───冒険の書266/孤島を目指して三千里───
【ケース684:弦月彰利/アボリジニーズ】 キョリキョリキョリキョリ 彰利 「ウホウホウホホ♪ウホウホホ〜♪」 ジュゴォンッ!! 彰利 「ウホレヒ!」 雨足下がってお空は赤。 木を拾って摩擦熱で火を起こし、それを松明にして歩いてみてる。 オウヨ、赤とはいってもそろそろ濃い赤、夜も近づく時間帯ってヤツYO。 岡田 「月然力使った方が速かったんじゃないか?」 彰利 「ぬう!ま〜だそげなこと言っとんのかい貴様らは……」 藍田 「貴様……“ら”!?ちょっと待ててめぇ!俺は言ってねぇぞ!?」 彰利 「えーがらお聞き!能力があるからってそれに頼りっきりでいかがする!     もっとこう、原始に戻るのだ!せっかくのファンタジーなんザマスから!」 原始的に火ィ起こすのって結構好きなんだよねアタイ。 ウホウホ言ってたのは少しでも原始に近づかせる配慮です。 ええ、全然原始っぽくなかったけど。 彰利 「クォックォックォッ……ともかくこれで松明の完成だぜ〜〜〜〜っ!     これで夜道も怖くない!トナカイの真っ赤なお鼻ヴェイヴェエもメじゃねぇ!」 メラメラと燃える松明を勇者の剣のように構え、ズンズンと進んでゆく。 勇者の剣の持ち方は、アクトレイザーを参照にしてくれるとありがたい。 振るう時はね?やたらとゴツイ声で“オッ!”と叫ぶの。ちょっと違うけど。 なんにせよ端っこの町まであとわずか。 ステ−タス移動があるアタイらにとっちゃあ、こげな道のりなぞちょちょいのちょいYO。 彰利 「じゃけんどもアレじゃね。モンスターと遭遇することがなかった」 藍田 「あ、それそれ。俺も気になってた」 彰利 「…………こげな時にアァソレソレ♪なんて、どこの祭り気分の小僧だよ」 藍田 「そういう意味で言ったんじゃねぇよ!!」 彰利 「遠慮すんなよ。どの道この道回り道ィ〜♪シューマイ獅子舞てんてこ舞いっ♪     って歌いたかったんだろ?」 岡田 「よろしくオリまる子ちゃん!!」 藍田 「無理矢理オリバに混ぜるのやめろ!」 ともあれ、モンスターと遭遇しなかったのはホンマです。 どうにもおかしい。 ……もしやモンスター全部が夜行性とか? はたまた僕らのハンターレベルに恐れをなして襲い掛かって……ってわけはないね。 楽といえば楽なんじゃけど、つまらないのも確か。 だがよ、へへ……襲い掛かってこない限りはそれでいいでないの。 きっとモンスター社会も人間どもに圧迫され、そろそろ行き場が無くなってきてるのYO。 待っているがいいモンスターども!魔王博光が復活した暁には、人間の天下なぞ───  ゴコォン……《皇帝オロが死亡しました。新皇帝がマラジンに決定されます》 彰利 「ゲェエエーーーーーーーッ!!!」 死んだって───えぇ!?アルェエエエーーーーッ!? しかもマラジン!?ホワイ!? 藍田 「マラジン!?マラジンってあの……南国アイスホッケー部のマラジン!?」 岡田 「久米田漫画で俺、あれが一番好きだったなぁ……下ネタだらけだったけど」 藍田 「あ、俺も───って頷いてないで!どうなってるんだマラジン!」 彰利 「なしてアタイに向けてマラジン言っとんのアータ!!     ……ハッ!い、いかん!これはきっとマラジンの策略ぞ!     アタイたちが混乱するのを見越して、こげな情報を送ったに違いねー!」 藍田 「おいおいそんなわけねぇだろ……」 岡田 「なに言ってんだお前……」 彰利 「いきなり冷静に返してんじゃねィェーーーッ!!」 でもあーだこーだ説く前より砕けた感じになってるのはプラスです。よい傾向というやつ? 藍田 「……冗談はよしこさんで、何者なんだ?