  「ひきゃああああーーーーーっ!!!?《ばごしゃーーーん!!》」 ゼットを回復しようと思ったみさおさんが、斬空断でごしゃーと空に飛ばされていった。 ……高すぎてどこまで飛んだのか解らん。 由未絵「魔法がダメならアイテムで───」 総員 『ぎゃああああダメェエエエ!!!』  ゴシャァアアッキィインッ!!! やっちまったぁああっ!! 由未絵っちがアイテム使った途端、血管ムキムキ阿修羅の形相で疾駆したバル様が、 由未絵っち───ではなく、かばうを実行した閏璃の顔面を掴んで───!! バルバトス「ぅアイテムなぞぉおお……!!!」  ドッガァアアンッ!!! 閏璃 「げあっ……!!」 クレーターが出来るほど強く地面に叩き付け、 バルバトス「使ってんじゃァアッ───!!」 倒れた閏璃を地面ごと斧で空中へと吹き飛ばす!! バルバトス「ねぇえええええい!!!!」 さらに、もはや最初の叩き付けで気絶していた閏璃の体を、 跳躍とともに斬りつけてこれを斬滅!! ……余波だけで傍に居たやつら全員を道連れにして、バル様はズチャッと着地した。 岡田 「ダメなんだって!アイテムはダメ!     なにやってもいいけどアイテムだけはダメだ!     後退はダメ!魔法もダメ!防御はいいけど、しっぱなしの立ち往生はダメ!     戦わずに様子を伺うのもダメで背後を取るのもダメ!     命乞いもダメだし死んだフリなどもっての外!     特にバル様を弱体化させるとかアイテムを使うなんてことは断じて───」 リオナ「なっ───さ、先に言えぇえええーーーーーっ!!」 岡田 「エ?ア、アーーーーーッ!!!」 彰利 「ギャア馬鹿ァアアアーーーーーッ!!!!」 リオナ嬢が式を!弱体化の式をバル様に!!  ゴファァアッキィンッ!! バルバトス「もっと楽しもうぜェエ……!       この痛みをよぉおおおおおぅ!!!」 総員   『いやぁあああああああああああっ!!!!』 予想通りにヴァイオレントペインが発動! バルバトスの防御力が少し下がった! けど攻撃力が悪魔的に向上!!───しかも防御力低下効果が破壊された! ああもうなんてことしてくれるんやリオナっちぃいーーーーっ!! バルバトス「ぬぉおおおりやぁあああああぉおおおっ!!!」  ゴヴァアッシャアアッ!!  ズゴォッシャアアッ!!  ヂガヂガヂガヂガヂガァアアンッ!!!! 総員 『うぎゃあああああああああっ!!!!』 それからはもう大変だ。 目につくものへと片っ端から斧を振るうわぶちかますわ、 恐怖して逃げれば(当然だが)戦う資格はねぇと、その背中にチープエリミネイト。 巻き込まれたやつごと必殺しても足りず、コケたヤツにいつまで寝てんだとトランプル、 果敢に向かっていっても三連殺でツブされ、 四方から襲い掛かればポイゾニックヴォイドでブチコロがされ、 背後から奇襲しようとすれば俺の背後に立つんじゃねぇと地面に叩きつけられ、 こうなりゃもうヒットアンドウェイ作戦だと、 列になって順々に攻撃して抜ける、という方法を試みるも、 攻撃する前にジェノサイドブレイバーを放たれて一列丸々全員死亡。 精霊たちにヘルプミー!と叫んでみるが、 男が助けを求めるんじゃねぇええい!と叫ばれて、殺・魔神剣で吹き飛ばされたあとに、 ヘル・ヒート(炎をいっぱい飛ばしてきたアレ)で微塵にされた。 死んだらこれが夢だったことに気づけますよーに、とか思いながら塵になった。 だけど、目を覚ましても同じ風景に居る事実にジョナサンは泣いた。俺だけど。 岡田 「アクセラレイター!《コフィィンッ!!》     敵の防御力が高けりゃ高いほど威力が増す早撃ち!アキュートアングル!!」 そんな中、ヒュンッ!と軽い動作で剣を逆手に持つや、姿勢を低くして疾駆する岡田くん! 大地を這うように走り、バル様に肉迫すると、 地面を蹴って跳躍するみたいに逆手の剣を持ち上げて攻撃!! バル様は避けることも防御することすらもせずそれを受け───ブシャアッ!! 彰利 「オッ───!?」 ───血!血が出た! あの鋼の肉体に傷をガシィッ! 岡田 「あがぁっ!?」 うわぁ掴まった!! すぐに助けドグシャヂガンヂガンヂガァアンッ!!! ……無理。