53/手に取りたい未来を掴み取りなさい

 夜の街を少女がゆく。
 とぼとぼといった感じの歩調は、今回の行動を良しと思っていないからだろう。

ダルシニ「……はぁ」

 少女の名はダルシニ。
 エスターシュに命じられてカリンを屍人に変えに来た吸血鬼である。

ダルシニ「はぁああ〜〜〜……ぁぁぁぁあ……」

 しかし屍人を操る者にしてはひどくぐったりしていた。
 それというのもこの吸血鬼、殺生が出来ないタイプの吸血鬼だったからだ。
 そもそもの疑問として、人が人を殺すことを躊躇するというのに、同じ姿を持つ吸血鬼はどうして平気で人を殺すという感情が生まれるのか───それが彼女には解らず、妹のアミアスもまた人を殺せぬ……人でいうベジタリアンな性格だった。
 貴族が使うような魔法は使わず、自然の力を借りる先住魔法を操る吸血鬼にしては珍しく、それらを使わずただ相手を魅了して汗を舐める、といったもの。血を吸い上げて殺すことも、殺してから血をすすることもとにかく嫌った。
 そんな彼女が妹を人質に“屍人を作れ”と言われたのだ。溜め息も当然のことながら、良しと思うはずもない。
 容姿がいたいけな少女に見えず、吸血鬼独特の人を惹き付ける魅了を常時展開しているようなものなので、そこに寄ってくるやさしい人に寄り添っては少しずつ血を吸い、“なんだか最近だるいなぁ”と相手が思い始めたあたりで逃走。
 そんな生活を続ける途中で吸血をしているところを目撃され、領主であるエスターシュへと突き出された。殺生を好まない二人は大きな抵抗をすることもできず、今に至る。

ダルシニ「無理だよ、屍人を使って大暴れさせろ、なんて……」

 しかしながら、彼女にはそれ以外にも問題があった。
 吸血鬼だから屍人を作って暴れさせろ、などといっても……

ダルシニ「そんなの、どうやればいいの……?」

 ……まあその、やり方を知らないのだ。
 相手が死ぬまで血を吸いつくし、血液の代わりに吸血鬼の因子を残せばいいだの、蚊のように唾液を残せばいいだの、いろいろと説はあるものの、ともかく人が死ぬまで飲んだことなどない彼女。殺生を嫌う彼女がそのやり方を学んでいるはずもなく、こうしてとぼとぼと歩いていた。

ダルシニ「あう……お腹空いた……」

 くきゅう、と鳴るお腹に手を当てる。
 人は吸収出来るものならなんでも食べるというのに、何故自分は人しか受け付けないのか。本当に、嫌な存在として生まれてしまったものである。
 ちらりと見れば、夜の街には自分にとっては食料になる存在がちらほら。
 笑いながら歩く者、女性の肩を抱いて歩く者、焦った表情で全力疾走をするモノクルをつけた灰色髪の人。いろいろと見える。
 しかし、夜とはいえこんな通りで人に手を出せば捕まってしまう。
 エスターシュの血を思いがけず結構飲めたものの、正直に言えばあの男の血は美味しいものではなかった。貴族というのは朝から脂っこいものを食べ、野菜をあまり摂らないためか血の状態はよろしくない。
 質素に暮らしている平民のほうが美味しいことなどよくあることだ。

ダルシニ「あうぅ……」

 とうとう空腹が過ぎて屈み込んでしまうダルシニ。
 そこへ、首を傾げた一人の男がのっしと現れた。

大男「どしたい嬢ちゃん。具合でも悪いのかい」

 ダルシニが、俯かせていた顔を持ち上げると……マッスルが居た。
 漫画ならばムキーンとか背後に書かれているくらいのマッスル。
 世が世なら“俺様がチャンピオンよ!”とか言い出すくらいにマッスルでハゲだった。
 無理。無理無理無理。血色は良さそうだけど、それ以前に味の問題もある。
 なによりこんな大男、たとえ誘ってベッドに入る振りをしてから魔法で眠らせても、血を貰おうとした瞬間に目を覚まされたら……───ダルシニは、この太い腕で自分の細い体が折られる瞬間を想像して、ひう、と小さく悲鳴をあげた。

ダルシニ「い、いえ……大丈夫です……」

 弱弱しく笑うが。それがいけなかった。
 男はにやりと笑い、くみしやすいと思ったのか強引に彼女の腕を取り、「そう言うない、美味いもんを食わせてやるよ」などと言って引き起こして歩き出す。
 そこでダルシニは気づく。この男、酒呑みだ! と。
 酒呑みの血は、経験から言ってとても美味しくない。
 どろっとしているし、なんというか喉をするりと通る感触どころか喉にへばりついて気持ち悪い。
 なので抵抗するのだが、困ったことに空腹の吸血鬼よりもマッチョのほうが強かった。
 抵抗虚しく近くの店へと連れ込まれ、言葉通り料理を用意してもらったんだが。