マラジンって」 彰利 「そりゃオメェ……アレだぁ、……マラジンだろ」 岡田 「蘭堂月斗か」 藍田 「ウラビアンヌイトか」 彰利 「解決したことだし行きますか」 藍田 「そうね」 岡田 「ほんとそう」 ナギ子は既に僕らの部隊から脱退してる。 中井出ンこと助けに行ったんでしょうな。 どうせなら連れていきたかったけど、 どうにも中井出のこと忘れたこやつらに苦手意識持ってるみたいじゃし。 かといってアタイとばかり話すのも嫌なんでしょう。 あやつ、中井出に相当べったりだったし。 ……う、うらやましくなんかねーべよ。 アタイだってちょほいと声をかければ、椛や聖が……! 彰利 「…………《ゴクリ》」 旅路がカオスになるからやめようね、うん。 藍田 「ん……お?なあ、あれじゃないか?端っこの町」 岡田 「お……おおあれか。薄ぼんやりと明りがつき始めてるあれだよな?」 彰利 「んお?……えーと……ウヌ!そうみたいであるゥ」 藍田 「…………どうしてガッシュっぽく始まって、クロウリーっぽくシメるんだ?」 彰利 「ガッシュベルもアレイスター・クロウリー三世も大好きだからです」 三世ってつけなければ実在する人物とごっちゃになることに、僕は大変驚きました。 ───と、いうわけで。 岡田 「ここが端っこの町ポタムレコか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」 藍田 「どおれ明日は大暴れしてやるとするか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」 話してるうちに到着しましたポタムレコ! ステファンチックでステキな名前! 景色もどっかオサレで全然ファンタジーっぽくない……。 岡田 「どうする?ちょっとメシでも食って───」 彰利 「おっちゃーん!船出してくれ船ー!」 藍田 「その船でメシ振舞えてめぇ!」 岡田 「うぉおおい!?確かに一石二鳥だけど図々しいにもほどがあるだろ!」 そげんこつ知らんばい! アタイはただ思うがままに日々を謳歌してぇだけなのさ! だから急ぐ時は急ぐ!遊ぶ時は遊ぶ!よく食いよく遊びよく脇腹痛めてよく震える! それが男だ任侠だ! メシ食ってすぐに走り回ると、どうして脇腹痛くなるんだろうね? 親父 「船ぇ……?だめだだめだ、もう夜になる。明日の朝なら構わないが、夜はダメだ」 彰利 「なんぜ!?」 親父 「いや、なんぜ、って……」 彰利 「何故となんでの融合体だ。物凄く疑問を抱いた時にどうぞ。───なんぜ!?」 親父 「……夜はモンスター避けの効果が低下するだろうが、そんなことも解らねぇのか」 彰利 「知らぬわ!つーわけでヨロシコ《ムキリ》」 藍田 「ガガーリン!《ムキリ》」 親父 「人の前でポージング取られても困るんだよ……おら、とっとと失せな」 彰利 「あぁっ!待ってよぉぅ!」 ……。 地獄先生ぬ〜べ〜の動く人体模型の真似もむなしく、おやっさんは歩いていってしまった。 岡田 「……どうする?」 彰利 「そりゃ……あれっきゃねーべよ」 藍田 「だな。船継ぎ場はあっちか?……みたいだな」 彰利 「錨のイレズミしてたから話し掛けてみたら、本当に船乗りだった時は驚いただぜ」 藍田 「ですがですがぁ!」 岡田 「?」 首を傾げる岡田くんを余所に、僕らは歩き続けます。 もちろん岡田くんも一緒に来るのですが、まだやるべきことにピンとは来てないらしい。 ぬう……魂が足らん。 もっとソウルを高めて魂の共鳴を僕らに合わせるのだ。 そうすれば貴様はきっと強くなる。 彰利 「魂の!」 藍田 「共鳴!!」 ほれ見ぃや〜!ほれ見ぃ〜! 突然叫び出してもついてこれる藍田=オリバ=亮は完璧でっせ!? 