194/ただ、いつかで待つ悲しさ。

-_-/劉禅

 静かな時間が続いている。
 暑さの中に段々と涼しさが混ざり始めた日々の中、ととさまの部屋にて。
 時は朝。外は生憎の雨で、今日は外での鍛錬は出来ず。また───仕事の方も大体が中止になって、各自自室で待機というかたちに落ち着いた。

「はふ」

 走らせていたチョークを止めて、カツカツと黒板に書いていた文字を消す。うん、意味はない。
 ちらりと視線を寝台に移せば、子明母さまに耳かきをしてもらっているととさま。どうしてこんなことになっているんだろう……なんて別に考えない。ただ単に、ととさまの耳の中に虫が入ったのが原因だったから。
 虫は簡単に取れたんだけど、せっかくだからと耳かきを探したととさまを子明母さまが発見。耳かきでしたらありますという話になって……えと。そういえばどうしてわざわざ子明母さまがやることになったんだろう。不思議。

(……あとで禅もやってもらうつもりだけど)

 既に話は通ってる。ぬかりはないのです。じゃなくて。

「………」

 雨の音が聞こえる。
 雨でも降らなければいっつも騒がしいこの都で、この静けさは本当に貴重だと思う。ととさまの傍であれば、それは余計に。
 そんな静けさの中、誰にも邪魔されずに耳かきが出来る……すごい珍しいことだよね。ほら、扉を見ていると、今にも誰かがどっかーんって入ってきそうだもん。

「ねぇ子明母さま?」
「え? は、はい? なんでしょう公嗣さま」
「“さま”はいらないってばぁ……えっとね、ととさまの顔って、輝いてるってほんと?」
「《ぽむっ》」

 聞いた途端に真っ赤だった。
 慌てて俯く視線の先には、膝枕状態のととさまの横顔。どうやら心地良くて眠ってしまったみたいで、穏やかな寝顔がそこにあった。

「ひやうっ……!」

 余計に赤くなる子明母さまだったけど、それでも……すーはーと深呼吸をして、じっくりとととさまの顔を見下ろして……とてもやさしい顔になると、ととさまの髪をさらりと撫でて言った。「はい……輝いていますよ。とっても……」と。
 そこにはj姉さんのような慌てた様子はなくて、ただ、えっと……なんていうんだろう。いとしさ? いとおしさ? よく解らないけど、まだ私が知らないようなとっても暖かい感情があるように見えた。

「ねぇねぇ子明母さま。男の人の耳かきをするのって、どんな感じ? やっぱり他の人と変わらないのかなぁ」
「え……───あ、ふふっ……」
「? どうして笑うの?」

 私の問いに、一度きょとんとした顔を持ち上げる。
 けどすぐにくすりと笑って……その顔が本当に幸せそうだったから、どうして笑うの、なんて疑問も消えてしまった。幸せだから笑うんだ。きっとそういうものなんだろう。

「私も……私も、ですね? 小さい頃、母が父の耳のお手入れをしているのを見て、いいなって思っていたんです。いつか、自分にも好きな人が出来たら……って」

 幸せな笑顔がととさまを見下ろす。
 ととさまを撫でる手付きはやさしくて。
 まるで幼い頃の夢を叶えた人が、思い出の宝物に触れるくらいに穏やかで。

「………」

 静かな時間が過ぎてゆく。
 さらさらとととさまの髪に触れていた長い袖が、そのままのやさしさで耳かきを動かす。
 目を閉じれば雨の音。
 私にもいつか、こんなことをしてあげたいと思う人が出来るのかな。
 まだ全然解らない感情だけど、あんな笑顔が出来るのなら、それはとても……幸せなことなんだろう。

「ん、ん……」
「……大丈夫ですよ、旦那様。まだ眠っていてください」
「亞莎……うん……」

 寝返りをうとうとして、体勢がそれをさせなかったために起きたととさま。
 そんなととさまをそっと手伝って、反対の向きにさせた子明母さまは、穏やかな顔のままにととさまの頭を撫でた。
 すぅ、って。
 息を整えるような音がして、ととさまは安心した子供のように眠った。
 子供のように、っていうか本当に子供みたいだなって思ったけど……

(あ……)

 そうだ。
 この都で、ととさまが安心して休める場所は少ない。
 なのに子明母さまの一言で、あんなにも安心して眠った。

「………」

 すごいことなんだ、これって。
 そう思うと、なんだか自分がこの場で、とても場違いな存在に思えてくる。
 思わず立ち上がって、部屋から出ようとした私に、子明母さまがにっこりと笑ってくれる。
 手招きをされて近寄ってみると、一言謝られてから頭を撫でられて……言葉のないやさしさなのに、どうしてかとても心に染みこんだ。
 促されるままに寝台にちょこんと座って、そんな穏やかさの隣で、流れる静けさの中を過ごす。

