───冒険の書291/291は憎いと読める391話───
【ケース732:中井出博光(再)/ものすごいエロオーラで検索。まだあるかは不明】 中井出 「わっはっはっはっは!わっはっはっはっは!どぉっせぇええええい!!」 巨大ロボ『ゴガァアアアーーーーーッ!!!!!』 やあ僕博光。 戦いが始まるや、灼闇を伸ばして巨大ロボの足をキャッチして、 ロボの体をドゴンドガンと地面に叩きつけまくってる提督さ。 いやあ、困ったことにこいつ、対僕用に作られてるみたいで、 僕の攻撃があまり効かないの。 あ、といってもどうやら今までロボども……モッドナイトっていうらしいんだけど、 そいつが僕らの攻撃から学んだ情報を活かして作られた物体らしくて、 そのために今まで通りの攻撃が効かないってやつで。 えーと、つまり“徹し”が効かなくなっちゃった。 だからこうして投げまくってるんだけど。 巨大ロボじゃそのまんまだし、グラントって名前でもつけてあげましょう。 いや、破天弾な人は関係ないよ? グラント『ガア!!』  ゴフォォン!! 中井出「ホワッ!?」 グラントの攻撃!グラントは振り回されながら大剣を振るってきた! それをゴギャアンとジークで受け止め───きれーーーん!! うおお体が浮く!踏ん張っても吹き飛ばされる!! こ、この威力……ハンパねぇ! と、集中を切らした途端に灼闇が消えて、グラントが自由を取り戻してしまった! ミク 『た、大変ですマスター!要塞のほうも、浮遊島のほうも劣勢です!』 中井出「ヒ、ヒィ!そんなこと今言われたって!」 おおおおどうする玄奘やばいぞ玄奘!! なにか!なにかこいつを颯爽と破壊する方法は───レッツ力ずく!! いちいち細かいことなぞ考えてられるか!! う、うーん……でもこの数を3分で破壊しきれるでしょうか。 …………否!博光よ……やると決めたら、行動はもう終わってるんだぜ!? 中井出「うう……仕方ないなぁ……。最後の見せ場にとっておきたかったのに……」 どこまで格好つかないんだろうね、僕。 だがこれもまたオツなものでしょう。 切り札を最後に取っておかない男……博光です。 中井出「マクスウェルより預かりし元の属性の宝玉に、アイテムマグニファイ!!     ストックされている能力全てを統合させ、さらに効果増強!解除!     見るがいい!ていうか見てください!     これぞ運命と常識と創造原理を破壊した我らの“超越凌駕の世界”───」  ザザァッ─── 風が渦巻き、草葉が揺れる。 その風は景色を巻き込むように俺へと辿り着くがごとく渦巻き─── それが消える頃には、既に“世界”は俺の中に存在していた。 中井出「世界を見えるものだけと捉えぬワガママ奥義にして外道奥義。     一言で言うとペナルティブレイク!」 今この瞬間、俺の中から“ペナルティ”の文字が消えた。 “世界”の効果が続いている間だけだが、どれだけ能力を使おうがペナルティがないのだ。 だからエンペラータイムでもドラゴンインストールでも、もちろん人器でも筋肉痛が無い! ……もちろん世界が消えた時に能力が続いてたら、問答無用で筋肉痛だけど。 中井出「というわけで能力解放うぉおおおりゃぁああああああああっ!!!!」  キュフォァイドッガァアアアンッ!!! 我が武具に宿る能力の全てを解放!解放!解放!! うおォん!まるで俺は人体能力発生工場だ!! 中井出「限界なんて要らない。自由を掴む。     掴みたいじゃダメだ。掴むんだ。…………中井出博光です《脱ぎっ》」 ミク 『え……うそ……今……マスターの体から物凄いエロオーラが!』 中井出「出ないよ!な、なんなのその根拠のありそうな自信!     出ないよ!?エロオーラなんて出ないもん!」 ミク 『で、でも!マスターが着物を脱いだ途端、     なんか言わなきゃいけないような気がしたんですよぅ!』 中井出「なんで!?」 ……って考えてる場合じゃないね。 ストック効果が続いてるうちに、出来れば全滅させねば僕がひどい目見る! だからまあその、つまり───僕のために死んでください! 中井出「我が五体、そして武具の全てが武器よ!故に見るがいい!四百八十体博光!」 ドラゴンインストールや狂系脈や人器の効果により、我が五体は既に凶器の域! そのためか見事四百八十閃化が我が体に適応したことで、 なんというかこう……大変なことになってます! たしか霊幻道士のキョンシ−で残像残しながら飛ぶキョンシーが居たよね! それが四百八十になったって思ってくれればOK!もしくはいきすぎたオリジナルコンボ。 中井出「音速身!四百八十重の極み!!ぬぉおらぁっ!!!」  キュボパァン!! …………アヴドゥルは、粉微塵になって死んだ。 じゃなくて、目の前に居た巨大ロボさんがコナゴナになりました。 俺にしてみりゃ体を音速化させて、拳を突き出しただけなんだけど……うん。 