───冒険の書256/初心者修練場バトル(藤原再)───
【ケース662:弦月彰利/ブラックロータスワンツースリービクトリーラーメンマン】 彰利 「本当はスリーツーワンビクトリーなんだぜ?」 閏璃 「ビリー教官だな?」 彰利 「……キミ、ほんと無駄知識には頭回るよね」 閏璃 「任せろ」 Ja、お空が蒼いぜ夏真っ盛り。 どっちかっつーと終わろうとしてるけど、気にしない方向でGO。 中井出との壮絶バトルののち、神父にブッコロがされたアタイは、 壊れた筈なのに復活してた教会から抜け出し、 通りすがったベナウィさんを引ッ捕まえて現在に至りました。 彰利 「ほいで?キミってばあげなところでなにしとったの?」 閏璃 「アルベルト氏に昼討ちをかけようとしてた」 彰利 「それは素晴らしい。で、理由は?」 閏璃 「や、実はアルベルト氏とは知らん仲ではないのだ。     ヤツ、とある学円の校長やってて、鷹志繋がりで知ってる」 彰利 「ミホーク繋がりで?」 閏璃 「棒人間どもに……じゃないな、ジークンに訊いてみるといいぞ?     少なくともジークンとシークンとポッポッポとは面識がある筈だ」 彰利 「…………ミホークが?」 閏璃 「鷹志とアルベルト氏だ」 彰利 「………」 どういう関係なんデショ。 閏璃 「アルベルト校長殿はとある場所に望月学円という場所を作った。     もちろん地界に。棒人間どもの学校として、まあ、なんだ。     ジークンがディメンションフォース使えるのは知ってるよな?     その能力が暴走した時があったらしくて、     一時的に棒人間どもが地界に現れた時代があった。俺達が大学の時の話だ。     それに逸早く気づいたのが……じゃないな、遭遇したのがアルベルト氏。     帰る方法が見つかるまで閉じ込めておこうってことで、望月学円の完成だ。     ……ちなみに、アルベルト氏は地界で星崎想次郎という名で生活をしている」 彰利 「なにやっとんのあの人」 閏璃 「や、家族も居るんだって。妻一人子二人。     息子が星崎帝、娘が星崎砂奈絵、妻が星崎麗。こっちは地界名だな。     天界名だと息子がエミリオ=エル=ディオライツ、     娘がシンシア=ティル=ディオライツ、     妻がレミリア=リル=ディオライツ。     ちなみに結婚する前の名前はレミリア=リートレイス」 彰利 「……なしてそげなことまで知っとるの?」 閏璃 「ああ、それならアルベルト氏に訊いたからだ。     ヤツはなかなかのファミコンでな、     家族のことを訊けばほぼなんでも話してくれるぞ」 ファミコンって……ファミリーコンプレックス? 家族に対して異常なまでに愛情を注いでいるとでも……いうのだろうか。 閏璃 「ちなみにレミリアさん、生まれは天界だけど、     とある理由によりかなりの時間を空界のアントエンハンスで過ごしたらしい」 彰利 「ま〜たややこしそうな話になってきたねぇ……」 閏璃 「……全部聞くか?長いぞ?」 彰利 「───よし聞いてやろう」 閏璃 「よしきた!聞くがいい!     これが俺がアルベルト氏に無理矢理話されまくった歴史の数々だ!」 彰利 「あ……聞きたくて聞いたわけじゃねーのね」 閏璃 「好奇心が裏目に出た」 つまり、ちょっと聞くつもりが、夢中になった相手に捕まって逃げられなくなったと。 ……そりゃ、ご愁傷様。
【些細な歴史のお話】 かつて、神がおりました。 神っていってもあの神々しいまでの神様だとか、神界に住む一般的な神だとか、 ネコミミ幼女が好きな集中線だらけの神だとか、神オムツの似合うあいつではなく。 遥か昔、空界を融合させたスピリットオブノートが辿り着いた太古の神界の話。 神界の歴史に記されてない……いや、記す必要もなかった過去。 創造神ソードのみが今も記憶に宿しているだけの、数人の神の話。 ───昔々のこと。 人の意思を司る神と呼ばれ、世界の均衡を保つべく生まれた存在があった。 即ち、理想を望む感情のために理想神アレス。 希望を持ち夢を持つ感情のために希望神ウィル。 相手を慈しむための感情に慈愛神アンテフィルト。 騒ぎ楽しむことを望む者のために暴騒神ナルタイト。 それを沈め、なだめるために静沈神アーテム。 そんな人々が生きるためのサイクルを保つために、時操神ティムデリス。 運動を、体を動かすことで世界を広げられるように、閃足神アルファフィロイセ、 広がりすぎれば争い、パンクしてしまわないためにも斬聖神アルハザードを。 作ったものを作りっぱなしにしないために破壊神アンスウェラーを。 腐った世の中、腐った気分、腐った空間という世界を破壊するために破界神バルバロッサ。 欲望に、夢に、恋に、様々なものに狂うことが出来るように狂神グランベルグ。 そして、それら全てにどうしてもついて回る感情を悪と唱え、魔王カオスエグゼプターを。 そこに降り立った創造神ソードを加え、13名の神と呼べる者がその時代には居た。 神たちはまず世界を広げるため、それぞれの持てる力を合わせ、奇跡を作った。 世界を広げるといっても、それは既に存在する天地空間を広げるという意味ではなく、 それより生まれる“空界”という世界を作るためでもあった。 作られた“奇跡”を基盤に空界は精製され、そこには様々な生命が誕生する。 まず創られたものは“世界の王”、精霊王スピリットオブノート。 そして、創造神ソードの提案により必要となるであろう、 火や水や風や地などの属性からなる13の精霊を創造。 空界に雷や氷などといった自然現象を齎し、 そこに生き物を放つことで世界を完成させた。 アルマデル、と名づけられた世界がソレだ。 次に“奇跡”は表裏で言えば裏、狭界を作り、そこに根源精霊オリジンを創造。 巨人と竜族を放ち、世界の行く末を眺めた。 担当が破壊神や魔王側の神だったためもあってか、暗い世界に仕上がったが。 それでも空界にマナを、狭界に癒しを置くことで、表裏の世界は静かな時を保っていた。 だがそこに一つの疑問が沸く。 ……あの小さな動物は、誰が作ったものなのか、と。 いつの間にか居た猫は、記憶を読み取ろうにも記憶が無く、 過去を知ろうにも過去がまるで見えなかった。  時を忘れた猫。 その猫はそう呼ばれるようになり、過去も知識もないままに、 しかしどんな年月が経とうと、被害に遭おうと、老いることも死ぬこともなかった。 当然異常でしかないと思われたが、その猫がなにか行動を起こすことはなく、 ただただひたすらに、ボゥとして時を過ごしていた。 何年何百年、そして何千年も。 “奇跡”は次に広がり始め、知識を得てきた“人”になりたいと思うようになった。 創り、眺めるうちに感情というものが芽生えてきたのだ。 奇跡自体なのだ、かなえるだけではなく、 ソレ自体にも感情が沸く奇跡があれども不思議はない。 