瞬殺だった。 だがなるほど……防御力を上回る攻撃にこだわるからいかんのだ。 岡田くんがやったように、 防御力が高ければ高いほどダメージがデカくなる攻撃を当てれば…… でもアタイの技にゃあそげなものはありません。 だがそげな事実はブレイクしよう。 我が攻撃は、敵の防御力が高ければ高いほど威力が増す! 俺の攻撃がヤツに効かないなんて事実を───破壊する!! 彰利 「おぉおおおりゃぁあああああああっ!!!」 竜の左手を解放! 右手からはアルファレイドを撃ちながら接近し、距離が零になる寸前に バルバトス「クゥウズがぁああっ!!!」 彰利   「え《ゾギャガヴァァン!!!》───げ、あ……!?」 乱暴に振るわれた斧が、俺を右肩から左腰まで両断。 何が起こったのか一瞬解ら バルバトス「くたばりやがれィ!!」  ドゴォオオンッ!!! ……ず、死んだ。 【ケース628:晦悠介/30の軍団を率いる伯爵どころか孤高のデストロイヤー】 チュヴォォオガガガォオオオオオン!!!!! 総員 『ぎぃいいいやぁああああっ!!!!』 仲間たちがジェノサイドブレイバーの波に飲まれながら消えてゆく。 復活した矢先なのでたまらない。 岡田が道を切り開いてくれたが、それだけじゃあ足りないのだ。 悠介 「穂岸!魔法防御が高いほどダメージ与える魔法とかはないのか!?」 遥一郎「そんなのがあったら既に使ってる!」 まったくだった。 あいつの分析能力は結構なものだ、 そんなものがあったなら岡田より先に使っていただろう。 遥一郎「シャドウエッジ!───消えろ!《ピキィンッ!》イーヴィルスフィアァッ!     ───まだだ!《カフィィンッ!》カースドファイア!     ───いくぞ!《コフィィインッ!》ブラッドバースト!     ───くらえ!《ゴコォッキィンッ!》デモンズランス!     ───消えうせろ!《ガギイィンッ!!》デモンズランス・ゼロ!!」 それでもあいつの連続魔法は見ていて惚れ惚れする。 一度魔法が発動すれば、それは止まらなくなるのだ。 無詠唱の初級中級魔法は尽きることなく放たれ続け、 主となる追加魔法は口で詠唱され、 それが終わるや先に炸裂して散っている属性のマナを利用してのチェーンスペル。 次第に威力が増していき、 接近戦が主なやつらは近づくことさえ出来ないレベルにまでそれは達する。 ……いや、達した、んだが─── バルバトス「軟弱すぎるわクズめらがァアアアッ!!!」  ルヴォァアアォオンッ!!! 総員 『ゲェエエーーーーーーーーッ!!!!』 振るわれた巨大斧が、それだけで放たれた魔法たちを斬り消しやがったのだ!! マナたちはまるで、煙が強い風に切られるように消し飛び、 その先のバルバトスを再び俺達の視界へと現れさせた。 ……できれば魔法の渦に埋もれたまま、二度と見たくなかった顔だった。 バルバトス「どォオいつもこいつもくだらん小細工をばかり使いやがってェエィ……!!       軟弱すぎて反吐が出るわぁあっ!!」 悠介   「お前が異常に強すぎるんだっ!!」 彰利   「オオヨその通りだこの野郎めが!!」 バルバトス「飽いたわァア……その身、我がディアボリックフォッグに捧げよォオゥ!」  コカァアアアアアアアッ!!!! 総員 『!?』 なにやら呟くや、巨大な斧に赤い光を溜めるバルバトス! こっ……これはもしや! バルバトス「一瞬で終わる。抗わんほうが身のためだ」 悠介   「抗うわぁああああっ!!!       抗わなきゃ一発で沈むんだろうがぁあっ!!」 みんなの行動は速かった。 今までのビクビクオドオドとした雰囲気などかなぐり捨てて、 みんなが命がけで(まあ文字通りだが)疾駆、全力攻撃を開始し、 消えてくれないどころかいよいよと溜まってゆく赤い光を前に涙さえ流し バルバトス「ワァーールドデストロイヤァアアーーーッ!!!」 総員   『うわぁあーーーっ!!フリーザ様あぁーーーっ!!』 彰利   「ヒィイ!ここここの攻撃が防御できないなんてウソウソウソォオーーーッ!!       デスティニーブレイカ《ガシャアアンッ!!》