一瞬のうちに音速拳が四百八十発もぶつかれば、そりゃ粉微塵にもなりますわいな。 いやでもやばい!これ面白い!ペナルティがないって、なんて素晴らしいんだろう!! ……なんて喜んでたら、僕のことを危険人物だと認識したらしく、 他の巨大ロボさんまでもが僕目掛けて飛翔!! 四百八十もの僕は、その迫力に思わずヒィと声を漏らし、逃走を─── 中井出 「い、否!これはミッションである!退けばこのミッションは一貫のお終いよ!      ミク!ミクや!?」 ミク  『は、はいー!なんでしょうマスター!』 中井出 「命が惜しいから逃げていい!?」 ミク  『ななななに言ってるんですかー!?大丈夫ですよマスターは強いですよぅ!      だからそんなこと言ったらだめですー!だめなんですよー!』 中井出 「なんだとコノヤロー!言うだけならタダだろーがー!!だ、大丈夫デスヨ?      僕にかかればこのような鉄板野郎どもなど……ア、アレですよ?      ザ、ザ……座高!!───関係ねぇ!!」 ミク  (ザコって言いたかったんでしょうね……) シャモン(キュウ……) 中井出 「よ、よぅし僕頑張っちゃうぞ〜〜〜っ!《パンパボチュゥン!!》      ギャアーーーーーーーーーーーッ!!!!」 ミク  『ひやあっ!?』 気付けに頬を勢いよく叩いたら、我が頬に四百八十重の極みが炸裂!! ドチューンと穴が空き、まるで頬をスペックに打たせた花山さんのように……! いや、口の中で弾丸どころか手榴弾が爆発したかのような衝撃! お、おおお……脳が揺れる脳が揺れる……! グラント2『ゴガーーーーッ!!』 中井出  「お、おがが……───ヌン!」 でも治った! 大丈夫!なにを隠そう、俺は自然回復の達人だぁあああああっ!! 能力解放とともに、持っている全属性の付加と加護の解放も最大出力よ! 傷を負っても即座に直してみせよう! 中井出「さあ、どこからでもかかって死ねぇえええーーーーっ!!!」 ターちゃんの格闘ポーズをとるや、即座に襲い掛かる。 やっぱり敵の攻撃待つのって後手に回るから嫌だし。 不意打ちはロボになど通用しないだろうけど、気分さ気分! 中井出「ぬおおおりゃああああああっ!!!」 拳を振るう!足を振るう!タックルをぶちかます! 我が攻撃全てが四百八十閃の外道攻撃となり、瞬く間に敵が消滅してゆく! 移動には音速と烈風を、攻撃には音速と疾風を! 出せる限りの速度を以って、これでもかというほど敵を破壊!破壊!破壊! なんか次から次へとデカいのが来てるけど、経験値をしっかりもらえてるのを確認すると、 この状況も悪くないやー!とか思ってる僕が居たりしました。 ───……。 ……居たりした、んだけどなぁ……。  パガガゴゴガガゴギガガガガァンッ!!! 中井出「ぬおぉおあああ!?か、硬ッてぇええーーーーーーっ!!!」 しばらく破壊を繰り返していると、敵の装甲が明らかに変化した。 一発の四百八十拳では破壊出来なくなり、 疾風奥義で四発分繰り出してようやく、ってくらいの耐久力になっていた。 その次はさらに、さらにと硬くなっていき……! 中井出「……エ、エメオ=ノヴァルズと戦ってた晦の気持ち、解っちゃったかも……」 破壊しながら帝国目指して進んではいるんだが、 その速度は明らかに低下してきている。 そう……もはや拳ではダメなのだ。 思えば、面白いからってただの拳でよくぞここまで、と思います。 見下ろしてみれば拳の皮がズタズタになってたりするんですが、 そこはほら……ねぇ?すぐ治っちゃうからなんかもう面白くて……うん治った。 でもなんかこのままジークとか出して破壊していくと、 その威力の分だけ敵の適応速度も上がってしまうような気がして……。 …………面白そうだ!よしやろう!! 中井出「どこまで耐久力上がるのかを確かめたい……博光です《脱ギャーーーン!!》」 ミク 『い、今マスターの体からものすごいエロオーラが』 中井出「出ないったら!!」 真っ直ぐGOしながらもそんなやりとりをして、敵を破壊してゆく。 やっぱりもう拳では限界があり、だからこそジークムントとジークリンデを出現させ、 双剣状態のまま敵をズバズバと斬り滅ぼしてゆく! おお快調!剣だとあっさりスッパリ斬れる! ……いや、もちろん四百八十身斬撃があってこそなんだけど。 う、うわあ……なんだかとってもいけないことをしている気がしてきた。 このままジークにまで適応されたらどうなるんだろうなぁ……。 ───……。 悪いことって、実際起こるもんですよね。  ギャガガガガガギリギガガガガギィンッ!!!! ネオナイト『ギガーーーーッ!!!』 中井出  「キャーーーッ!?《バゴォ!!》デボラ!!」 効かない……効かないんです!僕のジークたちの攻撃が! 疾風でも何発も当てなきゃ壊れないし、 そう、斬るんじゃなくて壊す的な打撃扱いになってるの! や、やべェエエエエエ!!やっちまったァアアアアアア!!! 