133/これは、夢だ。いわば人類が無意識の中に作り出す思考の海。

 朝が来た。
 明けない夜などないと言われるように、朝が来た。
 え? 常闇の町とかはどうなるんだって? はっはっは、あれは常に闇に覆われているだけであって、朝はちゃんと来てるんだよ? 闇であって夜じゃないし。
 と、無駄なことを考えながら思考を回転させてゆく。
 眠っていた思考が完全に覚醒する時、俺は───

「OH……」

 自分自身で思考を停止させた。
 しかし考えないわけにもいかないので、現状を知る努力をする。
 えーと、中庭です。
 みんな燥いでます。
 みんなってのは、文字通りみんなです。同盟のみなさまです。

「お祭りじゃああんまり歌えなかったから、歌っちゃいまーーーすっ!」
「あ、一刀起きたー!? じゃあお目覚めの歌を聞かせるから、ちゃーんと起きなさいよねー!」
「ちぃ姉さん、それは少し言い回しがおかしいわ……」
「ど、どうだっていいわよ! 歌えれば! 大体、歌唱大会の案はちぃたちが出したのに、出れないってどういうことよ! そりゃあちぃたちが上手すぎて勝負にならないのは解るけどさぁ!」
「大会のあとに、私たちも混ぜた大会もしたでしょ。約束通り、三国連合の中、一刀さんが用意した舞台で」
「最初から歌いたかったって言ってるの! まあいいや、とりあえず聞きなさーーーい!」

 東屋で歌を歌い始める数え役萬☆姉妹。
 それを見て燥ぐ蒲公英に鈴々、美以やミケトラシャム、そして張り合う美羽と七乃。
 …………さて。

「……俺、昨日ちゃんと自分の部屋で寝たよな?」

 いったいどうしてここで起きるんだろうな、俺は。
 しかもしっかりフランチェスカの制服着てる。シャツで寝たはずなのに……何故?
 ちらりと視線を動かすと、なにやら物凄い勢いで視線を首ごと逸らすお方が二人。
 ……月と詠だった───って、え? なんで?

(……深く考えたらいけない気がする)

 蜀でも風邪引いた時に世話になったし、今さら……と考えないと辛い。
 よし。服のことはこの際どうでもヨロシ。よくないけどヨロシ。
 で、俺がここに居る理由───

「おおっ! ようやく起きたか北郷!」

 ───を、考えたところで、俺に気づいて近付いてくるのは春蘭。
 ハテ、ようやくもなにも、まだ結構早い時間だと思うんだが……空気的に。

「春蘭、どうして俺、こんなところで寝てたんだ? 昨日はしっかりと部屋で寝た筈なんだけど」
「ああ、私が連れてきた」
「へー……ホワイ!?」

 連れて……なんで!?
 そんな気持ちを、口ほどにものを言う目に籠めて見つめていると、春蘭はいつも通りに腰に手を当てニヤリと笑った。

「貴様がなかなか起きんから貴様抜きでやろうと言ったんだが、他のやつらがそれはだめだと言うから私が連れて来た」
「あのすみません全然なんにも解りません」
「なにぃ!? なぜだ!」
「なぜだもなにも、なにをやろうとしたんだよ!」
「宴だ!」
「宴!? 昨日の今日で!?」
「? なにを言っているんだ。昨日のは祭りで、今日のは宴だろう。馬鹿か貴様は」
「《ざぐしゃあ!》ゲブゥ!」

 胸に巨槍が突き刺さる思いだった。
 まさか……まさか春蘭に正面切って馬鹿呼ばわりされるとは……! しかもフフンと鼻で笑われながら……! …………うん、でもなんでか受け入れてみるとやさしい気持ちになれた。なんだろう、この暖かな感情。いや、別に馬鹿って呼ばれて喜んでるわけじゃなくてね?
 というか、まあ。春蘭に馬鹿って言われても嫌味とかそういうのは感じないからな。
 自分が天才だーなんて自負してるわけでもなし、桂花なら絶対に怒りそうだけど、俺はむしろ苦笑に繋がる。

「……あのさ、宴って、どうして?」
「知らん。宴があるなら騒げばいいだろう」
「…………そりゃそうだ」

 うん。
 まあ疑問は残るけど、恐らくあれだ、ほら、えーと……そう、みんなが帰る日も近いから、お祭り騒ぎとかじゃなくて内輪で騒ぎましょうって話だろう。
 でも、だからって寝てる人を着替えさせた上で連れてきて、しかも連れて来ておいて起こしもしないで始めるなんて……。べつに俺、部屋で寝てても良かったんじゃないか……。

「……ところで春蘭」
「なんだ?」
「…………俺の腕、何故か感覚が無いんだけど。なんで?」
「ああ。連れて来る最中に腕が壁に激突してな。華佗が鍼を刺した」
「寝てる人に対してなにやってるの!? え!? 激突!? せっかく落ち着いてきた腕に対してなんてことを!」

 しかも大雑把すぎてどんな感じに激突したのかが解らない!
 でも激突! 激突ってだけで衝撃が異常なのはよく解る! だって春蘭だもん!
 大方首根っこ掴んで“ふはははは!”とか笑いながら走って、曲がり角でも止まることなく走って、遠心力で振り回された俺がドカバキギャアアアってことに……!! ていうか痛い! なんか想像したら体のあちこちが痛くなってきた!

「春蘭……一応俺、怪我人なんだから……」
「骨の“ひび”くらいがなんだ! そんなものは怪我のうちに入らん!」
「入るだろ! これが怪我じゃなかったらなにが怪我!?」
「血が出ていないのに怪我なものか」
「………」
「?」

 思いを言葉に出来なくなると、春蘭が黙った俺の前で疑問符を浮かべていた。
 いや、確かに血が出てないと、見た目だけじゃ怪我だなんて解らないけどさ。それにしたってあんまりすぎるだろ……。

「よく解らんがこんなものをつけているから怪我がどうのと言われるんだ。取れ!」
「へっ!? え、や、ちょ、なにをするだァーーーーッ!!」

 腕の包帯が取られてゆく!
 さすがにそれはまずいだろと抵抗するが、その右腕を逆に掴まれてしまい、捻り上げられ───

「がああああ!!」

 アームロックの完成である。
 いや、ただ抵抗した先でそうなっただけなのだが。
 ていうか春蘭絶対にこれがどういうものか解ってない! 痛い痛いってちょ、離して痛い本気で痛い!!

「痛っイイ! お……折れるう〜〜〜」

 お約束として根性で言ってみたが、冗談抜きで痛い!
 しかもこんな状態でもまだ包帯取ろうとしてらっしゃるよこの人!

「そら取れたぞっ。見ろ、どこにも傷などないではないかっ」
「あってたまるかぁ!! 危うくべつのところがボグッと折れるところだよ!」

 包帯が取れるや解放してもらえたものの、ズキズキと痛む。
 うう、やっぱり包帯だろうとなんだろうと、多少の固定って大事なんだなぁ……しみじみ感じてるよ。
 無意識に華佗が居ないかを探してしまうあたり、医者って偉大だなぁと本気で思う。
 こりゃあ本格的に、華佗に医療を教わったほうがいいかも。
 一緒に人々を癒すって話、早い内に飲もうかな。
 ともかく応急処置として、氣でヒビの部分を覆って固定。
 集中しておかないといけないから疲れるんだけどな……いや、これも鍛錬だと思えば少しはマシ……だといいなぁ。

「動くか?」
「まあ……多少は」

 痛すぎるから動かしたくもないが。
 しかし今は氣で覆ってるから、腕を一本の氣の塊として扱えば……こう!《バッ!》

「ッ…………………………? おお! 痛くない!」

 これはいい! 曲げたり出来ないけど触れる!
 ちなみに曲げると《ミシズキィーーーーン!!》ウギャアアアーーーーーッ!!!!

