───……。

 パチンッ。

彰利「話をしよう!」
悠介「ああそりゃ気になるな! どんな話だ!」
彰利「なんか全部忘れる筈だったのに、今こうしてバトってることとかどうかなぁ!」
悠介「ああそりゃいいなぁ! 是非話してくれ! そんな余裕があるならな!!」

 時は! フェルダール暦……18年!
 世界は始まりからしてカオスであった!
 ハッと気づけば僕らは僕らのままで、しかしレベル1からの再出発! なんか世界構築するためとか記憶云々のために、全ての能力が僕らからポロリ状態らしいぜ!?
 あ、でも基本能力はそのまんまでした!
 アタイは月壊力、悠介は月蝕力! 悠介には創造の理力があって、でもまだハトしか出せん! アタイは死神の力を引き出せない状態で、ギャーギャー騒いでおります!
 服装は学生服です! 懐かしの漣高等学校のモンです!
 そして現在は草原を駆けてます! どこだろここ!

オウガテイル『ゴギャーーッ!!』
彰利    「キャーーーッ!!?」
悠介    「彰利! 捕喰捕喰!」

 この世界は異常です。一言で言うなら……カオスな世界である。
 世界っていうだけあってめっちゃ広く、そん中に様々な場所が点在しております。
 こりゃああれだね、中井出が辿った場所だけがそこかしこに存在してる感じ。
 野を越え山を越え、辿り着いてみれば川神市がありますよとかそんなの! アレだ! ドラクエみたく場所が離れとんのだけど、そこに辿り着くと急に許昌に辿り着くとかそんなの! 解り辛いですか!?
 そんでもって外には敵がめっさおります! ゲームのジャンル問わずにめっさ居ます!
 最初居た場所……まあ月詠町だね。その付近はアタイらが高校ン時くらいの状態で残っとったんだけど、まあそれはどうでもいいね。で、一歩月詠街から出たらファンタズィー! これアレだよ! ヒロラインがアルティメットバージョンアップされたみたいになっとる! しばらく放置しといたFF11をある日やってみたら驚くほどバージョンアップされてた〜みたいなの!
 あ、でもさすがに月詠街付近にはスライム程度の敵しかおらんかった。

彰利「サモン!《ジャキィン!》」

 武器は神器と書いてジンキと読む。ゴッドイーターと似たようなもの。
 捕喰も出来るし銃に変形させることも可能。
 ただし武器は自分が使いたいものに変形出来るから、これはこれでありがたい。ゴッドイーターの神器ほどデカくないしね。
 アタイは当然拳でござんす。
 かつてのルドラとのバトルで、どーも剣が気に入ってしもうてね。しかし拳。何故ってそりゃあアレだ、やっぱ拳のほうが戦ってるって気持ち、沸くじゃない?
 悠介は刀だ。願えば左手首についている赤い腕輪から武器が出る。それが神器だ。
 武器の強化は基本的に捕喰して行う。
 喰えば敵からコアってものを奪えて、それを利用して武器を強化する。
 コアは神器の内部に吸収されて、組み合わせで進化したりするのだ。これ最強。

彰利 「神器パァーーンチ!」
オウガ『《ドゴォ!》ウゴォーーーォオゥ……!』
悠介 「抜刀居合いィッ!」
オウガ『《ザクシャア!》ゴォオーーーーッ!!』

 TPも設定されてあって、それは敵を攻撃することでも回復。戦闘が終わればHPとともに完全回復することもあって、そこんところはやっぱりヒロラインだった。
 しかしながらまあ、始まりはほんといきなりだった。
 全て終わったと思ったら急にだもんね、全てリセットにされると思ってたのに。
 だからね、「最近、魔王が復活したのよ」とか雪子さんにいきなり言われた時は、もう何がなんだか解らんかったですよ。
 訊ねてみてもいいから魔王ブッ倒してきなさいって追い出される始末。
 いや……いいんだけどね? NPCだったとしても懐かしい顔を見れたから。

  18歳の誕生日だから町長に会って魔王倒してきなさい。

 俺が言われたのはそんなとこ。
 で、町長に会ってみれば懐かしの顔。羽棠黄仁さんでした。
 そげな彼に会ってる途中で悠介と合流。
 二人して神器を左手首に嵌められて、魔王と戦う勇者として任命された。
 はした金渡された上でね。

彰利 「砂かけババァーーーッ!!」
オウガ『《バサァッ!》グガァーーーッ!!』
彰利 「ゲゲェ効いてねぇ!!」

 そんなこんなで始まった冒険の旅は、果てないワンダーランド。
 どうせ魔王はまた中井出だろーなぁとか踏んでたんだけど、なんかフツーに旅をしてました。一緒に居たルドラも、かつての暗さが嘘のような笑顔で元気にダチをやっとったよ。……正直、眩しかった。
 なんでも今、世界を旅しながら世界の辻褄を取り戻しているんだとか。
 意思も世界も確保出来たけど、記憶ばっかりは都合よくはいかない。
 だからパズルのピースを拾い集めるように、あいつが3千万年近くをかけて巡ってきた世界を歩き、辻褄合わせをする旅をしているそうな。
 俺と悠介がヤツを覚えているのは、その影響らしい。
 ……えーと、つまりどういうことかっつーと、辻褄ってのがガッチリハマれば、雪子さんたちもNPCから雪子さん自身になるっつーこと。
 なにせ“忘れられたもの”は全て幻想に辿り着いて、伊吹萃香によって萃められ、中井出に届けられたのですから。

