───冒険の書303/機械王の果て───
【ケース756:岡田省吾/利用する者される者】  ガンガガガガガガガガガギンギンッ!!! 岡田 「っ〜〜〜……!手が痺れてきやがった……!」 幾度も幾度も攻撃した。 力溜めて、隙を穿って、生身の部分を探して。 でも、どれもだめだ。 古代技術ってやつを前に、俺はこんなにも───! レイナート『ふふふはははははは……!!!どうだ!手も足も出まい!       これが古代の技術だ!力だ!貴様らでは傷ひとつつけることも叶わん!』 岡田   「傷ならついてるだろーが!」 レイナート『や、やかましい!!』 メカキラーがどうとかの問題じゃない。 こっちの攻撃力に合わせてどんどんと強化される相手の体は、 いくらやっても、やる度に傷すら満足につけられないものへと変化してゆく。 こんなヤツ相手に、防戦以外にどうしろっていうんだよ……! レイナート『うん……?なんだつまらない、瞳の色に怯えが混ざったな。       こうなるともはや、防戦か相打ち覚悟の攻撃しか出来んだろう。       つまらん限りだ───もう朽ちるか?』 岡田   「技術頼りで何一つ努力してねぇやつに───!       そんなこと偉そうに言われる筋合いはねぇよ!!」 レイナート『ほう?ハハハハ!!だがどうだ!       事実お前たちは私に敵わず、怯えた顔しか出来なくなっているではないか!』 機械で体を構築した帝王が笑う。 腹立たしいが、古代の技術っていうのは本当に厄介だ。 こんな時に誰か助っ人でも来てくれれば───ああっ!無理だっ! 誰か飛びぬけて強いヤツが居れば、とか思ったけど思い当たるヤツが居ねーーーっ!! 岡田   「くっそ!弱点見極めてから使いたかったのに!       おいキサマァア!!覚悟しろよ!今からデケェの一発食らわせたらー!!」 レイナート『来るがいい。どうせ無駄だろうがな、ふふふはははははは……!!』 岡田   「くっはこの……!吠え面掻きやがれ!!ストック解───」 声    「お待ちなさい!!」 レイナート『ぬ───!?』 岡田   「!?だ、誰だ!!」 ストック解除しようとしたその瞬間! どこからともなくというか後方から聞こえてくる声!! 振り向くとそこに───!…………なにも居なかった。 岡田   「?」 レイナート『な、なんだ……?《ピピッ》───なに?───上!?』 声    『串焼き(ブロシェット)ォッ!!』 レイナート『なに《ギゴシャゴォンッ!!》グガァアアアアッ!!!』 岡田   「うおぉおおおっ!!?」 声かけてからすぐさまジャンプしたのか!? にしたって……うぉわレイナートの体がすげぇヘコんでる! け、蹴りだよな!?蹴りで……なんつー攻撃力だよ! レイナート『ゲ、ガガ……!こんな、まさかっ……!       蹴り……!?蹴りで、我が体を……!』 藍田   『レイナート?レイナートだよな、お前。       ……うっへぇえ、気色悪い体してるなぁ。       まるでアーマードコアのレイヴンみたいじゃないか』 言われるまでもなく、俺もそう感じていた。 随分とごつくなった体と、もはやレイナートとしての原型を留めていない姿。 ただ、トレードマークのように長かった髪の毛だけが、 機械の頭部から流れるように出ていて、 それが……ギルティギアのジャスティスを思い出させる。 つまり、それっぽい姿だった。 背丈はレイナートと同じだけど、姿は完全に違うのだ。 ……まあその、大きくヘコんだ胸部は無残な有様だが。 藍田 『そんなわけで次は俺だ!〜〜〜っく〜〜〜っ!一度こういう登場したかったんだ!     岡田がピンチになるまで隠れてた甲斐があったぜ!』 岡田 「いや来ようよ!すぐ出て来ようよ!     その間に俺がどれだけ恐怖したと思ってんの!?」 藍田 『我ら原中にそんな理屈は必要ではないわ!』 岡田 「うーーーーっひゃーーーーーーーっ!!辛辣ーーーーーーーーっ!!!」 とことんまでに人の心配を度外した思考回路だった。 そりゃ、完全に心配してないわけじゃないし、 心配だったからこそこうやって出てきてくれたんだろうけどさ。 悠黄奈「原中……その元気な反応───思い出したんですか!?」 藍田 『おーお思い出した思い出した!我が名は藍田亮!     原中が魔影参謀にして、将軍弦月彰利の右腕ナリ!』 岡田 「あ、俺左腕ね?」 悠黄奈「───……将……軍?」 藍田 『ありゃ?そういう意味で言ったんじゃないの?』 岡田 「他に呼び方あったっけ?───ジェネラルか!」 藍田 『むしろ悪魔将軍って呼んでたしな!』 悠黄奈「───あ、あの。博光さんのことは───」 藍田 『……ひろみ……?』 