  地を雨が打つ音がする。

 ただただ静かな時間に、つまらなさもなにも感じない。
 気づけば場違いなんて思いも消え去って、幸せそうに耳かきをする子明母さまの隣で、こてんと寝転がった。
 このやさしい香りは子明母さまの香りかな。
 とても安心する。
 かかさまもいい匂いがするけど、かかさまってあれで結構、静かに出来ないから。

(……静かだなぁ)

 賑やかなのは好きだ。
 “楽しい”はもっと好き。
 みんなの笑顔が大好きだし、自分が笑える時間もとっても好きだ。
 でも……なんだろう。
 こんな静けさは、好きとか嫌いとかじゃなくて……とても嬉しくて、大事に思える。
 雨の日なんて何も出来なくてつまらないと思っていたのに。

「……ねぇ、しめいかーさま……」
「……、はい、なんでしょう」

 静けさを壊したくなくて、ゆっくりと喋る。
 子明母さまも同じように穏やかに返事をしてくれて、そんなやさしさも嬉しい。
 それをやさしさと言うのかなんて、訊かれたって答えられなくても。今はそれがやさしさと思えるくらい、この静けさが大事だった。

「子明母さまは……この先も、ずっとこうしていたいとか……思う?」

 ずっと先。
 それは、おじいちゃんおばあちゃんになってもって意味。
 きっともっと前から、全然姿が変わらないととさまと、どうしても老いてしまう私たち。
 そんな関係であっても、こんなやさしい時間を共有して生きていけたなら、それはどれだけ幸せで、嬉しくて、楽しくて……。

「………」

 返事はなく、ととさまの頭を撫でる手はやさしいまま。
 ちらりと見た子明母さまの顔は、変わらずに穏やかでやさしい。
 そんな子明母さまが、そのままの顔で言う。

「私は……幸せです。こんなにも人を好きになれて、大事に思ってもらえて。子供の頃のささやかな夢だって、この人はすぐに叶えちゃうんです。どんなお願いでも厚かましさでも笑って、“もちろん”って言って」

 ……うん。ととさまは、よっぽどのことでも文句を言いながらも叶えてくれる。
 簡単なことから難しいことまで、今出来なくても出来るようになる努力をする。そんな人だからあれだけの人に慕われていて、傍に居る人も幸せになれる。
 乱世を生きた人に比べれば、世の中の辛さの半分も知らない私でも、幸せの価値の多少くらいは知っているつもりだ。
 だからそんな幸せをくれるととさまが、みんなにとってどれほど大事なのかも知っているつもり。

「きっと……私がおばあちゃんになっても、旦那さまはこのお姿で……それでも変わらず愛してくれるし、大事にしてくれるのでしょうね……」
「……うん。それは、ぜったい」

 気づけば子明母さまの顔に、照れたような赤みはなくて、ただただなにかを慈しむ穏やかな表情がそこにあった。

「私は怖いです。いつかこの人を置いて、誰も彼もが死んでしまったあとが。ずっとお傍に居てあげたい。ずっとお傍に居たい。でも……きっとそれは叶いません」
「……うん」
「いつか、幸せのままに死ぬのだとしても、それからを生きる旦那様を思うと辛いです。どうか泣かないでほしいと思っても……きっと、泣いてしまうのだと思います。……あ、あっは、ちょっと自意識過剰でしょうか」
「……そんなこと、ないよ……。きっと悲しいよ。だって……」

 だって、こんなにも無防備に眠っている。
 爪を隠した獣っていうほど気性が荒いわけでもないととさまだけど、気配に敏感ではあるのだから。そんなととさまが頭に触れられても安心して傍に居られる人が死んで、泣かないわけがない。
 …………ああ、そっか。それは、怖い。
 そんなととさまがそんな人を亡くしてしまったら、どうなってしまうのだろう。
 思ってしまえば願わずにはいられない。

「……どうか。旦那様が、幸せで……。泣いてしまったあとも、私が大好きな笑顔で……笑えていますように」

 子明母さまも同じ気持ちだったのだろう。
 さっきまでのやさしい顔を、泣きそうなくらいの悲しい顔に変えて、さらりともう一度ととさまの顔を撫でた。
 それで起きたのか、うっすらと目を開けたととさまが子明母さまを見上げて……やさしく、その目尻に溜まった涙を拭った。

「ん……どうかした? 亞莎」
「……いいえ、なんでも。さ、旦那様、お耳のお手入れ、終わりましたよ」

 そう言う子明母さまの顔は、もう笑顔。
 そんな子明母さまの目尻から手を滑らせて頬を撫でるととさまは、一度溜め息を吐くと苦笑する。

  “そんな顔してなんでもないは無しだよ、亞莎”

 その苦笑に込められた意味は、なんとなくだけどそれだと思った。
 けれどととさまは何も言わない。
 何も言わないで、ただやさしく子明母さまの頬に手を当てて、穏やかな顔でじっとしていた。
 子明母さまもととさまの手に自分の手を重ねて、穏やかに微笑んでいた。