彰利「しっかし、よくもまあ会ったヤツ全員の意思とか残っとったよねぇ!」
悠介「そこんところは“記録者”として歩いたことが吉に転がったんだろーさ!
   あとは幻想郷に流された記憶や、伊吹萃香が萃めてくれた思念のお陰だ!」
彰利「おお今アタイもそれ思ってたとこ! 旅が無駄にならずに済んでよかったわい!」

 しかしまあそうなると魔王は誰ザマショって話になるんじゃけんどもね。誰だろ。
 まあよかギン。
 中井出ももうガキャアっぽくも大人っぽい笑顔が出来るようになってたし。
 意思同士だったけど約束通りにファミリーにも会えて、真剣泣きしておったくらいだ。
 あいつはもう大丈夫だろう。これからは今までの分を幸せに生きてほしい。
 代わりに、魔王くらいアタイらがブチノメしてさしあげる!

彰利「よっしゃ悠介! みさおさん探すべ!
   なんか今ムショーにみさおさん巻き込みてぇ!」
悠介「冗談でもそこは“仲間にする”って言ってやれ……」

 オウガテイルに蹴りをブチ込みながら喋る。
 相変わらず熟練度やステータス移動は可能で、それをいじくれば移動も早い。
 ただしやっぱり逃げる行動はスタミナを消費。
 そんな世界の中で、アタイらは今日も元気に張り切ります。

彰利 「ホォオウリャア!」
オウガ『《ゾブシャアドンガァアン!!》グォオオゥウ……』

 そうこう思っている間にオウガテイルの目に拳を埋め、月操力を暴発させて倒す。
 消える前に捕喰をしてコアを抜き出してみるが、あまり糧にはならんかった。

悠介「レベルアップできそうか?」
彰利「んにゃ、ちと足りん。そっちは?」
悠介「出来そうだ」
彰利「おお、ではアタイのデーモンに触れなさい。
   ソ〜ゥルオブザマァ〜ィンド、キートゥライフズイーザァ……!」
悠介「……なんなんだよその奇妙な呪文は」
彰利「いや、合ってるのか知らんのだけど、たしかデモンズソウルのおなごの言葉」

 火防女っていったっけ? 結局あれの読み方が解らんかった。
 かぼーおんな? ひぼうおんな? かぼめ? ひぼめ? ……まあよかちゃい。
 多分ヒモリメで合ってると思うね。うん、あたい最強。

彰利「ほいで、これからどーするよ。みさおさん発見して仲間にするのは確定として」
悠介「確定なのか……。まあ、その分負担が減ってくれるのはありがたいことだが」
彰利「負担? なんの?」
悠介「疲労度だ。いろいろな」
彰利「……キミって時々素直にヒデェよね」
悠介「疲労の原因が何をぬかす───っと、お?」
彰利「おや? なにこれ」

 オウガテイルの捕喰をこころゆくまで堪能していたアタイの神器が、ふと妙なものをずるりと引きずり出した。ええ、もちろんオウガテイルから。

彰利「着ぐるみ? ……OH! しかもこれはキュゥべぇではないか!」
悠介「きゅ……?」
彰利「まあとあるアニメで出てくる契約好きな物体とでも」
悠介「いや、まあそれはいいんだけどな。
   着ぐるみっつーかそれ、ぬいぐるみじゃないか?」
彰利「いいや着ぐるみだね! 僕はそれをここで証明してみせる!
   ふんぎんがぁああーーーーーーーーーっ!!!」

 手に入れた着ぐるみ(俺称)から綿を抜き、無理矢理広げて着込む!
 すると柔軟性のある材質だったのか伸びる伸びる!
 二分後にはきちんと着こなす凛々しいアタイの姿があった。

QB『ボクと契約して……魔法少女になってよ!!』
悠介「全力で断る」

 悠介いわく、どっかで見た八頭身生物にしか見えなかったとのこと。
 は、八頭身モナー扱いっすか……。

QB『まあいいけどね。じゃあ楽しんだしもうこれも……《ぐいっ》……あれ?
   《ぐっ! ぐぐっ!》はっ! よっ! アレェ!? なんと!! ほいさっ!』
悠介「………」
QB『……いやーーーん!!』

 神様、アタイです。
 随分と久しぶりに取れなくなりました。
 なにをやっていたのか……アタイったらこれまでも、着ぐるみと称するものを身に付けると取れなくなっていたというのに……永い永い歳月がアタイの心に油断という名のデーモンを誕生させていたッツ……!!

QB『やべぇどうしよう脱げない! たたた助けてぇ悠介!!』
悠介「その姿で懇願するな……頼む」
QB『あらやだ真剣にお願いされた!? クククだがよいでしょう!
   これは試練だ……過去に打ち勝てという試練とアタイは受け取った!』
悠介「いや、無表情で熱弁されてもな」
QB『しゃーねぇでしょそういうモノなんだから!』

 グミミミミ……と引っ張ってみても取れやしねぇ!
 だがOK解った! 戦ってりゃ自然に破けるでしょう!
 なのでこのままGO!