岡田 「誰それ」 悠黄奈「───…………」 ハテ? 悠黄奈さんが物凄く悲しい……むしろ苦しいってくらいに顔を歪めてるんだが。 悠黄奈「ひ……博光さん、ですよ?ほら、ここに来るまで一緒だった、魔王で、強くて、     原沢南中学校迷惑部の部長で───」 藍田 『おいおい悠黄奈さん、部長は彰利だぞ?』 岡田 「そうそう、その中井出〜ってのが誰だか知らないけど、     彰利の代わりを務められるやつなんかそうそう居るもんかい」 悠黄奈「彰、利……呼び方が変わって…………そんな……じゃあ───」 藍田 『あーっと、悪い。悠黄奈さんがなに言いたいのか解らない右腕です』 岡田 「この左腕も同じ意見です」 悠黄奈「………」 悠黄奈さんが物凄く悲しそうな顔をした。 どうして、と思うのと同時に、ルナ子さんもそうなんじゃって思って見てみると、 こちらは逆に首を傾げてた。 岡田 「ルナ子さんは知ってる?なかいで〜って」 ルナ 「んーん、知らない。それより前見なさい」 岡田 「ホエ?───ゲェーーーーーーッ!!!」 サブタイ:振り向けばそこに。 ガタガタと震えながら起き上がるジャスティスレイナートがおがったとしぇ。 岡田 「す、すまーん悠黄奈さん!     そのナカイデとかいうヤツのことは後回しだ〜〜〜っ!」 藍田 『まずこいつをブッチメなけりゃ話もできーーーん!!』 悠黄奈「───」 悠黄奈さんからの返事はなかった。 ただ、ゾクリとするほどの寒気を感じて、振り向いてみると─── 景色が凍てついて見えるほどの冷気を放ち、 球体を凍らせて砕いた悠黄奈さんがそこに居た。 岡田 「えっ……砕っ……えぇっ!?」 悠黄奈「……すいません。わたし、このパーティーから外れます」 ルナ 「え?なんで?」 悠黄奈「言っても解りませんよ。……わたしは、あなたがたよりも博光さんを選びます」 それだけ言うと、悠黄奈さんはまるで浮くようにバックステップをして、 着地するより速く体勢を変え、走っていってしまった。 岡田 「ちょっ───待ってくれぇええっ!!     破壊できるならルナ子さんのもーーーーっ!!」 ルナ 「え?なに?出ていーの?だったら《スゥッ》……ほら」 岡田 「壁抜けェエエエエエエエッ!!?」 そうだった忘れてた! 死神さんたちには、特にルナ子さんにはこの能力が高く備わっていた! ───だからこそ言わせてもらおう!最初っからやってくれ!! レイナート『ふはは……いいだろう、せいぜい害虫のごとく蠢くがいい。       どの道私の勝ちは揺るがないのだからな!』 藍田   『フフフ……それはどうかな?』 岡田   「ルナ子さんが解放された今、貴様もそうそう余裕ぶってなぞいられんぞ」 レイナート『はぁっはっはっはっは!そうかそうか!ならば私を楽しませてみろ!』 ルナ   「腹立つなぁ。       ……それよりもあいつの力借りなきゃいけないのが一番腹立つけど」 言いながらも、封冠に手をかけて、ザァッ───と長い髪から抜き取るルナ子さん。 その途端、思わずヒィ、と声が漏れてしまうくらいの殺気が溢れ、逃げ出したくなる。 フレイア『ふぅ……さてと。なんていったっけそこの機械王。……まあいいわ。      あなたの茶番のお陰で、ゆっくり高密度に溜めることが出来たわ。      ……お礼に捻り潰してあげるから、覚悟しなさい?』 いわゆるフレイアモード。 抜き取られた封冠がフレイアさんの傍らでふよふよと浮き、 フレイアさん自身は全身に走る回路でその姿を真っ赤に脈動させ、 余裕ぶるでもなく、最初から全力で行くつもりで殺気をだだもれにさせている。 見ていなければいつの間にか殺されてしまいそうで、視線を外したくても外せない。 だから、と見ていたその姿が───忽然と、消えうせた。 レイナート『消えた───?いや、生体反応はそこに残ったまま《ゴギィン!》ぬっ!?』 声    『うふふ……ねぇ。ドッペルゲンガーって知ってる?』 レイナート『斬撃が背後からだと!?馬鹿な!生体反応は目の前に残ったままだぞ!』 声    『波長を合わせないようにすれば誰の目にも留まらないし、       わたしとルナは二人でひとつ。       “ルナの存在としての反応”を残してわたしが攻撃したり、       そのままわたしが攻撃したりなんて容易いのよ』 レイナート『だからなんだという!ならば反応が残る場所も攻撃が行われた箇所も、       どちらも攻撃すれば問題など《ザゴォン!!》……なっ……ガァアアア!!』 声    『フフフ……あはははははは!!だから人間って好きよ!?       一つの問題に直面すると、他の方向では単純な発想しか出来ないんだもの!       