【プロローグ6】

 今日は人間力測定。
 フルメンバーで迎えた朝、食事や鍛錬、農園いじりなどを終え、風呂に入って支度して。
 それが終わると食事を摂って学校へ。
 今日はつっかかってくる挑戦者もなく、フツーに学校へと辿り着いた。
 少しモモがぼやいていたが、相手が弱けりゃ弱いでぼやくんだよなぁ。
 なので暇な時にでも、結構前に断られたSUMOUでもやろうって話になった。
 ええ、二つ返事でしたさ。
 で、現在は人間力測定の真っ最中。

卓也 「ああああ! やっぱりもう身長止まってるーーーっ!!」
中井出「小食であんまり運動せんからよ? 見ていてごらん? この博光など───」
梅子 「中井出博光! 前回と変わらん!」
中井出「ゲェエエーーーーーーッ!!!」
卓也 「よかったー、同士が居たよ」
中井出「うう、なんという……」
岳人 「二人とも、俺様のように鍛えろ。
    そうすればまだまだ伸びる。見ろ、握力計振り切れたぞ」
卓也 「平気で100kg越えるってどうなのさ!」
中井出「なにをこの! 俺だってぇえ〜〜〜……ふんりゃ!!」

 メギャンッ!!

岳人 「うおおっ!? 振り切れた!?」
卓也 「えぇえええっ!? どうなってるのこれ!」
中井出「幼きを愛でる愛の力が、俺に奇跡をもたらしたのさ……」

 それ即ち菩薩の心。
 まあステータス移動しただけですが。

中井出「まあ多分壊れてたんじゃない?
    ガクトが先にやったために、マッスルパワーにあてられて。
    握力計すらメロメロになってたんだよきっと」
岳人 「おいおい俺様無機物相手にまで最強かよ」
中井出「よし、ちと計り直しを……ぬぅうううおおおおおおおおおっ!!!」
岳人 「…………なるほど、フツーだな」
卓也 「これ以上ないってくらい、中間だね……」
中井出「うるさいよもう!!」

 平穏が一番。
 なのでステータスは全てINTに移してGO。
 そうすれば初期値だけでいろいろと出来るってなもんさ。

スグル「少し太ったか……寝る前にコロッケを食いすぎたか」
中井出「なんでそこでコロッケなのかがむしろ知りたい」
満  「計測したくないなぁ……こんな悩みも食べちゃいたい」
中井出「クマちゃんなら平気っしょ。あ、ところであとで相談があるんだけど。
    クマちゃんにしか頼めないことなんだ」
満  「うん、僕でよければ喜んで聞くよ」
中井出「うう……ええ人やなぁクマちゃん」
梅子 「ブツクサ言うな。ほら、島津、お前は座高いけ」

 スグルやクマちゃんと話している中、岳人が梅ちゃんに言われて座高へ。
 と、その数値を見たキャップが吹き出す。

翔一「はははっ、ガクトって座高も高いのな!」
岳人「うるせ! 身長あるからだよバーカバーカ!」

 賑やかなものです。
 僕の体は年齢に合わせて成長させたりしてるから、べつに計らんでも自在なんだが。

忠勝 「握力78か……80はあると思ったが」
中井出「や、十分じゃない? 僕なんてピッタリ50だったけど」
忠勝 「どんだけ中間均なんだお前」
中井出「いや、ほんとなんだろねこの握力」
翔一 「だらしねーぞーヒロー! 京たちと朝から鍛錬してねーのかよー!」
中井出「う、うるさいよもう! 人にゃあ向き不向きがあるんだい!」

 そもそも鍛錬なんてしない僕です。
 修行なぞはせん。ただ武具とレベルで果てを目指した魔王です。最強。

中井出「ところでゲンさん、今日募金してたよね」
忠勝 「勘違いすんじゃねぇ。小銭が邪魔だっただけだ」
中井出「勘違いなんてしとらんよ。その小銭で救われるお子が居る。ステキなことです。
    俺も親や祖父母はおらんからね、なんかありがとう言いたくなるんだわ」
忠勝 「……チッ」

 舌打ちされたけど、気を悪くはしてないのは雰囲気で解る。
 うむ、やっぱりゲンさん良い人。

梅子「熊飼、体重は増えていないようだな」
満 「ちょ、ちょっとは気をつかってますから……もぐもぐ」
岳人「言ってる傍から食ってるじゃねーか!」
翔一「おっ! うまそーだなー! 一つくれ!」
満 「どうぞ。美味しいんだよね、これ」
梅子「こらぁ! 貴様らぁ! 測定中にものを食べるなぁ!!」
満 「《びしゃぁんっ!》はうっ、す、すいません、安心したらお腹空いちゃって」
翔一「《びしゃあんっ!》いてぇっ! けど美味い! さすがクマちゃん!」
岳人「《びしゃあんっ!!》いってぇえええっ!! な、なんで俺様まで……!」
梅子「ついでだ! 食おうとしていたろうが!」
岳人「ならどうせなら食いたかった……」
梅子「計り終えた奴から校庭へ行け!
   女子がスポーツ測定をしている! 終わったら交代だ!」
岳人「女子が……計測中だとぉ!?」

 梅ちゃんの言葉を聞いたガクトが、鼻息も荒く駆け出した。
 それより先にとっとと走った育郎……通称ヨンパチは、カメラを手に目をギラギラと輝かせていた。
 ちなみにヨンパチってのは48手の裏表を迷うことなく全部言えるから、らしい。
 覚えてなにになるんだって言われりゃ……なにになるんだろうなぁ。
 そんなわけで校庭です。
 女子たちが元気に走っておるわ。

育郎 「ウ、ウホォウ! ここのブルマ最高! 俺の一番の入学理由だからな!」
中井出「ファミリーの写真撮ったら……潰すよ?」
育郎 「《ぞくぅっ!》うひぃいいっ!? お、おーけーおーけー! 大丈夫!
    い、いや〜、それにしても女子のレベル高いよな、ウチは」
中井出「そうなの?」
育郎 「一緒に居て気づかないってどーなんだよっ!
    ……こほん、まずはエントリーNo.1、川神一子。
    身長159センチ、3サイズは上から77、54、79。
    女っぽさはあまりないが、快活で話やすく、
    一緒にいると楽しいので男人気が高いスポーティー娘。
    ……と、思われがちだが、姉である川神百代の存在が怖いので、
    言い寄る男は無しという現状」
中井出「ワン子は実際人気高いよ。言い寄ろうとする男がかなり多い。
    ワン子から好きになるなら別だが、基本、言い寄る男は駆除します。
    ファミリー内ならOKだけど」
育郎 「真顔でこえぇなオイ……」
卓也 「ヒロはファミリーのこと、大事にしてるからね」
岳人 「ワン子人気あんの? 面白い奴だが女としてはな」
中井出「そりゃキミ、見る目が無い」
忠勝 「同感だ」
岳人 「おぉおっ!?」
卓也 「ゲンさんが自分から混ざってきた!?」
忠勝 「勘違いすんじゃねぇ、馴染みのよしみで言ってみただけだ」