ダルシニ「…………《さぁああ……!》」

 目の前には肉、肉、肉。
 さあ食え、なんて楽しげに笑う大男をよそに、ダルシニは真っ青だ。
 というのも、ベジタリアンに喩えた通り、彼女には肉料理というものが生き物の死体にしか見えなかった。たとえ調理段階でカタチを飾ってあろうともだ。
 それを食えなどと言われても、食べられるはずもない。そもそも吸血鬼なのだから血しか受け付けない。
 ていうかなんなのこの人。普通気分が悪いのかって訊いてきておいて、こんなもの食べさせようとする? 人間って解らない!
 真っ青になりながら涙目で、口をきゅっと閉じてふるふると首を横に振る。

マッチョ「おら食え! 俺のおごりが食えないってのか!」

 そんな様子に、いいもの食べさせてどうにかしようとしていた男はいぶかしみ、立腹の様子を見せる。ひう、と再び悲鳴をあげた彼女は絶対に悪くない。
 しかし今度の悲鳴は確かに彼に聞こえてしまい、理由はどうあれ奢ろうとしていたのにと怒りを燃やした彼は、ダルシニの黒髪をわっしと掴んで引っ張り、わけのわからない言葉で怒鳴りつけた。

ダルシニ「でも、お腹いっぱいで……」
マッチョ「うそつけ! 腹が鳴っているだろうが!」

 がくがくと揺さぶられながら言われ、もう泣きたい気持ちになった。
 だから街は嫌いなんだ、と。


───……。


 一方その頃カリンさん。

カリン「───」

 ハッと気づくと妙な部屋に入れられていた。むしろベッドの上に居た。
 目の前にはオーク鬼、もといエスメラルダが居て、部屋の中には魔法の蓄音機から流れる音楽が……なにやら奇妙な音を鳴らしている。
 しかもその音楽に合わせてオーク鬼、もといオーク、もとい……もうオークでいいや。
 オークがくねくねと蠢き、もとい踊りながら、服を一枚一枚脱いでゆくのだ。

カリン(えっ!? なにっ!? なになに!?)

 カリンはもうあたふた状態だ。
 今から自分は女を知って男になるらしいが、そういうことに服を脱ぐ必要はあるのか!? いやそもそもこの店、この雰囲気って…………その、あ、あれじゃないのか? いかがわしい店!
 カリンの乏しいボキャブラリーで辿り着いた答えはそこまで。
 そのいかがわしきことがどこまでを指すのかを知らない彼女は、ただただ慌てるばかり。
 さて。そんなことを考えているうちに裸体になったオークがずしんずしんと迫ってきているんだが、悲鳴をあげた彼女は果たして失礼だったのだろうか。
 どかーんとベッドに押し倒され、その上巨体に圧迫され、むぐー!と叫んでなお、悪失礼だったのだろうか。

カリン(こ、殺される!)

 杖! 杖はどこ!? と手探るが、杖は壁に立てかけられていた。
 伸ばしたところで届くはずもなく、カリンはもう本当に泣きたかった。というか半分泣いていた。
 せめてもの抵抗をと暴れてみせるが、がっしりとホールドされている。
 しかも恐怖の対象のくせに「こわくない、こわくないんだよ」と宥めてかかるという。怖いわ! と全力で叫びたくなった彼女は決して悪くない。

カリン「う、うっ……うー……!」

 そんな状況。
 今日までの経験と今の自分の状態が情けないやら哀しいやらで、彼女は涙した。
 するとエスメラルダの動きがぴたりと止まる。

オーク「なんだ、あんた好きな人でもいるのかい」
カリン「……、……!?」

 ちょっと待て、なんでそう言われてサンドリオンの顔が浮かぶ!
 そんな怒りが顔に朱として浮かんだのを勘違いしたのか、エスメラルダは体を起こしてパイプをふかし始めた。

オーク「好きな女のために貞操を守るか。今時珍しいよ、そういうの。嫌いじゃない」

 え? と涙目でオークを見つめるが、オークはふふんと笑って言う。
 「あんた、いい騎士になるよ」と。
 ……言われた言葉に、今度こそ涙がぽろぽろとこぼれた。
 無理よ、そんなの、と……心の中で唱えながら。

……。

 バッカスとナルシスを置いて店を出たカリンは、とぼとぼと夜のチクトンネ街を歩いていた。
 なんとも惨めな気持ちが溢れ、なにかに当り散らしたいがなにもない。
 そうなると頭の中でだけでもと……浮かんでくるのはサンドリオン。自分を引っ叩いた憎き男だ。
 そもそも姫殿下の衣装を馬鹿にされた時点で、杖を抜かなければ自分は自分じゃなくなっていた。そんなことを騎士になるというのなら、それはあまりに自分の生き方に反してしまう。
 勇気と無謀が違うことはよくわかったよ。でもそれと誇りとは関係ないはずだ。
 なのに、あのばか。騒ぎと聞けばすぐに怒って、しかも引っ叩いて。冗談じゃない、元はといえばあいつが昔の女のことばかり調べて、頼りなかったからじゃないか。

カリン「ぐぬぬ……!」

 大体バッカスとナルシスもだ。
 あんな場所に連れていって、女を抱けば気が晴れるとでも思ったのか。
 わたしはそんなに単純じゃない! 大体押し潰されそうになって気が晴れるものか!