「なんだ北郷、急にうねうねと蠢き出して。天の踊りか?」
「ノタウチマワル馬鹿トイウ踊リデス……!!《ズキキキキキキ……!!》」

 涙無しでは語れない自業自得がここにある。

「そんな踊りなど後だ後っ! 腕は無事だな? どうだ」

 ヒュッと拳が振るわれる。
 俺は痛みに苦しむ中でもそれを冷静に見つめ、パシィと格好よく手で受け止めてみせ《パグシャア!》

「あ」

 ……殴られた。
 いや、うん、まあ。
 普通に考えれば、人の拳を手で受け止めるなんて無茶なわけで。
 最近イメージしたことが多少上手くいってたからって調子に乗ってました、すいません。
 グラップラーな格闘漫画の空手を終わらせてしまった男ヨロシク、喧嘩師の拳ごと自分の手の甲が鼻を強打し、悶絶。前略おじいさま。とても痛いです。

「いぢぢぢぢ……! あ、あのなぁ春蘭……! 人を勝手に連れ出しておいて、これはあんまりだろ……!」
「む、むうっ……! いや、しかしだな………………うぅ……すまん」

 じぃいいっ……と見つめていると、とうとうしゅんとなって謝る春蘭。
 少し意外だったものの……ほのかに香った香りのお陰で、彼女が多少酔っていることを知る。この無駄に高いテンションは酒の所為か。

「だがな、戦人があれしきを受け止められんでどうするか」
「や……あんなの漫画やアニメの世界だけの話だって。普通、受け止める余裕があれば躱すだろ。そもそも両手で受け止めるならまだしも、体重が乗った拳を片手で受け止めきるとか無理だよ」
「…………!」
「いやそんな、呼ばれるのを待ってる犬みたいにいい顔で胸張られてもさ」

 そりゃあ春蘭なら……むしろこの世界の武将なら全員やってのけそうだけどさ。
 パンチングマシーンとかで160kg出したとして、その重さを片手一本でだぞ? 野球とかと違ってキャッチャーミットとかグローブも無しで、止まれば重さも無くなるボールとは違って、全体重乗せた拳なら重さは後にも続くわけだ。……うん、少なくとも俺なら無理だ。
 相手の拳が伸びきる前で、こちらは掴むための手を伸ばしきって固定した状態。そんなところを殴ってくれたなら……まあ、まだやれそうな気もする。それ以外じゃ無理だ。

「殴ってみろ」
「へ?」
「私を殴ってみろ。貴様の攻撃くらい軽く止めてやろう」

 ふふんと赤い顔のままに腰に手を当てて仰る春蘭さん。
 ……え? 殴れって言われた?

「エ、エート。ご加減はいかほどで……」
「無論本気だ!」
「言うと思ったよもう!」

 そりゃ止めるだろう。春蘭のことだから、人差し指とかでビッシィと俺の拳を止めてみせることもできるかもしれない。その場合、春蘭の指が突き指になるか俺の拳に穴が空きそうな気がする。普通に考えればピタリと止まるとか無いって。

(その際には是非とも“八葉六式……”と呟いてほしいようなそうでないような)

 けれども殴るなんて無理なので、とりあえず逃げ《がしぃ!》こっちも無理でした。

「無茶言うなって! 俺に、受け止められるって解ってても春蘭のこと殴れってのか!?」
「そうだが?」
「ひ、人の苦心を真顔で!!」

 本当になんでもないって顔できょとんとされた。
 しかもさっさとやれさっさとやれと急かしてきて……あぁあもう!

「よし解った! 歯ぁ食い縛れ春蘭!」
「ふはははは! 殴られるわけでもないのに歯を食い縛る必要がどこにある!」
「じゃあ絶対に止めてくれよ!? 絶対だぞ!?」
「ふんっ、言われるまでもないっ」

 どこか上機嫌でふふんと笑う春蘭が構える。
 俺はそれを確認してから───勇気ある逃走!《がしぃ!》……だめでした。

「貴様ぁ! 何処へいくつもりだ!」
「イ、イエアノ、シュシュシュ春蘭サンニ本気ヲ受ケ止メテモラウタメ、助走ヲ……」
「…………おお! なるほど!」

 通じた!? めちゃくちゃ苦しい言い訳だったのに通じた!
 ゴッドは、神は目の前に居た!

「ならば好きなだけ助走しろっ! 貴様の拳など、どれだけ強くなろうと片手で受け止めてやる!」
「謝謝!!《ダッ!》」

 俺は逃げた。
 地を蹴り、自由の道を駆け始めた。
 後で捕まれば終わり? 否である! それまでにこの北郷めは数え切れぬ言い訳を用意しませう! 日々をサボりで通したこの俺に、潜り抜けられぬ困難など《がしぃ!》……ありました。秋蘭が僕の襟を捕らえて離さない。

「北郷。助走ならばここらにしておくといい」
「……後生だからほっといてくれると……」
「うむ。だめだ」

 やっぱり……だめだったよ。
 観念して春蘭の前に歩いていった。

「えーと……病人なのでやっぱり助走は無しの方向で頼む」
「? そうか。まあどうでもいいからさっさと拳を振るえっ」

 どうしてこの大剣さまは、自分を殴れという言葉をここまでうきうき気分で言えるのか。
 ちらりと横を見てみれば、旨の下で腕を組み、目を伏せて笑っている秋蘭。
 うん、逃げ道、ないや。

「よよよよーーしいくぞーー!」
「ふははははっ、来いぃっ!」

 ならばもうどうにでもなれ!
 振りかぶったテレフォンパンチを春蘭目掛けて突き出す。
 春蘭はやはりふふんと笑ったままで、突き出されたそれを片手でぱしんっと受け止めてみせた。楽々と。
 うん……解っちゃいたけど何気にショックだった。
 解っちゃいたけど女性に拳を受け止められるのって……剣とか腕力で負けるよりもなんというかこう、ショックがデカかった。
 当然のことなんだ。この時代のおなごに拳を受け止められるのなんて当然のことなのに、大地に四肢を落として項垂れないだけの心が、この時の俺には用意し切れていなかった。

「? どうした? 北郷」

 両手両膝をドシャアと地面に落とし、がっくりと項垂れる俺へと……やはりきょとんとした声がかけられた。秋蘭なんかは「言ってやるな、姉者……」と言ってくれるが、そもそも引き止めたのはあなたなのですが……。
 い、いや、でも氣を纏った拳を受け止められたわけじゃないし!? まままままだカケラくらいの心は残ってるよ!? 筋力が育たないからしょうがないじゃないか! その分、氣を鍛えてるんだから、きききき氣を纏ってれば───いや無理、やっぱり無理! もし受け止められたら立ち直れない!