思わず“ハイ天鱗ゲットォ〜”とねちっこく言ってしまうくらいに完璧さ!関係ねーけど! 彰利 「岡田くん……内側に溜めるのはよろしくない」 藍田 「思ったことやりたいことをもっと明確に、ハッキリと発するんだぜ」 彰利 「どうせアタイら、もはや恥じも外聞も見せて困る相手なぞおらんのだ。     我らは世間では死した身。世間体?なにそれ。って感じで振舞えばいいのよ」 岡田 「ん〜……けどさ、それってたとえばどんなことすりゃいいんだ?     思ったこと、やりたいことを言ったりやったりって簡単じゃないだろ、理性的に」 彰利 「そうさのう……たとえば《ばさぁっ!》」 藍田 「うおっ!?」 服を全て脱ぎ捨て、神オムツもないままキモスティン! 生まれたままの姿で港町をゆく! 彰利 「アタイ今、とっても輝いてる!!《ギシャアアアアアン!!》」 ぽつぽつと残る港住民に見られても今更なにを恥ずかしがろう! 見るがいい!真に自由であるということは即ち!心の自由化とも繋がるのだ! 彰利 「一万年と二千年前からあっいっしってっ───あ」 桐生 「あ」 港側の路地からひょこりと折れてきた誰かさんと遭遇。 生まれたままの姿で両手を挙げながら、 腰をクネクネと艶かしくくねらせ歩いてる僕と遭遇したのは、 紛れもなき僕の恩師、キリュっちで─── 彰利 「きっ───キャーーーーーーーッ!!」 桐生 「きゃーーーっ!!きゃーーーーーっ!!」 彰利 「きゃああああああああああっ!!」 桐生 「きゃーーーっ!!」 彰利 「キャアアアーーーーーーッ!!!」 あっという間に恥ずかしさが臨界点を越えた僕は、 それはもうおなごのような叫びをあげ続けました。 はいすんません……やっぱ恩師とか大恩ある人の前では、 その頃の自分で居たいもんですね……。 ───……。 桐生 「正座!」 彰利 「あのー、その前に服を……」 桐生 「正座!!」 彰利 「服を……」 桐生 「正座!!」 彰利 「うっうっ……」 そげなわけで、荒ぶる海の近く、港で全裸のまま正座をするアタイ参上。 どうにもキリュっちにだけは頭が上がらないアタイは、言われるがままに正座をしました。 え?ウェポン?ええ、きちんとスマタノモロチンで隠してます。 藍田 「おお……全裸で正座するヤツ初めて見た……」 岡田 「お前……今最高にハジケてるぜっ!     これがやりたいことをやるってことなんだな……目が覚めたぜ!」 彰利 「こげな時に原ソウル爆発させんでええよ!!もっと別な場面で目覚めなさいよ!」 桐生 「アキちゃん!ちゃんとわたしの目を見てお話するの!」 彰利 「オゥ?オイとガン飛ばし対決してぇってか?     ア?オウ?コラネェチャンオウ?《ベパァン!!》ヘボッシュ!!」 桐生 「目上の人に対してそんな口の効き方したらだめでしょ!」 彰利 「な、なに〜!だったら全裸で年下のポックンを殴るのはいいってのか〜〜〜っ!     ていうかね!?人のウェポン見て顔真っ赤にさせときながら、     全裸のまま正座させるってどんな神経なんだコノヤロー!!     いいから着替えをさせなさい!させろコラァーーッ!!《ボゴォ!》ロルチェ!」 桐生 「こ、これは反省させるためでもあるんだからいいの!」 彰利 「フッ……旦那ァ、この年増ヤロウ、     若い男の裸見てドキドキしてやが《コパキャア!!》うちゅちゅーーーーっ!!」 桐生 「年増じゃないもん!まだ若いもん!!」 彰利 「あががががが……!は、鼻が……!」 見事な正拳突きでした……こう、真っ直ぐにアタイの鼻がコペキャアって……! 彰利 「あ、あのー……ところでキリュっちってばこげなところでなにしとんの……?」 