カリン「くそう! わた……っ……ぼくが目指していた騎士とは、
    あんな連中が集う場所だったのか!?」

 いつか自分を救ってくれた騎士に憧れた。
 けれど、あの騎士様が特殊なだけだったのかもしれない。
 現実の騎士はこんなにもだらしなくて、うじうじとしていて。
 “生きていて嬉しい”? 街ひとつをしかばねに変えて、姫殿下を殺そうとした相手なのに? 確かにどんな理由であれ、恋人が生きていて嬉しいっていうのは解らなくもない。でも、それをよりにもよって同行して、襲われた相手に言うか!?
 なにを考えているんだあいつは! あ、ああ……、ああもう、なんてむかつく!
 ……などと、夜道を歩きながら怒りの炎を燃やしている時だ。
 空腹も手伝って苛立ちが最高潮に達していた彼女の耳に、少女の悲鳴が届いた。

カリン「───」

 見れば、歳は16〜7あたりの少女に乱暴を働いている男。
 なかなかに屈強な男が、逃げようとしている少女の髪の毛を掴んで怒鳴りつけている。

カリン「《ぶちり》」

 この国の男どもは、どいつもこいつも……!
 今こそ堪忍袋の緒をぶっ千切ったカリンは、鳴りもしない拳をグッグッと圧迫しながら歩き、その後ろ姿に声をかけた。

マッチョ「あぁん!? なんだぁテメェ!!」

 振り向いて、なんだガキかとばかりに見下してみる大男。
 酔っ払っているのだろう、かなり気が立っていて、少女の髪を掴んだままに怒鳴りつけてくる。

カリン 「どいつもこいつも貴様のようなクズばかり……。
     おいお前、痛い目見る前にその子を離して失せろ」
マッチョ「言うじゃねぇかがきんちょが!
     そんな細っこい腕でどうしてくれるってんだ!」
カリン 「お前をとっちめてやるんだ!」

 腰の杖へと手を伸ばし、それをシュピンと抜いてマッチョへ…………

カリン「………」

 マッチョへ……

カリン(杖……壁に立てかけたままだったぁぁあーーーーーっ!!!)

 大ショックを届けた。
 どぱっと出る汗の量に、彼女自身が驚くくらいの動揺。
 そうこうしている間にもマッチョはゴキベキゴキリと拳を鳴らして近寄ってくる。
 少女は解放されたようだが、今度は自分が大ピンチだった。

カリン(なななななんて気の利かない店なの!
    客が帰る時に忘れ物の注意すらしてくれないなんて!)

 そりゃあオークが怖くて全速力で逃げたのは自分だけど! 自分だけど!!
 あうあわと滝のような汗を出す彼女の前に、ぬう、と突き出される大きな掌。
 掴まれて投げ飛ばされたりでもするんだろうか、なんて不安が浮かび───

中井出 「ポセイドンウェーーーーイ!!!」
マッチョ「《ドッパァアン!!》ぶげぇえぅ!!?」

 ───マッチョが、大回転して倒れた。

カリン「…………へ?」

 ぽかんとするのはカリンと少女。
 いつの間に来たのか、カリンの従者はマッチョにラリアットをして、倒れたそれが気絶していることを確認するや二人を連れて駆け出した。というよりひょいと持ち上げて。

カリン「えっ、あっ、おいっ! お前今までどこにっ!」
中井出「主! よもやこんな時間に人助けを働いておるとは!
    うむうむ、主も人を気にかけるほど成長できたということですな!
    そして少女よ! 今まで感じていた尋常ならざるつまらなさの波動は、
    間違いようもなく貴様のものだな!?」
少女 「え、え?」

 言われた少女、ダルシニは中井出に抱えられるままにあたふた。
 騎士衣装に身を包んだ仮面男にまず驚いたが、不思議と嫌な感じはしない。
 殺生を嫌い、自然とともにある彼女にしてみれば、抱かれた瞬間から感じている彼の森の日向の香りはひどく落ち着くものだった。
 そう、そうだ。飲むのならこういう人の血を飲みたい。
 でも、殺したくはないから汗でもいい。そんな食指が動いていた。