 言うだけ言ったら歩いていっちゃった。
 だがうむ、解っておられる。

育郎「んじゃあ続きましてはエントリーNo.2、甘粕真与」
準 「身長149センチ、3サイズは74、52、73」
育郎「うぉおおおぃっ!? な、なんでS組のやつがここに居んだよ!」
準 「愛でたきを語るならば黙ってられん。というわけでさらばだ」

 ……行っちゃった。どんな耳してんだあいつは。

育郎 「……また来られても困るし、次行くか。エントリーNo.3、椎名京。
    身長155センチ、3サイズは84、59、83。
    クラス最高級の美形で実は胸もある。
    だがクールすぎて人を寄せ付けない……と最初は思われていたんだが、
    何故だか最近は少し壁が薄い気がする。
    噂によると愛している相手に社交的なほうが素敵だと言われたとかで、
    積極的になっているとかいないとか」
卓也 「うわ、ヒロそんなこと言ったんだ」
中井出「あの時のままじゃあ、いつか一人立ちした時が怖いだろ。
    いつまでも俺が養ってやれるとも限らんし」
卓也 「まあ、そうだけどね。先のことまで考えてるんだね」
中井出「大切ですから。もちろん、モロもガクトもね。
    ファミリー守るためならなんでもやりますよ俺」
卓也 「あはは、面と向かって言われると照れるね」

 モロと話しているうちに、どんどんと女子の名と身長、3サイズがあげられていく。
 代表的なかわいこちゃんを先にあげたらしく、その3人はいろいろなこともあって手が出しづらいとかで、結局男子の視線は一人に集中するって話だ。
 ちなみにワン子、京へ近づく男は俺と大和が。委員長に近付く男は準に滅ぼされている。

育郎 「小笠原千花。やっぱり男子の視線はあいつに向くわけだ。
    身長157センチ、3サイズは82、60、81。
    現在付き合っている男なし。付き合いたい女&ヤリたい女No.1の2冠!」
中井出「そうかー? 口癖がウザイってだけで俺は勘弁だなぁ」
育郎 「口調なんて顔と体に見合えば可愛く見えるもんだって! おぉっとぉ!
    今のブルマの食い込み直し、いただきぃっ!《パシャパシャパシャッ!》」
中井出「……ここまで露骨に撮られてるのに気にしない女子もスゲーなオイ」
岳人 「大和も見ろよ。目の保養だけじゃなくて、
    健康増進、成績向上、恋愛成就にもいいんだぜ」
大和 「ブルマの効能ってすげぇんだな……」
中井出「きっとガクトにしか効かん効能だ。
    なのに馬鹿なんだから、雑誌の後ろの怪しいネックレス並みに信憑性がない」
岳人 「うるせーよ!!」

 しかし大和はふむと一度頷いてから、顎に指を当てて委員長を《ギシャーーーン♪》

大和 「…………遠くで何かが輝いたな。小笠原さんを見よう」
中井出「ああ。モノスゲー形相でこっち見てるハゲが居るな。
    じゃあ俺はファミリーの健康促進を願ってワン子を見よう」
卓也 「な、なんか僕らのためにブルマを見るとか言われてるみたいで、気持ち悪いかも」
中井出「安心してくれ。それらは全部ガクトの所為だ。言いだしっぺだし」

 そんなわけでワン子を見る。
 元気に駆けている。おお速い速い、他の女子とは比べ物にならん。

一子「……? あ! 博光達だ!」

 あ、気づいた。
 と思ったら「いぇー!」と腕を高く上げて手を振ってくる。
 当然この博光も手を振り上げ、「イェーーーッ!!」と、叫びかァアアえせハァアアッソマッソォッ!!
 じゃなくて叫び返しました。
 おーおー、にっこり笑って走り出した。しかもさっきより速い。

中井出「おーおー、いいとこ見せようと頑張ってらっしゃる。めんこいのぅ」
忠勝 「やれやれ……元気な奴だ」
中井出「……タッくん、ワン子のこと好きっしょ」
忠勝 「っ……勘違いすんじゃねぇ。ドタバタしてて危なっかしいから見てただけだ」
中井出「狙ってる男、マジで多いから気をつけてね。もちろんチャラ男は潰してるけど」
忠勝 「……チッ」

 また行ってしまった。
 うーむ、さっきまで居なかったのに、いつの間に背後に。

中井出「む?」
京  「!」

 ワン子と同じく測定している京と目が合った。

京  「………《ポッ》」
中井出「わざとらしくブルマの食い込み直さないの!」
一子 「ほら〜京、次はアンタの番だよーっ?」
京  「……《こくり》了解した」
中井出「がんばれーっ、自己ベスト出しちまえー!」
京  「!! 今なら風になれる気がする」
一子 「ちなみにアタシは100メートル11秒63!」
京  「別に自己ベストを越えるだけだから、元からワン子と張り合う気はない」
一子 「それも退屈なのよぉ、せっかくだから勝負っ!」
京  「……しょーもない。まあ、適当に───」
中井出「ちなみにワン子越えしたらギュッとしてやるぞー」
京  「……適当にワン子をブチ抜く」
一子 「な、なんで睨むんだよぉお……やめろよぉお……」

 京がワン子にストップウォッチを渡して、計測開始。
 ……おー速い速い、応援しておいてなんだけど、マジで塗り替える気満々の気迫だ。
 顔はいつも通りのクールフェイスなのに。

梅子「測定を終えた者はあがれ!
   バナナを用意しておいたから食べたい者は食べてエネルギー補給していいぞ!」
一子「バナナ!? 食べていいのっ!?」

 あ。バナナにつられて余所見しおった!
 しかも今まさに京が辿り着かんとして───

中井出「ワン子バイツァダスト!!」
一子 「いいや限界だ! 押すねっ!!《カチリ》」

 …………。
 押した瞬間、丁度京がゴールしていた。

岳人 「おぉおおすげぇ! タイミングバッチリ!」
卓也 「あれって反応としてはどうなんだろ……お見事だったけど」
中井出「説明しよう。ワン子バイツァダストとは、対戦ゲーム等をやっている際、
    負けそうになった時に叫ぶと───
    なんとワン子がリセットを押してくれる便利システムである!」
岳人 「あぁっ! そういや俺様やられたことあるぞ!?」
卓也 「あれってそういう合図だったの!?」
大和 「……あー、上手くはいったみたいだけど、
    ワン子越えはさすがに無理だったみたいだ」

 見れば、漫画的表現ならば縦線がどんより浮かんでそうなくらい、項垂れていた。
 おおぅ……物凄いがっくりオーラだ……。

卓也 「京のことだから、
    手を抜いてやった自己ベストなんて軽く越えただろうに……あの落ち込み様」
翔一 「なんかフォロー入れといてやれよー? キャップ命令だ」
中井出「言われるまでもにゃーよ。フォローもなしに壁ありの期待を持たせるもんですか。
    記録が残るもんなんだ、懸命にやったほうがいいに決まってるっしょ?」
翔一 「おうっ! お前のそういうところ、嫌いじゃないぜー?」
中井出「こっちこそ。ファミリー作ってくれたキャップにゃ感謝してるよ」
大和 「俺には?」
中井出「正直ニヒル時代の貴様は大嫌いだった」
大和 「露骨に嫌われてる自覚はまああったよ……。
    京の時とか、本気で憎まれてるって思ったくらいだ」
中井出「ほら俺、集団イジメとか嫌いすぎるから。
    一人で向かうならまだしも、本人に関係ない親のことでアレはだめだ。
    自分の意見で動いてねーもん。集団思考で誰か一人を狙うとか最低だ。
    俺はむしろあんな孤独な時間を過ごしてもまだ、自殺しなかった京こそ尊敬する。
    だから大切にする。あくまで家族としてだけど。
    家族がらみで辛い思いしたんだ、家族としてもっともっと幸せにしてやりたい」
大和 「お前自身の幸せは?」
中井出「ファミリーの幸せが俺の幸せ! みんなが嬉しいと俺も嬉しい!
    つーわけで京ー! おいでおいでー!」