神たちはやがて自分たちの足で、意思で歩いてゆく世界を見て、満足してゆく。 だから、残された“奇跡”も自分で考え、自分で動くことを許可された。 “奇跡”は“人”になってみた。 人になり、様々な世界を周り、主たちが、または自分が作った世界を見て回る。 空界を周れば地界へ、地界を周れば冥界へ、冥界を周れば天界へ。 いろいろな人々や世界と触れ合ってゆくうちに、 “奇跡”が持つ感情はより確かなものとなり、 自分が奇跡であることさえも忘れるほどの感情の渦に飲まれる頃、 彼はもう“奇跡”自体に戻れなくなっていた。 ───それは。 天界で一人の女性に恋をした頃に起きたことだった。 ランティスの名を持つ女性は、 感情は豊かだがあまり物事を深く知らない男性に様々なことを教えてゆく。 そうした中で二人は恋仲となり、やがて結ばれ子を宿し─── それから、生まれてくる子には不思議な力が宿ることとなる。 名を、奇跡の魔法。 ランティスの直径、または枝分かれした家系、ルイードやレインハートに流れ、 男性の血を色濃く継いだ者は奇跡の子として、世を生きることとなった。 だが混ざった血では完全な奇跡など起こせる筈もなく。 起こすためには己を代償にする必要があったのだ。 奇跡の果てに消えた者がどうなるのか───それを知る者は居ない。 故になにもかもを忘れ、別の何かになるのだと───そう仮説を立てるしかなかった。 なにかになる、というのはせめてその者が生きた証があればという、小さな希望だった。 ……ある日、男性の息子が消滅した。 母にはそれが何故だか解らない。 だが父である男性には……奇跡であった彼には、その理由が解った。 故に、己が何者なのか、息子がどうなってしまったのかを妻に始めて話す。 妻は泣いたが、せめて残った娘だけでもと、“奇跡の魔法”の発生条件をきつく説き、 娘には使わないようにときつく命じた。 もちろん好き好んで消滅したいと思う者などおらず、 奇跡の魔法はやがて、その効力を薄めていった。 時折に生まれる“奇跡の適合者”を除いて、発生することもなくなったのだ。 ───時は流れる。 人の軌道のためにと創られた神たちはそのいずれもが短命のままに命を断ち、 未来などは世界に生きている生命が勝手に創っていくものだと言い残し、消滅する。 残されたものは力の素のみで、一人残された創造神ソードは、 それらの力を“奇跡”が落ち着いた天界に納め、それを管理する者を天大神と名づける。 だがその頃から、天界で生まれる者たちには、 それぞれの神の力に似通った能力が生まれるようになる。 天界人たちはそれを“加護”と呼び、 法力パターンで共通するものがある場合には“〜〜〜神の加護”と名づけることを決める。 神側の加護は天界人たちに好まれ、 それを持って産まれた者は神に祝福されているのだと信じて疑われなかった。 だが逆に、魔王や破壊神側の力を持って産まれた子は不吉な子として嫌われ、 捨てる者も少なくはなかった。 だがどれだけの年が過ぎても、 どれだけの破壊神や狂神のパターンを持つ子供が生まれようとも、 一度として“魔王”のパターンが出る子は生まれてこなかった。  ……ただ一人、ゼロ=クロフィックスを除いて。 天界人と空界人の間に産まれた存在。 悪魔の子だ、魔王の子だと言われ、産まれたことさえ祝福されなかった子供は、 虚無の象徴“ゼロ”と名づけられた。 奇跡の魔法と慈愛の加護を手に生まれた者は、 大いなる祝福のもとに迎えられるというのに。 彼は産まれ、捨てられる意味も解らないうちに捨てられた。 母の方は捨てることを拒否したが、天界人である父はそれを許可しようとはしなかった。 だがそれに手を差し伸べ、育てたのがのちの天大神、 チャリス=ジェス=ディオライツだった。 既に子も居るチェリスは、我が子アルベルトと彼を兄弟のように育て、 分け隔てのない愛情を注ぎ、育てていった。 だがゼロの中に眠る魔王の力は、彼が成長する毎に強大になり、 やがてコントロールが利かなくなる。 それを予見したゼロは、双眼に力を集中させたのちにこれを刳り貫き、 魔力や法力は義父であるチャリスに預け、 かねてより自分の存在のことで父親に迷惑を掛け通しだったことを気にして、 空界に姿を消したきり、二度と戻ってはこなかった。 その直後、好機とでもいうかのように天大神就任の儀式がなされ、 チャリス=ジェス=ディオライツが天大神に襲名。 まるでゼロという異物があったために認められなかった、 とでもいうように、彼はその座についた。 故に、その歴史を知る者は上の者だけで、 ほぼ誰もが、アルベルトとゼロが兄弟のように育ったことも、 ゼロが天大神の下で育ったことも知らない。 ……そのしばし後、天界を襲う存在があった。 喩えるならば激しい恨み。 赤い魂の塊のような物体は天界を襲い、人々を……特に、上層の者を殺していった。 一対の赤い閃光は唸りを挙げて人を殺し、狂気に打ち震えていた。 だがそれを止める金色の光あり。 グラム=クローディアと名乗る天界の守護者は、赤の塊をツブし、 今はもう祈りに来る者も居ない朽ち掛けた教会へと叩きつける。 するとどうだろう、赤の光は剥がれ、その下からは二人の男性が現れるではないか。 男は自らをレイル=ベルナードと名乗り、もう一人はレインとだけ名乗った。 聞けば空界にてリヴァイアという、 ゼロの異父姉妹によって製造された魂の固まりのようなもの─── 人造霊魂だそうではないか。 人の手によって造られた、という意味であって機械ではないが、 その者の力は確かに魔王カオスエグゼプターに似通ったものだった。 だが高すぎる力を扱いきれておらず、グラムにあっさりと倒された二人は、 ただ一言、“ゼロが瞳に込めた鬱憤を晴らしに来ただけだ”と言った。 それが俺達の存在理由だから、暴れた今はもうどうでもいいと。 そんな二人を見て、グラムは─── ……天界竜印魔術学院にて、 授業をサボっていたアルベルトとレイルが遭遇したのはその数日後だった。 目的もなくなった今、やることもなかったレイルは、 グラムに促されるままにグラムの体に憑依し、肉体を手に入れるに至る。 元々左目を基に創られた彼はグラムの眼に憑き、 宿る魔力で容姿も変えることが出来た。 つまりアルベルトと会うに至った彼はグラムの姿ではなく、 現在のレイル=ベルナードと同じ容姿だ。 そうした経緯の果て、学院で学ぶこともなく、 元より知識の深いアルベルトが学院の外れにある庭の木陰に寝転がり、 魔導書を読み終えた頃に彼と彼は出会った。 天大神の息子ということで、頭がいいのは当然だだの言われた彼にとって、 そんなやつらと学ぶことに意味を見出せなかった故の孤立。 そこに来ての、既に能天気なレイルとの邂逅は、彼の心を多少ずつだが和らげていった。 ……初日から喧嘩をし、教授に大目玉を食らわされるという馬鹿な出会いだったが。 それから普通に学院の授業にも顔を出すようになり、 アルベルトはそれなりに楽しい毎日を過ごしていた。 レミリアと出会ったのも学院の首位争いの時であり、 ちょっとしたことから話すようになり、親しくなり、恋仲にまで至る。 その最中で一時、 ディメンションフォースにて降り立ったジークンとレイルの悶着もあったが、そこは割愛。 迷い込んできた彼はとっとと去り、早いものでアルベルトとレミリアが学生結婚を決行。 めでたいだのどうのとレイルが騒ぐ一方で、 天上内戦のキーは少しずつだがカタチを作っていっていた。 ───リュオルク=アンスウェル=マルドゥーク。 天大神の側近にして、稀にでもなければ見れぬほどの法術や魔術の才の持ち主。 誰より天大神を尊敬し、仕えてきた彼が、 その器が故にゼロが残していった魔王カオスエグゼプターの魔力に呼び込まれる。 当然誘いなど断ったが、 部下が飲まれそうになるのを庇った際に飲み込まれ、カオスに染まる。 以降、一度も正気に戻れることもなく、死へと落ちる。 その前に彼が口にした“ジルフォード”というのは、 リュオルク=ジルフォード=マルドゥークのことで、 アンスウェルの息子である彼にもカオスの力が混ざっているという。 彼は父親の死など知らずに地界で暮らし、 星崎の子、つまりアルベルトの息子と友達をしている。 いつかアンスウェルが言った言葉、ゼロが残していった力こそが素なのだ、というもの。 それが真であるならば、器を失った力が何処に行くのかなど、決まりきっているだろう。 素があるならば他所にあるカオスの力をも吸い上げる力。 その素は今、カオスを両目に宿しているレイルの中にこそ存在する。 ───話を戻そう。 以降、人が変わったように陰で力を蓄積していたアンスウェルは、 天大神を操り天界を支配することを狙うようになる。 小さな世界ではあったが、その場の主となるのは甘美なものだろうと。 だが流石は天大神。 隙など見せることもなく、カオスの力を以ってしても、 そうそう洗脳することなど出来る筈もなかった。 ……が。 とある日に、それは崩されることとなる。 息子の婚儀の日、彼は嬉しさに気を緩めてしまったのだ。 そこにつけこまれ、洗脳は完了し……事実上、 天大神は、天界は、アンスウェルの手に落ちたも同然だった。 ……その時より数年後。 天大神により深い洗脳を定期的にかけるアンスウェルの姿を、 とある日、とある場所にて見てしまった者が居た。 それはレミリア=リートレイス……アルベルトの妻だった。 丁度その頃に、再び天界をうろついていたジークンが、 麦茶用のマイグラスを落とすことであっさりと見つかることになる。 アンスウェルは当然、レミリアを消しにかかろうとするが、 ふと思いつき、カオスの力の封印を解いた者をレミリアに仕立て上げ、 罪を擦り付けることを思いつく。 カオスの力は何処かへ消えたとでも言いふらし、 だが長く封印された力を解いたのはこの女だと。 アンスウェルの一存でレミリアを追放することは出来ない。 故にチャリスを使い、天大神自らの通達でレミリアを罪人に仕立て上げた。 当然納得のいかないアルベルトやその友人知人、レミリアの友人知人が立ち上がり、 天大神側とアルベルト側とで対立し、争うこととなる。 これがのちに天上内戦と呼ばれることとなる争いで、 天界人のほぼを巻き込んだ戦いへと発展した。 だがその戦いも卑劣な行動の先に決着を迎える。 アンスウェルはレミリアの息子、エミリオを盾にレミリアを脅し、 “封印を解いたのは自分なのだ”とアルベルトに言えと口にする。 まだろくに言葉も理解できない子供を盾にされ、どうすることも出来ずに頷くレミリア。 そうして彼女が“認める”ことで罪は成立し、 彼女は空界へと追放され、真実は闇の中へと流れていった。 ……その身に宿る、いずれ産まれるであろう命とともに。 のちに彼女はその人徳の良さを糧に空界人を纏め上げ、 アントエンハンスという町を作る。 蟻のように、逞しくいようと願う者たちが集う町を。 だがそれはまた別の話。 アルベルトはそんな父親についていけず、天界を出て、地界で住むことに。 既に生まれていた子供、エミリオとともに静かな時を過ごす。 自ら封印を解いたカオスがアンスウェルの中に居るとも知らない天界人たちは、 いいように操られる天大神の言葉のもとにアンスウェルに従い、 愚かなる時を重ねていった。 その時より十と数年。 アンスウェルが地界にまで手を出し始めんとした頃、とうとうアルベルトが動き出す。 もはや父、天大神の考えにはついていけないと、 かつての友人知人を集わせ、クーデターめいた行動を取る。 それは彼の子供やその知り合いを巻き込む戦いとなったが、 アルベルトとアンスウェルが対立し、 時間を稼いでいる間にレイルなどの仲間が、 チャリスの洗脳プロテクトを解除することで逆転する。 アンスウェルは天大神の魔法により体ごとカオスを消し去られ、天界に平和が戻った。  ……これが、外界との主だった干渉のない時間軸での天界の“運命の軸” そこに彰利や遥一郎が係わることで歴史は大きく変化し、現在へと至る。 チャリスは洗脳されず、アンスウェルは実力ではなくウィルスで支配を企み、 澄音が消え、ノアが消え、遥一郎が消え─── だが、様々な歴史と、奇跡の果てに現在がある。 そう……彼らの歴史はここへと至った。 とんだ奇跡の果ての騒動。 それでも、いくつかの犠牲の果てにあるこの時代を、今は幸せと呼ぼう。 【───了】
閏璃 「───……、と、いうわけなんだ」 彰利 「壮大でいて覚えきれないお話ですね」 閏璃 「覚えなくてもいい。ただ知っておいてほしかったんです」 彰利 「んで……ソードとかのことは誰から?」 閏璃 「もちろんノートン先生自身から。     ほら、星崎校長繋がりでレイル氏からレイン氏に話が通って、     そのレイン氏が歴史に詳しくてさ。     いやぁ驚いたよ。ほら、結局のところ、彼らはゼロのクローンなわけだろ?     だからその眼に宿るカオスの波動……だったか?     に込められた記憶がいろいろと覚えてたらしくてさ。     で、もちろん見れる記憶映像なんて劣化したものばっかだったらしいけど───     その中に見つけてしまったらしいのだ。───創造神ソードを」 彰利 「……ナ〜ルホロ」 ようするにそっからはスッピーに訊いてみたってわけね。 閏璃 「レイン氏がそこから、いろいろな仮説を立てて纏めてくれたお陰で、     話はスムーズに進んでくれたよ。と、偉そうに語ってはいるが、     俺が知ってる全てはアルベルト氏とノートン先生から聞いた話にすぎん」 レイル「ちなみに俺も教えた。