……。

 さて、そうして辿り着いたのはジークフリード亭。中井出の家である。
 机の上は片付けられていなかったようで、なにやらグラスが二つある。

中井出「あれ? サンドリオンがいねー」

 首を傾げたが、起きて帰ったのだろうと気にせずカリンとダルシニを下ろした。
 下ろされたカリンは森の日向の香りに安堵したのか、きゅう、と腹を鳴らして朱くなる。従者に指差されて笑われたが拳が飛ぶと彼は黙って食事の支度を始めた。

カリン 「まったくあいつはいつもいつも……。あ、ああ、えっと。災難だったな」
ダルシニ「あ……いえ」

 急に家に連れ込まれて不安がないわけではないが、ダルシニは随分と安堵していた。
 ともかく家の中の空気がいい。たまらなくいい。
 扉ひとつを抜けただけで別世界だ。

ダルシニ「あの……ここは、あなたの……?」
カリン 「いや、ここはあいつの家だ。
     わた……ぼくはちょっと住ませてもらっているにすぎない」

 自分の言葉で一連の出来事を思い出したのか、がっくりと項垂れるカリン。
 そんなカリンにダルシニは救ってもらったお礼にと自己紹介をして、カリンもまた名乗った。…………ダルシニ、呆然である。

ダルシニ「え、カリン?」
カリン 「? あ、ああ、ぼくの名前はカリンだが」

 ダルシニがカリンを見る。
 ちょっと古臭いが、確かに貴族衣装っぽいもの。
 そして杖。
 訊いてみれば、衛士隊で見習いをしていて、除隊させられたとか。

ダルシニ「───」

 自分はついているんだろうか。
 じゃあ、あとはこの人を屍人にして暴れさせれば、わたしとアミアスは───

ダルシニ「………」

 こくっ、と喉が鳴った。
 屍人に……この人を屍人にして、暴れさせれば……!

ダルシニ「あ、あのっ」
中井出 「はいはいご飯だよー! こっち座りなさい嬢ちゃん!」
カリン 「おいこらっ! 先にぼくへの報告はどうしたんだ!」
中井出 「うるせーーーっ!! 主だからって図に乗るなよ小僧!
     客人ってのは主よりも大切であるべきなんだよ商売人としては!」
カリン 「だからってうるせーはないだろうるせーは!
     お、お前はもうちょっとぼくにやさしくするべきだ!
     大体人をほったらかしにして居なくなって!」
中井出 「ほら〜、嬢、美味しい食事だよ〜」
カリン 「話を聞け!!」
ダルシニ「…………」

 出鼻を挫かれたものの、招かれたならとてとてとと歩いて席に着く。
 と、その過程でさきほどの大男を思い出した。
 美味しい食事っていうことは、また肉なんじゃ……と。
 しかしそこにあったのは野菜中心のものであり、なんとも良い香りを出している。

ダルシニ「え、え……? お肉じゃない……?」
中井出 「おや? お肉がよかった? なんなら今から作り直すけど」
ダルシニ「ううんっ!? ここここれでいいっ! これでっ!」
中井出 「そうかえそうかえ、た〜んとおあがり」

 にっこりと笑う中井出。仮面だから見えないが、雰囲気はダルシニに伝わった。
 カリンは既にがつむしゃと食べており、「味に目覚めたー!」だの「ンまぁ〜〜イ!」だのと叫んでいる。
 ダルシニの前にあるのは野菜の盛り合わせとスープだ。
 吸血鬼なので血以外は消化に悪い、というか有り得ないと言ってもいいのだが、

中井出 「どうしマシタ? お口に合わなかったでしょうカ」
ダルシニ「あ、え、えと……」

 言われて、びくりと肩を弾かせる。
 慌てて食べるそぶりだけでもとサラダを取ると、それをぺろりと舐めて───驚愕。

ダルシニ(え───!? これ……血……!? 血で出来てる!)

 バッと中井出を見るダルシニ。
 その視線に気づいてか、やはりニコリと笑う雰囲気を感じさせた彼は、

中井出「大丈夫デス。私の料理はサラダが苦手な人にも食べられるようになってイマス」

 などと言って、どうぞと促してくれる。
 ……バレてる。
 自分が吸血鬼だって、バレてる。
 でも怖い感じは全然せず、むしろ近くにきて頭を撫でてくれた。
 何故そんなことをするのかは解らなかったが、自分の心がひどく落ち着くのを感じた。

ダルシニ「……ぐすっ」

 少し涙ぐみながら、ダルシニは血で出来ているという常識はずれのサラダを食べた。
 スープも飲んでみれば、色こそ違うがしっかりと血の味。しかも極上だ。
 気をよくしたダルシニは夢中になって食べて、嫌なことなんて忘れてしまおうとした。

