192/愛しさと切なさと心細さと

-_-/かずぴー

 刑罰・お尻ぺんぺんが、亞莎によって実行された。
 どうやら相当の“心配&怒り”を抱いたようで、jのお尻を叩くその顔からも心配の色が滲み出ている。むしろ叩く方が泣きそうっていうのだから、口出しをしようにも出来ない。

「はぁ……疲れた……」
「うむ。しかし、呂布と戦う……か。無茶をするな、北郷」
「あ……秋蘭か」

 体全体が痛くて立ち上がるのもキツイところに、秋蘭がいつものように腕を組む姿勢で話しかけてくる。
 その横にはさっきから事情の説明を促していた華琳が居て、その隣に春蘭。……春蘭は目を合わせようとはせず、赤い顔のままで視線をうろうろと彷徨わせている。間違い無く夜の行為が原因だろうけど、声をかけたら暴走しそうなので……落ち着くまでは触れないでおこう。

「いやさ、俺もべつに好きで全力で戦ったわけじゃなくてね……?」
「だから、さっきからその理由を訊いているんじゃない。なにがあったの? 言いなさい、一刀」
「なにが、っていうか……急に恋が戦ってほしいって切り出してきて、で……俺も強くなりたかったから、よしやろうってことになって……」
「それで?」
「俺は氣が無いとまともに戦えないから、氣の消費を少なくして立ち回るためにも、ずっと避けて、隙をついて、ってやってたんだけどさ」
「ふうん?」
「呂布の攻撃を避ける……なんでもないように言っているが、とんでもないことだぞ、北郷」
「イメージトレーニングの相手はなにも雪蓮だけじゃないから。恋はこう、戦い方が“本能的”っていうのかな。雪蓮に近いんだ。本能……野生? 小細工無しの武力とか野生の勘みたいなやつ」

 やっぱり全力でやっても勝てたためしはないけど、逆に未来を目指すために頑張れるってもんだ。ってくらい、頑張ったつもりだ。
 それになんだかんだで加減してくれるしね、恋は。

「今のところ、7回まで一気に氣を溜めることが出来るから、それでなんとか6回吹き飛ばして、3回はなんとか立ち回って怯ませて……そもそも一回で終わるかと思ったら十回で、俺のほうがなんでこうなるって感じだったよ」
「そう。で? 何かに気づいて美以の名前を叫んでいたようだったけれど。あれはなに?」
「え゙っ……や、イヤー……ソノ」
「あぁそう、また女絡みなの」
「決め付けヨクナイ!」
「あら。違うの?」
「…………」

 違いません。

「う、うー……と、……美以に……ね? 強い存在の条件ってなんだ〜って訊かれてね? で、俺が十回戦って十回勝てることじゃないかーって言ったから、恋はそれを聞いたんじゃないかなって」
「……はぁ。あなたね、ここまで騒ぎを大きくしておいてなに? 結局は自業自得?」
「こうなんじゃないかって話で誰が三国無双が挑んでくるって考えますかぁあっ!! 自業自得にしたって死ぬところだったよ! もうどれだけ涙で視界が滲んだか! 数えるのも怖いよ!」
「華琳さま……さすがに何気ない話題で呂布と十回も戦うとなると、自業自得の域を凌駕しているかと」

 体に力が入らず、崩れた胡坐状態の俺を見下ろして、華琳は溜め息。
 次いで、ちらりと暴れる恋を見やると、

「それで? 十回勝ったからあの娘はああなった?」
「じゃ……ないかと」

 やれやれ、といった感じで目を伏せて溜め息を吐いた。
 うう、毎度毎度騒ぎの中心でごめんなさい。でも毎度望んでるわけじゃないんです、信じてください。

「そう。さて、春蘭、秋蘭」
『はっ』
「最近、私に黙って会議を開いたそうね」
「……華琳さま、それは」
「い、いえっ! 華琳さまっ! あれは黙っていたわけではありませんっ! そ、そうっ、子を持たぬものの会議だったので華琳様は呼べなかっただけなのです!」
「……姉者ぁ……」
「ん、んん? なんだ秋蘭、何故そんな、頭が痛そうな顔をしているんだ?」

 秘密裏に行った会議。それを自ら明かすことを、たとえ華琳相手でも良しとしなかった秋蘭みたいだったけど、春蘭さんがさすがですってくらいにあっさりと暴露してしまった。

「───そう。その、悪いことを訊いたわね、秋蘭」
「いえ。そう言っていただけるだけで十分です」

 さすがの華琳も、少しばつが悪そうな顔をしている。
 そりゃね、そういえばと口に出した言葉のあとに、全てが解ってしまうことになるとは誰も夢にも思うまい。
 きっとソレをネタに少しつつければいいなくらいの悪戯心だっただろうに……。って、華琳さん、悪いの俺じゃない。睨まないで。

「なんにせよ、一刀」
「ハイ」

 体がぼろぼろなのに、キリっとした声調で言われるとつい正座をしてしまう。そして痛みのあまりに涙する。いやだこんなパブロフ。

「なっ……べ、べつに泣くようなことを言うつもりはないのだから、聞く前に泣くことないでしょう!?」
「叱るたびに正座させてた人の言う言葉!? 華琳だけってわけじゃないけど!」
「だから別に叱るわけじゃないわよ! ……一言言いたかっただけよ、そう、一言」
「………」

 ついつい、ホントデスカ? とばかりに窺うように見上げてしまう。
 と、涙目の男の上目遣いなぞ気持ち悪いのか、顔を赤くしてフイとそっぽを向いてしまう。そりゃそうだ気持ち悪いよ。

「一刀。次に恋に挑まれる……いいえ? 誰かに挑まれたりした際には、立会人を用意なさい。そうすれば、相手が興奮してあなたの制止を聞かなかったとしても、その立会人が止めてくれるでしょう?」
「ア」
「……なによ、その“そういえばそんな方法が”って顔は」
「イヤアノアノ……!」

 思いつかなかった、とは言えませぬ。
 いや、そりゃ俺だってそういうことを考えなかったわけじゃないよ?
 でもさ、目の前の相手との仕合が終わったあと、立会人だと思ってた人が急に“次は○○の番なのだー!”とか言い出す世界……! 気づけば、そんな人を立たせたら余計に自分が危なくなるだけだと、心でなく体が理解してしまっていた……!
 しかしそれも、ちゃんと相手を選べばなんとかなった筈なのだ。それをなんというか早くも諦めていたということもあって、なんというかゴメンナサイ。

「そっか、そうだよなー……なんか、立会人だった筈の人が“次は私の番だー”とか言って武器を取る光景が当たり前になりすぎてて、そういうのを頼むことが頭の中から消えてたよ……」
「……北郷。挑まれたら私に言え。立会人になろう」
「え? あ、ほんと!? ほんとにか!? あとで“次は私だ”とか言わない!?」
「うむ。言わない、言わないから泣くな……こちらの方が泣きたくなる」
「〜〜〜っ……あ、ありがとう! ありがとう秋蘭! ありがとう!」
「う、うむ……気にするな」

 喜びと安堵のあまり、秋蘭の手を取って感謝を続けた。
 そっか、秋蘭に頼めばよかったんだ! そうすれば一人が終わったあとに、その前に戦ったはずの人が“じゃあもう一度だ”なんて武器を手にすることもないんだ!
 や、やった! ハレルヤ! 俺、もうキャーとか叫ばなくていいんだ! おめでとうありがとう!