えぇえええーーーーーっ!!?       うぎゃああもう滅茶苦茶だぁああ!!       破壊した事象が破壊し返され───きあーーーーーっ!!」 ドガシャォオゥンッ!!! ヴォンガガガガォオオオオゥウウン!!! ……もはや無理だと逃げ出した時、俺達は巨大な爆発に飲み込まれて全滅した。 VITをマックスにしようが、それは叶わなかったのだ、しょうがない。  マキィンッ♪ 彰利 「うじゃああーーーーーっ!!悠介!これ悠介!もういいから世界創造しろ!     これじゃあ僕らはずっとコロがされるだけだ!!ずっとバルバトスのターンだ!!     だが俺達には秘策アリ!デストロイヤーの溜め中はヤツは動けん!     それを狙ってボコスカウォーズ!死ぬだろうけどこのままでは埒もなし!」 で、復活した途端に叫んだのは彰利。 それは確かに俺も考えたが───確かに策らしい策などなんにもないのだ。 だったら、男なら───やってやれだ! 悠介 「染まれ───染まれ染まれ染まれ染まれ!赤く緋く朱く紅く───!!」 イメージを膨らます。 言は最短に、しかしイメージは鮮明に、理を超え、己が理を割り込ませ、 超えし先の理にて在り方の壁をさらに超越する! 悠介 「“黄昏を抱く創造の世界(ラグナロク)”!!」 イメージを具現化し、今の俺が展開出来るギリギリの範囲の世界創造を完了する! それは、この草原のほんの一部を染める程度だったが、今はそれで十分だった。 彰利 「《カファァアンッ……!》オッ……来た来た来たぁああっ!!     ───リヴァっち!」 リヴァ「解っている!“LuminousDestory(至光にて万物を砕かん)───Fill agains Fill. Sword of SupremeRuler(満たし、更に満たせ。その意が覇王の剣と化するまで)”!」 世界が魔力諸力などの力に満ちた直後、リヴァイアがエクスカリバーの詠唱を始め、 かつて蒼竜王マグナスと戦った時のように両手に極光を込める! 当然他のやつらも溢れる魔力に気づいて詠唱を始め、それぞれが最高の一撃を狙う!  そして。これも当然といえば当然なんだが。 バルバトス「一発で沈めてやるよォオ……!!コカァアアアアアッ!!!》」 総員   『キャーーーーッ!!?』 やっぱり発動するジェノサイドカウンター! 俺達の指揮は一気に上がり、それぞれが断末魔にも似た絶叫を上げて襲い掛かる! リヴァ「エェクスッ───カリバァアアアーーーーーッ!!!」 まず初撃!リヴァイアがエクスカリバーを放ち、力を溜めているバルバトスへと攻撃! それを追って疾駆するほぼ全員が全力の攻撃を連ね、 魔法使いは爆発系ではない大魔法などを使って攻撃する。 爆発系では味方まで巻き込んでしまうからだ。 だがそんな中でも、一際集中して大魔法でのチェーンスペルを実行するヤツが! 麻衣香「メテオスウォーム!───さらに!《ピキィーン!》」 味方に被害が出ないよう、メテオをバラバラに落とすのではなく、 確実にバルバトスに落ちるよう魔力を調整する綾瀬。 ゼットも最早手段は選ばんと、黒竜王化&全力極光レーザーを発射! もはや本体の中井出のことなんざ知ったことではない的なことになってないか!? そうは思ってももはや遅い!バルバトスの体はレーザーに飲まれ、 さらにそこに綾瀬の大魔法が次々と降り、他のやつらの全力奥義さえもが襲い掛かる! 声  「覚悟は出来たかァア……!?」 総員 『───っ!?』 ……だから。 反撃なんか出来っこないだろって状況と轟音の中、 その声だけがひどくハッキリ聞こえた時は、背筋が凍った。  キュヴォアゴヴァシャォゥンッ!!! そして、全てが吹き飛ぶ。 奥義も、古代魔法も、綾瀬のビッグバンも、ゼットのレーザーも。 なにもかもが世界ごと破壊され─── 見れば、ダメージは4億を超え4億!? ……無理だ、こりゃVITだとかステータスとか防具だとかの次元超えてる。 さすが世界破壊の一撃……マキュリィン♪ 悠介 「………」 などと絶望しても、逃れられずにやってくる現実。 復活してみれば、ためらいもせずこちらへ激走してくるバルバトスが!! ああっ!帰りたい!