「………」

 今度は場違いだなんて感じない。
 ただただ穏やかな雨の日の中、静かな時間がここにあった。
 振り返ってみればなんでもないただの一日でも、感じ方ひとつでこうも違う。
 いつかおばあちゃんになっても、素早く動けなくなったとしても……こんなふうに穏やかに過ごせたら、幸せなんだろうな。
 言葉はなくても言いたいことが解っているみたいなととさまと子明母さまは、そうして静かな時間を過ごしていった。

「よい……しょっと」

 少しして、ととさまが起き上がる。
 子明母さまはそれを止めず、今度は私に向かって笑って言う。「お待たせしました」と。
 それが耳かきのことだって思い出して、ちょっぴり笑った。
 早速子明母さまの膝に頭を乗せる……わあ、やわらか……じゃなくてすべすべ……じゃなくて、えとえと。……やわらかくてすべすべです。

「動かないでくださいね」
「は、はい」

 いつもはわたわたと慌てることの多い子明母さまを思うと、今日の子明母さまはとても穏やか。きっと、ととさまと二人の時にしか見せない……か、それとも見られない顔、っていうものなんだと思う。

「………はふ」

 サワ、と耳かきが耳に入ってくる。
 手付きはとてもやさしい。
 この香りに包まれているだけで心が穏やかになって、瞼が自然と落ちてくる。
 うう、だめだ、眠りたくない。この穏やかさをもっと堪能して……なんて思っていると、起き上がったととさまが私の傍に座って、脇腹をやさしく撫でてくる。
 くすぐったさもない、落ち着かせるようなやさしさが、さらに私を眠りの世界へと誘う。うう、なんだろう、ずるい。普段こんなことしないのに、ずるい。
 そう思うのと同時に、なるほどとも納得した。
 子明母さまがととさまと二人の時に変わるように、父さまも……。

(……あぅ)

 全身から力が抜けた。
 気づけば既に夢の中。
 心地良い温かさと香りに包まれながら、私の意識はそこで途絶えた。


───……。


……。

 ……雨の音が聞こえる。
 けだるさが体をずしりと重くさせて、でも……自分を包む香りが、とても心を落ち着かせてくれていた。

「あ……ふえ……? わ、わたし……」
「目が覚めましたか?」
「あれ……しめいかーさま……? ふ、あひゅひゅ……」

 なんでここに、と言おうとして欠伸に負けた。
 そうしているうちに段々と眠る前のことを思い出して、ああそっかと納得する。

「ご、ごめんね子明母さま、すぐにどくからっ」
「あっ……」

 ばっと飛び起きる。
 途端、ちょっと急に動いたことを後悔。
 少しだけ、穏やかな空気が逃げてしまったからだ。

「………」

 ちょっと気まずい気持ちを抱きながら、ぽすんと寝台の上に座る。
 そのまま部屋を出てしまおうかとも思ったけれど、それをしたらこの気まずさが倍以上になりそうで、それが嫌だった。
 けれどもそんな気まずさなんて、私が勝手に感じただけのものだったのだろう。子明母さまは変わらぬ穏やかさで私の頭を撫でてくれて、それだけで……私の心も落ち着いてしまった。我ながら単純だなぁ、なんて思ってしまう。

(……なんか、いいなぁ)

 私もこんな人になりたいな。
 こんなふうに、好きな人との時間を心から穏やかに、大事にできるような人に───

「じゃあ、次は亞莎ね」
「え?」

 ───って思ってたら、幸せそうな笑顔が真っ赤に染まった。
 さすがととさま、こういう状況を覆すのがとっても上手だ。

「え、ふえっ……!? だ、だだだ旦那ひゃまっ……!? 次はわひゃっ、わらひって……!?」
「亞莎の耳のお手入れ、するよ? ほら、耳かき貸して」
「い、いいいいいえいえいえいえ結構でひゅからっ……! そんな、旦那様にこんな場所、覗かれるくらいなら……!」
「え……く、くらいなら?」
「……〜〜〜……死にます……!」
「早まるなぁあーーーーーっ!!」

 一気に飛んだ。まさか耳の穴を見られることが死に繋がるとは思ってなかった。私もととさまも大驚愕だ。
 でもだ。

「子明母さま。ととさまもやってもらったんなら、ととさまもきっと子明母さまにしてあげたいって思うよ。子明母さまのお母様は、やってもらわなかったの?」
「はぅぇっ……!? あ、あの……その……《くいっ》ひゃあっ!?」