「じゃ、じゃあ俺はこれで《がしぃ!》助けてぇえええええっ!!!」
「なにをわけの解らんことを言っているんだ? まあそれよりも次だっ。氣を乗せた拳を打ってこいっ」
「い、いやぁああああーーーーーーーっ!!!」

 襟首をムンズと掴まれて逃げることを封じられた俺に、赤い大剣さまが無慈悲を下す!
 暴れてみせるがどうしようもなくて………………のちに俺は、中庭の隅でT−SUWARIをして落ち込むことになった。

……。

 宴は普通に進行している。
 むしろみんながみんな好き勝手に飲めや歌えや騒げや踊れをしているのだから、進行もなにもないのだろう。
 そんな中で───

「ツーヨイーッテナンダロー……♪」

 俺はまだT−SUWARIをして落ち込んでいた。
 どことも知れぬ虚空を見上げ、適当に作った強さへの疑問の歌を口ずさんで、時々ホロリと涙を流す。
 いや……いやね? もうね? 完ッ璧に砕かれた。
 鍛錬しながら夢にまで見ていた妥当雪蓮を果たし、表面上は冷静でも心の中はウッヒャッホォゥイと喜んでいたであろう心が、ゴシャリメシャリと砕かれた。
 拳を受け止め損ねた時だけでは軽くしか崩れていなかったそれは、氣を籠めた拳を受け止められ、素早く振るったそれさえ受け止められ、なにをやっても受け止められ、最後の一粒まで微塵に砕けた。

「………」

 ならばどうします? ならば強くなろう!
 長くなるであろうこの世界の下、目標が増えるのは望むところ!
 むしろあれだけ強い人が近くに居るのは嬉しいことじゃないか!
 そう考えないと立てそうにないのでそのー……そっとしておいてください。

「ま、まあ天狗になった鼻なんて微塵に砕けるくらいが丁度いいよなっ! 自分っ!」

 言い聞かせてみた。……心の中が泣いた。
 そうだよなぁ……他に将に追いつけるようなものが無かった俺なのに、ようやく勝てたと思えばこれだもん。折られた鼻と一緒に心まで折れそうな気分だ。
 しかし挫けない。やることはまだまだあるんだし、やれることも増えるさ。

「よ、よーしよしよし! 大丈夫! まだ頑張れるぞ、俺!」

 どうでもいいけど独り言をぶつぶつ言ってる所為で、無駄に視線を集めてる。
 主に桂花の見下した眼差しとか桂花の汚物を見る目とか桂花の───

「あの……なんで居るンスカ、桂花さん……」
「べつに? 私はただ、天狗になっていたところを打ちのめされた哀れな猿を見に来ただけよ」
「そこはほっといてやろう!?」
「いやよ。なんで私があんたなんかの願いを聞いてやらなきゃならないのよ」
「願い云々より人として当然だと思うんですが!?」

 そう言ってみると、意外にも桂花はとてもやさしい顔をしてみせた。
 ふわりとやわらかな笑顔……華琳の前でならよく見せるが、俺になんてまず見せない笑顔をしてくれたのだ。

「じゃあいいじゃない。私にとってあんたなんて人ですらないし。ただの男って名前の種族でしょ」
「そんなこったろうと思ったよちくしょォオオ!!」

 まあ予想できる範囲だった。だって桂花だもんなぁ。
 けどまあ、叫ぶだけ叫んだら少し落ち着いた。
 そうだよなぁ、俺が負けるのなんて茶飯事的なことだもん。
 これからはその数を減らす努力をしていけばいいんだし、負けるのが当然としてあるのなら、まだ肩の力を抜けるってもんだ。

「はぁ……今は諦めて、宴を楽しむか」
「あぁ北郷? あなたの席なんてないから」
「人をいじめるのも大概にしよう!?」

 本気で泣きそうになる俺を見てうっとりしてらっしゃるよ! この軍師さま!
 こんな時くらやさしい言葉をかけてくれてもいいのに!
 ともかく中庭の隅から離れると、宴の中へと突っ込んでゆく。
 するとどうだろう……! 国の境もなく、みんながみんな俺を迎えてくれて……!

「おう、よく来たのぉ北郷」
「あら、丁度良いところに」
「丁度もう一人欲しいと思うておったところだ」

 突っ込む場所間違えたァアアアーーーーーッ!!!
 よりにもよって! よりにもよって祭さん、紫苑、桔梗が酒盛りをしているところに突っ込んでしまうなんて!!

「イヤアノチョット僕用事ガ《がしぃ!》助けてぇええええっ!!」

 そして例によって捕まった。
 俺はそのまま三人にこっちゃこ〜いこっちゃこ〜いと導かれ、伸びてくる六本の腕に抵抗すら出来ないままに酒漬けにされて───!





134/それぞれの覇道へ

 ………………目が覚めた。

「………」

 辺りを見てみると、自分の部屋。
 隣ではすいよすいよと美羽が寝ていて、そういえば即興話をしている途中で寝てしまったことを思い出した。

「…………夢かぁああ……」

 思わず、だはぁあああと溜め息が出た。
 むしろ出ないほうがおかしいだろってくらいの安堵から。
 ……うん、これは警告だな。調子には乗らないようにしよう。
 “勝てたからなんだ”ってくらいに考えて、もっと自分を高めよう。
 俺は弱い、俺は弱い……だからもっと自分を磨かなくちゃいけないんだ。
 そう何度も自分に言い聞かせて、自己催眠にも似た覚悟をノックとともに胸に刻む。

「ん、よしっ」

 それが終わればパンッと両の頬を叩いて寝台から降りる。
 窓を開ければ気持ちのいい朝の空気が部屋の中に入りこんで、心を穏やかにしてくれた。
 次に言う言葉を頭の中で決定させると苦笑が漏れたが、それでも構わず口にする。
 今日も頑張るか。
 その言葉は、朝の空気に飲まれて消えるが、俺のやる気に種火をつけるくらいには役に立ってくれた。

「美羽〜、起きろ〜、朝だぞ〜」

 向き直り、てこてこと歩いて寝台の傍へ。
 そこに手をついて美羽を揺すると、「むにゃうぅう」と妙な声が漏れた。
 苦笑をもらしながら、少し出ている涎をハンケチーフで拭うと、もう一度改めて揺する。……のだが、起きない。というか、嫌味ったらしいくらいに寝息が丁寧だ。こりゃ起きてる。

「………」

 …………。

「それはある夜のことだった。一人の少女がふと目を覚ますと辺りは暗闇に包まれており、右か左かも解らぬほどの黒に覆われたそこでは奇妙な音がミシミシと……」
「ひやぅわぁああーーーーーっ!!」

 起きた。

「ぬぬぬ主様!? なぜじゃ!? なぜそのような怖い話をするのじゃー!」
「HAHAHAHA、なにを言うか嘘寝少女さん。今のはただ月のない夜のお話をしただけだぞ? ミシミシ鳴ってたのだって風が吹いてただけだし。最初に言っただろー? あるの夜のことだったー、って」
「それにしても他に言い方というものがあるであろ!?」
「言い方……その夜は暗かった」
「おお! それはとても解り易いのじゃ!」

 それでいいのか。…………いいな、うん。

「よしっ、それじゃあ今日も元気に行くかっ」
「うむっ、たいそーからじゃなっ」

 二人して朝から体操。
 体が温まると厨房へ行き、水をもらって一息。
 今日は気力充実のオフ日ということで、みんなも仕事は無しで休んでいるはずだ。
 そういう時こそ騒ぎを起こす輩が居るから、休みながらも目を光らせている人の方が多いのだろう。もちろん俺も注意はしているものの、気配を尖らせすぎても意味がないので、柔らかく柔らかく。