中井出「だが悲しむにはまだ早い!いくよジーク!僕らの力を見せてやろう!」 ならばと融合!ジィイイイクッ!フリィイドォオオッ!! 中井出「おぉらぁっ!」  フォファゾガァッフィィインッ!!! ネオナイト『ガ───……《ジッ……ジジジぼっがぁああんっ!!》』 ……斬れる!斬れた!! リミットブレイク状態で、明鏡止水を引き出しての一閃がネオナイトを斬り滅ぼした! 敵が強くなる度に生産速度が低くなってるのは確かだ…… その隙に帝国目指して突っ走ってるんだけど、こりゃ道のりが長すぎる! 一応要塞にもエルメテウスにもついてきてもらってるけど、 この調子だとあとどれくらいかかるのか……。 ああもう、ほんと晦の気持ちがよく解るなぁ!! ……ああ、また来た。 さっきのよりスリムだけど絶対硬いよアイツ。 中井出「やってやるわぁあーーーーーっ!!」 俺達の戦いは───始まったばかりだ!! ───……。 ブスブスブスブス…… 中井出「どうしよう……」 黒い黒煙を上げて、バヂバヂと放電している超ロボを見下ろす。 いや、もう破壊してあるんだけど、これがまた困ったチャンで……。 ジークフリードの攻撃さえそろそろ効かなくなってまいりました。 帝国までの道のりは今ようやく半分。 えぇと……これ、彰利たちが向こうで生産するための機械壊してくれないと、 僕らいつか全滅するんじゃないかなぁ……。 ていうか……あれ?いつから僕をコロがすための機械生産になったんだっけ。 キミたち竜をコロがすために作られたんじゃなかったっけ……。 あ、あれぇ……? ───……。 どごぉおおおおんっ!ぼっごぉおおおおんっ!!! 中井出「うおおおおおおおお!!!     どんどんきやがれイワンめ!地獄への道連れだ!!」 やけくそである。 体を四百八十のままに突っ込む我は、もはや弾丸のごとき特攻者。 こんなことにさえならなければ、 今日は善き日にござるとか言って一日を終えられた筈なのに。 ───……。 で……スキルや奥義などを使って無理矢理押し進むこと残り僅か。 ようやく帝国が見えてきたという場所で、 やたらゴツい、巨人より一回り大きいサイズのグラントさんと遭遇。 先ほどのまでのようにスキルや奥義を駆使して破壊を目指すが─── ゴッツィーナさん『ゴガーーーーッ!!』 中井出     「キャーーーッ!!?《バゴォ!!》モトゥブ!!」 きっ……効かない!いよいよ以って効かなくなった! ていうか殴られた!思い切り殴られたよ僕! ……あ、でも攻撃自体は大したことないや。 きっと出てきてすぐに破壊されてばっかりだから、防御面しか成長してないんだ。 ……うっし!レッツブレイク! 中井出「たとえどんな困難が待ち受けていても、僕はきっと貴様を正々堂々出し抜く!」 地を蹴り疾駆! 振るわれた拳を掻い潜るほど、地を這うように駆け、 しかしそんな器用な芸当がそうそう上手く筈もなく、 僕はズガァと足を躓かせ、バキベキゴロゴロズシャーーーアーーーーッ!と転がった。 だがすぐに地面を手で押すように飛び上がると、着地とともに再び疾駆! ……したんだが、 音速モードだってのに俺の速度に合わせてグワッと振り向くゴッツィーナさん! 中井出「な、なにーーーっ!?《ゴファアン!!ジョリィッ!》ひぃいいっ!!」 即座に振るわれた拳が左コメカミをジョリィッと削っていった! き、機械が……機械が我が音速領域に……! 集中領域のペナルティさえ受けない今の状態、 とっくに30秒以上の集中を持続させている僕へと、的確に拳を……! すごい!すごいぞ科学!だがファンタジーとて負けてられん!! 中井出「バッスー・ピンコオ拳!」  ギゴゴガゴォンッ!! 中井出「《ズキーーン!!》いっだぁああーーーーーっ!!」 四百八十掌底を足に打ち込んでみたんだが、あまりの硬さにこちらがダメージを受けた! 武器でダメだったのになにやってんだろうね僕!! 中井出「ならば───ファフニール・ドンナー!」 ゴシャーンと武具を変化させ、 篭手と具足にすると同時に攻撃をガヅンゴヅンと連撃を加えてゆく! 拳は疾風、蹴りは烈風。 動き自体を音速として、これでもかというほどの連撃を連ねるが─── 中井出「オ、オアーーーーッ!!!」 ヘコミもしねぇ!! なんだこりゃどうなってんだ!? 硬いものには打撃が一番ってどっかで聞いた気がするのにありゃウソか!? ああそういえばディアブロスの頭をハンマーで殴っても弾かれるだけだしね! 懐かしいなぁ!ドスの難しさは異常だったよね!うん!  バゴォンッ!! 中井出「ブゲェッ!!」 その、物凄く硬い装甲で出来た拳で殴られる。 痛くない、わけがない。 攻撃力云々ではなく、今度は速度で殴ってきた。 そう、音速移動を移動手段にしている俺を捉える速度───つまり音速でだ。 当然衝撃もダメージもとんでもなく、殴られた腹部はじくじくと痛み始めてきた。 しかも、それがなかなか治らない。 中井出(……うっ……や、やべー!) 