誰がわたしの攻撃が直接攻撃だけっていったの!?あははははは!!』 レイナート『が、ぐぐ……!!』 虚空から放たれた鎌閃が、レイナートの左腕を切り落とした。 それに怯んだところへニ閃三閃、連ねること四閃。 四肢を切り落とされ、ボディだけとなったソレは無残な姿で地面に転がった。 レイナート『馬鹿な……馬鹿なぁああ!!古代の技術が……力が!こんなっ……!       こんなことがあってたま《ザゴボフィィンッ!!》───……ギ…………』 フレイア 『……男ってこれだから。なにかって言うとぐちぐちぐちぐち小言ば〜っかり。       強さの理論を振りかざす前にね、自分自身の力で強くなってみなさいよ。       それが嫌なら、どっかの誰かさんみたいに武具や兵器の自慢をなさい?       じゃないと人として格好悪いったらないわ。       頼りきりってのも十分格好悪いけど、       少なくともヒロちーはあんたの数百万倍はマシだわ』 ぐちゃぐちゃ叫ぼうとしたレイナートの体が両断される。 うわぁすげぇ……油断なしだ。きっちりトドメまで刺した。 動かなくなった体をさらにさらにと切り刻んでるよ……うわぁ……。 ……つーかヒロちー?誰? と、そんな疑問の視線が届いたのか、フレイアさんが俺達を回し見て、呟いた。 フレイア『……ま、あんたたちに言っても今更解るわけもないけど。      おめでたいわよね、面白いくらいに記憶の操作に弄ばれて。      でもまぁ仕方ないか。それがヒロちーが望んだことなら』 藍田  『え?えー……いったいなんの話?』 岡田  「ひろちーって誰?」 フレイア『あんたらの部長は誰?』 藍田  『彰利だ』 岡田  「彰利大将軍だとも」 ああ、もちろんそうだとも。 他の部長なんて知らない。 フレイア『……そ。だったらあんたたちは“わたしの”敵だわ。      ルナは悠介の味方だろうけどね、わたしはそんな馴れ合いみたいなのはしない。      わたしはこれで結構、ヒロちーのことは気に入ってるからね。      馬鹿正直で自分の気持ちに素直で外道な時は素直に外道なところがいいわ。      人として、あんたたちにはない強さと弱さをちゃ〜んと持ってる。      だからね、せいぜい気をつけなさい。      ルナの時は悠介があんたたちの傍に居る限りは悠介そっち側だろうけどね。      わたしがわたしで居る時、ヒロちーを敵と見る限り、あんたたちは敵だから』 藍田  『ちょっ……ちょちょちょちょっと待った!誰なんだよヒロちー!何者!?』 フレイア『中井出博光。って知ってる?』 中井出?中井出って─── 藍田  『さっき悠黄奈さんも言ってたよな……』 岡田  「お、おお……」 フレイア『もういいわ。どうせ知ってもすぐ忘れるんでしょうから。      覚えていられる者だけが覚えていればいいだけのこと。      覚えてるのはせいぜいわたしと悠黄奈と───』 声   「おぉっと待った!」 声   「その言葉!少し待っていただこう!」 フレイア『───?誰よぅ、いいところで』 再び聞こえた声!振り向くと─── 閏璃 「俺だーーーーーっ!!」 レイル「そして俺だーーーーーっ!!」 ……閏璃とレイル氏が居た。 岡田  「や……お前らなに、今更」 藍田  『レイナートならもうフレイアさんがコロがしたぞ……?』 閏璃  「そんなことはどうでもいい」 レイル 「そう……提督さんのことを語るのであれば、覚えている俺達は外せぬ筈!!」 フレイア『───ホエ?や……なんで知ってるの?      悠黄奈みたいにこのゲームのみの存在や、      わたしみたいに誰かの“裏”として生きてるならまだしも……』 閏璃  「フフフ……それはな───」 レイル 「俺達が既に、提督さんと出会ったことをでっちあげていたからだ!!」 フレイア『で……でっちあげ……?』 でっちあげって……え?なに? まて、いまいち話のつかみ所が解らないんだが…… 閏璃 「それはとある夜のことだった。俺とレイルがまだ旅に出る前、     提督さんと大仏マクラ投げをやったのだ」 レイル「ああ……あれは痛かった」 閏璃 「その時、ふと思いついた“でっちあげ”を───あ、思いついたのは提督さんな?     まさかなぁ……程度の思いつきでやったことなんだが。     記憶の消去が起きた時、まず実行されるのが辻褄合わせだ。     そしてそれは違和感がなければないだけ、すんなりと通る」 レイル「そこで実行に移ったのさ。     俺達が提督さんと出会ったのは、こういう集まりの中じゃなく。     