【プロローグ16】

 川神から箱根湯本までは電車で1時間30分弱だと大和は言った。
 そして今日という日曜の朝、僕は電車に乗っているわけだが───

中井出「ひーとーりーがーだいすきさー……どうせ死ぬときゃ……ひとりきりー……」

 ジャンケンで負けた僕は、4人一組の席からハブられて一人で激辛マニアを食べていた。
 4人一組が3組作られ、僕だけ孤独。なので、みんながワイワイと楽しげに騒ぐ車両から離れて、一人神経衰弱をしていた。激辛マニア片手に。

中井出「そういやぁ……丁度こんな時だったよなー……
    フカヒレ相手に挨拶して別れたのって」

 あっちも対馬ファミリーとか言ってたっけ。
 懐かしい。
 懐かしみながら一人神経衰弱をする。オトモは激辛マニアだけ。

中井出「ウワーイ、マタアタッタゾー」
中井出「ウワー、ヤラレター」
中井出「アッハッハー」

 …………。

中井出「やべぇすっげぇ虚しい……!」

 これならまだ、まゆっちみたいにストラップがあるだけでも違うよ。
 でもそんなオトモが僕にはもう居ないので、ジャガー目潰しをしながら目的の駅に到着するのを待っていた。

中井出「やあトンネルだ。暗がりで食べるお団子もオツだなぁ」

 どうせなら景色を見ながらと言う者も居るだろうが、食べたい時に食べるノデス。

中井出「モグモグゥ、オーダンゴッテオイシーナァ」

 激辛マニアのあとに食べる団子は、なんつーか口内に残る辛味と相まっておかしな味だった。お菓子だけに。
 …………ゴメンナサイ、ナンデモアリマセン。

中井出「……少し落ち着いたら、対馬ファミリーの様子でも見に行ってみようかなぁ……」

 乙女さんはもう卒業してるっけ。
 んー……いいか、多分行かない。
 じゃあ元執事として、揚羽さんの様子を………………未練だねぇ。
 感情戻してみりゃあ、なんのこたぁございません。
 どの世界にもごっちゃりとあった未練に僕こそが呆れます。
 だが今この時には関係無し! さあ遊ぼう! この目的地に着くまでの時間がたまらねェYO! って感じのノリで! 一人だけど!
 ウフフ大丈夫!
 小学の頃とか、運動会で一人で弁当食うとかよくあったし! うう……!!
 などとまゆっちの真似してないでと。いや、実際一人だったけどさ。

中井出「おにぎり持参さ」

 コサリと開けた箱から、アルミ箔に包まれた握りを取る。
 それをカショコシャと開けて、海苔と塩の味がしっとり染み付いたおにぎりを頬張る。
 海苔とかで包んでしばらく置いたおにぎりってヤケに美味いよね。激辛マニアの所為で、その微妙な味覚が感じられないけど。
 などと、おにぎりまでもをモグモグゥと食っている時でした。

???「おっ」
中井出「ややっ!?」

 さらに先の車両から、顔馴染みというか、懐かしい人が入ってきた。
 
中井出「警部! 警部じゃないですか!」
釈迦堂「こりゃまた会いたくねぇヤツに会っちまったなぁおい……。
    つかなぁボウズ、俺ゃギョウブだ、釈迦堂形部」
中井出「いや、お懐かしゅうございますシャカ様。ガキん頃以来だから……何年ぶり?
    川神院破門されてからはなにやってんの? あ、おにぎりどうぞ」
釈迦堂「相変わらずマイペースだな……へへっ、まあいいやぁ、ありがたくもらおうか。
    んむ、んっ……おーお、相変わらず美味ぇじゃねぇか」
中井出「押忍」

 釈迦堂形部(しゃかどうぎょうぶ)。
 元川神院師範代で、ガキの頃にちょっとばかし面識があった。
 形部……なんて文字を見ても、ギョウブと読むとは思いもせず、警部と呼んだのが、顔を覚えられたそもそものきっかけだったです。

中井出「今なにしとるんです?」
釈迦堂「立ち入ったことも平気で訊くところも相変わらずかよ……あー、いいや。
    今はちと師範の真似ごとして、そこいらのガキに戦い方教えたりしてんのよ。
    あとは適当に生活出来る分の金手に入れるために、いろいろとコネをな」
中井出「ナルホロ……釈迦堂センセの強さは、師範代の中でも目立ってたからなぁ。
    そりゃ、ボディーガードとか裏的なものではほぼ敵居ないだろうね」
釈迦堂「なに言ってんだ、裏だのガードだのじゃねぇ、梅屋のバイトだ」
中井出「………」
釈迦堂「………」
中井出「どこの梅屋!? 制服姿見てぇ!」
釈迦堂「ほんとオメェは遠慮ってもん知らねぇなぁ……男版の一子みてぇだ」