QB『というわけで早速新しい町を見つけたよまどか!』
悠介「誰がまどかだ」

 町です。
 デモンズソウルでいうボス前の霧のような壁があり、そこを通ると町に飛ばされます。
 そげなわけで霧の中へ入ってみると、

おなご「きゃあああああ! モンスターよ! モンスターだわーーーっ!」
おとこ「逃げろ! 殺されるぞぉおーーーーーっ!!」
QB 『なんと!?』

 入った途端にモンスターと叫び、逃げ惑う人々!
 お、おのれぇモンスターめ! いったい何処に!
 なんかみんながこっち見てるから振り向いてみてもまるで見つからん!

QB『これはまずいよまどか! 見えない敵かもしれない!』
悠介「俺の目には体が白くて目は真っ赤なキモくてキモいモンスターの姿しか映らんが」
QB『え? キモくてキモいってなに?』

 つーかここ、リンガの町だね。スターオーシャン2の。
 となれば宿屋の名前はリンガリンガ。ステキ。

悠介「つーかな、真顔で驚くな。頼むから」
QB『え? めっちゃ普通に驚いてますが? ほら、見てくださいこの驚き顔』
悠介「顔を近づけるな怖いから」
QB『やんもうダーリンったらこわがりさんっ♪』
悠介「………」

 ツンッとお茶目さんにするように、額を指でつついてみました。
 すると頭を抱えて顔を真っ青にするクロマティ高校の前田くんのように苦しみだしたのです。ええまあいつものことなのでスルーで。

……。

 さて、いろいろ情報を手にするために歩きます。
 すると、魔王の情報を得ることが出来ました。
 なんでも魔王は賢者の石を使って不老不死を手に入れた者だとか。

QB『賢者の石になんか頼らなくても、僕と契約すれば痛みも消せるのにね』
悠介「死んでもごめんだ」
QB『あれ? なんか死よりも遠慮されなかった? 今』
悠介「あのな。誰が好き好んで、
   八頭身のスマートマッチョ着ぐるみモンスターと契約するってんだ」
QB『いまのはまずかったよまどか。
   18歳の僕を相手に八頭身はないんじゃないかな』
悠介「だから誰がまどかだ!」

 言い返されながらもマッチョポーズをとってみせる。
 左手で右手首を掴み、脇に持っていくようにしてムキリと。
 さらに臀部側に両手を回し、キュッと引き締めムキリと。

QB『ごらん! トミタケプリンセスを彷彿とさせるポーズだよまどか!』
悠介「頼む……その着ぐるみ燃やさせてくれ。お前も込みで」
QB『殺人予告された!? つーか頼まれた!?』
悠介「それが嫌だったらちょっと静かにしてくれ。で、だ。纏めると……」

 悠介が情報を纏めてゆく。
 知り合いの中に賢者の石を使って馬鹿やるヤツは居るだろうかと。
 …………。

悠介「ベリー……か?」
QB『知ってる中だとそんなところだろうね。
   ところでまどか! 僕と契約して───ボディービルダーになってよ!』
悠介「散れ」
QB『散れとな!?』

 言われた言葉はどうあれ、纏めた結果はベリッ子ヤムヤム。
 ウェルドゥーンの赤い魔女のあんちくしょうでした。
 しかし3千万年を生きる中で、似たようなことを考えるヤツが居ないわけもなく……他の誰かって線もあるわけで。

悠介「まあ、しばらくは情報集めの旅だな」
QB『いや、まずは僕の呪いを解く旅をしないかいまどか』
悠介「燃やせば済むだろ」
QB『燃やすこと確定なのかい!? そ、それはまずいよまどか!』
悠介「まどかって誰だ? 俺はまどかじゃないからそんな言葉は知らん」
QB『ゲェエーーーーーーッ!!』
悠介「いや……あのな。せっかく今までキャラ作りのためにそれっぽい口調してたのに、
   それをお前、ゲェーって」
QB『インキュベーターだって辛い現実にぶつかればゲェーくらい言うよ!
   インキュベーターだって生きてるんだよ!? 権利も、主張も、あるんだよ!』
悠介「人じゃないから人権はないな。よし殴らせろ」
QB『人じゃないと殴るのかい!? それは差別だよまどか!』
悠介「喜べ、お前限定だ」
QB『嬉しくねぇえーーーーーっ!! ギャアアーーーーーーッ!!!』

 ドゴゴスゴシャメシャガンゴンガン!!