カリン「むひゃひゃひゃひゃ! やいジーク! このお水、おいしいなぁ!」
中井出「ひょ? ……ややっ!? そりゃきみ酒ですよ!? どっから出したの!?」
カリン「そこにぃ……っく、落ちてたー! あははははははは!!」
中井出「なんと!? ……落ちてたって、そこ戸棚なんですが!?
    アンタァァァァ!! なに店のものに勝手に手ぇ出してんのォォォォ!!」
カリン「うるせー! 酔いたかったんだからいーじゃないかー!」
中井出「ンマッ! なんと口の悪い!」
カリン「お前にだけは言われたくない!!」

 酔っ払いながらもそこだけは譲れなかったらしい。
 しかしそれだけ言うと、お腹が膨れたこともあってかポテリとテーブルに突っ伏してしまうカリン。

中井出「おやおやほっほっほ、まだまだやんちゃな子供のようなお子よのうォ〜〜」

 言いつつもなんだかんだで嬉しそうな雰囲気を出している。
 ダルシニは血の食事を食べつつも、そんな彼を見上げていた。

中井出 「きみも今日は泊まっていきんさい。
     行く当てないなら住んでもらっても構わんよ」
ダルシニ「え……どうして」
中井出 「だってきみ、エスターシュんところの嬢で、吸血鬼っしょ?」
ダルシニ「!? ……あっ……ご、ごめ───」
中井出 「はい待った。ごめんは言わんでよし。
     ちなみに一方的に知ってる理由は、屋敷に潜入した時に見たから。
     ほら、エスターシュの指から血がドバーと出たでしょ? あれ俺の仕業」
ダルシニ「あ……」

 その説は、美味しくない血をたくさんありがとう。あ……なんかごめんなさい。
 そんな会話がされた。

ダルシニ「あの……そうだとして、どうしてわたしを捕まえないの?」
中井出 「んー?」

 生返事のようなものを返しながら、中井出はカリンを抱きかかえた。
 いわゆるお姫様抱っこだ。

中井出 「きみがつまらなそうだったから。このジークフリード、
     楽しいを知らん者に楽しいを教えることを人生としておりマッスル。
     なのでそんな雰囲気をたっぷりと持ったキミは是非とも楽しませたい」
ダルシニ「…………おかしな人なんだ、あなたって。吸血鬼を楽しませたいなんて」
中井出 「初めてじゃないしねぇ」

 はははと笑いつつ、「おかわり要る?」と訊ねる。
 ダルシニは申し訳なさそうにしながらもこくりと頷いた。
 よっしゃと頷く中井出の手にはグラス。そこに自分の血を創造すると、ほれと渡す。

ダルシニ「え……これ、どこから……」
中井出 「借り物の能力でまあいろいろと。
     欲しくなったらいつでも言いなさい、俺の血だから遠慮することはないので」
ダルシニ「…………《ちろり》…………!《ぱああっ……!》」

 ちろりと舐めてみれば、今まで味わったことのない芳醇な香りと味に口内と鼻腔が満たされる。ほわ〜と口元が緩んでしまい、その血に夢中になってしまった。
 ごくりと飲むのはもったいなくて、ちろちろと舐めてゆく。

中井出「うむうむ、良いお子良いお子」

 そんな様子にうむうむ頷き、カリンを抱きかかえながらも彼女の頭を撫でる。
 料理に文句を言わないやつは良いお子です。美味いくせにいちゃもんをつけるヤツはただのクズだ。そんな思いを込めた頭撫でののち、彼はとことこと奥にある部屋を目指して歩いていった。

……。

 さて、食事が終わり、そろそろ寝ますよって頃。
 中井出はこの家に備え付けてある風呂へと向かい、部屋にはダルシニと眠っているカリンだけが残された。

ダルシニ「………」

 千載一遇のチャンスとはこういう時に使うのだろうか。
 ダルシニはごくりと喉を鳴らす。
 自分の自由……いや、それ以上にアミアスを助けるために。

ダルシニ「はっ……はぁ……!」

 くあ、と口が開かれる。
 しかし、自分がしてしまうことへの不安と恐怖と罪悪感とで息が荒れる。
 ……吸血行動を取ると意識した途端にギパァと伸びた犬歯はとても鋭い。
 これを突き立て、死するまで血を吸えば……きっと。

  ぷつり

 鋭い牙がカリンの首筋に突き立てられ、血の玉が浮く。
 それを舐め取ると、ダルシニの口内に少年の───ものではなく、少女の血液の味が広がった。

ダルシニ「え───?」

 少年と少女の血では、確実に違う味というものがある。
 特に処女の生き血は格別であり、男性の吸血鬼などは好んでそれを飲む。
 ダルシニもそれを飲んだ経験はあり、これは間違いようもなく女性の、処女の生き血だ。

ダルシニ「………」

 エスターシュに言われた存在。カリン。名前だって間違いないし、境遇だって一緒。
 じゃあ……この子は、女性なのに男性として騎士になろうとしていた?
 なにか事情があって、必死で隠して。