 わお、そんなこと言われたの初めてかも。
 でも確かに、この世界に来るまでは随分と腐ってたから仕方ない。
 その反動が今こそ湧き上がってるって、今の僕はそんな感じなのでしょう。

中井出「好奇心は旺盛なほうですんで。
    まあじゃーじょーぶよ、べつに釈迦堂センセが誰に何を教えようと、
    波紋、もとい破門されたのに川神の技使ってよーと、俺には関係ないことだし」
釈迦堂「ヒヒ、だと思ったぜ。お前さんは昔っからそういうヤツだ。
    ガキなのに冷えた目ぇしやがるってよく思ったもんだ。
    ジジイと百代は気づかなかったみてぇだがよぉ、俺はすーぐ解ったぜ。
    俺と同じ目……いや、それ以上の負を持った目だった」
中井出「オー、そういや破門された時、俺のところに来たっけ。俺と一緒に来るかーって」
釈迦堂「だってのにあっさり断りやがった。
    そんでどうよ。お前さんは今、楽しくやってんのか?」
中井出「おうさ。つまらなそうだからやめるって断った通りにね、楽しくやってるよ」

 釈迦堂さんには一緒にブラブラしよーやと誘われたことがある。
 当時はどうしてモモじゃなかったのかなーなんて思ったけど、それも今なら解る。
 ようするに当時の俺は、今ひとつファミリーの輪の中で浮いた存在だったんだろう。
 そしてもし、その時に釈迦堂さんのほうが楽しいって思ったなら……今頃別の道を歩いていたのだろう。
 ほんと、人生って解らん。

中井出「で、話戻すけど、どこの梅屋?」
釈迦堂「川神付近じゃねぇのは確かだ。
    ま、顔が怖ぇってんで実際には昨日クビになったんだけどなぁ」
中井出「失礼なやっちゃなぁ……シャカちゃん、ただ飢えてるだけなのに」
釈迦堂「どさくさ紛れにシャカちゃんとか言うんじゃねぇ、ったく……。
    んで? 楽しんでるのは解ったが、負はどうよ」
中井出「楽しめればいい。だから負にも負けてはおらんよ。
    つーわけでシャカちゃん、思う存分暴れてみない?」
釈迦堂「お前が相手してくれるってか。それとも、向こうに居る百代がか?」
中井出「あら。やっぱ居るって気づいてた? でもダメ、ファミリーには近づけさせんよ。
    よ〜やく戦いばっかの頭に、大切なものが芽生えたんだ。
    あいつには、戦いも好きでその他も好きな馬鹿になってもらう。
    闇には闇の理解者が必要だけど、べつに闇が光を知ることは悪じゃあねぇ。
    そんでもさ、強さを求めても、持て余してるだけのヤツは悪影響にしかなれねぇ」
釈迦堂「…………しばらく見ねぇうちに、嫌な顔するようになったな」
中井出「アホみたいな話だよな。俺、ようやく成長出来てるみたいだ」

 苦笑とともに、まっすぐに釈迦堂さんを見た。

中井出「いい言葉を教えましょう。
    拳の道なんてなぁ、100年やそこらで見えるものじゃあねぇ。
    誰に受け継がせても、それはもう自分が目指したものじゃないから辿り着けねぇ。
    けどなぁ……光だ闇だって言ってるうちは、まだまだ子供の拳さね。
    それこそ、56億年かけても辿り着けないし解りもしない」
釈迦堂「いきなり説教くせぇこと言うところも変わらずかよ」
中井出「性分だよ。んで、拳の道。光だの闇だの言ってねぇで、その先目指そうや。
    闇だけ極めようとするから疼くんだ。闇で疼くなら光も極めてみろや。
    そんなわけでどつきあおう! さあ外だ! まだ走ってるけど気にするな!」
釈迦堂「あ?《がしぃっ!》あ、おいちょっと待て、お前まさか」
中井出「ジョォオオイヤァアアーーーーーーッ!!!」

 釈迦堂さんの襟を引っ掴んで窓に向かって烈風脚!!
 窓をブチ破り、特急の速度から外へと飛び出した僕は、フロートでバランスを取ってから着地! モモらに気づかれんように気配を消して、人の居ない山目指して駆けていった。


───……。


 で……その後。

中井出「シャカちゃん……もしかして弱くなった?」
釈迦堂「………」

 人の気配がしない山の奥で、釈迦堂さんは倒れていた。
 これは……あれかねぇ。

中井出「あのー……結構前にモモにも言ったけど、
    氣ばかりが強くても、扱いきれなきゃ意味ないよ?」
釈迦堂「うるせぇなぁ……。今ちょいとショック受けてんだからほっとけ……。
    つか、お前ここまで一方的ってどうかしてんだろ……」