「………」
「……華琳さま」
「解っているわよ……さすがにこんな姿を見せられては、一刀ばかりに注意を続けるわけにはいかないもの」

 ? あ、あれ? 何故か華琳にぽむぽむと頭を撫でられたんだが。なに?
 あの……秋蘭さん? そのとてもやさしいのに微妙に哀れみを込めた目はなに? そして春蘭さん、一層に視線があちらこちらに散っておりますが、大丈夫?
 などと疑問が浮かんだのち、この場に居る全員へと華琳から言が放たれた。
 それはさっき俺が心配していた立会人のことが大半であり、言われた言葉に力自慢の皆様が気まずそうにソッと視線を逸らしたのがとても印象的だった。

「以上。何か言いたいことがある者が居るのなら、挙手ののちに発言せよ」
「あ、はい、華琳さまー」
「季衣? なにかしら」
「仕合じゃなくて、遊ぶのだったらいいんですか?」
「………」
「……華琳さま」
「解っているわよ秋蘭……はぁ。そうね、季衣。あくまで一刀の常識内での“遊び”だったらいいわよ。……一刀も、いいわね?」
「ああ、それはもちろん。全速力で走ってきて腹に頭突きをするだとか、競い合う二人に手を引っ張られた上で全速力で走られて地面を引きずり回されるだとか、鬼ごっこと称して仕事を抜け出したことで追ってきた美髪公から逃げるなんてことじゃなければ」
『………』

 ぽろりと出た本音に、集まった一同が深い深い溜め息を吐いた。
 ……俺、なんかまずいこと言った?

「……一刀。それは遊びなのかしら?」
「え? えー……と……本人は遊びだって言ってたから、そう……なんじゃないか?」
「誰か、などと訊いたところで、あなたは答えないでしょうね」
「ん、もちろん」
「そう。それじゃあ……季衣、鈴々、それから美以。前へ出なさい」
『はうっ!?《ぎくぅっ!!》』

 わあ、すごい。一発でお当てになられたよこの覇王さま。
 そしてそこから始まる説教劇場。
 ここで俺が“俺が言ってしまったばっかりに”なんて思って後悔するのは、いいことなのか悪いことなのか。
 そんな心配が顔に張り付いていたのか、秋蘭がフッと笑って言ってくれる。

「たまにはいい薬だろう。こういった時くらい心配を顔に浮かべるな、“一刀”」
「秋蘭……」

 一刀、と。そう言われただけで、普段の語調ではあったけど心配させてしまったんだなと受け取れた。……そりゃそうだ、さっきだって恋と戦ったことを心配してくれていたんだ、気づかないでのほほんとしているほうがおかしい。

「ほんと、ありがとう。いつまで経っても心配かけてばっかりでごめん」
「なに、それは構わんさ。あまり急激に変わられてもこちらが戸惑う。心配をかけすぎるのも問題だが、お前はそれくらいが丁度いい」
「……どうしていいか解らなくなる言葉だな」
「ふふっ……いや、すまんな。私も少々動揺しているらしい」

 ふっと笑って、さっきの華琳みたいにぽむぽむと頭を撫でてゆく。や、だからあの、なんなんでしょうか。もしかして今の俺、子供っぽく見えるとか?
 ……そういえば姿が変わらないから、みんなからしてみれば《ぐきっ!》いたっ!? あたたたた秋蘭さん!? なにやら急に撫でる手がアイアンクローにギャアーーーーッ!!

「うむ……いや、すまないな北郷。なにやら妙な視線を投げられた所為か、つい力が入ってしまった」

 女性って年齢的なものに敏感ですよね。いや、逆に男が口ほどに視線で語る生き物だからなのかも。女性って何処を見られてる〜とか敏感らしいし、女性は男がそうするよりも“相手の目”を見るらしいからね……。
 でもつい力が入ると、撫でという行為がアイアンクローに進化するなんて初めて知ったよ俺。
 珍しくも悪戯っぽい笑みを浮かべて、秋蘭が春蘭を促して歩いてゆく。
 ほう、と段落を得られたと思うや出てしまう息は、状況に対しての溜め息なのか、ただ単に安心から出た安堵の塊なのか。

「父さま大丈夫ですか!?」

 動けないし、いっそぱたりと倒れてしまおうかと思った矢先、将の間をくぐるようにして丕がやってくる。その後ろには延も述も柄も居る。

「あ、ああ。大丈───」
「みみみみぃいいっみみみ見張り台から落ちたって! その上あの呂奉先さまと十回戦って七回吹き飛ばされてうわーーーん!!」
「落ち着いて!? な!? 落ち着こうな丕!! なんかすごいごっちゃになってるから!」
「うんん? いや、違うぞ丕ぃ姉。私が聞いたのは、父がこう……奉先さまに吹き飛ばされて大回転しながら見張り台の屋根に落下して、落ちてくるところを子明母さまの暗器で絡め取られて振り回されて、芝生にどしゃあと捨てられたと」
「私が聞いたのは……父さまが新たなる技、竜巻風陣脚で回転しながら奉先様を幾度も吹き飛ばし、ついに解き放たれた校務仮面さまの奥義がご自分もろとも奉先さまを……! あの轟音はそれが原因ですよね?」
「あらあら登姉さまぁ? 延が聞いた限りでは、大回転して突撃したお父さんが奉先さまに打たれて、それを子明母さまが暗器で受け止めて、伝説の“ぴっちゃーがえし”なるものを見せて、また打たれたとか……。述ちゃんもそうですよねぇ……?」
「い、いえ……私が聞いたものは、父上が校務仮面さまとなって、高いところから跳躍しようとしたところを子明母さまの暗器で引き摺り下ろされて、脇腹から落下して物凄い音が───」
「やめて!? なんかもう俺がひどい目に遭ったってことしか合ってないからやめて!? ていうか脇腹から落下してドデカい衝突音とか怖いだろ!」
「いやいや違うぞ父よ、もうひとつ合っていることがある。訊いたわけではないが、きっとこれは総意だぞ」
「えっ? ……いや、どうせぬか喜びだろうし、ろくでもないことだろ。ほら、恋相手に十回も戦って、よく生きてたなーとか」
「な、何故解ったのだ!?《がーーーん!》」
「どうせなら無事でいてくれて嬉しいって方向での総意にしてほしかったよ!!」

 見れば全員同じような驚きの表情。
 ……まあ、うん。実際俺も、よくもまあ手加減されたとはいえ無事だったなとは思うよ。
 最後は全力だったかもだけど、それにしたって恋が自爆したみたいな結果だ。
 ちらりと見てみれば、恋は季衣や鈴々、美以に続いて華琳に怒られている。無茶をするなって感じの説教らしい。いやほんと、もう無茶は勘弁してほしい。
 でもこちらをちらちらと……見ずに、堂々と見てる。目を逸らさない。そんな瞳が段々と潤んでいって、やがて暴れ出して───って、ああ、またみんなが押さえつけに……あそこだけでも大忙しだ。

