───冒険の書287/混沌曜日───
【ケース724:晦悠介/とんでも勇者】 少しして解ったことは、しっかりとデスゲイズに襲われなくなっていることだった。 中井出「あと踊れるOPとEDっていったらなんだっけ」 彰利 「グ、グーヴ」 移動は主にエーテルアロワノンで行っている。 何故って、ルナが居ないとエルメテウスに魔力汲々が出来ないから、 という情けない理由からだったりする。 思えばエルメテウス浮上の折、ルナ、というよりはフレイアに魔力……じゃないな。 代役となる力の汲々をしてもらったことを思い出し、 どれだけ念じても動かないエルメテウスに首を傾げることをやめた俺達。 目的にルナ探しが追加されたんだが、はてさて。 あいつは今どこでなにをやっているのか。 彰利 「ア。焼きたてジャパンのマツケンダンスとか」 中井出「アッ♪アッ♪アッ♪アッ♪とか言って腹をウネウネ動かすのか」 彰利 「…………見てる方は笑えるけど、やってる方は少し恥ずかしいね」 閏璃 「それってどのダンスでも言えることじゃないか?」 藍田 「いやいや、踊りなんて踊っちまえばそうでもないって」 レイル「そうそう、歌と同じで人間の本能的なものもあるだろうし」 中井出「じゃあドナルドエクササイズダンス踊ってみて?全力で楽しげに」 藍田 「ごめんなさい」 レイル「勘弁してください」 彰利 「ゲェ……」 中井出「きっさまそれでも───ぬおお違う!!くそう悲しい!!     貴様はドナ様への愛までもを我が記憶とともに忘れてしまったのか藍田くん!」 藍田 「え?え?なに?ドナ様ってなんだ?」 彰利 「……悲しいな……」 中井出「悲しいな……」 落ち込む二人を横目に、俺は手の平に鳩を創造しては、それを変換するコツを探っていた。 文字列を変えて変換するのはラグの中の賢者の石の力。 文字列抜きで変化させるのは変化の指輪の力。 どっちがどう違うのかといえば、賢者の石の変換は細かなところまで変換可能。 鳩を蛙に変えたとして、強度を変えるとか翼を生やすとか、 細かなところまでフォローが可能。 逆に変化の指輪の変換は、 これと決めて変換させたらそのままのソレが出来る、というもの。 石に変換させれば鳩の意思を持つ石になる。 そこに+アルファは組み込めない、と。そんな感じだ。 藍田  「提督!よく解らんけど訓練頼む!体術で!」 中井出 「くそう!ドナ様に謝れぇえーーーーーっ!!《ゴシャーーーン!!》」 藍田  「ぬぉおァア!?なんだその裂帛の気合いはァアア!!」 甲冑男爵『全身甲冑の武装錬金!破壊男爵!空手の奥義を教えてやるぁあーーーっ!!』 藍田  「望むところだオォリャァアーーーーーーッ!!」 一分たりとも落ち着く時間がない気がする景色の中で、 俺はのんびりと悠黄奈を前に変化の練習。 何故悠黄奈の前でかっていうと、彰利の月影力を使って影を繋ぎ、 かつてのイメージの仕方を思い出そうとしているから、である。 悠黄奈「どうですか?」 悠介 「全然だめだな、うん」 結果はボロボロだが。 悠黄奈の中にあるかつての俺の経験は、俺になにも見せてはくれなかった。 よーするに苦労した分は自分で経験しろってことだろう。 まったくかつての俺らしい、頭の硬い考え方である。 悠介 「………」 けど、懐かしさは感じた。 守りたいものを守れるものにするために、強くなっていた頃のことだ。 剣も弓も槍も体術もと、なんでもかんでもを躍起になって学んだ。 時間がゆっくりと流れる世界の中で、延々と修行したんだったよな。 今の俺にはあの時ほどの経験はないが、それでもあの頃より弱いとは感じない。 そりゃ、反発反動力が無くなったのはかなり大きいが。 なんでも一本のみを極めれば、なんて今の考えは端的なものだ。 かつてそう思ってたことは今もそう変わらない。 一本を極めたところで辿り着けないものや苦手なものは出てくる。 一本を極めたいって思うなら、自分だけがそうしていればそれでいい。 他人に“なにもかも極められる筈がない”って押し付けるのはどうかしてるし、 実際そんなもんは経験さえ積んでいけばどうとでもなるんだ。 時間と飲み込みの速さも関係してくるが、俺の場合は反発反動力や神魔など、 いろいろな能力のバックアップがあったから至れた場所。 ……まあ、イメージを武器にする自分だったからこそ、っていうのもあった。 主に超越・凌駕のお陰だ。 イメージするのは常に最強の自分。 そして、その自分を幾度も幾度も少しずつ超越し、凌駕する。 そういったイメージを展開しながらの重力修行を幾度もこなした。 