QB『ジェーーーーーン!!』

 その後僕は仲間のモミアゲにボコボコにされた。


───……。


 ……世界は普通に回ってる。時間も普通に流れている。
 そんな蒼の下を馬鹿やりながら歩く、笑っちまうような時間。
 自分たちに与えられた人としての時間なんてものをあっさり越えちまった先で、いつまでこうして馬鹿やっているのかな、なんて時々だけど考える。

翔一「俺! 風とともに出現! よっしゃあクロード!
   クロードはどこだぁ! 壊れてるならフェイズガンくれぇーーーっ!!」
百代「それよりねーちゃんだ! かわいい仔猫ちゃんか綺麗なねーちゃん!」

 途中、出会った風間ファミリーの片割れたちと軽く挨拶をしました。
 なんかやたらと元気で、ともすれば「ちち、しり、ふとももー!」とか叫びそうなモモちゃんがSO2の世界をかけてゆく。
 歩けば歩くほどに違う世界をこの目で見て、その度に違う誰かに出会って───

横島「うおおーーーっ! パラダイスーーーッ! 桃源郷は本当にあったんやーーーっ!
   ───やはっ! そこのお嬢さんっ! 僕と愛について語り合いませんかっ!?」
穏 「残念でした〜♪ 穏はもう旦那様のものなのですよー」
横島「旦那様!? ……で、でしたらそちらの桃のようなちちのお嬢さん!」
桃香「あはは……ご、ごめんなさい、私もご主人様に……」
横島「ご主人……《ミキリ……》……ではそちらの知的で大胆な服のお嬢さん!」
冥琳「悪いが興味が沸かないな。
   しつこくされるのも面倒だから言うが、私も北郷以外とはごめんだな」
横島「……だっ……誰やぁーーーっ! 人のハーレム奪いくさったど畜生はぁーーーっ!!
   イケメンか! またイケメンかぁーーーっ!!
   何が天は人の上に人を作らずじゃーーーっ! 神様のうそつきーーーーっ!!」

 途中、トランペットに白のタキシードを装備した誰かさんと出会った。
 なんか盛大に泣いていたが、「憎しみでイケメンが殺せたら……!」と本気で血涙流しながら呪いの言葉を搾り出しておりました。
 しかしながら子供には随分と人気で、なんだかんだ言いながら遊んでやっておりました。
 大胆な服装でスタイルのいいおなごを見るや、すぐに「ちち! しり! ふとももー!」と叫んで襲いかかっておりましたが、まあそこは恋姫の猛者ども。
 美神さんばりのナックルを以って、一撃で叩き伏せておりました。
 さらに全員がかずピーのものだと知るや、横島くん頭を抱えて天へと絶叫。
 涙が目尻から虹のように飛び溢れ、「はーーーん!」と南国アイスのように泣いていた。

あたる「おっじょっおっさぁーーーん!! 僕と一緒にお茶しな〜い?」
ラム 「ダァアアーーーーリンッ!!」
あたる「《ヂガァアンガガガガ!!》アギョォオオガガガオガガガァーーーッ!!?」

 見渡してみれば結構似たような人はおるものです。
 電撃を受けるあたるくんを見て、親近感を覚えてしまう僕は異常でしょうか。

アデュー「リュゥウウナイトッ! ゼファァーーーーッ!!」
海馬  「ふぅんっ! 機械のバケモノなどいくら出そうと無駄だ!
     出でよ! ブルーアイズ・ホワイトドラゴン!!」

 そうして旅を続けておると、ちらほらと旅人を始める者を見るようになる。
 海馬くんが召喚師やりながら旅してるのを見た時はたまげました。ええ。
 アデューは武者修行だそうな。騎士大原則を振り翳し、ことあるごとに「ひとーつ!」と叫んでいた。あらやだ懐かしい。
 アニメでは騎士道大原則だったなぁ。
 そんな調子で人が集ってくると、いよいよ世界も“冒険の世界”になる。
 魔王側に付く者、独自に世の支配を目論む者、正義を振り翳す者、様々だ。
 そして立ち寄った町、入ってみた店で、アタイらは懐かしい顔に出会う。

藍田  「へいらっしゃい!」
マシーン「魚屋かよ」

 店の名前は“アイーダの酒場”。そこで藍田くんと出会った。
 旅してたら金手に入れて、それをもとに酒場を作ってみたそうだ。
 ルイーダの店に対抗してみただけらしい。
 つーかツッコミマシーンとか……趣味か? まあCOSMOSネタだってのは解る。
 悪の華のマスターの真似だね。

QB『仲間とか集められるん?』
藍田「ああ。大抵のジョブは揃ってるぞ」
QB『ほえー……あ、傭兵の覧にラカンの名前が……』
悠介「……なんだってこんなところに居るんだ?」
藍田「傭兵だからだろ。ちなみにボス戦以外には興味ないらしいぞ。
   魔法使いにナギも居るけど、そっちもだ」
悠介「仲間の意味がねぇなおい」
藍田「ま、アレだ。ここに名前が出てるっつーことは、
   提督が辻褄合わせに成功したってこったろ。
   GS美神とかうる星やつらとかも終わったみたいだぞ。
   少し前に横島クンとあたるクンが美人のねーちゃんを仲間にしたいって言ってきた」