 倒れながら、頭をコリコリと掻いてのため息。
 相変わらずアヒルのように多少歪ませた口から出る息は、自分への呆れ成分がもっさり混ざっていそうだった。

中井出「天才をブチノメすのが大好きですから。
    天才であり努力家なら、まだよかったんでしょーけど」
釈迦堂「……弱くなったってか?」
中井出「自分より強いヤツは居ないってタカくくると、人生つまらんよ?
    まあ、信じて高め続けて、
    結果どこにもそんなやつが居なかったら余計につまらんだろうけど。
    シャカちゃんってルー先生に負けたあとに出てったんだよね?
    なんでその時、もっと強くなろうって思わなかったん?」
釈迦堂「だから……うるせぇって……ちょっと浸らせてくれや……」
中井出「ワハハハハハ断る! ねぇ負けてどんな気分!? ねぇねぇ! ねぇったら!」
釈迦堂「……むかつくっ……おめぇむかつくやつだなぁ……」
中井出「むかつきますとも! つーわけでさ、いっちょ川神院に戻ってみーひん?
    そこで己を鍛えて! 再び我に挑むがいい!
    ガキにナメられっぱなしでは腹立つでしょう?」
釈迦堂「あぁそりゃないわ。あのジジイやルーが頷くとも思えねぇしな」

 ふむ? まあ確かに……ルー師範代ったらそういうところの視野、狭くなりがちだし。

中井出「だいじょぶじょぶ。破門の理由を改めれば、破門される理由は消えるわけだし。
    それで頷かなかったら───家に来る?」
釈迦堂「…………あぁ!?」

 今までで一番素っ頓狂な声だった。
 いっつもしかめっつらのまま、殴られても表情を変えない顔が一気に驚きに染まった。

中井出「我が家にゃあ道場もあるし、三食昼寝付き、温泉完備。
    “光”を学ぶには、いーいところだと思うぜよ?」
釈迦堂「冗談じゃねぇやな、嫌だね俺は」
中井出「じゃあ川神院に戻るんだね!? OKでは行こう!
    また破門って話になったら直々にボコって直してくれるわ!」
釈迦堂「おぉおおおいおいおいちょっと待て冗談じゃねぇ。
    俺ぁ疼いちゃいるが、あんな刺激の足りねぇところでなんか───」
中井出「だからいつでも挑戦しにこいってのコノヤロー!!
    ちなみに来ないなら力ずく! 逃げ出したら力ずく!
    修行しないなら力ずく! 師範代復帰しなかったら力ずくだ!」
釈迦堂「力ずくしかねぇじゃねぇかよ……」
中井出「お前さんにゃあそっちのがいっとー解り易いっしょ?
    つーかね、今のままじゃあシャカちゃん、酒無しのルー先生にも負けるよ。
    だから鍛錬なさい! なんつーかこう……!
    シャカちゃんが負ける場面とか見るの嫌なの僕!」
釈迦堂「それが負かしたヤツが言う言葉かよ……」
中井出「言葉だとも! つーわけで川神院へGO!!」

 烈風脚&STR&AGI集中でレッツラゴー!
 抵抗されても無視です無視!

釈迦堂「う、う、うおぉおっ!? 放せってのこのっ!」
中井出「こっこっがっ、ぎょ〜〜うぶ〜♪
    形部〜のっと〜きっなのっだ〜♪ フッフーーゥ♪」
釈迦堂「おかしな歌ァ歌うんじゃ───……おぉおおーーー……───!!」

 特急はもう見えなくなってしまった。
 だが案ずるなかれ、すぐに追いつきます。
 だから今は川神院へGO。
 あ、つーても職員たちはガッコかな? よーしガッコだ!


───……。


 ……そんなわけで川神学園学長室。

中井出「釈迦堂さん連れてきたよー!」
釈迦堂「放しやがれっ、放せってのにっ」

 引っ張られる釈迦堂さんはまるで子供のようだった。
 そうまでして嫌ざますか?

鉄心 「連れてきたって……お前のぅ……」
中井出「訊きたいことは1つだけ! 釈迦堂先生を師範代復帰させることは可能!?」
鉄心 「腕が鈍らず心が濁っておらねばな」
中井出「じゃあだめだね」
釈迦堂「いやオイ」

 ズビシと釈迦堂さん自らにツッコまれた。

鉄心 「ふぅむ……釈迦堂。お前また氣が大きくなったか。しかし───」
釈迦堂「チッ……説教ならごめんだぜジジイ。俺ァ俺のやりたいようにやる。
    引き込んだのはあんただが、俺は川神院の教えにゃあ向かなかった。
    破門だってルーと決着ついた時点で決まってんだ。
    俺ァあんたに来いって言われて来た。そこで武を知った。
    だってのに他の師範代の意見と合いませんってんで追い出されて、
    武を使えば粛清ってのは、俺ぁどーにも納得いかねぇんですわ」
鉄心 「ふむ……」
釈迦堂「まぁ悪用すればって話だったんだ、俺にゃあ関係ねぇ。
    やりたいようにやるだけだ。こんなガキにやられて落ち込もうが、
    ここに戻ることに頷くなんざ冗談じゃねぇやな」
鉄心 「ほぅ……負けたか、こやつに」
中井出「昔のモモみたいだったから、隙を突きまくるのは楽でした」
鉄心 「なるほど。氣ばかりが大きく、持て余しておるか」
釈迦堂「おいこらちょっと待て、そんな人のことべらべら喋んじゃねぇ」
中井出「ホホホやだ」