驚くもんだよなー、     別の時間軸での俺がやんちゃしてる話とかって。     ……や、そりゃあ俺の体ってグラムのもんだけどさ」 彰利 「変身出来ンの?ズヴァヴァーンと」 レイル「……なぁ。急に現れた俺に対するツッコミとかはないのか?」 彰利 「いっつもアタイとか中井出が味わってる悲しみを、     他の誰かにも共有してもらいたいと日々思っていた彰利ですが、なにか?」 まあアタイも悠介には散々と無視されたことあるから、解らんでもんないけどね。 レイル「んー……んまぁ、べつにどうもしないけどな。     変身は出来るぞ?ただし俺じゃなくてグラムになるから、     俺の意思なんて関係なくなるけど」 彰利 「つぇえええええんだよね?」 レイル「俺の方がつえー!」 彰利 「うそく」 レイル「くさくねー!!」 閏璃 「でもそんな話、聞いたことが」 レイル「あったんだーーーーっ!!」 彰利 「じゃあ行こう」 閏璃 「どこへ?」 彰利 「………………。俺達の世界へ!」 それは。 神がバラバラになってから30秒程度の出来事だった。 ……で、なくて。 閏璃 「じゃ、解決したことだし行くか」 彰利 「せやね」 レイル「お前らってマイペース大王だよな。俺も似たようなもんだけど」 彰利 「……そういやさ、そういう過去があるってことは、     空界の生みの親はスッピーってことになるんか?     この場合、出産とかの“産む”じゃなくて、発生とかの“生む”ね?」 レイル「そうなるだろ。ヘンな話だよな〜、自分の誕生に自分が係わってるんだぜ?     そんなずっと過去から生きてるくせに、一人の男と契約して今は結構奔放だよ。     まあ直接の関係があるのは天界と空界だけみたいだし、     そこまで難しく考えるこたぁないんだろーけど。     ……神界ってなんだ?どんなところなんだろな、結局のところ」 彰利 「南無の時に一度もぐったことがあるけどね。ありゃあヘンピな場所だぜ?     元から神界に住むヤツしか生息出来ないと来る。     未来の神界から来た写真とか手紙によると、     今はガッコみたいなの作って、人が通えるようにも出来てるらしいけど」 閏璃 「なるほど!無断外出で学校から出て空気に触れると死ぬわけだな!」 彰利 「オウヨ!神界学校という場所───そこは本当にスペクタクルなのです!     きっとあれじゃぜ!?学校から出てしばらく歩くとドタッて倒れるのだ!」 レイル「嫌な世界だな」 閏璃 「食料とかなくなったら、まんま漂流教室になりそうだ」 それはどんなカオススクールなんでしょう。 ちょっと興味がありますが、 死神側・弦月代表としては神界の空気に触れただけで溶けてしまわないか心配です。 き、きっと最初は大丈夫でも、校内の空気に長時間触れていると溶けてゆくのだ! ギャッ!と気づいた時にはもう遅い! 僕はしばらくしたら未来人類に成り下がり、神界のやつらに珍獣扱いされて殺されるのだ! 彰利 「………」 珍獣で思い出したけど、そういや荒焼きくんとか謎男、今どうしてるんだろうね……。 ありゃ?謎男の名前なんだったっけか……忘れた。 智……?忘れた。智英だったようなトミーだったような……。 ……間をとってミートでいいか。 ヤツには不可能を可能にする力を奪われた、苦い思い出もあるわけだし。 ……ヌ?不可能を可能にする力? 彰利 「は、はああ!!」 閏璃 「ま、摩利支天さま!」 彰利 「ギャアもうそうじゃなくて!アレだよ!     アレ……え〜…………てめぇの所為で忘れたじゃねぇの!」 閏璃 「こいつがやれっていったんだ」 レイル「なに前フリもなく俺の所為にしてんだお前!」 彰利 「クズが!」 レイル「人の話を聞いといてクズって言うか!?」 彰利 「オイオイなに言ってやがるんだ、こんなの魔人群じゃ当然だぜ?」 僕らの中じゃあこれが当然でした。 あぁ懐かしきは原メイツ……でもいいのさ、僕らはまたここから始める。 俺達の戦いは……ってそれはもういいザマス。 というわけで、思い出した。 スッピーの不可能を可能にする力って、 ようするに“神”の力だったんじゃなかろうかと。 ホレ、最初の奇跡で作られた存在だったわけじゃん?スッピー自体が。 だからスッピーがそげなことを何年かに一度行使出来るのは、 彼が奇跡の力の素に創られた存在だからじゃねーかなと。 ただ精霊だ〜ってだけにしちゃあ、能力が高すぎると思ったんだよ。 そげなの、奇跡的なものでもなけりゃあ……ねぇ? と、高速思考を展開していたところで閏璃が口を開き、 アタイの思考もそのノリの方へと流れていった。 閏璃 「ノリで全てを乗り切るパワーを持ちし者たちの集い……それが俺達魔人群」 彰利 「俺達ゃ“今日から魔の憑く悪鬼羅漢”となるんだから」 レイル「魔ねぇ……まあ、結局のところ俺は面白ければそれでいいけどな。     あぁ、あと頭でっかちのあの穂岸と蒼木ってやつにいろいろ恩返しもだな。     ま、大部分は興味本位だし、小難しく考える必要なんてゼロだわ」 彰利 「ゴハハハハ、貴様も随分と適当よな。キミほんとにゼロのクローン?」 レイル「ゼロのクローンって言っても、     あいつの影響なんてのは全然受けてないんだよ、俺は。     なにせ“眼”から創られたクローンだからな。性格面なんてものは影響しない」 彰利 「あ……そういやゼロってどうなったんだ?やっぱ死亡?」 空界人絶滅計画が実行されたってことは、多分そうなるんじゃなかろうか。 と、フと思った。 閏璃 「んあー、なんていったっけ。ほら、空界に必要な男ども?     ……そういうやつらは残ってたんだと思ったぞ?     メルヘンじゃ女は殺せないからな、そういう意図もあったんだと思う」 彰利 「うへっ、なんじゃいそりゃあ。     つまり精霊たちは最初っから空界人絶滅計画が狙いだったん?」 レイル「そうだろな。しゃあないだろ?精霊王スピリットオブノートは空界の生みの親。     その世界がどんどん侵食される様なんて見たくなかった筈だ。     最初っからそれが心配されない世界だったら、     過去の空界の悲惨な空気なんて存在しなかったろ?     今が大丈夫だからって未来がそうならないなんて限らない。     誰かが少しずつ樹を植えるからって、     それが芽吹いて足しになるのはどれほど先だと思ってんだ」 閏璃 「それなら減少の元を絶っちまったほうが早いと踏んだってわけか」 彰利 「ナルホロ」 けどねぇ……今まで必死こいて生きてきたやつらを、 必要なヤツだけ残して全滅ってのは……いくら創造主でもひどかないかね。 まあそりゃ、アタイも言えた義理はないけどね? レイル「……メルヘンにやられたんならしょうがない。     誰かがやって殺したのはしょうがなくない。