「それで主様、これからなにをするのじゃ?」

 これからどうするかを今正に考えていた俺の服を、くいくいと引っ張りながら言う。
 そんな美羽の頭をぽふぽふと撫でつつ、さてどうするかとこちらも思案。
 あんな大会のあとってこともあり、休みたいのは確かなんだが……悲しいことに、体を苛め続けることにも慣れつつある自分が居る。つまりはべつに休まなくても行動が可能です。

「軽く現実逃避したいところなんだけどなー……よし、出かけるか」
「乳を搾りにゆくのかの?」
「いや。のんびりと散歩」

 きちんと自覚してからの顔合わせも含めて。
 え、えーと、遠慮なく……分け隔てなく、だっけ?
 呉のみんなや蜀のみんなには、魏のみんなへ向ける感情を以って接する……だったよな。
 難しいこと願ってくれたよなぁ、本当に。
 けど、覚悟を決めたからにはある意味吹っ切っていくべきだろう。
 俺はみんなのもの。俺は国の支柱。俺は……同盟の中心に立つ柱。
 俺らしく〜……俺らしく〜………………ん、よ、よし、たぶんきっとおそらくは大丈夫。

「よぅし行くぞ美羽ー!」
「お、おおっ? なにやら今日の主様は元気じゃの。まあよいのじゃうははははー!」
「うははははー!」

 ヤケになった人はある意味で強いと思う。
 そのヤケをきっちり受け止めた人はもっと強い。
 ならばそのヤケ、飲み込んでくれようぞ! 難しいことを考えなきゃいけないのはこれからだ! だったらその“これから”になる前や、その隙間に存在するであろう休憩の時くらいはせめて楽しいことを考えようじゃないか! ヤケだっていいじゃない! そうじゃないとなんかもういろいろ大変そう!
 なので美羽を抱え上げて肩車セットOK! 片腕だけで肩車するのは大変だったが、なんとか出来た!
 扉の前ではきちんと身を縮めることを教えて聞かせ、遠慮も無しに走った。
 さあゆこう、これから続く苦労と笑顔のその先へ……!
 俺達の戦いは───始まったばかりだ……!

……。

 そんなわけで捕まった。
 うん、始まったばかりなら、そうそうぶらぶら歩いてられるわけもなかったのだ。

「………」
「………」

 捕まったというか、遭遇した、というべきか。
 部屋を出た先には思春が居た。
 長い髪をストレートのままに、庶人服のままの姿で。
 なにか用があったのだろうが、急に出てきた俺に少なからず驚いたようで、無言のままに呆然としていた。……ぬう、珍しい表情であります。じゃなくて。

「あれ? 思春? えと、なにか用事か?」

 言いつつも頭の中で、思春がここに来る理由を捜してみる。
 なにかないだろうか。
 庶人扱いなのだから、好き勝手に城の中での行動が出来るというわけでもないだろうし……じゃああれか、華琳に何か言われたのか。
 などと思っていると、思春が仰った。

「こほん…………《キリッ》華琳様からの命だ。本日より再び、貴様の傍へつけと言われた。当然、貴様が都へ行くことになれば私も行くことになるだろうが───」
「……えっと? なるだろうが? つか、え? また俺の傍に?」

 急なことに戸惑うが、思春は俺の戸惑いなど知らんとばかりに話を続ける。

「貴様が断るのならそれはそれで構わん。その場合は好きにしろと言われている。もっとも、呉に行くことだけは許されてはいないが……ようするに“私の先”は貴様の決定で決まるということだ。好きにしろ」

 好きにしろって…………えと、なに? なにこの状況。
 好きにしろ? 好きに………………いやいやそういうアハンでイヤンな方向じゃなくて。
 ここでそっちに走ったらむしろ罠が張られていると知りなさい。俺は知ってる。
 華琳に言われて俺のところに来る。しかも本日づけでまた俺の護衛みたいなものになってくれるという。……もしかして俺が妙な行動に出ないようにって監視的な意味を込めて? だとしたらちょっと嬉しい……とかそんなことは忘れるとして。
 つまりこれって、俺が“一緒に来てくれ”って言ったら来てくれるってことか?
 それとも───

(よいところに来た。おぬしの武、我が前で存分に振るうがいい)
(も、孟徳さん!)

 孟徳さんがまた妙なことを仰られた!
 我が前で? 我が前───ああ!

「えと、気に入らなかったら断ってくれ。まだ出来てもいない場所だけど、都は───甘興覇殿を武官として受け入れたい。……応じて、くれますか?」

 なんとなくピコーンと頭に浮かんだことを言ってみた。
 するとどうだろう。俺が差し出した手に、珍しくびくりと肩を弾かせ、手と俺の顔とを何度も見比べてきた。
 ……アレ? もしかして違った? 孟徳さん!? なんか違ったみたいですが!? と、脳内孟徳さんにツッコミを入れた途端、思春が動きを見せた。

「〜〜〜〜……きっ───」
「へ? あ……き、き?」
「貴様が……支柱に見合わぬと思えば、即座にその首を掻っ切る───それが条件だ」

 口早にそう言うと、拒否は許さんとばかりに俺の手が握られた。
 視線はそっぽを向いたまま。
 しかし俺が手をきゅっと握ると、ゆっくりとだがこちらを向いて……視線を合わせた。

「よろしく、思春。なんだかんだで長い付き合いだから、一緒に居てくれて嬉しいよ」
「なっ!?」

 思春がビシィと固まる。
 ホワイ何故? あれ? 俺、魏のみんなと同じ態度で接してられてるよな?
 ……うん、言った言葉を振り返ってみてもおかしなところは無しだ。
 完全に魏のみんなに向ける感情、言葉で話せているはず。
 じゃあなにがいけないのか? ……………………相手がいけないに決まってますよね!?
 いやいや嬉しいのは確かだぞ!? 言葉に好意を乗せて喋ったのはまずかったけど!
 長い付き合いなのも確かだよな!? 聞き間違えると“傍に居てくれ”って言ってるみたいだけど! ギャアやばい今さら恥ずかしい! 命令ってこともあって自分にいろいろと刻んでたのがまずかった! なにも好意まで向けることなかったんじゃないか!? あぁあああでも隔てなくそうしろって言われてるんだからこうしないとダメだしああでもそれでもギャアアアアアアア!!!!