 皆の笑顔が僕の勇気! ファミリーは本気で大事です。
 子供の頃からの付き合いともなれば、その思いは相当だ。
 なので遠慮がちに、走ってではなく不安げに歩いてきた京を思い切り抱きしめました。

京  「んやぅ……や、約束が違う……」
中井出「俺が許す。……よく頑張ったな。
    自己ベスト、大きく更新だって梅先生感心してたぞ。京はやれば出来る子〜♪」
京  「《きゅむぅう……》はぅうう〜……」
中井出「というのはこっちの勝手な言い分だから、あんまり気にしないようにな。
    やれば出来る子だからって、無理はいかん。心配してしまう。
    でも……ちゃんと交流も増やしていってるって聞いて、嬉しかった」
京  「夫の期待に応える女。今なら博光限定で無料進呈」
中井出「家族としてお願いします」
京  「……それ、フラレたと思って気にしてなかったけど、
    博光の中だと最上級の受け入れなんだよね?」
中井出「そだよ? 恋人よりも友情、仲間、ファミリー。
    恋人になったらオメェ……アレだぁ、後回しにされるぜ?」
京  「それでも深く触れたい心がある」
中井出「んー……こうして抱き締めるだけじゃあ足りない?」
京  「友好よりも愛が欲しくなってしまったら、全ては遅かった」
中井出「そか。そればっかりは俺がどうこう言えるものでもないしなぁ」
京  「…………? 博光は……ひょっとして怖がっている?」

 ホ? きゅーっと抱き締めならが頭をやさしく撫でていると、京がどうしてかそんなことを言ってきた。ちなみにまだ測定中です。民の視線がイテーイテー。

中井出「ぬむ? 何故そう思う?」
京  「普通、これだけ迫られれば少しは近付きもする。
    なのに断固として頷かない。その理由を知りたい」
中井出「…………ふむ。実はな、俺とお前と小雪は腹違いの兄妹なんだ」
京  「……冗談にしては笑えない。あの女ならやりそう」
中井出「すまん、言っていいことじゃあなかった。嘘だ。
    ただ……俺の方にどうしようもない理由がある。
    俺も、出来れば思いっきり誰かを好きになって、
    ずっとみんなと一緒に居たいけどな。
    ……それが出来たらって、子供の頃から何度思ったか」
京  「そうすればいい。私たちは全員揃えばなんでも出来る。だから───」
中井出「……ありがとうなぁ。京……本当に、ありがとうなぁ」

 全部は言えない。
 言えないままに、京を離してその戸惑いの表情に笑みを贈った。
 泣きたくなるのはどの世界でも同じこと。
 なのに、この世界での辛さは今までの比じゃないことを、時間があるであろう今でさえ痛感していた。
 忘れられることなく、ずっとこいつらと馬鹿やっていたいって……本気で思ってる。

中井出「よしっ、残りの測定全部やってきちまえっ!
    抱き締めたんだから、何か一種でもワン子に勝つこと」
京  「………《じー……》」
中井出「……そんな不安そうな顔しないの。
    大丈夫、言ったろ? 一緒に居る、守ってやるって。
    俺がファミリーとの“約束”、本気で破ったことあるかー?」
京  「あ…………うん、じゃあ納得する」
中井出「うむ、それでこそ京。さ、行っといで。……っと、今日部活か?」
京  「うん。地道に博光からの感心ポイントを溜めて、愛と交換してもらうつもり」
中井出「手に入れられる愛で、何をしてほしい?」
京  「私の全てをもらって“ほしい”」
中井出「“何をして”が抜けてます京さん」

 お馴染みのやりとりをしつつ見送り、そろそろ用意を始める。
 さーてと、また平凡にいきましょうか。

翔一 「随分長いフォローだったなぁ」
中井出「だが最後はいつものとろけた笑顔だったぞ。ステキ」
育郎 「あのとろけた表情最高だったなぁあハハ! お、俺もう勃っちゃ───」
中井出「ファミリーを穢すようなことしたら…………1ミリの冗談抜きでツブスよ?」
育郎 「……イマノデナエマシタァァァ……」
卓也 「不用意な発言やめてよね。ヒロのファミリーへの思い、尋常じゃないんだから」
岳人 「にしてもお前の能力の平均、随分下がったよなー。
    ガキの頃はまだ俺様とかキャップに食い下がってたのによぉ」
中井出「食う専門ばっかの大食らいどもの所為で、
    料理とか習わなきゃいけなくなったからなー……」
大和 「ガクト」
卓也 「ガクト、早く謝んなきゃ」
翔一 「お前の所為だぞガクトー」
岳人 「何で俺様だけ悪いみたいになってんだよ! ちげーだろ!」

 笑いながら指定の場所へ歩き、測定を始める。
 どうやら女子も校庭での測定を終えたらしく、体育館へ向けて移動を開始していた。
 それをちらりと見る過程で丁度京やワン子がこっちを見ていて、目が合えば───

中井出&一子『イェアーーーッ!!』

 諸手を振って互いに応える僕とワン子が居た。
 対して京は照れくさいのかそんな反応はしない。
 なので歯をゴシャーンと輝かせながらサムズアップしてみると、何故か頬を軽く挟みながら目を伏せ、顔を赤らめていた。……え? なにその反応。

中井出「んー……なんか気分晴らしたいし、
    久しぶりに本気出しちゃおうかな〜……な〜んて、ハハ……ハーーーーッ!!?」

 遠くの校舎、並ぶ窓。その一つがチカチカと輝き、目を向けて千里眼を使って見てみればモモ。……ゼスチャーみたいなのをしてる。えと、なになに……? 教師……いや、勉強? 授業……授業か。授業が……取っ手も……とても、か? 授業がとても……眠い? いや、退屈だから? …………ポージング……じゃないな。筋肉? ガッツポーズ……あ、ああ、全力ね? 全力出して、楽しい……マセガキ? …………全力出して、楽しませたし……?
 ……授業がつまんねーから楽しませろだそうだ。全力出して。
 まあ……丁度ワン子も居ないし、いいっちゃいいんだけどさ。
 でも男子連中の目に留まるのもなぁ……よし、ヨンパっつぁんを誘導してなんとかしようか。基本、エロ好きなF組だ。なんとかなるでしょう。