桐生 「アキちゃんの説教!《どーん!》」 彰利 「そうじゃねぇだろタコ!胸張って勘違いしてんじゃねィェーーーッ!!     あたしゃこげな場所でなにをやっとったのかと《ボゴシャア!》こぴゃーーっ!」 桐生 「タコじゃないもん!!」 彰利 「なんだとこのイカヤロ《ベパァン!!》ウモルチェエーーーッ!!!」 桐生 「イカでもないもん!!」 彰利 「モンモンうるせーーーっ!!いいからこの場をうろついていた理由を、     伝説調に話して聞かせてください!あたかも授業で聞かせるかのごとく!」 桐生 「えっ……じゅ、授業?」 彰利 「アタイ……キリュっちの授業、受けてみたいナ……」 桐生 「…………《うずり》……そ、そこまで言うんだったら仕方ないなぁっ!     うんいいよ!わたしがここに居た理由を教えてあげるね!」 彰利 「《ゴシャアアアアン……!》チョロイ……」 目を鈍く輝かせ、胸を張りつつ目を閉じて、 嬉しそうに立てた人差し指をくるくる回しながら話し始めるキリュっち。 そげな彼女を余所に、ゴソゴソと艶かしく着衣を装着してゆく。 そしてようやく話し終えた頃には、 アタイは同じように正座をし、極上ガイアスマイルで彼女を迎え入れた。 桐生 「───ていうわけな……の?あ、あれ?」 彰利 「ぬ?どうされた」 桐生 「アキちゃん、どうして服着てるの?」 彰利 「人ですもの、着もしませう」 桐生 「そうじゃなくて!だめでしょアキちゃん!罰なんだから着ちゃ!」 彰利 「ほっほ、なにを仰るかこのタコは……     罰よりもまず人としての尊厳がですね《バゴキャア!》ニーーーチェ!!」 桐生 「タコじゃないもん!!とにかく脱ぐの!脱がないとダメ!!」 彰利 「なんと!?キャーーーーーーーイヤァアーーーーッ!!」 これは意外! なんとキリュっちがアタイに掴みかかり、服を剥ぎ取り始めたのだッツ!! 彰利 「たすけてぇええええ!!!痴女に穢されるゥウーーーーーッ!!!」 桐生 「へっ……ヘンなこと叫ばないの!これは罰なんだから当然で、     悪いのは反省しないうちに着替えたアキちゃんなの!わたし悪くないもん!!」 彰利 「ゲゲェものすげぇ子供みたいな屁理屈だ!!     おのれこのタコこの数年でいったいなにを学《バゴォ!》モルスァ!!」 桐生 「タコじゃないったら!ちゃんと反省しなきゃだめでしょ!」 彰利 「《ミチミチミチ……!!》イヤァアアア!マジで脱がす気だこの人ォオオ!!     怖い!怖いワ亮ちゃん!アタシ穢されちゃう!」 藍田 「大丈夫よ彰利子……きっとやさしくしてくれるワ」 彰利 「現在進行形で猛牛並みに荒々しいんですが!?     いやちょっ……ダメェエエ!!!そこはダメェエエーーーッ!!     人が!人が見てるゥウウーーーーーッ!!アレーーーーーーッ!!!」 ───……。 桐生 「正座!」 彰利 「服……」 桐生 「正座!!」 彰利 「あの、服……」 桐生 「正座!!」 彰利 「うっうっ……」 スマタノモロチン……再臨。 港で正座しながら叱られるある意味男らしい僕を、 陽が沈む美しい朱色の景色の中で……住民たちがヒッソォと話しながら眺めていた。 どうしてこんなことになったんだろう……普通なら、 この美しき景色をステキな気分で眺めてた筈なのに…………かっぱらった船の上で。 藍田 「桐生センセ、ほら、弦月も泣いてることだし、ね?」 桐生 「ダメ!きちんと反省しましたって言うまでは───」 彰利 「反省しましたわーい僕自由だぁーーーっ!!《バゴォ!》ペドロ!」 桐生 「ちゃんと反省しないとダメでしょ!」 彰利 「なにを言っとるんだこの男は……ちゃんと自らが     “反省しました”と言えばいいと言《ベパァン!!》