195/人を呪わば…………落とし穴

=_=/いきなり回想である

 人の在り方というものを、時々に考える。
 どうしてこう懲りないのかなぁとか、まあそんなところ。
 軽く現実逃避をしている現在、話は結構前まで戻るわけだが……

「かっ、華琳さま! 今は危険な時期なので、別の罰に……!」

 昔々〜あるところに、猫耳フードを被った毒舌軍師が〜……おったぁそうじゃあ……。
 この軍師は事ある毎に落とし穴を作り、男を嫌い、いろいろな意味でも厄介さをもっておった。相手が他国の兵であっても、男であるというだけで飛ばした罵声は数知れず。
 稀に落とし穴に落ちて足を挫いてしまう者もおり……

「桂花。私は何度も“罠を仕掛けるのをやめなさい”と言った筈よ? それを聞かずに幾度も実行、他者まで巻き込んだ者への罰など、極刑でないだけやさしいじゃない」

 そう。話は度重なる罠のことを、華琳が知った頃に戻る。
 それまではちくちくと個人的な小競り合いみたいにやっていた、一種の漫才めいた言い合いだった。俺の、“子供になに教えてんだー!”、が最初だったと思う。しかし“私の勉強で私が何を教えようが勝手じゃない!”という話になって、そこからは遠慮無用のギャースカ騒ぎ。
 そんな姿を華琳に見つかってしまい、その時はまだ軽い注意で済んだのだ。あの華琳がだ。失敗の罰が“拘束&初めてを散らす”であったあの頃に比べて、なんとやさしいことだろう。
 しかしこの猫耳フード先生、叱られたのは俺の所為だとのたまった。
 いつもの事ではあるのだが、さすがに子供達に行き過ぎたあちらの知識を植え込まれすぎても困ると、俺も随分と引かなかった。結果が……度重なる落とし穴の設置。
 それもまた華琳に知られてしまい、そこもまた注意だけで終わったのに……彼女が懲りなかったために現在に到る。

「桂花。あなたはこれを非道と謳うのかしら?」

 静かな部屋の片隅。
 雰囲気の所為で正座をしてしまう俺は、もう立派なパブロフの犬なのだろう。
 べつに俺が叱られているわけでもないのに。
 ていうかなんで俺の部屋でやるの!? わざわざ桂花連れてきて、いきなり説教とかされても困るんだけど!?

「他者を巻き込んだ……!? 華琳さま! まさか他国の王が落とし穴に落ちたことを、北郷が喋って───」
「へえ? 初耳ね」
『あ』

 そして軍師様は自爆なさった。
 “やってしまった”を表す言葉は、俺の口からも桂花の口からもこぼれた。

「普段はものを隠すことが上手いあなたのこと。一刀の前で叱ってやれば意識が散漫してすぐに何かをこぼすと思っていたけれど。へえ? そう。他国の王を落とし穴に……一刀、それは真実?」
「ほっ、北郷!」
「……悪い桂花、さすがにこれはもう隠せないだろ。むしろ自分から言うなんて思ってもみなかった。というわけで、本当だ。もちろん深く謝罪したし怪我もないし、当の本人もびっくりした〜ってだけで怒ってはいなかったよ。だけど……」
「一刀。本人の意思がどうあれ、それだけでは許されないことはあなたが一番解っているわね?」
「ん、そうくると思ってた。だから向こうに“してほしいことをなんでも言ってくれ”って条件を出したよ」
「へえ? さすがに一度問題を起こしただけあって、手際がいいじゃない」
「刺されたほうが言うことを聞くっていうのも、ある意味貴重な体験だったけどね」

 あれも俺が妙に煽った所為だったし、吐き出させたかったってこともあるし、そこはもうつっつかないでほしい。恥ずかしいというか照れる。今ではそんなみんなと仲良くしているっていうんだから、余計に。

「それで? 相手はなにを望んだのかしら」
「ああ、うん。俺に目一杯の“お持て成し”をしてほしいって」
「おもてなし?」

 そう。
 子供も結構成長して、ようやく息を吐けるって頃。
 彼女たちが欲したのは癒しだった。
 ああもちろん癒しといっても、普段から世話を焼いてくれる人がするものではなく、恋人関係を続けるよりも子供が出来るほうが早かった事実を振り返っての、いわば……その、多分、いちゃつきたいとかそういう意味での癒し。
 なので俺は執事になった。
 執事になって、落とし穴に落ちた人物……桃香と蓮華を目一杯もてなして、時間が取れれば落下した兵を俺の奢りで食事に誘ったりして、桂花の件での処理を秘密裏に片付けたわけだ。
 ……そのことに関して、思春からの桂花への態度が非常に悪かったのは紛れもない事実であるが。

「あ、あなたそんなことまでしていたの!?」

 華琳にした説明を聞いて、まず声をあげたのは桂花だった。
 うん、していました。知らないのは当然だろう、言ってないし。
 自分からわざわざ“こんなことしましたよ〜、感謝しろ〜”なんて言うわけないでしょうが。
 感謝はいいから、まず落とし穴と子供に妙な知識を教えるのをなんとかしてください。

「……桂花」
「ひっ!? は、はいっ、華琳さま……!」
「あなたは一刀が嫌いね?」
「……き、嫌い、です」
「そう。これだけの借りを作っても、嫌いと言いきれるのね」
「……嫌いです」

 ふうん、と華琳は笑みも無しに桂花をねめつける。
 その顔が怖い。とても怖いです。

「ねぇ一刀。桃香や蓮華は何故、桂花ではなくあなたに願いを要求したのかしら」
「なんでって。俺がそうしてくれって頼んだからだよ。支えるのが支柱の役目だろ? もちろん、いざこざの全ての責任を俺が負えるわけじゃないけどさ」
「当たり前でしょう? そうであれば全ての存在が好き勝手に動いて、責任の全てをあなたに押し付けるだけの国になるわよ。あなたはあくまで同盟の象徴であって、罪への身代わりの形ではないのだから」

 ふう、と溜め息。
 次いで、「大体それを受け入れた桃香と蓮華にも問題があるわよ」とぶつぶつと……。
 ん? 問題?

「華琳? 問題って?」
「いいわよ、王がきちんとそれで手打ちとして受け入れたのなら。あとはこちらが軍師への罰をきちんと示せば、全ては丸く治まる。ただそれだけのことよ」
「?」

 手打ち……うん、や、手打ち……だよな? 問題は……まああるのかもしれないけど、人が刺されることよりは多少はましであってくれる……といいなぁ。

「あぁそれと一刀」
「へ? あ、ああ、なんだ?」
「その“お持て成し”というもの。今度私にもやってみせなさい」
「え……いや、べつに華琳は落とし穴に落ちたわけじゃ」
「なに? 桃香や蓮華は持て成せて、私は嫌だと? それともなに? あなたは私が落とし穴に落ちる様を見たいとでも言うの?」
「───」

 華琳が落とし穴に落ちる瞬間?
 …………わあ、まずい、すっごい見てみたい。

「ねえ一刀。その緩んだ顔に勢い良く拳を埋め込んでいいかしら《ニコリ》」
「ごめんなさいっ!?」

 いやっ、べつに無様さがどうとかじゃなくてね!?
 なんかちょっと可愛いかもって! ほらっ……ねぇっ!?
 そりゃあかつてはそうなりそうなこともあったけど!