 そう返したら、嫌そうな顔で「嫌なヤツだなおめぇ……」と本気で言われた。

鉄心 「しかし釈迦堂、少し丸くなったか」
釈迦堂「あー、そう見えるかい。
    尖るのも面倒になったんで、自然とこうなったに過ぎねぇんだがね。
    尖ったところで相手が居るわけでもねぇ。
    ……って、そこで自分を指差しまくるんじゃねぇよおめぇはよ……」
中井出「だって、そうでもしないとモモに噛み付きそうだったし」
釈迦堂「獣にゃあ獣の救世主が必要なのさ。
    けどま、お前がそこまで強ぇえんだったら、
    あいつの救世主ってのはお前だったんだろうさ」
中井出「え? 僕どっちかっつーと壊す方だけど。ああ、だから獣の救世主か。
    …………獣かなぁ俺」

 獣どころか……ねぇ?

釈迦堂「つうかジジイ、どうやってこいつを引き入れた。
    俺が誘ってもつまんねぇって言って、来なかったっつうのに」
鉄心 「引き込んどりゃせんよ。こやつが勝手にやっとることじゃ。
    稽古扱いじゃからって勝手に百代を負かして、
    ワシにまで火をつけおったくせに好んで戦おうともせん」
中井出「楽しいことが好きなので、楽しいこと以外は基本どうでもいいです」

 だからこそモモと戦う時も、その時その時の言葉を拾っての、からかったりなんだりの戦いばかりなわけで。真面目に戦うとしたら、モモが本気で疼いてる時くらいだもの。

中井出「そもそも川爺も川爺ですよ。自分で拾っといて最後まで面倒見切らんとは何事!」
釈迦堂「おいこらちょっと待てボウズ、人をそこいらの犬猫みたいにだなぁ」
中井出「なにをおっしゃる! 自分で自分を獣とか言ってるじゃないですか!」
釈迦堂「いや、それそういう意味じゃねぇからな?」

 あれ? 違うの?
 まあいいや、とにかくお話だ。

中井出「ねぇ川爺、元師範代が川神院の外で誰かに武を教えるのって禁忌?」
鉄心 「川神の技でなければ固いことは言わんよ。
    しかしそうであるならば、師範代等の条件が狭き門である意味がないじゃろう」
中井出「なるほど、そりゃあワン子が報われないね。で、釈迦堂さんが教えてるのは?」
釈迦堂「チッ……ゴルフ護身術と棒術だけだ」
鉄心 「ほう……お前が武を教えておるのか」

 うーむ……やっぱり釈迦堂さんって根はいい人だと思うんだけどなぁ。質問すると大体答えてくれるし。
 こう、ゲンさんが大人になったみたいな雰囲気っていうのでせうか。
 見た目は少々怖い雰囲気があるものの、なんだかんだと子供には好かれそうなオジサマ。うん、そんな雰囲気なのですよ。もちろん俺も嫌いじゃあありません。

鉄心 「釈迦堂。ひたすら強さに磨きをかける。そう言っていたお前は今も変わらんか?」
釈迦堂「自分で言うのもなんだがね、そりゃもう俺に当て嵌まってるもんじゃねぇですわ。
    なにせ磨いてねぇ。磨かなくても勝手に氣が増えていきやがる。
    そこに胡坐ァ掻いていた……それは認めますわ。
    だが今さらそれをここで鍛え直す気なんざァさらさらねぇ」
中井出「俺が言うのもなんだけど、口調変えまくって面倒くさくない?」
釈迦堂「うるせ、皮肉も混ざってんだから気にすんじゃねぇ」

 怒られてしまった。
 しかしなるほど、これは強情だ。まるで負けを認めようとしない最凶死刑囚のようだ。
 強さを求めているのに、そこに自分なりのポリスー、もといポリシーみたいなものを持っていて、強敵が居るから己を高めるのではなく今の自分のまま自分より下の者だけを見ている。
 これはイカンよ、いつまで経っても満たされぬ。これならまだ、モモのほうが素直だ。

中井出「じゃあこれから磨き上げるの?」
釈迦堂「百代にお前が居るみてぇに、俺に同年代の強敵が居ればまだ燃えたんだろうがよ。
    どうも熱血するにはオジサンになりすぎちまったか?
    お前相手じゃ燃えねぇんだ。獣のように襲い掛かるだけならまだいい。
    だがお前を打ち負かすために磨き上げるのはどうも癪なわけだ。解るか?」
中井出「いや。俺はゲームで子供に負けたら、
    そいつを打ち負かすために労力を惜しまぬ。
    なにせ大人げない最低薄馬鹿下郎と呼ばれた外道だからな。
    かつてそれで近所のゲーム大会優勝候補のお子の輝かしい未来を涙で潰した」
釈迦堂「いや……なんつうか最低だなお前……」
中井出「外道と自負してますから。じゃあさ、ルー師範代を倒すために磨いてみるとか」
釈迦堂「ルーか。……じじい、あの頃と比べてあいつはどうだ?」