それってヘンだろ?     メルヘンだって放置しようと思わなければ全滅できてた筈だ。     それをやらなかったってのはお前ら力ある者の落ち度で、     じゃあ誰かが殺しちまったのを責めるのはお前らの正義か?」 彰利 「OK理解した。こりゃただの正当化だわ」 閏璃 「過ぎたことはどうにもならないって。     だからこうして楽しもうって話してるんだろ。楽しく行こうぜ同志よ。     俺達は魔人群で、他のやつらが忘れちまってる面白本舗とともに、     至高の面白さを求めるのだ」 面白本舗って……中井出? ヘンな名前つけられとるの〜〜。 彰利 「うしゃー!ほいじゃあ早速モンスターどもと戦って腕鳴らしだぜ〜〜〜〜〜っ!」 閏璃 「おし!さっき柾樹からメールがあって、     キングベヒーモスがあっちの森に居るという情報を得た!行こう!」 レイル「いきなりハイレベルだな……もちろん行くが」 彰利 「勝てないまでも、強敵と戦うことで己の強さへの意欲を掻き立てるのだ!     ……つーかオーダー使えてた頃に比べると、     今のアタイってどれくらいの強さなんだろ」 レイル「今の方が強いんじゃないか?オーダーは出来なくても、黒は使えるんだろ?」 彰利 「お、押忍。ホレ、この黒衣が黒の霊装みたいなもんでして。     えーと……中井出のブリュンヒルデみたいなものYO。     意思を通して変形できんの。ちなみにこの下は将軍家御用達のもっさりブリーフ」 レイル「行くか」 閏璃 「行こうか」 彰利 「ゴヘェ!?なに!?ここで己を掻き抱きながら悶えるトンガリくんは無視!?」 妄想クンがやるように、自分で自分の肩と腰を抱いてウネウネ動いてたんだけど、 あっさりとスルーされた日にゃあなんだか泣きたくなります。 閏璃 「ていうか、なんだ。お前その下、なんも無しのもっさりブリーフか」 レイル「将軍って呼んでいいかい?暴れん棒と頭につけて」 彰利 「“坊”の部分になにやらとても不名誉ななにかを感じたんですが!?     大体暴れん坊将軍って殿様っしょ!?     殿ならもう間に合ってるからよかギン!ほっといてけろ!」 閏璃 「大江戸ドライバーとか出来るかな」 彰利 「ああ……乱闘殿様のことだ、絶対出来るぜ?」 閏璃 「将軍ブレイドも持ってるんだな!?」 彰利 「ああ!ロマサガ3のハリードが曲刀を持つとカムシーンになるように!     乱闘殿様が持てば、木の枝さえも将軍ブレイド!!」 閏璃 「ゆ、夢が広がるな!」 彰利 「当たり前だ!なにせ彼は乱闘殿様なのだから!」 レイル「……なぁ。期待の押し付けって知ってるか?」 彰利 「裏切るなら裏切るがいい!俺達の理想は常に最強に面白い殿様だ!!」 閏璃 「技が使えなくてもいい!だが面白ければ文句などないわ!」 彰利 「期待なんて裏切るためにあるんだぜ?だって相手が勝手にしてるだけだもん」 閏璃 「僕らはそれを、ホイッスルで知りました」 ホイッスルとはサッカーマンガで、 主人公が最初、リフティングしか出来なかったという漫画。 あとは某・ジムナストの駿くんのように、目指すはシドニーだ!的なノリで上達したけど。 ……それ考えると、中井出もそげな感じなんかね。 彰利 「…………」 違うか。 ヤツの場合、体で覚えるとかそんなことせずに、全部武具に頼ってるだけだし。 武具のない中井出ってほんとザコだし。 いくらなんでも弱体化しすぎだろってくらい……そう、喩えるなら、 外した武具にステータスの全てを奪われてるんじゃなかろうか─── ってくらい、凡人に成り下がる。 柾樹でもデコピン一発でコロがせそうな、感動的な弱さである。 ……ああそうか、なるほど。 つまりあやつ、最終奥義と同じくらいの強弱の持ち主なんだ。 確か灼紅蒼藍剣って最強と最弱の名を冠する奥義だ〜とか言っとったよね。 武具があれば滅茶苦茶強いくせに、 武具がないと最弱野郎……ウウヌ、実に中井出だ、どうしてこう両極端なのか。 中間ってのがねーのよね、あいつ。 容姿もただの村人のくせして、戦ってるとカッコイイし、 かと思えばちょっとのことでヒィとか叫んでカッコワリィし。 ……考えれば考えるほど中間の無い男だ。 彰利 「とりあえず可能性を考えてみよう。     ホレ、中井出ってば武器だけで上級ハンターになったっしょ?     でも経験はほぼゼロ。ならさ、武器も経験も鍛え上げれば、     中井出を軽く越すことも夢じゃねーと思わん?」 閏璃 「思わん」 彰利 「ホゲェーーーッ!?なして!?なしてそげに頭ッから否定すんだコノヤロー!」 閏璃 「提督さんの武具は猫やドワーフとかの亜人族や、     守護竜やらなにやらの様々な貴重品、     果ては主神オーディンの武器まで奪って合わせた究極品だぞ?     今や亜人族に嫌われてる俺達人間が、今更武具を鍛えてもらえるとは思えん。     “武器”で提督さんを越すのはまず無理だ」 彰利 「グムムー!だが待ててめぇ!今はヒロラインの技術も上がっている!     工房技術も上がっているに違いねぇ〜〜〜っ!」 レイル「あ、説明にあった機械技術ってやつか?     ……ん、ん〜……なんかファンタジーって感じがしないよな」 閏璃 「否!否だぞそれは!稲田さん!」 レイル「誰だよ」 閏璃 「天界はどうかは知らんが、地界の技術じゃ創れないものが俺達の目の前にある。     ファンタジーは幻想。つまり幻に想いを馳せることを差すのであれば、     手の届かんモノ全てがファンタジー!     昔の人は俺が無理矢理言わせます、広い緑に焦がれたからこそ、     ファンタジーとは幻想と呼ばれたのだと」 全部彼の主観だった。 でも反対意見なぞありません。 緑が広いからファンタジーだっていうのは、 確かに建物ばっかの世界に住む俺達にとっちゃあファンタジーだ。 でも、緑しかなかった時代から見れば、俺達の世界もファンタジー。 ……ようするに、ファンタジーは無いものねだりの集大成。 誰がどう言おうが、誰を主観に置こうが、ちょっとしたことが嬉しい世界。 それが、ファンタジーって世界でいいんだと思う。 ……まあ、機械技術ばっかが際立って、人間が天下を握るファンタジーなんて俺は嫌いだ。 だから潰すよ?容赦なく。 ルドラがどう言おうが関係ねー。 ヤツにはヤツの、俺には俺の考えがあるんだからね。 人間、そうそう他人とは相容れぬものよ。 だからいいじゃない、難しく考えなくて。 彰利 「よっしゃあキングベヒーモス退治だぜ〜〜〜〜〜〜っ!」 閏璃 「無難にベヘモスから行くなんてチャチな話は無しだぜ〜〜〜〜〜っ!!」 レイル「男は度胸。なんだって試してみるものさ」 心の準備は固まった! そう!そうザマス!他人のことなど二の次!