考えてみれば我が武具は竜素材がふんだんに使われている。 それは、対竜族攻撃が物凄く通用するということで───ア、アワワ……! このなかなか回復しない痛みはつまり、 そういう属性的なダメージが上乗せされてるからで…… ゴッツィーナさん『ロガァアアアアアアアッ!!』 中井出     「キャーーーウ!?」 い、いかん!恐怖がっ……恐怖が俺を支配する! この感覚は嫌いだ!嫌いなんだよ!消えろくそっ!  ───トラウマ、って知ってるか? 巨大な塊が、俺目掛けて振ってくる。 拳を振るっているだけといえばそれまで。 なのに、その瓦礫めいた巨大な物体が俺を潰そうとする時、 俺は───体が硬直して、動けなくなっていた。  ……死ぬ 自分がじゃない。 これが落ちた時、誰かが死ぬ。 誰?誰か───それは…… 中井出「あっ、あ……!うあぁああああああああああああああああああああっ!!!!!」 叫びではなく悲鳴が漏れた。 子供が叫ぶような高い声が、俺の喉から出たとは思えないくらいの声で。 避けるとか弾くとか、そんなことさえ思い浮かばない。 足は溶接されたみたいに大地から離れず、体は震えっぱなしで、 自分が危ないのに、見えない誰かの死をただひたすらに怖がり、涙を流した。  どっがぁあああああああんっ!!!! …………。 ……。 声  『……おい。おい。いつまで縮こまってやがんだ。さっさと目ェ開けろ』 ……え? あ、れ…… 中井出「な、なに……?あれ……?」 ハッと気づけば、なんとも情けない格好で縮こまってる僕が居た。 あれー……?なんか物凄くイヤなトラウマが発生したような……って。 男  『よぅ、あんま情けねぇカッコ見せんなよ』 俺の一歩前くらいの位置に、肩越しに俺を見る、後ろ姿がカッコイイ一人の男が居た。 片手でゴッツィーナさんの鉄板ナックルを受け止め、余裕の表情でキシシと笑っている。 男  『自己紹介は要るか?要らねぇならとっとと立て』 中井出「生年月日から全部教えてください」 男  『状況解ってて言ってるか!?お前!!』 中井出「ええとまあ、恐怖のあまりに能力が解除されてるのは解った」 四百八十閃化が解けてるしね、うん。 中井出「で……誰だテメー」 男  『モノ訊ねる態度じゃねーだろそれ……まあいいけどよ。     魔王ナーヴェルブラングだ。声以外では初めましてだな、養父』 中井出「なっ……なんだってーーーーっ!!?」 ば、馬鹿な……ば、馬鹿な……! ナーヴェル……!?こいつが……!? 現代の方ではポックリ大魔王みたいな復活の仕方してたじじいだったのに……! な……なんて凛々しくワイルドでいて何処かやさしく繊細な顔してやがる……! ナーヴェル『人間風情がナメた口利きやがるからブチ殺しに来たんだよ。       そしたらそこでなんかピーピー喚いてる野郎が居るじゃねぇか。       何処の村人かと思ったぜ』 中井出  「あっ……ありがとう!!」 ナーヴェル『ハン、助けた礼なんざ要らね───』 中井出  「バカかてめぇ!助けられて礼なんざ言うかタコ!!       俺ゃ村人に見てくれたことに感謝してんだ勘違いすんなクズが!!」 ナーヴェル『ぬぉえぇえ!?いやっ……なにぃ!?』 中井出  「俺は村人に見られるくらいの凡人目指して生きてんだ!!       勇者だの魔王だのの名になんざ興味はない!       だから村人として見てくれた貴様にありがとう!       助けたことに礼を言っていると思ったてめぇに死ねクズが!!」 ナーヴェル『しょっ……正直なヤツだなぁあああお前……!!』 中井出  「そして僕は無様でいい!恐怖を捨ててまで強くなろうなどとは思わん!       恐怖を知らないヤツは恐怖を与える強さしか得られないからだ!多分!       だから僕は武具に頼らなきゃ所詮人間な僕で居たい!       強きを知り弱きを知り中間もなんとなく知っておく!       さういふ男に私はなりたい!……《脱ぎっ……》博光です」 ナーヴェル『……ああそうか、変態なのか』 中井出  「ふははははは!!普通で居るくらいなら変態道を選ぶね俺は!       何故ならば!その方が面白いからだ!!」 自分の中にあるトラウマはそう簡単に消せるもんじゃないし、 多分俺はそれを消したいとは思えないでしょうねぇ。 でもね、それでいいんです。 何故って、俺がそれでいいって思ったからさグオッフォフォ……!! 他人に諭されて“ああそうか”と頷くのもいいでしょう。 貴重な経験だと思うし、自分じゃ至れない答えを誰かがくれることはよくあることです。 でも、譲れないものがあるのなら、 それはどれだけ理不尽でバカくさかろうが譲ってはいかんのだ。 俺にとってのソレは、ばーさんに守ってもらったあの瞬間なんだろうから。 トラウマにもなるほどのものが大事、ってのもヘンなもんだけどさ。 ……ん。なんかすっきりした。