ダルシニ「…………ぷはっ」

 ダルシニは静かに牙を抜いた。
 ……自分も同じなのだ。正体を隠しながらじゃなければ生きていけない。
 そんな境遇に似たようなものを感じた瞬間、ダルシニは元から乗り気じゃなかったことも手伝って、もうカリンを屍人にする考えなど無くしてしまっていた。
 ……というのに、こんな状況でカリンはふと目を覚ましてしまう。
 ダルシニが「あっ……」と漏らした時にはカリンは首の痛みに手を当て、血が出ていることに気づき……ついで、ダルシニの口周りが血で赤く染まっていることにも気づく。

カリン「きゅ、吸血鬼……!」

 数瞬見せた怯えもぐっと飲み込み、カリンはダルシニを押し倒した。
 そして……杖は忘れっぱなしだったので、近くにあった適当な鋭利なものを手に取ると、ダルシニ目掛けて振るおうとする。
 組み敷かれたダルシニは、ひう、と悲鳴をあげてその尖ったものを払う。
 心臓にでも刺されれば死んでしまう。それは人でも誰でも同じで、怯えるのは当然だ。

カリン 「このっ! 動くな!」
ダルシニ「ひうっ、あうっ」
カリン 「お前っ、なんのつもりでここまで! わたっ……ぼくを襲う気だったのか!」
ダルシニ「ごめんなさい、ごめんなさい」
カリン 「暴れるなったら! このっ!」

 押し倒されながらも自分の顔を庇うようにするダルシニの手を、カリンは自分の両手を以って押さえつけた。
 手さえ封じてしまえば、いくら吸血鬼でも……と思ったからだ。
 しかしまあ、そういう時にこそ空気というものは流れるものなのだろう。
 がちゃりと部屋の扉が開かれ、はふーと息を吐く中井出が入ってきた。

中井出「うるさいぞー? 外まで聞こえちょーよ? なんなの襲うだの暴れるだの。
    ご近所にいろいろ誤解されちゃうようなこキャーーーッ!!?」
カリン「ジーク!? 丁度よかった! こいつを押さえつけるのを手伝ってくれ!」

 ……さて。
 この状況、パッと見た人が素直な感想を述べるのなら。
 涙してイヤイヤと首を振る女性をベッドに組み敷いて、上に乗っかったまま暴れるなだのなんだのと怒鳴りつけている状態である。
 みるみる内に中井出は顔を真っ赤にして

中井出「バカヤローーーッ!!」
カリン「《ずぱぁああん!!》ふびゃーーーう!!?」

 ズカズカと接近してビンタを炸裂させた。
 それはもう、物凄い音が響くビンタであった。

中井出「テメェェェェ!! おなごを無理矢理押し倒して動くな暴れるなだのと!
    貴様いったいどげな紳士の名に恥じる行為をしようと企んでおったかぁぁ!!」
カリン「い、い、いたっ……いたっ……!《ふるふるカタカタ……》」
中井出「泣くでないよ! 泣きたいのはこっちのお子さねお馬鹿さん!!
    ああんもう怖かったねェ〜〜〜ェェェエ!! ……このクズが!!」
カリン「ま、待てっ! 待って! そいつは吸血鬼でっ! だからっ!」
中井出「ホ? 吸血鬼? だからなにかね! そんなの見た時から知っておったわ!」
カリン「えぇえええええええーーーーーーーっ!!?」

 大驚愕! じゃあなんで一緒に連れて来たの!? と思い切りツッコミを入れたが、

中井出「バカヤロー! 主が救った相手だからに決まってるだろーがー!!
    それを貴様! よもやメシを用意させて安心させてから襲う気だったとは!
    なんて非道なお子でしょうかね嘆かわしい!!」
カリン「ちちちちちがう違う!! ぼくはこいつに首を噛まれたんだ!
    血を吸われたんだ! ほら見てみろ!
    首から血が出てて、こいつの口は真っ赤だろ!」
中井出「主……そんな、ヘソ出して寝てる最中に蚊に刺されて、
    運よく二匹同時に潰せたからってそんな、
    都合のいい言い訳まで作って襲いたかったなんて……」
カリン「おぉおおおおおぉおお前の言う例え話のほうが都合よすぎるわぁああっ!!!」

 でもヘソ出して寝てたでしょ。う、うるさいな!
 そんな会話が(略)

中井出「ようがす。でもとりあえず落ち着きめされい。
    吸血鬼だからどうしました。誰であろうと腹が減りゃあメシを食う。
    つまらないなら楽しませたい。僕ァそれを叶えただけです」
カリン「お前っ! ぼくが血を吸われて死んだらどうするつもりだったんだ!」
中井出「死んだときに考えます。死んでないなら笑っとけぃコノヤロー」
カリン「なっ……───はぁ。お前、そんなんじゃいつか大切なものを無くすぞ……」
中井出「ん、大丈夫。とっくの昔に無くしたから今、笑ってるんだし」
カリン「え───」