あ、でも悠介のことは別格YO? でも二の次!俺は俺さえ俺らしくありゃあそれでいい! 結局全てはそこへと終着! だって俺、他人にやさしく他人第一なんてこと、悠介以外にしたくねーもん!! そういう大前提があるなら、そりゃ基盤からこうなるって解ってるじゃん! ああそうか……なんだ!それだけのことだったんじゃないか! よーし気にしないぞ!俺はもう気にしない!やりたいようにやろうぜ人生! 心に覚悟を!体に愉快を!共に叫ぼう唯我最強!! 森を駆ける!駆ける駆ける駆ける! 閏璃の案内のもと、深い森へと駆けて、そんでもって キングベヒーモス 『グオルギャアアアアアッ!!!』 彰利&閏璃&レイル『ほぎゃあああああーーーーっ!!?』 信じられんくらいの巨大なキングベヒーモスとの突然の遭遇に、声を揃えて絶叫した。 デッ……デケェ!キングサイズのグラビモスなんて目じゃねぇ! …………あ、でもそのキングさんと戦ってる方が居た。 ゼット「ふははははははは!!はぁーーーっはっはっはっはっは!!!」 楽しんでますぞー!と表情を見ただけで解るくらい、生き生きとしている。や、活き活き。 メキメキと紅蓮に染まる斧を豪快に振るい、 斬り裂くでもなく、容赦無用に吹き飛ばしている。 ウホッ、いいスウィング……! 体毛と皮膚が硬すぎるのを無視して、切れないのをいいことに打撃で勝負かけてやがる。 だがなー!そのエモノは俺達のものだ! てめーだけに楽しい思いはさせやしねー! 彰利 「閏璃!タッグフォーメーションAだ!」 閏璃 「待っていたぜそいつを!」 レイル「《ガシィッ!》……お?お、おい?なんで俺を掴む」 彰利 「………………タッグフォーメーションAだ!」 閏璃 「待っていたぜそいつを!」 レイル「説明になってないだろ!     おいちょっ……待て待て!う、うわぁああーーーーっ!!?」 閏璃がレイル氏を掴み、持ち上げ、俺の肩にドスンと乗せる。 もちろん横倒し状態であり、俺はタワーブリッジでもするかのように構え、 しかしそのまま投げるのではなくその場で回転を始める!! 彰利 「これぞ過去の英知!弁慶風車ァアアーーーーーーーッ!!!」 エアプレーンスピンの状態から、背負い込んだレイル氏を回転を殺さないままに投擲! 彼は風を切ると同時に上手く取り込み、物凄い勢いで ゼット「《バゴォ!》はごぉが!?」 ───ゼットに衝突した。 彰利 「俺……やったよな?やりきれることが出来たよな?     もう……ゴールしてもいいよな?」 閏璃 「アカン!ゴールしたらアカン!大阪は……大阪はっ!狙われとるんやぁ〜っ!」 彰利 「…………じゃ、戦うか」 閏璃 「……だな。大阪が狙われてるんじゃしょうがないもんな……」 押忍空手部を思い出しながら、俺達は武器を取り出し、駆け出した。 ───状況に狼狽えるゼット目掛けて!! 彰利 「死ねやぁあ〜〜〜〜〜っ!!」 閏璃 「イエーーーーーーッ!!!」 ゼット「ぬあっ!?な、なにをする貴様らーーーーーっ!!」 オロチセット!竜の左手を左の肩甲骨付近から出現させ、 それとともに握り締めたレヴァルグリードで殴りにかかる! だがそれよりも先に振るわれた剛斧が、俺の右腕目掛けて襲い掛かる! 野郎考えやがった!突き出した拳は右!その右を狙えば、俺は防御に回りざるをえぬわ! だが竜の手は左!斧は右手でガードして、竜にはこのままナックルしてもらう! ───ってダメだ!こいつマジだ!全力で、弾かれるとかそんなこと考えるんじゃなくて、 俺を両断するつもりで来てやがる! これは───全力で受けなきゃマズイ! ていうかあのー!?なしてアタイ、全力でゼットとの攻防に頭働かせてますか!? ば、ばかな……ば、ばかな……アタイはただ、 キングベヘモトと戦いに来ただけの筈なのにッツ! ……ベヘモトって、名前いいよね。 だが甘し!アタイの眼力は今までのものとは違う! 既にどの軌道にどう刃が来るのかなど、未来視で確認済みよ! ああやべぇ!家系の能力ってすげぇ便利!鎌にかまけてたアタイが馬鹿みたい! ……ブフゥ!カマにカマけてだって! 彰利 「ハァーーーーーウ!!!《ガゴギィンッ!!》」 ゼット「───!なにっ!?」 閏璃 「蹴り脚鋏み殺し!!このタイミングで!」 右肘と右膝で斧を挟み、さらに跳躍することで完全に勢いを殺す! 斧の軌道の通りの俺の体も浮き、遠心力が最大のところにまでくると斧を解放! スタッと綺麗に着地しゴシャーーーン!! 彰利 「ギャオアァアーーーーーーッ!!」 王様ベヘモトに踏み潰された。 閏璃 「そ、()−−−−−−ん!!!」 彰利 「なんでそこで悟空さなの!?しかもピッコロ風!?     ……ところで空界のやつら、ゼロもフォードも無事なんかな」 レイル「いっちちち……はぁ、なんだか物凄く余裕に見えるんだが?」 彰利 「踏まれはしたが、すぐに黒を展開してクッションを作ったんでな!     お陰で今は苦しくない!ただ踏まれた衝撃で5番と6番もってかれたけど」 レイル「5番?6番?」 閏璃 「アバラのことさ。ボクシング界の一部では、アバラ骨のことを番付けで呼ぶんだ」 レイル「へぇ……そうなのか」 彰利 「フッ……《メキメキメキメキ》そういうことですのでタスケテクラサイ」 まいった、コイツ……強ぇえぜ? 黒で押さえてる上から異様な力を……馬鹿な!黒が負けている! 黒の中に眠る666体以上の魔物の猛りすらも押し退けて、 アタイを潰さんとベヘモトの圧力が降り注ぐ! ゼット「邪魔をした上、さらに助力を求めるか。     情けないな、弦月彰利。貴様それでも晦悠介の連れか」 彰利 「ヘンッ、アタイは自分を誰かと比べるのはよそうって決めたのよ。     だからそげなこと言われたってアタイはアタイだからいいんだもんぬぇ〜〜ぃ!」 ゼット「ほう……?だったら貴様の理想とする貴様はそれでいいのか?     危険になればすぐに助けを求める貴様で。     周りに誰も居なかったら貴様は助けを呼びながら死ぬだけか」 彰利 「ホヘヘ?悪いがアタイにゃそげな安い挑発は効かねぇぜ?     何故ならアタイの中には答えは出ている。     キミ、よく馬鹿正直に人の言葉を鵜呑みにしすぎって言われません?     状況によっちゃあ手助けの要求すらも楽しみのネタにする───     それがアタイら原メイツよ!───しまった魔人群だった!」 ああくそう!原中としての時間が長かった所為で調子狂う! だがともかく!黒を膨張させ、王様ベヘモスの足と地面に隙間を作る! そんでもって素早く竜の手を出現させてぇええええっ!! 彰利 「《キュバァンッ!》火傷じゃ済まねぇぜぇっ!?』 俺を潰さんとするベヘモトの前足を掌握すると、月然力・火を爆発的に解放!! 体毛や皮膚はその程度の火じゃ燃えもしないが、 強く握り締めた前足を振り上げるようにして横に倒す!! キングベヒーモス『ロガァッ!?』 