「おぉおお!? どどどどうしたのじゃ主様! 危ないであろ!」

 急に頭をぶんぶん振り出した俺に、今も肩車中の美羽がしがみついて驚いている。
 そうされることで多少は冷静になれたが…………はぁあぅう……俺って……。

「ところで主様? 散歩はよいがどこへ向かうつもりなのじゃ?」
「適当にぶらぶらと……だな。思春、よかったら一緒に───…………あれ?」

 握っていたはずの手に、思春の手の感触がなくなっていた。
 そして目の前にも居ない思春さん。
 …………ホワイ!? イリュージョン!?
 気配を探ってみるも、てんでダメだった。

「…………なんだったんだろ」
「うみゅ? ………………知らんのじゃ」

 そりゃそうだった。

……。

 散歩である。
 適当に歩き、知り合いが居れば声をかける。
 肩車状態であったためか、様々な目で見られたが、べつに気にするほどでもない。
 それどころか途中で美以に背中にしがみつかれ、鈴々に右腕にしがみつかれ、それを見た季衣が怒りつつも左腕に《がしズキィーーーン!!》ウギャアアアアアアアアアアーーーーーッ!!!!
 ……などということもあり、現在は美羽だけを肩車した状態で歩いている。
 激痛による涙なしでは語れない時間だった。

「主様は誰からも挨拶されるの。みな笑顔なのは良いことなのじゃ」
「って、七乃が言ってたのか?」
「うむっ! 時折、“りちてき”な妾を見せることで、主様からの評価がぐんぐん上がると言われたのじゃ! ……上がったかの?」
「ああ。“美羽のは”な」
「おおっ、そうであろそうであろっ♪」

 七乃の評価は下がった。うん、気にしないでGOだ。
 そんなわけで散歩&顔合わせを続けた。
 気持ちを切り替えるのにはいろいろと必要なんだ、ツッコまないでやってくれ。

「ふぅむ……仲良く、皆に話かけられるのは悪くないものじゃの……」
「ん、そうだな」
「…………妾も……そうありたいものじゃの」
「今からでも十分間に合うだろ。少し頑張ってみたらどうだ?」
「うみゅ……そ、そうかの」
「踏み出す一歩が肝心らしいよ。じいちゃんの受け売りだけど」
「祖父殿? 主様の祖父殿ならきっとやさしいのじゃ」
「いやー……どうだろうなー……。まあ、何かをしたいなら、まずは一番難しいことからするのが一番だ、っていうのがじいちゃんの考え方だな。難しいのを終わらせれば、あとの問題なんて無いみたいなもんだって言ってた。そのくせ基礎がどうのと人の頭をぼこぼこと……」

 途中から愚痴がこぼれたが、美羽は俺の頭の上で考え事をしているようだった。
 「一番難しいことから……う、うみゅうぅう……」と、なにやら唸っている。
 ……雪蓮のことでも考えているのだろうか。
 雪蓮に、美羽との仲直りのことについてを聞いてから、美羽の前で雪蓮の話を増やすことを、少しだけ意識した。
 美羽はよく難しい顔をしていたが、それでも話は最後まで聞いた。
 基本はいい子なんだよな。ただ、我が儘放題に育ったってだけで。

「まあ、なにか勢いに乗れる状況が来たら、勢いのままにやってみるのもいいと思うぞ」
「い、勢いか。なるほどの、うむ」

 歩きながらそんなことを話す。頭の中では別のことも考えながら。
 とにかく一度、自分の中のみんなを見る目を変える必要がある。
 華雄が言うように支柱になった途端にみんなを愛する権利が生まれるわけじゃない。
 けど、そういうことも前提に置いた覚悟は、早めに胸に刻んでおいて損はない。もちろんそういうのが必要じゃないと言ってくれるなら───ああいやいや、一方に傾いたらだめだ。そのために会いに行くんじゃないか。
 そんな、自分革命とも思えることを実行するための散歩を続けているのだが……

「おう北郷。曹操から聞いたぞ? ついに三国の父になる覚悟を決めたそうじゃのう」

 と祭さんに背中を叩かれたり、

「璃々にはいつ、新しいお父さんを紹介しましょうか……♪」

 と悪戯っぽい顔で微笑む紫苑に服を直されたり、

「ふふふっ……これで、騒いでばかりのじゃじゃ馬どもも、少しは落ち着くだろうて」

 にんまりと笑う桔梗に酒を飲まされたりと……なんだか奇妙なことになってい───

「あっ、一刀一刀〜♪ 一緒に町まで買い物いかない〜?」

 ───た、締めようとしたところで雪蓮に捕まったり、

「北郷ぉ!! 私と戦えぇっ!!」

 そこへやってきた、金剛爆斧(本物)を片手に仁王立つ華雄さんに勝負を挑まれたり、

「はうわ! かかかっかか一刀しゃん!」

 逃げ出した先で、なにやら怪しげな書物を抱えた朱里と遭遇してしまったり、

「あわっ……!? しゅ、朱里ちゃん……!?」

 逃げてる最中だったので、朱里を抱えて適当な部屋に入ってみれば、そこに雛里が居て、

「ふ、ふおお……!? な、なんなのじゃ!? これはなんなのじゃ主様……!」

 出ていくわけにもいかず、結局は例の書物を見るはめになり、口では言えないようなことを美羽に何度も訊かれて泣きそうになったり……

「なぁ白蓮……散歩ってこんなに辛いものだったっけ……」
「いや、いきなり言われてもな」

 詳しく言えるわけもなく抜け出し、走った先に居た白蓮に声をかけ、遠い目をした。
 逃げる際に美羽を置き去りにしてきてしまったが……くっ、美羽……キミの尊い犠牲は、決して忘れな《がしぃっ!》

「くくく、北郷……見つけたぞぉ……!」

 ……ごめん忘れる。
 あっさりと華雄に捕まった俺は、事情を訊いてくる白蓮に極上のガイアスマイルをプレゼントした。……本気で解らないって顔をされた。

「ふふふ、白蓮? ガイアスマイルっていうのはね? 地下闘技場に現れたガイアが最初に見せた、よく解らないけど何故か極上だった笑顔のことをいうんだ。あの時ガイアが何を思ってスマイルだったのかはきっと誰にも解らないんだろうなぁ…………というわけで助けてぇええええっ!!」

 引きずられてゆく。
 恐怖のあまりによく解らない説明をしてしまった俺に、白蓮が向けてくれたのは儚げな笑顔だけだった。まあその、つまり“がんばれ”ってことらしい。



  支柱、頑張り中───



 やるからには全力ということで、胴着と木刀を装備して華雄とぶつかった。
 左腕には氣を通すことで痛みを我慢し、そう、それこそ全力で。
 下手な小細工を用いれば華雄は納得しないだろうから、それはもう自分が出せる全力でぶつかった。
 振るわれる攻撃を真っ向から受け止め弾き、隙を探しては剛の撃で返す。
 痛みで心が折れかける中でも歯を食い縛って攻撃を続けた結果……

「《ぼごぉ!》はごぉ!?」
「うわっ!?」

 ……華雄が後ろから殴られた。
 頭を押さえながら振り向く華雄だったが、その先に居るコメカミをぴくぴくと痙攣させている霞を見て顔を引き攣らせた。

「華〜雄〜……♪ ……おんどれなにしくさっとんねぇええええん!!!」
「い、いやこれは」
「やっぱええわ黙り!! 骨にヒビ入っとる一刀に挑戦なんぞしくさって! おんどれそれで勝って嬉しいんか!? あーもーうだうだ言うのも無しや! とっとと構えんかい!」
「なに……!? お前が代わりに戦うとでもいうのか? ───いいだろう、中々の手応えだったが、やはり腕を壊した者と戦って勝ったところで───」
「やるゆーたな? んじゃ恋、こてんぱんにしたり」
「《こくり》……する」
「なぁあああーーーーっ!!?」

 そして、コメカミ躍動中の霞の、そのまた後ろには、どこか目をぎらつかせた恋さん。
 既に手には方天画戟が握られており、それをゴフォォゥンと振り回して肩に担ぐと、すたりすたりと華雄へ向けて歩き出す。