デネヴ!!」 桐生 「アキちゃん!わたし女だよ!」 彰利 「だったらもうちょいとしおらしくしなされよ!     こう何度もビンタとか拳とか蹴りくらってちゃたまらんよ!」 桐生 「アキちゃんが反省すればすぐ済むことだよ!」 彰利 「反省しました!ごめんなさい!僕が間違っていた!」 藍田 「黙れクズが《ボソリ》」 彰利 「死ね!!《マゴチャア!!》ウチュチューーーッ!!」 桐生 「人に向かって死ねとか言っちゃだめでしょ!」 岡田 「おぉっとトーキックだこれは痛い!」 彰利 「ちゃ……ちゃうねんでキリュっち……罠っ……これは……!     あ、藍田くんが僕をソッとそそのかして……」 桐生 「人の所為にしないの!」 彰利 「アルェエエーーーーーーッ!!?」 みんな!先生が……先生が僕を信じてくれない! つーか返して!服返してマジで!サムイ!いろんな意味でサムイ! 岡田 「あのー、桐生センセ?もういいっしょ?     こいつこのままじゃ世間的に死亡確認されちゃうし」 桐生 「むう……」 藍田 「こいつ悪いヤツじゃないンス!ほんとっす!だから許してやってください!」 彰利 「てめぇがそれ言いますか!?     コノヤロー!こうなりゃてめぇも道連れじゃーーーい!」 藍田 「《ガヴァーーーッ!!》うえっ!?うわやめろっ!     お、俺は裸の男に脱がされる趣味はグワァーーーーーッ!!」 ……。 じゃかじゃんっ!! 藍田 「スマタノ───」 彰利 「モロチン!!!」 脱がしておいてなんだけど、藍田くんたらノリノリでした。 どうしよう、こいつ無駄に逞しい。 そしてモロチン正座カーニバルを前に、真っ赤なキリュっちが僕らの前に立つ。 グゥの音もでないのか、あうあうと言いつつ目を回している。 彰利 「フッ……夜風が冷たいな……」 藍田 「世間の目も冷てぇ……」 あ、泣いた。 どうやらヤセ我慢だったらしい。 岡田 「お前ら勇者だよ……もう今日この時だけでレベル5くらい上がってるよ……」 彰利 「おいおい馬鹿言ってるぜ?」 藍田 「ここはお前アレだろ。若さに任せて脱ぐところだろ?」 岡田 「えっ……お、俺もか!?嫌だぞ俺は!」 彰利 「YATTA!YATTA!大学ごうかぁ〜〜くぅ〜〜♪」 藍田 「YATTA!YATTA!社長就任〜〜♪」 岡田 「《ががしぃっ!》うわぁ馬鹿やめろぉっ!!     嫌だ!俺はいっ……いやぁああーーーーーっ!!!」 彰利 「葉っぱ一枚あればイィ〜〜〜♪」 藍田 「生きているからラッキィだぁ〜〜〜♪」 岡田 「葉っぱ一枚もないだろ!《ゴソゴソ》うぉお脱がすなやめろギャアーーーッ!!」 ……。 藍田 「スマタノ───」 彰利 「モロチン!!!」 岡田 「ぐすっ……ひっく……うぇえ……」 岡田くんが泣いていた。 モロチン処置をしているから正面からは鉄壁の守りの僕らだが、 後ろに居る人からはあっさり見えるのがモロチン処置。 三種の神器として、臭すぎの剣、マラタマ、(前)カガミを常備。 (前)カガミ状態じゃないとスマタノモロチンでウェポンが隠せないから仕方ない。 ちなみにモロチン処置というのは実際にはモロチンとは関係なく、まあその、なんだ。 臭すぎの剣を股に挟んで後ろ側に……ね?解るでしょ? 桐生 「あう、あうあう、あうぅう……《ふしゅううう……!!》」 彰利 「ややっ!いかがされたキリュっち!」 藍田 「赤くなっていては解らぬ!さあ!説教を続けめされい!」 岡田 「いやっ……お前らさ、もう少し羞恥心ってのをっ……さぁ……!頼むから……!」 彰利 「なに!?……おお、これはテンテン失敬《ムキッ》……これでよし」 桐生 「キャアアーーーーーーッ!!?」 