 さっきまでの穏やかさが嘘のように、慌てふためく子明母さま。
 そんな子明母さまの頭を抱き寄せるようにして、膝の上にこてんと寝かせたのは……当然、ととさまだった。

「か、かかかっか一刀様っ!?」
「亞莎〜? 呼び方が一刀に戻ってるぞー」
「えっ!? い、いいいいいえちがっ、ちがいまっ……! 旦那様と呼ぶのが嫌になったというわけではなく、ただっ、そのっ……!」

 慌てる子明母さまを、ととさまはやさしく撫でてゆく。
 すると、どうだろう。あれだけ慌てていた子明母さまが、眠る前のととさまのように大人しくなっていって、慌てた口数も減ってゆく。

「じゃあ、入れるよ」
「は、はい……やさしく、してくださいね……」

 ……なんでだろう。とてもいやらしく聞こえた。きっと気の所為だよね。

「………」

 耳かきをするととさまは、さっきの子明母さまのように穏やかだ。
 そっと手を動かして、指に挟まれた耳かきでお手入れをしてゆく。
 一方の子明母さまはくすぐったいのか、時折肩をぴくんぴくんと震わせて、きゅっと目を閉じている。眠たくはならないのかな。力、抜けばいいのに。

「亞莎、痛い? 肩が震えてるけど」
「い、いえっ、あのっ……旦那様の息が、耳に……当たって……!」
「…………《じとぉ》」
「禅、不可抗力だから睨まないでくれ」

 けれどこればっかりは仕方ないと、続行。
 しばらくすると子明母さまも慣れてきたのか、次第に体から強張りが抜け───……た、と思ったら、こてりと眠ってしまった。

「う、うわっ……かわいい……───ハッ」

 無防備な寝顔を見るのは初めてなのかな。それとも久しぶりだったのかな。
 ととさまが子明母さまの顔を見下ろして、素直な感想を口からこぼしていた。本当に“こぼしちゃった”らしくて、とっても慌てている。

「………」

 小さくこほんと咳払いをしてから、耳かきをもう一度。
 私もくすくすと漏れる笑みを飲み込みながら、また寝台に寝転がった。

「……はふ」

 雨の音は一定。
 結構な時間が経っても、勢いは増しもせず減りもせず。
 やがて耳掃除を終えたととさまは、さっきの子明母さまと同じようにやさしくやさしく子明母さまの頭を撫でていた。

「……ととさま」
「んー……?」
「……ととさまって、歳……とらないんだよね?」
「………………うん」

 思い切って訊いてみると、少しの間があってから頷いた。
 表情はやさしいまま。ただそこに、複雑ななにかが混ざったように見えて、少し悲しくなった。

「体はずっとこのまんまなんだろうな。このままで、みんなだけが成長して……多分、俺だけ置いていかれる」

 やさしく撫でてゆく。
 それこそ大切なものを大切にするように。

「さっきな、夢を見たよ。真っ白な世界に真っ白な猫が一匹。すぐに夢だって解って……そこからが不思議でさ」
「うん……」
「暖かいなにかに包まれながら……ああまあ、その暖かさが亞莎のものだっていうのはすぐに解ったんだけどな。不思議なことに猫が喋ったんだ」
「猫さんが?」
「“やさしい顔で泣いている子が居るから、涙を拭いてあげなさい”って。よく解らなかったけど……直後に目が覚めて、気づいたら目の前で亞莎が泣いてた。目尻に涙があったってだけで、欠伸してただけって言われればそれまでだろうけど……」

 どうしてだろうなぁ。
 そう言って、ととさまはやさしく笑った。

「笑顔だったのに、泣いてたんだって解った。どうして泣いていたのかもなんとなく解って……。解ったら、ちょっと……生きていくのが怖くなった」

 ……驚いた。
 生きていくのが怖い。じゃあ死んでしまうのか。
 そう思ったら、穏やかな空気のなにもかもを壊してでも否定したくなっ───た、瞬間には、もう頭を撫でられていた。

「ずっと先の未来で、どうしてもやらなきゃいけないことがある。俺はそればっかりを見て、他を見るのを怖がってたんだよ。ずっと変わらず生きるってことは、誰かの死を見届けるのと一緒だ。残されるほうも悲しいけど、きっと……大切な人を残して逝ってしまう人も悲しい……ん、だよな……」

 撫でる手が止まる。
 思わず見上げてみれば、ととさまは今にも泣きそうな顔で。
 けれど目が合うと、すぐに笑顔になった。……笑顔を、作った。

「死にたくない。きっといろいろな人が思うことだよな。普通は生きていたいって思うんだ。生きる方を選ぶんだと思う」
「うん……」
「でもな……でも……。ととさまな、初めて……“一緒に死にたい”って思った」
「───!」

 嗚咽が混じったような声が耳に届く。
 瞬間、雨の音さえ忘れたような静寂が訪れて、言葉を無くした私はなにも言ってあげられなくて。

「苦労して頑張って、一緒に生きて……一緒に笑って。そんな人達を見送るばかりじゃなくて……最後まで一緒に、死ぬことさえ一緒に成し遂げられたら、それは、なんて…………───は、ははっ、だめだよな、こんなんじゃ。やらなきゃいけないこと、あるんだから……な」