技術だけが真に至れていたからゼットにも勝てたし、 なにかを守れるところまで行けていた。 でも。それでも今の自分が負けているとは思わなかった。 創造する者として“限界は創るな”だ。 あの頃は極みだったと思えたものも、今は違う。 能力が上がれば限界は伸びるし、 今はそこまでしか行けなかったとしても、伸びればそれ以上いけるから限界なのだ。 “既存の言葉に惑わされない心を持とう”。 それが、守ることをやめた俺が知った志だ。 悠介 「おーい提督ー」 中井出「え?なに?」 ボコボコにされた藍田が樹木の床に横たわる中、甲冑を元に戻した提督が振り向く。 そんな彼に、俺はひとつの質問を投げた。 悠介 「たとえば散々練習して、これ以上早く走れないランナーが居たとしてさー!     それはもう限界なんだと思うかー!?」 中井出「脳のコントロールに至りなさい!ほんとの限界なんて言葉はなー!     全てを試した者あたりじゃなきゃ使っちゃいけねー言葉なのだ!     肉体の全力でそれ以上伸びないんだったら肉体以外で挑戦せよ!     脳の方でも限界を迎えたら、それ以外のことで上を目指せ!     速く走ること、が目的なら手段を選ばずなんでもせよ!     で、全てを試し尽くした時、あなたは初めて“限界”を知りそうになる……!」 悠介 「……知る、じゃないんだな」 中井出「嫌な表現だけど技術は進歩します。肉体的、脳的なものではなく、     もっとこう……走り方や風の影響を受けない方法を突き詰めればさらに。     肉体、脳、続いて技術。俺達が知らないだけで、もっと他のことなどある筈。     これだけだ〜とか思わないで、もっともっと“当然のこと”を破壊するんだ。     そうすればキミは強くなれるといいね?」 悠介 「そだな」 じゃあ、と手を挙げあって終わった。 悠介 「というわけだ」 悠黄奈「限界なんてまやかしってことですね?」 悠介 「そうそう」 だから一本を極める。 反発反動力は無尽蔵のエネルギー精製工場みたいなものだったが、 そこで得られるのはエネルギーだけだ。 肉体や脳の解放なんてそれこそ未熟だっただろうし、 人体能力の解放で言えば、あの頃の俺は提督の足下にも及ばない。 彰利 「中井出中井出ー!影繋げるべー!     そしてアタイと貴様で運命常識フルブレイクモードで限界ブッチギリバトル!」 中井出「よしきたさあ来い任せとけ!こう見えても俺は!ノリバトルの達人!!」 悠介 「ちょっと待ったぁ!その運命常識フルブレイク……俺も混ぜてもらう!」 彰利 「えー……?だってお前、常識も運命も破壊できないじゃーん……」 中井出「俺達になにもたらしてくれんだよー……」 悠介 「なんだその小学生みたいな仲間はずれの仕方!!     いっ……いいだろうがなにも破壊できなくても!     創造原理くらいは破壊出来るんだから!」 中井出「じゃあ俺にも創造原理の破壊ができるようにしろよ〜」 彰利 「そーだそーだ、モミアゲのくせに生意気だぞー」 悠介 「生意気とかそういう問題じゃ───     この状況でモミアゲにどんな関係があるんだ!?」 悠黄奈「あの……落ち着いてください悠介さん。     全力で騒ぐのはいいですが、飲まれすぎると戻ってこれなくなりますよ」 悠介 「はっ!?」 しまった……完全にペースに飲まれてた……! ふう、落ち着け落ち着け、クールだ、クールに行こう。 そうだ、顔でも洗ってすっきりすれば、少しは調子を取り戻せる……。 彰利 「あれ?何処いくん?」 悠介 「あ、いや、ちょっと顔を───」 彰利 「わー!悠介がうんこだー!」 悠介 「本気で小学生みたいなこと言うなたわけぇっ!!」 彰利 「え……?違うの……!?」 悠介 「本気の顔で疑問ぶつけるのもやめような……!     大体この世界じゃ俺達は排泄なんてしないだろうが……!」 彰利 「素直にビッグとかうんことか言えばいいのに。     あのねぇ悠介?下品なことを下品としてしか捉えられないようでは下の下。     シモのことにも楽しみを見出せるようにならねば、ただ視野が狭くなるだけよ?     言葉としてうんこって言葉があるのにわざわざぼかすのはどうか。     いやまあ普通に大便とか言うだけでも結構……その……あの……」 悠介 「言ってて恥ずかしくなるくらいなら最初から言うなぁああああっ!!!」 話してるうちから段々と赤くなっていってりゃ世話ない! 本当にこいつはなにがやりたいんだああもう!! 彰利 「だだだだって仕方ないじゃないか!     シモネタとて、ギャグにする人は考えて出してるんだぞ!     