岡田 「これでよしじゃねぇって!被せて剥いただけじゃねぇか!!」 藍田 「いや、リアルテンテンくんの的外れな紳士っぷりはスバラシイものがだな」 彰利 「───キャア!リアルテンテンやるためにモロチン解除しちゃった!     み、見た!?見たのキリュっち!どうなの!?ど───あ、あれ?」 桐生 「あ、ああぁ……アキちゃん、のぉおお……!!」 彰利 「───ア。なんだかとってもヤな予感……」 桐生 「ばかぁああああああああっ!!」 彰利 「やっぱりぃいいーーーーーっ!!!」  ドンドカバゴボゴドスベキゴキ!! 彰利 「ギャアーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」 ……その日私は、顔を真っ赤にした空手家にボコボコにされた。 ───……。 ……。 シュウゥウウ…… 彰利 「ちくしょ〜〜……」 藍田 「おごご……どうして俺まで……」 岡田 「ががが……それ、間違いなく俺のセリフだって……」 散々っぱらボコられて、だけどなんとか服を装着できた僕らはボコボコだった。 ちなみに三人並んで説教食らってます。正座で。 桐生 「女の子の前でっ……女の子の前でっ……ううぅう!!     女の子の前であんなの見せたらだめなんだからね!?」 彰利 「オイオイ自分のこと女の子とか言ってるよこの人。歳考え《ベキャア!》メノ!」 桐生 「わたし女の子だもん!!」 彰利 「ホコッ……ホコココ……!!」 歯ッ……歯が折れた……! 今の鉄菱……?一本拳……?どっちでもいいから勘弁してクラサイ……。 岡田 (弦月、弦月ぃい……!頼むからあんまり挑発するようなこと言うのは……!) 彰利 (オイラ決めたんだ!男らしく生きるって!) 岡田 (その前に殴り殺されるだろこの状況!!     そんなのこの後からでいいから!今は生きて船出を迎えさせてくれよ!) 藍田 (……だな。今はこの状況から離れることが先決。     岡田、ちょっとだけ時間稼げるか?モロチン限定で) 岡田 (うぉおおい!?なんでモロチン限定なんだよ!嫌だぞそんな時間稼ぎ!) すっかりトラウマモロチン状態らしい岡田くんは、当然だろうけど嫌がった。 ……アタイもモロチンで時間稼ぎは勘弁だ。 藍田 (……よし、じゃあ俺がオリバ化で時間稼ぐから、     その隙を縫って船をちょっぱってくれ) 彰利 (え……オリバでモロチン?) 岡田 (お前……そりゃ軽い犯罪になるんじゃ───) 藍田 (やらねぇよ!!オリバになるだけだっての!!) 彰利 (そ、そう?やるんだったらショットガンで撃たれても文句言えねぇところだぜ?) 藍田 (やらねぇって!……いいか?さんのーがーはい、でいくぞ?) 彰利 (任せろモロチン) 岡田 (頑張れモロチン) 藍田 (誰がモロチンだてめぇ!!) 顔を真っ赤にして怒る藍田くんをよそに、作戦GO! さんのーがーはいで互いが頷き合うと、藍田くんの体がメコモコと変化してゆく! 当然それに気づいて驚くキリュっちを確認すると、 我らも正々堂々!試合開始!試合じゃねーけど! 彰利 「って怖ェエエエエエ!!」 岡田 「エ?───ぎゃああああああおばけぇえええええっ!!」 オリバ化が始まったのはいい! いいんじゃけんども、藍田くんたら物凄くゆっくりと、 時間をかけてオリバになっていってるんです! それこそ一瞬ではなく、メコモコと、 “藍田くんがオリバへと進化する様をスローモーションカメラで撮った映像です。” とかサイエンス番組で見せてるような感じに! これこそまさに藍田くんの狙いどころなんだろーけど、本気で気持ち悪いです! あたかも私の筋肉が肉体を失ったら、 この場を押しつぶすことになるだろう……とか訳の解らんことをなんたらかんたら! エィイ言ってる場合ではねー! 