やっぱ人間だねぇ、よく悩みよく考えよ、ってやつだ。 中井出  「じゃあ、こいつなんとかしようか」 ナーヴェル『へーえ?ぴーぴー泣いてたくせに、倒せる自信があるのか』 中井出  「フッ……自信じゃあねぇ……ただの思いつきよ!!」 ナーヴェル『……俺、お前のこと結構好きになれそうかもしれねぇ』 そう言ったナーヴェルさんは、カカカと笑うと、メキメキと体を変異させてゆく。 鉄板ハンドを押さえる右腕が肩甲骨のあたりから魔物のソレに変わり、 人間チックだった体は黒いバケモノ的な物体に変化! 中井出  「お、おお……」 ナーヴェル『……?なんだ、俺の姿にブルっちまったか?』 中井出  「カッコイイ!も、もっとやってもっと!」 ナーヴェル『……お前よ、人間にしとくのもったいねぇ度胸だわ』 トン、と軽く鉄板を押しのけたのち、 ピストンするように腕を一旦引いて、のちにナックル。 それはごぎぃん、という音を出して鉄板ハンドにブチ当たり、 聞くからにこりゃ痛そうだという気分にさせた。 ナーヴェル『いてぇ!……おーおーおー!人間ってのもやるもんだな!       油断だなこりゃ、やっぱ最初っから全力でいかないと面倒なことになる』 中井出  「まったくだ!じゃあ僕他のゴッツィーナさん壊してくるね?       なんかまた向こうからデッケェのが来てるから」 ナーヴェル『大丈夫かよ、またぴーぴー泣くんじゃねぇか?』 中井出  「人間だもの、泣きもしませう」 ナーヴェル『───……そだな。当然のことなんてのは、受け入れて楽しむに限る』 自分の肩越しに俺の顔を見たナーヴェルさんは、ニカッと笑うともうこっちを見なかった。 ……俺は凝視してやったがな! え?ここはお互い背を向けて進んでいくところだろって? 大丈夫。自分のやりたいことに真っ直ぐな男ってのは……カッコイイものなのさ。多分。 そんなわけで、本気で全力を出したらしい彼を僕は見てしまったわけで。 …………えぇと、ハッキリ言っていいかな。 敵じゃなくてよかった、って心底思える。 過去の勇者ってのはなるほど、本当に勇者的存在だったんだなぁ、って。 バハムートをライバルに出来るわけだ、ってあっさり納得できた。 だってあんなのを封印できちまうんだから。 あれで不死なんだろ?どうかしてるぞナーヴェルさん。  ……と、後ろの方での破壊活劇はそこそこにして。 中井出「残り時間あと僅か!よぅし!パパ頑張っちゃうぞ〜〜〜っ!」 誰にともなくそう言うと、僕はさっきまで発動させていた能力全てを解放。 四百八十な僕となった上で、 さらに手に持つジークフリードまでもを四百八十閃化! ふはははは!!ペナルティなどないからこその芸当を見ませい! これぞ四百八十×四百八十!え、えーと……に、二十……三万……えーとよ、四百くらい? 計算は苦手であります!だがね、ロボくん。 私は、やれることはやる人間だ。 外道だと言われようが、勝つための手段ならグオフォフォ、使うに決まっておろうが。 中井出「全属性加護と全属性キャリバー全力解放!!おぉおうぎぃいっ!!」 振り上げた足をどごぉんっ!と地面に叩き落とし、雷と地のキャリバー地雷震を発生。 そのショックで宙に浮いたロボ目掛け、斬空剣スキルを思う様発動させ───! 中井出「死ぃいいねぇえええええぃいいっ!!!!」 コスミックレイヴをブーストに、黄竜剣やミニ黄竜斬光剣や、 ギガブレイクなどの攻撃系キャリバーや、 レイジングギガフレアなどを全力で放ちながらの超音速剣疾風斬。 もう、雷やら光やら、氷やら闇やらが弾けまくって目がどうにかなりそうでした。 だが構わず斬りまくる!! 音をまじまじと聞くと多分鼓膜がブッ潰れるんで、 あえて音だけを気にしない方向で───いけたらよかったのに! うるさい!これうるさいよ!! でもこの抉りこむように斬り裂く黄竜剣の手応えがさ!懐かしくてさ! ……斬れてないんだけどね? 中井出「認めん!認めんぞォオオオ!!     こんな機械ごときがサウザンドドラゴンよりも硬いなどォオオ!!」 でも納得できることはあったりもするんですハイ! サウザンドドラゴンは、 本調子じゃなかったからこそ倒せた相手なんだなぁって今こそ思える! 封印の全てが解かれてたら、絶対に手に負えなかったに違いない! だって魔王でさえあれほどの強さですもの! こんな、何万っていう撃を繰り出すまでもなく、集中した力でどっかーん!って! こちとらペナルティ無しなのをいいことに、 徹しも衝撃波も思う様使いまくってるっていうのに、内側からの破壊もままならん! ───俺、決めたよ!こいつ破壊したら、こいつの素材で武具強化する! もう絶対だね!だから─── 中井出「参ります!」 全ての武具をランドグリーズに変え、 ジークフリードを差し込みながらバックステップで距離を取る。 そんな中でも集中は持続させ、同じく音速で動く敵の攻撃を危なっかしく無様に避け、 時には転がったり滑ったりしながら逃げ回る。 