 今、なんて……───訊こうと思ったが、中井出はダルシニの口元をハンケチーフでやさしく拭うと、ついでに涙も拭ってぽむぽむと頭を撫でた。

中井出 「さてダルシムよ」
ダルシニ「ダルシム!? ……あ、あの、ダルシニ……わたし、ダルシニ……」
中井出 「……い、いや、知ってたよ?
     今のジョークだから。軽いジョークだから言っとくけど」
カリン 「………」

 じとりと睨んでみると、彼はともかくと話を進めだした。

中井出 「ダルシニさん? きみには───」
ダルシニ「あの……わたしは、殺されても構いません。
     ……その人がやったことは正しいんです。
     “吸血鬼は見つけ次第殺せ”───それが、人間が吸血鬼に対して取る行動。
     だから……でも……」
中井出 「主。全力で殴っていい?」
カリン 「やめて!?」

 割と本気で首をブンブンと振って拒否した。
 なんで人類代表で自分が殴られなきゃならないのよと。

ダルシニ「……わたしはどうなってもいいから、妹を……アミアスを助けてください。
     わ、わたしの妹が捕まってて……言うこと聞かなきゃいけなくて……。
     ぐすっ……どうして、どうしてわたし、吸血鬼になんて産まれたんだろう。
     同じ顔をしたあなたたちの血を吸わなきゃ生きていけないなんて、もういや。
     だから……殺してください。でも、その代わり、アミアスだけは……」
中井出 「…………《ゴキャリリベキゴキバキゴキベキ》」
カリン 「ひぃいいっ!!? ちちち違うぼくじゃない! ぼくじゃないぞ!?
     なんでぼくに向かって拳鳴らしながら近づいてくるんだ!!」
中井出 「……もうさ。エスターシュにゃ容赦しないよぼく。
     正々堂々と破滅させたあと、ヤツの総力ごと真正面からぶっ潰してやる」
カリン 「……その。怒って……る、のか?」
中井出 「…………はぁ。ごめんね、主。嫌な気分にさせた。引っ叩いて悪かった。
     でもねぇ、俺、そういうやつら大嫌いなんだ。
     自分がヤバイこと前提で苦し紛れに人質取ってボコボコにされるとか、
     そんなザコとかの末路を演じきってみせる瞬間は好きだけど、
     そういうことをマジで、しかも家族を人質にとかさぁ……」

 許せるものではない。
 ゴリン、と重苦しい歯車が動く。
 彼にとって、“鋭い怒り”なんてものは壊れた感情の奥底にしまってあるものだ。
 日々を楽しく、後悔しようが後悔も楽しさに変える能天気さを。
 そんなものをひび割れた容器に満たして生きるのが“自分らしさ”。
 それが本当に自分なのかは解らないままに、思ったとおりに動く馬鹿者。
 そんな道化を演じている彼は、本気で怒ることなどほぼ無い。
 ましてや他人のためになど怒るはずもなく、ならばこの怒りはなんなのか。

ダルシニ「その。わたし……この作戦が上手くいけば、
     妹と一緒に解放してくれるって聞いて。
     でも……失敗したら、わたしもアミアスも…………だから」
中井出 「ダルちゃん。あのね、そのタコ最初からきみらを解放する気なんざないよ」
ダルシニ「え───?」
中井出 「吸血鬼を解放したなんて領地の誰かに知られてみろ、信用はガタ落ちだ。
     知られないように行動する? 無理だね。
     人の目ってのはどこにあるか解らない。
     抜け道のどれかから行かせるにしたって、
     完全に口を割らない人間なんてのは居ないんだ。
     まして、抜け出したのが吸血鬼とくれば、
     人間として天敵をそのまま逃がすわけもない」
ダルシニ「そん……な……」
中井出 「加えて言えば……あー、そーだね。
     エスターシュは確かに解放するかもしれない。エスターシュはね。
     で、安心しきったところで追っ手がきみらを殺す。
     それらを走らせたエスターシュは吸血鬼を始末した英雄だ」
ダルシニ「───!」

 ダルシニは愕然とした。
 じゃあ、なんだ。自分は踊らされていただけなのか。
 吸血鬼というだけで。
 ただ、生まれてしまったというだけで。
 悔しさに涙が出てくる。ぎううと握り締めたドレスがぎちぎちと音を立てていた。

中井出「安心をし、貴様はこの博光が匿ってくれる。
    エスターシュの好きなようには絶対にさせん。絶対にだ。我が武具に誓う」

 どうやら相当に立腹らしく、カリンもごくりと喉を鳴らすほどの迫力がそこにあった。
 しかしハッとするとすぐにいつもの雰囲気に戻り、にこりと笑う。
 そんな反応をする中井出を余所に、カリンは誰にも気づかれずにこくりと頷いた。こいつの反応はどうあれ、本名は“ヒロミツ”というのか、と。