中井出「なぁヨンパっつぁん? 女子は今頃体育館で……」
育郎 「ああっ……じゅるり……パラダイスだぜ!」
岳人 「女子全員が下着、そして胸囲を計る時はノーブラに!」
育郎 「うわヤベ! 勃ってきた! お、おい! 早く行くぞ!」
中井出「いってらっしゃーい。
    ……大和とキャップは行かんの? モロも連れていかれたけど」
翔一 「お前なにかやらかす気だろ。隠そうったってそーはいかねーぞ!」
大和 「覗いたなんて知れたら京に殺されるだろ。
    毎度言ってる通り、ヒロ以外には断固見せないそうだし」

 まあ、うん。ヨンパチとかガクトとかモロが死なないことを、せめて祈ろう。
 彼らが筆頭ってだけで、他の男子連中もスグルとクマちゃん以外ほとんど体育館覗きに行ったし。男の子やねぇ……俺にはもうそんなトキメケはないや。

中井出「じゃあえーとその。ここで起こることは他言無用ね? 特にワン子には」
翔一 「よっし解った! って言っても、べつになんだろーと受け入れると思うけどな」
大和 「だね。懐いてるし」
中井出「ちと複雑な事情があるのよ。おいおい解ると思うけど、今はまずい。
    だから他言無用で。で、俺これから世界記録潰していくからよろしく」
翔一 「なにぃ!? 俺を差し置いてそんなおもしれーことに挑戦なんて許さん!
    俺もやる! 俺も混ぜろ!」
中井出「ククク、本気を出した俺はスゲェぜ? なにせ本気だからな」
大和 「意味が解らん……っと、次俺とキャップか」
翔一 「100メートル走だな。よし大和、勝負だ!」
大和 「軍師に体力的なことで勝負かけないでほしいんだけど」

 言いつつもしっかりと全力。やるからには全力ってのは青春って感じでいいよね。
 ……ふむ、一度思い切りやって火がついたらしいあちらはほっといて、僕は僕で勝手にやらせていただきましょう。
 なるったけあっちが自分の測定に熱中してる時に……と。

梅子 「では始めるぞ!」
中井出「いつでもこーい!」
梅子 「用意……スタート!」
中井出「はいストップ〜♪」
梅子 「《カチリ》うん? ───なっ!?」
中井出「イエー! いっちゃぁーーーくっ!」
梅子 「……お、おい中井出。お前は今確かに、向こうでスタート準備を……」
中井出「はいな。走りましたよ? 100メートル0,5秒。
    ……おーお、モモ驚いてる驚いてる! イェーーーーッ!!」

 たまげている窓際のモモさんに手を振ってみました。
 でもあっさりと測定のやり直しを要求されたので、今度はフツーに走った。
 楽しませたし、OKね? キャップには何が世界記録だーって怒られたけど。


───……。


 そうして人間力測定も終わり、放課後なると、京は部活、ユキは冬馬や準と遊びに行くとかで、必然的に帰宅連中の数も少なくなる。
 ガクトもモロもヨンパチの戦果(女子のブルマ写真)を見るために教室に残ったし、大和も交流を増やすとかで帰宅部を辞退。
 キャップはバイトでワン子は修行。必然的に僕だけが帰路を歩む……なんてことはなく、寂しかったので1年の教室に乗り込んでまゆっちかっさらってきました。相変わらずクラスメイトに距離置かれてたけど。

中井出「でさ。今日はモモとSUMOUをするんだけど、よかったら見に来る?」
由紀江「お相撲ですか?」
中井出「ノー違う。世界最強の国技SUMOU。
    相撲は国技じゃないけど、SUMOUは世界最強の国技として一部に知られる」
由紀江「す、SUMOU……?」
中井出「そう、SUMOU。国技は“相撲道”であり、
    相撲自体を国技として見てはいけないとか言われた気がする。
    しかしそんな常識をブチ破ったのがKIを使い相手とTORIKUむもの。
    即ち……世界最強の国技、SUMOU」
由紀江「は、初耳なんですけど!?」
中井出「無理も無し。KIを用いて戦うRIKISHIは表舞台ではそうそう見られぬ。
    僕はこれから無礼ながらもその真似ごとをモモとするつもりなのさ」
由紀江「えぇええええっ!?」

 やあ楽しみだ。
 モモは氣で空も飛べるお子だし、きっと善きTORIKUMIになる。
 おっと、清めのSHIOも用意しておかないとね。

由紀江「え、あ、あの、私はどうすれば……!?」
中井出「もし空飛べるなら、GYOUJIを頼みたいんだけど」
由紀江「最近の行司は空飛べないといけないんですか!?」
松風 『やべ〜よまゆっち、こんな誘いは正直想定外にもほどがあるぜ〜!』
由紀江「い、いえいえいけませんよ松風、
    せっかくお友達が誘ってくださってるんですから!
    ききき氣で空を飛んで行司を……空飛べる時点で土俵関係なくありませんか!?」
中井出「NOォ……まゆっち、SUMOUにとって、
    DOHYOUとはアース……地球そのものだ。
    SUMOUは空中戦こそが真価。なにものにも縛られずに全力で戦い、
    母なる大地に手をつかせる、もしくは倒すことこそがSUMOUでいう勝利。
    様々なものに感謝しながらTORIKUMIを行い、KIで相手を圧倒。
    正面からぶつかり合い、
    しかし時にはSURIASHIを用いて細かな動きで相手を翻弄。
    その熱き魂はやがて戦場をDOHYOUから空へと移し……」
由紀江「ま、ままま松風……世界は私が思っているより広かったみたいです……!」
松風 『おいおいまゆっち信じるなって〜、これは博光なりの冗談だぜきっと〜!』
由紀江「そ、そうですよね! きっとそうですよ…………そう、ですよね?」

 なんだかまゆっちがぶつぶつ言ってたけど、丁度そこにモモが合流。
 談話をしながら中井出宅へと向かい、そこで……TORIKUMIが始められようとしていた。

由紀江「ひ、ひがぁ〜〜しぃ〜〜っ! かわぁ〜かみぃ〜、もも〜よ〜〜っ!」
百代 「SUMOU……世界最強の国技を体感出来るとは、光栄だ」
由紀江「ほんとにあるんですか!?《がーーーん!!》」
百代 「まゆまゆ、GYOUJIがこれくらいで動揺してどうする。
    SUMOUは神聖なものだ。礼節と意思をしっかり持ってTORIKUめ」
由紀江「ひやっ、は、はいっ!」
松風 『アワワワワ……ややややべぇよまゆっちマジだった!
    この空気の張り詰めよう、尋常じゃないぜぇええ……!!』
由紀江「い、いえ、真剣だからこそこちらも真剣に……!《……キッ!》
    ───西ぃ〜〜、なかいでぇ〜、ひろ〜みつ〜〜〜っ」
中井出「モモ、MAWASHIの準備は十分か?」
百代 「そういうお前はMAGEまで結ったんだな」
中井出「MAGEはRIKISHIの魂。
    真似事とはいえDOHYOUに立ってTORIKUMIをするならば当然」

 髪をちょいと伸ばしてMAGEを結った。
 途端に気が引き締まり、心が妙に落ち着いた。
 きちんと用意した決して広くはない円の戦場。
 そこにKIを込めた浄化のSHIOをモモとともに撒き、この空気とともに真剣な顔になったまゆっちというGYOUJIのもと、俺とモモは睨み合った。

百代 「KIを解放する。世界最強の国技に礼を欠くことのないよう、全力だ」
中井出「望むところ。TORIKUMIとはRIKISHIが全霊を込めてぶつかる場。
    ならばこそこの博光も全力を出してTORIKUむ」

 マナという名のKIを解放。
 人間としての全力を出せるように人器を100%解放し、白線の前に屈む。

由紀江「見合って───はっけよい……!」
百代 「───《ンゴゴゴゴゴゴゴ……!!》」
中井出「───《ズゴゴゴゴゴゴゴ……!!》」
由紀江(《ごくり……》凄い氣……いえ、KIです……!
    しかもお二人とも、いつもの笑顔なんて微塵もない……。
    これが……SUMOU……?)