 俺の答えにヒヒ……と笑っていた釈迦堂さんが、川爺に話を振る。
 川爺はといえば、髭をモシャリと撫でて片目だけで釈迦堂さんを見ると、暢気に言って返した。

鉄心 「ふぅむ……そうじゃの、今のお前ではどうやっても勝てんのぉ」
釈迦堂「! ……あー……そりゃマジな話か?」
鉄心 「マジじゃよ。天才と違い、秀才は努力によって磨かれるもの。
    お前がそうして才能に胡坐を掻いていた中、ルーはずぅっと己を磨いておった。
    断言してもよいな、今のお前では一方的に負けるだけじゃよ」
釈迦堂「………」
鉄心 「何より磨き上げるという言葉が指す通り、
    磨かれておらん者はたとえそれが天才であっても、必ず心に隙があるもの。
    そんな隙を殺すために磨く。
    それは強者に常に課せられた使命とも言えることじゃよ」
中井出「というわけで復帰しない?」
釈迦堂「あぁ? するわけねぇだろ。逆だ逆。
    破門になったならなったなりに、俺は俺の考えで川神の師範代に打ち勝つだけだ。
    ルーが今の俺よりよっぽど強ぇえってんなら、
    まだ俺にも剥ける牙があるだろーが、ヒヒ」
中井出「あらまあ」

 釈迦堂さんの目に黒い何かが渦巻く!
 おお、これぞ努力しようとする者の目なのですね!?

釈迦堂「そんなわけだがジジイ、俺を粛清するか?」
鉄心 「ふおっほっほ、そうさのう……。
    ゴルフだろうと棒術だろうと、そこに川神の型が混ざっとらんとも言い切れん。
    じゃがワシは手など出さんよ。お前の粛清はルーに頼むとしよう」
釈迦堂「……本気かジジイ。
    磨いた先で門外の野郎に師範代が負けたとあっちゃ、川神院の名に傷がつくぜ?」
鉄心 「そうなればルーは再び己を磨くのみ。傷をつけたくばワシを倒してみせい。
    川神院は揺るがんよ。百代の親のことを考えれば、解りそうなもんじゃろう」
釈迦堂「……へっ、なるほどねぇ。んじゃまあ久しぶりに磨いてみますかい。
    ただし俺ァ獣だ。真っ当な挑み方なんざしねぇ。それでもいいのか?」
鉄心 「武術家ならば日々の中にあっても武術家であるべし。
    心配せんでも好きに向かってくればええわい。返り討ちじゃ」
釈迦堂「…………」

 川爺の返答を耳にするや、釈迦堂さんはニヤリと口を歪めた。
 普段から歪めっぱなしの顔が、それはもう嬉しそうに。

釈迦堂「なるほどねぇ。川神院の教えは獣の性分には合わなかった。
    だが無くなるのは困る。
    困るってんで強さってもんを引き上げようと躍起になったこともあったが───
    よーするに俺ァ自分を満たすために強くさせようとしてたのか。
    どいつもこいつも弱っちぃ。
    だってのにその上に立つジジイ、あんたが俺を負かした。
    その教えを俺なんかよりよっぽど受けてきてるってのに、
    そいつらが弱いままなのは我慢ならなかった。それだけだったんだろうさ」
鉄心 「べつにワシは、お前さんがここで強くなりながら牙を剥いても一向に構わんぞ?」
釈迦堂「言ってなジジイ。俺ァ俺のやり方でもう一度自分を磨く。
    磨いて、今度こそ“強さを磨くことこそ”ってのを川神院の教えにしてやるぜ」
鉄心 「ふおっほっほ、言いおるわ。じゃが、その時にもし負けでもすれば───」
釈迦堂「おーおー、粛清でもなんでも甘んじて受けるぜぇ……?
    敗北ってものをきちんと受け取ってやろうじゃねぇか」
鉄心 「それでよい。ここに入ってきた時よりもよっぽど生きた目をしておる」
釈迦堂「そういうこたぁ解ってても言うもんじゃねぇよ……反発したくなるだろーが」
鉄心 「そうであるなら弱いままにコテンパンにするだけじゃ。
    手間がかからずに済むわい」
釈迦堂「カッ……相ッ変わらず食えねぇジジイだぁ」

 そういう割には顔が嬉しそうですよ、釈迦堂さん。
 と……まあ、そんな感じで話はあくまで穏便に終わりを告げる。
 復帰する気はないらしく、粛清されるなら望むところとばかりの釈迦堂さんと、子供の挑戦に好きな時に仕掛けなさいとばかり笑う川爺。いっそ親子であったほうがいろいろ面白かったんじゃあなかろうか、この二人。