もっと別の、関係のないところでじっくり親しくなったものなのだと」 閏璃 「そういう記憶をイメージとして頭の中にこびりつかせておいて、     おまけに日記帳にもそういうことを書いておく」 レイル「あとはそれを朝晩かかさず繰り返し読んで頭にたたきつけて、     それがさもあったかのように準備をするのだ」 閏璃 「するとどうでしょう。今回起こった記憶消去の波にも見事打ち勝ち、     俺達は俺達のまま提督さんを覚えているのだ!!」 レイル「ちなみに晦と弦月も誘ったが、俺達は絶対に忘れないと断言をして、断られた」 閏璃 「今頃どうしてるのか解らないが。───というわけでフレイアさん!」 レイル「俺達は───」 閏璃 「仲間だ!」 …………。 フレイア『え?じゃーなに?あんたらもヒロちーにつくってこと?』 閏璃  「もちろんだ!!」 レイル 「ジャミルと敵対関係になるのは寂しいが、      敵だからこそ叶った時の愛に深さが増す!だから喜んで敵になろう!」 フレイア『ふーーん……そっかそっか。解ってくれてる人たちが居るなら、まあいいか。      じゃあわたしはさっき言ったこと取り消すわ。      人格切り替えるたびにあっちこっち回ってたら疲れるわ。      ルナも人格コントロールが段々出来るようになってきたし、      わたしの出番もそろそろ終わりなのかもしれない』 閏璃  「な……なにぃい……せっかくの仲間が突然の裏切りを……」 レイル 「まあでも、それならそれでOKか。      原中とは関係なく、俺達はもう提督さんの知り合いって歴史が創られてるしな」 閏璃  「ちなみに俺はエロビデオを借りようとした提督さんに      金を貸したことで知り合った仲だ。      ちなみに俺が借りようとしてたビデオはシャンゼリオンだ」 レイル 「俺はピザ屋のバイトをしてる時に、姑息な手段で30分を経過させて      タダピザ食おうとしてた提督さんをとッ捕まえて知り合った仲だ」 ……うん、ろくな出会いじゃないね……うん……。 岡田  「なぁ……そういうこと平気でするようなヤツなのか?そいつって……」 閏璃  「するね!」 レイル 「するな!」 フレイア『するわね』 岡田  「………」 言葉も出なかった。 ちょ、ちょっと待て……そんなヤツにどうしてそこまで─── 閏璃  「なにしろ彼はかつて、エロマニアンデビルと名づけられたほどのエロマニア」 レイル 「ピザのことだって実際やっちゃいないだろうが、      タダピザを食べたいと誰かが言ったら絶対に実行する。      罠をしかけたりなんだりと、とにかく姑息な手を使ってでも30分経過させる」 藍田  『……えぇと、そいつの何処がいいんだ?』 閏璃  「全部だな」 レイル 「全部だな」 フレイア『全部ね』 藍田  『うわー……』 ますます解らなかったが、人の考えなんてそれぞれだ。 それを考えれば、彼らと彼女にしか解らないこともあるんだと思う。 閏璃  「ところでフレイア弾頭殿。      皆が一気に提督さんの記憶を失くしたことにはどんな裏が?」 フレイア『なによそのなんとか弾頭って。      ……まあいいわ、多分ヒロちー本人が大きく係わってるんでしょうね。      こんなに急に誰かの記憶に干渉するなんて、本人の意思がなければ有り得ない。      それとも、なにかきっかけみたいなものを根本から崩したか。      ……そうね、出会うきっかけみたいなの、ある?      ヒロちーがなになにだったからみんなと出会った〜とか』 閏璃  「───うむピンときた。提督だ。      彼が原中が提督でなければ、俺達は出会うことがなかったと思う」 レイル 「あ……なるほどな」 フレイア『なるほど?それとそこの両腕の話を合わせれば、      今やヒロちーは原中の提督じゃなくて、怪奇ホモ男が将軍なわけで。      ……あー、なるほどなるほど、確かにきっかけっていうのが潰れてるわ。      大方怪奇ホモ男を言いくるめて、しっかりと部長交代かなんかさせたんでしょ』 レイル 「……なぁ。モミアゲさんといいこいつといい、      どうして月詠街のやつらはこう鋭いんだ?」 閏璃  「治安の悪い場所だから、      思考の高速整理が出来ないと危険だと知っているからだ」 レイル 「そ、そうなのか」 閏璃  「うそだ」 レイル 「オイ」 岡田  「おーい……話についていけないんだが……」 閏璃  「おお、つまりは、彼は面白いってことだ。      記憶のことに関しては彼が係わってるにしても、      今はなんだかんだで寂しがってるに違いない」 レイル 「だな。