 すげぇ、流石だ。

QB『つーことはネギまの世界もか』
藍田「ああ。つーか提督と会ったか? 提督に会いたいってヤツが結構居てさ。
   情報があれば買うぞ」
悠介「提督の情報か? ……依頼主は?」
藍田「椎名京、ラウラ=ボーデヴィッヒ、四季映姫=ヤマザナドゥ、伊吹萃香だな」
悠介「……なんでまたその四人なんだ?」
藍田「それなんだけどな? なんでもその四人だけが、
   あんだけ長い旅の中で提督を忘れなかったやつららしくてさ」
QB『なんとまあ……や、ミヤっちは解るよ?
   事情は風間クンことキャップさんに聞いたし。あと三人は?
   鬼っこは萃めた本人だからだろうけど』
藍田「ラウラはほら、ヴォーダン・オージェだ」
悠介「ヴォーダン……?」
QB『あー……確かナノマシンを体に埋め込んで、ISとの適正率を上げるとか……』
悠介「……そうか! マシンか!」
藍田「そゆこと。提督の呪いは機械とか自然物にゃ効かないからな。
   そういう理由で、元地蔵だった閻魔さまも覚えてたらしいぞ?
   依頼しに来た時に軽い事情は聞いたけど、
   提督の時ほど白黒はっきりさせるのが辛い審判はなかったって言ってた」
QB『……そらそーだ。恩人に“黒”を言い渡さなきゃいかんかったんだもんな』

 それを思えば、中井出が死んだ時は相当に辛かったに違いねぇやね……。

藍田「あ、でも裁きを下す時は、
   仕事は仕事だからってスッパリ迷い無く黒を言い渡したらしいぞ」
QB『すげぇや! さっすが迷わない地獄の最高裁判長!』

 などと言いながら、何気なくアイーダの酒場の仲間名簿に目を通す。
 と、なにやら懐かしい名前が。

QB『あ、見てまどか! 傭兵の覧にオズマの名前があるよ! ナバールも!
   そして何故かモズマの名前も! ───モズマ!?』
悠介「傭兵じゃねぇだろあいつ!! あとまどか言うな!」
QB『きっとアイゴールにキャトルミューティレーションやって殺すんだぜ!?
   ……てゆゥかねぇ藍田くん? キミ僕のこと見て驚かないのかい?』
藍田「晦と一緒の珍生物ってだけで弦月だって解ったが」
QB『………』

 言い当てられたらもうなにも言い返せませんでした。
 だがアタイ負けない!

QB『僕と契約して……オリバになってよ!』
藍田「帰れ」
QB『アレェ即答!?』
悠介「アホゥなことやってないでいくぞ。今のところ、仲間は必要ない」
藍田「オススメはこの空き缶死神あたりなんだが」
悠介「俺は今っ! 猛烈にっ! 平穏な旅をしたいんだっ! 解るだろ!?」
藍田「お、おおおぅう……! わ、解った解った、どうどう……!」
QB『ちなみにこのモズマってほんとにOZNのモズマ?』
藍田「いや、スチームクリーナー」
QB『それモズマじゃねぇべよ!!』
藍田「バカヤロー! カプコンで洋館でゾンビっつったら掃除機とライターだろ!?」
QB『スウィートホームネタはいいっつの!
   今の若人だったら絶対にバイオハザードって言うんだから!
   あとスチームクリーナーは掃除機っつーかスチーム出すだけだろーが!』
藍田「無表情で怒るなよキモイな!」
QB『ツッコムところはそこじゃねぇぇえーーーーっ!!』

 あとカプコン関係ねぇ。

QB『なんつーかアタイがボケ通せるようなちょい生真面目な者、おらん?』
藍田「ちょい真面目、だな? 最近外に出たがるヤツが増えたからな、ちょっと待ってろ。
   えーと、あ、内線3番お願いします。…………あ、管理局さん?
   ちょっと人材探してほしいんだけど。おお、おお。性格はちょっと生真面目なヤツ。
   え? 居る? 今送るって……転送ポートもタダじゃなっ───ア、アー……」

 転送ポート、と呼ばれた場所がホワンと光る。
 レゾンデートルで見た転送装置に似たようなもんだね。
 そこが光って、少しののちに誰かの姿が───!

剣崎「……ダリナンダ……アンダイッダイ……!」
QB『チェンジ』
剣崎「ウェッ!?」
藍田「はいチェンジ」
剣崎「《ミヂュウウウウン……!》ウェエエーーーーーイィイ!!!」

 チェンジを通達すると藍田が装置をいじくり、剣崎さんを送り返した。

QB『中井出のヤツ、ほんにいろんな世界飛んだんだねぇ……』
藍田「いやはや、一緒に行きたかったってのが本音だな俺ゃあ。
   みんなで行けばぜってー面白かったぞ外史の旅」
QB『オウヨ。ところでまどかマギカの世界にも飛んだんだよね?
   この着ぐるみがあるってことは』
藍田「ああ。まどかの願いごとをいろいろと考えさせてから言わせてたみたいだな。
   お陰で魔物も魔女も居ない世界が構築されてた」
QB『それって?』
藍田「魔物も魔女も居ない。元凶は魔王で、魔王は忘れられて消えた。
   魔王に対抗するために世界は発展して、魔王が消えればそのまま。それだけだ。
   だからまどかも普通に居たし、ほむさんともフツーに友達やってたよ。
   QBは提督が道連れにした。多分その残骸だろ、その着ぐるみ」
QB『………』
悠介「今回の件……提督の3千万年の旅のお陰で、俺は自己犠牲が大嫌いになったぞ」
QB『アタイもやね』
藍田「たぶん全員がそうだぞ。そしてその全員がお前のことを気持ち悪いと認める」
QB『そ、それは失礼だよまどか!』
藍田「誰がまどかだ無表情てめぇ!!」
QB『無表情てめぇ!? なにその斬新な罵倒!』

 だが慌てるのはまだ早ェエエぜ? なにせQBことキュゥべぇは目を閉じてニッコリ笑うことが出来るんだ!
 着ぐるみだからできねーけどなー!!
 ……よし泣こう。

……。

 アイーダの酒場を出たアタイらは、またフィールドを歩いていた。
 するとどうでしょう、ペペラペーという効果音とともに、

  ピピンッ♪《ゼロの使い魔の世界が解放されました!》

 というメッセージが!