釈迦堂「おいボウズ、人にこんな足労させたんだからなんかメシおごれ。
    大体金欠の男を特急から引き摺り下ろすなんざ、正気の沙汰じゃねぇだろ」
中井出「そんなあなたに梅屋の株主さま優待¥500券を10枚」
釈迦堂「テメェなんでこんなもん持ってやがる!」
中井出「知り合いの金持ちさんに貰いました。最強」

 といっても英雄ですが。
 梅屋が好きなんだーって言ったらくれた。
 友人間で金勘定は───と言ったんだけど、しても返し尽くせぬ恩の1つだと。
 でも加減というか、量ってものを考えてほしい。
 50枚も貰ったんじゃあ梅屋が大打撃だよ。

釈迦堂「思わぬところで思わぬ収穫かぁ……磨く前に腹満たすとするかねぇ」
中井出「釈迦堂さんって、やっぱりどっかモモに似てるよね」
鉄心 「周りが戦好きばかりで参るわい、まったく……」

 心中察しません。
 モモも最近は落ち着いてきてるしね。

鉄心 「ところでじゃが、あー……」
中井出「好きに呼んで? さん付けだと謙虚になれるけど」
鉄心 「ヒロ坊で十分じゃな」
中井出「わぁひどい。でもなに?」
鉄心 「やんちゃな心を川神院で磨いてみんか?
    川神院はより強い者にこそ奥義を伝承させる。血筋は選ばん。
    お前さえよければ───」
中井出「いや、要らないス」
鉄心 「要らんとな!?」

 川爺がショックを受けた! 胸に72のダメージ!
 あ、でも待てよ? これって伝承されたほうが存在率高まる?
 いや……いやいや、そればっかりはなぁ。

鉄心 「百代に遠慮しておるのか?」
中井出「いや、それは絶対にない。欲しかったら誰がなんと言おうが貰いますよあたしゃ。
    ただ川神院を継ぐ気が全然なかとです。
    自由がきかないのはとてもとても辛いコト。
    考えるにしたって、もっと腰をどっかり下ろせるようになってからですじゃ」
鉄心 「ふむ……」
中井出「つーかそのー、今の話して気になったんだけどさ。
    その場合、あ、俺が継承した場合、モモはどうなるの?」
鉄心 「さあのう。
    お前に挑むか出ていくかこの場で練磨か、或いは───嫁にでも貰うか」
中井出「実家に帰ります《ドグシャア!!》おびゃああーーーーーっ!!!」

 ニコリと笑って出て行こうとしたら、頭上から突然デケェ足が降ってきた!
 ギャアなにこれ! たくましい! つーか思いっきり踏み潰された! で、出る! 朝に無理矢理京に食わされた辛いものがゴポリと!

鉄心 「顕現の参・毘沙門天」
釈迦堂「おーお、久しぶりに見たねぇ。0.001秒を切る攻撃だ。
    俺もこれでジジイにやられたんだっけか」
中井出「そうなん!? おのれ卑怯な! 背を向けた途端に潰すなんて!」
釈迦堂「武術家は常に戦闘体勢、だろ?」
中井出「僕武術家じゃないもん!!」

 し、しかしなるほど! こんなもんをこんな速度で出されちゃ躱せんわ!
 汚いなさすが川爺きたない! 0.001秒とかあもりにも反則すぎるでしょう!?

鉄心 「可愛い孫を嫁に貰うかと言ったというのに、いきなりそれはないじゃろ……」
中井出「見損なってもらおう!
    俺はモモを嫁に欲しいとかそんな理由で奥義伝承なぞされたくない!
    伝承されなくたってこれくらい僕にだって出来るやい! 多分!」
鉄心 「見損なわんでもらおうくらい言えんのかお前は……」
中井出「見損なってくれたほうが動きやすいんで、はい」

 妙な期待とか持たれると動きづらいのが世の中ですけぇ。
 ……どうされようが好きに動いてるだろーがとか言われそうだ。
 誰にとは言いませんが。

中井出「で、もちろん冗談だよね?」
鉄心 「孫が欲しくばワシを倒してから言うてみい!!」《どーーん!!》
中井出「は、はああ……!!」

 物凄い殺気! おおなんたる祖父馬鹿!
 溢れるKIが僕を圧迫する! つーか痛い痛い! ぐりぐり踏みしめないで!
 いつまでこの巨大な足出してるのやめてよもう!!

中井出「あ、安心しなさいよもう! 僕は相手と好き合わなきゃなにもせんし、
    そもそも愛でたいとは思っても、誰にも恋愛感情なんざ抱いておりませんよ!」
鉄心 「なんじゃつまらん。
    両親がおらぬのならばワシが親代わりに戦ってみたかったのじゃがのぅ」
中井出「理不尽な暴力には全力で抗うぞコノヤロー!
    やっちまった馬鹿には素直に対価としての攻撃やツッコミを受けるが、
    それが一方的な暴力や嫌がらせならば───“覚悟”せい!」

 この博光、覚悟には誰より敏感───だといいね! でも敏感です!