今すごくなにもかも投げ出して帰りたいなぁ俺っ!! バルバトス「ぶるぁああああああああっ!!!」 総員   『だぁああ帰りてぇえええええっ!!!!』 そしてみんなも同じ気持ちだった。 ヘンだなぁ……俺、書物を奪還しに来ただけだった筈なのになぁ……。 悠介 「ええいなるようになりやがれぇえっ!!(ヤケクソ)     破壊音波が出ます!弾けろぉおっ!!」 彰利が、こいつは音に弱いと言ってたことを思い出しての創造! 放たれた超音波は見えない波動砲となり、 草原を抉るほどの威力を以ってゾバァーーーンッ!! 悠介 「ギャアーーーーーーッ!!!」 無視して突っ込んできてブッ叩斬られた。 俺の体は軽く空へ浮き、落ちるより先に振るわれた斧で バルバトス「くたばりやがれィ!!」  ガヴォォッチャァッ!! ……死んだ。 でも気づけば同じ草原に立っており、視界の先では血が飛ぶ肉が飛ぶ。 ああ……いつ終わるんだろうな、この悪夢は。 彰利 「ダークネスフロント!バル様を蝕め!     そんでもって《どっかぁーーーん!!》ギョォオオアァアーーーーーーッ!!!」 細かい作戦に出ようとした彰利が、ぶちかまされて空をゆく。 地面と平行に素っ飛んで、隠れて回復魔法を詠唱していた穂岸と衝突。 それによって隠れ詠唱が発覚した穂岸ごと、軟弱者扱いされてジェノサイドブレイバー。 少なくとも彰利は正面からいったのにな……。 赤黒の波動が消える頃には、彼らは塵になっていた。 が、その最中、岡田が再び疾駆! 岡田 「AGIマックス!スピードファング!!」 彰利 「《シャランラァ♪》───おお!やっちまえ岡田くん!」 AGIがあればあるほど威力が増す早撃ちを引っさげ、横から攻める! バルバトス「ぬぉおおうりやぁああぉおっ!!!」 が、やはりそこは知ったことじゃねぇ!といった風情で斧を振りかぶるバルバトス! やばい!あれはもう攻撃受けようが真っ向から潰す気だ!ってほんと漢らしいなおい!! しかしそうくると判断してか、復活したばかりの彰利が月空力を発動! 岡田を転移させ、斧を振り下ろした彼の背後に転移させる! 岡田 「うわっと!?」 だが岡田自体はそんな作戦なんて知りもしないし、 そもそも作戦自体も立てていなかったためか動揺。 攻撃の手が遅れ、 バルバトス「俺の背後にィイ……立つんじゃねぇええいっ!!!!」  ガシゴグチャアッ!!! バックスナイパーであっさりキャッチ、地面に容赦なく叩きつけられ昇天した。 総員   『ざわ……』 バルバトス「縮こまってんじゃねぇえええええええい!!!!」 総員   『誰か助けてぇえええええええっ!!!!』 もう、この戦いが終わってくれるならそれでよかった。 守護流と戦えっていうなら戦おう。刻震竜と戦えっていうなら戦おう。 それくらい、戦っても戦ってもビクともしない敵を前に、俺達はもう涙寸前だった。 ていうか彰利はもう泣いてる。 夜華 「紅葉刀閃流、嵐華の極み!“穿紅鱗・殺華(せんこうりん・さっか)”!!」 そんな中でもやはり攻撃はやめない。 戦わなければ終わらないということは全員が解っているからだ。 バルバトス「うらぁぉぅ!!」 夜華   「《バガドゴォッ!!》けぶわぁっ!!?」 しかし残像が残るほどの速度で、風とともに疾駆した篠瀬を拳骨で叩き潰す彼は何者だ。 拳一つで真正面からあっさり潰された最終奥義がいっそ哀れで仕方ない。 しかもバウンドした体をイビルチャージでぶちかまされ、 弦月屋敷の壁へと突っ込んでゆく篠瀬。 RX 『ぶぶぶぶぶ武器に頼るからいけないんだ!そ、そう!いっそ体術!     投げ技とかで地面に叩きつければ!!!くらえ一本背負いおぉおりゃあっ!!』 そこへ、ぶちかましののちの硬直時間を狙って、 バルバトスの片手を掴んで一本背負いに入るライダー清水!! が─── RX (岩ッ……!まるで、地面にどっしり根付いた大樹を相手にしているような……!) もちろん全力で投げようとしたんだろうが、 腕がピンと伸びることはもちろん、相手が微動することもなくゴシャアッ! ……地面に叩き潰されてからトランプルのセットであっさり昇天した。 投げも通用しない相手を前に、みんなの体に走る戦慄。 