「そもそも桂花。私はあなたに言った筈よね? 城内に罠は禁止と。ええ、確かにここは魏ではないわ。けれど敵が居ないことも確かであり、むしろ同盟の者が数多く存在する都の中心でしょう? そこに罠を仕掛け、他国の王がかかれば、罠に嵌める筈だった男に尻拭いをさせて、自分はその事実すら知らない。……男が嫌いとはいえ、情報をなにより大切にしなければならない軍師がそれでは、果たして私はあなたになにを期待すればいいのかしら」
「……! お、お許しください華琳さま! じょっ……除名だけは! もうご期待に背くようなことは決していたしません! ですから───!」
「それを聞いて私は何度、あなたを軽い注意で済ませたのかしら。あなたはその度に何度、私の期待に応えられたのかしら。ええ、私も甘くなったものだと思っているわよ。一刀の助言の通り、出来ない者も出来るまで教える、という考えで堪えたつもりよ? それがどう? どれほど待っても問題を起こすし他国にさえ迷惑をかける。───解るでしょう一刀。これを罰さず庇い続けるほうが、他国からすればもはや非道と映るのよ」
「あー……」
「ちょっと! 庇いなさいよ!」
「無茶言わないでくれます!?」

 思わずうんうんと頷いたら、桂花にツッコまれた。
 でもごめん、むしろその反応にツッコみたい。
 他の人が失敗をして罰を受ける中、お前が軽い罰で見逃されていることを他の人が知ったらどうなさいますか。不公平だだの贔屓だだの言われて、当たり前のように“気に入った存在を贔屓しすぎる非道な王”に見られるに決まってるじゃないか。

「聞きなさい桂花。あなたが起こした他国の王への被害も、今は一刀のお陰で不問とされているのよ。けれどなに? あなたは私に……あなたの主であり王である私に、“知らなかったからなにもする必要はないのだ”と踏ん反り返っていろと言う気?」
「いっ……いえ、そういうわけでは……」
「そうね。桃香と蓮華は“私の私物を借りる”という名目も含めて、一刀からの持て成しを要求したのでしょうね。そういった意味では細かいけれど、強引だろうと自国の将を頷かせることは出来るのかもしれないわね。で? その主である私は借りられたことも知らずに日々を過ごしていた? 軍師の失態に気づきもしないで?《ビキビキビキ……!》」
「ひぃいいっ!!? もっ……もうしわけっ……申し訳ありません華琳さまっ! ですがっ」
「おだまりなさい!! 申し訳が無いのなら言い訳を口にするな!!」
「っ!!」

 いつかの繰り返しのように放たれた“おだまりなさい”。
 けれどそれは、いつかよりも余程に迫力があり、桂花を黙らせるには効果的だった。
 ていうか寒い! また背筋が凍るくらい寒い!
 夏でよかったなぁとかそんな考えが吹き飛ぶくらいに凍てつく殺気が部屋中に!

「桂花」
「………《カタカタ……!》」
「あなたは先ほど、今は危険な時期だと言ったわね」
「…………《……こ、くん》」
「ええ、だからこそよ。今だから言うわ。───桂花、あなた……子を産みなさい」
「───!?」
「次代を担う子を儲け、それを育むことで、人として、女として落ち着きなさい。そして、それを通じて子に及ぶ悪影響というものを知っていきなさい」
「……! ……!《ぶんぶんぶんっ!》」
「あら、だめよ。拒否は許さないわ。それとも迷惑をかけた兵らに代わる代わる質問をされたい?」
「〜〜っ」

 震える桂花はもはや涙ぼろぼろだ。
 見ていられないのに、いつかのように逃げることもフォローすることも出来そうにない。そもそも尻叩きで終わったのが奇跡だったのだ。
 華琳の前に“二度目”っていうのは滅多にない。それが三度四度とあった筈なのに、桂花はやってしまったのだ。どうフォローしたってなにも変わらないだろう。
 そしてそんな状況の中、華琳さんが俺を見つめてくるわけで。
 く、くる! 絶対に孕ませなさいとか言ってくる!
 拒否するんだ一刀! 嫌がっている女性を妊娠なんて、さすがに無理だ! どんな言い訳でもいいから拒否する方向で───!

「というわけよ、一刀。桂花を孕ませなさい」
「いやいや無理だ! これから剣術の稽古があるんだ! 付き合えない!」
「今日は休みなさい」
「えぇっ!?」

 大驚愕! まさか華琳の口から休めという言葉が!
 いやまあ稽古なんてないのですが! あとなんでか脳内で“デェェェェェェン!”って効果音とともに、筋肉モリモリマッチョマンの変態が重火器を抱えて渋い顔をしていた。

「で? 他になにか言い訳は考えてあるのかしら。片っ端から却下してあげるから早く並べなさい」

 大変いい笑顔でそんなことを仰る覇王様がおりました。
 うん……まあ、逃げ道なんて最初からないって、解ってたよ……。
 なので、

「問う者よ! この世界の危機を救う術を、俺は探しに行く!」

 などと一気に言い放ち、窓へと走って逃走を

「《がしビタァーーーン!!》べぇえっぷ!?」

 ───した途端に何者かに足を掴まれて、顔面から床に激突。
 何事かと体を起こして振り向いてみれば…………いやいやいやいや!!

「桂花さん!? どうしてここできみが俺の足を掴みますか!?」

 どれほど動転しているのか、涙ぼろぼろでただただ首を横に振って俺の足を掴む桂花さんの姿が! いやっ、このままじゃきみ、俺とその……ねぇ!?
 やっ、そりゃあ大した面識もない兵大勢に代わる代わるっていうのを考えれば、って意味での行動かもしれないけどさ! そうなれば誰の子になるのかも解らない恐怖もあるだろうけどさぁ!

「一刀。今逃げようとしたのかしら?」
「急に外の空気が吸いたくなったので窓を全力で開けに行きました」
「へえ? そう。世界の危機を救う術とやらはいいのかしら?」
「言ってみただけだから改まって問わないで!? ……あ、え、えーと……それからさ、桂花の罰、前みたいに尻叩きに落ち着いたりとかは……」

 恥ずかしさへの誤魔化しついでに、軽く提案。
 ……溜め息を吐かれてしまった。

「あのねぇ一刀。私はなにも、罰のためだけに桂花に子を孕めと言っているわけではないわよ。確かに罰ではあるけれど、優秀な軍師の子が欲しいのもまた事実なの。さて桂花? そうして産まれた子に、もしまだ必要のないことを言い聞かされ続けたら、あなたはどう思うのかしら。女が産まれたとして、男と付き合うことはとてもよいことだと教え込まれたら、あなたは堪えられる?」
「……、……!?《ぶんぶんっ! ぶんぶんぶんぶんぶんっ!》」

 物凄く首を横に振ってる。
 そっ……そこまで嫌か!? なにがきみをそこまでさせたの!? 本当に不思議でならないのですが!?