彰利 「岡田!参るぞ!」 岡田 「ああ……降参だ……こりゃ勝てねぇ……」 彰利 「そうでなくて!ギャアもうアタイだけで行ってくるわい!」 岡田くんたらすっかり超変身オリバの様に見とれておるわ! だから───アタイが裁く!でなくてアタイがちょっぱる! ジョジョキャラ風に港を駆け、一番豪華そうな船に乗り込むと、 まずは燃料の確認!前後方の確認! 次に左右を確認してから錨を持ち上げ、いざ出発進行! ……エ?キー? ファンタジーにキー付きの船なぞ存在せぬわ! 彰利 「さあ乗れ!逃げんぞY」 オリ田「待っていたぜそいつを!」 彰利 「おばけぇええええっ!!!     ぎゃああああああああああっ!!!!」 何気なく呼んでみた声に振り向いた、藍田ともオリバともとれない存在が振り向いた途端。 僕は素直にそう叫んでおりました。 しかもそんな彼が岡田を抱えて走ってくるのです! ああ、僕は……僕は!そんな姿を見て船を急速発進させてしまったのだ! だって仕方なかった!ああしなければやられていた!…………なににだろう。 そんな単純なことに気づいた時、既に港は離れていて…… 彰利 「…………えーと。───悪は去った……」 後悔を誇りに変えて、前に進むことにしたのでした。 声  「悪……フフ、誰ノコトカナ?」 彰利 「───《ハクッ》」 息が詰まる思いでした。 ば、馬鹿な……ば、馬鹿な……このアタイが気配を感じ取れなかった……だと? ギギギ……と、ゆっくりと後ろを振り返ってみれば、 船までを泳いできたのか……びっしょりと濡れたオリバと、 それに担がれた岡田くんの姿がッ……! オリバ「何処ヘ行コウトシテイタノカナ……コンナニ急イデ……」 彰利 「お、おぉおお……お前と一緒にっ……避難する準備だぁっ……!!」 オリバ「一人用ノポッドデカァア……?」 驚愕のあまり、的外れにも程がある言い訳を並べたものの、 それをしっかりパラガスとブロリーチックな駆け引きで返してくれる彼は流石です。 なんて小さな喜びを感じるのも束の間。 オリバ「バカだぜアンタ」 彰利 「!」 謝謝楊海王……ってヤバイ!! このソッと頭に手を置かれる状況っていったら───!!  メキャアッシャアッ!! 彰利 「ギャアァーーーーーッ!!」 圧迫……!物凄い圧力が頭から足にかけてを走ってゆく! だがこの彰利は耐えたね!耐え……ごめんなさいワシもう幻海。 彰利 「おっ……おぉおおおっ……!!じ、自分の子供に殺されるとは……!!     こ、これもサイヤ人のさだめかっ……!!ベッシアァアアアアッ!! バキポキ、コキ……ンッ………… 頭から爪先までストレートに潰されました。 折りたたみ式ジャガッタブレイカーなんて目じゃない。 ストレートに、ただひたすらに力だけで潰されたのでした。 ───……。 ……。 でも咄嗟に月影力&黒の力で影に逃げたので平気でした。 彰利 「へっちゃらさーーーーっ!!」 いやまあ骨はしっかり折れたんですがね。 生憎このワシは……強ぇええのよ。 そういうわけで総員無事なアタイたちは港のキリュっちに別れを告げ、 散々とばかー!ばかー!アキちゃんのばかー!と叫ばれつつ孤島を目指しました。 ……なんでアタイだけバカバカ言われたんでしょうね。千絵悲スィ。 彰利 「ほんでYO、道ってこっちであってるんかな。道路じゃなくて海路だけど」 岡田 「ん、地図見せてもらうぞ」 彰利 「キャア何処触ってるのYOドエロス!!」 岡田 「よっ……よりにもよってドエロス!」 