だ、だめっ……!華麗に避けるとか無理っ……! 紙一重で避ける!?馬鹿も休み休みおっしゃい!そんなことしてたら殺されてしまいます! 中井出(こんなことしなくても、ペナルティ無しだからゲオルギアスは発動するけど……) 考えなくてはならぬ。 剛の剣では勝てません。 ならばどうするか……柔? いや、俺に柔って……似合わない以前に使いたくないから却下! 俺はもっとこう、アグレッシヴに戦いたいの! かつてのRPGが“たたかう”しかなかったのと同じように! そのゲームシステムに、剛も柔も存在しないのだ! ……あれ?つーことは…… 中井出(───中間だ!) 柔でも剛でもなく、中間バトル方式!───なにそれ! いや考えろ!考えるんだ!あー………………! 硬い相手にも有効な技!もしくは攻撃!なにか───なにかある筈だ! 様々な視点から見るんだ!きっとある! 漫画でもアニメでもなんでもいいから、硬いなにかを斬ったりするものが─── 中井出「…………」 記憶を遡らせてみる。 すると───チリッ、と引っかかるものが……二つ。 中井出「……っ、ふぅ、はぁ……」 避けるというよりは完全に逃げになっていたため、 荒くなっていた息を整えるようにして立つ。 幸いにして然の加護のお陰で、息はあっさりと安定に辿り着き、 そうなるや俺はランドグリーズに差していたジークをガシャリと抜き去った。 中井出「すぅ……はぁ……」 ……王には興味はないんだけどな。 でもまあ、王を名乗る前の彼の業だし、引っかかりはない。 ギガントナイト『ルロォオオロロロロロ!!!』 ドガンドガンと地面を破壊するような重量感のくせに、馬鹿げた速度を誇り走る巨大ロボ。 俺はそれを真っ直ぐに見つめながら、深く息を吸い、吐いて、雑念を飛ばした。  ───それは柔 剛ではなく柔の力を持って振り抜く、名も無き斬撃。 だがそのままではダメだということは解っている。 だから───柔と剛、これを以って斬り下そう。 我が五体は柔となり、我が武器こそは剛の剣。 ランドグリーズを変異させ、ジークフリードに融合させると、 それは曲々しくもどこか造形美を感じさせる巨大長剣へと変化した。  散々と疲れた者が至る、脱力の極致へ。 余計な力など要らない。 力でもなく速度でもなく、脱力で斬り伏せる。 ───剣王キラよ、俺に力を───! 中井出「───せいっ!!」 振るわれる鉄板ナックルにあわせるように、剣を振るった。 なんの力も無く、ただジークがそう動きたいと願う様を辿るように。 そしてジークフリード自体は力強く力を解放し、 鉄板に触れるや超震動を放ったかのようにギガァアンッ!と轟音を発し、  ゾギ、ンッ……!! その音に俺自身が怯んだ瞬間、硬くて硬くて、 いくら斬りつけても壊れなかったソレは、宙を舞っていた。 ギガントナイト『ゴゴッ……!?左腕負傷!左腕負傷!』 巨大ロボは、腕が斬り落とされたことが信じられない、といった風情で混乱を見せる。 だが勢いづいた体は止まれず、俺を巻き込み倒れようとする。 その体を俺は曇ることのない眼光で射抜き、そこに見えた光を突くように、 ジークからエジェクトしたカルドグラスを突き出した。 中井出「爆砕点穴(ばくさいてんけつ)”!!」  ゴギィンッ!!バッガァアッ!!  ゴガガガガガガガ……!ズゥウウンッ……!! ……深い紫の槍がロボの胸部の一点を突いた時、 まるでパズルが砕けるかのように、 巨大ロボはバラバラになりながら俺をすり抜けるようにして崩れ落ちた。 作られたものだろうが天然のものだろうが、 それがいくら精巧でも壊れやすい急所は存在する。 それを見極められる“石職人”ってのは実在して、彼らが使う業は確かに人間業なのだ。 そこに行き着いた時、集中を全力で解放して“見る”ことだけに、専念した。 もちろん敵が見られたままになってくれる筈もないから、 腕を斬り落とすことで時間を稼いだのだ。 人器も狂系脈も発動しているからだろうか、 点穴はすぐ見つかってくれて、そのお陰で今があった。 ……あったんだが、どうにも腰が抜けてしまったらしく、 俺は情けなくもその場にヘナヘナと座り込んでしまった。 ミク 『マ、マスター!?マスター!』 そしてもう安全だと思ってか、何処に行ってたのか解らんミクがパタパタと駆けてきた。 中井出  「ヘイミク!崩れたロボパーツを今すぐ回収するんだ!       そして要塞のみんなに頼んで武具をパワーアップ!」 ミク   『ええっ!?こ、こんな重そうなものをですか!?』 中井出  「重くてもやるんじゃーーい!!       次こいつより強いヤツ出てきたら、今のままじゃ勝てやしないの!」 ナーヴェル『いやいや、人間のくせにそこまでいってりゃ、むしろ立派だろうが』 中井出  「否である!まだ武具たちは強くなれるさ!       それに《ホリュリュリュピキーン♪》……あれ?」 ……なんかナビが光った。 