「あ、い、いや、だな、わわ、私は霞とやると言ったのであってだな───」
「ほー。華雄は一刀が何かゆーて、その言葉をきち〜んと聞いてやったんかー?」
「うぐっ!」
「うちには“助けてー”と叫んどったようにしか聞こえへんかったんやけどなぁ」
「聞いてたなら助けよう!?」
「助けよー思たら一刀が男の顔するもんやから、止めるに止められんかったんやもん。覚悟決めた時の一刀の顔、ウチ好きやし」
「ぐっ……そ、そうか」

 真正面から好きとか言われると、それ以上言えなくなった。
 解ってて言ってるんだとしたら、随分と人のことを知ってらっしゃる。
 そして───

「くっ……いいぞやってやる! 我が剛撃、一撃にして───」
「……遅い」

 よく晴れたその日。
 一人の女性が大空を舞った。

……。

 それからのことは流れるように進んだ。
 人が飛んだということで、見物人が中庭に集ったからと言ってしまえばそれまでだ。
 まあなんだ、ようするに。華雄のお陰で人のほぼが集まった。
 で、その華雄なんだが───

「刺さってるな」
「刺さってますねー……」

 刺さっていた。馬屋に敷くために用意してあったらしい大きな藁束に、頭から。
 刺さる瞬間の格好がイーグルダイブ型だったかまでは確認できなかったが、刺さっていた。
 まあそんなことは置いておくとして、冥琳、穏、もの珍しそうに尻をつつくのをやめてあげてください。
 気を失ってるのか、そんなことされても反応がないし……まあ、今は認識を変えることを努めよう。溜め息とともにわしゃりと自分の頭を撫でて、次の行動を……と思ったところで、俺に気づいて小走りに寄ってくる王様を見た。桃香だ。

「あ、お兄さんっ」
「や、桃香。桃香も華雄を見に来たのか?」
「華雄さんというか、“騒がしいから釣られてきた”のほうが合ってるかも」

 あははと苦笑いを混ぜて言う。なるほど、野次馬根性ってところはどっちも変わらない。俺も絶対にそうしてただろうし。
 そう感じたからなのだろうか。改めて穏に尻をつつかれている華雄を見つつ、「騒がしくない日なんて無いなぁ」なんて、思わず口にしてしまう。桃香はそれに「楽しいよねー」とにっこり笑顔で返してくれた。
 そうなのだ。騒がしくて困るって意識は、まあ……仕事を邪魔されない限りはそうそうには感じない。日々は楽しく、賑やかであり、巻き込まれたとしても……思い返せば笑って済ませられることばかりだ。
 そんな日々が身近にあることが嬉しい。
 帰ってこれてよかったと、心から思える。

「あ、そうだ。お兄さん、今日これから、みんなで宴をしようって話になってるんだけど」
「昨日の今日でか? ……というか」

 夢を思い出した。
 ……さすがにああはなるまいが、心配ではある。
 けれど断る理由はなかったから、「あー……なにか手伝えることはあるか?」と訊ねた。

「うんっ、お兄さんは話が早くていいなー。愛紗ちゃんてば“昨日あれだけ騒いだでしょう!”とか言って怒るんだよー?」
「いや。それは愛紗が正しいだろ」
「むうっ……お兄さんまでそんなこと言うんだ。私たちもそろそろ帰らなきゃいけないから、お別れの宴がしたいなーって思っただけなのに」
「そりゃもちろん俺もそうしたい。だから手伝えることはあるか、って訊いたじゃないか」
「そうだけど……うん、じゃあいいかな。それでね、えっと。お兄さんには天の料理を作ってもらえると嬉しいかなーって」
「それはいいけど……材料の都合で、作れるのは限られるぞ?」
「あ、うん、いいのいいの。ただお兄さんが作ったものが───……あ、あはは! なんでもないよっ、うんっ、なんでもっ!」
「そ、そか? まあ、頼まれたなら全力でだな。みんなはもう動いてるのか?」

 ちらりと見ると、料理が上手い人の姿はこの中には見えない。
 既に厨房が戦場と化しているだろうことは……うん、想像に容易い。

「うん。料理が出来る人はね。私も手伝うーって言ったら、みんな一斉に“結構です”って……」

 胸の前で人差し指同士をつんつんと突き合わせながら、たぱーと涙を流す蜀王さまの図。
 それに「頑張って覚えて、見返してやればいいよ」と返して、頭を撫でた。
 するとすぐにほんわか笑顔で見上げてきた。……鳴いた烏がもう笑った。

「じゃ、じゃあその一歩として、お兄さんの料理を手伝ってもいい、かな」
「だめだ」

 一言きっぱり言って歩き出し《がしぃ!》

「ちょ、こらっ! 離しなさいっ!」
「うぇえええ〜〜〜っ、お兄さぁあ〜〜〜ん! 私頑張るからぁっ、頑張って手伝うからぁ〜〜〜っ!」

 某愛の一子相伝殺戮人間の真似をしてみたら、腰に抱き付いてまたまたたぱーと涙を流して懇願してくる王様が!
 引き剥がそうとしつつも話を聞いてみれば、他のみんなにもあっさり断られて、頼めるのが俺だけなんだとか…………いや、それはさっき聞いたし、そもそも俺の時だけ抱き付いてまで懇願する理由が解らん!
 そりゃあ桃香には料理の基本とかも教えはしたから、以前よりも殺人コックの称号からは抜け出せてるとは思う。思うが、それは思うだけであって実践とは違うのだ。
 ふと気づけばスクランブルエッグを炭にしてしまうような彼女だ……俺が料理の最中に目を離した隙に、料理になにをされるか……!

「……じゃあ約束」
「うんっ!《ぱぁああっ……!》」

 会話の流れが変わった途端に泣き止んだ。
 もうどうしてくれようか、泣いた女性というものは。

「指示無しでは勝手なことはしないこと。言われたことはきちんと守ること。絶対に、“こうすればもっとよくなるだろう”って思って、勝手なことはしないこと。……いいか?」
「……も、もちろん、だよ……?」

 おいこら、どうして視線を外した上にどもりましたか。どうして疑問系か。
 と、心の中では強くツッコんでも、口には出しません。
 約束してくれたならそれで良しだし。
 宴の中でなら、もっと砕けた認識変更が出来そうだし───よし、いっちょやりますか。


───……。


 そうして、準備を始めた。
 厨房は既に戦場となっていて、俺はそこに紛れ込みつつ流琉に声をかけた。
 少し驚いた風情だった流琉だったけど、天の料理を作ることを伝えると、好奇心に目を輝かせていた。
 難しいものは作れない。
 しかしながら酒のツマミはお手の物のつもりだ。じいちゃんに叩き込まれたし。
 なので料理もツマミも作らせてもらい、桃香にもそういった手際を覚えてもらうため、手伝ってもらった。
 傍から見れば王様を顎で使う御遣い様だが、そんなつもりは俺にも桃香にもなかったし、これはこれで状況を楽しんでいたということもあり、俺達は終始笑顔だった。