「はぁ……」

 ともかくこちらはこちらとして、びゃーと泣く丕を引き寄せて胡坐の上に座らせると、泣き止め〜とばかりに頭を撫でる。……おかしいなぁ、丕はもっと凛々しいと思ってたんだが。そりゃ、やろうとすることで悉くポカしたりとか、落としたものを咄嗟に拾おうとして机に頭ぶつけたりだとか…………あれ? あまり凛々しくない?
 おかしいなぁ、かつての嫌われていた頃を思い出してみても、ミニ華琳として考えてもなんらおかしくなかった筈なのに。
 や、そりゃね、急に父親が見張り台から落ちて……あれ? 考えてみれば順序がおかしすぎません? なんで見張り台から落ちたあとに恋と戦ってるんだ俺。しかも“俺が恋を”じゃなくて“恋が俺を”七回吹き飛ばしたことになってて……ああ、うん、泣くね。泣くね、これ。普通にやってたら死んでるよ。もしその当事者が俺じゃなくて丕だったら、俺も当然泣いてたよ。なるほど。

「ごめんなぁ、たくさん心配させた」
「い、いえ、いえっ……無事だったら……ぐすっ」
「はっはっは、丕ぃ姉は思っていたより泣き虫だなぁ。まあ、私は父がその程度で死ぬ筈がないと確信していたが。なぁ登姉ぇ」
「ええもちろんよ。校務仮面様たる父さまが、見張り台からの落下程度で死ぬわけがないわ。ねぇ? 述」
「はい、校務仮面さまたる父上がそんなまさか」
「あらぁ〜? その割には、登姉さんも述ちゃんも当事者がお父さんと知った時、泣きそうな顔に───」
『なってません!!』
「うふふ〜、お二人とも可愛いですねぇ〜」

 どちらにせよ心配してくれた子供たちに感謝を。
 ……で、だけど。

「えっと、悪い。子高、そろそろ亞莎を止めてやってくれないか? jが……」
「え? j? ───えぅっ!? jが大泣きしてる!? 何事ですか父さま!」
「落ち着くんだ登姉! ───ぬ、ぬうあれは……尾死裡貶変……!」」
「し、知っているの!? 柄!」
「う、うむ……私も父から聞いただけで、この目で見るとは思ってもみなかったが……!」
「……柄。その反応、無理にしなくてもいいと父上が仰っていたぞ」
「述姉! 今いいところだからそっとしておいてくれ!」

 いや、きみたちね。
 そういう問答はいいから助けてあげなさい。

「あ、いえ、父さま。あれはあれで、jにもいい薬みたいです。亞莎はさすがね……叩きながらも愛があります」
「あ、本当ですね。何気に鍛錬もするようにと言い聞かせようとしています。さすが登姉さま、ものの見方もお見事です」
「あら〜、またお尻叩かれちゃいましたね〜」
「……なぁ父。あそこで“鍛錬? 嫌です”と言えるjは、どれだけ根性があるんだ」
「いや……あれって根性って言えるのか?」

 というか本当に助けてあげてください。
 あれじゃあ椅子にも座れなくなってしまう。
 ……あ、明命が止めに入ってくれた。……ハテ、なにやら明命がこっちを指差して……亞莎が俺を見て、わあ、顔真っ赤。

「おお……すごいな父。眼光ひとつで子明母さまが真っ赤だ……!」
「亞莎のことだし、過剰に怒りすぎたところを見られて恥ずかしがっているだけじゃない?」
「むう。登姉はいいなぁ。私も早く皆に認められ、真名を許されたい」
「……べつに特別なことではないわ。特別なのは、王の子という肩書きだけだもの。真名を許された理由なんて、それ以外には存在しないわ」
「登姉さま……」
「……はぁ。ほら、子高」

 少し悲しそうに言う登の腕を掴み、驚く顔をそのままに引っ張って抱き寄せる。丁度、丕の隣に座らせるように。

「そういうことは気にしない。肩書きがどうのがあっても、認められない人は認められないんだから」
「《わしわし》うぅ……」

 わしわしと頭を撫でると、結果として俺の足に座るかたちになっていて、立とう立とうとしていた足から力が抜けて……とすんと体を預けてくる。
 ……ハテ、丕さんのほうもなにやら思い切り寄りかかってきた気が……気の所為?

「で……王の子、で思い出したんだけど。禅は?」
「禅? 禅ならほれ、あっちだ父」

 促された方を見てみる。
 ……季衣、鈴々、美以たちとともに、暴れる恋を押さえつけていた。というかしがみついていた。

「ところで奉先さまはどうして暴れているのだ? どうにも父を見ているように見えるのだが」
「あ、それは私も気になっていました。父上、結局のところここで一体なにが?」
「きっとあれですよぅ? 以前のようにお父さんに負けてしまった奉先さまが、目を輝かせてお父さんに抱きつこうとしたところ、誰かに邪魔されてしまったので……暴れるというよりはこちらに来ようとしているだけなのかもしれませんねぇ〜」
「……だけ、と言うのは少し力が篭りすぎている気がするのだけれど」

 と、これまでぐすぐすと鼻をすすっていた丕が、素直な意見をここに。そして俺も同じ意見です。
 でも実際顔を舐められたし……本当にただこっちに来たいだけなのか?

「はぁ。愛されているわね、一刀」
「へ? あ、華琳……いいのか? あれ」
「いいのよ。罰だもの」

 あれ、というのはもちろん恋を止めようとしている季衣と鈴々と美以だ。三国無双相手に素手で掴みかかり───わあい、振り回されてるー。って相変わらず滅茶苦茶です三国無双さん! やっぱり物凄く手加減してくれてたんですね!?

「今までは単に懐きの延長上のものだったのでしょうけれど……ふふっ、火のついた三国無双がどれほどなのか、見ものね」
「火のついた、って……今の恋?」
「他に誰が居るのよ」

 や、まあ、現在こちらに来ようとずりずり近づいてきておりますが。
 みんなに押さえられてるから来れないようだけど、それでもずりずり近づいてきてる。ハテ、そういえばどうして押さえてるんだろうか。べつにそんなに怖いものでも───

「おおお……冷静じゃないな、奉先さま。父よ、私たちも禅のように押さえるのを手伝うべきか?」
「禅だけでは心許な───あぁああ振り回されているわ! と、父さまっ! 私行きます! 曹丕姉さまも!」
「言われるまでもないわよ! 邵! 近くに居るわね!? 手伝いなさい!」
「は、はいぃっ! って、あうぁああーーーっ!? 前にして見ると余計に怖いですーーーっ!」
「うう〜ん、確かにそうですねぇ。なんだかこのままお父さんに抱きついて、興奮のあまり力加減を忘れて骨まで折りそうなほどの勢いを感じますねぇ〜……」

 みんな押さえてくれてありがとう本当にもうありがとう! それしか言う言葉が見つからない!
 でも確かにちょっと目が怖い! 普段は大人しい感じの目が物凄く鋭い! まるで同じ雌を取り合う雄の猛獣のような熱さと鋭さを───あれぇ!? 俺が雌なの!? 普通逆じゃない!?