ログを見てみると、人器の器の幅が広がった!とか書いてあった。 ……あ、あれ?僕成長したの? もしかしてトラウマのことが成長のカギだったとか? ………………あんまり嬉しくないなぁ……。 などと思ってる場合じゃない! ええい動け!動かんかこの足め! 中井出  「ぬっ!ぬぐっ!ぬおおおおおおお!!うん無理」 ナーヴェル『諦めるの早いなおい』 中井出  「ナーヴェルさんや?ちょっとこのロボパーツ、       あの要塞に運んでくれません?」 ナーヴェル『……いいけどよ。お前、おかしなヤツだなぁ。       人間にしとくのがもったいねぇ。       どうだ?俺の血飲んで魔物になってみねぇか?』 中井出  「NO!!僕は人間のままで、詳しく言えば俺は弱いままで、       武具の力のみで高みを目指しているんだ!!       魔物になんてなったら村人勇者伝説に泥を塗ることになるじゃないか!       勇者になるつもりなんてさらさらないけど!!」 ナーヴェル『泥だって塗りたくりたいって顔だな』 中井出  「勇者伝説にならね」 己の花を咲かせるならば、咲かせてみせよう悪の花。 そんなわけで埒があかねーと思った僕はフロートを使って、 浮きながらパーツを回収。 ナーヴェルさんが破壊したロボの分のものも持ち込み、 亜人たちのお世話になったのでした。 いや、なる前に。 中井出「……なあミクよ」 ミク 『は、はい!なんですかマスター!』 中井出「お前ってさ、こう……小型に変身できたりする?」 ミク 『え?あ、はい……出来ますけど』 中井出「……じゃあさ、壊されるとそれでおしまいだったりする?」 ミク 『はい。それはもちろんです。     壊された時点で、任意に自分の情報を送るかして、自分を残せたりしますが……』 中井出「でも次生まれてくるミクは、情報を持ってるってだけで、貴様ではないわけだ」 ミク 『あ……はい。そうなりますね』 中井出「…………よし!ミク、ミニになれ!」 ミク 『ひゃわっ!?は、はい!     よく解りませんけど《コシャーン!》……なりました!《がしぃ!》……あれ?』 ミクに秘密の相談をして、ミニになってもらいました。 そんでもってそのミニミクをムンズと掴んで飛翔!! とある存在のもとへと辿り着くと、 ペリーコロ『あん……?ひぃっ!?な、なななにしにきやがったてめぇ!!』 怪盗ペリカンのペリーコロさんもガシィと掴み、 まずその口の中へランドグリーズ化させた全武具とジークをガボォと飲み込ませ、 さらに困惑状態のミクを───流し込む。 ペリーコロ『ゴヴァーーーーッ!!!!』 ……。 ───……。 アイルー『大変ニャー!またペリーコロが泡吹いてるニャー!』 レアズ 『毎回毎回なにをやっているんだこのペリカンは!!』 ロイド 『世話のかかるヤツだな!戦争の只中だというのに!!』 車酔い寸前の中で、ぬるいプリンを食べて失神した竹之内くんのように、 皆様に騒がれながらどこかへと運ばれていったペリーコロさん。 僕のもとにミク内蔵のランドグリーズ一式が届けられたのは、しばらくあとでした。 ───……。 そんなこんなで。 中井出「完……成……!」 ジークフリードネオが完成しました。 亜人族の皆様に頑張っていただいてる間、ロボさんは二回ほどやってきましたよ。 ……どれもナーヴェルさんが倒しちゃったけど。 すごいね、この人本当に魔王って呼ばれるだけの実力持ってるよ。 ……あ、ちなみにネオって名前は適当に呼びつけただけで、 名前は稀紅蒼剣ジークフリードのままです。 でも面白いもので、こう、ね?以前みたいに霊章に仕舞うように意識すると、 ミク 『《ポムッ》わひゃあっ!?』 ……ミクになります。 もちろんこの時点で武具自体は霊章にあるんだけど、なんかこう……いいねぇ。 説明によれば、この状態でたとえばミクが破壊されても、 しばらくすると復活出来るみたいだから。 見てみれば、ナビのジークフリードの詳細のところに “ミクエナジー”っていうゲージがついてて、 これがゼロになるとミクは霊章の中に自動で飛ばされて、ゲージをチャージ。 満タンになれば復活できる、と。 よく解らんけどそういうシステムらしい。 で、手っ取り早く復活させたい時は、 自分のTPを分けてやることでエナジーを回復できるんだとか。 というわけで。 中井出「ミク!ミク!手ェ出して手!」 ミク 『……?は、はい』 すっと出された手を優しく掴んで、こう、ね? 指の一本一本を正面から絡めるようにして両手を繋ぐ。 ミク 『ひあうっ!?あうっ!?えっ!?』 中井出「愉快(ゆかい)なる 旅路(たびじ)(もと)(ちぎ)()」 エレメンタルジェレイドの同契(リアクト)をするみたいに、 意味もなく目を閉じて顔を近づけつつ唱える。 すると、っていうか僕がそうしたんだけど、 ミクが青緑色の光になって僕の体にまとわりつくように流れ、 その光がジークフリードと村人の服へと変化する。 