「そう思えるのなら、余計なことは教えないことね。知識を与えろとは言ったけれど、男との付き合いの全てを絶つよう教えろと言った覚えはないわ。お陰で同年代の男を嫌って、父親好きが行き過ぎて怖いくらいじゃない」
「え? そ、そう? 俺ちゃんと好かれてる? 黄柄とか、未だに飛び蹴りしてくるんだけど。丕だって休みの日を合わせて遊ぼうとしたら、なんでか別の日にばっかり休み入れてるし」
「……ええそうね。その上で自分の無駄な行動に頭を抱えて落ち込んでいるわよ。あなたたちはね、一刀。まず話し合って休みを決めるところから始めなさい」
「いや、これでも話し合ったんだぞ? で、じゃあ華琳の休みは〜って話になって……」
「驚かそうとして相談もせずに適当に休みを決めて、頭を抱えた?」
「……ハイ」

 返答は直後でした。「馬鹿ね」───これだけです。
 サプライズって、案外思っていたより上手くいかないもんですよね。
 と、こんな感じの自分らの馬鹿話で華琳の怒りを軽く宥めつつ、あっはっは〜と笑いながら去ろうとして《がしぃ!》……あっさり捕まりました。

「さ、一刀。孕ませなさい」

 さらに全てが無駄であったことを悟ったのでした。
 ふふ、一刀よ。自分で思ったばかりじゃないか。華琳に二度目は滅多にないと。

「いや……けどさ、華琳。嫌がっている人に嫌いな男の子供を産ませるなんて───」
「あなたがやらないのなら、別の男になるだけの話よ。解っていないの? それとも受け入れる気がないだけ? これはね、一刀。嫌がらせでもなんでもなく、“桂花自身の過ちによって生まれた罰”なのよ。今回もそう。王らを持て成すことで相手は納得したのでしょうね。あなたが。ええ、あなたがね」
「……言いたいことは、そりゃ解るよ。庇ってばっかじゃ解決なんてしないって。でも子供を産ませるっていうのは」
「きっかけがなければ優秀な軍師の血が途絶えるだけよ。桂花、あなたはそれで満足? 自分が育てた子とともに、この天下の先を見たいとは思わないの? 己が得てきたものの全てを託すことが出来る、自分の血を持つ者が欲しいと思わないと?」
「………」
「ええ、そうだというのならばそれでもいいわよ。罰は別に考えるとしましょう? ただ、用意した舞台の上でもないのに他国の王や兵らを罠に嵌めた事実。用意するものは、女として……嫌いな存在の子を孕めと言う言葉と並ぶほどの罰であると知りなさい。これは王として二度三度と見逃してあげたことさえ無視した不敬への、当然の罰なのだから」
「………」

 桂花は顔を真っ青にして震えている。
 当然だ……なにせ華琳の桂花を見る顔が、この部屋の空気よりも冷たいものだから。
 冗談抜きで除名だなんて言いかねないほどに、つい最近までの平和の中に居た少女華琳のものではなくなっている。まさに覇王孟徳って表情だ。
 ……いや、大丈夫。ここで迂闊にも“少女って歳じゃないだろ”とか考えたりは《ギウウ》腿がぁああーーーーっ!!! いやごめんなさい考えてないって考えを考えてしまってましたごめんなさい許して離して痛い痛い!!
 八つ当たりのような抓りから逃れつつ、桂花の傍へ。
 床に座り込み真っ青なまま震えている彼女へ、なにか声をかけてやらないと壊れてしまいそうで怖かった。
 だから嫌がれるだろうが、震えてぶつぶつと言う彼女の肩を掴んで、きっと最悪な方向にばかり傾いているであろう思考に喝を入れてやろうと

「《きゅっ》……へ?」

 ……思ったら、逆に服を掴まれた。
 掴まれたというか、つままれたというか。
 おそるおそる顔を覗いてみれば、涙をいっぱいこぼしながら俺を憎々しげに睨み、なのに“もはやこうするしか……!”とばかりに瞳にだけは魂が篭っていたりして……え、えー……? あの、なんですかこの状況……!

「……桂花。発言を許可するわ。一刀の服を握った意味を、はっきりと、明確に述べなさい」
「おわぅあっ!? 華琳!?」

 俺の腿を抓ってから扉のほうに歩いていったから、てっきり出て行くのかと思ったのに、なんで隣に!?
 なんて俺の疑問なんて右から左。うん解ってたけどさ。
 ともかく涙でくしゃくしゃの桂花を見下ろし、言葉を待っている。
 なのにその目はさっきのように期待を持たない目のままだ。
 こんな状況じゃあ、桂花ももうこれが最後だ、なんて考えで頭がいっぱいだろう。華琳が望む答えをきっぱりと言えなければ、きっと……いや、うん。桂花さん? いくらなんでも除名はないと思うんだ。きっとこの状況も含めて全部華琳の掌の上だよ? ほら、今もきみが俯いた時なんか、ニタリとした笑みを───ヒィしてない! 冷たい表情のままだ!
 ほ、本気か!? 本気で桂花を除名とかそれほどの刑に処すつもりで!?

「一刀。私はあなたを飾り物の支柱にした覚えはない───そうよね?」
「え? あ、ああ」
「同盟の証としても、三国の父としてもきちんと立ち、国へ返す心を忘れぬあなたを私は評価しているつもりよ。けれど、じゃあなに? 子も残さない、王の情けには楯突く、他国の王を罠に嵌める。さらには最後の情けにもはっきりと言葉を返せない者を、まだあなたは許せというの?」
「…………」

 言われ、桂花を見つめる。
 何度も何度も深呼吸をして、止まらぬ涙を拭おうともせず、それでも俺の服は離さずに、ぎぢぢと歯を食いしばって───それを覚悟としたようだった。よほどに言いたくなかったことを言うため、彼女は嗚咽をビシッと止めると、華琳を見上げてはっきりと言ってみせた。

「───この筍文若。体から心まで、華琳さまのものと決めております。華琳さまが望むのならば───っ……〜〜〜っはぁ……っ……! この身から産まれるものさえも……! 姓は筍、名はケ、字は文若、真名を桂花……! 私は、三国が支柱、北郷一刀との間に子を成し、生涯を魏に、華琳様に尽くすとさらなる忠誠を……所存などとは謳わず、我が命に懸けて誓います!!」

 跪き、頭を下げ、華琳が言ったように“はっきりとした”答えを口にした。
 ぼかすようなことを言えば、きっと華琳の目つきは変わることはなかっただろう。けれど期待の上をいったのか、華琳の表情に温かみが戻る。
 俺はそんな状況にほっとしつつ、キイ、と開けた窓から足を出して逃走を《がしぃ!》……掴まった。涙目のままの桂花さんに、再び。

「あんたねぇ! 人が舌を噛み千切りたいほどの決断を口にしている横で、堂々と逃げ出そうとしてるんじゃないわよ!!」
「どれだけ綺麗に決心しようが結局は全部お前の自業自得なんじゃないかこの馬鹿ぁあーーーーっ!! 嫌がる女に子供を産ませなきゃいけない俺の身にもなれぇえええっ!!」
「いぃいいい嫌がってなんかなななないわわわよ……!? これっ……これは華琳さまのっ……華琳様のためダッだだだもののも、ものののものもの……!!」
「今にも人を殺しそうなくらいの殺気出してどもりながら言われても説得力のかけらもないわぁあっ!!」
「くふふふふ……! 知っているかしら北郷……! かまきりの雌は雄との交尾中、雄を食べて殺すそうよ……? 種さえ出来れば雄なんていらないんだもの……殺してもいいって判断していいのよね……!?」
「華琳さん!? やっぱりちょっと驚かせすぎだったのでは!? ちょっと壊れてません!?」
「驚かす? なんのことよ。私は本気のことしか言っていないわよ。御託はいいからさっさと始めなさい」
「《がっしずるずるずる》いやーーーっ!? 女って怖ぇええーーーーっ!!」

 口調が崩れるのもお構い無しに、現在の心境を隠すことなく叫んだ。そんな俺は、華琳に捕まってずるずると寝台へと引きずられていっている。ふふふ、もはや腕力で勝てぬと悟ったこの北郷、涙も出ぬわ。別の悲しみでは盛大に出るけど。

「……桂花。本当に、本気か? やめるなら今だぞ」
「ふん、華琳さまに引きずられながら言っているあんたの言なんかで、今さら口にしたことを変える気はないわよ」

 いや、今きみも引きずられてるからね? ごしごし涙を拭いながらも今思いっきり引きずられてるからね? つか片手ずつで人一人を引きずらないで!? 華琳さんあなたどこまで覇王なの!?