「で? どうするのよ一刀。皆が止めに入っているけれど、止められるのはきっとあなただけよ?」
「それが解ってて向かわせるのって、普通に非道じゃないか……?」
「なんでもかんでも非道を引き合いに出されては何も出来ないじゃない。罰を与えることが非道に当たるなら、桃香を覇王として仰いでいなさい。……本当にそうしたら蹴るけれど(ぼそり)」

 蹴るらしい。
 けど、そっか。考えてみればあの暴走、天下一品武道会の時と似ている。
 じゃああれか、なにかパンク寸前の興奮を抜けるような何かを届けてあげられれば。

「えっと……恋〜! なにかひとつ言うこと聞くから、暴れるのやめなさ〜い!」
「《ビッタァ!》……ん、やめる」
『えぇええええっ!!?』

 走り出した娘達が心底驚いた。
 そして俺はといえば……何故か華琳さんに頬を抓られた。


───……。


 さて。
 そんなことがあってから時間は流れ、とっぷりと夜。
 恥ずかしいから一日置いてほしいという春蘭の言伝が秋蘭から届けられ、ほっとしたような、妙な気分を抱きつつ寝台に沈んだ。
 今日はなんだかいろいろあった。
 今頃朱里と雛里はみんなを集めて会議中だろう。
 その中には春蘭と秋蘭も居るのだろうか。言伝と参加とを考えれば、秋蘭も大分忙しい。
 なんにせよこれでSM的房中術の心配もなくなるわけだ。
 今さらそのこと以上に怖いことなど滅多にないだろう。

  ……なんて、思ってしまったのがまずかったのかもしれない。

 突如としてがちゃりと扉が開いて、布団に沈んだままに、閉じていた目を開いてちらりと見ると……そこに、何故か蝶々型のマスク……マスク? 眼鏡? のようなものをつけて、縄と蝋燭を持った……三国無双ォオオオオオッ!!?
 ギャアア魏武の大剣の上が来たァアアアアアッ!!!
 えあぁあああアバババババなになになにごと!? 何事かァアアアッ!!
 ズバァと思わず立ち上がり、寝台の上で身構えた。
 ……すると、三国無双はこてりと首を傾げて手に持った縄をくねくねと動かし、遊んでいた。

「………」
「………?《こてり?》」

 あの。もしかしてよく解らず、縄と蝋燭を持ってきた?
 テイウカアノー、今日会議ある筈だよね? 何故にここに?

「れ、恋……? 今日、会議が……」
「ん……必要ない。勉強した《じぱぁんっ!》」

 言いつつ、たるませていた縄を引っ張る恋。
 ……今、衝撃波出てませんでした? は、ははっ!? 気の所為だよね!?

「……恋。冷静に、行動に移る前に聞いてほしいことがある」
「大丈夫。ご主人様……、ん……天井? の……しみ? を、数えているだけで……いい」
「どこで習ったのそんなこと! むしろ艶本の作者なに考えてるの!? そして多分それ言うほうが逆!」
「? ご主人様が言う……? ………………じゃあ、これもご主人様が、使う……?」

 言って、縄と蝋燭をサムと差し出してくる恋さん。

「使いません! いいからちょっとこっち来なさい!」
「ん……《こくこく》」

 頷いて、近づいてくる恋。そんな彼女からとりあえず……これ、柄も持ってる華蝶仮面でいいんだよな? を、スッと取って寝台の上に置く。
 うん、やっぱり恋は春蘭よりもよっぽど聞き分けがいい。
 昨日の春蘭はそれはもう説得に時間がかかったもんなぁ。
 今の恋みたいに、寝台にきしりと上ってきて、ちょこんと座りつつも俺の両手を縄で縛ったりなんかオォオオーーーーーーッ!!?

「恋!? いいから! 縛らなくていいから!!」
「? 朱里と雛里が……こうするって……」
「それ間違った知識だから! 今日の会議で間違いだったことを説明する筈だったの!」
「…………残念」
「残念なの!?」

 一応解ってくれたみたいで、縄と蝋燭がポイスとそこらに捨てられる。
 それに安堵した俺は恋と向き合うかたちで寝台に胡坐をかくと───なぜか恋が俺に抱きついてきた。
 驚いてべりゃあと剥がすと、こてりと首を傾げたのちにまた抱き付く。剥がす。抱きつく。剥がす。抱き付く。剥が……っ……ハガァーーーーッ!!
 なんか剥がすたびに力が上がってらっしゃる! まずいこれまずい! あまり剥がしすぎると、それこそ俺の背骨が“バキボキグラビッ!”ってことに……!
 ……仕方ないので抱き締められるままになっていると、今度は犬のように顔を舐めてくる。あの……これも抵抗したら噛まれたりするんでしょうか。

「ん、んんっ。恋、どうかしたのか? 仕合が終わってからちょっと変だぞ?」

 赤くなっていく顔を自覚しつつ、咳払いをしてから訊いてみる。
 対する恋は特に気にしたふうでもなく俺に頬擦りをしてきて、時折かぷかぷと首を噛んでくる。……で、この行為で美以を思い出したわけでして。

「そのー……まさかとは思うけど。美以が言ってた強い男がどうのってことと……関係ある?」
「ん……《こくり》……美以が言ってた。強い女は、強い男の子供、産む……って」
「子供って……! いや、恋? そういうのは言われたから残すんじゃなくて……」
「言われたからじゃない。恋は、残したいから残す。ご主人様と恋の子供……きっと強い。強いから……」
「え……強いから?」

 内心は戸惑いのまま。
 けれどきちんと聞く耳は持っておくよう努め、恋の言葉の先を促す。
 恋がこれだけきっぱり言うんだ、半端な気持ちじゃないとは思うけど───

「恋より強くなってほしい。そうしたら戦う。全力で戦う」
「………」

 ───なんか“この人どこかから範馬の血でも受け継いだんじゃないか”って軽く考えてしまった。
 一瞬、もし子供が産まれて息子だったら、刃牙とか名前つけますかと訊ねそうになる。もちろんしない。

「恋……それでも、やめておいたほうが───」
「平気」
「や、けどな?」
「平気」
「う……あ、じゃあさ、ええっと、こんな話があるんだが───」

 話をする。とにかく、遠回しだろうが近回しだろうが恋が諦めそうな例え話を。子供が産まれたらこういうことが大変なんだぞー、とか、さりげなく。

「平気」
「───」

 しかし何も変わらなかった。

「恋、あのな?」
「……ひとつ、言うことを聞く。……ご主人様が言った」
「───」

 そしてまた俺は後悔するのでした。
 ああ、解ってる。願われることなど解ってるんだ。もうさすがに解らないとか言わないよ。悲しい方向に成長したもんだなぁ……俺。

「恋、待った。解ったから、願いごとで子供を作るとかやめてくれ。それは、子供が可哀相だ」
「ん……でも《なでなで》んゆ……」
「解ったから」

 なんでも言うことを聞く、という約束で子供を作るわけにはいかない。
 かといって説得でどうこうなるようにも見えない。だったらどうするか?