それを下品の一言で片付けられてみろ!     悲しいんじゃないかなぁとか思えるだろ!?だからね、ハイ。     下品と感じても、まずその中から、     多少なりとも面白味が感じられるかどうかを探すんです。     あ、これ下品だからパスって飛ばしておいて、     文句だけは一丁前に語るクズには成り下がらんこと。     下品と感じてもその時の自分の表情を思い浮かべてみること。     それが本当に嫌悪だったんなら頷きましょう。     でももし笑ってたなら、その人にそれを馬鹿にする資格などねー。     何故って、そういうのは人を笑わせるために考えられたものだからさ!     つまり!なにかに対して批判していいのは!     それをしっかりと見た者感じた者だけだぁーーーっ!!」 悠介 「提督ー、水のキャリバー弱で頼むー」 中井出「ほ〜れウォーターシャワー」 彰利 「アルェエ!?無視!?シモのことを熱く語るアタイ無視!?」 お前の頭の中がシモだらけなのは、 もうお前がホモのレッテル貼られてた時代に散々味わわされたから結構だ。 彰利 「なんだかいらない恥だけかいた気がする……」 中井出「新たな世界が開けたみたいでよかったじゃないか」 彰利 「やな世界だね、それ」 じゃばじゃばと提督のキャリバーで顔を洗って一息。 はぁ、そういえば最近野営続きだったから、顔を洗うとかそういう発想がなかった。 なんて考えてると、提督がニヤリと笑って─── 中井出「マッスルウォッシャー!」  ぶわっしゃぁああっ!!! 悠介 「ぶわっは!?」 藍田 「にああっ!?つめてっ!」 彰利 「ひやっけえ!!」 急に水の出力をあげ、俺達にぶちまけてきた。 しかも物凄く冷たい。 中井出「夏と言えば水遊び!だがただかけるだけではつまらん!     というわけで第3564回!突発的水掛大会を開始する!」 彰利 「とっ……突発的……!」 悠介 「水掛大会……!?」 中井出「そうこれは水を操れる者だけが楽しい楽しいとっても楽しい力無き者に水を掛けま     くるまるで地獄絵図のような一方的なパーティーさグフフ大丈夫怖くしないからせ     いぜい叫んで逃げるがいいさウィヒヒヒヒヒ」 彰利 「この時点で既に顔とか言葉が怖ェエよ!!」 悠介 「つーか一息でどれだけ喋るんだよお前は!」 閏璃 「いやっ……ていうか……」 藍田 「そのルールでいくと、俺とか閏璃って……」 中井出「たっぷり涼しくなっていってね!凍え死ぬがいい《ボソリ》」 レイル「既にボソリとかそういうレベルじゃねぇ!」 藍田 「普通に死ぬレベルの怖さだ!」 ツッコミどころ満載だったが、ともあれ始まる大乱闘。 だがあんまり一方的すぎるのもナンだと思った俺は、 水を行使出来ないやつらに水鉄砲を創造して進呈。 するとそれに心を奪われた全身童心馬鹿二人が目を輝かせて両手を突き出してきた。 中井出「……!」 彰利 「……!」 悠介 「………」 仕方なく創造して渡すと、わー!と両手を挙げながら散り散りと走ってゆく。 本当に子供である。 彰利 「悠介悠介!これってあの、振りまくると圧力で水の威力があがる水鉄砲!?」 悠介 「ああ。振れば振るだけよく飛ぶぞ」 中井出「なるほど《ズォオオオオオオシャアアアアアアアアアアアア!!!!》」 悠介 「おぉおおい!!?そんな手が見えなくなるくらい速く振るなぁああ!!」 中井出「やー!」  ギガァアアッチュゥウウウウンッ!!! 悠介 「ひぃいいっ!!?《チュインッ》」 水鉄砲から放たれた水を紙一重で避ける……って切れた!髪の毛切れた! 彰利 「わーいたのしー!」 悠介 「楽しいってレベルか今のがぁっ!!竜族のレーザーの音が鳴ったわぁああっ!!」 中井出「見なさい子供たち……人間でも、頑張れば水鉄砲でレーザーが撃てるんだ……」 悠介 「提督もこんなことのために人器フル解放すんなよぉっ!!」 中井出「遊びにこそ全力を。……博光です《脱ぎっ》」 悠介 「脱ぐな!」 彰利 「よーし僕も負けないぞー!《ゴシャアアアアアア!!》」 藍田 「俺だって負けねぇ!」 閏璃 「子供の頃、水鉄砲の鬼と呼ばれた実力……見せてやる!」 レイル「きっついの一発くれてやる!」 悠介 「……なんかもう、水掛って言うより威力競いになってないか……?」 まあでもそれならそれでよし。 提督が撃った水鉄砲が悠黄奈に直撃しそうになったとか、 なんかそういうこととかいろいろ考えないようにして遊ぼう。 ───……。 ……。 ボタッ……ぼたたっ…… 悠介 「がっ……はぁ……!はぁ……っ……づっ……!」 腕から血が流れる。 