悠介「おっ……これで扉に弾かれる前までの三世界は取り戻せたか」
QB『オッケン! つーか速ぇええなオイ!』
悠介「お前はキモいな」
QB『関係ねぇでしょ!? ほっといてよ!』

 つーか……ありゃ?

QB『今のメッセージがさ、提督探索人のところにも届いたとしたら……』
悠介「……ゼロの使い魔の世界に殴りこみにかかるだろうな」
QB『フーム……出会ったマシンで意思あるヒューマノイドっぽいやつらが、
   全員で殴りこみとかかけねーかね』
悠介「いろいろな世界に行こうが、
   その機械が混ざったやつと提督が必ずしも仲が良かったとは限らないだろ」
QB『P3のアイギスあたりなら、提督も気に入りそうだけどね』
悠介「……提督なら、常識破ってモンスターとか魔物たちと仲良くしてそうだからな。
   必ずしも主人公側に居たとは限らないだろ」
QB『やべぇすげぇ説得力だ』

 なにせ中井出じゃもんねぇ。
 まあそれはそれとしてYO、これでゼロの使い魔の世界も追加されたわけだから、冒険の幅が広がりマッスル。

悠介「新しい地図を買ったから、ちと見てみよう」
QB『それはいい考えだよまどか!』
悠介「だからまどか言うのやめろというのに」

 悠介が地図を開くのを横で見守り、ソッと覗く。
 するとどうでしょう、……世界めっちゃ広ッッ!!
 まあそりゃあ3千万年も旅してりゃあこれくらい当然かもしれんけど、広ッッ!!
 こ、こりゃあ旅に飽きてる暇はなさそうじゃぜ……?

悠介「ゼロの使い魔の世界は……」
QB『ここじゃね。ハルケギニアって名前が浮かんでるし、間違いねー』

 ……とか言ってると、広大な草原をモノスゲー勢いで走ってゆく鬼の姿を見た。
 萃香じゃね。頑張るのぅあの鬼っ子も。

QB『さて、アタイらはどーする?』
悠介「このまま旅でいいだろ。
   別に強くなる必要はないし、楽しめるだけ楽しんだもん勝ちだろ、この世界」
QB『ありゃ? 魔王討伐は?』
悠介「正直どうでもいいかな。旅をして楽しめればそれでいいだろ。
   むしろ普通の日常を送りたいぞ、俺は」
QB『そんなあなたの傍にはいつものようにアタイが居るのですね?』
悠介「…………ほんと、腐れ縁だよなぁ」
QB『腐ってるのに解けない縁……なんてステキ。
   まあ、中井出もあっちはあっちで楽しんでるっしょ。
   多分今頃、取り巻きみたいになってるであろうナギっ子やシードバルカン、
   ドリアードやらを振り払って一人旅に出てる頃で───』

 ……さらに、とか言ってると、広大な草原をモノスゲー勢いで走ってゆく人の姿を見た。
 つーか中井出だった。

QB『って、おったーーーーっ!!』

 なにやらオウガストリートを走るスピードワゴンとその仲間たちみたいな勢いで走ってる! しかも仲間らしき者、てんで無し!

QB 『きさーーーん! 今まで何処でなにをやっておったーーーっ!!』
中井出「え? 誰ギャアーーーーッ!! おばけーーーーーーっ!!」
QB 『おばけ!? 再会開口一番がそれ!? ひどいよまどか!』
中井出「なんだ彰利か」
QB 『あれ? 納得された? だがそうアタイ《ムキーーン》』

 トミタケプリンセスを彷彿とさせるポージングを笑顔で。
 いや、あれはある意味トラウマゲームだけどさ。

悠介 「提督……こんなところで何やってるんだ?
    ゼロの使い魔の辻褄を解放してたんじゃないのか?」
中井出「そうそう、それしたから逃げてるの。
    なんかねー、みんな人のこと思い出すと決まってごめんごめん謝ってきてねー。
    そんなのほら、意思を吸収した時点で謝られたし笑って許したからいいじゃない。
    そういうのが面倒だったから逃げてきました」
QB 『ドリ姉さんとかは?』
中井出「……みんな……ッ……僕を逃がすために自ら犠牲に……ッッ!」
悠介 「生贄にしたのか。相変わらずだなぁあんたは」
中井出「わあ、自らって言ってるのに信じてくれない」
QB 『自らだったん?』
中井出「いや、足引っ掛けたりロケット(投擲)にしたりで逃げてきました」
QB 『清々しいほどに外道じゃねぇか』
中井出「まったくだ」