レイナート討伐が終わったなら、もうここには用はないわけだ」 それはそうだが。 な、なんだろうな、なんか釈然としない。 いやむしろ、 岡田    「なぁ。そいつはそんなに面白いやつなのか?」 閏璃    「人を選ぶが、それが受け入れられるなら」 レイル   「まあ、俺は“忘れたくない”と思う程度には好きだ」 閏璃    「俺は大好きだ」 岡田    「へえ……じゃあ一度会ってみたいな、そいつに」 閏璃&レイル『それはダメだ』 岡田    「何故!?」 藍田    『うーあ、凄い即答だな』 そう、かなりの即答だった。 それもキッパリと。 閏璃  「彼は今、かなり傷ついた心と書いて傷心にちがない。じゃない、違いない。      そんなところにかつての知り合いが行ったら、傷口を抉ることになる。      いい加減目覚めなさい。      あなた方は彼にとって掛け替えのない仲間だったのです。      それをいろいろなことがきっかけでになって、あなたがたは忘れた。      …………長ったらしいので以下略」 岡田  「以下略!?略さないで聞かせろーーっ!!」 閏璃  「断る。なぜなら俺には黙秘権がある」 レイル 「当然俺にもだ」 フレイア『あ、わたしにもね?だからヒロちーの話はここでおしまい。      そろそろ次が来るから構えときなさい』 総員  『───へ?次って』  ピピ───ミヂィイイヂヂヂヂ─── ……耳に届く電子音。 ゲームとかでよくある機械の音というか、 プログラムが作動した時に音が、この部屋全体から聞こえてきた。 そしてそれは突然訪れる。 床がガコンッ、と動き、天井が割れ、 この部屋自体がエレベーターにでもなったかのように上方へと移動を始めたのだ。 しかもその途端、目の前に一体の機械がガシャンと落ちてくる。 機械  『ギ、ガガ───…………さて、諸君。私との戦いは楽しめていただけたかな?』 閏璃  「───!その声は!…………誰?」 機械  『ぬごっ!?レッ……レイナートだレイナート!!      貴様らそろって私を馬鹿にしているのか!?』 レイル 「や、だって馬鹿だろ。機械に頼りっきりのくせに自分は強いんだって言って。      そういうのは自分は弱いが機械は強いってハッキリ認めてから威張れ」 閏璃  「そうだこの馬鹿!!」 機械  『ギッ……ギィイイイイ……!!』 フレイア『それで?どうせ意識を機械に移植したとかそんなところだろうけど、      あなた何者?』 機械  『フ、フン……何者もなにも、お前らが倒した私は私のクローンだ。      今この機械を通して話している私こそが、レイナートそのものよ』 閏璃  「ヒゲが!!」 藍田  『このヒゲが!!』 岡田  「ヒゲ野郎め!!」 機械  『ヒゲ!?なにがだ!!』 閏璃  「お黙り!どうせ何者だとか言われたら、      本当はヘンな顔して剥き歯になりながら、      私の名は───ゼロ!とか言いたかったんだろ!このネスツ野郎!!」 岡田  「機械でクローンで陰謀なんてヒゲ以外のなにものでもないわ!」 藍田  『さっさと出て来いこのヒゲめ!!』 機械  『き、貴様らぁああ……!!解っているのか!?私がその気になれば───』 三人  『黙れクズが黙れクズが黙れクズが!!』 機械  『ギッ……ギィイイイイイーーーーーーーッ!!!』 人の話を聞かないのはよくないことだが、相手がムカツク敵なら問題なし! ムカツキにはむかつきを。 大人気なくても子供でいい、それが俺達原メイツ。 ……閏璃のこのノリは、つくづくいいとは思うが。 岡田 「なあ閏璃」 閏璃 「断る。もはや俺は提督軍よ。晦や弦月を含めた原中の猛者どもが彼を忘れた今。     俺は貴様らよりも提督さんを選ぶ」 レイル「忘れられる苦しみってのは、いろいろあって解ってるつもりだからな」 藍田 『……ひとついいか?     そいつってそんなに、誰かを敵に回していいって思えるほどの人物なのか?』 閏璃 「む?うむ。貴様らが提督さんを敵に回してでも原中であるように、     我らも貴様らを敵に回してでも提督さんの仲間で居る。     その方が楽しいから───ただそれだけを理由にして!」 レイル「小難しい人間関係なんてどうでもいいんだ。面白ければそれでいい。     重くないっていいことだぜ〜?なにせ当然のことだが重くない」 閏璃 「…………というわけで俺達これで行くな?」 岡田 「なにぃ!?」 藍田 『い、一緒に戦わないのか!?』 閏璃 「フフフ、貴様らが提督さんの敵だというのならば協力する理由がないわ」 レイル「ここに来る筈だった提督さんもまだみたいだしなぁ……」 提督さん提督さんって───何者なんだよそいつ! 