藤堂 「う、うう……うううう!!うわぁあーーーん!!ママァーーーーーン!!」 凍弥 「くおぉおあぁああっ!!」 だがもはや退けぬ! 俺達はやぶれやぶれの修羅となり、 寝ても覚めても決死のバトルへといつまでもいつまでも走り続けたのだった─── ───……。 なんて風に終わってくれる筈もなく。 バルバトス「貴様に朝日は拝ませねぇえええい!!」  ゴヴァシャォオオッ!!! 総員 『ぎゃああああああっ!!!』 突っ込んだ先から全員が中空に吹き飛ばされ、 落ちたところにバカみたいにデカい魔神剣を放たれて一方の軍勢の大半が死亡。 空中で体勢を立て直せるヤツ(空を受けるやつだな)は、 すぐに身を捻って攻撃に移ろうとしたんだが、 なにを思ったのかバルバトスは地面に斧を突き刺しガヴォオンッ!! 空組 『キャーーーッ!!?』 突き刺した斧ごと地面を掘り返すと、 斧に突き刺さっていた巨大な岩を片手でブン投げてきたのだ!! 田辺 『ちょちょちょちょっと待ドゴバァン!げひゅっ───』 喩えるならばまるで、空へと昇るメテオ。 突然のことに回避することも出来ず、 直撃をくらった田辺は粉砕骨折したかのようにぐしゃりと大地に落ち、やがて消滅。 そうしてるうちにも突っ込んだ一方のやつらも、 攻撃を当てるが怯まない敵を前に バルバトス「骨まで砕けろォオゥ!!」  ギョヴァァッフィィンッ!!! 声  『ぎゃあああああああ!!!』 技だけでなく通常の攻撃も必殺に近い威力を持つ彼の撃が、 攻撃する者も防御する者も関係なくなぎ払い、滅ぼしてゆく。 強いなぁ……本当に強いってこういうことなんだろうかなぁ……。 もう敵であること無視してでもその強さを敬いたくなるよ。 しかし倒さない限りは終わらないのであれば、やはり戦うしかない。 ダメージはほぼ彰利とゼットと岡田が与えてくれている。 言っちゃなんだが、魔法や魔術や式の類のダメージは僅かなものだ。 何故って、“調べる”で見た彼のステータスは、魔法防御が尋常ではなかったのだ。 もう、INTとかMNDとかをマックスにしてどうこうできるレベルじゃない。 それは防御力にしたってそうなんだが、彰利の既存破壊や岡田のガードブレイク効果、 ゼットの破壊力などで、少しずつだが確実にヤツのHPは減っている。 減っているんだが、 バルバトス「余裕かましてんじゃねぇええい!!」  ボゴゴガガガガガォオオン!!! 総員 『ぎえぇええええええっ!!!』 HPが減れば減るほど手強くなっていき、 今やジェノサイドブレイバーもヘル・ヒートも、 ワールドデストロイヤーさえも好き勝手に使ってきている。 お陰で作戦を立てる時間さえもらえず、 復活したら襲い掛かることくらいしか俺達には出来なかった。 悠介 「く、くそっ!亜神器“天地創造”!!」 こう何度も圧倒的な力で潰されると、いい加減心が折れかかるが─── そう!諦めない!それが俺達に出来る唯一の戦い方だ! 体に馴染んだばかりの神の回路から神器を引き出して小さな世界を創造! 広がるちから全てを雷神槍剣ヴィジャヤの輝きとし、 合成したラグのメガレールカノンで強化しつつ射出!! バルバトス「ブチ殺す!ジェノサイドブレイバァアーーーーーーッ!!!」 悠介   「へっ!?いやちょ、待キャァアアアアッ!!!」 女みたいな悲鳴とともに、俺は輝きの赤さに飲まれて消滅した。 ……まあその、メガレールカノンとともに。 でも一分かからずバトル再開状況に、ここはどんな無間地獄だろうかと泣きたくなった。 飯田   「もういい!もーーういい!使うぞ!俺はもう使うぞアイテムを!       使わなきゃやってられっかぁあーーーーっ!!」 バルバトス「戦ッ闘ッ中ゥウにグミ使うゥウッ───       悪い子はいねがぁあああーーーーーーーっ!!!」 飯田   「ほぎゃあああああああーーーーーっ!!!」 様々な攻撃の余波でボロボロだった飯田がグミを噛んだ途端、 グミ嫌いな超英雄が怒号とともに襲い掛かる! ぶちかまされ、殴り倒され、蹴り上げられて叩き落されて斬り上げられて踏みつけられて、 斬り払われて殴り飛ばされてジェノサイドブレイバー。 