「……恋。後悔しない?」
「平気《こくり》」
「ほんとのほんとに?」
「平気《こくり》」
「子作りって、なにをするか知ってるよな?」
「セキトもやってた。大丈夫……解ってる」
「…………」

 思わぬところでセキトの情事を知ってしまった。
 顔が熱いのは気にしちゃいけないことだろう。

「じゃあその、重要なことを訊くな?」
「?」
「えぇっと……その。恋は、俺のこと……好きか? もし好きとかじゃなく、美以に言われた条件上の男だからって理由でなら、俺は───」
「……? よく解らない」
「あ、あー……そか。じゃあ、そうだな。ほら、さっき俺の顔舐めただろ? ああいうこと、兵にしたいとか───」
「!? ……嫌」
「え? あ……恋?」
「嫌」
「あ、や、嫌ならそれでい───」
「……《じいぃいいいい……!!》」
「うう……」

 警戒心が上がった。
 珍しくも怒った様子で俺を睨んでくる。

「じゃあ質問を変えるけど……俺だったら?」
「………」
「《きゅむ》わっと」

 抱き付かれた。その上で、俺の匂いを自分につけるようにより密着して、胸にこしこしと顔を擦り付けてくる。
 …………質問の答えは、こういうことらしい。
 好きとか嫌いとかは深く自覚はないまでも、自分との間に残したいものがある。そう言ってくれているようだった。

「───」

 苦笑、小さな溜め息。
 それをいっぺんにやった辺りで、こちらの覚悟も決まった。

(知られたら、ねねに蹴り回されそうだなぁ……はは)

 どつき回すのではなく蹴り回す。そんなことを想像するあたり、やっぱり苦笑は漏れたけど……それも恋に口を塞がれたあたりで止まった。
 塞がれたというよりは、顔の時と同じように舐められたというもの。
 けれどお返しとばかりに舐めて、塞いでと繰り返していくうちに高まり、やがて……体を傾け、交じり合っていった。


───……。


 そうして時は過ぎて……朝がくる。
 コトが済んだのちにドラム缶風呂でいろいろ流し、現在さっぱり状態の俺と恋。
 たった二人のために大きな風呂を用意するのもわけにもいかなかったので、ドラム缶。
 つくづく思うけど、これを製作してもらったのは本当に正解だった。
 元々は中華鍋を繋ぎ合わせたものだーなんて言って、果たして誰が信じてくれるのか。あの頃はまだまだ都も出来てなかったなぁ……懐かしい。
 しかし風呂でいろいろ流し終わって、部屋に戻ってからも……何故か恋はやたらと擦り寄ってきて、隙あらば顔を舐めてきたり頬擦りをしてくる。どうしたのかを訊ねてみれば、

「……匂い、消えてる」
「マーキング!?」

 詳しく訊いてみたところ、春蘭の香りが色濃く存在するのが嫌だったんだとか。
 十回戦って負けた⇒本当に強い男と認識⇒強い女は強い男と子供を作る⇒なのに相手からは春蘭の香り⇒恋の匂い、つける⇒みんな邪魔する⇒暴走。
 ……そういった経緯が、彼女の中にあったらしい。
 な、なるほどぉおお……そういうことなのね……。

「あ、っと。それで恋、恋は今日、仕事は?」
「ん……朝から、ねねと一緒に見回り」
「そっか。じゃあそろそろ朝餉食べないと」
「《こくこく》……いってくる」

 うっすらとやさしい笑みを浮かべ、歩いてゆく。
 部屋の扉を開けて外に出るまで、何度も何度もこちらを振り向いて。
 その度にいってらっしゃいと手を振るんだが、少しするとまた振り向いて……って、犬じゃないんだから早く行きなさい!

「ふぅ……」

 やがてパタムと閉ざされる扉に溜め息。
 懐いてくれるのは嬉しいけど、美羽の時みたいに依存っぽくなるのは危険だ。
 とはいえ……いたしてしまいました。いや、後悔はないし、きちんと全力で愛した。けど……ふと思う。あの三国無双との間に出来る子供。……やっぱり強いのかしら、とか。
 もし俺の想像を遥かに超えて、産まれた瞬間から授乳を強要するような地上最強の生物だったらどうしましょうとか。
 ……その時はその時か。
 とりあえず部屋の中の空気、なんとかしないと。

「ぃよいしょっ……っと」

 窓を開けて、扉を開ける。
 ……と、そこに立ってる三国無双。

「……食べてきなさい」
「……《こくこく》」

 今度こそ、とばかりに歩いてゆく恋。
 今度は振り向かずに歩き、やがて廊下の先で見えなくなった。

「うん」

 見送ってからは早い。
 いたしたあとの処理と言うべきか、とりあえず布団を干して、ついでに携帯電話も陽の下に置いてと。
 と、そんなところで来訪者。

「お手伝いさぁああ〜〜〜ん!!」
「《がばしーーーっ!》おぉうわっ!?」

 なにやら泣いたjが、俺の腰にタックルしてきた。
 お、おぉおお何事……!? いやいやj!? タックルはだね、腰から下に……でもなくて!

「ど、どうしたんだ? j。見張り台から落ちたことなら、もう散々亞莎に怒られたみたいだから、もう謝らなくても」
「い、家出をしてきたのです……! ここに居させてくださいぃい〜〜〜っ……!!」
「………」

 ……神様。家出だそうです。
 随分と近い家出であるな、と脳内神様が笑っておられた。

「j……? 俺を頼ってくれるのは嬉しいけど、家出はさすがに……」
「で、でもっ、あの偉大なる母が私を叩き、涙したのです……! わわわ私はもう、合わせる顔がぁああ……!!」
「や、一日一緒に居られたなら大丈───」
「一日一緒に居たから息が詰まるんだもん!!」
「おおっ!?」

 安心させるようにいろいろと言おうとしてみれば、子供らしい口調で怒られてしまった。
 妙に悟った雰囲気は持ち合わせていても、やっぱり子供のようだ。
 で、結局どうするかなんだが……

「……本気なのか? 心配させることになるぞ?」
「うふふふふその心配を武器に今度こそ鍛錬無しの日々をもぎとって《ごりごりごりごり》痛い痛い痛いですーーーーっ!!!」

 ああなんだ、その。この子無駄に逞しいです。
 顔は亞莎なのに中身がまるで雪蓮だ。

「うう……お手伝いさんは時々ひどいです……こういう時は何も言わずに匿ってくれるのが、男のやさしさだと黄蓋母さまが仰ってましたよ……?」
「とことんいろんな娘に困ったことを教える人だなぁもう……。ていうか、なんで黄蓋母さまだったり公覆母さまだったりするんだ?」
「あ、いえ、それは黄蓋母さまが───《スッ》真名以外なら好きに呼べぃ───と」
「や、妙に雰囲気出して祭さんの真似しなくていいから。むしろそれなら祭さんのところに転がりこんでもよかったんじゃないか?」
「え? いやですお酒臭いし」
「明命のところは?」
「お猫様談義が尽きることなく放たれるので」
「思春───述の部屋は……」
「鍛錬鍛錬と述姉さまがやかましいです」
「……蓮華のところは」
「同じです。武の才があるのにもったいない、と」
「……禅は?」
「あのぽやぽやした空気はとても素晴らしいです。が、同じようにまったりしていると雲長さまに捕まりますし」
「はぁ……丕のところは?」
「偉大なる父の話でいっぱいです。これは文句はありませんが、どうやら自分の知らない父のことを話されるのが嫌いらしく、いろいろと面倒なので」
「……まったりって意味で、穏と延のところは?」
「本を読んでいると羨ましそうな目でねっとりと見られて、正直身の危険を感じるので駄目です」
「………」
「………」
「他の将のところは」
「誰も彼もが鍛錬しろ鍛錬しろなので嫌です」
「………」

 候補が絞られた結果、ここだったようです。
 ようするに一番最後。
 いや、泣くことないんだよ? 俺。最後にちゃんと頼られたってことじゃないか。

「解った。じゃあ、勉強するか」
「《ぱああっ!》望むところですっ!」

 にっこり笑顔がそこにあった。
 あったけど、尻が痛いらしくて椅子は無理だと泣かれた。
 なので寝台に座った俺の胡坐にjを乗っけるカタチで…………さて、それでは思考の回転速度を上げましょうか。
 難しい問いから始めて簡単な問いに。理解しづらい覚え方から理解しやすい覚え方へ。
 応用を素っ飛ばして困惑から始めて、応用こそを受け取りやすいものとして受け入れさせる。