額が切れ、流れる血が左目を塞いだ。 中井出「ぐふっ……ふぅ……!まさか……こんなことになるとはな……!」 彰利 「へっ……まったくだ……。     人が遊んでるときに横槍たぁ、趣味が悪いんじゃねぇか……?」 その場に残ったのは俺と提督と彰利だけだった。 三人ともボロボロで、ところどころを負傷しているために、 気を抜けば倒れてしまいそうになる。 中井出「一番最初に僕のことコロがそうとしたキミに言われたくないよ!」 彰利 「あんだとてめぇ!     そっちこそ俺が閏璃と遊んでる時に横槍入れてコロがそうとしたじゃないのさ!」 誤解がないように言っておくが、これは水鉄砲遊びである。 決して、遊んでいる最中に敵が来た〜、とかそんなことはない。 ……水鉄砲で額が切れたり腕を負傷したり、人が死ぬってのも凄まじいことだが。 ───なんて思っていたんだが。 シャル「あなたたち!遊んでいる場合ではありません!」 中井出「場合など自分で決める。指図される覚えはない《どーーん!》」 シャル「えぇっ!?」 悠介 「正論だけど、そう言ってやるなよ提督……」 突然、血相変えて走ってきた姫さんが……驚いた。 それはいいとして。 彰利 「どぎゃんしたとよオメ。なに?奥歯にもやしでも詰まった?」 シャル「そんなものは知りません!それより───ミクですわ!     ミクが要塞の前に止まっているのです!」 中井出「なにぃ」 彰利 「ミクってあの?なに、量産型なの?あいつ」 中井出「そういえば要塞が止まってるね。なにかと思った」 悠介 「全然慌ててないんだな……」 大物とかそんなの無視してどこまでマイペースなんだろうかこの人は……。 ともあれ俺達はテラスをあとにして、要塞の前面のほうへと走り出した。 ───……。 ……。  コォオオ…… ───で、前面。 VS刻震竜の際に、そういえばこんな場所があったな、 と思い出させられる要塞先端部分の少し先の虚空にそいつは居た。 途中で合流した藍田たちも含め、俺達はゴクリと固唾を呑み…… ミク 『…………魔王、中井出博光とお見受けします』 中井出「やー!」  ギガァッチュドッガァアンッ!! ……パラパラ…… 中井出「……危なかった……!あと少し遅かったらやられてたぜ……!」 総員 『ぎゃあああ殺したぁあああっ!!!!』 ……辿り着いたら辿り着いたで、提督が水鉄砲レーザーでミクを破壊。 中井出「殺した……!?失敬だなキミ!僕は晦が創造した水鉄砲で遊んでただけだ!     そう!晦が創造した水鉄砲で!晦が創造した水鉄砲なんだから仕方ない!     だって水鉄砲は遊び道具だもんなあ晦が創造した!」 悠介 「必要以上に俺が創造したってつけるなぁ!!なんか俺が悪者みたいじゃないか!」 声  『フフフ……それでわたしを倒したつもりですか……?』 中井出「な、なにぃ!?」 声!?この声は…… 中井出「この無駄に音域が高くて聞きまくってると時々頭痛のする声は……ミク!?」 彰利 「キミなんかミクに恨みでもあんの!?     説明的なのにいろいろな辛辣さが混ざっとるよ!?」 中井出「ミニスカートがけしからん!」 彰利 「それだけの理由で!?」 中井出「大体僕初音ミクなんて知らないし。なに?年中無休で桜咲かせてる島の人?」 彰利 「初音繋がりだけど全然違ェ!!     ああもうこれだから中途半端にしか地界の歴史を知らんヤツは!」 中井出「ねーねーミク!和菓子だして和菓子!     手から和菓子出せるんでしょ!?ねぇったら!」 彰利 「やめてぇえええ!!知ってるような顔で無理難題ふっかけるのやめてぇええ!!」 いや、そういうことより状況を考えようぜ提督……。 え、ええと、破壊された筈なのにミクの声が聞こえるのは─── 中井出「……おお、あんなところに機械が浮いてる」 彰利 「え?おおほんと」 気づいてみれば、空中にふよふよと浮いている機械。 声は、そこから聞こえていた。 声  『わたし一体を倒したところで、わたしは何度でもあなたの前に現れます。     あなた方は我々帝国の敵。ならばこそ《がしぃっ!》ぴあっ!?』 中井出「…………」 彰利 「………」 悠介 「て、提督?彰利?」 提督が喋っていた機械をムンズと掴み、無表情で彰利とともにそれを見下ろした。 そして要塞の一角まで歩いてゆくと───  ……二度と復活しないように火葬した。 藍田 「たぶんミクはそういう意味で言ったんじゃないと思うなあ……」 他のミクが何度でも現れるって意味だったんだろうに……。 立ち上る煙を見送りながらそんなことをしみじみと考えた、とある夏の日の出来事だった。 