「それによくよく考えれば悪いことばかりじゃないじゃない。華琳さま公認の下、私の意志と知識を継いでくれる者を自分で産み出せるんだもの。言っておくけど子供が産まれてもあんたなんかに見せたり抱かせたりしないんだから! 誕生早々孕ませられたらたまらないわ!」
「孕むかぁああっ!!」

 おぉおおおこの猫耳フード軍師さまはほんっとに二言目には孕む孕むとォオオオ!!
 と、なにか言い返してくれようかと口を開きかけたところ、華琳が目で“黙ってなさい”と睨んできた。……もちろんそうされれば黙るしかなく……いや黙ったら抱くことになるんじゃん! とにかくなにかを《ぼすんっ》…………既に寝台の上でした。

「さて一刀? この期に及んでまだ渋るようなら、」
「待った解ったもう絶はいいですはい!」

 まだ絶は出されていないものの、もう出るパターンとか解ってしまっている自分が悲しい。
 それに本人が決意して、子育てプランまで「くっふっふっふっふ……!」とか邪悪な笑みを浮かべながら考えてるほどなら……なぁ。
 ムードもへったくれもない状況だけど、受け入れた。

「で、うん。覚悟は決まったんだけど……さ」
「? なによ」
「……華琳はさ、部屋を出たりは……」
「しないわよ? するわけがないじゃない」
「やっぱりぃいーーーーーっ!!」

 なにを今さらとばかりに言われた。
 そうだよねー、罰としての行為で、きみが部屋から出て行ったことなんてなかったもんねー。
 俺、もう逃げていいよね? 次代の子を育むことは確かにやるべきことの範疇だろうが、見世物であることは断じて無い筈だ!

「ふうん? つまりなに? あなたは私にも混ざれと言いたいの?」
「なにも言ってませんよね!? 俺!!」
「解るわよ。どうせ子供を作ることが務めのひとつにあろうが、見世物になるのは違うだのと思ったのでしょう?」
「───」

 なんかもう心の底から素直に、“自分はこの人には勝てない”って思った。
 や、惚れた弱みとかいろいろなもの度外視しても。
 勝てるとしたらせいぜいで………………い、いえいえ、別に寝台の上で泣かすこととか、そんなことはですね?

「華琳、さすがに混ざれとは言わないけど、他人の行為を傍で見るのは……」
「初めての時は随分と乗り気だったじゃない」
「あれは忘れてください」

 もう思い出したくもないです、はい。
 あの時の俺はどうかしていたんだ……きっとそうだ、そうに違いない。

「あの時の言葉は今でも覚えているわよこの変態色欲種馬男! なにが“そう簡単に妊娠するかっての”よ! あんなことを言っておいて、よくも嫌がる人を〜だのと言えたものだわ!」
「《ぐさぐさぐさぐさぐさっ!》ぎゃああああ!! やめろっ! やめてっ! やめてくださいお願いします!」

 かつての自分を振り返って、なんかもう地面に埋まって死にたくなった。
 今思い出しても外道である。
 華琳に言われたこととはいえ、いくらなんでもあれは……なぁ……?

「ああ、そういえばそうね。一刀? 嫌がっていた相手が自分から求めてくる気分はどう?」
「なんかべつに求めようが嫌がっていようが、嫌がってることには変わりはないみたいだから、うん。なんかいつもとなんにも変わらないですはい」
「まあ、そうよね」

 言って、華琳は笑った。質問しておいて、既に答えは解りきっていたようだ。
 そんな笑みのまま、華琳が桂花を押し倒し、ゆっくりと体に触れてゆく……って結局参加するの!? いやいやちょっと待てなんだこの状況! やっ、子作りは解るよ!? 解りたくないけど解る!
 でもなんというかこれって、華琳が出て行ってくれれば済む話なのでは───などと呆然と思っていたところで、急に扉が《どばぁあんっ!!》と勢いよく開かれ……アレ? jさん!? なんでここに!?

「お手伝いさん見てください! 昼餉におにぎりを作ってみました! 褒めてくだキャーーーーッ!!?」
「キャーーーッ!!?」

 なんかもう準備? うん、準備だね。を、し始めていた華琳と桂花の大人の愛劇場を発見、絶叫。
 決めポーズよろしく、高々と自慢げに翳されたおにぎりが、絶叫とともにグシャームと握り潰され、なんとも見るも無残な姿に……などと冷静に頭が動く中、口から飛び出したのはjと同じ絶叫であった。
 いつか着替えを焔耶に覗かれた時のように、互いにキャーキャー叫び合って、終いには溜め息を吐いた華琳に脇腹をドボォと蹴られて落ち着いた。
 それからの話はといえば……まあその。詳しく話すといろいろと危険なこともあり、軽く思い返す程度にしようか。
 思い返すもなにも、脳内茹蛸状態でふらふらなjを華琳が部屋から連れ出し、俺に「一刀。あとはあなたと桂花でやりなさい。私はこの騒がしい子に、のっくの仕方と空気の読み方を教えてくるわ」と言って姿を消した。
 残されたのは当然といえば当然で俺と桂花なわけで。
 お互い、顔を見合わせたのちに窓を閉めて扉を閉めて、鍵をチェックしたり天井に何者かが潜んでいないかまで入念に調べたのち……まあ、なんというか。一応、初めて? 同意? の下に、交わったわけだ。

 ええ、行為の最中にはそれはもう様々な罵倒文句や、いつもの受け取りづらいあだ名みたいなものを幾度も飛ばされたわけだが、それでも。
 俺はかつてを後悔しながらひどくやさしく行動。
 桂花が一応ではあるが受け入れるかたちで行動。
 結果として残ったものは、行為後……顔を真っ赤にして布団に顔を突っ込み、出てこなくなった軍師様の図だった。
 ひっぺがそうと布団を掴めば、ぞるぞると布団の四隅を巻き込み丸まってゆき、ついにはアダマンタイマイへと進化。

「………」
「………」

 顔は出していない。
 少しの隙間を空けて、そこから片目で見上げるように覗いてきている。
 どうしろというのでしょう。
 ……あれか? 写真でも撮ればいいのか?
 あ、写真で思い出したが、携帯で写真を撮ることを写メと言う人が居るが、写メって写真をメールで送受信すること……だよな? “写メ撮っていい?”という言葉は何処から生まれたのだろうか……。
 と軽く現実逃避しつつ、携帯電話を手に持ったが……写真は撮らなかった。
 事後の女性を撮るって、いろいろアレだろう。
 たとえ相手の現在がアダマンタイマイであっても。

「………」

 苦笑をもらしつつ、ぽむぽむとアダマンタイマイの上で手を弾ませて、服を着てゆく。
 肝心のアダマンタイマイ……桂花はどうしようかとも思ったものの、アダマンタイマイから見て彼女が着ていたものは離れた位置にあった。
 時折隙間からヌッと手が伸びて、それを取ろうとするが……全然届いていないわけで。で、俺が取ろうとするとギャーギャーと罵倒が飛んでくるわけで。いわく、「手渡しされた服なんてきたら妊娠するでしょう!?」だそうで。
 ……いや、こう言うのもなんだけど、妊娠するのが目的というか罰なんじゃ……?
 心の中でツッコミながら、漏れる笑みを隠しもしないで桂花の服を手に取った。やっぱりギャーギャーと文句を言われたけれど、なんかもう今さらだ。はい、と服をアダマンタイマイの前に置いてみれば、ヤゴの捕喰ばりの速度でシュパァンと引きずり込まれる服。
 それからもぞもぞとアダマンタイマイが揺れるわけだが……途中から、と言うよりもよっぽど早く、アダマンタイマイからはぁはぁぜぇぜぇと荒い呼吸が漏れていた。

(………)