何度言われたって知らないものは知らないし、敵を前にして戦わないなんて勘弁─── フレイア『で?どう出ていくの?』 閏璃  「このエレベーターが上まで辿り着いたら徒歩で去ろうかと」 フレイア『着くまでねぇ……敵さんは待ってくれなそうだけど?』 レイル 「おや?───おお本当だ」 閏璃  「いけ、矢島。じゅうまんボルトだ」 藍田  『ねぇよ!!つーか誰が矢島だ!!』 機械が動き始めた。 人型の、そう大きくはないやつだが───レイナートのことだ、 また強化して仕上げてあるのだろう。 機械 『茶番はここまでだ。そろそろ私も攻撃に移らせてもらうとしよう』 岡田 「あ、そういやさっきまでのレイナート、全然攻撃らしい攻撃してこなかったな」 藍田 『ただの防御力自慢かと思ってた』 機械 『そう作ったからだ。束の間の優勢の気分は味わえたか?では、始めよう』 閏璃 「全然味わえてないから続けさせてくれ。貴様が死ぬまで」 機械 『冗談ではないわ!!』 閏璃 「なにぃい……おい、ひどいぞあいつ。     俺は味わってないのに、無理矢理始めようとしてるんだ」 藍田 『いや、お前のほうが素直にひでぇって。───しゃあない、先手俺行くぞ』 閏璃 「解った。俺は逃げる準備をしておくな?」 藍田 『手伝えよ!!べつにその提督さんとやらの命令がなければ     なんにも出来ないわけじゃないんだろ!?』 閏璃 「うむ。俺は俺の意思で貴様らへの協力を断る」 藍田 『ゴホォ!?こ、こんにゃろっ……!お前待ってろよ!?     今すぐこいつブッちめてやるから、     お前らがそこまで言う提督さんってやつのこと教えろ!』 閏璃 「ああうん、ごめん断る」 藍田 『断んなぁあーーーーーっ!!!』 レイル「だってお前ら、教えてやっても絶対忘れるだろうし」 閏璃 「突然ですが問題です!     刻震竜ことサウザンドドラゴンにトドメを刺したのは誰でしょう!」 岡田 「簡単すぎて反吐が出ますぜーーーっ!!」 閏璃 「はい岡田くん!」 藍田 『《ドカドカバキゴキャ!!》戦ってくれぇえええええええっ!!!』 藍田が機械を引き付けているうちに、俺は俺で興味のある方への突っ走っていた。 サウザンドドラゴンを倒した相手!?そりゃもちろん─── 岡田 「将軍だ!将軍が倒してた!」 閏璃 「はいダメ失格ティッシュあげるから機械と戦ってきなさい」 岡田 「ひっ……一息でなんとひどい!ちょっと待て!だって実際そうだったろ!?     彰利が刻震竜の口ン中入ってオメガレイドで───!」 閏璃 「残念だがそれは作られた記憶だ。     そしてそれくらいで倒せるなら誰も苦労しなかった」 岡田 「いや……竜の口の中に入るって、全然“それくらい”じゃないと思うが……」 閏璃 「相手がサウザンドドラゴンだってことを考えれば、     それくらい“して当然”だったじゃないか」 岡田 「あ。それもそっかぁ!らっはっはっはっは!!!」 閏璃 「ワハハハハハハ!!!」 藍田 『《ガスゴスドスバキ!!》戦ってぇえええーーーーーーーーーっ!!!』 藍田が機械と激戦を繰り広げている横で、俺達は賑やかに談笑した。 うん、悪気はかなりある。 岡田 「よし!俺も協力するぜ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」 藍田 『肉語はいいから速くしてくれ!こいつ結構強ぇぞ!!』 閏璃 「なにぃ、ではその強さを具体的に話して聞かせてくれ。4文字以内で」 藍田 『4文字!?……、……ゴッ……ゴメス!!』 閏璃 「《ガァア〜〜〜〜ン!!》……つっ……強そうだ……!!」 岡田 「それでいいのかよ!もうワケ解らねぇから黙っててくれ!」 ───おし! とにかくまずはこの機械野郎レイナート=ジャスティスをなんとかしなければ〜〜〜〜っ! 気合い入れていきますかぁっ!! レッツズゴヴァシャフィンッ!!! 機械 『ギャアアアアアアアム!!!』 ………………。 ……あれ? フレイア『……うわ、なにこれ。滅茶苦茶弱い……』 藍田  『あ……やっぱり?      戦って〜とか叫んでられる余裕があったから、ヘンだとは思ったんだけど』 岡田  「いや、お前“結構強い”って……」 藍田  『や、だから“結構”だって。そこまで強くないって意味で』 フレイアさんの一閃で、機械はあっさり両断させて爆発した。 そうこうしているうちにエレベーターは地下都市の大地へと辿り着き─── 正面には大きなメカに乗った、人間の姿のレイナートが居た───!! レイナート「……やあ。待っていたよ諸君」 ニヤリと笑うその姿は、完全なる余裕に満ち満ちていた。 