決死の覚悟でグミを噛んだ彼は、回復する前に今までで一番惨たらしい殺され方をした。 バルバトス「笑止!己の命をグミに預けるなどォ……!!       ヘソが灼熱の茶を沸かすわァアアッ!!」 悠介   「ヘソが!?」 バルバトス「男たるものォ!漢たるものォオ!!(おとこ)たるものォオオオゥ!!       力への渇望を命とするべしィイイイッ!!       力への渇望!力へ預ける命こそが漢の生き様よぉお!!       それが出来ぬヤツなどォオ───男じゃねぇえええええええいいぃ!!!!」 悠介   「うわぁあお前もう滅茶苦茶だぁああっ!!!───彰利!       滅茶苦茶なのに実力が伴ってるのが物凄く悔しいんだが!?       たった一人なのになんなんだよこの強さは!! 彰利   「誰の力も借りず、テイルズ界を行き来する伝説のヒューマン!       かつてディムロスと互角の実力を持っていたとか言うけど絶対ウソ!       ディムロスより確実に強いって!       ソーディアン研究所で戦うディムロス、こんなに強くないもん!       比べるだけ失礼なくらい滅茶苦茶強いんだもん!」 バルバトス「余裕かましてんじゃねぇえええええい!!!!」 悠介&彰利『話ぐらいさせろぉおおおおっ!!!       ギャァアアアアアアアッ!!!!』 二人仲良くヘルヒートの餌食となって死亡。 無数に飛んでくる灼闇の矢が俺達を射抜きまくり、 避けようとしてもしっかりホーミングしてきて、 結局一発たりとも避けることが出来ずに死亡。 ああ、もう……本当に帰りたい……と思うのに、やっぱりバトル再開。 だって逃げられないんだからどうしようもない。 相手が魔王でもないのに逃げられない事実に、 彰利が“軽くバーン様に悪態をつきたくなった”と呟いていた。 バーン様もいい迷惑だろう。 岡田 「アクセラレイター発動!ブレイブハート・セット!AGIマックス!     いくぜ連撃系最強早撃ち!レイザーシルエット!!」 けど猛者どもは案外やる気だ。 もはや死んでも生き返るのであれば、やり続けるしかないと括ったのだろう。 岡田が放つ閃く光の連撃が、まるで超速連続射出されるレーザーのごとく、 地面に影を、虚空に光を残して放たれまくる!! 最初はカン、カン、カン、という程度の攻撃はやがてカンカンカンと間を取らなくなり、 やがては豪雨が如くバルバトスへと襲い掛かる───!! スピードファングと同じく、AGIさえ高ければ威力も向上する攻撃らしく、 速度、威力ともに異常なほどのものだった。 しかもダンシングソードを解放しない分、 エースインザフォールのように手間はかからず速い。 通常の敵が相手ならば、反撃さえ出来ないままに終わるだろう。 現に、あのバルバトスでさえ前に進もうにも連撃の雨に妨害され─── 彰利 「───!?崩した!?」 そう。 鉄壁の守りというべきか、 非常に厄介であった常時ハイパーアーマー状態を崩してみせたのだ。 それに気づいた者は一気に畳み掛けんと疾駆! 当然俺も疾駆しゴヴァッシャァアアアッ!!! 総員 『オギャアアアアアアアアアッ!!!!』 ジェノサイドブレイバーを放つ斧を横薙ぎに振るわれ、広範囲にブチ殺された。 ああ……崩したと思ったら、構えてただけだったのね……。 バルバトス「ふはははははっ……おめでたいやつらだァ……!!」 まったくだった。 今の一撃で岡田も早撃ちごと滅されたようだ───つくづくバケモノである。 なんて思っててもやっぱり再開の虐殺バトル。 もう総勢総合で何回殺されたんだろうか。 百や二百じゃ利かない気がする。 バルバトス「つくづく懲りぬやァアつらだァ……死ぬのが趣味かァ?       殺されるのも飽きたろォゥ……!」 彰利   「好きで殺されてるんじゃねィェエーーーーーッ!!!!」 その通りなんだが、悔しいことに実力が伴わない。 かといって逃げるわけにも……いけばよかったんだが、いかず。 覚悟を持って真正面からぶつかってゆく! 悠介 「ハァアッ───はっ!ふっ!せいっ!」 彰利 「はぁっ!つっ───だぁありゃぁああっ!!」 