鉄心 「心配せんでも無茶はせんわい」
中井出「あ、あらそう?」

 あっさり引き下がられてしまった……のに、足は出たままだ。
 お、おのれジジイ! 人をKIで踏んづけてヨロコんでいるのだわきっと!
 Sだ! Sだよこの人!
 なんて思ってると、僕の苦しみなんて無視してニヤリと笑う釈迦堂さん。
 わあ、助けてくれもしない。いや、いいんだけどさ。

釈迦堂「……言った通りに受け取りゃあ、ルーに百代、じじいにボウズ……ハハッ、
    まだまだ強ぇえヤツは居るんじゃねぇか。
    疼けば疼いた時に襲いかかりゃあいい……ヒヒ、最高だねぇこりゃあ」
中井出「フッ……返り討ちだ《メキメキメキメキ》」
釈迦堂「いや……そゆこたよぉ、せめてその潰れた状態から出てから言おうや」
中井出「だってこのジジーソンたら技といてくれないんだもの!」
釈迦堂「お前さんでも抜け出せねぇかぁ……。
    んじゃあ現状、一番強ぇえのはやっぱジジイか」
鉄心 「老人を見て舌なめずりはよさんか……まったく。
    ───1つ訊かせぃ釈迦堂。お前、武を悪用しとるか?」
釈迦堂「教えてるだけで、弟子が悪用するかどうかは知りませんわぁ」
鉄心 「……やれやれ。ならばその弟子も纏めて、川神院で鍛えてやらねばのぅ。
    いつでも仕掛けてこい。返り討ちにした上で、お前ら全員鍛え直してくれるわ」
釈迦堂「こりゃ、磨き甲斐のあることを言われたねぇ。
    上等だぁ、そん時ゃあ容赦してくれんなや、ジジイ」

 指をゴキゴキと鳴らし、釈迦堂さんが川爺を見る。睨むのではなく、ご馳走を見る目で。
 ほんと戦闘狂が身近に居ると大変ですね。
 楽しければそれでいいんだけど、狂いすぎた時は抑えるのが大変です。
 っと、そろそろ戻らんといろいろ大変だ。
 どうせ潰されてて身動き取れないんだし、等身大マスオ人形を僕の代わりにしてと。
 ハイ転移。

 ───……結局、転移したところで僕が乗っていた特急は遥か彼方。
 僕は転移した線路の上でポカンとする他なく、走って箱根まで行くことになった。
 ……ひとりが大好きでもいいから、きちんと椅子に座って辿り着きたかったです。せっかくの旅行なのに……うう、ちくしょう。


───……。


 そんなわけで箱根です。
 ……やべぇ箱根は箱根だけど目的の旅館ってどこだっけ!?
 あれ!? 駅間違えた!? あらいやだどうしましょう!

中井出「ハッ! そうだ! 僕にはこれがあった! ケ〜〜〜タイ〜〜〜ッ」

 ケータイとかいうものを取り出して、誰にともなく「どうだー!」と突き出してみた。
 ……うん、意味はないです。

中井出「え、え〜と……」

 ………………。
 そういや俺ってケータイは持ってる、というか持たされてるけど、ほとんど使わないんだよね……会おうと思えばすぐに会いにいけるし、黒電話が好きだから極力黒電話ばっかだったし。しかもかかってくるのはみ〜んな周りからで、僕からってのは……えーと。
 ……ソウサホウ、ドウダッケ?

中井出「迷った時にはホギーズブレイン! ………………わあ、ホギーも知らんとくる」

 こんな脳で大丈夫か? 大丈夫じゃない、問題だ。
 俺の知り合いそういう知識なさすぎだろオイ! 俺が言えることじゃないけど!
 あ、でも知ってるヤツもギョーサン居るね。まずこれをこうして……と。

中井出「あ、大和? うん、僕博光。僕ね、今迷子なんだ。旅館って何処だっけ」
声  『降りる時に居ないからおかしいと思った……今どこ?』
中井出「なんか山の上だーって聞いたから、片っ端から山登ってます」
声  『バスで登る場所だから結構遠いぞ。一度駅に戻ってくれ、そこから指示出すから』
中井出「ラーサー!」

 軍師大和の言葉に従い、転移は消費するので走って駅へ。
 そこから指示に従って山を登る───途中で、なんてこと! 走るワン子を発見!