中井出  「…………ステキだ!」 ナーヴェル『いやなにがやりたいんだよお前』 ただリアクトの真似したかっただけですはい……。 まあ毎度のことながら、 村人の服の上に村人の服型のブリュンヒルデを纏うのはヘンな感触。 でももう慣れてるし、どうということもないからOK! ナーヴェル『ん〜で?武具強化以外にも得られるもんはあったかよ』 中井出  「うむ!武具に頼るなら、とことん頼るべきだってことがよく解った!       俺に“上手い戦い方”なんてものは出来ないんだから、       器詠の理力を全力解放して武具が唱える戦い方をするのが一番だと!       ええとつまり、その間々に卑劣な手段を織り交ぜれば効果的かと」 訓練なんてしてないんだから、上手い立ち回り方なんて解ろう筈もなし。 だったらどう戦えばいいか、どう動くかなんて、 武具に導かれるままに振る舞えばいいのだ。 こう、大変なときだけね? 自分でもなんとか出来そうな時は、それはもう自分で楽しみながら戦います。 戦うことより楽しむことを優先したい……こんにちは、中井出博光です。 中井出「そんなわけで帝国である!!」 どどんっ! ……思わずワンピース的な効果音を頭の中で鳴らしたくなるような大きさだった。 外観ってばこんなにデカかったんだなぁ……。 まあいいや。 中井出  「じゃあここからレイジングギガフレア撃って、       先に行った勇者たちごとレイナートの人生に終止符を打とうか」 ナーヴェル『外道だなお前!魔王呼ばわりの俺でさえ、       内部に入ってからブチノメそうとか思ってたのによ!』 中井出  「真面目に戦うなんてバカね。これ、戦争アルよ」 ナーヴェル『至極もっともなのに、お前だけが悪に見えて仕方ねぇよ。       けど、そりゃやめとけ。       なんつーか、敵関係でも礼儀ってもんはあってナンボで』 中井出  「死ねぇええええーーーーーっ!!!!」  ギァンガガガガチュゥウウウンッ!!!! ナーヴェル『ルヴォァアアアーーーーッ!!!?』 迷うより先に撃ちました。 だって仕方なかった! またあんなメカが出てきたらと思うと……僕怖かったんだ! ナーヴェル『なぁあにやってんだてめぇーーーーっ!!』 もちろんいいこと言ってた任侠なナーヴェルさん激怒! 僕の胸倉を掴んで、ギンッと鋭い眼光で睨んできた! 中井出  「フッ……いいのか?俺なんかに構って……」 ナーヴェル『なに……?どういうことだ』 中井出  「こうしている間にも放たれた光は帝国めがけて……!       止めたいなら俺なんぞに構ってる場合じゃないだろ?」 ナーヴェル『ぬおっ!?し、しまったぁあーーーーーっ!!』  ズォドゴガガガガガガガォオオオオオン…………!!! ナーヴェル『ゲェエエーーーーーッ!!!!』 時既に遅し。 離れた位置にある帝国は、その巨大な外観を跡形もなく消し去っていた。 あとに残されるは荒野のみ……!あ、でもそこからぴょこぴょこと草が生えてきてる。 中井出  「馬鹿め……!くだらん怒りに囚われるからこんなことになるのだ!解るか!       貴様は今、たった一度の救える機会を自らの怒りのために捨てたのだ!       あの時俺なんぞにかまっていなければ、       貴様の言う麗しきクリーンファイトが出来たというのに……!       ……クズが!!」 ナーヴェル『おぉおーーー前に言われたくねぇえよぉおおおおっ!!!       お前ほんと魔王だな!今ならよく解るぞ人間のくせに魔王呼ばわりな理由!』 中井出  「僕が呼んでいーよって言ったからなんだよ?」 ナーヴェル『まっ……的外れにも程がある!!       お前が外道すぎるからとかそういう理由じゃなかったのかよ!』 中井出  「ゲヘヘハハハハハ……!!       知ったかぶりをするから要らん恥を掻くのだタコめが……!」 ナーヴェル『おぉおおおおおおほんと人を苛立たせるのが上手いヤツだなこいつ!!』 中井出  「本当はレイナートのヤツが勝手に僕を指名手配の魔王にしたんだ」 ナーヴェル『もうどれが真実でもいいからちょっと黙れお前!!』 こうして僕らの戦いは終わった。 ……いやまあ、削っていった地面の下にデカい空洞を発見したあたりから、 これで終わりだなんて思っちゃいなかったんだけどさ。 ところでシードはどうしてるんだろうね。 死人の森に置いてきたのかな。 まあいいや、それはいずれ解るとして、今はレイナートだ! ナーヴェルブラングを見てコクリと頷いた僕は、 当然いきなり頷かれてもワケが解る筈もないナーヴェルさんに激怒されながら、 亜人やモンスターのみなさんにここで待ってて〜と告げ、地下への道を歩んだ。 さあ……この先にいったいなにが待ち受けているのか……! ……より強靭なメカだったら僕もう逃げようかな……。 Next Menu back