【ケース725;晦悠介(再)/ハートに届け!プラクティス!!初音編】 そんなこんなもあったが、移動再開。 すっかり命がけで涼んだこともあって、 俺達は案外涼しげに移動の間の時間を満喫していた。 それこそ転移すれば〜ってこともあったが、忘れちゃいけない冒険魂。 せっかくこうして空を飛べるようになったのだ、満喫しなければもったいない。 彰利 「いやぁ……やっぱり東山くんデショ」 藍田 「いやいや、朱鷺戸(ときど)さんも捨てがたい」 で、あいつらがまたなにか話を始めたんだが……どうしてこう突拍子もなく始めるのか。 中井出「なんの話?」 彰利 「自虐人の話。いわゆるえーと……マゾデレ?」 藍田 「すごい造語だなそれ……」 中井出「えーと……自虐しながらあなたが好きですオーラを出すの?     ……ああ!東山くんだ!」 彰利 「だよね!?だよねぇ!?やっぱマゾデレっていったら東山くんだよねぇ!?」 レイル「で、その東山〜ってのは誰なんだ?」 中井出「説明しよう!今よりかなり前に少年ガンガンで連載していた浅野りん氏作!     CHOKOビーストにて存在していた究極の自虐メン!     被害妄想が強くて、だけどちぃとも嫌いになれない面白いキャラだった!     “東山 檀”(ひがしやままゆみ)がフルネーム。主人公を天使の君と呼び、愛していた。     友情という意味でね?」 彰利 「笑うがいいさっ!こんな僕をっ!って言葉が大好きでした」 中井出「普段はとっても大人しいのに自虐が入るとすごい元気になるんだよね」 藍田 「ちなみに提督、朱鷺戸さんもそんなキャラだぞ」 彰利 「いやいやぁ、朱鷺戸さんはアレだろ、普段からも元気だろ。     あ、ちなみに朱鷺戸沙耶さんってのは───」 中井出「?」 提督が空界暮らしを始めてから出たゲームの話なんだろう。 もしくは知らないのか、提督は首を傾げて疑問符を頭の上に浮かべていた。 ……器用に灼闇で象って。 中井出「まあいいや、僕ロドリゲスにご飯あげてくるからまた後でね」 彰利 「オウヨ」 藍田 「いや、しかし東山くんの“とんだピエロだよ!”も捨てがたい……」 彰利 「だよねぇ?」 そんなこんなで時間は過ぎてゆく。 修行も休憩も全力でがモットーらしく、 彰利や藍田や閏璃やレイルは、休むと決めたらテコでも動かなかった。 そんな中で俺もいい加減に変化の練習をやめ、飲み物欲しさに要塞の中を歩きまわった。 創造すれば早いんだが、どうもそんな気分じゃない。 こう……な?誰かが用意してくれたのを飲みたい気分になること、あるだろ? それは例えば店でもらう水でもいいんだ。 お冷だ、飲め、とか言われて出されたものでも十分だ。 とにかくこう、そんな気分なんだ。  というわけで。 猫たち『ふかーーーーーっ!!!』 悠介 「………」 厨房に入った先に、まるでルナのような威嚇が待っていた。 悠介  「い、いや、水を……」 イッケク『ふかーーーっ!!』 悠介  「水……」 サクパケ『ふかーーーっ!!』 悠介  「み……」 ケマル 『ふかーーーっ!!』 悠介  「………」 ウルンテ『ふかーーーっ!!』 話にもならなかった。 ああ……本当に提督以外には容赦ないんだな、この要塞の住人(?)は……。 仕方なく移動することにした。 さすがに威嚇されながら水を注文するわけにもいかない。 というかまずくれないだろう。 なんてことを思っていると、視界の先の方をふよふよと飛んでゆく物体を発見。 エィネっていう妖精、だったよな。 悠介 「なぁ」 エィネ『はい?───キャーーーーーッ!!!』 悠介 「うわっと!?お、おい?ちょっと」 エィネ『きゃーーーーっ!!きあーーーーっ!!』 ……。 人の顔を見るなり叫んで、逃げ出してしまった。 ……はぁ。 いったいどんなことやったんだよ人間どもよぅ……。 提督が一緒の時はああも避けなかったっていうのに。 悠介 「……これは、飲み物がどうとかの話じゃないな……」 仕方ない、飲み物は自分で創造─── 悠介 「………」 中井出「………」 …………さて。 なんで水を持った提督がキザったらしいポーズで立ってるんだろうな。 中井出「やあ」 悠介 「やあじゃなくて」 中井出「大丈夫、貴様の願いは解ってる……これが飲みたいんだろ?」 言いつつ、どこで知ったのか水を差し出してくる。 それは木製コップ一杯の水だったが、確かに欲しかった水だったわけで─── 俺はそれを受け取ると口に含み、味わいつつブファアッ!! 吐き出した。 悠介 「ゴヘェ!?なんだこりゃあ!」 中井出「研究の末に完成した谷川の名水味の水です。