 寂しそうに笑う。
 ……みんなは……ととさまが一緒に天下を、と走ってきた人たちは、いったいいつまで生きていられるだろう。
 気づいた時には誰も居なくて、たとえばその時に私がととさまの傍に居たとしても、その気持ちを解ってあげられるのかな。
 まだ私たちが居るんだから、なんてことはきっと言えないのだろう。
 誰にだって、代わりは居ない。
 居ないからこそ、こんなにもやさしく愛しい顔で、人を撫でられるのだろうから。

「……どうか。いつか静かに眠る日が訪れても。眠るみんなが……俺を心配せず、笑顔で眠れますように」

 ああ、そっか。この人達は……互いに大切に思いすぎているんだ。
 不器用なんてものじゃない。
 これが不器用ってだけの話なら、愛だ恋だなんて言葉だけの飾りだと思う。
 だから、“たとえ未来で自分が泣こうとも、相手が幸せであればいいな”なんて……そんな幸せを願えるんだ。
 もっと自分を大切にしてほしいって言葉は、きっと届かない。
 そんな場所まで届かない自分の幼さが、今は悔しかった。

「禅。今言ったこと、みんなには内緒な?」

 ……ととさまはずるい。
 そんな泣きそうな顔で言われたら、頷くことしか出来ない。
 ねぇ、延姉さま。延姉さまは“親の弱さを知りたい”って言ってたけれど……辛いよ。こんな弱さは、幼い自分には重過ぎるよ。
 なんとかしてあげたいのに、きっと私もいつか、ととさまを悲しませながら死んじゃうんだ。それは、ととさまがこの都で絆を増やしていけばいくほど広がる、悲しみの連鎖だ。
 街を歩けば声をかけてくるみんなも、いつかは死んでしまう。街で見かける動物たちも、もっと早くに死んでしまうのだろう。ととさまはそんなみんなを、どんな気持ちで見送るのかな。
 「おじいちゃんにならないだけで、寿命で死んだりはしないの?」って訊いてみても、首を横に振って、困った顔で笑うだけだった。

「もちろん、心臓を刺されれば死ぬし、自殺だってやろうと思えば出来るんだ。でもな、そんなのみんなは認めないし、そんな死に方で“一緒に死にたい”を叶えるのは違うんだよ」

 苦労してきたからこそ、笑い合ってきたからこそ、ともに老いてともに死にたかったと。ととさまはそう言って、もう一度私の頭を撫でた。

「なぁ禅」
「え……あ、言わないよ、誰にも」
「うん、まあそれもだけどな。……いつか……俺がどうしてもしなくちゃいけないことが訪れた日。俺は多分、この世界から消えてると思う。天に帰るんだ」
「…………う、うん。それで?」

 叫び出しそうになる自分を押さえて、先を促す。
 ととさまはくしゃりと少し乱暴に私の頭を撫でると、最後にぽんぽんと頭の上で手を弾ませて、言った。

「その時が来たら……それから先のことを、よろしく頼む。この世界の平和は、みんなが生きていた証になる。それは平和が続けば続くほどに眩しく輝くものだろうからさ。だから…………ははっ、そうだな」

 表情から寂しさを消すように、ととさまは笑った。笑って……言った。

「1800年後。その時代の日本に届くくらい、世界中が羨むくらい、平和で賑やかな国にしてくれ。姉妹仲良く……まあ、たまには喧嘩もするだろうけど、出来るだけ仲良く」
「……その1800年後に、ととさまは居るの? 頑張れば、ととさまに届くの?」
「頑張るよ。そうなるように、俺は未来に向かってる。この世界が外史で、俺が居た場所も外史だっていうなら……きっと叶うから。誰も願ってくれないのなら、俺がそんな外史を願うよ。……だから」

 だから。
 いつか戻った天の先で、どうか、自分たちが生きた証が……まだそこにありますようにと。ととさまはそう言って、私のことを引き寄せて、ぎうーって抱き締めた。
 ちょっと苦しかったけど、その分だけ勇気付けられた気がした。
 やらなきゃいけないことなんて、まだまだなんにも解らない。
 私たちがどれだけそれを願おうと、私たちの次の世代や、そのまた次の世代の人が、ととさまの思いを受け取ってくれるとは限らない。
 それでも……願うことは。努力することは出来るのだから、せめて……いつか消えてしまうであろうこんなぬくもりも、別のかたちで届けられたなら……きっとととさまは笑ってくれるだろうから。

「う、うん、頑張る。頑張るね、禅も」
「……ああ」

 ととさまがどんな方法でそれを叶えるかなんてものは知らない。
 多分、知っても私はどうすることも出来ない。
 ととさまがどんなものを背負って、どんなことをしようとしているのかも、きっと訊いても答えてくれないのだろう。
 そのくせ人には頼るのだから、ととさまはやっぱりずるい。