 間が置かれる状況に、高まるKIが互いを牽制する。
 しかしされればされるほどKIは研ぎ澄まされ、今か今かとGYOUJIの合図を待つばかり。

由紀江「───! のこった!!」

 そして今、合戦の合図!!

  キュボドガァァンッ!!!

由紀江「ひぃいいいえええええっ!!?」

 正面からのBUCHI−KAMASHI!!
 額と額がぶつかり、互いに多少後方に吹き飛ばされかけるが、それさえFUMIKOMIの助走として利用して再び突っ込む!
 放たれるはHARITEの弾幕。
 一撃目のBUCHI−KAMASHIで発生したショックウェーブでGYOUJIであるまゆっちが吹き飛ばされたが、しかし即座にいつかのように受身をとってTORIKUMIを見守る。
 その数瞬の間にもWAZAの応酬が繰り返され、投げられそうになれば残り、押し返してはHARITEでもって返す。
 それらを3数える間にも百撃は繰り返し、一撃一撃の度に轟音が高鳴り、風が吹き荒ぶ。
 練られたKIは青白いスパークを放ち、HARITEの度に光が衝撃とともに相手を突き抜け、見る者が見れば幻想的な花火のようにも捉えられるだろう。
 だが、TORIKUMIとは甘きに落ちず。
 本気でぶつかり合う者達に遠慮は無用。歯を食い縛り、HARITEの痛みにも耐え、BUCHI−KAMASHIの衝撃にも耐え、なおもぶつかり合う。
 そこには男女の差別など無く、荒ぶってなお洗練されたKIとWAZA、JIHIを持つ者を、人は男女問わずにMASURAOと呼んだ。
 鍛錬を積み、高みに上がれたところでYOKODUNAになれるのは一握り。
 なれど上の者を憎むは恥。
 JIHIを、感謝を持ってTORIKUむことこそ本懐なり。

中井出&百代『おぉおおおおおおっ!!!』

 ぶつかり合う魂はやがて戦場をDOHYOUから空へと向かわせる。
 大地の支えを乗せずに戦うこと、これ即ち己の力量比べ。
 KIを纏うことで空を跳ぶRIKISHIはこの時にこそ光となりて、空を自由に飛びながらぶつかり合う。
 大地を捉えるRIKISHIのHARITEは、たとえKEIKOとして向かわせたトラックの突進さえも一撃で破壊してみせる威力を誇る。
 しかし侮るなかれ───鍛え抜かれた肉体は大地を捉えずとも、その体重を乗せることで常に凶器として存在できるという。

中井出「───!!」
百代 「───!」

 一対の光が空を往く。
 それはまるで光の舞踏。
 回転し、時にぶつかり時に弾ける光を、GYOUJIは息を飲んで見上げていた。
 理屈ではない……でたらめな攻防に見えて、これは確かに真剣勝負。
 あれだけ練られた氣……否、KIを続けざまにぶつけ続け、双方ともに無事でいられるわけがないのだと、彼女は理解した。

  ───響く、双方の裂帛の咆哮。

 空を通ったどこかの国の戦闘機がその咆哮に中てられバランスを崩す。
 一対の光は刹那にKIを納め、戦闘機が去るまでを待つ。
 これぞJIHI。
 JIHI無くしてRIKISHIは語れない。
 真剣勝負であればこそ慈しみ、全力を出し、解り合うのだ。
 しかしこれほどのKIのぶつかり合い。
 時に不幸が起こることも有り得るが、GYOUJIが全てを癒し、蘇らせることでSUMOUはJIHIを保ったまま、世界最強の国技として存在し続けていられるのだ。

由紀江「うぇっ、えぇえええええっ!!? 蘇らせるとか無理なんですけどーーーっ!?」

 ぶつかるKIとKIが空を歪ませ、風を巻き起こす。
 男は初撃から容赦せず、女もまた回復の追いつかぬ超速のTORIKUMIに息を荒げていた。しかしそれ以上に高揚し、互いが今この場を構築した全てのものに感謝していた。

  ───再びぶつかり合い、互いがMAWASHIを取る。

 空中だというのにまるでその場にDOHYOUがあるかのように、しっかりと向かい合って力を込める双方。大気が震え、KIの粒子が立ち上り、やがて───双方が渾身を込めた瞬間に景色は閃光とともに爆ぜた。異なるKIの間に存在した空間が破裂し、爆発を起こしたのだ。
 その轟音、衝撃に怯むこともせずに、互いにWAZAを仕掛けた。
 かたや母なる大地に目掛け、かたや大いなる宇宙を目指し。
 浮こうとする力と落ちようとする力が拮抗し、しかしここで差が生まれてしまった。
 女の方のKIが、己の体の超回復に使われ、僅かばかりにKIの錬度が落ちてしまったのだ。
 焦った時にはもはや遅し。
 男は女を掴んだまま空へと舞い上がり、やがて宇宙へと至ると、閃光の柱を作りながら一気に大地へと落下し───女を、大地へと叩きつけた。

  直後に広がる、大地を抉り景色を燃やす、広がる半球。

 円であったDOHYOUは跡形もなく吹き飛び、出来たクレーターの広さは調べるのが嫌になるほど。しかしこれも───

由紀江「あ───あわわ……はっ!?
    ……な、なぁかぁ〜いでぇ〜! ひろ〜みつ〜〜〜っ!!」

 GYOUJIが勝者の名を口にし、光を振るえば全て元通りになった───!

由紀江「えぇえええだから蘇らせるとか無理で! ……え、えぇえええっ!!?
    景色が直っていきますーーーーっ!!?」

 ………………。
 抉れた大地が完全に戻る前に意識をRIKISHIから自分に戻し、モモを掘り起こす。
 そのまま浮いてしばらく待てば、大地の再生だ。

百代「くぅううっ……また負けた〜……!」

 で、正面に立って見てみれば、への字口で目に涙を溜めたモモさん。
 だがここがDOHYOUだと気づくや涙をピッと拭い、正面に見合って一礼を。
 これにて───TORIKUMIを終了とします。

中井出「〜〜〜っ……ぷはぁあーーーーーっ!!
    はっ……い、いやっ……めっちゃくちゃ疲れたぁああーーーーっ!!!」
百代 「疲れもしたけど、最後のはさすがに死ぬかと思ったんだぞぉ、こらぁ〜……」
中井出「いや、SUMOUやるなら本気じゃなければ。
    ……でもあの戦闘機、大丈夫だったかね」
百代 「強化ガラスだったんだろうけど、ヒビが入ってたな。悪いことをした」
中井出「つーか思いっきり見られたねぇ……どうしましょ」
百代 「どうとでもなるんじゃないか?
    日本が核を持たない理由がよく解ったに違いない」