乗っている機械もサガ2に出てくる最終防衛システムのようなゴツさで、 明らかに硬そうで─── 閏璃 「提督さん何処行ったかな」 レイル「さぁなぁ……あ、まずあの悠黄奈っての探すか。     フレイア嬢の話じゃ、あいつ覚えてるらしいし」 閏璃 「おお、賛成」 なんて、敵の分析をしている最中にのんびりと歩いて去ろうとする二人。 岡田 「って本当に行くのかよ!ボスだぞ!?ボス目の前にして───!」 閏璃 「今、目下の目的は提督さんを“一人の殻”に閉じ込めさせないことなんで、     速いほうがいいんだわ〜。だからすまん、達者で戦ってくれ」 藍田 『おぉおおおおおおこの薄情者どもがぁああああっ!!!』 冗談抜きで走っていってしまった彼ら! だがそれを、逃さんとするレイナート! ああすまん、なんか今だけはレイナートを応援したい気分だ。 そのレイナートが操る、伸縮自在の機械のアームが、レイル氏を今まさに捕らえようと!! レイナート「ふはは?この私から逃げられると思───」 レイル  「《キンッ───》やかましい!機械に頼りっきりのくせにその上から口調!       腹立つから余所でやるかとっととやめやがれ!!』  ドンガァッシャアアアッ!!! レイナート「な《ガゴォンッ!》ぐぅっ!?」 伸ばしたアームは振り向きザマに殴られ、 レイナートが乗っている機械のコクピットの強化ガラスに直撃! 弾かれたが、レイナートは非常にビビっていた。うん、それがかなりスッキリだった。 ……つーかレイル氏の体が大変なことに。 レイル『機械遊びなら余所でやれっての!     道を進む自由を奪おうっていうなら───……逃げよう』 岡田 「戦ってくれって!」 激昂したラージャンみたいに雷みたいなの纏ってるレイル氏に思わずツッコミを。 ただしその雷がやけに凶々しいんだけど。 あくまで“みたいなもの”であり、雷ではないんだろうなぁ、あれ。 一発殴れば十分だったみたいで、さっさと元に戻っちゃったし。 レイル「よーしじゃあ戦おう!」 閏璃 「でもあとでチョコレートパフェおごれよー!」 岡田 「何処のバータとジースさんたちですかあんたら!」 閏璃 「まあまあ。では最初から全力!司令部!SUVウェポンの起動を申請する!」 岡田 「おおっ!?」 閏璃が両手の拳銃を宙に放ると、 ソレが虚空に出現したブラックホールのようなものに飲まれ、 さらにソレが拡大して、巨大になったブラックホールからゲェエエッ!!  ガシャコどっがーーーーん!!!! 閏璃 「巨大破壊兵器のSUVウェポン!マガス・マッガーナ!!」 足の無い、巨大な人型兵器っぽいのが出現した! 明らかに巨人族よりも大きく、いつの間にか消滅していた建物よりもよほどに大きい! 喩えて言うならジオングっぽい!物凄くジオングっぽいんだけど、どこか違う! 赤いジオング……ち、違う!なんて喩えたらいいのやら!! 閏璃 「とーーーう!!《シュバーーーッ!》」 岡田 「と、飛んだーーーーっ!!」 そうして出現したSUVウェポンに、閏璃がヴァーと飛び乗って…………飛び………… 閏璃 「ふんっ!ふんっ!……くそっ!なんでこんなに大きいんだ……!」 ……デカすぎて飛び乗るのは不可能のようだった。 普通によじのぼっていって、頭部のコクピットまで辿り着くと、盛大に息を吐いていた。 閏璃 『ではいこう!』 レイル『OKだ!』 ていうかいつの間にかレイル氏が腹部にもあったコクピットに搭乗していて、 なんていうかステキなスマイルで微笑んでいた。 ……うん、俺も乗ってみたいし、その気持ちは解るかも。 なんにせよ、ここからが本番!! 岡田 「さあ覚悟しろよレイナー───」 藍田 『バズーカチャンネル&悪魔風脚(ディアブルジャンブ)発動!連撃いくぜ!反行儀(アンチマナー)キックコース!     首肉(コリエ)肩肉(エポール)腿肉(ジゴー)頬肉(ジュー)腹肉(フランシェ)腰肉(ロンジュ)三点切分(デクパージュ)!!     ───三級挽き肉(トロワジェム・アッシ)二級挽き肉(ドゥジェム・アッシ)一級挽き肉(プルミエール・アッシ)最上級挽き肉(エクストラ・アッシ)!!     画竜点睛(フランバージュ)ショットォオッ!アァーーンドッ!串焼き(ブロシェット)ォッ!!』 心意気新たに振り向いてみれば、藍田の攻撃で宙に吹き飛ばされ、 さらにそれを追っての連撃ののちの叩き付け&串焼きで、 ゴシャーンと潰れる最終防衛システム。 わあ……ぺしゃんこ……ぺしゃんこだよ……。 ところでキシェンコとぺしゃんこって似てるよね。  ガコォンッ……ガラガラッ……! そんなことをしみじみと思っていると、 潰れた機械を押し退けて、レイナートが這い出てきた。 