「ん、えと。ととさま。私、ととさまが何をやろうとしてるのかは知らないけどね? でも……それをするとどうにか出来るかもしれないんだよね?」
「そうだな。そのために、愛紗に打ち勝てるくらいになっておかなきゃいけないんだ」
「それってそのためだったの!?」
「へ? あ、ああ、うん……? そう、だけど……?」

 なんてことだろう。
 愛紗……うう、許されてても呼びづらい……ええと、愛紗がたまに悲しそうにしてたのを、ととさまは知らないのだろうか。
 急に打倒愛紗ー! なんて好きな人に言われて、嬉しいはずがないのに。

「……ととさま。いつか愛紗に謝ってね?」
「え? 俺なんかした?」
「したの! 打倒愛紗とか言ってた所為で、愛紗落ち込んでたんだからね!?」
「へ? ……えぇえーーーっ!!? ななななんでっ……って、あ、あーあーあー! だからこの前、一緒に食事しようって時に妙におどおどしてたのか!」
「……ととさまぁ……」
「いや違う! そんなつもりで打倒愛紗って言ってたんじゃないっ! ……わ、解った、ちゃんと謝るからっ……!」

 ……もう、本当にととさまは。
 でもよかった。きちんと事情を説明すれば、愛紗だって喜ぶはず。
 それなら安心だ。だから……言いたかったことを、言おう。

「あのね、ととさま」
「うん」
「もしね、私たちが頑張って、私たちの……えと、子供も頑張って、1800年後まで頑張って、こんな温かさをととさまの居る“日本”にまで届くくらいに幸せで居られたらね?」
「うん」
「……きっと、“ここ”に帰ってきてね? 日本がどんな場所かは知らないけど、きっと帰ってきてね? その時は、もうととさまを知っている人は居ないかもしれないけど……みんな死んじゃってるだろうけど……ずっと待ってるから。ずっとずっと待ってるから」

 だから。
 そんな日がもし来てくれたなら。
 j姉さんじゃないけど……いっぱい誇ってほしい。いっぱいいっぱい褒めてほしい。
 どうして天に帰ることが1800年後に繋がるのか、全然解らないし、訊きたいことはいっぱいある。でも、ととさまが頑張ってなにかをしようとしていることくらい、私にだって解るから。戻った先で、ととさまのことを好きな人が誰も居なかったとしても、せめて想いは届くよう。
 だから、ととさまがみんなと一緒に死ぬことが出来ないのなら、私はそんな父を誇りながら精一杯生きて、死んでゆこう。

「……ああ、そうだな。きっと帰るよ。大丈夫、遠距離恋愛は慣れっこだ。家族に向ける愛だって、1800年の壁くらい越えられるよ」
「ほんと?」
「ああ、ほんと」
「うそついたら禅とお姉さまたちをお嫁にもらう?」
「なんでそうなるの!? い、いやっ……大丈夫だから、嘘はつかないから。jの時もいろいろと誤解が凄かったんだから、娘を嫁にとかはありません」
「うん、そうだよね」
「そうそう」

 笑う。
 あれだけ騒いだのにすぅすぅと眠る子明母さまに遠慮もせず。
 ……するとさすがにもぞりと動いて、目を開けた。

「ふぁぅ……? あ、あれ……? 一刀様……?」
「まだ寝てていいよ、亞莎」
「ぁ……はぃ……」

 さっきとは逆。
 ととさまが言った言葉に心底安心を得たように、子明母さまはこてりと眠ってしまった。
 ……子明母さまって、油断っていうか……隙がある時ってととさまのこと、一刀様って呼ぶんだ……失礼かもしれないけど、かわいい。
 そんな子明母さまの頭を撫でるととさまの顔は、とても穏やかで……幸せそうだ。

「……悔しいなぁ。いつかじいさんになっても、こんな風に傍に居て……幸せ、噛み締めたかったなぁ」

 漏れたのは苦笑。
 でも、それは諦めのために出たものじゃなくて……悔しくても、目指すものに変わりはないっていう、開き直りみたいな苦笑だった。

「まあでも、たとえ歳老いてもやることは変わらないけどね。老いても老いなくても一緒に居るし、幸せなら……姿の問題なんて、二の次だよな」

 ───気づけば窓から陽が差していた。
 雨の音はもう聞こえない。
 それと同時にどたばたと走る音が聞こえて、やがて……扉がどばーんと開かれる。
 さて、また日常が騒がしくやってきた。
 ととさまの周りは本当に賑やかで、飽きることを教えてくれない。
 そんな日常が私は好きだし、そんな平和こそを……ととさまが日常と呼べる景色こそを、未来に持っていけるように。