中井出「無茶な鍛錬は禁止だってあれほど言ったろうがこのお子はぁあーーーーっ!!!」
一子 「ふわう!? ギャーーーッ!! 見つかったぁあーーーーーーっ!!!」

 反射的に逃げ出すワン子を捕まえ、バックブリーカーしながら山の頂上を目指しました。
 ええ、訊けばなんでも、うずうずして仕方なかったとか。

中井出「まったく! 人が好き勝手に手伝ってるのになしてこげなことを!」
一子 「ううぅう……あれ? せっかく手伝ってやってるのにーとか言わないの?」
中井出「え? だって好きでやってることだもの、
    手伝ってやってるなんて偉そうなこと言わんよ?」

 手伝ってやってるのに〜とか言うヤツが居るから応援とかキライなだけだし。
 うん、応援とか頑張れ〜とか言うのはキライなのだ。これは昔から。
 外道でクズで悪。言われ慣れた言葉だけど、そんな俺でもそういうのがキライ。
 だって一方的すぎるもの。勝手に期待して勝手に落胆して。
 だから“信じてもいいか〜”とか言われたら勝手に信じなさいと返します。
 信じるのが先で、勝手に行動するのがこっち。
 それで期待通りにいかなくても勝手に期待したあなたが悪い。それでいいと思う。

中井出「で、どう? 少しは器用に動けた?」
一子 「うう……一緒に走ったクリに、あっという間に差をつけられたわ……」
中井出「慣れないうちは仕方なかとですよ。心が折れない内は何度でもぶつかりめされい」
一子 「んん……? 心が折れたら?」
中井出「次の何かを見つけて“これならいけるかも”を拾うノデス。
    で、自分がどーしてもやりたいものを見つけたなら、
    誰に止められても自己責任で突っ走る! 常識が邪魔するなら破壊なさい。
    昔のお偉いさんが言っておったけど、周りは誰かが大きなことを為そうとすると、
    それを止めに入る習性がござるのです。しかもそれには悪意がない」
一子 「あ…………解る気がする」
中井出「でも、それを止めるヤツが居ないと気軽に無茶出来るの。それがこの博光。
    まあ、この世界では止めに入るお馬鹿さんばかりで、毎度毎度ボコボコだけどね」
一子 「家族ですからっ《キリッ》」
中井出「……バックブリーカー中じゃなければ、かっこよかったかも」
一子 「そう思うなら下ろしなさいよぉお……」

 山道を往く。
 じきにクリスも見えることだろう……とは思ったんだが、お、おや? おらんぞ?

中井出「ねぇワン子? 道ってこっちで合ってるよね?」
一子 「え? ………………あれ?」

 ………………迷った。


…………。


 ……そして、ワン子とともに再び駅に戻った僕が居る。
 もちろん手にはケータイとかいうもの。

中井出「だーから道に迷ったんですってば! キャンユースピーク……ヘブライ語!」
声  『解るかっ!!』
中井出「まったくだ! で、どっち行けばいいんだっけ?」
声  『さっき言った方向までとりあえず向かって。で、バス停があるはずだから』
中井出「ふむ。ワン子、とりあえずバス停がある場所まで往きましょう」
一子 「うん、ヒロの言う通りにする」
声  『そうするとまた道に迷うから俺の言うこと聞いとけ』
中井出「おお、さすが軍師。頼りにしてるぜ一方的に! というわけでワン子こっちだ!」
一子 「解ったわ!」
声  『いきなり言うこと無視しないっ! 駅出て立て看板の案内見て、きちんと進む!』
中井出「よしワン子! 次の選挙は森トムに一票だ!」
一子 「解ったわ!」
声  『それ案内板じゃないから!!』
中井出「だ、だって“明日に向かう!”とか書いてあるよ!? 案内だって絶対!」
声  『いいから案内板探す! そもそもこの世界じゃまだ選挙権ないだろ!』
中井出「立て看板って言ったじゃねぇかコノヤロー!!」

 前途多難って言葉、きっと今こそ使うべきことなんだろうね。
 ちなみにモモあたりの気配を辿ればよかったことに気づいたのは、相当後になってからだった。だからバスに乗りました。丁度出るところのようだったので。
 その後はなんの問題もなく山頂の旅館まで辿り着き───

中井出「ここが我らが泊まる山頂の旅館、九鬼財閥傘下の旅館か〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
    どおれ連休中は大暴れしてやるとするか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
一子 「熊と戦うのね!?」
中井出「徹夜で遊び続けて、眠気と目の下のクマと戦います!」
一子 「おお……それはそれで旅行って感じだわ!」
中井出「でがしょ!? でも力とか使うのには注意が必要だね。大樹と離れすぎてる」
一子 「じゃあ今日はアタシ、自主訓練?」
中井出「否! 遊ぶ時は遊ぶ! まずは景色とか空気とか温泉を堪能しよう!
    あとメシとかメシとかメシとか!」
一子 「旅館のご飯! ステキな響きだわ……!」
中井出「キャップたちももうくつろいでるだろうし、早速中で今日の予定を決めよう!」
一子 「イェー!」

 随分と遠回りをしたけど……僕らはここに辿り着けた!
 それでいいジョルノ……それで。旅館に辿り着けた……それこそが勝利なんだ……!
 ジョルノ関係ないね。




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