「いいかいj。覚え方にもいろいろある。これを見たらこう考えろって頭に叩き込むのもそうだし、この陣形を見れば崩し方はこうだって記憶しておくのもいい」
「はい」
「ただし、それをそのまま応用に回さずに固定するのは危険だしもったいない。いいかい? 固定した考え方は自分の進む道を閉ざすものだって覚えなさい。これはこうだから、それは有り得ない、じゃなくてな? これはこうだけど、こういう考え方もあるって覚え方をしよう」
「可能性は捨てずに持て、ですね。偉大なる父の書物に書いてありました」
「うぐっ……み、見たのか?」
「はい。曹丕姉さまが“jは頭が硬いから”と、見せてくれたものがありました。……とても興味深いものでした」
「そ、そっか? はは、そかそか」

 深く、しみじみと言われてはさすがに照れてしまう。
 しかしjに「何故お手伝いさんが照れるのですか?」と言われれば、泣きたくもなりましょう。

「ああ、解りました。お手伝いさんも偉大なる父が褒められて嬉しいのですね。解ります、すごく解りますよ」
「───」

 そして違うとも言えない俺。
 照れと悲しさと微妙な感情とが混ざり合い、なんとも奇妙な表情で停止してしまう。その間にもjは話を続けて……俺はといえば、きちんと返せる言葉には返して、投げかけられる言葉はきちんと拾ってゆく。
 こういうタイプは……うん、きちんと言葉を拾ってあげることが重要だ。それはシャオの時でも美羽の時でも、感じたことは変わってない。
 なので根気良く。
 向かっている方向への後押しをするようにして、ただしたまには体を動かさないとといった感じでクッションを差し込む。ようするに、俺も一緒にやるから運動をしよう、みたいな感じ。

(……はぁ)

 それにしても、いつになったらこの娘は俺のことを父として認識してくれるのか。
 怒鳴るように言い聞かせたってその後が気まずいし、かといって優しく語り掛けたって“いくらお手伝いさんとはいえ偉大なる父の名を騙るなんて……!”とか言われそう。……うわー、すごい言われそう。ほんと言われそう。
 なので首を捻る。どうしたものかと。

「お手伝いさんは偉大なる父の生前を知っているのですよね? 教えてください。曹丕姉さまに自慢してやるのです」
「お前は結構腹黒いのな……」
「腹黒い? いいえ、私は素直ですよ。表で黒いのですから。鍛錬しろとばかり言う様々な人に、そうして少しずつ鍛錬をしろと言うたびに、聞きたくないことを言われるのだと教え込ませるんです」
「やめましょうね?」

 言いつつ、胡坐の上で“フスー!”と得意げにガッツポーズを取るjの頭を撫でる。宥めるって意味も込めて。
 すると俺を見上げ、拍子にキョンシー帽がずるりと落ちるのもお構い無しに、jが言う。

「お手伝いさんはやっぱり不思議な人ですね。いえいえ、いい人という意味で。普通こんな態度の子供と居たら、嫌気が走ると思いますが」
「え? なんで?」
「え……だって、かわいげなんてないじゃないですか。私だったら嫌です。ごめんです。こんな子供はほうっておいて、自分の時間のために動きますね」

 自分でそこまで言いますか。
 でもなぁ、俺にそんなこと言われたってな。
 それこそ“なんで?”だ。
 こんな態度? どんな態度?(*様々な将に散々と振り回されたため、嫌気の基準がおかしい)

「別に困ったやつだとも思わないし、いいんじゃないか? それがjらしい生き方なら。俺はお前がそれでいいって胸を張れてるなら、なんの文句もないし……」
「《さらり……》あ……」
「ちゃんと、誇っていいことだと思うぞ?」

 やさしく撫でる。
 俺の胸に頭のてっぺんを当てるようにして俺を見上げるjの、そのおでこを。
 頭を撫でようにもこの体勢だと難しい。

「……誇ってくれるんですか? こんな私を。鍛錬もサボるし、サボって食べる胡麻団子が好きな私ですよ?」
「鍛錬はサボっても、仕事や勉強はちゃんとやってるんだろ? 伸ばしたいことを率先してやるのは努力であって、別に批難されるようなことじゃないさ。亞莎だって元は武官で、そこから文官に移ったって聞くし。あ、でもな、ここで亞莎を喩えに出したからって、jにそうなれって言ってるわけじゃないぞ? jはjがやりたいことをやりなさい。そのことで周りがどれだけ怒ろうとも、呆れて離れていこうとも、俺はjの傍に居てずうっと応援しているから」

 相手は俺をお手伝いさんと呼ぶ。
 だったら、もうそれでいいんじゃないかなって思う。
 少なくとも偉大なる父って言ってくれているんだし、親であることは俺が自覚していればそれでいいんだから。
 だったらせめて……そう、せめて、お手伝いさんとして見守ってあげよう。
 押し付けるだけ押し付けて、さあ頑張れって言うんじゃなくて。周りが敵だらけになったとしても、一緒に居て笑っていられる用務員さん的な気さくさで。
 ありったけの親心を込めて、そんな思いをぶつけた。
 するとどうだろう。
 表情をなくしたような顔で黙ったjが、額を撫でていた俺の手をきゅっと握る。俺の顔を見ながらだから上手く握れなくて、人差し指と中指を握るようなもの。
 なんとなく指でも折られるのではと怖くなったものの、そうなりそうなら全力で抵抗しよう───なんて思っていたのだが。

「………〜〜〜〜……!」

 何故か娘は眩しそうに目を細め、足から降りて駆けてゆく。
 そのままの勢いで扉を開けると、そのまま走り去───らずに、わざわざ扉を閉めようとしてくれたのか、向き直ってくれて……

「わ、私はっ!」

 叫んだ。そんなに叫ばなくても聞こえるって距離なのに、それはもう大声で。

「へ? あ、ああ、うん……?」

 思わず気の抜けた返事をしてしまったが、どうか許してほしい。

「私はっ、これからお手伝いさんが誇れるような立派な人間になります! 勉強をいっぱいして、た、たたた鍛錬も面倒ですけどきちんとやって! そしたら、誇ってくれますか!? いっぱいいっぱい誇ってくれますか!?」

 言われて嬉しくない言葉なわけがない。
 むしろくすぐったくなって、笑顔をこぼしながら、はっきりと言って返した。

「───ああ。もちろん」

 頷くとともに胸にノックを。
 そうするとjは歳相応の無邪気な笑顔を見せて、パタパタと走っていった。…………扉はそのままで。
 ……あれっ? 閉めてってくれるんじゃなかったの?