彰利と同時に撃を連ね、とにかく急所を穿たんとする! けど、確かにラグは皮膚に当たっているのに血すら皮膚すら切れないのは、 一体全体どういう防御力のたまものなんだろうか!? ゼット『ルゥウウォオオオオオッ!!!』 焦りが心を蝕もうとする中で、復活したゼットが参戦! 右手では斧を、左手は半竜化させてバルバトスを殴りつける! 攻撃の間隙には極光レーザーを放ち、それこそ隙なく攻撃を続ける! その間、バルバトスは紳士の立ち居振る舞いで俺達の攻撃を甘んじて受け、 それが少し続いた頃─── バルバトス「ふっふっふっふっふ───ぶるぁああっはっはっはっはっはぁああっ!!!       こそばゆいわァ!ムゥウウシケラがぁああああああっ!!!」  ドボォッ!!ゾガァンッ!!  ゴヴァシャォオンッ!!! 悠介 「ぶげぁあっ!!」 彰利 「アギゥッ!?」 ゼット『ぐあぁあああああああっ!!!!』 笑いとともに、順番に繰り出されたボディブロー、振り下ろし、 ジェノサイドブレイバーが俺と彰利とゼットを5秒かからず撃沈。 ゼットは灼闇の波動に飲まれて微塵と砕け、彰利は顔面を砕かれ絶叫。 俺は腹に埋まった拳の重さに胃の中のものをブチ撒け、 身を負った途端に膝で蹴り上げられ───たと思った直後に斧で叩き落され……! 悠介 「が、はぁっ───くっ!」  ゴロヂガァォンッ!! 落とされた直後に、痛む体を捻ってトランプルを避ける。 が、立ち上がるまでには至れない。 悠介 (っ……視界が揺れる……!) いや、揺れるどころじゃない。 何重にもダブって見えるくらいにハッキリしない。 その所為か立ち上がれず、這い蹲るような姿で息を荒くする。 ゆっくりと近づいてくる青が、いやに気持ち悪い。 ああ、懲りずにまた殺される───そう、思った時だ。 藍田 「悪魔風脚───画竜点睛ショットォッ!!」 俺の横をタントントンッ───となにかが回転してゆき、直後にその声。 通り過ぎただけで感じるほどの熱が叩き込まれ、微かに焦げるような匂いがする。 藍田 「っ───かってぇええーーーーーっ!!いてっ!痛ぇよこれ!!」 が、蹴りこんだ筈の本人が足の痛みを訴える始末。 けどその攻撃を切欠代わりに、 一旦俺と彰利とゼットの攻撃を見守っていたやつらが突撃をかける。 ダメージがたとえ1だったとしても、 50人でかかれば50になるのだと言い聞かせるような風情だ。 それが連撃ともなれば、ダメージは100や200へと軽く至る。 もちろんご丁寧に1ずつ与えているわけじゃないから、そのダメージも相当なものだ。 ───が、問題があるとすればヤツのHP。 いい加減相手もピンチにはなってくれているんだが、それでも尽きないステキな体力。 しかも今俺達が居るのは現実世界だ。 死んでも生き返れるのはありがたいが、疲労だけはどうにもならない。 復活したところでぜぇぜぇと荒れる呼吸は治まらず、 そんな状態で繰り出す攻撃が、高威力をたたき出してくれる筈もない。 バルバトス「八つ裂きだァ!!粉砕だァアア!!       くぅうたばりやァアがれェエエエイィイッ!!」 疲労を知らないグミ嫌いの超英雄に、ばったばったと吹き飛ばされるわ切られるわ! 一分以内で味方が死ななかったことがないというほど、現在の状況は恐ろしかった。 朝から始めたこの戦いも、じきに頭上に登らんとする太陽が昼を告げようとしている。 つまりそれだけ長い間戦ってたっていうのに、 敵一人倒せないってわけでア゙ァアアアーーーーーッ!!! バルバトス「微ィイイ塵に砕けろォオオッ!!!」  ガォオオオオオンッ!!!! 悠介 「ギョォオオオアァアアアッ!!!」 どれだけ粘っても、隙を見せればジェノサイド。 その恐ろしいバトルワールドで、俺達の心はかなり疲弊しきっていた。 彰利 「やっ……も〜ぉいやっ……!心が折れる……!     お、俺何回死んだっけ……?アルェ……769回から思い出せないや……」 永田 「フフフ……俺なんか1201回だ……」 彰利 「な、なにぃ、だったら俺は多分1202回……」 一言で言うと、殺されすぎてみんな目が死んでる。 今や死んでもその場で即座に生き返るという場が用意されていて、 たとえばジェノサイドブレイバーに巻き込まれて死んだとしても、 その場で生き返るもんだからまた死んで生き返ってまた死んで……。 