ふふ……苦労……したぜ……?」 悠介 「ほぼ天然水しかないこの世界で、     わざわざカルキ味の水を作ることになんの意味が!?」 中井出「え……面白いかなって」 悠介 「ぎぃいいいいいい……!!都合よく出てきたと思ったらやっぱりぃいい……!!」 中井出「大丈夫!成分はきちんとミネラルウォーター!     味もそっけもない水に今まさにナウいカルキ味!     さあ味わうがいいさ日本人は味ついたものが好きだもんなあ我が儘星人め!!」 悠介 「待てぇええ!!なんかいきなり俺が悪いみたいになってるぞ!?」 中井出「……はっ、これだよ。味が無いなんて嫌だとか言って、味付けたら文句だ……。     貴様らはほんと食い気や食通ぶり根性ばっかで、ものの本質ってものが───」 悠介 「本質追求したいならカルキ味こそおかしいってことに気づけぇえええっ!!」 中井出「砂漠で喉だけを干上がらせた人が居たとします。     けどあなたが持っているのはカルキ味の天然水……     あなたはそれを、味が悪いからという理由で差し上げないのですか?」 悠介 「うぐっ……それは───ってちょっと待て!     今さらりと物凄い現象言わなかったか!?     喉だけ干上がらせて!?どんなUMAだそれは!」 はっ!?いかん落ち着け!またペースに乗せられてる! これはこれで楽しいが、このままでは話が進まん! 切り替えろ切り替えろ──────よし! 中井出「え、えぇと、喉だけこう、     カラカラに細くミイラっぽくなってるんだと思う、よ……?」 悠介 「切り替えた傍から必死に説明に入んなぁあっ!!」 中井出「えぇっ!?なにが!?」 悠介 「ああもういい!提督!それでいいからくれ!水!」 中井出「ククク……それが人にものを頼む態度かね……」 悠介 「カルキ味の水をなにもったいぶってやがるかこのアホンダラァアアアッ!!!」 中井出「わーーーおアホンダラって言葉久しぶりに聞いた!!」 あーっもういい!ペースがなんだ喜んで巻き込まれてやるよ巻き込まれすぎてサイクロン起 こしてやるよダイソンだよ吸引力の減らないただ一つの大門さんだよちくしょう!! 悠介 「とにかく───へ?」 中井出「ほら。喉渇いてるんだろ?」 悠介 「や……む……あ、ああ……」 いざ、と思った途端に、差し出された新しい木製コップ。 それを受け取り、提督がくつくつと笑いながら腰掛けたテラスの肘掛に、同じように座る。 悠介 「まったく……調子狂う」 中井出「まあまあそう腐らない腐らない。     調子なんてのはその時その時で、水みたいに柔軟にしとけばいいのさ。     驚く時には驚いて、笑いたい時には笑う。     自分はこうあるべきだ〜なんて構えるから、ヘンに悟っちゃうんだよ。     水になれば大丈夫!どんな状況にもじゃぶりと溶け込める!」 悠介 「それ、流されてるって言わないか?」 中井出「え?えっと……《ハッ!》───み、水だけにね!!」 悠介 「誰もうまいこと言えって言ってないからな?なんだその必死の照れ顔は」 中井出「たとえそれがウケなくても、とりあえずやってみるのが原ソウル」 悠介 「……だったな」 むず痒いなにかが心を刺激するのを感じながら、溜め息のあとに水をブファア! 盛大に吐いた。 悠介 「げっは!これっ!ぶはぅ!」 中井出「何倍にも薄めた液状ボンドです。誰も水だなんて言ってませんよ?」 悠介 「ギーーーーーィイイイイイイッ!!!!」 おぉおおおもうほんと好き勝手なことばかりしやがってぇえええええっ!!! 悠介 「喉渇いてるだろ?って言われて渡されれば水だって思うだろ普通!」 中井出「ゲハハハハ馬鹿め……!あれはただ貴様の喉を心配して言っただけのこと……!     結局この博光はそれが水だなどとは一言も言っておらぬわゴハハハハ……!!」 悠介 「うーわーしっかり喉の心配されてるのにちぃとも嬉しくねぇ!!」 中井出「というわけでこっちが本物の水です」 悠介 「味付けは?」 中井出「ごはんですよ」 悠介 「なんでそういちいち食えそうな味にするんだお前はぁああっ!!」 中井出「《メリメリメリメリ》ぎゃああああ!!     瞼の上から目ェゴリゴリしないでぇええ!!」 声  『───そこまでです』 悠介 「っ───!?誰だ!」 背後から声───! 俺は腰掛けた肘掛から降りると同時に振り向き、声がした方向を───あれ?居ない。 声  『待ってぇえええ!!』 あ、居た。ていうかミクだった。 中井出「はっはっは、馬鹿だなぁ。