 じゃけんども中井出に言わせりゃあ、謝ってほしくて辻褄あわせしてるんじゃないから、せっかく解放したのに謝られるとテンションが下がるらしい。
 だから何もかもを捨てて逃げ出してみてるんだそうだ。

QB 『なるほどねェ〜〜〜ィェ。じゃからあの四人も貴様を探してるのか』
中井出「四人? 誰?」
悠介 「なんていったかな。あー……椎名京、ラウラ=ボーデヴィッヒ、
    四季映姫=ヤマザナドゥ、伊吹萃香だったか」
中井出「………」
QB 『んで、さっき伊吹サン家の鬼っこがそっち走ってったけど。会わんかった?』
中井出「……会ってないけど、会ったら会ったでひどい目見そう……。
    ぼ、僕ここ通らなかったからね!? チクったらひどいぞ!」
悠介 「無駄なんじゃないか? なんか提督の頭の上、妙に濃い霧が集まってきてるし」
中井出「えっ」

 中井出が自分の頭上を見上げるのと、その中空で霧が鬼っこになるのは、ほぼ同時であった。そのままでは自然と肩車のカタチになる───そう思った瞬間、なんと中井出は緊急回避でこれを避けてみせた。

萃香 「あっ、こらっ、なんで避けるのさ!」
中井出「うぐっげほっ……フフフ、いっつも気軽に肩車させると思ったら……げふっ!
    お、大間違い……! げっほごほがほっ!」
QB 『ねぇダーリン。こやつ、なして咳き込んどるの?』
悠介 「緊急回避した先に盛り上がった岩があって、そこにしこたま腹をぶつけてた」
QB 『ほんにいちいち格好つかんねキミ!』

 しまいには屈みこんで、しくしくと泣き始めてしまった我らが提督。
 そんな姿にやれやれって感じで苦笑しつつ、伊吹萃香は我らに向き直って軽く手を挙げた。

萃香 「や。こうして会うのは初めてになるかな? 意思としてなら会ってはいるけど」
悠介 「伊吹。せっかくの挨拶のところ悪いんだが、提督が逃げたぞ」
萃香 「えぇっ!? あっ、こら博光ーーーーーっ!!」
中井出「ゲハハハハ! ウェヒェハハハハハハ!!
    痛がってるからしばらくは大丈夫だろうなんて安心するからだ馬鹿め!
    この博光から目を離すとはつまり、隙を突いてくださいと言っているようなもの!
    俺ァ貴様に嘘はつかんが好き勝手は存分にする! ならば逃げましょう存分に!」
萃香 「逃げるにしたってもっと“間”ってものがあるだろーーーっ!!?」
中井出「間なんて気にして面白おかしく過ごせるものかーーーっ!!
    生憎だが俺はこれから大事な用があるのだよ!
    そう……キン肉マンの世界の辻褄合わせをするという大事な用がな!!」
QB 『なんと!? な、中井出! アタイも! アタイもつれてけーーーっ!!』
中井出「だ、誰だてめぇ! 気安く声をかけないでもらおうか!?」
QB 『てめぇそりゃさっき言ったっしょが! それよりアタイも連れてけ!
    肉世界っつーことはいずれは生倫敦の若大将が見れるんしょ!?
    蟹股フルチンでヒョオオ〜〜〜ッと叫ぶロビンを見るためにも、ここは是非!』
悠介 「ろくな理由じゃないなオイ……」

 言ってる間に中井出が逃走。それを追って鬼っこも走り去ってしまった。
 景色の果てまでさっさと走り去ってしもうたもんじゃから、アタイもなんつーか追うための勢いみたいなのを奪われたまま見送った。

QB『んー……んまあ、楽しそうでなによりさね』
悠介「そこは同意する。じゃ、俺達も行くか」
QB『どこへ?』
悠介「世界を楽しむために、片っ端から冒険だ。そして各世界で和食を極めたい」
QB『キミも十分おかしな性格してるって思ってるの、きっとアタイだけじゃねーよね』
悠介「……まあ、自分の性格を人の所為にしてどうなるわけでもないしなぁ。
   “これが俺だ”って認めれば、あとは楽しむだけだ」
QB『アタイはいつでも全力で楽しんでるZE!?』
悠介(……ものすごい説得力だ)

 “その格好を見れば、誰もが思うだろーよ”。
 そげな言葉が、彼の視線から飛んできているように感じるほどの呆れ顔でした。

QB『しかしキミね、こういう状況で“どこへ”とかそれっぽいこと訊かれたら、
   “おれたちのせかいへ!”って言わなきゃ』
悠介「なんの話だ」
QB『そりゃあキミクォックォックォッ、
   神をチェーンソーで斬殺出来るステキゲームに決まってるじゃない』
悠介「…………ゲームでもやってみるかなぁ」
QB『オッ? いいねぇ、キミにはそういうところが足りんとつくづく思ってたんヨ。
   OK! やるならまずはアレっきゃねーべヨ!』
悠介「アレ? あまりいい予感がしないんだが」
QB『え? デスクリムゾン』
悠介「…………死神が好きそうな名前だな」
QB『ブラッドリアの鎌の名前でもあるしね。
   まあアレYO、退屈すぎて続けるのが辛くなるゲーム』
悠介「それは“ゲーム”として機能してるのか?」
QB『…………ど、どうなんだろね?』
悠介「……他のにしような」
QB『せやね……』