 さて。
 涼しくなってきたとはいえ、まだぎりぎり夏の暑さの残る季節。
 そんな中、事後の熱がまだ体の芯に残った状態で、行為をしたために熱が篭っていた布団にくるまり、服を取ろうとジタバタもがいたりしたアダマンタイマイ先生が、今現在布団の中で服を着ようともがいている図が目の前にあるわけだが……

「はぁ……はぁはぁ、んっく……このっ……はぁはぁ……!《もぞもぞゆらゆら……!》」

 …………不気味である。
 なんだか呼吸が一層に荒くなってきて、揺れも大きくなってきて……《ごどしゃあっ!》……落ちた。寝台から。

「桂花ぁあーーーーっ!!?」

 咄嗟に布団を支えたものの、こう……くるるっと包みから中身が転がるみたいな感じで……ごどしゃあと落下。
 春巻から具だけが放り出されたような状態で、どうやら熱と回転と衝撃で目を回しているらしい桂花さんは……何故か着衣で関節をキメるみたいな格好でがんじがらめになって、ぐったりしていた。

「どう着ようとすれば腕を通すところに足突っ込んで、もう片方に腕突っ込んで関節キメる結果になるんだよ……」
「う、うるさいっ! あんた、おぼえておきなさいよ!? 落とし穴のことがばれたからには、あんたの娘……劉禅が私を蹴ったことだって黙ったままにはしておかないんだから!」
「ああ、うん……それなんだけどさ。俺がどうこうする以前に、あれ以降にお前が掘った落とし穴に禅が落ちて、足を挫いたことがあってさ……」
「………」
「………」
「…………」
「……まあその……元気、だせ?」
「うるさい! いっそ殺しなさいよ! むしろあんただけ死ね!」

 一応、蹴られた相手に復讐できてよかったじゃないかと言ってみたが、無意味であった。
 親の言葉ではないにしろ、禅が桂花を蹴ったことは事実だもんなぁ……。





-_-/かずピー

 ……と。そんなわけで回想も終わった現在。

「と、このように。人を呪わば穴二つって言葉を彼女に当てはめた場合、落とし穴から始まる連鎖というものがあってだな」
「子供たちになんてこと教えてんのよこの馬鹿白濁!」
「馬鹿白濁!?」

 思考回転授業……いわゆる頭の回転をよくするための、天の知識の授業をするため、街の私塾にて教鞭を振るったある日。
 誰かを呪おうとすれば、いつかは自分に返るから気をつけような〜ってことを、いろいろぼかしつつ話した現在。

「いや、それはお前に言われたくないぞ!? 普段どういう授業をしているか聞いた時、どれだけ呆れたか解るか!?」
「気安くお前だなんて呼ぶんじゃないわよ夫婦とか思われたらどうすんのよこの液体!」
「自意識過剰の小学生かお前はぁあああっ!! ───液体!?」

 ついに“男”すらつけられなくなった。
 ……あ、馬鹿白濁の時点でそうだった。

「ねぇねぇみつかいさまー、はくだく、ってなにー?」
「あ、おれしってるー! えーっとたしか、なにかえーと、けんり? をうばわれることだ!」
「それ“はくだつ”だよー」
「え? そうだっけ?」

 子供はまだまだ純粋でございます。
 むしろ子供とはいえ女の子に“白濁ってなにー?”とか訊かれて、桂花に贈るアイアンクローに力が篭りそうなくらいです。いや、ほんとにはやらないけどさ。

「桂花……この子供たちの純粋さを前にして、男の汚さとかよく教えていられるな……」
「子供のうちに女を敬う男として育てれば、将来使える男になるかもしれないんだから当たり前じゃない」
「人様の預かり子を好き勝手に育てるのはやめましょうね!?」

 大体使える男もなにも、女性が強いこの天下……大体の男は女性を敬っております。確かに誰かを大事に出来る大人になってほしいとは思うけど…………桂花なら極端になりすぎそうで怖い。
 そもそも今回のこの授業だって、華琳から命令されての授業なんだ。
 あんまりにもあんまりな授業をしているようならば、罰を増やすとか……いや、もう勘弁してあげてください。教えるものに偏りはありますが、教えることはきちんと教えているのです。
 その基準が“美しい孟徳様がどうのこうの”に関わる様々なことなのは、正直どうかとは思うが。

「いい? つまり慈悲深くも美しい孟徳さまが、突出した猪を抑えるためには───」
「はいっ、えーと、“はくだく”が、いのししをいっつもおさえておけばいいー!」
「そう、その通りよ」
「前言撤回なんてこと教えてんだこの脳内桃色軍師!」
「なっ!? 誰に向かって言ってるのよこの全身白濁男!」

 ……とはいうものの、これはこれで子供たちも楽しんでいる……んだろうか。
 今日だけで何回叫び合ったのか、子供たちは「またはじまったー」なんて言って笑っている。

「ねぇねぇぶんじゃくさまー。ぶんじゃくさまはみつかいさまのこと、すきなのー?」
「私が? この男を? …………はんっ」
「鼻で笑われた!?」
「そんな感情は微塵もないわよ。あの時だって、華琳さまの命令じゃなければ誰が受け入れたりなんか」
「………」

 そうは言うが、ひたすらにやさしく、ゆっくりじっくりと愛したあの日、彼女はめちゃくちゃ赤くなって顔を合わせるのも辛いってくらい恥ずかしがって、アダマンタイマイにクラスチェンジしたのだが。
 ……これ言ったらいろいろと叫び出しそうだし、言わないほうがいいよな。
 しかし、華琳の命令だからっていうのは……ちょっと悲しい。
 贅沢な話だし、実際心の底から嫌われているのか否かも……わ、解らない、かもしれないが、やっぱり悲しい。

「あのときってなにー? なにかしたのー?」
「ばっかだなー、きっとあれやったんだぜあれー!」
「あれ? あれってなにー?」
「うちのとーちゃんとかーちゃんもたまにやってんだぜー? せっぷんだとか、ちゅーだとか言ってた」
「せっ……!? こっ! こんなやつ相手にするわけないでしょなに言ってんのよ!」
「えー? してないのー?」

 しました。
 ひたすらにやさしく、ゆっくりじっくりと、何度も何度も。
 ……うん、なんだろう。
 本当に、冷静に考えるととことんクズですね俺。
 女性をとっかえひっかえ、愛すだのじっくりだの。
 嗚呼、子供の純粋な眼差しが眩しい。
 そして顔を真っ赤にして否定をし続ける桂花を余所に、俺はといえば……今日の夕餉、なにかなーなどと……軽く現実逃避をするのでした。昼もまだなのにね。
 ……いいよね、それくらい。
 じゃないとさ、ほら。ギンッと睨んできた猫耳フード軍師さんの気迫に堪えられそうにございません。
 男って弱いね、こういう時。まあ、睨まれたからって怒鳴り返す男になるよりは、こんな自分のほうがいいとは思っているわけで。

「じゃ、授業を続けるぞー」
「あー、みつかいさまごまかしたー!」
「ごまかしたー!」
「ごっ、誤魔化してなんかないぞー!? 授業中なんだから授業をしないとなっ!」
「じゃあみつかいさまー、みつかいさまはぶんじゃくさまのこと、すきー?」
「なっ!? ちょっと! 変なこと訊いてないで授業を───!」
「───ん、好きだぞ? ずっと守っていきたいって思ってる。(国に返すって意味も込めて)」
「なぁあっ!?《グボッ!!》」