 泣いた誰かさんがなんとやら。モモは胸の下で腕を組んで、はっはっはと笑っていた。

百代 「で、この景色の修復もお前の力か?」
中井出「GYOUJIの真似事だけども。さすがに地球をくっつけることまでは出来ん」
百代 「当たり前だ───と、ととっ!?《とさっ》……あれ?」
中井出「ぬ?」

 モモがふらつき、尻餅をついた。
 きょとんとしてなさる。どうしてそんな風になったのか、自分でも解らんって感じだ。

中井出「どしたん?」
百代 「い、いや………………あれ? ふっ、ぬっ! …………立てん」
由紀江「……あの。もしかしてKIに中てられて、腰が抜けたとか……」
百代 「なっ! わ、私は川神百代だぞ!? そんなことがっ……」
中井出「はーいはいはい、誰だろうと抜ける時は抜けますわい。はいよっと」
百代 「《がばっ》うわっ!? う、な……!?」
中井出「うなぎ? いいえ、お姫様抱っこです」

 腰が抜けてるそうなので、体勢的にも丁度良いお姫様抱っこをする。
 こんなところで腰抜けっぱなしだったら、客人が来た時大変でしょう。

百代 「おおう……ファンの娘や道ゆく仔猫ちゃんを抱き上げることはあっても、
    自分がやられたのは初めてだ………………新鮮だな、これは」
中井出「目ぇ輝いてますね」
百代 「ああ。初めてじじいに肩車してもらった時みたいだ。
    景色が高くて興奮したのを覚えてる」

 くっくと笑うモモちゃん。
 恐らく、興奮しながら川爺の頭でもズバムズバムと叩いてたんだろう。
 ……なんか機嫌が良くなったっぽく、人の首に手を回してきてます。

中井出「どぎゃんした?」
百代 「お姫様抱っこといったら、やられるほうはこうだろう?」
中井出「そんなもんかね? まあいいや。まゆっちー、お茶にしよう。あがってあがって」
由紀江「あ、はいっ」
松風 『……なぁまゆっちー?
    ここで崩壊した景色が直ったことについてツッコむのはヤボなのか〜……?』
由紀江「気になります、気になりますけどSUMOUとはそういうものらしいので……!」
百代 「まゆまゆ、SUMOUは理屈じゃない、魂で見るものだ。
    その過程で何が起きようとも、SUMOUとはそういうものだと理解すればいい」
由紀江「そんなものなのでしょうか……」
中井出「もちろんさ」
百代 「ああもちろんだとも」

 悩むまゆっちを促し、自宅へ。
 どおれしっかりとお持て成しをしてやるとするか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
 ……MAWASHIを取ってからね。