ズズゥン、と豪快な音と土煙を撒き散らし、 倒れるというよりも踏ん張って倒れるのを阻止するベヘモト。 しかし俺の体の上からは動かせた───それで十分よ! 閏璃 「…………うん。転移した方が早かったよな」 彰利 『うん……俺も今それを考えてたとこだよ……』 頬に破面を出現させて、 ジャギディイヤードジャックモードになったというのにこの虚しさ。 まあ力なんて全然変わらんのだから、このモードの意味なんてほぼ無いんだけど。 あ、でも虚閃撃てるぜ?僕。 …………ただのアンリミテッドストリームだけど。 彰利 『《ゴッ───キィンッ!》うしっ!来やがれ煌獣!鎌拳(れんけん)の準備は万端だぜ!』 両手のレヴァルグリードを殴り合わせ、っしゃーい!と叫ぶ。 …………、でもなんかややこしい。 やっぱダークマターでいいよね、名前。 取り出す黒刃がダークマタ〜だとかじゃなく、 もうアタイの独断と偏見で、全部ひっくるめてダークマターで。 よしOK!きまりDA!そう!我が拳に鎌は在り! 運命を破壊せし漆黒の拳!あ、もちろん具足もね? そんでもって敵の回復を許さぬダークネスフロント配合のマント! そして黒の黒衣に皇竜王の能力! これを鍛えて、俺……強くなりたい! だからその限界実験として、強敵と戦う……それが魔人過激団なのです! 華やかさなどもちろん無いから過激に生きよう魔人群! ……ああそうか、それってつまりイブシ銀! 華やかさなど求めちゃいけない! がむしゃらに楽しみながらも強くなる……それが僕らのイブシ銀! 彰利 『ウハッ……ウハハハハハハ!!“WOP(ロマンス)”!!     貴様が一瞬だけ、俺の動きに対応出来るというのは───嘘だ!!』 握り締めた右手を覆う篭手の紋章から、黒く眩い光が放たれる! 得られる時間は一瞬。 たった一瞬だけ自由になれる時間を、自らの能力で引き出す。 そして、その一瞬のみに全てを込めて───!! 彰利 「“四五頭竜闘気(フルオロチ)”!!     怒りの業火!エクゾードフレイム!!」 竜の左手に全てを込め、突き出した竜の手から九頭竜闘気全てを解放! “一瞬”の動きを止められたベヘモトは、 それがなんなのかも解らぬままに光の奔流に飲み込まれ、塵に───なってねぇ!! ば、ばかな……ば、ばかな……!今のは俺の最大の攻撃だったんだぞ……!多分……! 閏璃 「オヘヘハハ!したっけオラさ任せるだ!ぺっこ仕留めてやるダニ!」 呆然としている俺の後方で、銃を構えた閏璃がキングベヒーモス目掛けてシュートヒム! しかしコンッという音とともに、あっさり弾かれた。……体毛に。 閏璃 「わ、わしの最大呪文がコンって……わしのメラメーラが……コンって……」 レイル「呪文じゃないだろあれは───     ていうか初心者用支給武器がほんとに効くと思ってたのか?」 閏璃 「成せばなる」 レイル「成す物事にもよりすぎるだろ!どいてろ、次は俺が行く!」 言うや、レイル殿の双眼がギンッと金色に変異し、 体中に血管のようなものが浮き出てくる。 お、おおあれは─── 閏璃 「ぬ、ぬうあれは……」 彰利 「し、知っているのか雷電」 閏璃 「う、うむ、文献のみの業だとばかり思っていたが……あれこそは狂系脈……!」 彰利 「きょ、狂系脈……!」  ◆狂系脈───きょうけいみゃく  “神経”を己でコントロール出来るように鍛錬を積むことで得られる神秘。  神経を肥大化させることで、ワンピースのルフィで言うところのギア的な能力を得る。  脳からの神経伝達速度向上により、脳が出した通りの能力を発揮することも出来る。  つまり人体の能力を限界まで引き出すことが出来る。  が、レイルがやっているのはこれとはまったく関係のないものなので、意味がない。  狂人的な能力を発揮できる代わりに、痛覚神経も肥大化してしまうため、  痛みに対する感度も倍化、或いはそれ以上に至ってしまう。  *神冥書房刊:『雪代縁の超人百科』より ……。 閏璃 「それより俺の銃を見てくれ。こいつをどう思う?」 彰利 「すごく…………小さいです」 閏璃 「初心者用支給銃だからなぁ。     銃を極めようとは思ったものの、こんなんじゃ威力がない。     そんなわけで俺は早く育て上げた剣と合成させたいわけだよ」 彰利 「ヒロラインに降りても、亜人族は中井出以外に心許しておらんよ?」 閏璃 「それが問題なんだよなぁ……」 レイル『お前らさ……少しは変異した俺のことも気にかけてくれよ……。     うわー、すげー、とかさ』 彰利 「ウワー、スゲー」 閏璃 「レイル氏レイル氏!ちょっとそこで白骨化しなさいよ!」 レイル『なんでそう白骨化にこだわるんだよお前らは!!』 彰利 「レイル氏レイル氏!ちょっとそこで首ねじ切れなさいよ!」 レイル『死ぬだろ!問答無用で死ぬだろ!』 閏璃 「レイル氏レイル氏!ちょっとそこで舌噛み切りなさいよ!」 レイル『お前らなんだ!?俺に死んでほしいのか!?俺に死ねって言ってるのか!?』 ゼット「……付き合ってられん。後は俺にやらせてもらうぞ」 レイル『…………お前、いいやつだな!』 ゼット「《がばぁっ!》ぐわっ!き、貴様、なにをっ……!」 レイル氏がゼットに抱きつく! どうやら死ぬような提案を出されなかったことが嬉しかったらしい! レイル『けどそいつに挑戦するのは俺の番だからちょ〜っと待っててくれな〜?     ま、初心者レベルで敵う相手じゃないのは重々承知!     承知だけど、やっぱもったいねぇじゃん?     やれる時にゃあやっとかねぇと納まらないんだよ俺。     ……それに、カオスモードはちと体力使ってね。     両目ともなると、あまり長い時間は出来ないんだわ』 メキメキと、神経の太さが増していっている気がする。 じゃけんど躍動の度に、レイル氏から感じられる圧力は増すばかり。 ……いや、やべぇんでねぇのこれ。 レベル上げたらマジで化けるぜコイツ。 レイル『ってわけだから次は俺───や、ちょっと黙ってろグラム。     ……なに?戦ってみたい?     やかましい、俺に体をよこしたくせに、こんな時ばっかり出ようとするな』 閏璃 「……可哀想に……まだ若いのに……」 レイル『頭がおかしいわけじゃないわっ!     可哀想なものを見る目で俺を見るのはやめろっ!     〜〜〜っ……おいトンガリ!     どうしてこいつ、こう人に遠慮ってもん知らないんだ!?』 彰利 「そんなこと知らないよゥブタゴルィルァ〜」 レイル『……なぁ。殴っていいかい。歯の全てが砕け散るまで』 彰利 「トンガリ言ったのてめぇでしょうが!」 などと声に出した途端、散々っぱら待たされていたキングベヘモトさんが攻撃を開始! 