レイナート「くっ……馬鹿な!こんなっ……いったいどういう力を持っていれば、       蹴りだけでここまでを……!!」 総員   『まったくだ!!』 藍田   『蹴りだけを極めようって男だからだ!!故に《グラリ》うおおう!?       ぬ、ぬおお……バズーカチャンネルの反動が……!!脳が揺れる……!!』 岡田   「お前ほんと極端だな!もっと長続きしないのかよそれ!」 藍田   『し、仕方なかろうが〜〜〜〜っ!       時間というよりは何発蹴ったかで反動がくるのだから〜〜〜〜っ!!』 岡田   「挽き肉(アッシ)の部分で蹴りすぎなんだよ!       もうちょいデカいのだけ繰り出してそれで稼げ!!」 藍田   『だ、黙れ〜〜〜っ!お、俺は俺のやりたいように戦うのだ〜〜〜っ!!』 フレイア 『とにかくこれで終わり!』  ザゴボシャーーーーン!!! レイナート『ギャアアーーーーーーーーッ!!!』 総員   『あ』 騒いでるうちに、フレイアさんがレイナートを両断! 下半身と上半身とで分かれた彼は、ドチャリと無残に転がった。 …………。 岡田 「ん、んん……な、なん、か……スッキリしない……っていうか……」 藍田 『俺も───って、あれ?ヴィクター化とかが解けないぞ?』 レイル『……ってことは』  コキュウウウウーーー……ウゥウン……  ヂヂ───ビムンッ!! 岡田 「おおっ!?」 妙な音ののち、遠くにあった建物もなにもかもが床に収納された頃。 上空に巨大な映像が現れ、声を発した。 音声 『ワタシハコノ都市ノ頭脳ヲ司リシ“オズ”。     “古代都市ノヴァルシオ”ノ全体機械化ガ終了シタ。     コレヨリ、システム“ジェノサイドハート”ヲ起動スル───』 ……と。 って! 総員 『ジェノサイドハート!?』 知ってる人は知っている、とっても恐ろしいマシンプログラムの名前だった。 オズ 『ナオ、コノプログラムハ、     都市ト同化シタレイナートノ意識ニヨリ設定サレタモノデアル。     止メルニハ、コノ都市ゴト破壊スル必要ガアル───』 え、え……ちょ、ちょっと待て! 都市と同化!?だって今レイナートはここで死んで───ぐはっ!!? 藍田 『うわっ!なんだこいつ!物凄い勢いで老化して溶けたぞ!?』 レイル『すげぇ……こんな芸当が出来たのかこいつ……!』 閏璃 『ぬ、ぬおお……!位置が高すぎて溶ける様が見えん……!』 ……どう見てもクローンだった。 くそ、やられた……! まさかこいつまでクローンだったとは……! オズ 『ガ、ガガガ……ガ…………───フフ、いろいろと学ばせてもらったよ、諸君』 藍田 『てめぇ……どこまでクローン用意してるんだよ!お前もか!?』 オズ 『ふふ、いいや?私が本体だ。     プログラムと同化し、たった今オズを飲み込んだところだよ。     さて───では早速始めよう。     油断をするとひどい目を見ると、学ばせてもらったばかりだ』 言うや、虚空に現れた映像の数が増えてゆく。 ビムンビムンという音が鳴る度にあちらこちらに出現する長方形の映像画面。 ソレは嫌でもサガフロンティアを思い出させ───やがて。 この、今では広場と呼ぶのが相応しい場所の中心に、 プログラム文字の羅列で描かれた顔のようなものが出現する。 もう確定だ───これは“あの”ジェノサイドハートだ。 ジェノサイドハート『油断も慢心もせず戦うと誓おう。           さあ、全力でかかってくるがいい!!……バーチャルシフト!!』 レイナートがそう叫ぶと、 建物がなくなって機械の地面が残されたそこが、妙な輝きをみせる。 それに意識をとられ、ハッと気づいた時には───その場は教会になっていた。 レイル 『うおおっ!?な、なんだこりゃどうなってんだ!?』 フレイア『瞬間移動……?いいえ違うわね。      これは鮮明な映像で、わたしたちにその場に立ってるって思わせてるだけね』 藍田  『確かに半分正解だけど、意識レベルで滲みこんでるから気をつけて!      マグマの景色とかに飛ばされたら多分熱いだろうから!』 フレイア『滅茶苦茶ね、まったく───!』 閏璃  『なんの、俺のマガス・マッガーナの内部は快適温度で最高だとも』 レイル 『……俺下の方だから多分熱いんだろうな……浮いてるとはいえ』 ジェノサイドハートのカタチは、 顔から妙なガラクタの集まりのようなカタチに変わっていた。 今すぐカーネイジが撃たれることがないことに酷く安堵したが─── 果たしてこの安堵がいつまで続いてくれるのか。 そんなことを思いながら、俺達は構え、やがて戦闘を開始した。 Next Menu back