「あははっ、はぁ〜いか〜ずとっ! やっと周期が来たから、今日は寝かさないわよ〜?」
「へっ!? 雪蓮!? 周期って……む、娘の前でなんてことを! つか大勢でどうした!? 朝餉ならもう食べたよな!?」
「い、いえ、隊長。今日はその、周期が来た者たちで報告を、と……」
「あー、ええって凪。そんな堅っ苦しいのは無しにしよ。大事なのは雰囲気作りや。な〜、一刀〜?」
「おーーっほっほっほっほ! 周期だか瘴気だか知りませんけれど、なにを為すにももちろんっ! このっ、わ・た・く・し・がっ! 先ですわっ!」
「よく解らんが、麗羽姉さまと一緒なのは怖いのじゃ……じゃ、じゃがの主様っ、妾頑張るゆえ、今日からよろしく頼むのじゃっ!」
「まあ、そういうことだ北郷。どういう巡りあわせなのか、この面子が周期に入った」

 でも。
 入ってきた人達の賑やかさを前にしたら、なんだかそれも、そう難しいことじゃないように思えてきた。
 ととさまは、入ってきたみんなを前に「冥琳……きみもなのか」って、驚きと困惑を顔に貼り付けた大変な表情になってる。

「あ、ちなみに遅れてくるけど愛紗と鈴々もだそうよ?」
「…………」

 あ、固まった。

「しぇ、しぇしぇしぇ雪蓮さ、ん……? あの、俺、ついさっきまでとっても暖かな平和の中に───」
「へー。じゃあ夜を待つのも面倒だし早速始めましょ?」
「最後まで聞いて!? つか今亞莎が眠ってるからっ!」

 振り回されてゆく。
 けれど子明母さまもみんなの気配に目を開けて、集まったみんなを前にぱちくり。
 直後に瞬間沸騰した顔を長い袖で隠して、物凄い速さでゴシャーーアーーーと走り去っていってしまった。

「………」
「………」

 ととさまと目が合った。
 そして多分、同じことを思ったという直感があったので、我慢することなく口にした。

『平和って……儚いね……』

 それでも大切に思えるのだから頑張ろう。
 まずは知らないことを覚える努力から、だよね。

「ねぇ公瑾さま。これからととさまとすることで、なにが出来るの?」
「ぬぐっ!? あ、ああ……ええっと、それは、だな……《おろおろおろ……!》」
「あははははは! 冥琳がこうまで狼狽えるなんてめずらっ……ぶふっ! 珍しいわねあははははは!!」
「ならお前が言えばいいだろうっ、雪蓮っ!」
「私? べつにいーけど。そうね、禅。───子供が出来るわ《どーーーん!》」
『直球すぎだぁーーーーっ!!』

 ととさまと公瑾さま、絶叫。
 べしびしと叩いたりでこぴんしたりで、伯符さまがキャーキャーと痛がっている。
 でもそっか。子供が出来る……子供。

「禅もやる!《どーーーん!!》」
『しぇぇえええれぇえええんっ!!!!』
「え、えっ!? これ私が悪いのっ!? 言えって言ったのめーりんじゃないのよーーーっ!!」

 頑張るって決めたから、じゃあ早速未来のために子供を作って……と思って、言った途端。ととさまと公瑾さまがまた絶叫して、今度は伯符さまの手首に指二本を添えて、びしゃんびしゃんと叩き始めて……

「《べしべしべしべし!!》いたいいたいいたいってば痛いーーーーっ!!」

 あぁ、あれ、遊びの時の罰げーむで、しっぺとかいうのだ……痛いよね、あれ……。

「あー、ほら、な? 禅ちゃん? それをやるにはまだちぃ〜っとばかし早いなぁ。もうちょいおっきくなってから、好きな相手にでもゆーてみ? きっと相手、骨抜きやで?」
「し、霞さまっ、子供に言うには早すぎますっ!」
「あら、べつによいではありませんの、えー…………と……楽進さん? 一刀さんなら誰でもいけますわ。なにせわたくしが、このわたくしがっ! ……認めた殿方ですものおーーーっほっほっほっほ!」
「……やっぱりこのねーちん、何をやるのかいまいち解っとらんのとちゃう?」
「はい、恐らくは……あの、袁術殿は、なにをするかは……」
「うほほ、もちろん解っておるのじゃ。七乃の嘘も見破った今、もはや妾に間違いなどありはしないのじゃ」
「見破ったっちゅーか、普通に七乃が自爆しただけやろ……」

 よく解らないけど、私ではまだだめらしい。
 ……そっか、お腹に出来るんだもんね、子供って。
 私まだちっちゃいし、子供が出来たら……お腹が破裂しちゃう!?