  やがて、宴の席の用意も料理の準備も酒の用意も完了し───

 訪れた宴の席。
 華琳が言い放った「堅苦しいことは忘れ、思い思いに楽しみなさい」という言葉に、みんながみんな好き勝手に行動する。
 準備に時間がかかったこともあって、既に時間は夕刻。
 落ちてゆく陽に心の中で手を振りつつ、俺は各国の将ひとりひとりに声をかけ、自分の中の認識を変えていっていた。
 もちろん全部を変えるわけじゃなくて、変えるものなどきっと少しだけ。
 小さな歯車の向きを変えることで、大きな歯車をゆっくりと動かすようにしただけなのだろう。自分でもよく解らないけど、それはきっと……そう悪いことでもないように思えた。すごく、ものすごく今さらだとは思うけど。

「……うん」

 結論から言うと、夢の中のような出来事は起こらなかった。
 みんな騒ぐだけ騒いで、俺という存在に気がつくと笑いながら傍に寄り、無理矢理酒を奨めてくる。
 それを飲むだけでみんながやんやと騒ぎ、笑顔で俺を引っ張る。

「え、ちょっ……」

 用意された簡易舞台の上では数え役萬☆姉妹が元気に歌い……ながら酒を飲み、へべれけ状態でよく解らない歌を歌っている。
 みんなのペースが段々と異常になってきているのを感じた。
 何故だろう、って思っていたんだが……どうにも華琳が、自分が作っていた酒を全部解放したらしく、その中の“とっておき”がまた美味いというので……みんながガブ飲みを始めた、と……そういうことらしい。

「あっはははははは! 北郷! 北郷〜〜! 美味いなぁこれぇ〜!!」
「……あの。白蓮? 軽く性格変わってないか?」
「そんなことはない! ……そんなことないぞぅ〜……?」

 改めて見渡してみれば、全員真っ赤なこの状態。
 何処へ視線を向けても顔を真っ赤にした人達ばかりで、その心を惑わすお酒を作った張本人である覇王さまは………………桃香に襲われていた。
 見てやらないのがきっとやさしさだ。
 そう結論づけて、胸を触られている彼女から目を逸らした。

「………」

 逸らした先にも地獄絵図、というか……なんだか、苦いながらも笑ってしまう“常景”。振り返れば“常にある”と認識出来るほどに、当たり前な景色がそこにあった。
 集まれば騒ぎ、静かには出来ない人達。
 けれど、そんな騒ぎの中にいることが、てんで苦には感じない。
 苦笑が漏れても、笑えているうちはまだ楽しいのだと誰かが言った。
 俺の場合は……その、漏れる苦笑にさえ幸せを感じる時があるのだから、きっとまだまだ付き合っていけるのだろう。
 改めてそう思えた瞬間には、俺の心は決まっていた。

(本当に……あと何回覚悟を決めればいいんだろうなぁ……)

 覚悟覚悟と言いつつも、自分の中では心が固まっていなかった。
 覚悟は決めるもの。けれど、決めるべき覚悟が定めるべき場所に置かれていなかった。
 ……足りなかったのはきっと、その覚悟が自分が辿り着くべき目標の先にあるかどうか。
 それが今、ようやく置かれたなら……あとはもう、ゆっくりとでも目標に向かって歩けばいい。それが解ったから、こんなにもあっさりと心は決まったのだろう。

「ん……」

 料理を食べて、酒を飲んでみる。
 騒ぐみんなの中でそれをするだけのことが、とても幸福に感じた。
 頑張ろうと思う理由なんて、“こんなひと時を守るため”ってだけでもいいのだろう。
 もう二度と迷わない───そう言うのは簡単だ。
 覚悟を決めることだって、何度だってするべきだろう。
 人は一回の覚悟で最後まで突っ走れるほど強くはない。
 壁があるたび、心が怯えるたびに、何度も何度も自分を奮い立たせなきゃいけない。
 奮い立つ理由が他人のためって理由でも、それが“自分のため”にも繋がれば、きっと頑張り続けられるだろうから……そのための覚悟をまた、この場で。

「んっ」

 まあでも、細かいことは今は忘れよう。
 楽しむ場では思い切り楽しんでおけばいい。
 結論をそこに置いて、俺は駆け出した。
 二胡を持っていた七乃にそれを借りて、隣に居た美羽を掻っ攫って舞台へ。
 天和や地和、人和が驚いていたものの、ニカッと笑ってみせると笑い返された。
 あとは好き勝手にやるだけだ。
 へたくそな二胡を弾き、みんなに笑われながらも美羽と歌う。
 下手な演奏に「力が抜けるでしょー!?」なんて地和に怒られるけど、そんな地和も笑っていた。しかし格好よく歌う部分で音が外れてしまい、キメに入ろうとしていた地和が盛大にズッコケた。
 いやすまん、悪気はないんだが。

「〜♪」

 けどまあ。
 どれだけやっても笑いは絶えず、天和も地和も人和も、いつしかこんなへたくそな演奏に合わせて歌ってくれていた。
 美羽もそれに合わせて歌い、俺はそんな歌い方に驚きながらも微笑んだ。
 自分を前に。───いつもならそればかりを誇張した歌い方をしていた美羽が、相手に合わせようと努力していることが嬉しかった。
 “仲良く、皆に話かけられるのは悪くないものじゃの”と言っていた彼女だ。
 きっとこれは、祭りの雰囲気に乗っかっての、少し不器用な第一歩。
 それでも相当な勇気が必要だったのだろう。少し、声が震えていた。
 頭を撫でて、頑張ったなって言いたくなったけど……それは、あとで七乃がするだろう。
 だから俺はへたくそな演奏を出来るだけ上手くしようと努力……すればするほどヘンテコになった。雪蓮と祭さんが笑い転げてる。妙なツボに入ったらしい。

「……はぁ」

 演奏(?)が終われば、贈られる拍手。
 その拍手に手を振る数え役萬☆姉妹。
 そんな中で、美羽は「う、うむっ」と拳をぎゅっと握ると、舞台を降りて駆け出した。
 ……多分、これからやることは相当な勇気が要るもの。
 俺はそれを近くで見届けるべきかを考えて───違う選択をした。
 地和にマイクを借りて、歌を歌った。

「───、───!」
「……!? ……、っ……?」

 今日の日はさようなら。
 帰ってきて間もなくの宴の時にも歌った歌を。
 視線の先には穏やかな笑顔のみんなと、その先で……雪蓮に頭を下げる美羽。
 この時代で頭を下げる行為は結構なものだと聞いたことがあるが……それでも美羽はやった。宴の雰囲気に乗じてっていう、ちょっとだけずるいところもあるだろうが───そうでもしないと持てない勇気ってものがある。
 だから───……雪蓮が苦笑と一緒に美羽の頭を撫でた瞬間、頬がどうしようもなく緩んでしまい、笑いながら歌う破目になった。
 言葉は聞こえない。
 でも、雪蓮に詰め寄る美羽を見れば、「まことか!? まことに許してくれるのか!?」みたいなことを言っているのが容易に想像できた。
 雪蓮も雪蓮で、「こんな場で謝られたら、許さないわけにはいかないでしょ」とか言っているのだろう。あの苦笑がいい証拠だ。