【SIDE】  ……一方その頃。 ??? 「父様……! い、今のは……!」 ????「ああ、間違い無い。世界最強の国技、SUMOU……。      選ばれた者しか見ることが出来ないTORIKUMIを、      まさかこの目で見られるとは……!」 ??? 「物凄いKIを感じました……今でも震えが止まりません」 ????「離れていたというのにKIだけで軍が誇る強化ガラスにヒビが入った。      やはり日本はすごいな。日本が核を持たぬ理由はやはりこれか……」 ??? 「父様、明日の川神学園への登校、ますます楽しみになってまいりました!」 ????「私もだ。ここはやはり、礼に沿って馬に乗って登校すべきだろう」 ??? 「サムライの国、日本……!      映像や知識を通してだけでは知りえぬものが多そうです!」  ……戦闘機に乗って日本に来たドイツ人は、盛大な勘違いをしていた。
 で。 百代 「ヒロ〜、まだ動けないからジュースとってくれ〜」 中井出「はいはい」 百代 「ヒロ〜、茶菓子がないぞ〜」 中井出「茶も飲んでないのにこのふてぶてしさっ……! まああげますけど」 百代 「ヒ〜〜〜〜〜ロ〜〜〜……」 中井出「なんですかもう!!」  なんかモモがすげぇ構ってちゃんになった。  敷いてやった布団の上で駄々っ子状態である。何事? 由紀江「あの、私にもなにか出来ることがあれば……」 百代 「おお、まゆまゆ殊勝だな。抱き締めてやろう」 由紀江「《きゅむり》ふやぁあーーーーっ!!?」  助力申請を出してくれた黛一等兵、あっさりと捕虜になるの巻。  抱き締められて頬ずりされまくってら。  賑やかなこと、いいこと。 中井出「で、初めて腰を抜かした感想は?」 百代 「面白いなっ、体が自分の言うことを聞かないなんて初めてかもしれない」 中井出「や、そんな笑顔で」 百代 「というわけで動けないから頼らせろよ〜。男らしいとこもっと見せろ〜」 中井出「なんなのかねぇこのお子は……」  まあでもこんな顔は初めて見るので、珍しさだけでも十分。  おおめんこいめんこい、頭撫でちゃる。  ……つーか頭撫でもほんとクセになったなぁ。  この56億年で何回頭撫でた? ……まあいいや、クセだろうと好きだし。 百代「《なでなで……》……んむー……」  ありゃ、嫌がらないや。  それどころかどんとこいって感じで撫でられるままになってる。  代わりにまゆっちが撫でまわされておりますが。 中井出「そーゆーところをもっと見せていけば、もっとモテるよ、モモ」 百代 「魅力のない男にモテたって嬉しくもなんともないだろー……?     まあ、美女は別だがなっ」 由紀江「《すりすり》あぁああああうぅううう……!!」  頬ずりされて目ぇ回してます。  まあ、これも人に慣れるための試練ということで。 中井出「頑張れまゆっち、ここで抱きつかれるのに慣れておけば、     人とのコミニュケーションもスピードアップで慣れていくに違いない!」 由紀江「はっ……」 松風 『おぉお冴えてるぜ博光ぅ!     つまり全然助けてくれなかったのはそういう考えがあったからなんだな〜っ!?』 中井出「え? ……うむ!」《どーーーん!》 松風 『素で助けなかっただけみてぇだーーーっ!!』 中井出「はっはっは、まゆっち〜?     きちんと自分で伝えないと、伝わらない言葉ってのがあるんだぞぅー?     ほんとに大事なことは九十九神抜きでって言ったろー?」 由紀江「そそそそれは解っていますけどーーーーっ!!     《すりすりすり》はうやわわわゎーーーーーーっ!!」  まあ、ほっとこう。  そろそろ晩飯の用意もしなくちゃだし、仕込みは早いほうが味がしっかり活きてくるってもんさ。 中井出「モモー、今日はどうするー?」 百代 「立てないから泊まってくー」 中井出「そかー。んじゃ、川爺に連絡でも入れとくかぁ。また飛んでくるかも」 百代 「うえ……いいだろめんどいー。じじいなんかほっとけー」 中井出「心配してくれる人をそう邪険にするもんじゃないよ。     立てないって理由なら、連れ帰ってくれるかもだぞ? ラクチンだ」 百代 「お前はどこまで私に恥をかかせれば気が済むんだよ……イジメか?」 中井出「いえいえ家族愛です。ま、迎えに来るんだったら晩飯くらい包むから、     門下生たちと一緒に食べなさい。川爺の分は作らんから」 百代 「お前だって邪険にしまくりじゃないか……」  うむ、前に殴られた仕返し、してないからね。  モモの呆れ顔を横目に軽く手を振って、仕込みを開始することにした。  つーかワン子が修行中なのにモモがここに居るのって、いいのか? ───……。  翌日。  今日は転校生が来る日ですハイ。  と、うすヴォンヤリとした頭で考えていると、 京  「んー……」 中井出「《まちゅり》ふぐっ!?」  ……朝っぱらから唇を奪われ、絶叫。  その声に起きたユキにも襲われ、散々な朝を迎えた。 ……。  しゅううううう…… 京  「愛が痛い……」 小雪 「愛でいたいー……」 京  「初めては痛いもの。だからこれはこれで10点」 中井出「神様、我が家のお子めらがMに目覚めないか不安です助けて」  頭にたんこぶを作った二人と道をゆく。  今日はワン子が来なかったから三人で食事を済ませ、結構早い登校だ。  しかしそんな時間でも待っている方がおる。 中井出「おー、おはようまゆっちー」 由紀江「もし待っていてなんでこんなところにとか言われたらどうしましょう待っていて迷     惑だったらいえそもそも友達だからって毎日待たれたら迷惑そのものなのではいえ     しかしぶつぶつぶつぶつ……!!」 中井出「………」  昨日帰る時、なんか“やるぞー”って感じでガッツポーズみたいなのとってたけど、この独り言となにか関係あるのかしら。  ちなみにモモは川爺に連れられて帰った。  さすがに何回も外泊とかは、門下生に示しがつかんとかで。  もちろんお土産しっかり持たせましたさ。  川爺の分はないがなー! って言ってみたら悲しい顔をされたので、しっかりプラスしましたが。我ながら甘いね、甘いよ。 京  「鬼になりきれない博光が好き」 中井出「家族で」 小雪 「家族でいいから好きー」 中井出「うおう、斬新な返しかた。俺も好きだぞユキー」 京  「! ……それでも譲れない一歩がある。言葉の誘惑に勝った私、10点」 中井出「家族愛じゃあ満足できないなんて、おにーさん悲しい」  それはそれとして、松風相手にぶつぶつ唱え続けるまゆっちに………… 1:フツーに声をかけ直す 2:ジュテーム(耳に息を吹きかける) 3:テンパってる間に松風を吉良の赤馬ストラップと交換する 4:お持ち帰り 5:一緒にテンパってみる  結論:…………3! 中井出(ザ・ワールド! 時よ止まれ!!)  まずは時を止める!  そして、両の手の平にのっけて話し掛けていた松風をひょいと奪うと、その掌に赤馬ストラップをちょこんと。  で、さっきまで居た位置に戻ってと。 中井出「……そして時は動きだす」  時間停止を解除! さあ反応は!? 由紀江「松風が赤兎馬に変わりましたぁああーーーーーっ!!?」  大好評だった。 由紀江「松風っ!? 松風っ……な、なんという変わり果てた姿に……!」 赤兎馬『………』 由紀江「九十九神がこの急激な変化に対応しきれず消えてしまいました……!     わわわわ私はこれからどうしたら……!!」  おおう、本気の本気で泣きそうだ。  これはひどいことをしてしまった……なんとかせねば。  ……ふむ、丁度川沿いだし……。 中井出(奥義、風の悪戯!)  吹けよ突風! 風のキャリバーを使用し、川へ向けてストラップを飛ばす!  驚愕のまゆっち! 慌ててストラップを追おうとするが、ストラップは川の中に……! 由紀江「あ───」  もはや周りなど見えず、呆然と立ち尽くすまゆっち。  その瞳にはついに涙がギャアアアア早くしねぇとやべぇ!! 中井出(朝から大変だねもう!)  召闇で出した誰かさんに金灼を纏わせてから転移で飛ばす! 水中に沈めてから、水面へ向けて光を放ちつつゆっくりと浮き上がらせる! 察しの良い人はお解りだろう。これぞ、泉の精霊ならぬ川の精霊……! 精霊 『あなたが落としたのは黒の松風ですか? それとも吉良の赤馬ですか?』 由紀江「赤兎馬ですらありませんでしたぁあっ!《ぶわっ》」  あ、泣いちゃった。  ていうか精霊を前にしての第一声がそれでいいのか? 由紀江「って、え、えわぁぇええーーーっ!? せ、せせせ精霊……!?」 精霊 『………』 由紀江「はっ! 今はそれよりも……! お、落としたのは松か───はうっ!     お、落としたのはあくまで赤馬のほうで、松風は何故か赤馬になっていて、     でもたしかこの場合は正直に言わないとだめで、あれ?     正直に言うと金銀を押し付けられて、馴染みある斧はかえってこないままで……」 精霊 『………』 由紀江「おっ……おとっ、落としたのは確かに赤馬です!     でも返して欲しいのは松風でっ! ていうかあの、本当に精霊なんですか!?」 