高速移動してるこの要塞に乗車してる僕らに、     空中停止しながら話し掛けても続けられるわけないじゃないか。     ほ〜〜〜れ薄めた木工用ボンドだよ〜〜」 声  『いやーーーっ!!なんか少しぺっとりした水が飛んできましたぁーーーっ!!』 今更だが空飛んでるってことはジェットエンジンでも積んでるのか? ……あ、背中にロケット背負ってる。 そして提督が使用済みグミの包装紙を丸めて投げつけまくってる。 中井出「貴様っ……!俺達にいったいなんの用があってこんなところまで!」 悠介 「格好良く言いたいんならせめて包装紙投げつけるのやめてやろうな!?」 中井出「…………」 悠介 「ああっ!?格好を捨てて包装紙投げることに専念し始めた!最低だこの人!」 ミク 『うくっ……!あなたに用があって来たんです!大魔王ヒロミツ!』 悠介 「おわっ!?」 ここに来てスピードアップ! 一気に距離を詰め、俺達のすぐ傍まで飛んできたミクが涙目で語る! ……その自慢の髪は、ゴミクズでいっぱいだったが。 中井出「クク……この博光に用……とな?」 悠介 「だからいい加減包装紙投げるのやめろって!泣いてるだろこいつ!」 中井出「むう……じゃあいいや、僕に用ってなに?」 提督が包装紙をズボンポケットに入れて話を聞く姿勢に入る。 それを見て、ミクはぱああと安堵の笑顔を浮かべ、要塞の中に降りようと─── 中井出「ちょいとアナタ!なに人の家に勝手に入ろうとしてんの!」 ミク 『《ビクゥッ!》ひゃあ!?ご、ごめんなさい!』 ……したところで止められた。 中井出「まぁ〜〜ったく近頃の若い子は礼儀ってものを知らないんだからぁ〜〜!!     それでなに!?なんなのあたしに用ってのはァアア!!」 悠介 「提督、口調がオカンになってる」 ミク 『あ、あの……そ、そちらに降ろしていただいても……よろしいでしょうか……。     その、飛んでいるの、結構エネルギーを消費しちゃいまして……』 中井出「勝手に飛んできといてなァアアアに言ってんのアァンタァアアアア!!     それだったらべつにあたしたちが空中を移動してる時じゃなくても、     いくらでもコンタクトする機会なんてあったでしょォオオオ!!?」 ミク 『ででですがわたしもマスターに命令されたから、そのですねっ……!』 中井出「口答えするんじゃないのォオオオ!!     アンタはもうホンット人の所為にばっかりしてェエエ!!」 ミク 『ひうっ……!ご、ごめんなさいっ……!!』 悠介 「………」 なんかもうどっちが悪者なんだか解らなくなってきた。 いや、悪は確実に提督だってのはよ〜〜〜〜〜く解ってるんだけどな? なもんだから、 ミクは肘掛の少し先を平行して飛ぶようなカタチで俺達と話をするハメに。 悠介 「それで、提督に用ってなんなんだ?」 ミク 『そ、そうですそれです!あのですね!』 中井出「ふぅううむ……!(シマ)パンであったか……!」 ミク 『ひきゃわぇあぁあああっ!!?どどど何処見てるんですかぁあっ!!』 中井出「感心する速さで鼻っ柱殴られたのでご安心ください《ドクドク……!》」 ミク 『一瞬目を離した隙に顔が鼻血だらけに!?』 悠介 「てぇええいとくぅううう……!!真面目にいこうな……!?……な!?」 中井出「ミニスカート族などパンツ覗かれてしまえばいいんだ」 悠介 「お前はミニスカートになにか恨みでもあるのか!?     いいから話進めようぜ!?な!?」 中井出「ああ解った……ここからはおふざけは無しだ……《ぼたぼた……》」 悠介 「鼻血を拭け!!」 中井出「いやだってこれキミが人の鼻っ柱を光速で殴るから……《フキフキ……》」 どこからか取り出したハンケチーフで鼻血を拭う提督に、やはり盛大に溜め息が漏れた。 ああもう……俺ってやっぱりこういうポジションから抜け出せないのか……? 中井出「それで?僕になんの用?」 ミク 『闘技場に現れた奇妙なモンスター……それがあなただということは知っています。     その上で、プロトと一号を破壊したあなたの実力に、     マスターが興味を示したんですよ』 中井出「へ〜……ちなみにキミが縞パンなのもミニスカなのもマスターの趣味?」 ミク 『こっ……これはモデルになった方の服装そのままなだけですよぅ!     ととととにかく!マスターがお呼びです!わたしと一緒に来てください!』 中井出「ゲヘヘヘヘそれはつまりキミが僕を背に乗せて飛び立つということで、その隙に僕     は背中からキミを好きなようにし放題でゲェッヘッヘッヘッヘ」 ミク 『マスター!マスター!この人怖いです!     