 子供に問われたことを、真正面から受け止めて真正面から返した。
 さすがにもう何度も自問自答したことだ、躊躇なく言える。
 桂花には嫌われてるんだろうけど、俺は別に嫌っていない。というか散々抱いておいて嫌いとか言えない。もちろん抱いたがどうとか、そういうのを抜きにしたところで、結局のところ嫌えないのだ、俺は。
 そういう考えを煮詰めて、ずうっと考えてみれば……まあ、結局は好きなのだ。

「なに!? あんた変態!? 罵倒されても嫌われても好きだなんてよく言えるわね!」
「ん? んー……罵倒されようが嫌われようが、大切って思えるなら“好き”ってことじゃないか? むしろ罵倒も嫌いもしない桂花なんて桂花じゃないだろ。改めろって言われようが改めないからこそ、あんな罰が下ったんだし」
「な、か、くかっ……! かっ……!? 〜〜〜〜っ……!」

 事実としてあんな罰が下ったってことがあるからか、顔を真っ赤にして言葉に詰まる桂花さん。何かを言おうとしているんだろうけど、怒りからなのか図星からなのか、原因は解らないものの、思考が纏まらないようだ。
 きっと人間がいっぺんにいろいろと喋られる存在なら、纏った罵倒がゴバァと飛び出すのだろう。こう、騒音レベルで。どちらにしろ聞き取れないだろうなぁ。

「みつかいさま〜? みつかいさまはおこられるのがすきなの〜?」
「怒られるのが好きな人っていうのはあまり居ないと思うぞ? きちんと相手のことを思って、成長を望めばこその説教ならともかく……ストレス発散のための説教ほど辛いものはないだろうなぁ」
「すとれすってなに?」
「…………よしっ。じゃあみんなー? 思考を回転させようなー? ストレスっていうのは───」

 チョークを摘んだ指ごと手をくるりと回して、黒板にストレス、とカタカナで書く。

「ストレスっていうのはよく精神的なものの例えとして使われるけど、語源は機械工学にあって、まあ簡単に言うと“ものの歪み”に関係するもので───」
「きかいこうがくってなにー?」
「よーしよし、解らないことを考えようとする姿勢は大事だぞー? でも解らないから答えを得るよりも、自分なりにまず考えてみような? それが思考の回転だ。考えることで脳は発達するから、考えるより先に答えを得るのはあまりよろしくない。で、機械工学っていうのは───」

 喩えを出す度にそれってなにこれってなにと言われ、一週回ってストレスに戻ると、子供達が「そっかー!」と笑顔で笑う。
 うん、なんかこういう瞬間って嬉しい。
 理解を得られることが嬉しいから、教師を目指す人は頑張るのかなぁ。

「………」
「ん? どうかしたか?」

 笑顔できゃいきゃい喜ぶ子供たちを見ていると、ふと感じる視線。
 隣を見れば、なにやらじぃいいっとこちらを見る……じゃないな、睨んでらっしゃる桂花さん。

「べつに。なんでもないわよ」
「そか。でも、やっぱり理解が早いなぁ。子供だからっていうのもあるんだろうけど、桂花の教え方もいいんだろうな。言い方が悪いだろうけど、知識に貪欲な子ほど教え甲斐があるよ」
「───。当然よ。私が教えてるんだから」
「これでなぁ……余計なことを言わないのと、問題の喩えが美しい華琳様じゃなければなぁ……」
「なに当然のことを否定しようとしてるのよ」
「既に当然の域なのか」

 子供たちが不憫だとは言わないけど、考えてもみてくれ。
 指折りで数を数える時、美しい孟徳さまが一人、美しい孟徳さまが二人って数を数えていた子供を街で見かけた時、俺でさえブボオッシュって吹き出して全力で止めに入ったんだぞ? それをお前、見てたのが華琳だったら罰がどうなるか……。

「………」
「? なによ」

 微塵も考えてないんだろうなぁ。だって当たり前のことだって受け入れちゃってるんだもの。

「ああいや、なんでも。それよりほら、子供たちが知識をご所望みたいだぞ? これからどんな授業を始めるんだ? せんせ」
「ふんっ……べつにあんたの先生になったつもりなんてないわよ。……それじゃあ前回、途中になっていたところから始めるわよ。美しい孟徳さまが───」
「桂花さん? 一度美しい孟徳さんから離れてみない?」
「…………華麗なる曹孟徳様が」
「変わってないからそれ!」
「うるさい! 邪魔するなら出ていきなさいよ粘液!」
「邪魔っていうより方向性の問題───粘液!?」

 けどまあ結局。どれだけ頭が良かろうが嫌ってようが、こんなやりとりをやっていても笑ってくれる人は居る。そんな瞬間のひとつひとつを嬉しいと感じられる今に、ただ感謝。
 子供たちの「また始まったー!」なんて笑い声も、今となっては心地良く……いつか、懐かしむ時も来るのだろう。

(……最近、時間のこととかを考えると、妙に寂しくなるなぁ)

 成長する子供たちを見て思うこと、同期だった兵が、どんどんと変わっていくのを見て思うこと、未来を思って溜め息を吐くことなんてたくさんある。
 一週間、一ヶ月、一年……時が過ぎるたびに、心の中に穴が空いてしまうのを感じながら、いつかは嫌われていた時間さえも……愛しくなるのだろうか。
 笑えた時間を思い出して、その時にこんなことがあったって懐かしめれば、その度に返したい思いは増えていくんだろうなぁ。いや、粘液って言われたことに対して喜びを抱くわけじゃなく。

(………)

 なんかこのまま、無駄に人生経験ばかり積んで、体は青年、心は老人な自分になるのではと、確かにそうなるんだろうけどちょっぴり悲しい未来を描いた。
 いや、いいと思うよ? どっしりと構えている、余裕のある青年。
 でもなぁ、どうしてかなぁ、そこに女性が絡むだけで、余裕もなにもなくキャーキャー騒ぐ自分の姿が簡単に想像できるのは。
 ……何度目か忘れたけど、こんな心の苦労を分かち合える男の友人が欲しいです。
 祭さんと紫苑と桔梗に一度相談したことのあることだが、笑われたあとに不可能だと言われた。何故? と問うたら、“お館様のように三国の支柱となり、三国の女性のみならず男性にも好かれた存在が他に居るとお思いか?”と返された。
 うん、その時に解ったのです。
 分かち合うのは永遠に無理だと。
 だったらもう開き直って、こんな気持ちを解ってくれる息子が出来れば……! なんて思わないでもない今日この頃。どうしてかなぁ、自分の未来を簡単に想像出来るのと同じで、息子じゃなくて娘しか産まれないんじゃないかって思ってしまうのは。
 それに大体にして、息子に解ってもらうにしても、気持ちを分かち合うってことは……ほら。将来的には周囲の女性をとっかえひっかえ……いや無理! 息子にだけは! 子供にだけはそんな道を歩いてほしくない! 主に胃痛とか、女性に振り回される苦労とか空を飛ばされる悲しさとかそういった意味で!