中井出「うぬ、これは失礼。怒りはいかんねやっぱり、つまらない」
カリン「いや、正直意外だった。なんというか、その。真剣に怒れるんだな、驚いた」

 どこかでお前から人間らしさってのを抜いて見てた、なんて言って、カリンは笑う。
 中井出は……そんな言葉にコリ……と頬を掻いて溜め息。誰にも聞こえない声で、きっとそれは正しいよと呟くと、拳と拳をぶつけ合わせて動き出す。

中井出「うーしゃー!
    そんじゃあダルシムさんの妹のラミレスを救ってエスターシュをコロがそう!」
カリン「ああ! あとダルシニとアミアスだ」
中井出「微塵なことは気にしません!」
カリン「細かいどころじゃないのか!? いやこの場合細かくないだろ、大きいだろ!」
中井出「まーまーまー! さーさーさー! 目指すはエスターシュの屋敷!
    あ、ダルちゃん! 妹さんが捕まってる場所って解る!?」

 うがーと物言いを続けるカリンを押し退け、ぽかんとして二人の言い合いを見ていたダルシニに訊ねる。と、ハッとしてこくこくと頷く。その瞬間、待ってましたとばかりに中井出はパチンと指を鳴らして《コシュッ》…………鳴らなかったが気にしてはいけない。

中井出 「ようがす! ならばそこへ乗り込んで───」
ダルシニ「でも……無理なの。隠し通路はいろいろあるらしいけど、
     わたしが知っている場所はそこだけ。しかもそこには番人が居て、
     とてもじゃないけど通れない」
中井出 「番人くらいいぞり投げでどすこいだよ?」
ダルシニ「よく解らないけど、番人は人間じゃないの。見たことはないけど気配で解る。
     通るときは片道だけの番人避けのお香を貰うんだけど、
     片道だけだからもう無くて……。
     作戦が成功して、手紙を送れば迎えを寄越す手筈だったらしいけど……」

 裏切るからにはそれも無理だとダルシニは続けた。
 となるとお香作戦は無理。
 別にゼロ戦の時のように残り香を分析して増殖させればいいだけのことだが、ヤツが用意したものを増殖というのは……なんか嫌だった。
 嫌だったが別にそこまで嫌ではなかったので増殖することにした。
 勝てばよかろうなのだ。

中井出「ゲボルフェヘヘヘハハハカカカカッカッカッカッカ……!!
    愚か愚か、なんと愚かな……!
    ヤツは自分が用意したもので自分の首を絞めるのだウェヒヒハハハハ……!!」

 香炉にお香が満たされる。と、独特の香りがした。

カリン 「この香りが守ってくれるのか」
ダルシニ「守るというか、番人が反応しなくなるそうです。
     ……え? というかその。これが満たされたことに対する反応は……」
カリン 「疲れたからもういい……こいつにいちいちツッコんでたら、
     ぼくの精神が保たないんだ……解るだろ」
ダルシニ「あなた、女性なのよね。女性の言葉で話せばいいのに」
カリン 「うなっ!? ……み、見たのか?」

 びくぅっと驚くカリンだが、なるほど。自分は誰かの前で眠るという、正体を隠す身としては最も危険な行為をしてしまったのだ。それで確認されたなら、自業自得だ。これからはお酒なんて飲まないようにしよう。……その、出来るだけ、という範疇で。

ダルシニ「……ごめんなさい、血の味で解るの」
カリン 「はうっ……な、内緒だぞ!? 内緒だからな!?」
ダルシニ「は、はい。じゃあその……秘密仲間で。
     わたしも、吸血鬼であることをばらされたくはないから。
     たとえ道案内までの命だとしても───」
中井出 「……《ぎろり》」
カリン 「いやいや殺さないぞ!? エスターシュに言われてやっただけなんだろう!?
     だだ大体、血を吸いだしたなら、ぼくが死ぬまで吸えたはずだ!
     そうしなかったならそうだって信じられるじゃないか!」

 だからいちいち睨むなと返して、トホーと溜め息。
 ふだんはのほほんとしているくせに、なんでこう睨む時は怖いんだ。
 そういった思いを込めて中井出を睨むが、当の彼はとっくにダルシニに視線を戻してペチャクチャと話し合っている。

中井出 「いろいろ回ってみたんだけど、その牢獄ってのは見つけられなかったなぁ。
     じゃあダルちゃん、悪いけど先導頼んでいい?」
ダルシニ「はい。場所は……」

 話す二人に肩をすくめる。
 なんだか、また自分がのけものみたいで嫌だった。
 ぷうと頬を膨らませると、大した閃きもないままに話に乗る。
 すると急に「おやおや寂しがりやでちゅね〜〜ェェェ」と頭を撫でられたので、一発殴っておいた。




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