「……えーと」

 やっぱりお手伝いさんのままだけど……いいのかな? うん。いいよな。
 いつか大人になったあたりか、その前に気づいてくれるだろう。
 だから今は、お手伝いさんしかしてやれないことをたくさんしてやろう。陰ながら支えてやるのもいいし、辛くなったら慰めてやるのもいい。
 そうして彼女の心が満たされるまで支えてやって───


───……。


……。

 ───で……数分後。

「偉大なる母様……私は、jは……ようやく母が言っていたことが解りました。きらきら輝く人……私もそんな人を見つけることが出来ました!」
「ふえっ!? ふえぇええっ!? え、えええっ!? きらきらっ……!? そ、j? それはどんな……?」
「はいっ、お手伝いさんですっ」
「───《ぴきっ───》」

 叱ったために家出をした娘が急に帰ってきて、爆弾発言をするという恐ろしい出来事があったそうで。

「母様……私は、大きくなったらお手伝いさんと婚儀をしたく思います!!」
「───ふぅうえぇえええええっ!!?」

 その言葉に亞莎が絶叫。
 何事かと集まる呉将の前で、jは言ったそうな。
 強くなりたいので武を教えてほしいと。
 賢くなりたいので一層の知を与えてほしいと。
 突然どうしたのだと訊いてみれば、ほぼが半眼、じとーっとした目つきだった少女が信じられないくらいに可愛い笑顔で笑い、

「そんな自分を誇ってもらいたい、眩しい人に出会えました! その人の伴侶となれるよう、自分を磨きたいのです!」

 それはそれは立派な理由だった。
 そう言われては是非もないと、武官文官は腕まくりまでして彼女を応援しようとしたのだが。

「かっかっか、そうかそうか。応、どんと任せておけぃ。───時に呂jよ。その相手とは誰じゃ?」
「お手伝いさんです!」
『───《びしり》』

 からかうように問うた祭さんと、その場にいた呉のみなさんがその後、俺の部屋に突撃してくるまで……そう時間は要りませんでした。

『一刀あなた自分の娘相手になに考えていつかやると思っておったがよもや本当にやるとは思わなんだわこの馬鹿者貴様よもや述に対しても同じようなことを考えて旦那さまいくら女性への手が早くても自分の娘にそれは最近延も旦那さまを見る目がおかしいなぁとか思っていましたけどまさか本当にそうだったなんてぇ〜だだっ、だだ旦那さまっ……そんな、旦那さまがjに……! すすすすいませっ……私に魅力がなかったから……!』
「いきなりなに!? ていうか一人ずつ喋って!? むしろ何があったのか説明してくれぇええっ!!!」

 ええもちろん、突撃してきた母親全員にいっぺんに喋られても解るわけもなく。
 それからじっくりと説明された俺は、まあなんといいますか。
 ずっと一緒に居て見守るって言ってしまった手前、激しく否定することも出来ず、そこらへんはきちんと段階を置きながらしっかり説明したんだが……うん、なんだろ。
 むしろこんなことになって、“やっぱり”とか思われていたあたり、なんだか悲しくなって笑顔のままに泣きました。

「お、おおっ……なにも泣くことはないじゃろう……」
「娘相手に“いつかやる”とか思われてた俺の身にもなってよちくしょう!!」
「しかし貴様のことだ、どうせ嬉しかったのだろう?」
「あ、そうですよ旦那さまっ、話の途中で顔が緩んでましたっ」
「ウ」

 どうせなら違う方向で、大きくなったらお父さんのお嫁さんになるー、と聞きたかった。ハイ、本心です。

「一刀、あなたまさか本気で……《めらり》」
「いやいやいやいや蓮華さん!? ちょっと待った! 娘に“大きくなったらお父さんのお嫁さんになる”って言われるのは、娘を溺愛する父親が持つ夢みたいなものでしてね!? 天では結局そう言われようが娘は他の男を好きになって嫁いでいくんだから、むしろもうのちのピエロのようなものでしてね!? 決して怒られるような感情じゃないんだって! むしろ後のこと考えれば悲しいくらいの僅かな喜びなんだよぅ!」
「あらら〜、必死ですねぇ〜」
「必死にもなるよ!?」
「しかしそうか。ふむぅ……まあ、たとえお主が娘に手を出したところで、娘が歳相応になってもお主のことを好いておればそれはそれで面白───構わんとは思うが」
「祭さん、今面白そうって言おうとしなかった?」
「かっかっか、知らんのぉ」

 楽しんでらっしゃる。さっきはあんな形相だったのに。
 「とにかく」、と一息置いて、子供たちは確かに大事だけど、手を出すつもりなんて本当にないことを告げる。
 大体、確かに嬉しかったことは事実だけど、天ではそういうのは恐ろしい重罪だとも。「というかいくら我が子が可愛くても、そういう感情は沸かないから」とキッパリ。

「あと亞莎に魅力がないなんてことないから、卑下しないの。いい?」
「はうっ……!? は、はいぃっ……あ、ああありがとうございまっ……!」

 ……いつものことながら、やっぱり言葉は最後まで聞こえないなぁ……。
 消え入るような声っていう言葉があるけど、亞莎の場合は語尾が本当に消えてしまうから困る。ここ8年でもそれは直らなかったので、もう仕方ないのかもしれない。
 喋ってる本人、真っ赤だし。

「それで一刀? もう起きて平気なの? 布団を干しているようだけど、昨日の今日で動き回るのは感心しないわ」
「ああ、大丈夫大丈夫。そりゃあ痛むけど、体というよりは氣脈に無茶させた感じだからさ。体を筋肉で動かす分にはそこまで負担はかからないって」
「……そう」
「だ、旦那さまっ……この度はjがご迷惑をおかけして、も、もうしわけっ……!」
「あーーーしぇっ! そんな他人みたいなこと言わないっ! jは俺の娘でもあるんだから、そういう言い方はちょっと……かなり……いや、物凄く悲しい!」
「ふええっ!?《ボッ!》」
「ふふふっ、亞莎はいつまで経っても照れ屋さんですねっ」
「んふふ〜、いい加減慣れればいいのにぃ、亞莎ちゃんは恥ずかしがり屋さんですねぇ〜♪」
「だ、だ、だって旦那様がっ……一刀様がっ、他人、他人みたいなこと言わない、って……!」
「ふむ? おお、確かにその言い方は、まるで夫婦みたいじゃのう」
「ふうっ───!?《キュボッ!》」
「わわっ、また赤くなりましたっ!」
「あらあら〜、亞莎ちゃん、愛されてますね〜」
「ひ、ひやああ〜〜……! や、やめてくださっ……いぃい……!!」

 ますます赤くなる亞莎を囲み、わいわいと騒ぐ明命と穏と祭さん。そんな様子に溜め息を吐くのは蓮華で、その傍でこちらを見ているのは思春。
 呉のみんなは家族のこととなると一斉に来るから、結構心臓に悪いです、はい。
 でも、その“内側を大事にする構え”は好きなんだよなぁ、一生懸命で。

「で、肝心のjは?」
「言いつけた鍛錬をしている。本を読んでばかりだったから、まずは基礎だな」
「……手加減してやってね、思春」
「基礎程度で折れるのならその程度の話だろう」
「安心していいわよ、一刀。こうは言うけど、思春ったら述にくれぐれも怪我をしないようにとjを見張らせて───」
「れ、蓮華さまっ!」
「……思春。述にもちゃんと教えてやってね。じゃないと拗ねるぞ」
「言われるまでもないっ」

 言われるまでもないらしい。さすがおかーさん。
 思わずくっくっと笑っていると、ギロリと睨まれたので「ワラッテナイヨ!?」と返しておく。

「ふふふっ……けれど、今日は本当にいい天気ね。こんな日に窓も扉も開けているのは、確かに心地良いわ」
「エ? ア、ウン、ソウダヨネ」
「…………」
「なんで睨むのかな、思春さん」