 アタイらは歩きだす。
 とりあえず世界という世界を味わい尽くすために。
 腹が減ったらトリコの世界に行くのもいい。
 冒険したくなったらファンタジー世界に行くのもいい。
 独りで静かで豊かにモノを食いたくなったら、孤独のグルメの世界へ行こう。
 楽しみ方はいろいろじゃて、まだまだ呆れるくらいに楽しむとしませうか。
 指輪の外は幻想郷。
 意思だけになっちまったアタイらだけど、つまりは幻想の傍に居るってこと。
 何かが忘れられるたびに幻想郷に辿り着くなら、その度に世界も広がるでしょう。

QB『それじゃあ行こうかまどか。僕らの旅は───始まったばかりさ!』
悠介「ていうかな、この旅は何年かければ終わるんだよ。あとまどか言うな」
QB『それは愚問だよまどか。
   中井出が3千万年をかけて歩んできたなら、きっと同じだけの時間が必要なのさ』
悠介「………そうそう終わりそうにないな。まどか言うなって」
QB『そげな簡単に終わったらつまらないじゃないか。
   ということで僕と契約して───魔法少女になってよ!』
悠介「なるか!」

 そんなわけで、アタイらは日々を楽しみます。
 つまらんことからの楽しいを拾って、今まで出来なかったこともやってみて、笑って過ごしていきませう。
 まあ楽しいことばかりじゃないのは解りきってはおりますが、なにせあのお馬鹿さんが呆れるくらいの時間をかけて広げた世界だもの、楽しまなきゃ報われんでしょう? いろいろとさ。

QB『よーっしゃまずはメシ食いにトリコの世界いくべー! あ、やべっ、ま、まどか』
悠介「わざわざ声調戻してまでまどか言うな!」

 そげな世界での様々な出会いや発見を、大事にしていこうと思います。
 そしてどこかで意思から人になれる秘宝っぽいのを手に入れたら、いつしか外へクォックォックォッ……!!

QB『野心って大事だよね! まどか!』
悠介「なんでだろうな。その顔で言われるとやたらと腹が立つ」

 世界は広いざんす。そりゃあもう、呆れるくらいに広いざんす。
 しかしそげな世界でやりたいって思うことは、これが結構あるもので。
 知らない世界を堪能するのもいいし、知ってる世界でもその場に立つのと文字や絵として見るのとじゃあ大違いなわけで。

QB『空腹を満たしたら、まずはサガフロンティアの世界だよまどか。
   そこでブルーからリージョン移動を奪って、世界を楽しみやすくするんだ。
   大丈夫! キミなら出来る!』
悠介「どうしてそこでブートキャンプになるんだよ! つーか待て! 俺任せなのか!?」
QB『苦労……それはキミが背負うべきものなんだよまどか!《マゴシャア!》ベップ!』

 殴られました。
 人がせっかくいい感じで打ち切りエンドっぽくしようとしてたのに、なんということざましょう。

QB『あだだだだ……! い、いまのはまずかったよ、まどか……!』
悠介「くそっ……涼しい顔しやがって……」
QB『いやこれ着ぐるみの顔がこうなだけだからね!? 殴られてめっちゃ痛いですよ!?
   あのっ……ねぇ聞いてる!? なんでまた拳構えるの!?』
悠介「それはな、お前を殴るためだ」
QB『イヤァアア!? 赤ずきんちゃん的ループな予感!
   そこでこのCOOLなキュゥべぇは考える! こ《マゴシャア!》あぽろぉお!!』

 殴られました。
 いや……うん。言ってる暇があったら行動に移せだよね、うん。

QB『おのれ許さんぞ貴様ァアア! 言葉に対して暴力とは……許せる!!』
悠介「どっちだこの馬鹿!」
QB『そんなことより腹満たしに行こうぜまどか! オラ腹へったよ!
   ってはうあ! そうだよ! オラで思い出した! 漫画肉食いにいくべまどか!』
悠介「ええいもういろいろ混ざってて何処につっこめばいいのか……!!
   お前の言うそのキュウなんたらってのはそんなに口が悪いのか!?」
QB『え? なに言ってるんだよまどか、そんなわけないじゃないか』
悠介「……とりあえず殴らせてくれ」
QB『えぇっ!? そ、それはまずい《マゴシャア!》あぽろぉおお!!』

 殴られました。
 くっ……すげぇぜキュゥべぇ、会ってもいないのに順調に悠介に嫌われていってるぜ?
 さすがは影の最高暗躍者。着ぐるみ(ぬいぐるみ)になってなお、こげな怒りを(悠介に)進呈してくれるとは……! ていうかなんで脱げないんだろうねこれ。呪い?

QB『まあ、とりあえずメシだね』
悠介「それは賛成だ……つーかな、普通に動じないよな、お前は」
QB『オホホ、いまさらじゃない』

 そげな日々を送っております。
 今も、多分……これからずっと。




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