わざわざバックパックから取り出すのが面倒だから、 ズボンポケットに入れておいた地図を取り出す岡田くん。 手に取ったそれをバサアと広げ、 岡田 「……なんだこれ。……アタイは妖精きらめく妖精……?」 彰利 「キャア!それは地図じゃなくてアタイのポエムYO!!」 岡田 「ポエム!?これポエムなのか!?ただ自分に酔ってるだけの戯言じゃなくて!?」 彰利 「うわひっでぇ!貴様全世界のポエットポエマーに謝れ!」 岡田 「この場合謝るのはてめぇだろうがこのクズが!」 彰利 「おー!?なんだとてめぇやんのかコラこの野郎!!」 岡田 「おー!!やったろうじゃねぇか表でろこの野郎!!」 そして僕らは甲板に出て、船をほったらかしにして殴り合いの喧嘩をしたのでした。 彰利 「わー!《ぼかっ!ぼごっ!どすっ!》」 岡田 「わー!《どごっ!ぱごっ!ぼがっ!》」 その激闘は凄まじく、拳だけというルールのもとに繰り広げられた戦いは陽が完全に沈み、 完全なる夜がフェイスを出すまで続き……やがてそれが終わる頃。 僕らは離れた場所でtellを繋いでひとこと。 彰利&声『今日はぁ……ごめんにぇ?』 これで解決。 知ってる人なぞ居なくていい、これが仲直りの代表的スタイルさ!デマカセだけど。 彰利 「というわけで仲直りしました」 岡田 「男の喧嘩は親睦を深める最終兵器さ」 藍田 「それはよかった」 殴りあうことで、ガキみたいに燥ぐことで、岡田くんも結構ノリにノってきてくれた。 ゆっくりとだがマジメな部分が削がれていっているのを、私は感じておるよ。 藍田 「んじゃあ早速だけど夜食にありつこう。釣り道具は船の中にあったから」 ロビン『いや、ここは私が行こうキン肉マン』 岡田 「おおロビン!」 ロビン『この紳士超人ロビンマスクにかかれば、釣りなど遊戯のようなもの!     私に任せておくのだ〜〜〜〜〜っ!!』 藍田 「ロビンてめぇ!水中でデュエルモンスターズでもやるつもりか!」 ロビン『その遊戯じゃねぇよ!いいから黙ってそこで見てろクズどもが!』 藍田 「黙れクズが!」 岡田 「死ね!!」 ロビン『なんで俺メシ調達しに行こうとしてるのにクズとか死ねとか言われてんの!?』 藍田 「いいからさっさと行け紳士が!」 岡田 「おら行け紳士!なにやってんだ紳士!この紳士が!!」 ロビン『いつの間にか紳士が罵倒文句になってるし!     ち、ちくしょう!覚えてろてめぇら!絶対後悔させてやるんだからな!』 ちょっぴり涙目になりながら、遥かなる海へとダイヴした。 どおれここはひとつ大物でも獲ってやるとするか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ! ───……。 ……。 ドォッパァア〜〜〜〜〜〜ン!!! ロビン  『ユニコーーーン!ヘェーーーーーッド!!』 藍田&岡田『ゲェエーーーーッ!!!』 そして僕は捕獲した! 巨大な魚を!恐らく一尾で僕らを満たしてくれるであろう大物を! ロビン  『ファイヤァーーーーッ!!!《ジュゴォン!!メラメラ……》』 藍田&岡田『ゲゲェーーーーーーッ!!!』 でもユニコーンヘッドといえばアノアロファイア。 つい一連の動きを流れるように実行してしまったアタイは、 灼熱の黒炎で巨大魚をケシズミにしてしまった。 そして、勢いのままに甲板へと降り立った僕と彼らとの間に走る無情の沈黙。 ロビン『………』 藍田 「………」 岡田 「………」 ロビン『いやなやつは!ここからでていけ!!     ……わたしもそうしてオリンピックを戦いぬいた……』  ドカドカバゴボゴ!! ロビン『オアーーーーーーッ!!!』 その後私は、二人の飢えし者に無言でボコボコにされた。 Next Menu back