 理由はなんとなく解りそうな気もするけど。

「さて。それでは儂は戻るとしよう。柄に剣術を教える約束をしておるのでな」
「あ、はい。私も邵により一層の気配の消し方を乞われているので」
「あらあら〜そうなんですかぁ。穏は延に、殿方の支え方を教えてほしいと乞われているんですけど〜……あのぅ、旦那さまぁ? ほんとーに、ほんっとーに、そういうことはしませんよねぇ?」
「しませんよ!? なんでそこで念を押して訊くの!?」
「いえいえぇ〜、深い意味なんてありませんよぅ〜?」
「………」

 嘘だ、絶対嘘だ。
 そうは思っても、深く訊けばなんか自分が危うそうなのでやめておきました。

「あ……で、では私も行きます……夢中だったとはいえ、jにはきつく躾をしすぎてしまいましたから……」
「いや、うん。さすがに我を忘れるほどの尻叩きはもう勘弁してやってね……」
「はぅっ……は、はいぃ……!」
「まあ……のう」
「はぃ〜……暗器で縛った子供を引き寄せて振り回せるほどの腕力で、あれだけのおしりぺんぺんは、穏でも怖いですよぅ……」
「こ、怖かったんですかっ!?《がーーーん!》ご、ごごごごめんなさっ……こ、こんな私では、一刀様の伴侶失格で……!」
「こらこら亞莎、卑下禁止だってば」
「そうよ、亞莎。あと誰が伴侶なの」
「え? ツッコむところそこなの?」

 蓮華さんに思わずツッコむが、なんかもう伴侶って言葉で皆様が超反応を見せて、ガヤガーヤと騒ぎ出した。
 そしてこの北郷は早くも悟るのです。
 もう……なにを言っても無駄なのに、きっと肝心なところの決定は俺にさせるんだろうなーと。

「一刀っ! 結局あなたは誰をっ!!」
「やっぱ来たぁあーーーーーっ!!」

 慣れたものだけど、状況には慣れようと答えを見つけることにはいつまで経っても慣れません。
 今日も都はとても平和です。
 そんな言葉に“極一部を除いて”という言葉を足したい俺は、誤魔化すように言った一言を糧にまた騒ぎ出す母たちをよそに、そっと窓から脱出を《がしぃっ!》捕まりました。

「何処へ行く」
「───俺より強い奴に会いに行く……!」

 思春さんの質問に、風に髪を撫でられながら思いついた言葉を適当に言ってみた。
 ……昨日の今日で何事かと、全員から説教くらいました。




ネタ曝しです。 *愛しさと切なさと心細さと  恋しさとせつなさと心強さと。  ストリートファイター思い出す。  4コマ漫画でリュウとダルシムが“貧しさとひもじさと心細さと”と言っていた。  当時は随分と笑ったなぁ……。 *おめでとうありがとう  シンジ君のように拍手はされない。  竹槍を持って戦場を走る必要もない。  竹槍云々は吉田創さんのトゥハートアンソロネタ。 *竜巻風陣脚  スプリガンより、ボー・ブランシェが日本の格闘ゲームをもとに編み出した技。  他にも分身烈風拳というものがあるが、直後に必ずと言っていいほど刺されている。  スプリガンで一番好きなキャラです。 *それしか言う言葉が見つからない  ありがとうジャイロ  本当に………本当に……「ありがとう」……  それしか言う言葉が見つからない……  スティールボールランより、ジョニィの感謝。 *何事かぁああっ!!  コードギアス・反逆のルルーシュより。  利用されて潜水艦ごと爆破された……誰だったっけ。  もはや覚えておりませぬ。 *天井のしみを数えて───  コトを為す男性が女性に言う言葉。だと思う。  例1  「天井にあるシミを数えているうちに終わるよ!」  「大変、しみが無いわ」  「ゲェエーーーッ!!」  例2  「天井にあるシミを数えているうちに終わるよ!」  「うち、しみ少ないんだけど……早漏?」  「チクショウメェエエエエッ!!」  例3  「天井にあるシミを数えているうちに終わるよ!」  「じゃあ外でしたらどうなるの?」  「エッ……ほ、星の数を数えてるうちに───」  「外、曇りだけど」  「神様ァアアーーーッ!!」  例4  「天井にあるシミを数えているうちに終わるよ!」  「数えたことあるからもう解るわ。はい終わり」  「ひどい! なんてひどい!」  例5  「天井にあるシミを数えているうちに終わるよ!」  「行為に集中せずにしみ数えられて嬉しい?」  「……正直カンベンしてください……」  *ハガァーーーーッ!!  ファイナルファイト4コマより、マイク・マッチョ・ハガー。  ハエだ! ハガー!  *バキボキグラビッ……!  キン肉マン二世より、時間超人の仲間入りをしようとした超人がサンダーにサバオリで背骨を折られた時の音。  「《バキボキ》グラビッ……!」  死ぬにしてもグラビッ……って……さすがキン肉マン。  *範馬の血  結局語られることのなかった範馬のルーツ。  範馬だから強い。それでいいのでしょう。  強いから自分の血を信じて、子供と全力で戦う。そんな人生。  *産まれた瞬間から授乳を強要するような地上最強の生物  同じくバキシリーズ。  地上最強の生物、で解りそうなものですよね……。  *タックルは腰から下  湘南純愛組やGTOなどより。  内山田先生、いいキャラしてたなぁ。  *俺より強い奴に会いにいく……!  ストリートファイターシリーズではリュウが好きです。  VSシリーズだと滅茶苦茶若いですよね。  真空波動拳もビームチックでステキです。  138、139をお送りします、凍傷です。  今回、キャラが多く出ても捌けるように……と挑むつもりでやって見たものの、少々説明的な文になってしまった部分もあるかも……と自信はありません。  楽しんでいただければとは思いますが、うぬぬ、文とは難しいものですな。  さて、今回の内容。  自分の意見を押し付けて、お前の意見は聞いてないと言う人、居ますよね。  言われる方ってかなりダメージデカいです。  それを子供の頃からされる怖さ……そんな感じの、自分の意見はどうせ通らない⇒期待なんてされてない⇒褒められるのは目だけなんだ⇒頑張って勉強しても、誰も褒めてくれない⇒そっか、私って目だけなんだ。だったらもういいや。鍛錬なんて嫌い  そんな幼子の悲しみ。  褒めるところは褒めましょう。見て、きちんと褒めてあげれば喜びもしましょう。子供は親を見ているものです。そう、女性が男の視線に敏感なように。  そんなお話。  さて、ところ変わって近況報告。  PCがボチューンと停止しました。  二度三度電源つけて、今は一応稼動はしていますが……PCの会社名が出てまったく動かなかった二度三度は、オウマイガァ!(おかしすぎるわよ!)の連続でした。  バックアップ作業は終了、いつでも壊れろォとは言いませんが、それでも長きを生きた我が相棒。出来ればそのまま堪えてほしいものです。  そんなわけで、いつかボチュリといった際には次を買うまで作業が出来ません。  ここに大急ぎで書いた二話を置いていきますが、以降が中々UPされない時は察してやってください。  Q:段々とおまけのお話に近づいていってますね  A:せっかく書いたので、未来的にはあんな感じでいきます  では、また次回で。 Next Top Back