「………」

 いろいろと悩みながらも授業をする俺を見ている子供たちを見る。
 今は男も女もないって感じで付き合っている彼ら彼女らだが、大人になればいろいろと変わってくるのだろう。
 少年達……強く生きなさい。この蒼天の下の女性は強いぞ。
 などと応援せずにはいられない。
 ……もし自分の周りに、たとえばここだろうが天だろうが、どこでもいい。親しい存在に子供が出来たら……それが男の子だったら。女性に囲まれても強く在れるよう、生き方を教えてあげたい。

(……あれ? それって、俺が教えて参考になるのかな)

 ふと思ったことを煮詰めた状態で未来を予想。
 ……戦闘能力は高いのに、キャーキャー叫んで女性に振り回される男の子の姿が頭の中に浮かんだ。
 ああうん。だめだこれ。

「なぁ桂花」
「なによ粘液」
「粘液で固定されてる!? あ、ああいや、まあ今はいいや。えっとさ」
「とうとう認めたわねこの粘液! 汚らわしいから寄るんじゃないわよ! ああ怖い、きっとねっちょりとひっついて、触れた女全てを妊娠させるに違いないわ……!」
「だーーーっ!! ひとまず話をしようってスルーした人の気持ちをちょっとは考えろこの罵倒観音!! 男に罵倒を飛ばすことに使命感でも持ってるのかお前は!!」
「ひっ……喋ったわ!」
「喋るわぁっ!!」

 そしてまた始まる言い合い。
 子供たちが笑う中、ギャースカと互いの残念な部分を指摘し合う。
 互いの残念なところに詳しすぎることもあって、よくもまあこれだけあるもんだと自分の残念な部分も受け取りつつ、やがて言い合いも一周して───声をかけたきっかけを思い出して口にしたのだが。

「だぁから! 俺はただ、産まれてくる子供が男だったらどうするつもりなのかを訊こうとしただけで!」
「……? なに言ってるの? あんたの女にだらしのないいやらしい子種から、男が産まれるわけないじゃない」
「───、……えぁっ!? いやいやいやそんなわけないだろ! そこまでいくと人としてどうなんだ!?」

 とんでもない返事でしばし呆然。
 ていうか危ない! 今本気で“あーそうかも”って思った!
 いやあの……うん、俺の所為じゃないよな? 男の子が産まれないの、俺の所為じゃないよな?

「……あんた、今自分で認めそうになったわね? 自覚があるなんてそれだけで汚らわしいわ」
「やめて!? ちょっとシャレになってないからやめてください!?」

 だだだ大丈夫、俺べつにそういった遺伝子しか持ってないとかそういうのじゃない…………よね? 違うよね!? どうしてかはっきりと否定出来ないのが悲しいけど、違う……といいなぁ。
 頭を抱えて自分の遺伝子について苦悩。
 そんな俺へと、子供たちのきらきらした好奇心いっぱいの瞳が突き刺さるわけで。

「みつかいさまー、こだね、ってなにー?」

 投げかけられた質問は、もう笑顔で涙したいほどにキツイものでした。

「……なぁ桂花。指に氣をたっぷり込めてデコピンしていいかな。もうこれ、コウノトリじゃ納得出来ないところまで説明しないと引き下がらないレベルだろ。むしろなんでそっち方面にばっか興味が向いてんですかこの子たち。日々の勉学の成果? そっかそっかー」
「な、なによ! まだなにも言ってないわよ私!」
「今までのこと考えれば簡単に想像つくわ! むしろこれどう説明するつもりだよ! こ、子種!? 子種のソフトな説明の仕方って……!」
「大人になる過程で勝手に知るわよ。別に今知る必要はないとか言っておけばいいじゃない」
「頭を鍛えることを目標としてるこの授業で、今知る必要はないって言葉がどれだけ適切じゃないか、少しは考えて発言してください」
「だったら私に訊いてないで自分で考えなさいよ!」
「子供の前で子種言ったのきみなんですが!?」
「ねぇねぇみつかいさまー? おとこのこがうまれるって、こだねがあるとこどもがうまれるのー?」
『───《びしり》』

 停止。
 どう答えたものかと、桂花と俺とで石のように固まった。

「ア、アー……えっと。べつのこと勉強しよう! な!?」
「えー? やだー。わからなくてもがんばってかんがえようっていったの、みつかいさまだもん」
「ギャアア俺の馬鹿ぁああーーーーっ!!」

 ハイ、たとえばここで子供の問いに真っ直ぐに答えるとします。
 すると子供たちは親たちに、自分の知識を自慢するように全てを口にします。
 それを聞いた大人たちの反応やいかに?

「桂花……この私塾、今までよく無事だったな……」
「? どういう意味よ」

 そのまんまの意味ですが。
 なんかもうとんでもないことを教えてる場所として、潰れていても不思議じゃない気がするのです。や、そりゃね、他にも教えることもあるし、教師もその度変わるんだから、潰れるとすればよっぽどのことだろうけどさ。

「みつかいさまー、こだねー」
「こだねおしえてー?」
「子種の意味を知らない子達が、子種子種と…………なんか俺、今自分が汚れているような気がしてならない」
「は? なに? 今頃気づいたの? 自覚のない馬鹿なんて最悪じゃないの」
「元の原因であるお前にだけは言われたくないわ脳内桜花爛漫軍師!」
「私だってあんたにだけは言われたくないわよ全身子種男!」

 結局。
 子種のことは……ヘンにぼかすと親に“こだねってなにー?”とか訊きそうだったので、壮大なストーリーとともに別の喩えで誤魔化しました。
 おしべとめしべ的なもので。
 うん、植物の話なら安心だ! 最初からこうすればよか───

「みつかいのにーちゃーん。なんで“しょくぶつ”のはなしなのに、さっきはおとこがうまれるーとかいってたんだー?」

 ───ちっとも安心出来ないよ!
 なんかもうやだ! 逃げていいかな! 俺もう旅に出ていいかなぁ!

「け、桂花サン。僕用事思い出したカラこれで《がしぃ!》離してぇええっ!!」
「ふざけるんじゃないわよ! こんな状況残して自分だけ逃げようったってそうはいかないわよ!?」
「ほぼ自業自得だろ!? 元からそっち方面のことばっか教えてなければこんなことにはならなかったろ!?」
「あんたが産まれるだのなんだの言うからでしょ!?」
「み、みつかいさまもぶんじゃくさまも、けんか、めーなのー!」
「ほっとけって。うちのとうちゃんもかあちゃんもこんなふうにいいあってるけど、さいごはちゅーしてなかなおりするんだぜー?」
「えー!? ちゅーするのー!?」
「なっ……!? し、しな《がぼっ》ふぐっ!?」
「こほんっ! ……ええっと、桂花? こういう時に勢い任せで子供に怒鳴るのはよろしくないぞー」

 話の流れからして、そうなりそうだったから咄嗟に桂花の口を塞ぐ。……手でだ。ああもちろん手だとも。

「はぁ……こういうのも予想して動けるあたり、それだけ苦労してるってこ《ゴリッ》痛ァーーーッ!!?」

 噛まれた。
 しかも噛んでおきながら、ぺっぺって唾吐くみたいなことしてる!
 室内だからさすがに本気で唾吐いたりはしてないけど!

「急に触るんじゃないわよ! 妊娠したらどうしてくれるのよ!」
「だから手で触れただけで妊娠なんかするかぁっ!! お前の中じゃ俺は何処まで全身白濁液男なんだよ!」
「………」
「じと目で沈黙とかやめよう!? “本気で解らないの?”みたいな態度やめてくれほんと!」

 むしろ解ってたまるか! 触れただけで妊娠なんて無理だからね!?
 というかだ。
 そもそも華琳からの罰で妊娠しなさいとか言われているんだから……って、そういう問題でもないよな、こういうのって。
 だから、俺からすれば“ごめん”を何度だって言いたい気分だ。

(あー……)

 確かに罰ではあった。注意を聞かずに落とし穴を作り続けた桂花が悪い。
 でもなぁ、嫌いな人の子供を身籠るって、女性としてはとてもとても辛いことだろう。
 いつもの調子でこんなやり取りをしてはいるものの、時々沈黙しながら俺を見る桂花のことだ、俺がそういった……その、申し訳なさを抱いていることなんて、とっくに気づいているだろう。
 その上で散々と馬鹿白濁だの粘液だのを言えるあたり、もうなんというかさすが桂花としか言いようが無い。まあ、相手のことが嫌いなら言えて当然か。