そんな状況になってくると、みんな死んだ回数を無駄に競うようになってきた。 だが、 総員 『諦めない!それが俺達に出来る唯一の戦い方なんだよ!!』 忘れるものか原ソウル!! 目が死んでいようとも、あと少しで倒せるという事実が俺達を突き動かす! 悠介 「紅蓮に染まれ!“黄昏を抱く創造の世界(ラグナロク)”!!」 純粋な創造にて世界を創造! みんなに夢と勇気を与える気休めの場を作り、 だがそれだけで今の俺達は心に勇気を持てた。 ……通常の状態が既に絶望抱いてるような状況だしな。 バルバトス「一発で沈めてやるよォオ……!!カフィィイインッ!!》」 リヴァ  「うわぁあああ!!死ね死ね死ね死ね死んでくれぇええええっ!!!」 澄音   「カリバーカリバーカリバァアーーーーーッ!!!」 普段冷静なヤツも、こうなってしまうとタガが外れるらしい。 リヴァイアと蒼木は狂ったようにエクスカリバーを撃ち、 穂岸はデュアル・ザ・サンからの連続魔法を繋ぎまくり、 彰利は竜の手からフルブレイクの連発、ゼットは魔竜王化してレーザーを放ちまくり─── ともかく今まさにこれを最後にさせてくださいとばかりに攻撃を連ねる連ねる連ねる!! 息が苦しい!?それがどうした!やらなきゃならない時があるんだよ男にも女にも! もう嫌だ!ほんともう嫌だ! 他のヤツとなら戦うからもうほんと負けてくれ!一生のお願いだ! バルバトス「覚悟は出来たかァア……!?       ワールドデストロイヤァアアッ!!」  ギヴォシャォゥンッ!!!  ヴォンガガガガガォオオオオオオンッ!!! ……でもやっぱり死ぬのだった。 ───って……! 総員 『うぎゃぁああだだだいがだだだぁあああっ!!!     いででいだだだぁあああああああっ!!!     死ぬ死ぬ死んで死───死にきれねぇえええっ!!!』 今更ながらにやっちまったと大後悔……! 死んですぐ蘇るってことは、 このワールドデストロイヤー地獄で4億ダメージ分を死に続けるってことで───!! 彰利 「いがぁああああだだだうがだだだウギャア助けてデスティニ《ガシャァアアン!》     ゴヘェエ!!?一瞬すら事象破壊できねぇええーーーーーーっ!!!」 さよなら平穏、そしてようこそ、4億分もの有限地獄。 真っ赤な景色に飲まれながら、切り刻まれる体が破壊されては治されを繰り返し、 なんかもう痛覚が麻痺して───くれたらよかったのになぁ……。 なんてことを考えながら、俺達はそうやって地獄を見続けたのだった。 バルバトス「貴様らはァ……俺の最高のオモチャだったぜェ……?」 そんな赤の中、バルバトスの姿が炎の渦に飲み込まれたのちに中井出の姿に戻った。 どうやら退屈凌ぎにはなったらしい……それともほとほと飽きて、戻ったのか。 なんにせよ……終わってくれぇえええええーーーーーっ!!! なんにせよ終わった、って締めくくらせてくれぇえええーーーーーーーっ!!! 悠介 「ぐわぁあああああがががうがぁあああああっ!!!!」 彰利 「イギギャァアアアアアーーーーーーッ!!!     あがっ……が、あがぁああああああああああっ!!!アッ───アァーーーッ!!     な、中井出がデストロイヤーの渦に飲み込まれたァアーーーーッ!!!」 岡田 「おお!死んでる死んでる!     死にまくってぐぉおぎゃぁあああああああっ!!!!」 藍田 「ざまぁみろこのクズが!!───ぎゃああああっ!!!」 こんなヘルバトルが始まってしまった原因である中井出に、 それぞれがぶつけどころのない罵倒をぶつける。 だがしかしやっぱりワールドデストロイヤーに飲み込まれていることには変わりなく。 俺達と、ようやく気づき、突然の激痛に死にまくる中井出は、 やっぱり4億分のダメージを受け続けるまで耐え続けるしかなかった。 ……草原から出ればなんとかなるのではと考えたが、 タイミングが悪いと永久に死ぬことになる事実を恐れた故の、断命の決断だった。 神様……あいつに挑んだ俺達は、その時点でバカだったんでしょうか……。 Next Menu back