「〜♪」

 いつまでも絶えることなく、友達でいよう。
 その想いを歌に乗せる。
 そんな中で、相当な不安と緊張を持っていたのか、美羽が泣き出して……それを雪蓮が抱き締めた。
 失ったものは取り戻せない。どうしようもないものは当然のようにあって、どうしてもそれが許せないと思うことだってたくさんある。
 でも、やっぱり誰かが言った。
 許せないんじゃなく、許さないだけなのだと。
 何かに贈る償いなんてし切れるものじゃないし、死んだ人は何も伝えてはくれない。
 結局は生きてる誰かが許してくれなければ誰も救われないし、許してもらっても犯した過去が消えるわけじゃない。
 ならせめて、そこから繋ぐなにかくらいは許してほしいと思うのだ。
 許し合って、手を繋ぎ合って、そこから作られるなにかを許してほしい。
 最初からそう出来ていれば、なんてみんなが思うことだ。
 けど、その時はお互いに譲れないものがあったから、そもそも戦なんてものが起きた。

「………」

 一度誰かが理想に届き、他を許したから今がある。
 手を取り合ったのは雪蓮と美羽だけではなく、一年前に三国が手を繋いだから今がある。
 そこから目指すものが全ての人にとっての笑顔になるかといえば、きっと否。
 でも……戦ばかりだった日々よりは、きっといいものなのだと……そう思う。
 そう思えるのだから、その先に向かうことを許してほしい。
 散っていった仲間や、それに泣いた家族のみんなに。

(俺達は、ここに辿り着けたよ)

 一緒に酒を飲んだ仲間の笑顔を思い出し、そう伝えた。
 伝えてからはただ歌った。
 歌いながら、自分が笑顔でいられたかまでは覚えていない。
 ただ、どうしようもなく胸を焦がす想いを届けたくて、声を高らかにして歌った。
 “今日の日はさようなら”ではなく、仲間に向けて歌う歌を。
 心に残る仲間の笑顔には、これからも頑張っていくことを歌で伝え。
 視界の先に居る仲間の笑顔には、これからもよろしくを歌で伝え。
 そして、それらの覚悟を自分に刻み伝えるために、胸にノックをして刻み込んだ。

「───はぁっ」

 やがて歌い終える。
 全力で、心を籠めて歌ったために、汗すら掻いた状況。
 しかしそんな疲れなど知ったことかと、お祭り好きの将らが舞台の上に上がってきて、一緒に歌い始めた。
 それがまた、全員が全員違う歌なもんだから、宴は一気に混沌と化すのだが……これからも歩く道は、そんな“めちゃくちゃ”なくらいが丁度いいと感じてしまった俺は、きっとこれからも笑って生きていけるのだろう。
 ……それがいつまで続くのかは解らない。
 以前華佗と話し合ったように、俺はこのままずっと成長しないのかもしれない。
 でも……たとえなにも成長しない、この格好のままにみんなを看取ることになっても。

「そうだよな───」

 いつまでだって歩いていこう。
 きちんと国に返せる日まで。
 いつか自分が守ってやれる時が来るまで。
 ……華琳を、看取る日がやってくるまで。
 大事なみんなが、笑顔で眠れるような世界を作ってゆこう。
 ともに死ぬことが出来るかは解らないけど、笑ってはいられるであろうこの世界で。


 ───彼女と。彼女の今までの覇道と、これからのみんなで歩む覇道ともに。




ネタ曝しです。  *これは、夢だ。いわば人類が無意識の中に作り出す思考の海。  これは、アーチだ。  いわば神のみが作り出せるエネルギー体だ。  エルシャダイより、アーチの説明。  *常闇の町  アーリィ。テイルズオブファンタジアより。  ずっと闇に覆われているだけであって、夜が来ないわけじゃないです。  *遠心力で振り回された俺がドカバキギャアアア  ポピーザぱフォーマー、Swallowerより。  Swallowerは○○○を食べるフリをする曲芸のこと……だったような。  ポピーの場合はナイフを食べるフリをする曲芸ですね。  ナイフじゃなくてソードを食べて大変なことになってます。  *なにをするだァーーーッ!!  ジョジョの奇妙な冒険第一部、ジョナサンジョースター:その青春より  有名な言葉で、ケロロ軍曹も真似ているもの。  愛犬ダニーに膝蹴りをボギャアとかましたディオへとジョナサンが向けた言葉。  よくもだましたアアアアーーーッ!を見ると、これをどうしても思い出すのです。  *がああああ! 痛っイイ! お……折れるう〜  孤独のグルメより、井之頭式アームロック。  店長さんは空手をやってたっぽいが、アームロックの前にあえなく撃沈。  ちなみに若者の名前は呉さんという。あいつ……あの目……。その先が気になる。  *グラップラーな格闘漫画の空手を終わらせてしまった男  愚地克己さん。花山さんの拳を受け止めたが、自分の手ごと顔面を殴られた。  普通はそうなります。  *八葉六式  ハヤテのごとくより、鷺ノ宮伊澄の…………わ、技?  敵の拳を人差し指で止めて、撃破滅却と唱えれば完成する。  うん……見た時、必死に体を鍛えてる人が浮かばれない技だなぁ……って思いました。  *極上ガイアスマイル  シコルスキーとの戦いを途中でパスしたジャック・ハンマーのあとに出てきたガイア。  そんな彼が見せた、ステキで極上なスマイルのことを指す。  ガイア、見参!!  *藁束にイーグルダイブ  メタルギアソリッドピースウォーカーより。  やると藁束が手に入る。  *某愛の一子相伝殺戮人間  ケンシロウのこと。  “だめだ”といったら彼でしょう。  *仲間の歌  思い思いの歌をイメージしてくだされば。  凍傷がイメージしたのはカーニバルファンタズムのED、fellowsですかね。  何気にCD買いました……が、カーニバルファンタズム高いです……もうちょっと安くなってほしい……。毎巻毎巻、ゲフゥと思いつつも買ってますがね……。  関係ないですが、今日の日はさようならをギャフターで使った少しあと、エヴァ新劇場版破で歌ったってことを知った時は、なんというかひどくソワソワしたものです。  86話をお送りします、凍傷です。  ダークソウルが終わって、ギアーズオブウォー3をやって、アンチャーテッドをやって、  メタルギアソリッドピースウォーカーをやってと……随分とゲーム三昧でした。  いいから小説書けと自分で呆れたのでカタカタと。  でもたまにゲームにドハマリしたい自分が現れます。  まあ僕のことは捨ておいて。  久しぶりに行ってみたら“幸福な結末を求めて”が更新されてたァァァァ! でもなく。  これにて、一応三国連合編を終了いたします。  いろいろと半端感はありますね……うん。  さて、次はIFになるわけですが……前にも言ったとおり、結構な好き勝手度になるか、もしくは今と大して変わらないものになるやもです。  書く速度はいかほどになりましょうか……新しい小説を見つけてハマらなければ大丈夫かと思います。  何気なくISのSSを検索してしまい、ゲームよりむしろそっちにのめりこんでしまったりもしていたので……。  アニメを見て、小説は読んでないけど単行本なら持ってる程度の知識で、“とある”シリーズに首を突っ込んで、そちらにもハマってしまい……いいなぁ、みんなおもろいなぁとか呟きながら見てます。  今は“上琴好きな俺が美琴の兄に転生してみる”などを読んでおります。  ええ、転生ものとかも好きです。あまり選り好みはしないほう……なんでしょうかね。  って、だから僕のことはどうでもいい。  IFのほうですが、恐らくは“時間”が飛ばし飛ばしになります。  一話短編ものとかそういった感じになるかと。  もしくは幾つかの話を一つに纏めたものとか。  そうなると……いいなぁ。  纏めるのが相変わらず苦手で申し訳ない。  そんなわけですので、ではまた次回で。 Next Top Back