わたしの防衛本能が限界値を振り切りそうです!!』 中井出「はっはっは、冗談です。俺は既に愛を乗り越えた侠。     好きにもなっていない女になぞ興味がないわ」 ミク 『……それはそれで、女としてのプライドが傷つきます……』 中井出「ちなみに貴様のミニスカや縞パンにもなんの興味もない!失せろ縞パン!!」 ミク 『うあーーん!?そんなに大声で縞パン縞パン言わないでくださいぃいい!!!』 そして速くも提督ペース。 けど……表情豊かなアンドロイドも居たもんだ。 つくづく、古の技術てのはすごいって思える。 ミク 『し、知ってるんですよ!?あなた飛べるんですよね!?     そうじゃなくてもこの要塞ごと来てください!     わたしは人を背中に乗せるつもりなんてありません!ないんですからね!?』 中井出「そうなのか縞パン!」 ミク 『縞パンじゃないっつってんでしょうが!!』 中井出「わー!縞パンが怒ったー!」 ミク 『ギィイイイイイイイイッ!!!!』 悠介 (哀れな子ッ……!) 本気で泣きが入ってきた。 ミク 『〜〜〜〜っ……!そうですか……そういうことなんですね……!     誘導させて聞き出そうと思ったのですが、こうも警戒されるとは……!』 中井出「フッ……当然だ……。で、なんの話?」 悠介 「知らないのかよ」 ミク 『知らないで当然ぶってたんですか!?───い、いえいえ!騙されません!     それだけ隠したがるということは、それだけ秘密が隠されているんでしょう!?     あの言葉───モービーには!!《どーーーん!》』 中井出「………」 悠介 「………」 …………。 中井出「じょ……嬢ちゃん?こっち……こっち来な?疲れたでしょ?」 悠介 「悪いな、茶も出さないで……。今淹れるから、な?」 ミク 『何故かみなさんが突如お優しく!?あ、あの!?無駄なんですよ!?     そんなことして懐柔とか隠そうとか誤魔化そうとかしたって!』 中井出「大丈夫大丈夫、ほら、結構ここ座り心地いいんだぜ……?     座ってお茶飲んで一息ついたら、少しはまとまった考えもできるってもんさ一体な     に言い出してんだ頭大丈夫なのかこのロボ子」 ミク 『なんか本音がダダ漏れてらっしゃいますが!?ロボ子!?えぇ!?』 悠介 「まあまあいいからこっちに来て座れって。     飛んだままじゃ落ち着いて話もできないだろ?     だからこっち来てせめて心安らぐまで話相手になってやろう……」 ミク 『別にわたし頭が寂しい人じゃありませんよ!?あの!?ちょ……聞いてます!?』 中井出「なんだいあたしの淹れた茶が飲めないってのかい!?」 ミク 『ひゃあ!?の、飲みます!飲ませていただきますーーーっ!!』 悠介 「バッカヤロウ、ビクビクすんなぁ!───何故なら淹れるのは俺だ!」 ミク 『ううっ……マスター……この人たちやっぱりヘンですぅぅうう……!!』 とある夏の日。 ミクをお茶に招待しました。 ───……。 ……。 ややあって─── 中井出「それでなぁ……そいつが鼻血出しちゃってさぁ〜!」 ミク 『あははっ、そうなんですかっ?』 悠介 「あっはっはっはっは!」 あっさりと提督ペースにどっぷり浸かってるミクが居た。 ミク 『はふううう〜〜〜……この食べ物、美味しいですねぇええ〜〜〜……』 中井出「博光特製、余りもの料理だ。じーさんの一番の好物だ」 悠介 「美味いもんだなぁ……」 中井出「ほらミクももっと食え。おかわり要るか?」 ミク 『是非!大盛りで!』 中井出「ほいほいっと」 ぺたぺたとご飯をよそりながらも話題は尽きることなく、 俺達はこの時間を目一杯楽しみながら過ごした。 ……。 やがて夜。 塔に戻り、ルナの捜索がどうとかtellがどうとかと話し合い、 修行などをしているうちにとっぷりと陽は落ち、俺達は就寝を迎えていた。 中井出「じゃあおやすみミク。しっかり寝て疲れ取っとけよー」 ミク 『はい!ヒロミツさんもよい夢を!』 中井出「おー」 それぞれが思い思いの場所へ行き、無造作に寝転がって夢の中へと落ちてゆく。 自然要塞とはよく言ったもので、 何処で寝転がっても木々や草葉がいいベッド代わりになってくれるのだ。 悠介 「ふう……」 俺もやがて目を閉じ、眠りの園へと───旅立った。 ───……。 ……。 …………がばぁーーーっ!! ミク 『ってなにお友達みたいなノリで寝てますかわたしぃいーーーーっ!!』 総員 『うるせー!何時だと思ってんだ!!』 ミク 『ひゃくぅぅっ!!ご、ごめんなさいぃいっ!!』 …………。 その後、彼女は結局寝た。 Next Menu back