「はぁ」

 溜め息ひとつ。
 なんだかんだと授業を進めて、「今日はここまで」を伝えたあとは、どっと疲れが出てくる。ええ、もちろん精神的なものでございます。
 しかも終わるや子供たちに囲まれて、「にーちゃんあそぼー!」とか誘われる始末で。いや、始末って言い方だと悪いことみたいだな。誘われるのは嬉しいが、出来ればそういうことは丕とかにこそしてほしい。この子たちとは年齢離れてるけど、たぶん喜んでくれると思うのだ。……子桓さまって呼ばなきゃ、だけど。

「ごめんな、これから城に戻って別の仕事が……あるけど、昼餉を急いで食えばなんとか遊べる! ようし子供たち! 急いで遊ぶぞ!」
「さっすがにーちゃん! はなしわっかるーぅ!」
「ほかのしょーさまって、いそがしーから、ばっかだもんなー!」
「や、忙しいのは事実なんだから、そういうこと言っちゃだめだぞ? って、言ってる暇があったら遊ぶぞ! それで、なにで遊びたい?」
『にーちゃーん!』
「いつから遊び道具になったんだ俺は」

 男女問わずの、子供たちからの笑顔の返答に真剣な顔でツッコんだ。
 授業中は出来る限り御遣い様で通すようにって言ってはあるけど……や、先生って呼んでくれっていっても聞いてくれないんだ。だから御遣いさま。なんでか様付けには軽く同意してくれたんだ。子供って結構、“様”とかつく呼び方って好きだよね。
 でも授業が終わればにーちゃん。
 丕も、こんなノリで子桓さま呼ばわりされても体当たりしていけば……もっといろいろ違ったのかもしれないなぁ。そういうことを教えてやれなかったかつての自分が情けない。

「ねーねーにーちゃんにーちゃん、おはなししてー?」
「え? 遊びはいいのか?」
「あそびながらー!」
「難度高いなおい! あ、あー……よし、解った。無理だと思うよりやってみよう精神だ。で、どんなお話がいいのかなー……?」
「まえにぶんじゃくさまがいってた、おしろにいるおばけのおはなしー!」
「お化け? へぇ、桂花が怪談話なんて珍しいな」

 ちらりと桂花を見る……と、なにやら教材を慌しく整頓、それを手に私塾を出て行くところで───

「わたししってるよー? おしろには、さわると、えーと、にんしんする、まっしろなおばけがいるって」
「けぇえええええいふぁぁああああーーーーーーーっ!!!」

 ───その後を追いながら絶叫。
 俺の服を引っ張っていた子供たちを腕に抱え、罵倒をこぼしながら逃げる軍師さまを追った。

「わー! はやいはやいー!」
「すっげー! にーちゃん、あしはえー!」
「すごいすごい! ひといっぱいなのに、ぜんぜんぶつからないー!」

 ……本日も良い天気。
 涼しくなってきた空の下、日差しに負けない温かさを持つ賑わいの中、軍師と御遣いが賑わいに相応しくないことを言い合いながら駆けていたという事実が覇王さまのもとへと届き、二人して罰を受けることになるのは……もう少しあとのことでした。




ネタ曝しです。 *今日は休みなさい 「駄目よ、7時半に空手の稽古があるの。付き合えないわ」 「今日は休め」  コマンドーより、筋肉式会話術。  デェェェェェンや筋肉モリモリマッチョマンの変態もコマンドーより。 *問う者よ! この世界の危機を救う術を、俺は探しに行く!  京洛れぎおんより、エスケープの言い訳。  もっと続き見たかったなぁ。  浅野りんさんが描く漫画の恋するキャラは、見ていて飽きませぬ。  そして浅野りんさんの漫画は、いっつも“これからだ!”ってところで終わる。  CHOKOビーストもPON!とキマイラも天外レトロジカルも京洛れぎおんも、もっと続き見たかった……。  パンゲアは某騒動のさなか、最後まで見ないままになったけど……最後はどうなったんだろう。  ガンガンは浪漫倶楽部が大好きでした。Z-MANとかもあったなぁ。MORIMOTOのFUUUMは無駄にネタとして使ったものです。  ガンガンといえば、ガンガンのCMに出ていたあの少年は今なにをやっているのだろう。  「魔法陣〜! グルグル〜! うふっ!?」  「ドラクエ! ロトの紋章!」  「ハーメルンの、バイオリン弾きィ」  ……そっとしておこう。  143話をお送りします、凍傷です。  いやー……大変遅くなりました。  これだけ時間がかかって一話です。  理由としましては、  1:風邪  2:部分骨折  3:年末年始の忙しさ  4:謎の嘔吐、下痢、高熱状態……胃腸炎? ノロウィルス?  などなどによるモチベーションのダウンにございます。  壊れるのではと心配したPCは、今も元気に動いております。  なのにこう、手が動かない状態で。  次はもっと早く更新出来るよう、頑張ります。  そろそろ物語内の時間が飛びますが、その前に大事なことがございます。  内容が内容なので、おまけ扱いで済ませようと思ったのですが……一応ラストにも関わるお話なので、やらなきゃまずい。  やらなくてもなんとかなる……にはなるけど、多少の説得力と、アレがなぁ……と悩んでおります。  しかし用済みになったらすぐにアレというのも、あまりに報われない。いや、コメディチックでむしろいいとは思うのですが。悩みどころです。  ……やって後悔しますか。うん。  そんなわけで、これから少しだけ「あいやー……」な話になるかもです。  別にオリジナルキャラが出しゃばってお話を滅茶苦茶にするーとかそんなことはございませんが、引っかかる人は引っかかるかと思います。  他の人がどうなのかは解りませんが、凍傷は二次創作オリ主モノは、オリキャラは一人がいいって人です。キャラ覚えるの苦手なので……。  そんなわけでこれから書くことは……確かに構想としてはラストには繋がるものの、別に出さなくても平気、むしろ出してすぐ引っ込む一発キャラ扱いはあんまりでは? なお話。  ……おまけでいきましょう。やっぱりおまけがいい。  可能性の問題として、こういうことが出来るのでは程度の情報を受け取ってもらえたら、それで十分だと判断します。  むしろ考えれば考えるほど、確かにコメディチックではあるけど扱いがひどい気が。  なのでおまけとして書いて、本編に組み込むかは……少し考えてからにします。  幸いにも割り込み投稿なるものもあるわけですし。  さて、今回のお話は桂花さん物語。  ツン10割って扱いにくい。  華琳が嫌なお子になってしまっていないかを考えながら書いて、何度か見直しているうちにやっぱりこの時代って怖いなぁと改めて思いました。  しかし桂花さん……初めてがあんな形だったのに、よくもまあ一刀とは普通に話せるもので……えと、ツンは10割でも心の中ではそうでもないって、そんな感じなのでしょうか。  ツンって難しい。  ではまた次回で。  あ、それと。  おまけのつもりで書いていた話が異常に膨らみすぎました。  なので普通に投稿というかたちになります。  後書きに載せられる容量じゃないよこれ……。  さらに戦国恋姫の情報があるまで一刀くんの妹の存在をスコーンと忘れていた凍傷ですが、こちらではきちんと居ることになっております。  いつか全部見直しして、そこのところを修正できたらなぁと思っております。  いえほんと……本気の本気でかずピーの妹の存在を忘れておりました。  そんなわけでおまけを……といいたいところですが、編集がまだ終わってません……。  三話と書きかけ6千文字のがありますので、もうちょっとお待ちを……あまり寝てなくて、もう限界……。  人間、一時間半程度でもいけるもんだな……とか思ってたらずっしりきました。  しかし仕事中によく来ないでくれた。もう少し頑張ろう。 Next Top Back