振り上げた前足を一気に下ろし、レイル氏へと振り下ろす! レイル『おっ、俺を指名かい!いいねぇそうこなくちゃな!《ゴバァッキィンッ!!》』 言うや、レイル氏の右手に黒い……瘴気のようなものが集まり、物質化する。 それはまるで悪魔の手のような鋭いものになると、 大きなそれでベヘモトの前足をドガァッ!と───受け止めやがった!! レイル『へっへへへ……《ペキポキコキン……》あ……ダメ……も、限界……』 閏璃 「弱い!」 レイル『レベル2のヤツに無茶言うなお前!受け止めただけでも十分だろうが!     《ビキィッ!》あづっ……!つ……これ、以上はマズイ……!     悪い、ほんと、あと任せた……《キィンッ》」 レイル氏の両目が通常の蒼色に戻る。 と同時に抑えていた右手も普通の手に戻り、ゴシャーンと……まあその、圧死された。 閏璃 「レイル氏……女房思いのいいヤツだった……」 彰利 「女房おらん筈だけどね……っと、来たぜウルーリ」 閏璃 「伸ばすのはやめろ!感動してホロリと来たヤツみたいだろ!?」 何気に気にしてるらしい。 初めて知ったが……まあいいや、今は戦闘に専念さ! 彰利 「んじゃ……行くかい《キュバァンッ!!》』 闇  『覚悟はいいかぁ!?』 影  『荊棘を踏んだぞぉ!!』 気を緩ませてた所為で消えていた、役にも立たない死神化を再発動。 それとともに闇と影を両肩から出現させ、 肩甲骨からは竜の左手、マントからはダークネスフロントを発現させ、 両手の篭手をガギィン!と打ち鳴らしながらキングベヒーモスへと歩み寄る。 いいねぇ……この緊張感がたまらねェYO!! 嗚呼……!早く右の肩甲骨からも竜の手を出してぇYO! アタイ……!ゆっくりとだけど確実に、九頭に近づいてる! ……え?や、いや、くとう、九頭だからね? クズじゃないよ?九頭をクズって読んじゃだめだよ? ゼット「……フン、やれば出来るではないか。     晦悠介の親友というのならば相応の力を以って立ち上がれ。     俺の親友はその期待に見事応えてくれたぞ。一介の地界人がだ。     死神側の貴様がそれが出来ないのは、貴様に覚悟が足りないからだ」 彰利 『好き勝手言ってくれてんねぇ……。そういう貴様はなして本気出さんの』 ゼット「力の底上げだ。竜人化してすぐに片付けては底上げが出来ん。     クククッ……俺はな、弦月彰利……中井出博光の成長が嬉しくてたまらん。     地界人だぞ。地界人が俺の力を超越した。     ただの情けない、そこらのゴミムシだと思っていたヤツがだ。     晦悠介に敗北した時は愕然としたが、今はたまらなく嬉しいとくる。     竜の力も神魔の力も、諸力も魔力も備えていないただの地界人がだ……!     俺を打ち下す力を得て、化け物めいた刻震竜を屠ってみせた……!     あそこまでの感動を俺は得たことがなかったぞ……!」 彰利 『ほへぇ……』 こやつがそこまで地界人に入れ込むたぁ……すげぇもんだね。 と、感心した途端に飛んできた前足攻撃を、 ゼットはこともなげに片手で構えた斧一つで受け止めてみせた。 ゼット『竜人化すれば、当然こんな攻撃どうということもない。     だが、だがだ。ヤツはバルバトスという姿になればこんな俺をも瞬殺出来るのだ。     それは、それだけヤツの武具には力が秘められているということだ』 彰利 『おほっ?ほいじゃあ悠介から中井出にライバル変更する?』 ゼット『つまらんことを言うな。俺が撃ち下す相手は晦悠介以外には有り得ん。     万全のヤツを撃ち下すことこそ俺の彼岸なのだからなぁああ……!!』 閏璃 「おお、すごい血管ムキムキだ。でもギニューには負けるな、うん」 ……うーむ、悠介に負けたことがすげぇ悔しかったんだろうなぁ……。 だってそれまで無敗の竜王だったわけっしょ? それをポッと現れたファンタジーにウキウキしてたヤツに負かされるって…… おお、確かにこれは悔しいかもしれん。 でも万全の悠介を打ち負かさないと納得しないわけなのね……。 それって、万全になっても、 “貴様はまだ万全じゃない”って言ったら先が見えないような…… ……………………悠介、頑張れ。 骨は拾わず埋めてやるから。 ゼット『《キュバァンッ!》くふふふはははは……!     貴様ごとき、その気になれば破壊出来るがな……!     今の俺は機嫌がいい……人の身で相手をしてやることを光栄に思え……!」 彰利 『だめよ!ベヒくんはわたしと戦うのよ!』 閏璃 「なに言ってるの!?ベヒくんが困ってるでしょ!?     ベヒくんはわたしと戦うんだから!」 彰利 『いや、次はわたしの番どすこい』 閏璃 「いやいや、順番は守ってもらわんと」 ゼット「真面目に戦う気があるのか貴様ら!」 彰利 『真面目ってのは無理!』 閏璃 「何故なら俺達は!」 二人 『楽しみながら強くなると決めたからだ!!』 閏璃 「だから俺達は《ズシーム!》ギョォオオァアアーーーーーーーーッ!!!!」 彰利 『ゲゲェーーーッ!!う、閏璃ーーーーーっ!!』 格好よく語ろうとした閏璃がベヘモトに踏み潰された! こう、なんていうのか、おば様が台所に出現したゴキちゃんをスリッパで叩くかのように、 一切の遠慮もなく、ベパァンと! すると、その巨大な足の隙間からキラキラと塵が…… 彰利 『あ……ああっ…………ああぁああぁああ………………っ!!』 揺れる…………っ!滲む…………っ! まるでカイジが、振り向いた先に居なかった石田さんに涙するかのように…………っ! 彰利 『ボッ……ボケ人が……!呆ける人と書いて呆人(ぼきゅうど)が居なくなってしまった!』 ゼット「………」 彰利 『……………』 悲しみを口にしてみるも、誰の返事もなく、 ゼットは黙々とベヘモトを斬り飛ばしまくっていた。 ……正確には、斬ってるんじゃなくて、斧でブン殴ってるんだけど。 ほら、硬いから切れないのよ。 彰利 『…………うおおおお!!!俺も混ぜれーーーーっ!!』 せっかく出したアモルファスとダークセンチネルと左手が可哀想! だから僕は駆け出した! こいつと共闘なんて冗談じゃねーけど、実力を上げるためには経験を積まればならんのだ! 彰利 『ヘイ!アンギアシュート!』 距離があるうちに構えた竜の左手から爪を飛ばす! といってもカタチだけのものだし、ナマヅメハーガス的な痛覚があるわけでもない。 発射された爪はベヘモトの体毛を先、皮膚に突き刺さる───が、そこまでだ。 この野郎、マジで狭界のベヘモトより強いんじゃなかろうか。 まあ……しゃあねぇよね、エクゾートフレイムにも耐え切る相手だし。 つーか……うん、勝てる気しねぇ。 フフフ……閏璃よ……ワシもすぐそちらへ向かうぞ……。 その時は、ともに神父でも殴るとしようじゃないか……。 Next Menu back