「う、うん、解った、もっと大きくなってからにする」
「お〜♪ 聞き分けのい〜娘ぉは好きやで〜? それに禅ちゃんやったら大人になれば男のほうから寄ってくるから安心しぃ」
「そうなのかな」
「はい。公嗣さまは大変可愛らしくあります。……隊長も気が気ではないでしょうが」
「あっはっはっは、それはそれで楽しみや〜ん♪ 可愛い娘に言い寄る男に目ぇ光らせんのも、男親の義務みたいなもんやって一刀もゆーとったし」

 うう……あんまり言われると、どう返していいのか解らない。
 くすぐったいし照れちゃうし。

「えっと……そんで? このねーちんが一番っちゅーことやけど」
「え〜〜〜〜ぇ、何をおいても一番はこのわたくし、袁本初であるべきですわ」
「……ちなみに経験は?」
「経験? なんですの?」
『………』
「あの、袁紹殿? 以前夜の会議に出ておられましたよね? あの会議がどんなものかは……」
「あああれですの? 猪々子さんと斗詩がこそこそと動き回っていたから、捕まえて案内させただけですわ」
『………』

 な、なんだか妙な雰囲気になってきた。なにこれ。
 ととさまもなんだか本初さまを見てぽかんとしてるし。

「あー……一刀のこの顔から察するに……」
「なるほど、まだか」
「それでいっちゃん最初〜言う勇気……気に入った! ウチはべつにかまへんけど、他はどうするん?」
「わ、私はその、最後でも……愛していただけるのなら」
「妾もべつに構わんぞよ? それにしても……妾、知らぬ間に先んじておったのじゃなっ! うははははっ、麗羽姉さま、頑張るのじゃー!」
「頑張りなど必要ありませんわ〜? 何事も出来てしまうからこそ、このわたくしは───」
「じゃあ早速準備しましょ」
「ちょっと雪蓮さん!? 最後まで言わせてくださる!?」

 そうして、“準備”が始まったみたい。
 ととさまはしきりに本初さまのことを心配していろいろ言ってるのに、本初さまは「何が来ても華麗に対処してみせますわ!《どーーん!》」って、聞く耳を持ってくれない。

「おっと、こっから先はちぃと目に毒や。よかったら走ってった呂蒙ちんを追ってやってくれん?」
「あ、う、うん。えっと……よく解らないけど、頑張ってねととさま!」
「《ゾブシャア!》ぐっはっ! こ、ここも頑張りどころなのか……!? そりゃ未来的にはそうなのかもしれないけど、だってえっと……あぁああ麗羽!? 麗羽! 本気!? 本気でやるつもり!? 今ならまだ間に合うぞ!?」
「おーーーっほっほっほっほ! 臆することはありませんわぁ〜? 一刀さんも認めるこのっ! 美しくも可愛い袁本初! ……どんなことでも華麗にこなしてみせますわっ!《どーーーん!》」
「いやっ、どーーんじゃなくてさぁっ!」
「ほらほらいーからっ! 早くやっちゃいなさい一刀っ!」
「北郷。本人が“やる”と熱望しているんだ、断るほうが失礼だろう」
「ほ、他の者のまぐわいを見るのは初めてじゃの……うみゅ、なにやら緊張するのじゃ……!」
「一刀〜? 一応やさしくしたってな〜♪」
「隊長……。せめて、やさしく」
「止めてやるのもやさしさだと思うんだよね俺!!」

 部屋を出て、ぱたんと扉を閉めた。
 なんだかもう振り返ってはいけない気がして、何処に行ったのかも解らない子明母さまを探して、走ることしか出来なかった。
 う、うん、頑張ろう。
 出来ることをやっていけば、きっといつか平和な未来に……

「なっ!? ちょ、なにをしますの雪蓮さん! 急に服を脱がそうだなんて!」
「まーまーまーまーまー!」
「ちょっと張遼さん!? 何処を触っていますの!?」
「まーまーまーまーまー!」
「ま、まあ? 同姓さえ虜にしてしまうこのわたくしの美しい体が悪───ってだからなぜ脱がしますの!?」
『まーまーまーまーまー!』

 いろいろ聞こえてきたけどだだだだ大丈夫! 禅頑張るよ!?
 今は子明母さまを見つけることが先決だもんね! 頑張る!
 耳を塞いで走った。
 なんだか……これからちょっぴり、ととさまの部屋に行きづらくなってしまったように感じるのは、気の所為だよね……?




 142話をお送りします、凍傷です。  まさかの一日クオリティ。  ちょっと急ぎすぎた感もございますが、楽しめなかったらごめんなさい。  さて今回は……ネタらしいネタはなかったかと。  しんみりしてブレイクして騒がしく。  そんなお話でした。  賑やかなのもいいけど、静かな日もいいものですよね。  丁度今、外では雨が…………降ってました。過去形です。  いつの間にやんだんだ……雷も鳴ってたはずなのに。  今回1万6千字。30kb。  ……一話あたりはこんなものでしょうね。  ではまた次回で。  ああ寒気してきた……本格的に風邪だ。 Next Top Back