精霊 『正直すぎる返答をありがとう。     しかし正直者だからって許されると思っているなら大間違いです。     不法投棄罪としてこれらは預かります。あなたは学生のようですね。     放課後一人でこの場所に来なさい。いいですね、一人でです。     でないと、このストラップがどうなることかククククク……!!』 由紀江「なんか話がとんでもない方向に飛んでますっ!?」 精霊 『九十九神に頼らず、一人で人々と接してみるのです。     これは精霊の試練と受け取りなさい……もし少しも友好関係が結べぬなら……!』 赤馬 『ウ、ウワァアーーーーーーッ!!!』 由紀江「え!? あ、───!?」  赤馬を空へと飛ばす。そして、その大空で……大爆発を遂げ、コナゴナに……! 由紀江「あ、ああ……あ……」 精霊 『これは見せしめです。もし条件を違えたなら、次はこの松風が……!』 由紀江「やっ……やめてください! なんて……なんてひどいことを!     あの子がいったいなにをしたというんです!」 精霊 『ご安心を。飛ばしたのは質量を持った残像であり、本体はこちらへ』 由紀江「えぇえええーーーーっ!?」 精霊 『そんなわけなのでまた放課後。ではよい一日を。ハヴアナイスデーイ♪』 由紀江「ちょっ……ままま待ってください! 返しっ……返してください!     松風! 松風ぇええーーーーーーーっ!!」  ……トプンッ。  精霊は川へと沈み、やがて光も消えました。ええまあ回収しただけですが。 京  「……何事?」 中井出「KIを使って作った偶像です。いい加減交友関係を本格的に広めてもらおうかと」 小雪 「マツカゼはー?」 中井出「これここに。ちゃ〜んとあとで返しますとも」  ひょいと掌の上に乗せた状態で見せてやる。  壊れでもしたら大変なので、エーテルコーティングも完備さ。  でもそれはそれとして、まゆっちがぺたりと草むらにへたりこんでしまった。  顔は蒼白。よっぽど心の拠り所にしていたのでしょう。  ……なんかいきなり物凄いことをしてしまった。ううむ、いろいろフォローしなければ。 中井出「おーいまゆっちー」 由紀江「!! は、はうっ……あ、う……」 中井出「ややっ!?」  声をかけた途端、今度は反応があった。しかもものめっさ鋭く。  ……つーか怯えてる感じさえする。  無いと解っているのに必死に松風探してらっしゃる。  だがそれで良し、ものを大切にすることはすばらしい。  そしてこの博光は相手が嫌がろうがズカズカと近寄ります。 中井出「一緒にガッコ行きましょう」 由紀江「ふ、う……あう、う……」 中井出「ふむ。お手」 由紀江「……? …………」 中井出「《てしっ……》うむ。じゃあ行こう」  犬だったら絶対に耳を垂らせて怯えてるだろうって顔で、ふるふる震えながら差し伸べた手に手を乗っけてくる。  そんな手をきゅっと握って歩き出した。  戸惑いの言葉? 知らぬ!! 由紀江「あ、あああ、あの、あの、あのっ……」 中井出「ほっほっほ、友達に何を遠慮することがありましょう。     なんか知らんけど怯えてるようだったし、     そういう時は一段飛ばしで強引に行ったほうがいいの。     …………松風、無くした?」 由紀江「………………し、信じてもらえないかも……しれませんけど。     か、川の精霊に……取られてしまって……」 中井出「ぬ、ぬう川の精霊……!」 由紀江「───! し…………あ、あぅ……」 中井出「……まゆっち、きちんと言って。     この博光、友の言葉ならどんな言葉も受け入れよう。     怯えるこたぁない、どんどん思ったことを言うといい」 由紀江「…………」 中井出「ん?」 京  「ユキ、リピート」 小雪 「おー。信じてもらえないかもしれませんけど、川の精霊にとられてしまってー」 京  「ぬ、ぬう川の精霊……!」 中井出「はい」 由紀江「───し、知って……いるんですか博光さ、さん……!」 中井出「ブラーーヴォォーーーーーッ!!」 由紀江「《がばしぃーーっ!》ふわぁあーーーーーっ!!?」  きちんと言えたまゆっちを抱き締め、サイクロン。  ブンブン振り回してからストンと下ろし、真っ赤な顔でぐるぐる目な彼女の頭をぽむぽむと撫でる。 中井出「まゆっち、これは試練だ。過去に打ち勝てって試練と受け取りなさい。     松風がその川の精霊に奪われたというなら奪い返そう。     条件があるならそれを達成したほうが安全に戻ってくるだろうけど。     なんか言ってた? その精霊」 由紀江「え……あの……信じて、く……ださるん、ですか……?」 中井出「友達でしょ? そりゃ信じるさ」 由紀江「あ………………《ぽろぽろぽろ》」 中井出「ルヴォァアアアーーーーーーッ!!!?」  泣いっ……泣いたぁああーーーーーっ!!? 京  「泣かした……女泣かせな博光も好き《ぽっ》」 中井出「予想外の反応が来た!? いや、そんな頬染めてられる状況じゃないから!」 小雪 「チョウチョ〜♪」 中井出「そしてこっちは緊張感がないにも程がある!」  俺の罪悪感が胃袋を刺激している……!  環境ホルモンを食いたくなったベルムスなみにキリキリなってる!  だがこれは必要悪ってことでなにとぞ……! 中井出「ど、どうしたの? なにがそんなに悲しいの? 奥歯にもやしでも詰まったの?」 京  「それで泣くのは博光くらい。そんなあなたが好き」 中井出「家族で」 小雪 「ん〜……? 奥歯にチョウチョが詰まったの?」 中井出「怖いよ!?」  ともかく泣いてしまったまゆっちを抱き締めて頭を撫でてやる。よしよしと。  うう、泣いたお子はこうすると泣き止んでたから、こうする以外によく知らんのだ。  現に京もユキも泣き止んでほっこりしてたから、間違いではない筈。  ナギーやシードは………………うん、いや……うん。なんでもないさ。 ───……。  ……まゆっちが泣き止んだあたりで皆様と合流。 大和 「なんか軍人さんと会ったよ。道端でぶつかっちゃってさ。これってフラグかな」 中井出「転校してくるドイツ人がその人だったりして」 大和 「……モロと姉さんにも同じこと言われたよ。フラグが立ったって」 百代 「で? ヒロは朝からまゆまゆ泣かしてどうしたんだ?」 中井出「おおそれよ。今日は僕、まゆっちの交流の輪を広めたいと思うんだ」 百代 「話がいきなりぶっ飛んだな」 卓也 「輪を広げるだけでどれだけ大冒険なのさ」  ほんにね。まあ難しくは……あるにはあるか。  ともあれかいつまんで説明。 岳人 「水の精霊……美人だったか!?」 由紀江「…………あ、の……」 百代 「鉄拳」 岳人 「《ゴバキャア!!》ウボォェ!!」 卓也 「大事なものが無くなったって時くらい空気読もうよガクト……」  でも有無も言わさずナックルはどうかと思う。 百代 「つまりまゆまゆの交友関係を広めて放課後に来ればいいんだろー?     簡単簡単、余裕だろう」 中井出「では川神百代さん、具体案を」 百代 「私のファンを紹介してやろう。そこで一人とでも話が合えば十分だろう」 中井出「はい却下。多少仲良くなった我らの前でさえビクビクモードになってるのに、     そんな大勢連れてきてどーすんのさ」 百代 「う……じゃあ今すぐヒロの家に行って風呂に入るぞまゆまゆ!     親睦を深めるために一緒に入ってウエヘヘヘヘ!!《ごすんっ!》ふぎゃんっ!」 中井出「暴走しない。それただお前が裸を見たいだけだろ」 百代 「うぅう……」 卓也 「…………」 大和 「………」 岳人 「…………《ピクピク……》」 中井出「ホイ?」  なんか見られてる……どうかしたのかね。 大和 「姉さんが殴られた……しかも仕返し無しとか、何事?」 中井出「対等じゃけぇ」 翔一 「つか、昨日あたりからモモ先輩少し丸くなってね?」 大和 「俺が叩いたりでもしたら、どんな恐ろしい目に遭うか……」 百代 「それ以前に当たらん」 大和 「デスヨネー」 中井出「実はね、借金───」 大和 「あ、もう解ったからいい」 翔一 「モモせんぱーい、金借りるのやめたほうがいいって何度も言ってるのに」 卓也 「今月もうきついから、あんまり連続は勘弁してほしいなぁ」 百代 「…………ヒロ、ここは泣くとこか?」 中井出「僕のお乳をお飲み《脱ギャぶちゅぅうう!》ギャアアーーーーーーッ!!!」  そしてまた吸われた───や、違うんだよ!?  僕の胸でお泣きって言おうとしたのに、僕の体が自然とフザケを目指してしまって!  むしろモモまで人の乳を吸うなんて思わないじゃない!  どんなカッパーフィールドですかこれ! 京  「右の乳を吸われたら、左の乳を差し出せと」 卓也 「いや言わないよ! それ頬を叩かれたときのことだから!」 京  「だったら今つくる。んー♪」 中井出「キャーーーッ!!?」  容赦なく吸われ、しかも道ゆく人達に見られまくりました。  民の視線がイテーイテー………………神様、泣いていいですか? 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